JP5093588B2 - 1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの製造方法 - Google Patents

1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エピクロロヒドリンなどの有機化合物の製造のために用いられるジクロロヒドリンの製造方法に関する。
エピクロロヒドリンの製造に用いられるジクロロヒドリンは、アリルクロライドをクロロヒドリン化することにより一般的に製造される。しかし一般的な製造方法は以前より副生成物であるトリクロロプロパン等の塩素化物が生成するという問題及び排水が多量に生じるという問題があり、新しい製造方法が望まれている。
ジクロロヒドリンの他の製造方法として、ギ酸や酢酸等の触媒存在下、グリセリンと塩化水素ガスを反応させてジクロロヒドリンを製造する方法(例えば特許文献1〜3参照)が知られている。この方法はトリクロロプロパン等の塩素化物を副生することなく、ジクロロヒドリンが製造できる点で好ましい。
更に、この製造方法で使用される原料のグリセリンは、植物油や動物油を原料とする反応又はバイオディーゼルの製造により生成する低コストの再生可能資源であることから、経済的又は環境的観点から見ても望ましい原料であると考えられる(例えば、特許文献4参照)。
上記理由によりグリセリンを原料とするクロロヒドリンの製造方法に関し、反応に有効な触媒の探索、反応条件及び製造工程について、近年活発に研究されている(例えば、特許文献5〜8参照)。現在は触媒としてカルボン酸、カルボン酸誘導体、カルボン酸構造を有した化合物が使用されている。
ところで上述のグリセリンと塩化水素ガスを反応させるクロロヒドリンの製造方法は、一般に前記カルボン酸系触媒存在下、下記式(1)で示される。
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グリセリンからジクロロヒドリンを製造する場合には、ジクロロヒドリンは主として1,3−ジクロロ−2−プロパノールが生成し、1,3−ジクロロ−2−プロパノールと2,3−ジクロロ−1−プロパノールとの生成比はおおよそ90:10〜99:1である。これに対して従来法であるアリルクロライドからジクロロヒドリンを製造する場合、1,3−ジクロロ−2−プロパノールと2,3−ジクロロ−1−プロパノールとの生成比はおおよそ30:70である。
1,3−ジクロロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1−プロパノールは塩基との脱塩化水素化反応によりエピクロロヒドリンを製造することができるが、1,3−ジクロロ−2−プロパノールと2,3−ジクロロ−1−プロパノールの脱塩化水素化の反応速度は大きく異なり、1,3−ジクロロ−2−プロパノールは2,3−ジクロロ−1−プロパノールより脱塩化水素化の反応速度が速く、1,3−ジクロロ−2−プロパノールは比較的低温でも反応が進行するが、2,3−ジクロロ−1−プロパノールは高温にしないと反応が進行しない。しかし反応温度を高温にすると分解反応が促進されるため好ましくない。
該分解反応のために、脱塩化水素化の速度が大きく異なる1,3-ジクロロ-2-プロパノールと2,3-ジクロロ-1-プロパノールがある一定の割合以上で混在したジクロロヒドリンの効率的な脱塩化水素化の条件を見つけるのは容易ではない。例えばジクロロヒドリンを塩基により脱塩化水素化反応させた反応液を、エピクロロヒドリン層と水層を分液することによりにエピクロロヒドリンを回収する場合には、未反応の2,3-ジクロロ-1-プロパノールがエピクロロヒドリン、水ともに溶解するために、反応液全体が乳濁するために分液することによりエピクロロヒドリン層を回収することが不可能になる。
DE197308 DE238341 US2144612 GB14767 WO2005/021476 WO2005/054167 WO2006/020234 WO2006/110810
本発明はグリセリンを塩素化することによりジクロロヒドリンの製造する場合において、ジクロロヒドリンに含有する脱塩化水素化反応の反応速度の遅い2,3-ジクロロ-1-プロパノールの量を減らし、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を重ねたところ、グリセリンを塩素化してジクロロヒドリンを生成する場合には、ジクロロヒドリンとして1,3−ジクロロ−2−プロパノールと2,3-ジクロロ-1-プロパノールが生成しうるが、グリセリンから3-クロロ-1,2-プロパンジオールを経て1,3−ジクロロ−2−プロパノールが生成する速度と比較して、グリセリンから2-クロロ-1,3-プロパンジオールを経て2,3-ジクロロ-1-プロパノールが生成する速度は遅いことを見出した。すなわちグリセリンを塩素化する反応過程において、グリセリンから3-クロロ-1,2-プロパンジオールを経て1,3−ジクロロ−2−プロパノールを生成する反応が進む一方で、グリセリンから2-クロロ-1,3-プロパンジオールを経て2,3-ジクロロ-1-プロパノールを生成する反応は、2-クロロ-1,3-プロパンジオールで反応が留まっているために、ほとんど2,3-ジクロロ-1-プロパノールが生成せずに、2-クロロ-1,3-プロパンジオールとして一時的に見かけ上蓄積する。従って上記の状態において、2,3-ジクロロ-1-プロパノールの中間体である2-クロロ-1,3-プロパンジオールを除去することにより上記課題を解決することが出来ることを見出し、本発明の完成に至った。
