JP2009249309A - ジクロロヒドリンの製造法 - Google Patents
ジクロロヒドリンの製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009249309A JP2009249309A JP2008097123A JP2008097123A JP2009249309A JP 2009249309 A JP2009249309 A JP 2009249309A JP 2008097123 A JP2008097123 A JP 2008097123A JP 2008097123 A JP2008097123 A JP 2008097123A JP 2009249309 A JP2009249309 A JP 2009249309A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrogen chloride
- dichlorohydrin
- glycerin
- reaction
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Epoxy Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
本発明はグリセリンを塩素化することによるジクロロヒドリンの製造において、得られる反応混合物から塩化水素を効率的に回収することにより、その後の脱塩化水素化工程で必要となる塩基の量、更に脱塩化水素化工程で生成する水、塩の量を低減させることである。
【解決手段】
グリセリンを塩素化して得られるジクロロヒドリン、塩化水素及び水を含む反応混合物の少なくとも一部を加熱し、塩化水素ガスを分離回収することにより上記課題を解決することができることを見出した。
【選択図】 なし
Description
(A)グリセリンと塩素化剤を反応させる工程((A)工程)、及び
(B)(A)工程で得られた反応混合物、又は(A)工程で得られた反応混合物を蒸留又はストリッピングして得られたジクロロヒドリン、塩化水素及び水を含む混合物の少なくとも一部を加熱し、塩化水素を分離回収する工程((B)工程)とを含むジクロロヒドリンの製造法である。
本発明は、
(A)グリセリンと塩素化剤を反応させる工程((A)工程)、及び
(B)(A)工程で得られた反応混合物、又は(A)工程で得られた反応混合物を蒸留又はストリッピングして得られたジクロロヒドリン、塩化水素及び水を含む混合物の少なくとも一部を加熱し、塩化水素を分離回収する工程((B)工程)
の少なくとも二つの工程を有する。
出発原料であるグリセリンは、グリセリンモノアセテート等のグリセリンエステル、水、有機溶媒、塩、有機化合物を含んだものであっても良い。そのような出発原料として、例えば水やナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩やカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩などを含んだ粗製グリセリンなどが挙げられる。また粗製グリセリンを精製し、精製後のグリセリンを用いてもよい。グリセリンの純度については、50〜99.9重量%であることが好ましく、80〜99重量%であることがより好ましい。
「カルボン酸誘導体」として、例えば、上記カルボン酸の塩化物、無水物及びエステル等を例示することができる。
「ラクトン」として、例えば、カプロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等を例示することができる。
「ラクタム」として、例えば、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクタム等を例示することができる。
「無機酸化物」として、例えば、金属酸化物、複合酸化物、オキシ酸及びオキシ酸塩が好ましい。
「金属酸化物」として、例えばSiO2、Al2O3、TiO2、Fe2O3、ZrO2、SnO2、Ga2O3、La2O3、CeO2、MoO3等を例示することができる。
「複合酸化物」として、例えば、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、TiO2-ZrO2、SiO2-ZrO2、MoO3-ZrO3等、ゼオライト、ヘテロポリ酸(例えばP、Mo、V、W、Siなどの元素を含有するポリ酸など)、ヘテロポリ酸塩等を例示することができる。
「オキシ酸」及び「オキシ酸塩」として、例えば、BPO4、AlPO4、ポリリン酸、酸性リン酸塩、H3BO3、酸性ホウ酸塩、ニオブ酸(Nb2O5・nH2O)等を例示することができる。
強酸性有機化合物として、例えば、有機スルホン酸化合物が好ましい。有機スルホン酸化合物として、例えば、スルホン酸基含有イオン交換樹脂等の強酸性イオン交換樹脂及び炭素縮合環を含むスルホン酸化合物(CiHjOkSm)等を例示することができる。
加熱するジクロロヒドリン、水、塩化水素を含む反応混合物は、(A)工程で得られた直接の反応混合物、又は(A)工程で得られた反応混合物を蒸留又はストリッピングして得られたジクロロヒドリン、塩化水素及び水を含む混合物の両方が考えられる。しかし、(A)工程で得られる反応混合物は、ジクロロヒドリン、水、塩化水素以外に、中間生成物であるモノクロロヒドリン、未反応グリセリン、ジグリセリンなどの高沸点物、また、触媒を使用した場合には、カルボン酸等の触媒、カルボン酸エステル等が含まれる。これらの物質は、別途回収して反応系にリサイクルする方が生産性を高めることができるので、(A)工程で得られる反応混合物又はその一部を、蒸留又はストリッピング等の操作により得られたジクロロヒドリン、水、塩化水素を含む混合物が好ましい。
温度計、攪拌装置を備えた200mlガラス製四つ口フラスコにグリセリン100g(1.09mol)およびコハク酸5g(0.042mol)を入れ、120℃に加熱攪拌し、塩化水素ガスは吹き込み管を通して0.3MPaGの圧力で導入し、反応させた。未反応の塩化水素ガスは、反応器上部に設けた精留カラム(20cm高さ、内径18mm、5×5mmラシヒリング充填)を通した後、冷却器にて冷却し、塩化水素ガスに同伴してきた水およびジクロロヒドリンを凝縮させ、均一層の留出液を得た。冷却器で凝縮しなかった塩化水素ガスは、ガスポンプにて反応器に循環させた。6時間の反応後、留出液の重量は126.6gであった。また、反応器内の残液は86.7gであった。留出液は、ジクロロヒドリン67.48g(1,3-ジクロロ-2-プロパノール:2,3-ジクロロ-1-プロパノール=98.1:1.9、0.523mol)、塩化水素22.26gを含んでいた。反応器内の残液は、ジクロロヒドリン42.14g(1,3-ジクロロ-2-プロパノール:2,3-ジクロロ-1-プロパノール=95.7:4.3、0.327mol)、モノクロヒドリン26.17(3-クロロ-1,2-プロパンジオール:2-クロロ-1,3-プロパンジオール=72.5:27.5、0.237mol)、塩化水素1.99gを含んでいた。尚、有機物は内部標準法によるガスクロマトグラフ分析、塩化水素は滴定分析により分析を行った。
Claims (6)
- (A)グリセリンと塩素化剤を反応させる工程、及び
