JP2007063491A - 水性エマルジョン型粘着剤組成物 - Google Patents

水性エマルジョン型粘着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた粘着力を有するとともに、粘着剤組成物の瞬間的な粘着性の指針となるタックが向上された水性エマルジョン型粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量部と、(b)その他の共重合可能な単量体0.5〜35質量部(但し、(a)+(b)=100質量部)とを含む単量体成分を乳化重合することによって得られたガラス転移点が−75〜−20℃のポリマーを含む(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)、及び(B)ポリブテン5〜150質量部を含有する水性エマルジョン型粘着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性エマルジョン型粘着剤組成物に関する。さらに詳しくは、優れた粘着力を有するとともに、粘着剤組成物の瞬間的な粘着性の指針となるタック、特にプローブタックが向上された水性エマルジョン型粘着剤組成物に関する。
従来、農業、畜産、家庭園芸等で発生するハエ等の害虫やその他の小生物を駆除するためには、例えば、殺虫剤を散布したり、また、ハエ等の害虫の発生を抑制するために防蝿剤を散布している。これらの殺虫剤や防蝿剤は、その効果は大きいが、それが持続しないこと、また、環境を汚染するなどの問題があり、近年は、いわゆるハエとり紙等の害虫捕獲粘着シートや害虫駆除剤が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、このような害虫捕獲粘着シートは、シート状の基材と、この基材上に配設された粘着剤組成物からなる粘着層とを備えたものである。
特開2001−58902号公報
しかしながら、このような粘着層として用いられる粘着剤組成物は、粘着力が低く、また、瞬間的な粘着性、即ち、タックも弱いために、ハエ等の害虫を捕獲する捕獲性能において問題があった。
また、従来の粘着剤組成物においては、粘着力の経時変化が大きく、空気、光、温度等の使用する環境により劣化して粘着力が低下するという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、優れた粘着力を有するとともに、粘着剤組成物の瞬間的な粘着性の指針となるタック、特にプローブタックが向上された水性エマルジョン型粘着剤組成物を提供するものである。
上記課題に対応すべく検討を行った結果、所定の共重合体エマルジョンとポリブテンとを特定の割合で含有させることにより、優れた粘着力を有するとともに、粘着剤組成物のタックが向上することを見出し、本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、即ち本発明により以下の水性エマルジョン型粘着剤組成物が提供される。
[1] (a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量部と、(b)その他の共重合可能な単量体0.5〜35質量部(但し、(a)+(b)=100質量部)とを含む単量体成分を乳化重合することによって得られたガラス転移点が−75〜−20℃のポリマーを含む(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)、及び(B)ポリブテン5〜150質量部を含有する水性エマルジョン型粘着剤組成物。
[2] (B)ポリブテンが、下記式(1)及び/又は(2)で表されるポリブテンを含む前記[1]に記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
Figure 2007063491
(但し、式(1)において、nは4〜45の整数である)
Figure 2007063491
(但し、式(2)において、nは4〜45の整数である)
[3] 前記式(1)及び/又は(2)で表されるポリブテンにおいて、nが、10〜40の整数である前記[2]に記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
[4] JIS Z0237に準拠したプローブタック試験による測定値が、3N/cm2以上である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
[5] 着色剤をさらに含有する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
[6] 小生物を付着させて捕捉するために用いられる前記[1]〜[5]のいずれかに記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