また2-クロロ-1,3-プロパンジオールは塩素化することにより2,3-ジクロロ-1-プロパノールを生成させることが、ジクロロヒドリンの収率を向上させる点において好ましいとされており、従来技術においては2-クロロ-1,3-プロパンジオールを含めたモノクロロヒドリン全てを反応器にリサイクルしている。本発明は2-クロロ-1,3-プロパンジオールを回収することにより、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの製造する点で従来技術と大きく異なる。
1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンを得る事により、脱塩化水素化反応の反応速度の速い1,3−ジクロロ−2−プロパノールに適した条件で、ジクロロヒドリンを効率的な脱塩化水素化することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
出発原料であるグリセリンは、グリセリンモノアセテート等のグリセリンエステル、水、有機溶媒、塩、有機化合物を含んだものであっても良い。そのような出発原料として、例えば水やナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩やカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩などを含んだ粗製グリセリンなどが挙げられる。また粗製グリセリンを精製し、精製後のグリセリンを用いてもよい。グリセリンの純度については、50〜99.9重量%であることが好ましく、80〜99重量%であることがより好ましい。
出発原料であるグリセリンと塩素化剤との反応により生成するジクロロヒドリンは、1,3-ジクロロ-2-プロパノールと2,3-ジクロロ-1-プロパノールの混合物であるが、1 ,3-ジクロロ-2-プロパノールが主生成分として生成する。その割合はモル比で1,3-ジクロロ-2-プロパノール:2,3-ジクロロ-1-プロパノール=90:10〜99:1である。本発明においては1,3-ジクロロ-2-プロパノール、2,3-ジクロロ-1-プロパノール及びこれらの混合物を総称して「ジクロロヒドリン」ともいう。尚、本発明においては3-クロロ-1,2-プロパンジオールと2-クロロ-1,3-プロパンジオール及びこれらの混合物を総称して「モノクロロヒドリン」ともいう。
本発明に係る「塩素化剤」として、塩化水素ガス、及び塩化水素ガスと不活性ガス(窒素ガス、アルゴン、ヘリウム等)を混合したガスを使用することができる。
グリセリンと「塩素化剤」とを反応させる際に、適宜触媒を使用することができる。「触媒」は、グリセリンからジクロロヒドリンを製造することができる触媒であれば特に限定されることは無く、そのような触媒としては例えば、カルボン酸、カルボン酸誘導体、ラクトン、ラクタム、固体触媒及びこれらの組み合わせを例示することもできる。
「カルボン酸」として、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ステアリン酸、コハク酸、フタル酸、安息香酸、ケイ皮酸、マロン酸、アジピン酸などを例示することが出来る。
「カルボン酸誘導体」として、例えば、上記カルボン酸の塩化物、無水物及びエステル等を例示することができる。
「ラクトン」として、例えば、カプロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン等を例示することができる。
「ラクタム」として、例えば、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクタム等を例示することができる。
「固体触媒」としては、例えば、無機酸化物、無機ハロゲン化物及び強酸性有機化合物及びそれらの組み合わせを例示することができる。
「無機酸化物」として、例えば、金属酸化物、複合酸化物、オキシ酸及びオキシ酸塩が好ましい。
「金属酸化物」として、例えばSiO、Al2O、TiO、FeO、ZrO、SnO、GaO3、LaO3、CeO、MoO等を例示することができる。