(B)(A)工程で得られた反応混合物、又は(A)工程で得られた反応混合物を蒸留又はストリッピングして得られたジクロロヒドリン、塩化水素及び水を含む混合物の少なくとも一部を加熱し、塩化水素を分離回収する工程
を含むジクロロヒドリンの製造法。 - (B)工程での加熱温度が10〜150℃である請求項1に記載のジクロロヒドリンの製造法。
- (B)工程での塩化水素を回収した後の残液を冷却して、水層と油層に分離して、油層としてジクロロヒドリンを回収する請求項1または2に記載のジクロロヒドリンの製造法。
- (B)工程で回収された塩化水素を反応系に循環させる請求項1〜3のいずれかに記載のジクロロヒドリンの製造法。
- 塩化水素の反応系への循環は、回収された塩化水素をグリセリンに溶解させ、塩化水素を含有したグリセリンとして行う請求項4記載のジクロロヒドリンの製造法。
- 請求項1〜5記載の製造法によって得られるジクロロヒドリンを用いて製造されるエピクロロヒドリン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008097123A JP5294144B2 (ja) | 2008-04-03 | 2008-04-03 | ジクロロヒドリンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008097123A JP5294144B2 (ja) | 2008-04-03 | 2008-04-03 | ジクロロヒドリンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009249309A true JP2009249309A (ja) | 2009-10-29 |
JP5294144B2 JP5294144B2 (ja) | 2013-09-18 |
Family
ID=41310334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008097123A Active JP5294144B2 (ja) | 2008-04-03 | 2008-04-03 | ジクロロヒドリンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5294144B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002322106A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-08 | Showa Denko Kk | 2,3−ジクロル−1−プロパノール及びエピクロルヒドリンの製造方法 |
JP2007511583A (ja) * | 2003-11-20 | 2007-05-10 | ソルヴェイ | グリセロールからジクロロプロパノールを製造するための方法であって、該グリセロールが最終的にバイオディーゼルの製造における動物性脂肪の転化から生じる方法 |
-
2008
- 2008-04-03 JP JP2008097123A patent/JP5294144B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002322106A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-08 | Showa Denko Kk | 2,3−ジクロル−1−プロパノール及びエピクロルヒドリンの製造方法 |
JP2007511583A (ja) * | 2003-11-20 | 2007-05-10 | ソルヴェイ | グリセロールからジクロロプロパノールを製造するための方法であって、該グリセロールが最終的にバイオディーゼルの製造における動物性脂肪の転化から生じる方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5294144B2 (ja) | 2013-09-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2174925B1 (en) | Conversion of a multihydroxylated-aliphatic hydrocarbon or ester thereof to a chlorohydrin | |
JP5436513B2 (ja) | グリセロールからジクロロプロパノールを製造するための方法であって、該グリセロールが最終的にバイオディーゼルの製造における動物性脂肪の転化から生じる方法 | |
JP4167288B2 (ja) | グリセロールからジクロロプロパノールを製造するための方法であって、該グリセロールが最終的にバイオディーゼルの製造における動物性脂肪の転化から生じる方法 | |
KR100978436B1 (ko) | 에폭시드 제조 방법 | |
JP5554815B2 (ja) | グリセリンからジクロロプロパノールを調製する方法 | |
US8519198B2 (en) | Method for making an epoxide | |
JP2009263338A (ja) | エピクロロヒドリンの新規な製造方法 | |
JP6267313B2 (ja) | ジクロロプロパノールの製造方法 | |
JP2009184943A (ja) | エピクロロヒドリンの製造方法 | |
JP5093588B2 (ja) | 1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの製造方法 | |
JP5294144B2 (ja) | ジクロロヒドリンの製造法 | |
JP4596084B2 (ja) | クロロヒドリン類の製造方法 | |
JP2009096727A (ja) | エピクロロヒドリンの製造方法 | |
JP2008214290A (ja) | クロロヒドリン類の製造方法 | |
JP2009184942A (ja) | エピクロロヒドリンの製造方法 | |
JP2009292812A (ja) | 触媒の回収方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110121 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120704 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120709 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120831 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130520 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5294144 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130602 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |