JP2002322106A - 2,3−ジクロル−1−プロパノール及びエピクロルヒドリンの製造方法 - Google Patents
2,3−ジクロル−1−プロパノール及びエピクロルヒドリンの製造方法Info
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Abstract
2,3−ジクロル−1−プロパノール(2,3−DC
H)及びエピクロルヒドリンを連続的、高収率かつ長期
間安定して製造する方法を提供する。 【解決手段】 塩酸溶液中でアリルアルコールを塩素化
して得られる2,3−DCHを含む溶液を脱ガス塔に導
き塩化水素を放散させてその塩化水素を反応器に戻し、
残液より2,3−DCHを回収する2,3−DCHの製
造方法において、脱ガス塔の直前の反応器出口液中に溶
解する塩素濃度を0.015g/mL以下、脱ガス塔の直前
の反応器における気相部の塩素分圧を0.08MPa(絶対
圧)以下に保持するため、脱ガス塔の直前の反応器の出
口液の塩素濃度及び/または気相部に存在する塩素ガス
濃度(分圧)を分析計により測定して脱ガス塔の直前の
塩素ガス流量を制御する。
Description
脂原料、合成ゴム原料、塩素化ゴム原料安定剤等として
用いられるエピクロルヒドリンの製造中間体である2,
3−ジクロル−1−プロパノール(以下、2,3−DC
Hと略記することがある。)の製造方法及び2,3−D
CHからのエピクロルヒドリン(以下、ECHと略記す
ることがある。)の製造方法に関し、特にアリルアルコ
ールを塩酸溶液中で塩素と反応させる2,3−ジクロル
−1−プロパノールの製造方法の改良に関する。
より塩素化する2,3−ジクロル−1−プロパノール
(2,3−DCH)の製造方法は多数提案されており、
特に高濃度の塩酸中でアリルアルコールを塩素と反応さ
せることにより高収率で2,3−DCHが得られること
が知られている(特開昭59-128340号、特開昭59-128341
号、特開平3-74342号等)。
工業的に有用な方法として、塩酸溶液中でアリルアルコ
ールを塩素化して得られる溶液を脱ガス塔に導入加熱し
て塩化水素を放散せしめてその塩化水素を反応器に回収
する2,3−DCHの製造方法が、例えば特開昭59-128
340号、特開昭60-258171号、特開平3-74342号等に開示
されている。これらの方法において、反応器に供給する
アリルアルコールと塩素の割合については、特開平3-74
342号では塩素をアリルアルコールに対して10モル%
以下の範囲内で過剰に供給すること、特開昭59-128340
号には塩素の量はアリルアルコールに対して約1.05モル
以下でよいことが記載されている。
ールを塩素化して得られる溶液を脱ガス塔に導入、加熱
して塩化水素を放散せしめてその塩化水素を反応器に回
収する2,3−DCHの連続的な製造方法においては、
塩素をアリルアルコールに対して化学量論以上で供給し
続けると過剰に供給する塩素がロスするばかりではな
く、脱ガス塔で回収する塩化水素ガス中に塩素ガスが蓄
積し、塩化水素の吸収器、及び/または反応器の気相塩
化水素ガス分圧が低下することにより反応溶媒である塩
酸濃度の低下を招き、2,3−DCHの収率低下を引き
起こすという問題があった。逆に塩素をアリルアルコー
ルに対して化学量論以下で供給し続けると未反応アリル
アルコールのロスの問題及び脱ガス塔の加熱器に重合物
が蓄積して加熱器の閉塞を招くため、長期間安定した連
続運転ができないという問題があった。
り出される反応混合物中のアリルアルコール濃度は実質
的にゼロにすべきであることが記載されているが、アリ
ルアルコール濃度を実質的にゼロにする具体的方法につ
いての記載はない。
は、塩酸溶液中でアリルアルコールを塩素化し、得られ
る溶液を脱ガス塔に導入、加熱して塩化水素を放散せし
めてその塩化水素を反応器に回収する2,3−DCHの
連続的な製造方法において、脱ガス塔に導入する反応液
中に残存するアリルアルコール濃度を実質的にゼロにし
て2,3−DCH、及びエピクロルヒドリンを連続的に
高収率、かつ長期間安定して製造することができる方法
を提供することにある。
した結果、塩酸溶液中でアリルアルコールを塩素化し、
得られる溶液を脱ガス塔に導入、加熱して塩化水素を放
散せしめてその塩化水素を反応器に回収する2,3−D
CHの連続的な製造方法において、脱ガス塔に導入する
反応液中に残存するアリルアルコール濃度を実質的にゼ
ロにし、かつ2,3−ジクロル−1−プロパノールを高
収率で連続的に得るためには、脱ガス塔に導入する反応
液中に溶解する塩素濃度を特定の濃度以下に制御するこ
と、及び/または脱ガス塔の直前の反応器気相部の塩素
分圧を特定の分圧以下に制御することが必要であること
を見出し、さらに脱ガス塔の直前の反応器の反応溶液中
に溶解する塩素濃度及び/または脱ガス塔の直前の反応
器気相部の塩素分圧を必要な範囲に制御する手段とし
て、脱ガス塔の直前の反応器の出口液の塩素濃度及び/
または気相部に存在する塩素ガス濃度(分圧)を測定す