「複合酸化物」として、例えば、SiO- AlO、SiO-
TiO、TiO- ZrO、SiO- ZrO、MoO-ZrO等、ゼオライト、ヘテロポリ酸(例えばP、Mo、V、W、Siなどの元素を含有するポリ酸など)、ヘテロポリ酸塩等を例示することができる。
「オキシ酸」及び「オキシ酸塩」として、例えば、BPO、AlPO、ポリリン酸、酸性リン酸塩、HBO、酸性ホウ酸塩、ニオブ酸(NbO・nHO)等を例示することができる。
「無機ハロゲン化物」としては、例えば、金属ハロゲン化物が好ましい。金属ハロゲン化物としては遷移金属、例えば、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド、アクチノイドなどの周期表3A族元素、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの周期表4A族元素、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの周期表5A族元素、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金などの周期表8族元素、亜鉛などの周期表2B族元素など)、アルミニウム、ガリウムなど周期表3B族金属、ゲルマニウム、スズなど周期表4B族金属等の金属のフッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物等を例示できる。
強酸性有機化合物として、例えば、有機スルホン酸化合物が好ましい。有機スルホン酸化合物として、例えば、スルホン酸基含有イオン交換樹脂等の強酸性イオン交換樹脂及び炭素縮合環を含むスルホン酸化合物(CiHjOkSm)等を例示することができる。
触媒の濃度は塩素化剤と反応させる出発原料のグリセリンを100重量部として0.01〜90重量部であることが好ましく、0.1〜40重量部であることがより好ましく、0.3〜20重量部であることが更に好ましい。また固体触媒を使用する場合には、触媒を適当な大きさに成型して管型反応器に充填した固定床流通式の反応装置を使用することもできる。
出発原料のグリセリンを、例えば、槽型反応器、管型反応器等の適する反応器に入れて、場合により触媒を使用し、塩素化剤を導入して反応させる。反応はバッチ反応、連続反応を随時選択することができる。
反応温度は高いほど反応速度が上がり、ジグリセリンなどの高沸点物が生成しやすくなる。更に反応温度が130℃以上であるならば、2-クロロ-1,3-プロパンジオールが生成しやすくなり、さらに2-クロロ-1,3-プロパンジオールから2,3-ジクロロ-1-プロパノールへの反応しやすくなるために、本発明の反応温度は80〜125℃が好ましく、反応速度を考慮し100〜120℃が更に好ましい。
反応時の圧力は反応を効率的に進める点で加圧条件が望ましいが、常圧または減圧条件であっても問題は無い。反応は0.01MPaA〜10MPaA、より好ましくは0.01MPaA〜2MPaA、さらには0.1MPaA〜0.6MPaAで行うのが好ましい。また加圧することにより1,3-ジクロロ-2-プロパノールが生成しやすくなり、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンが得ることができる。
グリセリンを塩素化剤で反応させて、生成した2-クロロ-1,3-プロパンジオールから2,3-ジクロロ-1-プロパノールまでほとんど反応が進まず、2-クロロ-1,3-プロパンジオールとして反応液中に見かけ上蓄積している時間は圧力と温度により決定される。例えば反応条件が常圧、80〜100℃で反応を行った場合25〜30時間であり、反応条件が常圧、105〜125℃で16〜24時間である。なお「見かけ上蓄積する」とは、2-クロロ-1,3-プロパンジオールから2,3-ジクロロ-1-プロパノールの生成速度が遅いために、一部は2,3-ジクロロ-1-プロパノールを生成するものの、同時に2-クロロ-1,3-プロパンジオールが生成することにより反応液に蓄積されることを指す。
従って2-クロロ-1,3-プロパンジオールとして見かけ上蓄積している反応液中から、2-クロロ-1,3-プロパンジオールを取り除くことにより、その後の塩素化反応における2,3-ジクロロ-1-プロパノールの生成量を減らすことにより、得られるジクロロヒドリン全体としては1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性が高くなる。