本発明によれば、優れた粘着力を有するとともに、粘着剤組成物のタック、特にプローブタックが向上された水性エマルジョン型粘着剤組成物を提供することができる。また、粘着力の経時変化が小さく、経時粘着力が向上された水性エマルジョン型粘着剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を具体的な実施の形態(以下、実施の形態という)に基づいて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物は、(a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量部と、(b)その他の共重合可能な単量体0.5〜35質量部(但し、(a)+(b)=100質量部)とを含む単量体成分を乳化重合することによって得られたガラス転移点が−75〜−20℃のポリマーを含む(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)、及び(B)ポリブテン5〜150質量部を含有する水性エマルジョン型粘着剤組成物である。本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物は、優れた粘着力を有するとともに、粘着剤組成物の瞬間的な粘着性の指針となるタックが向上されたものである。
[(A)共重合体エマルジョン]
(A)共重合体エマルジョンは、(a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、(a)成分という場合がある)65〜99.5質量部と、この(a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(b)その他の共重合可能な単量体(以下、(b)成分という場合がある)0.5〜35質量部(但し、(a)+(b)=100質量部)とを含む単量体成分を乳化重合することによって得られた−75〜−20℃の範囲にガラス転移点(Tg)を有するポリマーを含むものである。この(A)共重合体エマルジョンは、水系媒体中に分散するものであることが必要である。上記ポリマーのガラス転移点が−75℃よりも低いと、被着体に対する保持力、粘着力、耐熱性が弱くなるとともに、粘着力の経時変化が大きく経時粘着力(耐久性)が低下する。一方、ガラス転移点が−20℃よりも高いと、被着体に対する粘着力、耐湿性、耐水性が低下するとともに、タック向上の効果を得ることができない。なお、(A)共重合体エマルジョンに含まれるポリマーのガラス転移点は、好ましくは−70〜−25℃であり、さらに好ましくは−65〜−30℃である。
なお、ガラス転移点は、以下に示す方法によって測定した値を意味するものとする。まず、(A)共重合体エマルジョンを含む水系分散体約5gをガラス板に薄く引き伸ばし、25℃で7日間乾燥させることによって、乾燥フィルムを得る。得られた乾燥フィルムについて、示差走査熱量分析計(DSC)、例えば、理学電気社製のDSC、を使用し、昇温速度=20℃/分、チッ素雰囲気下、サンプル量=20mgの条件で測定する。
上記したように(A)共重合体エマルジョンは、(a)成分として炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられており、このような炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることにより、水性エマルジョン型粘着剤組成物の経時粘着力が著しく向上する。なお、(a)成分として、炭素数が4未満のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いた場合には、ガラス転移点が高くなり粘着力やタックが低くなる。一方、炭素数が12を超えるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いた場合には、共重合体エマルジョン重合時の重合安定性が悪くなり好ましくない。
また、(a)成分の量が、65質量部未満(但し、(a)+(b)=100質量部)であると、粘着力やタックが低くなり、99.5質量部を超えると、共重合体エマルジョンの化学的安定性が悪くなる。更に粘着剤として粘度の経時変化があり好ましくない。
従来、粘着シート等に用いられる粘着剤組成物においては、脂肪族共役ジエン系、例えば、ブタジエン系の単量体を主たる成分とした共重合体エマルジョンが使用されることがあったが、このような粘着剤組成物は、紫外線による劣化が激しく、その経時粘着力が極めて低かった。このため、例えば、屋外においても使用されることのある害虫捕獲粘着シート等においては耐久性の面で問題があった。本実施の形態においては、上述したように(a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量部と、(b)その他の共重合可能な単量体0.5〜35質量部(但し、(a)+(b)=100質量部)とからなる単量体成分を乳化重合することによって得られる共重合体エマルジョンを用いているため、経時粘着力に優れたものとすることができる。
(a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどの直鎖又は分岐脂肪族アルコールのアクリル酸エステル及び対応するメタクリル酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、単独で又は二種以上を併せて用いることができる。