る自動分析計を設置して、その分析計の指示値により脱
ガス塔の直前の反応器に導入する塩素ガス流量を制御す
ることが重要であることを確認し、本発明を完成するに
至った。
ル−1−プロパノールの製造方法及びエピクロルヒドリ
ンの製造方法を提供する。
ルコールを塩素化して得られる2,3−ジクロル−1−
プロパノールを含む溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素
を放散せしめてその塩化水素を反応器に戻し、残液より
2,3−ジクロル−1−プロパノールを得る2,3−ジ
クロル−1−プロパノールの製造方法において、脱ガス
塔に導入する直前の反応器出口液中に溶解する塩素濃度
を0.015g/mL以下に保持することを特徴とする2,
3−ジクロル−1−プロパノールの製造方法。 2)反応器を用いて塩酸溶液中でアリルアルコールを塩
素化して得られる2,3−ジクロル−1−プロパノール
を含む溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素を放散せしめ
てその塩化水素を反応器に戻し、残液より2,3−ジク
ロル−1−プロパノールを得る2,3−ジクロル−1−
プロパノールの製造方法において、脱ガス塔の直前の反
応器に出口反応液に溶解する塩素濃度をモニターする分
析計を設置し、塩素濃度を0.015g/mL以下に保持す
るように反応器に導入する塩素ガス流量を制御する前記
1に記載の2,3−ジクロル−1−プロパノールの製造
方法。 3)反応器を用いて塩酸溶液中でアリルアルコールを塩
素化して得られる2,3−ジクロル−1−プロパノール
を含む溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素を放散せしめ
てその塩化水素を反応器に戻し、残液より2,3−ジク
ロル−1−プロパノールを得る2,3−ジクロル−1−
プロパノールの製造方法において、脱ガス塔の直前の反
応器における気相部の塩素分圧を0.08MPa(絶対圧)
以下に保持することを特徴とする2,3−ジクロル−1
−プロパノールの製造方法。
ルコールを塩素化して得られる2,3−ジクロル−1−
プロパノールを含む溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素
を放散せしめてその塩化水素を反応器に戻し、残液より
2,3−ジクロル−1−プロパノールを得る2,3−ジ
クロル−1−プロパノールの製造方法において、脱ガス
塔の直前の反応器に気相部の塩素ガス濃度をモニターす
る分析計を設置し、塩素分圧を0.08MPa(絶対圧)以
下に保持するように反応器に導入する塩素ガス流量を制
御する前記3に記載の2,3−ジクロル−1−プロパノ
ールの製造方法。 5)塩化水素をHCl/(H2O+HCl)として40
〜75質量%含有する塩酸水溶液を使用する前記1乃至
4のいずれかに記載の2,3−ジクロル−1−プロパノ
ールの製造方法。 6)−30〜20℃の温度でアリルアルコールの塩素化
反応を行う前記1乃至4のいずれかに記載の2,3−ジ
クロル−1−プロパノールの製造方法。 7)1MPa(ゲージ圧)までの圧力でアリルアルコー
ルの塩素化反応を行う前記1乃至4のいずれかに記載の
2,3−ジクロル−1−プロパノールの製造方法。 8)前記1乃至7のいずれかに記載の方法で製造される
2,3−ジクロル−1−プロパノールをケン化反応に付
することを特徴とするエピクロルヒドリンの製造方法。
説明する。本発明で反応溶媒として使用される塩酸は、
市販されている35質量%濃塩酸水溶液、アリルアルコ
ールの塩素化反応液を脱ガス後冷却した液を相分離して
得られる上相の塩酸水溶液、後工程の2,3−ジクロル
−1−プロパノール精製工程で得られる塩酸水溶液、及
びそれらの混合物のいずれも使用できる。原料アリルア
ルコールは、無水物、水溶液のいずれも使用できる。塩
素ガスは液化塩素を気化させたものでもよいし、水素及
び空気その他を1〜3%程度含むものであってもよい。
器に回収しても、反応器の前段に設置された塩化水素ガ
ス吸収器で回収してもよい。塩化水素ガス吸収器を設置
する場合は、反応溶媒及び/または反応溶媒と原料アリ
ルアルコールとの混合溶液を吸収溶液に用いて塩化水素
ガスを回収することができる。原料アリルアルコールを
反応器の前段に設置された塩化水素ガス吸収器に供給す
る場合、吸収温度は−30℃〜20℃が好ましい。20
℃を超えると塩化アリル、2−クロル−1−プロパノー
ル等の塩化水素とアリルアルコールとの反応に起因する
副生物が増加する。一方、−30℃より低い温度は副生
物の低減には有利であるが反応液の粘度が増大し冷却に
要するコストが過大になることから好ましくない。
反応器としては、外部冷却器を組み合わせた撹拌槽型反
応器、反応と冷却を同時に行う濡壁反応器や環状に形成
された管式反応器等が知られている。アリルアルコール
ヘの塩素の付加反応は非常に速いことが知られており、