反応液中から2-クロロ-1,3-プロパンジオールを取り除く時期は、反応液中に存在する2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールとのモル比が1:100〜100:1でであってよい。この場合、反応液中に存在する2-クロロ-1,3-プロパンジオールの量が少ない場合でも、2-クロロ-1,3-プロパンジオールを除去することが1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性を高めることを可能にするが、2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールの分離が困難であるので容易ではないことを考慮すると、2-クロロ-1,3-プロパンジオールの量が少なすぎる場合はリサイクルする方が好ましい。従って2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールとのモル比が1:3〜80:1であることが好ましく、1:2〜70:1であることがより好ましく、2:3〜60:1であることが更に好ましく、3:4〜56:1が特に好ましく、1:1〜50:1が最も好ましい。反応液に含まれる3-クロロ-1,2-プロパンジオールが2-クロロ-1,3-プロパンジオールより多く存在する場合は、リサイクルする方が好ましい場合もあるが、2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールとのモル比が1:2〜70:1である場合は、2-クロロ-1,3-プロパンジオールが3-クロロ-1,2-プロパンジオールの50%以上の量として存在するため、反応速度の遅い2-クロロ-1,3-プロパンジオールを除去することにより、反応器の反応効率が上がるために特に効率が良い。2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールとのモル比が1:1〜50:1である場合は、さらに反応液に含まれる3-クロロ-1,2-プロパンジオールが2-クロロ-1,3-プロパンジオールより多く存在する場合であり、上記の点に加えて更に効率が良い。
ここで反応液中には2-クロロ-1,3-プロパンジオールだけではなく、3-クロロ-1,2-プロパンジオール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、未反応のグリセリン、ジグリセリン等の高沸点物も存在している。従って2-クロロ-1,3-プロパンジオールを取り除くと、同時にこれらの物質を取り除きうる。
これらの物質は分離して、回収等を行うことが好ましい。すなわち目的物であるジクロロヒドリン、ジクロロヒドリンの中間体であるモノクロロヒドリン、原料であるグリセリン、副生成物であるジグリセリン等の高沸点物に精留等により分離し、回収して、場合によっては除去、又は脱塩化水素化反応を行うことができる。具体的には目的物であるジクロロヒドリンはエピクロロヒドリンを製造するために脱塩化水素化し、グリセリンは反応器等の反応系へリサイクルし、副生成物であるジグリセリン等の高沸点物は反応系外に除去することができる。
モノクロロヒドリンは2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールを分離し回収して、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの中間体である3-クロロ-1,2-プロパンジオールを反応器等の反応系にリサイクルし、2-クロロ-1,3-プロパンジオールを反応系から除去することが好ましいが、2-クロロ-1,3-プロパンジオールとともに3-クロロ-1,2-プロパンジオールを取り除いても問題は無い。2-クロロ-1,3-プロパンジオールとともに3-クロロ-1,2-プロパンジオールを取り除く場合は、3-クロロ-1,2-プロパンジオールを反応器等の反応系にリサイクルした場合と比較して、ジクロロヒドリンとしての収率は低下するが、本発明により得られた2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールは別途モノクロロヒドリンとして得ることになり、モノクロロヒドリンはグリシドール等の他の有機化合物の製造に用いることができるために、生産性の面でも問題は無い。また選択性と収率のバランスを考慮し、実施態様の一つとして、2-クロロ-1,3-プロパンジオールの一部を3-クロロ-1,2-プロパンジオールと共に反応器にリサイクルしても良い。
また2-クロロ-1,3-プロパンジオールの一部又は全部をグリセリンに変換してから反応器等の反応系にリサイクルしてもよい。例えば上記式(1)で記載されているように、モノクロロヒドリンはグリセリンと平衡関係にあるために水と接触させることによりグリセリンに変換することが可能である。またモノクロロヒドリンは塩基と接触させることによりグリシドール、更にはグリシドールからグリセリンに変換させることも可能である。上述したようにグリセリンを塩素化した場合は1,3−ジクロロ−2−プロパノールと2,3−ジクロロ−1−プロパノールとの生成比はおおよそ90:10〜99:1であるので、2-クロロ-1,3-プロパンジオールをグリセリンに変換して反応器等の反応系にリサイクルすると、全体として得られるジクロロヒドリンの1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性は高くなる。尚、2-クロロ-1,3-プロパンジオール、3-クロロ-1,2-プロパンジオールはモノクロロヒドリンとして同様の反応をするので、グリセリンへの変換は2-クロロ-1,3-プロパンジオールに3-クロロ-1,2-プロパンジオールを含んでいても問題ない。