(b)その他の共重合可能な単量体としては、ヒドロキシル基含有単量体が挙げられる。具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(b)その他の共重合可能な単量体としてはさらに、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの炭素数が3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、クロトン酸などのα,β−不飽和カルボン酸単量体;酢酸ビニルなどのビニル系単量体;ジビニルベンゼンなどの上記以外の多官能性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなどの酸アミド化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系単量体;ジカプロラクトンなどが挙げられる。
また、(b)その他の共重合可能な単量体として、官能基を有するラジカル重合性単量体、例えば、上記以外のα,β−不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物;N−メチロールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルなどの上記以外の水酸基含有ビニル系単量体;2−アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系単量体;1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1−メチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2′−フェニル−2′−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1イミドなどのアミンイミド基含有ビニル系単量体;アリルグリシジルエーテルなどの上記以外のエポキシ基含有ビニル系単量体などを挙げることができる。(b)成分は、必要に応じて用いられ、単独で又は二種以上を併せて用いることができる。
なお、(a)成分と(b)成分との量については、(a)成分が75.0〜99.0質量部、(b)成分が1.0〜25.0質量部(合計100質量部)であることが好ましく、(a)成分が80.0〜98.5質量部、(b)成分が1.5〜20.0質量部(合計100質量部)であることがさらに好ましい。このような範囲に入ることにより、良好な粘着力を得ることができるとともに、粘着剤組成物のタックがより向上する。
通常、このような(A)共重合体エマルジョンは、乳化剤、水及び重合開始剤の存在下で乳化重合することによって得ることができる。乳化剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、脂肪酸塩等のアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル四級アミン塩等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ブロック型ポリエーテル等のノニオン系界面活性剤;カルボン酸型(例えば、アミノ酸型、ベタイン酸型など)、スルホン酸型等の両性界面活性剤、商品名で、ラテムルS−180A、エマール10N〔花王社製〕、エレミノールJS−2〔三洋化成工業社製〕、アクアロンKH−10〔第一工業製薬社製〕、アデカリアソープSE−10N、アデカリアソープSR−10〔以上、旭電化工業社製〕、Antox MS−60〔日本乳化剤社製〕、サーフマーFP−120〔東邦化学工業社製〕などの反応性乳化剤等のいずれでも使用可能である。このような乳化剤は、単独で又は二種以上を併せて用いることができる。
また、重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩や、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキサイド、2,2′−アゾビス〔2−N−ベンジルアミジノ〕プロパン塩酸塩等の水溶性開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性開始剤;酸性亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、テトラエチレンペンタアミン、アスコルビン酸等の還元剤を併用したレドックス系開始剤などが使用できる。
乳化重合の際における乳化剤(界面活性剤)の使用量は、(a)+(b)=100質量部に対し、通常、0.01〜5質量部、好ましくは0.7〜3質量部である。0.01質量部未満では、乳化が十分でなく、また、重合安定性が悪くなる傾向にある。一方、5質量部を超えると、重合によって得られる粒子の径が小さくなり粘着剤組成物の流動性が悪くなり、その結果、塗工性が悪くなる傾向にある。
また、重合開始剤の使用量は、(a)+(b)=100質量部に対し、通常、0.1〜4質量部、好ましくは0.3〜2質量部である。0.1質量部未満では、重合安定性が十分でなく、また、凝集物が発生し、さらに未反応分の単量体が多くなる。一方、4質量部を超えると、重合によって得られる粒子の径が大きくなり、また、反応速度が速くなり、性能面では耐水性、耐湿性が悪くなり、好ましくない。
なお、本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物に用いられる(A)共重合体エマルジョンの具体例としては、アクリル酸2エチルへキシル・メチルメタアクリレート・アクリル酸共重合体、アクリル酸2エチルへキシル・n−ブチルアクリレート・アクリル酸・ヒドロキシエチルメタアクリレート共重合体(2EHA・n−BA・アクリル酸・ヒドロキシエチルメタアクリレート共重合体)等を挙げることができる。
[(B)ポリブテン]
(B)ポリブテンは、水性エマルジョン型粘着剤組成物中に、(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)に対して5〜150質量部含有する成分である。この(B)ポリブテンを5〜150質量部含有することにより、水性エマルジョン型粘着剤組成物のタックが良好に向上する。なお、タックがより向上した水性エマルジョン型粘着剤組成物とするためには、(B)ポリブテンは、(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)に対して、15〜100質量部含有することが好ましく、25〜75質量部含有することがさらに好ましい。なお、(B)ポリブテンの量が、(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)に対して5質量部未満であると、タック向上の効果を得ることができない。一方、150質量部を超えると、被着体に対する保持力や粘着力が弱くなり、さらに耐湿性が低下する。
本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物に用いられる(B)ポリブテンは、下記式(3)及び/又は(4)で表されるポリブテンを含むことが好ましく、下記式(3)で表されるポリブテンを含むことがさらに好ましい。
Figure 2007063491
(但し、式(3)において、nは4〜45の整数である)
Figure 2007063491
(但し、式(4)において、nは4〜45の整数である)
このような(B)ポリブテンは、ナフサの分解により生成するBB分留のうち、イソブテンとノルマルブテンとを重合(例えば、低温選択重合)して得ることができ、重合条件を調整することにより、得られるポリブテンの粘度や分子量を調整することができる。本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物に用いられる(B)ポリブテンは、上記式(3)のように、側鎖を有する直鎖状炭化水素の混合物で末端に二重結合を一つ有するポリブテンであってもよいし、また、上記式(4)のように、末端に二重結合のないポリブテンであってもよい。
なお、本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物に用いられる(B)ポリブテンとしては、上記式(3)及び/又は(4)で表されるポリブテンを、(B)ポリブテン全体(100質量部)において、30質量部以上含むことが好ましく、50質量部以上含むことがさらに好ましく、60質量部以上含むことが特に好ましい。上記式(3)及び/又は(4)で表されるポリブテンが、30質量部未満であると、得られる水性エマルジョン型粘着剤組成物において、(B)ポリブテンを含有することによるタック向上の効果が低下することがある。なお、本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物に用いられる(B)ポリブテンにおいては、上記式(3)及び/又は(4)以外の構造式で示される従来公知のポリブテンを含んでいてもよい。
上記式(3)及び/又は(4)で表されるポリブテンにおいて、nが10〜40の整数であることが好ましく、nが12〜25の整数であることがさらに好ましい。このような構造のポリブテンを5〜150質量部含有することにより、粘着力とタックとを大幅に向上させることができる。
また、(B)ポリブテンの量としては、(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)に対して、25〜70質量部含有することが好ましく、35〜65質量部含有することがさらに好ましい。(B)ポリブテンの量が25質量部未満であると、タックの向上があまり期待できないことがあり、一方、(B)ポリブテンの量が70質量部を超えると、被着体に対する保持力、粘着力が十分に得られないことがあり、また、耐湿性が低下することもある。
このような(B)ポリブテンとしては、日本油脂社製のニッサンポリブテン30N(商品名)やパールリーム(商品名)、新日本石油化学社製のハイモール6G(商品名)を好適に用いることができる。
[その他の添加物]
また、本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物においては、着色剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、保護コロイド剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等のその他の添加物をさらに含有したものであってもよい。
例えば、着色剤をさらに含有したものとすることにより、水性エマルジョン型粘着剤組成物を所望の色に着色することができる。このような着色剤としては、従来公知の顔料を挙げることができる。
着色剤の色については、本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物の使用目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水性エマルジョン型粘着剤組成物を、害虫等を捕獲するための粘着剤組成物として用いる場合には、橙色、黄色、青色等であることが好ましい。このように着色剤を含有することにより、例えば、水性エマルジョン型粘着剤組成物を害虫捕獲粘着シートの粘着層に用いた際において、ハエ等の害虫やその他の小生物が顔料添加により得られる特定色相に誘引されて粘着層に付着し易くなるとともに、粘着層のプローブタックが向上していることにより、一旦付着した虫等は粘着層から逃げることができなくなるという害虫付着性が良好になる。
このような着色剤は、(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)に対して、0.005〜3.0質量部含有することが好ましい。なお、着色剤が0.005質量部未満であると、着色剤が少なすぎて所望の色に着色することができないことがある。また、3.0質量部を超えると、水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘着性が低下することがあり、また、これ以上着色剤を増加しても着色の効果に変化はなくコスト高となる。
粘着付与剤としては、ロジン系、テルペン樹脂系、石油樹脂系の粘着付与剤が挙げられ、これらを単独で又は二種以上を併せて用いることができる。この中でもロジン系粘着付与剤が好ましく、ロジン系粘着付与剤単独又はこれと他の粘着付与剤との組み合わせで用いることが好ましい。ロジン系粘着付与剤は、ロジンをベースとした粘着付与樹脂であり、例えば、ロジン又はロジン誘導体を、水添、不均化、重合などの変性手段で安定化し、これをグリセリンやペンタエリスリトール等の各種ポリアルコールでエステル化して得られる樹脂が好適なものとして挙げられる。ロジン系粘着付与樹脂の軟化点が低すぎると、粘着付与樹脂の軟化点、凝集力が向上せず、高温時の粘着保持力が低下する傾向にある。一方、軟化点が高すぎるものは、現在のところエステル化反応時に粘度が上昇し製造が容易でない。従って、このロジン系粘着付与樹脂の軟化点は、100〜170℃であることが好ましい。ロジン系粘着付与樹脂は、単独で又は二種以上を併せて用いることができる。なお、ロジン系粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K5903に準じた環球法を用いて測定することができる。
粘着付与剤を使用する際の量としては、(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)に対し、好ましくは1〜30質量部、さらに好ましくは3〜25質量部である。粘着付与剤の量が、1質量部未満では、粘着力を向上させる効果が十分に発揮されないことがある。一方、30質量部を超えると、粘着力が低下することがある。
また、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を好適に用いることができる。酸化防止剤を使用する際の量としては、(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)に対して、0.1〜5.0質量部であることが好ましい。酸化防止剤の量が、0.1質量部未満では、酸化防止の効果が十分に発揮されないことがある。一方、5.0質量部を超えると、水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘着性が低下することがあり、また、これ以上酸化防止剤を増加しても酸化防止の効果が増加することはなくコスト高となる。
また、本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物においては、JIS Z0237に準拠したプローブタック試験による測定値(以下、「プローブタック値」ということがある)が、3N/cm2以上であることが好ましく、4N/cm2以上であることがさらに好ましい。このプローブタック値は、瞬間的な粘着性の指針となる値であり、従来の害虫捕獲粘着シート等に用いられる粘着剤組成物においては、このプローブタック値が低いために、粘着シートに害虫等が瞬間的に接触したとしても、その害虫を捕獲することができずに逃げられてしまうことが多かった。
本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物においては、所定の(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)、及び(B)ポリブテン5〜150質量部を含有するものとすることにより、従来の粘着剤組成物においては実現困難であった、プローブタック値を3N/cm2以上とすることができる。
ここで、JIS Z0237に準拠したプローブタック試験の方法について説明する。まず、水性エマルジョン型粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着シートを作成し、この粘着シートを、貼りつけ面積が25mm×25mmとなるように切断して試験片を用意する。
次に、この試験片をプローブタック用のプローブタック装置の円柱プローブに、一定荷重を掛けながら、一定時間接触させた後、このプローブを試験片の粘着面から垂直方向に引き剥がすのに要する力(N/cm2)を測定する。測定条件としては、円柱プローブの直径が5mm、接触速さ及び引き剥がし速さが毎秒10±0.1mm、接触荷重が0.98±0.01N/cm2、接触時間が1.0±0.1秒とし、5枚の試験片における測定を行い、その平均値を測定値とする。