30秒程度の滞留時間があれば反応は完結する。このこ
とから本発明に用いる反応器は滞留時間として30秒を
確保できるものであれば良く、前述のいずれの反応器で
も構わない。また、反応器は1段式でも多段式でも構わ
ない。
は塩素濃度分析計を設置し、供給する塩素ガス流量を設
置された塩素濃度分析計の指示値により制御する。
析計を設置する反応器は反応溶媒または塩化水素ガス吸
収後の溶液の反応器への添加方法により異なる。すなわ
ち、n個の反応器に対して反応溶媒または塩化水素ガス
吸収後の液を並列に供給し、n個の反応器出口液をそれ
ぞれ、または混合して脱ガス塔に供給する場合はn個す
べての反応器に塩素濃度分析計を設置する必要があり、
それぞれの反応器に供給する塩素ガス流量を設置された
塩素濃度分析計の指示値により制御しなければならな
い。また、n個の反応器に対して反応溶媒または塩化水
素ガス吸収後の液を直列に供給し、n番目の反応器出口
液を脱ガス塔に供給する場合はn番目の反応器にのみ塩
素濃度分析計を設置し、n番目の反応器に供給する塩素
ガス流量のみを設置された塩素濃度分析計の指示値によ
り制御すればよい。原料アリルアルコールの添加方法は
前述した塩化水素ガス吸収器に一括供給する方法でも、
n個の反応器の直前に分割供給する方法でもいずれの方
法でも構わない。
の場合、それぞれの反応装置に塩素濃度分析計を設置し
なければならないが、すべての反応器においてアリルア
ルコール濃度を実質的にゼロにすることができ、アリル
アルコールと塩化水素との副反応に起因する塩化アリル
や2−クロロ−1−プロパノール等の副生を抑制でき
る。これに対し、反応装置を直列接続する多段式の場合
は、最終段の反応器に対してのみ塩素濃度分析計の設置
と塩素ガス流量の制御を実施するのみでよいため運転操
作が簡便であるという利点を有する。
代表例として2個の反応器を用いる直列方式及び並列方
式の反応について図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、1段式の反応器を用いる本発明のアリルアルコ
ールの塩素化反応のフロー図である。この塩素化反応装
置は撹拌機付き反応器(1)、熱交換器(3)、循環ポ
ンプ(5)を管で環状に接続したユニットにより構成さ
れる。反応器(1)の気相部には気相ガスを系外に放出
するための管が設置され、これらの管にはバルブが設置
されている。循環ポンプ(5)の出口管には脱ガス塔
(16)へ供給する管(13)が分岐されており、反応
器(1)から脱ガス塔(16)へ液を供給する。塩素濃
度分析装置(14)は反応器(1)の気相ガス抜き出し
管、または循環ポンプ(5)抜き出し管に設置されてい
る。反応装置全体は十分に保冷し、熱交換器には冷媒を
循環して冷却する。アリルアルコール導入管(7)、脱
ガス塔より回収される塩化水素ガス導入管(8)、塩酸
水溶液導入管(9)と回収される反応溶媒導入管(1
0)は塩化水素ガス吸収器(20)に供給され、塩化水
素ガスを吸収後、反応器(1)に供給される。塩化水素
ガス吸収器には冷媒を循環して冷却する。塩素導入管
(11)は反応器(1)に供給されるように配置されて
いる。
は、吸光度方式、滴定方式等の塩酸存在下において一般
的に用いられる分析方式であればいずれを用いても構わ
ない。
分析計(14)の測定値と塩素導入管(11)から供給
する塩素ガス流量計はカスケードコントロールされ、反
応器(1)の気相部の塩素分圧、または反応液中の塩素
濃度が一定になるように反応器(1)に供給する塩素ガ
ス流量が制御されるようになっている。脱ガス塔(1
6)は、通常、蒸留塔であり、塔頂ガスは凝縮器(1
7)を通し、凝縮液は還流させ塩化水素ガスを塩化水素
ガス吸収器(20)に回収する。塔底には加熱器が設置
され、反応液を加熱する。脱ガス塔塔底液は冷却器(1
8)で冷却した後、分液槽(19)へ導く。分液槽(1
9)は液供給口、上相及び下相抜き出し口を有し静置
後、上相と下相に分離する。分液された上相から一定量
抜き出し、導入管(10)より塩化水素ガス吸収器(2
0)へ回収される。上相の残りと下相は2,3−ジクロ
ル−1−プロパノールの粗製品として回収する。
のアリルアルコールの塩素化反応のフロー図である。こ
の塩素化反応装置は、撹拌機付き反応器(1),
(2)、熱交換器(3),(4)、循環ポンプ(5),
(6)を管でそれぞれ環状に接続したユニットにより構
成される。反応器(1)と(2)の気相部は管により接
続されており、更に反応器(1)の気相部には気相ガス
を系外に放出するための管が設置され、これらの管には
バルブが設置されている。循環ポンプ(5)の出口管に
は反応器(2)へ供給する管(13)が分岐されてお
り、反応器(1)から反応器(2)へ液を供給する。反
応装置全体は十分に保冷し、熱交換器には冷媒を循環し
て冷却する。アリルアルコール(導入管7)、脱ガス塔
より回収される塩化水素ガス(導入管8)、塩酸溶液
(導入管9)と回収される反応溶媒(導入管10)が塩
化水素ガス吸収器(20)に供給され、塩化水素ガスを