上記の2-クロロ-1,3-プロパンジオールを反応液から取り除くと同時に副生成物であるジグリセリン等の高沸点物を反応系外に取り除くことは連続反応を行う場合において非常に有効である。連続反応においてジグリセリン等の高沸点物が反応器に蓄積することにより、特に反応後期において反応器の反応に使用する容積が減るために、反応効率が悪くなるためである。
また2-クロロ-1,3-プロパンジオールとして見かけ上蓄積している間の反応液には2,3-ジクロロ-1-プロパノールがほとんど生成していないので、見かけ上蓄積している間の反応液中のジクロロヒドリンは1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性が高く、反応液からジクロロヒドリンを蒸留又はストリッピング等により回収することが好ましい。これはグリセリンの塩素化反応が前記で記載のように平衡反応であるので、反応を促進させる点でも好ましい。
以下、添付した図面を参照して、本発明の製造方法をより具体的かつ詳細に説明するが、本発明は下記説明に制限されるものではない。
図1は本発明のジクロロヒドリンを製造するための製造装置を模式的に例示している。管(2)からグリセリン、管(3)から塩化水素ガス及び管(4)から触媒を槽型反応器(1)に導入し、攪拌しながら反応させる。生成したジクロロヒドリンを塩化水素ガスで管(5)から留出させ、留出したジクロロヒドリン、水と塩化水素は冷却器(6)で凝縮させて回収する。留出により得られた水、塩化水素、ジクロロヒドリンを含む混合物は管(7)より回収する。また冷却器で凝縮されなかった塩化水素は管(8)から反応器(1)に循環してもよい。一定時間反応を進めた後、反応混合物から蓄積した2-クロロ-1,3-プロパンジオールを管(9)から抜き出して、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの生成及び留出を行う。
図2は本発明のジクロロヒドリンを製造するためのより好ましい製造装置を模式的に例示する。管(11)からグリセリン、管(12)から塩化水素ガス及び管(13)から触媒を槽型反応器(10)に導入し、攪拌しながら反応させる。生成したジクロロヒドリンを含んだ反応混合物は管(14)を経由して、精留塔又は放散塔(15)にて目的物であるジクロロヒドリンと水を管(16)より回収して、反応中間体であるモノクロロヒドリンと未反応グリセリン等は管(17)より槽型反応器(10)にリサイクルする。一定時間反応を進めた後、反応混合物から蓄積した2-クロロ-1,3-プロパンジオールを管(18)及び/又は管(19)から抜き出して、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの生成及び留出を行う。
以下本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、実施例に限定されるものではない。尚、本発明は収率の他に、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性について下記式により評価する。

1,3/2,3={1,3−ジクロロ−2−プロパノール(mol)+3-クロロ-1,2-プロパンジオール(mol)}/{2,3−ジクロロ−1−プロパノール(mol)+2-クロロ-1,3-プロパンジオール(mol)}

「1,3/2,3」は、1,3−ジクロロ−2−プロパノールとして生成している又は更に反応を進めると生成しうる成分と2,3−ジクロロ−1−プロパノールとして生成している又は更に反応を進めると生成しうる成分との比較であり、1,3/2,3が大きいほど1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンを生成しうる。
実施例1