本実施の形態の水性エマルジョン型粘着剤組成物は、例えば、所定量の(A)共重合体エマルジョンが分散した水系分散体に、上記の(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)に対して5〜150質量部に相当する量の(B)ポリブテンが分散した水系分散体を加え、さらに必要に応じ、顔料や粘着付与剤が分散した水系分散体やその他の添加剤を加え各成分が十分に混合するように常温で所定時間(例えば、5時間程度)撹拌して調製することができる。
このようにして得られる水性エマルジョン型粘着剤組成物は、粘着シートの粘着層を形成するための材料として用いることができ、特に、害虫等の小生物を付着させて捕捉するための粘着層を形成するための材料として好適に用いることができる。
水性エマルジョン型粘着剤組成物を塗工する場合、直接シート状の基材上に塗工してもよいし、離型紙に塗工し、通常の乾燥条件で乾燥した後、転写して使用してもよい。シート状の基材としては、紙、織布、不織布、プラスチックフィルム、金属箔、発泡シート、又は、これらの積層体等を用いることができる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において、特に断りのない限り、「部」は質量部を意味する。
[評価方法]
以下の実施例及び比較例で得られた粘着剤を、アプリケーターを用いてポリオレフィンシートに、乾燥後の塗膜の厚さが70μmになるように塗工し、90℃で3分間乾燥したのち、40℃で3日間養生した。シートを25mm×125mmに切断して、試験片を作製した。得られた試験片を用いて、以下のようにして粘着物性を測定又は評価した。結果を表4に示す。
<粘着力>
JIS Z0237により、180゜剥離力を測定した。なお、初期粘着力、耐熱性、耐湿性、及び経時粘着力の評価は被着体にSUS304を用い、23℃、65%RHの雰囲気下で、試験片を被着体に貼り合わせ、2kgのローラーを1往復させて圧着し、下記条件下で放置したのちに、剥離速度300mm/minで粘着力を測定した。
初期粘着力:23℃、65%RH下、20分後、粘着力を測定。
耐熱性:70℃、3日後、室温まで冷却して粘着力を測定。
耐湿性:60℃、80%RH、1日後、室温まで冷却して粘着力を測定。
経時粘着力:40℃、7日後、室温まで冷却して粘着力を測定。
<保持力>
JIS Z0237に準拠して、貼りつけ面積が25mm×25mmとなるような試験片を被着体に貼りつけ、1kgの荷重を試験片の垂直方向に吊り下げ、1日後のズレ幅(mm)を測定した。
<プローブタック>
JIS Z0237に準拠して、貼りつけ面積が25mm×25mmとなるように切断した試験片を、プローブタック用のプローブタック装置の円柱プローブに、一定荷重を掛けながら、一定時間接触させた後、このプローブを試験片の粘着面から垂直方向に引き剥がすのに要する力(N/cm2)を測定した。測定条件としては、円柱プローブの直径が5mm、接触速さ及び引き剥がし速さが毎秒10±0.1mm、接触荷重が0.98±0.01N/cm2、接触時間が1.0±0.1秒とし、5枚の試験片における測定を行い、その平均値を測定値(N/cm2)とした。
<ボールタック>
JIS Z0237に準拠して、傾斜角度30゜、助走距離100mmとしたボールタック(傾斜式ボールタック)試験を行い、停止したボールの数字(ボールナンバー)を測定して測定値とした。
<害虫付着性>
試験片を10cm×30cmに切断し、野菜畑に2日間放置し、この試験片に付着した虫の数を数えることによって測定した。
付着した虫の数31匹以上:○(優良)
付着した虫の数10〜30匹:△(良)
付着した虫の数10匹未満:×(不良)
Figure 2007063491
Figure 2007063491
Figure 2007063491
[実施例1]
(a)成分(炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル)として、n−ブチルアクリレート〔出光石油化学社製〕88部と、(b)成分(その他の共重合可能な単量体)として、メチルメタアクリレート〔三菱レイヨン社製〕2部、スチレン〔三菱化学社製〕7部、及びアクリル酸〔出光石油化学社製〕3部(合計100部)と、過硫酸アンモニウム〔三菱ガス化学社製〕0.4部及びジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム〔三洋化成工業社製〕1.8部とを乳化重合し、(A−1)共重合体エマルジョン(固形分50質量%)を得た。この(A−1)共重合体エマルジョンを構成するポリマーのガラス転移点は−50℃である。表1に配合処方(部)を示す。
得られた(A−1)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、(B)ポリブテンとして、日本油脂社製のニッサンポリブテン30N(商品名)55部を添加し、全体の固形分が55質量%となるように調整して、実施例1の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は12000mPs・sであった。粘度の測定は、ブルックフィールド型回転粘計を用いて測定した。表2に配合処方(部)を示す。
