JP2017109993A - ジクロロプロパノールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸留および油水分離によって、目標産物であるジクロロプロパノールを直接獲得できるジクロロプロパノールの製造方法を提供すること。【解決手段】ジクロロプロパノールの製造方法であって、カルボン酸触媒の存在下で、三炭素材料と塩化水素水溶液とを第一塩素化反応させ、第一混合液を獲得し、前記三炭素材料は、グリセロール、グリセリド、モノクロロプロパンジオール、モノクロロプロパンジオールエステル、およびそれらの組合せからなる群より選択されるものであるステップ(a)と、第一混合液と三炭素材料とを第二塩素化反応させ、第二混合液を獲得し、該第二混合液における塩化水素の濃度が13重量%未満であるステップ(b)と、前記第二混合液を蒸留することにより、塔頂産物を獲得するステップ(c)と、前記塔頂産物に油水分離を施し、油相を形成させ、該油相からジクロロプロパノールを獲得するステップ(d)と、を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒドロキシ基を有する炭水化物を製造する方法に関し、特にジクロロプロパノールの製造方法に関する。
ジクロロプロパノール(dichloropropanol、DCP)は、エピクロロヒドリンの生産(epichlorohydrin、ECH)に重要な前駆体である。化学合成において、ジクロロプロパノールとアルカリ性物質とを反応した後、脱水環化を行われてエピクロロヒドリンを形成することにより、エポキシ樹脂やクロロヒドリンゴムを生産するための原料が得られる。
中国特許出願公開明細書第101429099号 中国特許出願公開明細書第101134714号
ジクロロプロパノールを製造するための従来の方法は、プロピレン高温塩素化法、酢酸アリル法およびグリセロール塩素化法などが挙げられる。
プロピレン高温塩素化法および酢酸アリル法は、塩素ガスを用いて次亜塩素酸付加反応が行われるので、合成工程において塩素含有副生成物が大量生成される。よって、前記二種の方法は、いずれもプロセスのコストが高いという問題があった。
特許文献1に、塩素化剤の違いに応じて2つの異なる製造方法を実行することができるグリセロール塩素化法が開示されている。前記2つの異なる製造方法のうちの1つは、塩化水素ガスを塩素化剤とすると共に、酢酸を触媒とし、グリセロールと塩化水素ガスとを塩素化反応させ、ジクロロプロパノールを生成するものである。
前記2つの異なる製造方法のうちのもう1つは、塩素化剤として塩化水素の水溶液を用いる。これにより、塩化水素ガスにおける取得困難および運用条件が厳しいなどの欠点を改善することができるが、反応蒸留塔に、濃度が約38%である塩化水素水溶液を継続的に供給することが必要とされることから、製造工程に必要な塩化水素水溶液の使用量が大きかった。
また、特許文献1の明細書に開示された技術内容によれば、塩素化剤として塩化水素ガス又は塩化水素の水溶液を使用しても、製造工程において、2つの精製蒸留塔(即ち、反応蒸留塔および精製蒸留塔)を同時に稼働させる必要があった。なお、同明細書には、反応蒸留塔の塔頂生成物の単離および精製が何ら開示されていなかったのみならず、塩化水素水溶液を回収して再利用する手段に関する技術内容も一切開示されていなかった。
一方、プロピレン高温塩素化法、酢酸アリル法、またはグリセロール塩素化法の何れかをもってジクロロプロパノールを製造しても、製造工程において、ジクロロプロパノール塩酸水溶液が生成されてしまう。ジクロロプロパノール塩酸水溶液において塩化水素と、ジクロロプロパノールと水とは、三成分共沸系を形成するので、共沸蒸留により、塩化水素と、ジクロロプロパノールとを単離する目的を直接に達成することは困難である。
これに対して、特許文献2には、溶媒抽出方法を用い、ジクロロプロパノール塩酸水溶液に有機抽出剤を添加し、適切な機器精製抽出によりジクロロプロパノールを精製する精製方法が開示されている。
この抽出方法により、ジクロロプロパノールの収率を90%にまで向上させることができる。しかしながら、この方法では、所望の生成物を得るために、抽出剤の使用、および精製システムに抽出装置の追加が必要とされる上、抽出後、ジクロロプロパノールと抽出剤とを再単離する必要がある。したがって、従来技術が提案した抽出方法は、高コストかつ環境汚染につながる問題が依然として存在する。
ジクロロプロパノール塩酸水溶液を精製し、ジクロロプロパノールと、塩化水素水溶液と、水とを単離させる従来技術には、抽出剤の追加が不可欠であるという技術的欠点があった。
本発明は、ジクロロプロパノール製造方法および製造手段を簡素化させ、蒸留および油水分離によって、目標産物であるジクロロプロパノールを直接獲得することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、以下のステップを含む。
ステップ(A):カルボン酸触媒の存在下で、三炭素材料と塩化水素水溶液とを第一塩素化反応させ、第一混合液を獲得し、前記三炭素材料は、グリセロール、グリセリド、モノクロロプロパンジオール、モノクロロプロパンジオールエステル、およびそれらの組合せからなる群より選択されるものである。
ステップ(b):第一混合液と三炭素材料とを第二塩素化反応させ、第二混合液を獲得し、該第二混合液における塩化水素の濃度が13重量%未満である。