温度計、攪拌機、ガス吹き込み管、及び精留カラムを備えたガラス製槽型反応器にグリセリン60g(0.65モル)及びコハク酸6g(0.05モル)を仕込み、塩化水素ガスをガス吹き込み管より導入し、100〜120℃の反応温度で常圧において反応させた。ストリッピングにより生成する水及びジクロロヒドリンを含む未反応塩化水素ガスを反応器上部に設置した精留カラムを通し、冷却管に入れて、水、ジクロロヒドリン及び一部の塩化水素を凝縮させた。未凝集の塩化水素は、ガスポンプを用いて元の槽型反応器に循環させた。生成したジクロロヒドリンをほぼ全て留出させたことを確認した後、グリセリン60g(0.65モル)を反応器に投入し、再度生成したジクロロヒドリンをほぼ全て留出させる。反応、留出時間はグリセリン60g相当分の反応時間として(1バッチ当たり)約8時間であった。このグリセリン60g(0.65モル)の投入と、生成したほぼ全てのジクロロヒドリンの留出を4度繰り返し、反応を終了させた。反応に使用したグリセリンは300g(3.26モル)であり、ジクロロヒドリン、水、塩化水素を含んだ凝縮液が639g得られた。液中にジクロロヒドリン385.6gを確認した(2.99モル、1,3−ジクロロ−2−プロパノール:2,3−ジクロロ−1−プロパノール=96.2:3.8, 収率91.7%)。また、反応器中には38.5g の残渣液を確認した。そこから得られたジクロロヒドリンは3.86g
(0.03モル, 1,3−ジクロロ−2−プロパノール:2,3−ジクロロ−1−プロパノール=85.5:14.5, 収率0.92%)であった。よって、ジクロロヒドリンの全収率は92.7%。また残渣液中のモノクロロヒドリンは15.9g(0.14モル、3-クロロ-1,2-プロパンジオール:2-クロロ-1,3-プロパンジオール=17.8:82.2、収率4.29%)であった。
残渣は減圧下において精留し、ジクロロヒドリンとモノクロロヒドリンと高沸点物に分留した。分留したモノクロロヒドリンと高沸点物は反応系から除去し、ジクロロヒドリンのみ回収した。「1,3/2,3」は、モノクロロヒドリンを反応系外に除去することにより、モノクロロヒドリンの除去前の11からモノクロロヒドリンの除去後は26になった。
実施例2
反応温度を90〜95℃に設定したこと、および、グリセリン60g(0.65モル)の投入と生成したほぼ全てのジクロロヒドリンの留出を5度繰り返したこと以外は実施例1と同様の条件で反応を行った。この条件での反応、留出時間はグリセリン60g相当分の反応時間として(1バッチ当たり)約10時間であった。反応に使用したグリセリンは360g(3.91モル)であり、ジクロロヒドリン、水、塩化水素を含んだ凝縮液が605.2g得られた。液中にジクロロヒドリン458.7gを確認した(3.56モル、1,3−ジクロロ−2−プロパノール:2,3−ジクロロ−1−プロパノール=98.5:1.5, 収率91.0%)。また、反応器中には47.2gの残渣液を確認した。そこから得られたジクロロヒドリンは11.8g (0.09モル,
1,3−ジクロロ−2−プロパノール:2,3−ジクロロ−1−プロパノール=85.5:14.5, 収率0.24%)であった。よって、ジクロロヒドリンの全収率は74.1%。また残渣液中のモノクロロヒドリンは19.5g(0.17モル、3-クロロ-1,2-プロパンジオール:2-クロロ-1,3-プロパンジオール=1.7:98.3、収率4.29%)であった。
残渣は減圧下において精留し、ジクロロヒドリンとモノクロロヒドリンと高沸点物に分留した。分留したモノクロロヒドリンと高沸点物は反応系から除去し、ジクロロヒドリンのみ回収した。「1,3/2,3」は、モノクロロヒドリンを反応系外に除去することにより、モノクロロヒドリンの除去前の13からモノクロロヒドリンの除去後は50になった。
実施例3
温度計、攪拌機、ガス吹き込み管、及び精留カラムを備えたガラス製槽型反応器にグリセリン60g(0.65モル)及びコハク酸6g(0.05モル)を仕込み、塩化水素ガスをガス吹き込み管より導入し、100〜120℃の反応温度で常圧において反応させた。ストリッピングにより生成する水及びジクロロヒドリンを含む未反応塩化水素ガスを反応器上部に設置した精留カラムを通し、冷却管に入れて、水、ジクロロヒドリン及び一部の塩化水素を凝縮させた。未凝集の塩化水素は、ガスポンプを用いて元の槽型反応器に循環させた。グリセリンは7〜8g/hの速度で、連続的に反応器へ供給し、反応全体で使用したグリセリンは360g(3.91モル)であった。また、反応液中に2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールとのモル比が1:1で存在する組成において、反応を終了させた。ジクロロヒドリン、水、塩化水素を含んだ凝縮液が 686.6g得られた。液中にジクロロヒドリン410.1gを確認した(3.18モル、1,3−ジクロロ−2−プロパノール:2,3−ジクロロ−1−プロパノール=97.3:2.7, 収率81.3%)。また、反応器中には98.5g の残渣液を確認した。そこから得られたジクロロヒドリンは22.3g
(0.173モル, 1,3−ジクロロ−2−プロパノール:2,3−ジクロロ−1−プロパノール=7.2:1, 収率4.4%)であった。よって、ジクロロヒドリンの全収率は85.7%であった。また残渣液中のモノクロロヒドリンは53.7g(0.486モル、3-クロロ-1,2-プロパンジオール:2-クロロ-1,3-プロパンジオール=1:1、収率12.4%)であった。