[実施例2]
実施例1に用いた(A−1)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、実施例1に用いたポリブテン55部に加えて、酸化防止剤〔旭電化工業社製:アデカスタブLX163(商品名)〕0.5部、及び着色剤(顔料)〔大日精化工業社製:イエローFL6G(商品名)〕0.01部をさらに添加し、全体の固形分が54質量%となるように調整して、実施例2の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は10000mPs・sであった。表2に配合処方(部)を示す。
[実施例3]
(a)成分として、2−エチルヘキシルアクリレート〔出光石油化学社製〕90部と、(b)成分として、実施例1に用いたものと同様のメチルメタアクリレート7部、及びアクリル酸3部(合計100部)と、過硫酸アンモニウム0.3部及びジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1.5部とを乳化重合し、(A−2)共重合体エマルジョン(固形分50質量%)を得た。この(A−2)共重合体エマルジョンを構成するポリマーのガラス転移点は−55℃である。
得られた(A−2)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、実施例2に用いたものと同様の(B)ポリブテン55部、酸化防止剤0.5部、及び着色剤0.01部を添加し、全体の固形分が54質量%となるように調整して、実施例3の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は12000mPs・sであった。表1及び表2に配合処方(部)を示す。
[実施例4]
実施例1に用いた(A−1)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、ポリブテン100部、及び着色剤0.01部を添加し、全体の固形分が55質量%となるように調整して、実施例4の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は11500mPs・sであった。表2に配合処方(部)を示す。
[比較例1]
実施例1に用いた(A−1)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、ポリブテン3部、及び酸化防止剤0.5部を添加し、全体の固形分が55質量%となるように調整して、比較例1の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は12000mPs・sであった。表3に配合処方(部)を示す。
[比較例2]
実施例3に用いた(A−2)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、ポリブテン180部、及び酸化防止剤0.5部を添加し、全体の固形分が55質量%となるように調整して、比較例2の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は11500mPs・sであった。表3に配合処方(部)を示す。
[比較例3]
(a)成分を用いることなく、メチルメタアクリレート20部、スチレン19部、アクリル酸1部、及び1,3−ブタジエン〔JSR社製〕60部(合計100部)と、過硫酸カリウム〔三菱ガス化学社製〕0.8部及びジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム2.0部とを乳化重合し、(A−3)共重合体エマルジョン(固形分50質量%)を得た。この(A−3)共重合体エマルジョンを構成するポリマーのガラス転移点は−43℃である。表1に配合処方(部)を示す。
得られた(A−3)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、(B)ポリブテン55部、及び酸化防止剤0.5部を添加し、全体の固形分が54質量%となるように調整して、比較例3の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は12000mPs・sであった。表3に配合処方(部)を示す。
[比較例4]
(a)成分として、2−エチルヘキシルアクリレート99.8部と、(b)成分として、アクリル酸0.2部(合計100部)と、過硫酸アンモニウム0.3部及びジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1.5部とを乳化重合し、(A−4)共重合体エマルジョン(固形分50質量%)を得た。この(A−4)共重合体エマルジョンを構成するポリマーのガラス転移点は−60℃である。表1に配合処方(部)を示す。
得られた(A−4)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、(B)ポリブテン55部、及び酸化防止剤0.5部を添加し、全体の固形分が54質量%となるように調整して、比較例4の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は11000mPs・sであった。表3に配合処方(部)を示す。
[比較例5]