ステップ(c):前記第二混合液を蒸留することにより、塔頂産物を得る。
ステップ(d):前記塔頂産物に油水分離を施し、油相を形成させ、該油相からジクロロプロパノールを獲得する。
本発明によれば、蒸留に供する第二混合液の塩化水素の濃度を13重量%未満に制御することにより、該第二混合液を直接に蒸留塔に供給し、精製分離を行うことが可能になると共に、前記蒸留塔の塔頂産物を油水分離させ、下部油相からジクロロプロパノールを直接獲得することができる。これにより、蒸留と、油水分離とを経て直接にジクロロプロパノールが得られるように、ジクロロプロパノール製造工程を簡素化させることができる。
一方、本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、抽出剤または共沸剤を必要とする従来技術の制限を克服することができるので、上述した従来技術の問題を克服することができる。
留意すべき点は、本発明は、上記の態様に限定されるものでなく、該発明の属する技術の分野で、異なるニーズに応じて、目標産物として、ジクロロプロパノールを獲得するために、精製工程において、抽出剤又は共沸剤を併用するか否かを、当業者が決定しても構わない点である。
好ましくは、前記第二混合液の塩化水素の濃度は11重量%未満であり、より好ましくは、前記第二混合液の塩化水素の濃度は10重量%未満である。さらに好ましくは、前記第二混合液の塩化水素の濃度は9重量%未満である。ここで、第二混合液中の塩化水素の濃度を低減させると、製造工程におけるジクロロプロパノールの歩留まりを向上させることができる。
好ましくは、三炭素材料対塩化水素水溶液のモル比は1:2ないし1:6である。より好ましくは、三炭素材料対塩化水素水溶液のモル比は1:3ないし1:5である。
好ましくは、三炭素材料対カルボン酸触媒のモル比は1:0.1ないし1:1である。より好ましくは、三炭素材料対カルボン酸触媒のモル比は1:0.4ないし1:0.9である。さらに好ましくは、三炭素材料対カルボン酸触媒のモル比は1:0.4ないし1:0.7である。したがって、合成反応の選択率を向上させ、ジクロロプロパノールを大量に獲得することができる。
好ましくは、前記カルボン酸触媒は、炭素数が1〜8であるカルボン酸、炭素数が1〜8であるカルボン酸無水物、または炭素数が1〜8であるカルボン酸エステルである。
前記カルボン酸触媒としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、4−メチル吉草酸、ヘプタン酸、オクタン酸、コハク酸、アジピン酸、およびテレフタル酸の何れか一種のカルボン酸、上記カルボン酸のカルボン酸無水物、又は上記カルボン酸のカルボン酸エステル、を使用することができる。より好ましくは、前記カルボン酸触媒は酢酸である。さらにより好ましくは、前記酢酸は氷酢酸である。
好ましくは、塩素化剤としての塩化水素水溶液の濃度は、20重量%以上、40重量%未満である。さらに好ましくは、塩化水素水溶液の濃度は、30重量%以上、39重量%以下である。
好ましくは、前記ステップ(A)における第一塩素化反応および前記ステップ(b)における第二塩素化反応が行われる温度は、80℃以上、150℃以下である。さらに好ましくは、前記ステップ(A)における第一塩素化反応および前記ステップ(b)における第二塩素化反応が行われる温度は、100℃以上、130℃以下である。
本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、前記蒸留反応の温度が、圧力に応じて調整することができるものである。本発明に係る一つの実施形態では、前記蒸留反応は大気圧で行われ、その塔頂の出口温度は、95°C以上、115°C以下とする。また、ほかの実施形態において、前記蒸留反応は、たとえば、100トルないし700トルの負圧で行われ、その塔頂の出口温度は、50°C以上、98°C以下とする。好ましくは、前記蒸留反応が500トルないし100トルの圧力で行われ、その塔頂の出口温度は、51°C以上、90°C以下とする。また、前記蒸留反応が100トルないし300トルの圧力で行われる場合、その塔頂の出口温度は、51°C以上、76°C以下とする。
好ましくは、前記三炭素材料は、回収された粗グリセロールである。該粗グリセロールは、エピクロロヒドリンの鹸化工程から回収されたものであっても良い。例えば、精製される前に回収された塩類含有廃水は、0重量%超過、5重量%以下のグリセロール、0重量%超過、25重量%以下の塩類、60重量%ないし90重量%の水、および0重量%超過、10重量%以下の不純物を含有しても良い。
複数回の精製工程を施すことにより、回収された粗グリセロールのグリセロール含有量を効率的に向上させることができる。例えば、精製された後に回収された粗グリセロールは、約70重量%ないし98重量%のグリセロール、0重量%ないし15重量%の水、0重量%ないし1重量%の不純物を含有しても良い。従って、本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、エピクロロヒドリンの鹸化工程から生成された塩類含有廃水をリサイクルすることにより、ジクロロプロパノールを製造することができる。