上記の残渣液から約50%を抜き出し、抜き出した反応液は減圧下において精留し、ジクロロヒドリンとモノクロロヒドリンと高沸点物に分留し、分留したモノクロロヒドリンとジグリセリン等の高沸点物は反応系から除去し、ジクロロヒドリンのみ回収した。抜き出した反応液にはモノクロロヒドリン26.9g(0.243モル、3-クロロ-1,2-プロパンジオール:2-クロロ-1,3-プロパンジオール=1:1、収率6.2%)を確認した。「1,3/2,3」は、モノクロロヒドリンを反応系外に除去することにより、モノクロロヒドリンの除去前の9.8からモノクロロヒドリンの除去後は14.1になった。
実施例4
温度計、攪拌機及び塩化水素ガス導入管を有する反応器に、グリセリン100g(1.09モル)とコハク酸5.0g(0.04モル)を加えた後、反応温度100〜120℃において、塩化水素ガスを導入して、塩化水素ガスで0.3MPaAの圧力を加えた。
反応混合物は、放散塔(放散塔内の気液接触域は95cm、塔の内径は、2.0cmΦ、充填物はΦ10mm×H10mmガラス製ラッシヒリング、充填物を充填した領域の高さは30cm)の塔頂より投入し、塩化水素ガスと向流で気液接触した。塩化水素ガスに同伴された水及びジクロロヒドリンは放散塔の塔頂から放出し、冷却管に入れて、一部の塩化水素とともに凝縮させた。未凝集の塩化水素は、ガスポンプを用いて放散塔に循環させた。一方、放散塔内に残った反応混合物は、反応器へ再度戻した。
以上の、反応器内から、反応混合物の放散塔への供給、放散塔内での反応混合物と塩化水素ガスとの接触、水分放散塔内の反応混合物の反応器への戻し、放散ガスの塩化水素ガスの塩化水素ガスに同伴させた水と有機物の冷却器への供給、及び凝縮器から放散塔への未凝縮塩化水素ガスの循環を行った。
また、反応液中に2-クロロ-1,3-プロパンジオールと3-クロロ-1,2-プロパンジオールとのモル比が1:2で存在する組成において、反応を終了させた。ジクロロヒドリン、水、塩化水素を含んだ凝縮液が 150.2g得られた。液中にジクロロヒドリン101.5gを確認した(0.79モル、1,3−ジクロロ−2−プロパノール:2,3−ジクロロ−1−プロパノール=98.1:1.9, 収率72.5%)。また、反応器中には48.1g の残渣液を確認した。そこから得られたジクロロヒドリンは5.71g
(0.044モル, 1,3−ジクロロ−2−プロパノール:2,3−ジクロロ−1−プロパノール=89.3:10.7, 収率4.0%)であった。よって、ジクロロヒドリンの全収率は76.5%であった。また残渣液中のモノクロロヒドリンは17.2g(0.16モル、3-クロロ-1,2-プロパンジオール:2-クロロ-1,3-プロパンジオール=2:1、収率14.7%)であった。
上記の残渣液から一部を抜き出し、抜き出した反応液は減圧下において精留し、ジクロロヒドリンとモノクロロヒドリンと高沸点物に分留し、分留したモノクロロヒドリンとジグリセリン等の高沸点物は反応系から除去し、ジクロロヒドリンのみ回収した。抜き出した反応液にはモノクロロヒドリン8.6g(0.078モル、3-クロロ-1,2-プロパンジオール:2-クロロ-1,3-プロパンジオール=2:1、収率7.2%)を確認した。1,3/2,3は、モノクロロヒドリンを反応系外に除去することにより、モノクロロヒドリンの除去前の13からモノクロロヒドリンの除去後は19になった。
実施例1〜4が示すように、2,3−ジクロロ−1−プロパノールへの反応速度の遅いために見かけ上蓄積する2-クロロ-1,3-プロパンジオールを反応液より除去することにより、1,3/2,3が飛躍的に向上させることができ、即ち1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの製造が可能となった。また反応速度の遅い2-クロロ-1,3-プロパンジオールを反応系外へ除去することにより、反応器等で2-クロロ-1,3-プロパンジオールが占めていた体積分を、グリセリンを塩素化する本発明において主生成分である3-クロロ-1,2-プロパンジオールを主に占めることになり、反応効率も良くすることもできる。
本発明により、グリセリンを塩素化することによりジクロロヒドリンの製造する場合において、ジクロロヒドリンに含有する脱塩化水素化反応の反応速度の遅い2,3-ジクロロ-1-プロパノールの量を減らし、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性の高いジクロロヒドリンの製造する方法を提供することができ、脱塩化水素化反応の反応速度の速い1,3−ジクロロ−2−プロパノールに適した条件で、ジクロロヒドリンの脱塩化水素化をすることができる。また回収したモノクロロヒドリンはグリシドールなどの他の有機化合物に製造に用いることができる。