(a)成分として、2−エチルヘキシルアクリレート50部と、(b)成分として、スチレン47部及びアクリル酸3部(合計100部)と、過硫酸アンモニウム0.3部及びジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム2.0部とを乳化重合し、(A−5)共重合体エマルジョン(固形分50質量%)を得た。この(A−5)共重合体エマルジョンを構成するポリマーのガラス転移点は−10℃である。表1に配合処方(部)を示す。
得られた(A−5)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、(B)ポリブテン55部、及び酸化防止剤0.5部を添加し、全体の固形分が54質量%となるように調整して、比較例5の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は11800mPs・sであった。表3に配合処方(部)を示す。
[比較例6]
(a)成分として、2−エチルヘキシルアクリレート35部及びn−ブチルアクリレート20部と、(b)成分として、メチルメタアクリレート42部及びアクリル酸3部(合計100部)と、過硫酸アンモニウム0.4部及びジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1.5部とを乳化重合し、(A−6)共重合体エマルジョン(固形分50質量%)を得た。この(A−6)共重合体エマルジョンを構成するポリマーのガラス転移点は−10℃である。表1に配合処方(部)を示す。
得られた(A−6)共重合体エマルジョン100部(固形分換算)に、(B)ポリブテン55部、及び酸化防止剤0.5部を添加し、全体の固形分が54質量%となるように調整して、比較例5の水性エマルジョン型粘着剤組成物を得た。この水性エマルジョン型粘着剤組成物の粘度は12000mPs・sであった。表3に配合処方(部)を示す。
Figure 2007063491
実施例1〜4及び比較例1〜6の粘着物性を測定及び評価からわかるように、実施例1〜4の水性エマルジョン型粘着剤組成物は、優れた粘着力を有するとともに、プローブタック及びボールタックによって測定されたタックが高く、害虫付着性に優れたものであった。一方、比較例1〜6の水性エマルジョン型粘着剤組成物は、全ての粘着力(初期粘着力、耐熱性、耐湿性、及び経時粘着力)において低い値を示し、また、プローブタック及びボールタックによって測定されたタックも低く、害虫付着性は不良であるとの結果であった。なお、1−3ブタジエンを60部使用した比較例3の水性エマルジョン型粘着剤組成物は、紫外線による劣化が激しく、経時粘着力が著しく低下していた。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤組成物は、優れた粘着力を有するとともに、粘着剤組成物の瞬間的な粘着性の指針となるタック、特にプローブタックが向上された粘着剤組成物であり、粘着シートの粘着層として、特に、害虫等の小生物等を付着させて捕捉するために用いられる害虫捕獲粘着シートの粘着層として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. (a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99.5質量部と、(b)その他の共重合可能な単量体0.5〜35質量部(但し、(a)+(b)=100質量部)とを含む単量体成分を乳化重合することによって得られたガラス転移点が−75〜−20℃のポリマーを含む(A)共重合体エマルジョン100質量部(固形分換算)、及び
    (B)ポリブテン5〜150質量部を含有する水性エマルジョン型粘着剤組成物。
  2. (B)ポリブテンが、下記式(1)及び/又は(2)で表されるポリブテンを含む請求項1に記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
    Figure 2007063491
    (但し、式(1)において、nは4〜45の整数である)
    Figure 2007063491
    (但し、式(2)において、nは4〜45の整数である)
  3. 前記式(1)及び/又は(2)で表されるポリブテンにおいて、nが、10〜40の整数である請求項2に記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
  4. JIS Z0237に準拠したプローブタック試験による測定値が、3N/cm2以上である請求項1〜3のいずれかに記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
  5. 着色剤をさらに含有する請求項1〜4のいずれかに記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
  6. 小生物を付着させて捕捉するために用いられる請求項1〜5のいずれかに記載の水性エマルジョン型粘着剤組成物。
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WO2021019894A1 (ja) * 2019-07-29 2021-02-04 クラレトレーディング株式会社 虫バリアテープ

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