好ましくは、前記ステップ(c)は、ステップ(c1)と、ステップ(c2)とを含む。ステップ(c1)は、該第二混合液を蒸留させ、塔頂産物および塔底産物を得ることである。また、該塔底産物は、塩素化されていない三炭素材料(すなわち前記グリセロール、グリセリド、モノクロロプロパンジオール、モノクロロプロパンジオールエステル)と、塩化水素水溶液と、ジクロロプロパノールとを含む。
該ステップ(c2)は、該塔底産物の塩化水素の濃度を20重量%以上、40重量%未満にし、回収された塩化水素混合液を得ることである。ジクロロプロパノールを再び回収するために、前記回収された塩化水素混合液を、二回の塩素化反応、蒸留、および油水分離などのステップを繰り返してもよい。より好ましくは、前記ステップによる該塔底産物の塩化水素濃度を21重量%ないし30重量%にしても良い。さらに好ましくは、前記ステップによる該塔底産物の塩化水素濃度を22重量%ないし27重量%にしても良い。別の実施形態では、前記ステップによる該塔底産物の塩化水素濃度を30重量%ないし39重量%にしても良い。
一つの実施形態では、前記ステップ(c2)は、該塔底産物を回収し、塩化水素ガスを供給することにより、該塔底産物の塩化水素の濃度を20重量%以上、40重量%未満にし、塩化水素混合液を得ることを含むものである。該塩化水素混合液を塩素化反応器に注入し、つぎのサイクルのステップ(a)において、三炭素材料と塩素化反応を繰り返してもよい。ここでは、塩化水素の濃度を向上させる目的を達成するために、塩化水素吸収塔を利用してもよい。
他の実施形態では、前記ステップ(c2)は、該塔底産物を回収し、精製塔で該塔底産物の水を取り除くことにより、水除去された塔底産物を獲得することを含むものである。塩化水素水溶液を該水除去された塔底産物に加えることにより、塩化水素の濃度を20重量%以上、40重量%未満にし、該回収された塩化水素混合液を得ることができる。
該回収された塩化水素混合液を塩素化反応器に注入し、つぎのサイクルのステップ(a)において、三炭素材料と塩素化反応を繰り返してもよい。ここでは、塩化水素の濃度を向上させる目的を達成するために、塩化水素精製塔により水を取り除くこと、および塩化水素水溶液を補充することを行ってもよい。
好ましくは、前記ステップ(d):塔頂産物に油水分離を施し、水相と油相とを形成させ、該油相から回収されるジクロロプロパノールを獲得することを含む。前記水相は、蒸留塔に供給し、次のサイクルの蒸留ステップにおいて再度蒸留に供することができる。
好ましくは、この方法は、上記ステップ(a)ないしステップ(d)を含むサイクルを少なくとも一回繰り返すことを含む。すなわち、本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、前記サイクルを繰り返すことにより、目標産物であるジクロロプロパノールの連続生産を可能にする。
より好ましくは、ステップ(a)ないしステップ(d)を含むサイクルを繰り返す時、繰り返されるステップ(a)において利用される塩化水素水溶液は、前のサイクルのステップ(c2)で回収された塩化水素混合液である。該回収された塩化水素混合液の塩化水素の濃度は、20重量%以上、40重量%未満であることが好ましい。
さらに好ましくは、ステップ(a)ないしステップ(d)を含むサイクルを繰り返す時、繰り返されるステップ(c)は、該第二混合液と、前のサイクルのステップ(d)で回収された水相とを蒸留することにより、前記塔頂産物を得るものである。前記回収された塩化水素水溶液は、再び蒸留塔に供給される。該塩化水素水溶液と、蒸留反応に供する混合液とを、蒸留させることにより、該塩化水素水溶液の再利用を可能にする。
好ましくは、ステップ(a)ないしステップ(d)を含むサイクルを繰り返す時、各サイクルのステップ(c)は、一回の蒸留工程で分離効果を達成することができる。故に、本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、従来技術に係る方法よりも、蒸留工程を簡素化できる利点を有している。
本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法により製造されたジクロロプロパノールは、1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−dichloro−2−propanol)、2,3−ジクロロ−1−プロパノール(2,3−dichloro−1−propanol)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものであっても良い。
本発明は、ジクロロプロパノール製造方法および製造手段を簡素化させ、蒸留および油水分離によって、目標産物であるジクロロプロパノールを直接に獲得するジクロロプロパノールの製造方法を提供することができる。
本発明に係るジクロロプロパノールを製造するための第一種システムのパイプラインを示す図である。 本発明に係るジクロロプロパノールを製造するための第二種システムのパイプラインを示す図である。 本発明に係るジクロロプロパノールを製造する方法の実施例1におけるフロー図である。 本発明に係るジクロロプロパノールを製造する方法の実施例2におけるフロー図である。
以下、複数の実施例を本発明の例示として挙げるが、当業者は本発明の明細書の内容を介して容易に本発明が達成することができる利点と、その発明効果を理解することができる上、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各種の修飾や変更を行い、本発明を実現または適用することができる。
ジクロロプロパノールを製造するための第一種システム
図1に示すように、本発明に係るジクロロプロパノールを製造するための第一種システムは、塩素化反応器1、蒸留塔2、油水分離タンク3、塩化水素吸収塔4、三炭素材料供給管L1、塩化水素水溶液供給管L2、触媒供給管L3、排出管L4、凝縮管L5、水相還流管L6、油相送出管L7、塔底転送管L8、塩化水素ガス供給管L9、および材料回収管L10を有するものである。
前記三炭素材料供給管L1、塩化水素水溶液供給管L2、および触媒供給管L3は、前記塩素化反応器1に連通され、それぞれ三炭素材料、塩化水素水溶液、およびカルボン酸触媒を、前記塩素化反応器1に供給するためのものである。
前記塩素化反応器1は、150℃ないし100℃の温度に設定され、圧力は1バールないし6バールに設定されている。前記排出管L4は、塩素化反応器1と連通され、塩素化反応により生成された混合液を、塩素化反応器1から排出するためのものである。他の実施形態では、このシステムは、選択的に複数の塩素化反応器1を用いても構わない。
前記蒸留塔2は、排出管L4を介して、塩素化反応器1に連通されるので、排出管L4を介して、塩素化反応器1から混合液をこの蒸留塔2の中段に供給することができる。該混合液の塩化水素の濃度は、13重量%未満である。
前記油水分離タンク3は、凝縮管L5を介して、蒸留塔2の塔頂出口に連通される。これにより、蒸留塔2の塔頂産物を、油水分離タンク3へ転送することができる。また、該油水分離タンク3と蒸留塔2との間に、さらに、油水分離タンク3の水相を蒸留塔2へ還流させる水相還流管L6が設けられる。前記油相送出管L7は、油水分離タンク3に連通され、油相のジクロロプロパノールを排出するためのものである。
前記塩化水素吸収塔4は、塔底転送管L8を介して、蒸留塔2の塔底出口に連通される。これにより、蒸留塔2の塔底産物を、塔底転送管L8を介して、該塩化水素吸収塔4へ転送することができる。
前記塩化水素ガス供給管L9は、塩化水素吸収塔4と連通され、塩化水素ガスを塩化水素吸収塔4に供給し、塩化水素吸収塔4の内部の混合液の塩化水素の濃度を増加させるためのものである。前記塩化水素吸収塔4と塩素化反応器1との間に、さらに、濃度が増加され、回収された塩化水素混合液を塩素化反応器1に供給し、後続の塩素化反応を続行させるための材料回収管L10が設けられる。
ジクロロプロパノールを製造するための第二種システム
図2に示される本発明に係るジクロロプロパノールを製造するための第二種システムは、前記第一種システムに記載した塩素化反応器1、蒸留塔2、油水分離タンク3、三炭素材料供給管L1、塩化水素水溶液供給管L2、触媒供給管L3、排出管L4、凝縮管L5、水相還流管L6、油相送出管L7、塔底転送管L8、および材料回収管L10を有するものである。
第一種システムと第二種システムとは、以下の点で異なる。ジクロロプロパノールを製造するための第二種システムは、ジクロロプロパノールを製造するための第一種システムの塩化水素吸収塔の代わりに、塩化水素精製塔4Aを有する。また、該ジクロロプロパノールを製造するための第二種システムは、凝縮液収集タンク5Aと、連通管L11と、液体回収管L12と、排水管L13とを有する。
前記塩化水素精製塔4Aは、塔底転送管L8を介して、蒸留塔2の塔底出口に連通される。これにより、蒸留塔2の塔底産物を、塔底転送管L8を介して、該塩化水素精製塔4Aへ転送することができる。
前記塩化水素精製塔4Aの塔頂は、前記連通管L11を介して、凝縮液収集タンク5Aに連通される。該凝縮液収集タンク5Aには、液体回収管L12および排水管L13が設けられる。水除去された混合液を、液体回収管L12を介して、前記塩化水素精製塔4Aに回送することができると共に、他の水分を、排水管L13を介して、排出することができる。
前記塩化水素精製塔4Aと塩素化反応器1との間には、さらに材料回収管L10が設けられるので、水除去された塩化水素混合液を該塩素化反応器1に供給し、後続の塩素化反応を続行させることができる。
ジクロロプロパノールの製造方法
以下、システムを示す図1およびフロー図を示す図3を参照し、前記第一種システムによりジクロロプロパノールを製造する実施例1の詳細を説明する。
まず、ステップ(a)では、精製グリセロール、塩化水素、酢酸をそれぞれ三炭素材料供給管L1、塩化水素水溶液供給管L2および触媒供給管L3を介して、塩素化反応器1に供給し、125℃の温度に保持して2時間反応させた後、第一塩素化反応を完了させ、第一混合液を獲得する。
前記精製グリセロール:塩化水素:酢酸のモル比は、1.0:4.0:0.6であり、用いられた塩化水素は、36.8重量%塩化水素水溶液である。第一混合液を滴定分析すると、該第一混合液の塩化水素の濃度は17.4重量%であり、グリセロールの転化率は91.4%であることがわかる。
続いて、ステップ(b)では、等モル量の精製グリセロールを三炭素材料供給管L1を介して、再び塩素化反応器1に供給し、125℃の温度に保持して2時間反応させた後、第二塩素化反応を完了させ、第二混合液を得る。
滴定分析によると、該第二混合液の塩化水素水溶液の濃度は、11.2重量%まで低下することがわかる。グリセロールの消耗量は、150.6グラムであり、獲得されたジクロロプロパノールの量は、75.4グラムであると共に、塩素化収率は、35.7%である。前記塩素化収率は、ジクロロプロパノールの生成量のモル数を、グリセロールの消耗量のモル数で割って、100%を乗じて算出したものである。
そして、ステップ(c)において、前記第二混合液を、排出管L4を介して、塩素化反応器1から、蒸留塔2に転送し、大気圧で、塔頂出口温度を101℃に設定し、蒸留を行う。
前記塔頂産物は、凝縮管L5を介して、油水分離タンク3へ供給される。
最後に、ステップ(d)において、該塔頂産物は、油水分離で、下部の油相および上部の水相が形成され、該下部の油相は、72.3重量%のジクロロプロパノールを含有する。上部の水相は、水相還流管L6を介して、蒸留塔2に還流し、前記油相は、油水分離タンク3の下部から、油相送出管L7を介して、送出される。
これによって得られたジクロロプロパノールの量は、24.9グラム(蒸留収率33.0%)であった。前記蒸留収率は、下部油相に含まれるジクロロプロパノールの量を、蒸留反応に供給するジクロロプロパノールの量で割って、100%を乗じて算出したものである。
図1乃至図4に示すように、本実施例は、上述した実施例1とほぼ同様であるが、この実施例2に係る製造方法が、実施例1の工程の後、さらに以下のステップを繰り返す点で異なる。
実施例1における蒸留塔2で得られた塔底産物(約8.0重量%のグリセロール、約18.2重量%のモノクロロプロパンジオール、約7.0重量%ジクロロプロパノール、約10.5重量%の塩化水素水溶液、約4.5重量%の酢酸、および残りの48.2重量%の水)は、塔底転送管L8を通じて、塩化水素吸収塔4に転送される。
続いて、塩化水素ガスを、塩化水素供給管L9を介して、塩化水素吸収塔4に供給することにより、塔底産物の塩化水素の濃度を23.4重量%まで向上させ、回収された塩化水素混合液を得る。
前記回収された塩化水素混合液は、塩素化反応の反応物として用いられても良い。また、繰り返されるステップ(a)において、材料回収管L10を介して、前記回収された塩化水素混合液を塩素化反応器1に供給し、125℃の温度に保持して、1時間反応させた後、塩素化反応を完了させ、第三混合液を獲得する。
繰り返されるステップ(b)において、さらに、110.4グラムの精製グリセロールを添加し、125℃の温度に保持して、塩素化反応を2時間行うことにより、第四混合液を獲得する。ここで、滴定分析によると、該第四混合液の塩化水素水溶液の濃度は、9.1重量%まで低下することがわかる。グリセロールの消耗量は、105.1グラムであり、獲得されたクロロプロパノールの量は、92.8グラムであると共に、塩素化収率は、63.0%である。
その後、繰り返されたステップ(c)において、120.2グラムのジクロロプロパノールを含有する前記第四混合液を、蒸留塔2に供給し、該第四混合液と、前のサイクルのステップ(d)で還流された水相成分(すなわち、実施例1のステップ(d)で蒸留塔2に還流される水相)とを、大気圧で、塔頂出口温度を102℃に設定し、蒸留する。前記塔頂産物は、凝縮管L5を介して、油水分離タンク3へ供給される。
最後に、前記実施例1における油水分離ステップを繰り返し、下部の油相から62.4グラムのジクロロプロパノール(蒸留収率:51.9%)を得る。
本実施例において、塩素化反応を行う前に、例えばエピクロルヒドリン製造工場で行われる鹸化工程から得られた塩類含有廃水を、下記の濃縮精製処理を行い、塩素化反応に必要のグリセロール材料を獲得する。また、前記ジクロロプロパノールを製造するための第一種システムを用い、順次に、塩素化反応、蒸留、油水分離などのステップを経て、ジクロロプロパノールを製造する。
本実施例に係る塩類含有廃水からジクロロプロパノールを製造する方法の詳細は、以下の通りである。
まず、エピクロルヒドリン製造工場で行われる鹸化工程から得られた塩類含有廃水を得て、5000グラムの前記塩類含有廃水を多段階濃縮ステップによって、水を2917.8グラム除去し、濃縮液を得る。該濃縮液を濾過することにより、塩の1072.0グラムを除去することで、1010.2グラムの粗グリセロールを回収することができる。該回収された粗グリセロールは、約51.9重量%のグリセロール、約11.7重量%の水、約34.3重量%の不純物、および約2.1重量%の塩を有する。
次に、前記1010.2グラムの粗グリセロールを、負圧で蒸留し、大部分の塩や不純物を除去し、最終的に塔頂から464.3グラムのグリセロール(純度84.6%)を回収する。この回収された粗グリセロールは、後続の塩素化反応の三炭素材料として利用することができる。
そして、ステップ(a)において、前記方法で得られた110グラムの回収された粗グリセロールをもって、該回収された粗グリセロール、塩化水素、酢酸を1.0:3.0:0.6のモル比で、それぞれ三炭素材料供給管L1、塩化水素水溶液供給管L2、および触媒供給管L3を介して、塩素化反応器1に供給する。120℃の温度に保持して2時間反応させた後、第一塩素化反応を完了させ、第一混合液を得る。
前記塩化水素として選択したのは、35.3重量%の塩化水素水溶液である。第一混合液を滴定分析すると、該第一混合液の塩化水素の濃度は15.6重量%であり、グリセロールの転化率%91.6%であることがわかる。
続いて、ステップ(b)では、等モル量の精製グリセロールを三炭素材料供給管L1を介して、再び塩素化反応器1に供給し、120℃の温度に保持して2時間反応させた後、第二塩素化反応を完了させ、第二混合液を得る。
滴定分析によると、該第二混合液の塩化水素水溶液の濃度は、約9.6重量%であり、グリセロールの消耗量は、135.1グラムであり、獲得されたジクロロプロパノールの量は、39.2グラムであると共に、塩素化収率は、20.7%である。
そして、ステップ(c)において、前記第二混合液を、排出管L4を介して、塩素化反応器1から、蒸留塔2に転送し、260トルの負圧で、塔頂出口温度を76℃に設定し、蒸留を行うことにより、該第二混合液を精製する。蒸留後、塔頂産物は、凝縮管L5を介して、油水分離タンク3に供給される。油水分離タンク3に、供給された塔頂産物に分層処理を施す。
最後に、ステップ(d)で、塔頂産物に対して油水分離タンク3に油水分離が行われる。下部の油相は80.4重量%のジクロロプロパノールを含有する。上部の水相は、水相還流管L6を介して、蒸留塔2還流させられる。また、該油相は、油相送出管L7を介して油水分離タンク3の底部から送出され、27.6グラムのジクロロプロパノール(蒸留収率70.4%)を得る。
本実施例は、上述した実施例3とほぼ同様のものであるが、以下のステップを有する点で、この実施例4は、前記実施例3と異なる。
実施例3における蒸留塔2で得られた塔底産物(約9.4重量%のグリセロール、約19.2重量%のモノクロロプロパンジオール、約2.3重量%ジクロロプロパノール、約10.3重量%の塩酸、約4.6重量%の酢酸、および残りの44.6重量%の水)は、塔底転送管L8を通じて、塩化水素吸収塔4に転送される。
続いて、塩化水素ガスを、塩化水素ガス供給管L9を介して、塩化水素吸収塔4に供給することにより、塔底産物の塩化水素の濃度を22.8重量%まで増大し、回収された塩化水素混合液を得る。繰り返されるステップ(a)において、該回収された塩化水素混合液を材料回収管L10を介して、塩素化反応器1に供給し、120℃に保持し、塩素化反応を2時間行い、第三混合液を得る。また、繰り返されるステップ(b)において、回収された粗グリセロール(純度約85.5%)を108.7グラム加え、同温度でさらに塩素化反応を2時間行い、第四混合液を得る。
ここで、滴定分析によると、該第四混合液の塩化水素水溶液の濃度は、8.4重量%まで低下することがわかる。グリセロールの消耗量は、94.4グラムであり、獲得されたジクロロプロパノールの量は、108.3グラムであると共に、塩素化収率は、81.8%である。
その後、繰り返されたステップ(c)において、111.4グラムのジクロロプロパノールを含有する前記第四混合液を、蒸留塔2に供給し、該第四混合液と、前のサイクルのステップ(d)で還流された水相成分(すなわち、実施例3のステップ(d)で蒸留塔2に還流される水相)とを、負圧で蒸留する。前記塔頂産物は、凝縮管L5を介して、油水分離タンク3へ供給される。
最後に、前記実施例3における油水分離ステップを繰り返し、下部の油相から66.2グラムのジクロロプロパノール(蒸留収率:59.4%)を得る。
図2を参照する。この実施例5は、前記第二種システムを適用し、下記の方法でジクロロプロパノールを製造する。
まず、本実施例で得られた塔底産物は、約9.4重量%のグリセロール、約2.2重量%のジクロロプロパノール、約19.2重量%のモノクロロプロパンジオール、約10.3重量%の塩酸、約4.6重量%の酢酸、及び約44.6重量%の水を有する。
前記塔底産物を、塔底転送管L8を介して、塩化水素精製塔4Aに移し、凝縮液収集タンク5Aで水を取り除くことにより、含水量を約13.2重量%までにするので、水除去された塩化水素混合液が得られる。前記水分は、排水管L13を介して排出することができる。
その後、前記水除去された塩化水素混合液を、材料回収管L1Oを介して、塩素化反応器1に供給すると共に、36.8重量%の塩化水素水溶液(約3.5モル)を、塩化水素水溶液供給管L2を介して、塩素化反応器1に供給することにより、その塩化水素の濃度を約24.6重量%まで増大させる。
さらに、酢酸(約0.6モル)を触媒供給管L3を介して、塩素化反応器1に供給し、130℃の温度に保持しながら、第三塩素化反応を1時間行い、第三混合液を得る。さらに、1モルの粗グリセロール(純度85%)を、三炭素材料供給管L1を介して、再び塩素化反応器1に供給し、130℃の温度に保持しながら、第四塩素化反応を1時間行い、第四混合液を得る。
滴定分析によると、該第四混合液の塩化水素水溶液の濃度は、約10.0重量%であり、グリセロールの消耗量は、101.8グラムであり、獲得されたジクロロプロパノールの量は、96.3グラムであると共に、塩素化収率は、67.5%である。
最後に、前記実施例3における蒸留ステップおよび油水分離ステップを繰り返し、下部の油相から51.4グラムのジクロロプロパノール(蒸留収率:53.5%)を得る。ここで、蒸留塔2に供給されたものは、ジクロロプロパノール96.0グラムを含む。
したがって、実施例5に係るジクロロプロパノールの製造方法は、前記サイクル操作により、塩化水素ガスの使用を避けることができ、工程の安全性の強化に繋がる。
<比較例1>
本比較例において、純度67.4重量%の回収された粗グリセロールを塩素化反応に供するグリセロール材料として用いる。回収された粗グリセロール:塩化水素:酢酸のモル比を1.0:5.0:0.7にし、130℃の温度に保持し、1.5時間反応させ、第一塩素化反応を完了させ、第一混合液を得る。
滴定分析によると、該第一混合液の塩化水素水溶液の濃度は、約18.8重量%であり、グリセロールの転化率は、97.3グラムであり、グリセロールの消耗量は、65.7グラムであり、獲得されたジクロロプロパノールの量は、65.1グラムであると共に、塩素化収率は、70.7%である。
そして、前記第一混合液を、排出管L4を介して、塩素化反応器1から、蒸留塔2に転送し、大気圧で、塔頂出口温度を106℃に設定し、蒸留を行う。前記塔頂産物は、凝縮管L5を介して、油水分離タンク3へ供給される。
分析によれば、塔頂産物は、55.7グラムのジクロロプロパノールを有すると共に、該塔頂産物(ジクロロプロパノール塩酸水溶液)を凝縮管L5を介して、油水分離タンク3に供給しても、油水分層現象が観察されなかった。また、塔底産物は約15.6重量%の塩化水素水溶液、約64.4重量%の水、約5.0重量%の酢酸、約3.5重量%のジクロロプロパノール、ならびに約4.2重量%のモノクロロプロパノールおよび不純物を含有する。
従って、比較例1の方法を用いても、一回の蒸留および油水分離では、目標産物を製造することができなかった。複雑な精製工程を追加しなくては、ジクロロプロパノールを獲得することができないことがわかる。
<実験結果の考察>
上述の実施例1ないし実施例5の実験結果から以下がわかる。
塩化水素水溶液を塩素化剤とすること、および蒸留塔に供給する混合液(すなわち前記第二混合液または第四混合液)の塩化水素の濃度を13重量%未満に制御することによって、本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、一回の蒸留で油水分離を行い、目標産物としてジクロロプロパノールを製造することができる。また、油水分離により形成される水相は、主には塩化水素水溶液であるので、再び蒸留塔に戻し、再利用を図ることができる。
実施例1乃至実施例5の実験結果と比較例1の実験結果とを比較すると以下がわかる。
比較例1に係るジクロロプロパノールの製造方法は、蒸留塔に供給される混合液の塩化水素の濃度が制御されていないので、蒸留後の塔頂産物を油水分離することができない。よって、精製ステップを追加しなくては、目標産物であるジクロロプロパノールを製造することができなくなるのみならず、塩化水素水溶液を再利用しようとしても、該塔頂産物から直接に塩化水素水溶液を獲得することができない。したがって、比較例1は、複雑な工程、高コストおよび廃酸含有量が過大などの問題が依然として存在している。
実施例3及び実施例4の実験結果を見ると以下が分かる。
塩素化反応に関与する三炭素材料の源は、エピクロロヒドリンの製造工場で行われる鹸化工程から回収された塩類含有廃水であってもよい。好適な濃縮精製ステップを経て、前記エピクロロヒドリンの製造工場で行われる鹸化工程から回収された塩類含有廃水を精製し、粗グリセロールを回収することができる。該回収された粗グリセロールを利用し、順次に塩素化、蒸留、油水分離などのステップを経て、目標産物としてのジクロロプロパノールを所望通りに獲得することができる。これにより、実施例3および実施例4は、グリセロールエピクロロヒドリンの製造工程の塩類含有廃水のグリセロールの利用率を向上させることができるのみならず、廃液による汚染を低減させ、廃液処理費を削減など、問題を軽減することを可能にする。
実施例2、実施例4及び実施例5の実験結果を見ると以下がわかる。
実施例2、実施例4及び実施例5の方法では、蒸留塔の塔底産物における未反応のグリセロール、グリセリド、モノクロロプロパンジオール、モノクロロプロパンジオールエステルを三炭素材料として、塩素化反応器に供給し、再び塩素化反応を行うことにより、グリセロールおよび中間体の利用率を向上させ、ジクロロプロパノールの塩化収率を向上させることができる。
前記サイクル操作を介して、本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、塩化水素水溶液と酢酸のより良い再利用を可能にするだけでなく、工程総体の廃酸の生成量の減少を図ることができる。また、本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法において、サイクルを繰り返す回数は二回以下に限られたものでなく、需要に応じて、前記実施例2、実施例4及び実施例5が例示したように、二回以上繰り返してサイクル操作を行っても構わない。
上述したように、従来の技術に係る製造方法と比べ、本発明に係るジクロロプロパノールの製造方法は、塩素化反応の後、直接蒸留および油水分離を経て、下部の油相から目標産物であるジクロロプロパノールを獲得することができる。したがって、複雑な工程の簡素化、製造コストの削減、並びに廃酸の生成量の低減を図ることができる。
また、本発明に係るジクロロプロパノールを製造するためのシステムは、従来技術に係る処理設備と比べ、装置ユニットの数が低減される、および連続的にサイクル操作を繰り返すことに有利である、などの利点がある。故に、本発明に係るシステムをジクロロプロパノールの製造に適用することは、廃水を著しく減少させること、廃酸生成量を低減させること、および抽出剤の汚染を防ぐことなどの利点に繋がる。
本発明は、ジクロロプロパノール製造方法および製造手段を簡素化させ、蒸留および油水分離によって、目標産物であるジクロロプロパノールを直接獲得するジクロロプロパノールの製造方法を提供することができる。
1 塩素化反応器
2 蒸留塔
3 油水分離タンク
4 塩化水素吸収塔
4A 塩化水素精製塔
5A 凝縮液収集タンク
L1 三炭素材料供給管
L2 塩化水素水溶液供給管
L3 触媒供給管
L4 排出管
L5 凝縮管
L6 水相還流管
L7 油相送出管
L8 塔底転送管
L9 塩化水素ガス供給管
L10 材料回収管
L11 連通管
L12 液体回収管
L13 排水管

Claims (14)

  1. ジクロロプロパノールの製造方法であって、
    カルボン酸触媒の存在下で、三炭素材料と塩化水素水溶液とを第一塩素化反応させ、第一混合液を獲得し、前記三炭素材料は、グリセロール、グリセリド、モノクロロプロパンジオール、モノクロロプロパンジオールエステル、およびそれらの組合せからなる群より選択されるものであるステップ(a)と、
    第一混合液と三炭素材料とを第二塩素化反応させ、第二混合液を獲得し、該第二混合液における塩化水素の濃度が13重量%未満であるステップ(b)と、
    前記第二混合液を蒸留することにより、塔頂産物を獲得するステップ(c)と、
    前記塔頂産物に油水分離を施し、油相を形成させ、該油相からジクロロプロパノールを獲得するステップ(d)と、を含むことを特徴とする、
    ジクロロプロパノールの製造方法。
  2. 前記三炭素材料と、前記塩化水素水溶液が含む塩化水素とのモル比は、1:2ないし1:6であることを特徴とする請求項1に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  3. 前記三炭素材料と、前記カルボン酸触媒とのモル比は、1:0.1ないし1:1であり、該カルボン酸触媒は、炭素数が1ないし8のカルボン酸、炭素数が1ないし8のカルボン酸無水物、または炭素数が1ないし8のカルボン酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  4. 前記カルボン酸触媒は、酢酸であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  5. 前記塩化水素水溶液の濃度は、20重量%以上、40重量%未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  6. 前記ステップ(a)の第一塩素化反応および前記ステップ(b)の第二塩素化反応の反応温度は80℃以上、150℃以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  7. 前記第二混合液の塩化水素の濃度は11重量%未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  8. 前記ステップ(a)ないしステップ(d)を含有するサイクルを一回以上繰り返すことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  9. 前記三炭素材料は回収された粗グリセロールであり、該回収された粗グリセロールは、エピクロルヒドリンを製造する鹸化工程より生成された塩類含有廃水から回収されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  10. 前記ステップ(c)は、前記第二混合液を蒸留し、塔頂産物および塔底産物を獲得し、該塔底産物は、塩素化されていない三炭素材料と、塩化水素水溶液と、ジクロロプロパノールとを含むものであるステップ(c1)と、前記塔底産物の塩化水素の濃度を20重量%以上、40重量%未満に増大し、回収された塩化水素混合液を得るステップ(c2)と、を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  11. 前記ステップ(c2)は、塔底産物を回収し、塩化水素ガスを供給し、塔底産物の塩化水素の濃度を20重量%以上、40重量%未満にすると共に、塩化水素混合液を得るものであることを特徴とする請求項10に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  12. 前記ステップ(c2)は、塔底産物を回収し、該塔底産物から水分を取り除き、水除去された塔底産物を得、塩化水素水溶液を該水除去された塔底産物に加え、塩化水素の濃度を20重量%以上、40重量%未満にすると共に、塩化水素混合液を得るものであることを特徴とする請求項10に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  13. 前記ステップ(a)ないしステップ(d)を含有するサイクルを一回以上繰り返し、繰り返されるステップ(a)において、該塩化水素水溶液は、前記回収された塩化水素混合液であることを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
  14. 前記ステップ(d)は、前記塔頂産物に油水分離を施し、水相と、油相とを形成させ、該油相からジクロロプロパノールを獲得し、前記ステップ(a)ないしステップ(d)を含有するサイクルを一回以上繰り返し、繰り返されるステップ(c)において、該第二混合液および該水相を蒸留し、該塔頂産物を獲得することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のジクロロプロパノールの製造方法。
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