吸収後、反応器(1)に供給される。塩化水素ガス吸収
器には冷媒を循環して冷却する。塩素導入管(11),
(12)は反応器(1),(2)にそれぞれ供給される
ように配置されている。循環ポンプ(6)の出口管には
脱ガス塔(16)へ供給する管(15)が分岐されてお
り、反応器(2)から脱ガス塔(16)へ液を供給す
る。塩素濃度分析計(14)は反応器(2)の気相部か
ら反応器(1)へ気相ガスを抜き出す管、または循環ポ
ンプ(6)抜き出し管に設置されている。塩素濃度分析
計(14)としては前記したものが用いられる。
分析計(14)の測定値と塩素導入管(12)から供給
する塩素ガス流量はカスケードコントロールされ、反応
器(2)の気相部の塩素分圧、または反応器(2)の反
応液中の塩素濃度が一定になるように反応器(2)に供
給する塩素ガス流量が制御されるようになっている。脱
ガス塔(16)は、通常、蒸留塔であり、塔頂ガスは凝
縮器(17)を通し、凝縮液は還流させ塩化水素ガスを
塩化水素ガス吸収器(20)に回収する。塔底には加熱
器が設置され、反応液を加熱する。脱ガス塔の塔底液は
冷却器(18)で冷却した後、分液槽(19)へ導く。
分液槽(19)は液供給口、上相及び下相抜き出し口を
有し静置後、上相と下相に分離する。分液された上相か
ら一定量抜き出し、導入管(10)より塩化水素ガス吸
収器(20)へ回収される。上相の残りと下相は2,3
−ジクロル−1−プロパノールの粗製品として回収す
る。
明のアリルアルコールの塩素化反応のフロー図である。
塩素化反応装置はそれぞれ撹拌機付き反応器(1),
(2)、熱交換器(3)、(4)、循環ポンプ(5),
(6)を管で環状に接続したユニットにより構成され
る。反応器(1),(2)の気相部には気相ガスを系外
に放出するための管が設置され、これらの管にはバルブ
が設置されている。循環ポンプ(5),(6)の出口管
には、各々脱ガス塔(16)へ供給する管(13),
(15)が分岐されており、反応器(1),(2)から
脱ガス塔(16)へ液を供給する。反応装置全体は十分
に保冷し、熱交換器には冷媒を循環して冷却する。アリ
ルアルコール(導入管7)、脱ガス塔より回収される塩
化水素ガス(導入管8)、塩酸溶液(導入管9)、及び
回収反応溶媒(導入管10)は塩化水素ガス吸収器(2
0)に供給され、塩化水素ガスを吸収後、反応器
(1),(2)に供給される。塩化水素ガス吸収器には
冷媒を循環して冷却する。塩素導入管(11),(1
2)は反応器(1),(2)にそれぞれ供給されるよう
に配置されている。塩素濃度分析計(14)は反応器
(1)の気相ガス抜き出し管、または循環ポンプ(5)
抜き出し管と、反応器(2)の気相ガス抜き出し管、ま
たは循環ポンプ(6)抜き出し管にそれぞれ設置されて
いる。塩素分析計(14)としては前記したものが用い
られる。
された塩素濃度分析計(14)の測定値と塩素導入管
(11)から供給する塩素ガス流量はカスケードコント
ロールされ、反応器(1)の気相部の塩素分圧、または
反応器(1)の反応液中の塩素濃度が一定になるように
反応器(1)に供給する塩素ガス流量が制御されるよう
になっている。また、反応器(2)の気相部または液相
部に設置された塩素濃度分析計(14)の測定値と塩素
導入管(12)から供給する塩素ガス流量計はカスケー
ドコントロールされ、反応器(2)の気相部の塩素分
圧、または反応器(2)の反応液中の塩素濃度が一定に
なるように反応器(2)に供給する塩素ガス流量が制御
されるようになっている。脱ガス塔(16)は、通常、
蒸留塔であり、塔頂ガスは凝縮器(17)を通し、凝縮
液は還流させ塩化水素ガスを塩化水素ガス吸収器(2
0)に回収する。塔底には加熱器が設置され、反応液を
加熱する。脱ガス塔塔底液は冷却器(18)で冷却した
後、分液槽(19)へ導く。分液槽(19)は液供給
口、上相及び下相抜き出し口を有し静置後、上相と下相
に分離する。分液された上相から一定量抜き出し、導入
管(10)より塩化水素ガス吸収器(20)へ回収され
る。上相の残りと下相は2,3−ジクロル−1−プロパ
ノールの粗製品として回収する。
出口液中には塩素が僅かでも溶解していることが必要で
あるが多量に溶解した状態は好ましくない。溶解塩素量
は0g/mLを超える濃度〜0.015g/mL以下の濃度
が好ましい。0.015g/mLを超える濃度では、反応液
中に溶解する塩素によりアルコールからアルデヒドヘの
酸化反応の進行が促進すること、及び反応器の圧力上昇
が大きくなることから好ましくない。さらに好ましい塩
素濃度は0.001g/mL〜0.005g/mLである。また、
脱ガス塔の直前の反応器における気相部の塩素分圧につ
いても上記と同様の理由から、塩素は僅かでも気相に存
在していることが必要であるが、0.08MPa(絶対圧)
以下の塩素分圧で存在することが好ましく、さらに0.00
5MPa〜0.025MPa(絶対圧)の塩素分圧で存在する
ことが好ましい。
との反応で反応溶媒として用いる塩酸は塩化水素をHC