はジクロロヒドリンを製造するための製造装置を模式的に例示している。 はジクロロヒドリンを製造するためのより好ましい製造装置を模式的に例示する。
符号の説明
1 反応器
2 管
3 管
4 管
5 管
6 冷却管
7 管
8 管
9 管
10 反応器
11 管
12 管
13 管
14 管
15 精留塔又は放散塔
16 管
17 管
18 管
19 管

Claims (10)

  1. グリセリンを塩素化することによりジクロロヒドリンを製造する方法であって、反応液中に存在する2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールとのモル比が1:3〜80:1である時に、反応液から2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む混合物又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物を反応系外に取り除くことにより、1,3−ジクロロ−2−プロパノールの選択性を高くするジクロロヒドリンの製造方法。
  2. 反応液中に存在する2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールとのモル比が1:2〜70:1である時に、反応液から2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む混合物又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物を反応系外に取り除くことを特徴とする請求項1記載のジクロロヒドリンの製造方法。
  3. 反応液中に存在する2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールとのモル比が1:1〜50:1である時に、反応液から2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む混合物又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物を反応系外に取り除くことを特徴とする請求項1又は2記載のジクロロヒドリンの製造方法。
  4. 反応液からジクロロヒドリンを蒸留又はストリッピングによりジクロロヒドリンを回収しつつ行う請求項1から3いずれか記載のジクロロヒドリンの製造方法。
  5. 2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む混合物又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物を反応系外に取り除く際に、反応系に3−クロロ−1,2−プロパンジオール又は3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物をリサイクルする請求項1からいずれか記載のジクロロヒドリンの製造方法。
  6. 反応液から反応系外に取り除く2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む混合物又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物に高沸点物が含まれる請求項1からいずれか記載のジクロロヒドリンの製造方法。
  7. 取り除いた2−クロロ−1,3−プロパンジオール又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールをグリセリンに変換して、グリセリンとしてリサイクルする請求項1からいずれか記載のジクロロヒドリンの製造方法。
  8. 水と2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む混合物又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物を接触させることによりグリセリンに変換する請求項記載のジクロロヒドリンの製造方法。
  9. 塩基と2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む混合物又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物を接触させることによりグリセリンに変換する請求項記載のジクロロヒドリンの製造方法。
  10. 請求項1からいずれか記載の取り除いた2−クロロ−1,3−プロパンジオールを含む混合物又は2−クロロ−1,3−プロパンジオールと3−クロロ−1,2−プロパンジオールを含む混合物を用いて製造することを特徴とする有機化合物(有機化合物はジクロロヒドリン、又はグリシドールである)の製造方法。
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