l/(H2O+HCl)として40〜75質量%含有す
る水溶液を使用することが好ましい。ここで定義される
塩化水素濃度とは原料であるアリルアルコールによって
反応に持ち込まれる水の量も考慮される。塩化水素濃度
がHCl/(H2O+HCl)として40質量%よりも
小さい場合は、3−クロル−1,2−プロパンジオール
やエーテル等の副生物が増加するため好ましくない。一
方、塩化水素濃度がHCl/(H2O+HCl)として
75質量%よりも大きい場合は、塩化アリル、2−クロ
ル−1−プロパノール、1,2,3−トリクロルプロパ
ン等の副生物が増加するため好ましくない。反応温度は
20℃を超えると塩化アリル、2−クロル−1−プロパ
ノール、1,2,3−トリクロルプロパン等の副生物が
増加することから20℃以下が好ましい。一方、−30
℃より低い温度は収率向上には有利であるが反応液の粘
度が増大し冷却に要するコストが過大になることから好
ましくない。反応圧力は0〜1MPa(ゲージ圧)のも
とで反応を行うことが好ましい。反応圧力が1MPa
(ゲージ圧)を超えると塩化水素濃度の上昇を導き、塩
化アリル、2−クロル−1−プロパノール、1,2,3
−トリクロルプロパン等の副生物が増加するため好まし
くない。
製造方法は、前記の方法で得られる2,3−ジクロル−
1−プロパノール(2,3−DCH)をケン化反応に付
することを特徴とするものである。2,3−DCHのケ
ン化反応は2,3−DCHを精製した後に行ってもよ
い。
との反応によってECHを製造するものであり、2,3
−DCHに対してアルカリを1.0当量〜1.5当量使用して
反応させる。ケン化反応に使用するアルカリとしては、
例えばCa(OH)2、NaOH、KOH、Na2C
O3、K2CO3等を水溶液またはスラリー溶液として使
用することができる。また、反応条件は特に制限はない
が、例えば40〜110℃の温度で減圧下あるいは加圧
下で反応させることができる。反応の様式については種
々の方法を用いることが可能である。
的に説明する。 実施例1:塩素ガス供給量をカスケードコントロールし
た2,3−DCHの製造方法 図4に示す2系列の直列式の反応装置を用いてアリルア
ルコールの塩素化反応を行った。図4の装置は、先に説
明した図2に示したフロー図において、塩化水素ガス吸
収器(20)を設置しない構成としたものであり、アリ
ルアルコール導入管(7)、脱ガス塔より回収される塩
化水素ガス導入管(8)、塩酸溶液導入管(9)と回収
される反応溶媒導入管(10)は、塩化水素ガス吸収器
(20)を経由しないで反応器(1)に直接供給され
る。
(6)抜き出し管にのみ設置されており、液相部の塩素
濃度の測定値と塩素導入管(12)から供給する塩素ガ
ス流量はカスケードコントロールされ、反応器(2)の
反応液中の塩素濃度が一定になるように反応器(2)に
供給する塩素ガス流量を制御した。気相部の塩素分圧は
手分析で測定した。
容量300Lのガラスライニング製撹拌機付き反応器、
熱交換器(3),(4)として伝熱面積20m2のグラ
ファイト製熱交換器、塩素濃度分析計(14)として電
流滴定法により測定する電気化学計器株式会社製XT-131
5を使用した。脱ガス塔(16)としてセラミック製イ
ンターロックスサドルを充填したグラファイト製蒸留塔
を使用し、塔頂ガスはグラファイト製凝縮器(17)を
通し、凝縮液は還流させ塩化水素ガスを反応器(1)に
回収する。塔底はグラファイト製加熱器の蒸気により加
熱する。脱ガス塔の塔底液は冷却器(18)で冷却した
後、容量300Lのガラスライニング容器分液槽(1
9)へ導く。分液槽(19)は液供給口、上相及び下相
抜き出し口を有し、ここで静置後、上相と下相に分離す
る。分液された上相から一定量抜き出し、導入管(1
0)より反応器(1)へ回収し、上相の残りと下相は
2,3−ジクロル−1−プロパノールの粗製品とする。
管(7)より70質量%アリルアルコール水溶液を16.0
kg/hr、管(9)より35質量%塩酸水溶液を5.0
kg/hr、管(10)より21質量%の2,3−ジク
ロル−1−プロパノール、60質量%の水と16%の塩
化水素を含有する回収反応溶媒を25.0kg/hr、管
(8)より回収塩化水素ガスを22.4kg/hr、管(1
1)より塩素ガスを6.8kg/hrで供給した。反応器
(1)に供給する塩素ガス流量はアリルアルコールに対
して50モル%に設定した。反応器(1)では反応圧力
0.10MPa(ゲージ圧)、反応温度0℃となるようにコ
ントロールした。管(13)より反応器(1)の反応溶
液を75.3kg/hrで抜き出し反応器(2)に供給し
た。この時の反応溶液中に含まれる塩化水素は37質量
%、水は31質量%であり、HCl/(HCl+H
2O)として約55質量%であった。反応器(2)には
管(12)より塩素ガスを塩素濃度分析計(14)の指
示値が0.002〜0.004g/mlとなるように供給した。こ
のとき反応器(2)の気相部の塩素分圧は0.01〜0.02M
Pa(絶対圧)であった。反応器(2)では反応圧力0.
13MPa(ゲージ圧)、反応温度0℃となるようにコン
トロールした。管(15)より反応溶液を82.1kg/h
rで抜き出し脱ガス塔(16)に供給した。脱ガス塔
(16)は塔頂0.11MPa(ゲージ圧)、塔底温度13
0℃で運転され、塔頂より実質的に塩化水素からなるガ
スを22.4kg/hrで抜き出し、管(8)を通して反応
器(1)に導いた。塔底より塔底成分を59.7kg/hr
で抜き出し冷却器(18)で約25℃に冷却して分液槽
(19)に導いた。分液槽で静置後、分液された上相
(水相)は28.1kg/hrの割合で抜き出し、そのうち
25.0kg/hrを反応器(1)に導いた。残りの上相は
下相(油相)と合流し、36.6kg/hrの割合で粗製品
を得た。粗製品を液体クロマトグラフにより分析した結
果、粗製品中に23.4kg/hrの2,3−ジクロル−1
−プロパノールが生成しており、供給アリルアルコール
基準で収率94%であった。
したが、2,3−ジクロル−1−プロパノールの収率は
変化せず、脱ガス塔加熱器の閉塞も発生しなかった。ま
た、反応器(1)に供給したアリルアルコール量に対す
る反応器(1)と(2)に供給した塩素ガスの合計量の
モル比は0.99から1.01の割合で変動していた。
ントロールした2,3−DCHの製造方法 実施例1と同様に図4の反応装置を用いて塩素化反応を
実施した。反応器(1)に管(7)より70質量%アリ
ルアルコール水溶液を16.0kg/hr、管(9)より3
5質量%塩酸水溶液を5.0kg/hr、管(10)より
21質量%の2,3−ジクロル−1−プロパノール、6
0質量%の水と16%の塩化水素を含有する回収反応溶
媒を25.0kg/hr、管(8)より回収塩化水素ガスを
17.3kg/hr、管(11)より塩素ガスを6.8kg/
hrで供給した。反応器(1)に供給する塩素ガス流量
はアリルアルコールに対して50モル%に設定した。反
応器(1)では反応圧力0MPa(ゲージ圧)、反応温
度0℃となるようにコントロールした。管(13)より
反応器(1)の反応溶液を70.1kg/hrで抜き出し反
応器(2)に供給した。この時の反応溶液中に含まれる
塩化水素は33質量%、水は33質量%であり、HCl
/(HCl+H2O)として約50質量%であった。反
応器(2)には管(12)より塩素ガスを塩素濃度分析
計(14)の指示値が0.002〜0.004g/mlとなるよう
に供給した。このとき反応器(2)の気相部の塩素分圧
は0.01〜0.02MPa(絶対圧)であった。反応器(2)
では反応圧力0.03MPa(ゲージ圧)、反応温度0℃と
なるようにコントロールした。管(15)より反応溶液
を77.0kg/hrで抜き出し脱ガス塔(16)に供給し
た。脱ガス塔(16)は塔頂0.01MPa(ゲージ圧)、
塔底温度120℃で運転され、塔頂より実質的に塩化水
素からなるガスを17.3kg/hrで抜き出し、管(8)
を通して反応器(1)に導いた。塔底より塔底成分を5
9.7kg/hrで抜き出し冷却器(18)で約25℃に
冷却して分液槽(19)に導いた。分液槽で静置後、分
液された上相(水相)は28.6kg/hrの割合で抜き出
し、そのうち25.0kg/hrを反応器(1)に導いた。
残りの上相は下相(油相)と合流し、34.7kg/hrの
割合で粗製品を得た。粗製品を液体クロマトグラフによ
り分析した結果、粗製品中に23.2kg/hrの2,3−
ジクロル−1−プロパノールが生成しており、供給アリ
ルアルコール基準で収率93.5%であった。
したが、2,3−ジクロル−1−プロパノールの収率は
変化せず、脱ガス塔加熱器の閉塞も発生しなかった。ま
た、反応器(1)に供給したアリルアルコール量に対す
る反応器(1)と(2)に供給した塩素ガスの合計量の
モル比は0.99から1.01の割合で変動していた。
に塩素ガスをアリルアルコールに対し小過剰量供給する
2,3−DCHの製造方法 実施例1において、塩素濃度分析計(14)の測定値と
管(12)より導入する塩素流量とのカスケードコント
ロールを実施しない以外は実施例1と同様の反応装置を
用いて塩素化反応を実施した。反応器(1)と(2)に
供給する塩素ガス流量はアリルアルコールの供給量に対
して約1.02モル等量となるように制御した。塩素化反応
は、以下に記述した条件で反応を開始した。反応器
(1)に管(7)より70質量%アリルアルコール水溶
液を16.0kg/hr、管(9)より35質量%塩酸水溶
液を5.0kg/hr、管(10)より21質量%の2,
3−ジクロル−1−プロパノール、60質量%の水と1
6%の塩化水素を含有する回収反応溶媒を25.0kg/h
r、管(11)より塩素ガスを7.0kg/hrで供給し
た。管(8)より回収塩化水素ガスを反応器(1)に供
給した。反応器(1)に供給する塩素ガス流量は塩素ガ
ス供給量の総量に対して50モル%に設定した。反応器
(1)では反応圧力0MPa(ゲージ圧)、反応温度0
℃となるようにコントロールした。管(13)より反応
器(1)の液面が一定になるように反応溶液を抜き出し
反応器(2)に供給した。反応器(2)には管(12)
より塩素ガスを反応器(1)と同様に7.0kg/hrで
供給した。反応器(2)では反応圧力0.03MPa(ゲー
ジ圧)、反応温度0℃となるようにコントロールした。
管(15)より反応溶液を反応器(2)の液面が一定に
なるように抜き出し脱ガス塔(16)に供給した。脱ガ
ス塔(16)は塔頂0.01MPa(ゲージ圧)、塔底温度
125℃で運転され、塔頂より実質的に塩化水素からな
るガスを抜き出し、管(8)を通して反応器(1)に導
き、塔底より塔底成分を抜き出し冷却器(18)で約2
5℃に冷却して分液槽(19)に導いた。分液槽で静置
後、分液された上相(水相)のうち25.0kg/hrを反
応器(1)に導いた。残りの上相は下相(油相)と合流
し粗製品を得た。
(1)と(2)の気相部を連結する管及び管(8)から
過剰に供給している塩素ガスが反応器(1)に流入し、
反応条件が安定した後には反応器(1)の気相部から系
外に放出する管から塩素ガスが0.2kg/hrで系外に
留出した。この塩素量は反応器に供給している塩素量合
計の1.4%に相当した。このとき反応器(2)の反応液
中に溶解する塩素濃度は0.018g/mL、気相部に存在
する塩素ガス分圧は0.09MPa(絶対圧)であった。ま
た、粗製品を液体クロマトグラフにより分析した結果、
粗製品中に22.1kg/hrの2,3−ジクロル−1−プ
ロパノールが生成しており、供給アリルアルコール基準
で収率89%であった。
に塩素ガスをアリルアルコールに対して小不足量供給す
る2,3−DCHの製造方法 実施例1において、塩素濃度分析計(14)の測定値と
管(12)より導入する塩素流量とのカスケードコント
ロールを実施しない以外は実施例1と同様の反応装置を
用いて塩素化反応を実施した。反応器(1)と(2)に
供給する塩素ガス流量はアリルアルコールの供給量に対
して0.98モル等量となるように制御した。反応器(1)
に管(7)より70質量%アリルアルコール水溶液を1
6.0kg/hr、管(9)より35質量%塩酸水溶液を
5.0kg/hr、管(10)より21質量%の2,3−
ジクロル−1−プロパノール、60質量%の水と16%
の塩化水素を含有する回収反応溶媒を25.0kg/hr、
管(8)より回収塩化水素ガスを17.3kg/hr、管
(11)より塩素ガスを6.7kg/hrで供給した。反
応器(1)に供給する塩素ガス流量は塩素ガス供給量の
総量に対して50モル%に設定した。反応器(1)では
反応圧力0MPa(ゲージ圧)、反応温度0℃となるよ
うにコントロールした。管(13)より反応器(1)の
反応溶液を70.0kg/hrで抜き出し反応器(2)に供
給した。この時の反応溶液中に含まれる塩化水素は33
質量%、水は33質量%であり、HCl/(HCl+H
2O)として約50質量%であった。反応器(2)には
管(12)より塩素ガスを反応器(1)と同様に6.7k
g/hrで供給した。このとき反応器(2)の気相部の
塩素分圧は0MPa(絶対圧)、反応器(2)の反応溶
液中の塩素濃度は0.0g/mLであった。反応器(2)
では反応圧力0.03MPa(ゲージ圧)、反応温度0℃と
なるようにコントロールした。管(15)より反応溶液
を76.7kg/hrで抜き出し脱ガス塔(16)に供給し
た。この供給液中に含まれるアリルアルコールは0.2k
g/hrであり、この量は反応器に供給しているアリル
アルコール量合計の1.8%に相当した。脱ガス塔(1
6)は塔頂0.01MPa(ゲージ圧)、塔底温度120℃
で運転され、塔頂より実質的に塩化水素からなるガスを
17.3kg/hrで抜き出し、管(8)を通して反応器
(1)に導いた。塔底より塔底成分を59.4kg/hrで
抜き出し冷却器(18)で約25℃に冷却して分液槽
(19)に導いた。分液槽で静置後、分液された上相
(水相)は28.9kg/hrの割合で抜き出し、そのうち
25.0kg/hrを反応器(1)に導いた。残りの上相は
下相(油相)と合流し、34.5kg/hrの割合で粗製品
を得た。粗製品を液体クロマトグラフにより分析した結
果、粗製品中に22.7kg/hrの2,3−ジクロル−1
−プロパノールが生成しており、供給アリルアルコール
基準で収率91%であった。
10日経過後から脱ガス塔(16)の加熱器の熱効率が
低下し始め、20日経過後反応を停止し加熱器を点検し
た結果、加熱器のチューブの約60%が重合物により閉
塞していた。
ルコールを塩素化し、得られる溶液を脱ガス塔に導入、
加熱して塩化水素を放散せしめてその塩化水素を反応器
に回収する2,3−DCHの連続的な製造方法におい
て、脱ガス塔に導入する反応液中に溶解する塩素濃度を
特定の濃度(0.015g/mL)以下に制御すること、及
び/または脱ガス塔の直前の反応器気相部の塩素分圧を
特定の分圧(0.08MPa(絶対圧))以下に制御するこ
と、さらに脱ガス塔の直前の反応器の反応溶液中に溶解
する塩素濃度及び/または脱ガス塔の直前の反応器気相
部の塩素分圧を必要な範囲に制御する手段として、脱ガ
ス塔の直前の反応器の出口液の塩素濃度及び/または気
相部に存在する塩素ガス濃度(分圧)を測定する分析計
を設置して、その分析計の指示値により脱ガス塔の直前
の反応器に導入する塩素ガス流量を制御することによっ
て脱ガス塔に導入する反応液中に残存するアリルアルコ
ール濃度を実質的にゼロにし、2,3−DCH、及びエ
ピクロルヒドリンを連続的に高収率かつ長期間安定して
製造することができる。
ジクロル−1−プロパノールの製造方法の1例のフロー
図である。
による2,3−ジクロル−1−プロパノールの製造方法
の1例のフロー図である。
による2,3−ジクロル−1−プロパノールの製造方法
の1例のフロー図である。
の実施例による2,3−ジクロル−1−プロパノールの
製造方法のフロー図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 反応器を用いて塩酸溶液中でアリルアル
コールを塩素化して得られる2,3−ジクロル−1−プ
ロパノールを含む溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素を
放散せしめてその塩化水素を反応器に戻し、残液より
2,3−ジクロル−1−プロパノールを得る2,3−ジ
クロル−1−プロパノールの製造方法において、脱ガス
塔に導入する直前の反応器出口液中に溶解する塩素濃度
を0.015g/mL以下に保持することを特徴とする2,
3−ジクロル−1−プロパノールの製造方法。 - 【請求項2】 反応器を用いて塩酸溶液中でアリルアル
コールを塩素化して得られる2,3−ジクロル−1−プ
ロパノールを含む溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素を
放散せしめてその塩化水素を反応器に戻し、残液より
2,3−ジクロル−1−プロパノールを得る2,3−ジ
クロル−1−プロパノールの製造方法において、脱ガス
塔の直前の反応器に出口反応液に溶解する塩素濃度をモ
ニターする分析計を設置し、塩素濃度を0.015g/mL
以下に保持するように反応器に導入する塩素ガス流量を
制御する請求項1に記載の2,3−ジクロル−1−プロ
パノールの製造方法。 - 【請求項3】 反応器を用いて塩酸溶液中でアリルアル
コールを塩素化して得られる2,3−ジクロル−1−プ
ロパノールを含む溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素を
放散せしめてその塩化水素を反応器に戻し、残液より
2,3−ジクロル−1−プロパノールを得る2,3−ジ
クロル−1−プロパノールの製造方法において、脱ガス
塔の直前の反応器における気相部の塩素分圧を0.08MP
a(絶対圧)以下に保持することを特徴とする2,3−
ジクロル−1−プロパノールの製造方法。 - 【請求項4】 反応器を用いて塩酸溶液中でアリルアル
コールを塩素化して得られる2,3−ジクロル−1−プ
ロパノールを含む溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素を
放散せしめてその塩化水素を反応器に戻し、残液より
2,3−ジクロル−1−プロパノールを得る2,3−ジ
クロル−1−プロパノールの製造方法において、脱ガス
塔の直前の反応器に気相部の塩素ガス濃度をモニターす
る分析計を設置し、塩素分圧を0.08MPa(絶対圧)以
下に保持するように反応器に導入する塩素ガス流量を制
御する請求項3に記載の2,3−ジクロル−1−プロパ
ノールの製造方法。 - 【請求項5】 塩化水素をHCl/(H2O+HCl)
として40〜75質量%含有する塩酸水溶液を使用する
請求項1乃至4のいずれかに記載の2,3−ジクロル−
1−プロパノールの製造方法。 - 【請求項6】 −30〜20℃の温度でアリルアルコー
ルの塩素化反応を行う請求項1乃至4のいずれかに記載
の2,3−ジクロル−1−プロパノールの製造方法。 - 【請求項7】 1MPa(ゲージ圧)までの圧力でアリ
ルアルコールの塩素化反応を行う請求項1乃至4のいず
れかに記載の2,3−ジクロル−1−プロパノールの製
造方法。 - 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の方法
で製造される2,3−ジクロル−1−プロパノールをケ
ン化反応に付することを特徴とするエピクロルヒドリン
の製造方法。
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