JP2002321981A - セラミック材料用分散剤 - Google Patents

セラミック材料用分散剤

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JP2002321981A
JP2002321981A JP2001124865A JP2001124865A JP2002321981A JP 2002321981 A JP2002321981 A JP 2002321981A JP 2001124865 A JP2001124865 A JP 2001124865A JP 2001124865 A JP2001124865 A JP 2001124865A JP 2002321981 A JP2002321981 A JP 2002321981A
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ceramic
dispersion
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Yukiya Kobayashi
幸哉 小林
Toshiaki Okamoto
俊昭 岡本
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散効果と帯電防止性に優れるセラミック材
料用分散剤、セラミック原料微粉末が分散されてなる分
散液、および該分散液からなるセラミック成形品を提供
する。 【解決手段】 一般式(1)で示されるアミジニウムカ
チオンを構成成分とする有機酸塩からなるセラミック材
料用分散剤、該分散剤によりセラミック原料微粉末が分
散されてなる分散液、および該分散液を成形し、乾燥、
焼成して得られるセラミック成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミック材料の分散剤
に関する、さらに詳しくは、エレクトロセラミック成形
品を製造するためのセラミック材料の分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミック成形品は、高度な電子
機器分野にも多用されるに伴って、その電気的特性の向
上が重視されるようになってきた。かかるセラミック成
形品の成形法としては、シート、鋳込み、プレス、押し
出しおよび射出成形法などがある。これらの中で電子機
器分野に用いるエレクトロセラミック成形品では、シー
ト(特にグリーンシート)の形で成形するのが一般的で
ある。焼成前の非常に薄いシート(これらのシートを積
層したものをグリーンシートと称している)を作るため
には、セラミック原料微粉末の分散性向上、焼成前の成
形品への帯電防止性と平滑性の付与の目的でセラミック
原料微粉末の分散体に分散剤を加える必要がある。分散
剤としては、アニオン界面活性剤(ラウリン酸ナトリウ
ム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等素);カチ
オン界面活性剤(アルキルトリメチルアンモニウムクロ
ライド等);非イオン界面活性剤(脂肪酸エチレンオキ
サイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド
付加物等)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
分散剤は、エレクトロセラミックの製造を行う際、いく
つかの点で問題があった。例えば、アニオン界面活性剤
であるラウリン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムはアルカリ(土類)金属を数%以上含有し
ている。またカチオン界面活性剤であるアルキルトリメ
チルアンモニウムクロライドはハロゲンイオンを数%含
有している。エレクトロセラミックにおけるこれらアル
カリ(土類)金属やハロゲンイオンの存在は、電気特性の
低下や、さびの発生の原因物質となり大きな問題を有し
ている。一方、アルカリ(土類)金属やハロゲンイオンを
含有しない、非イオン性界面活性剤である脂肪酸エチレ
ンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキ
サイド付加物や3級アミンのカチオン界面活性剤は分散
効果や帯電防止等の点で性能上不充分であった。これら
の問題点を解決する分散剤として、4級アンモニウム有
機酸塩からなる界面活性剤が提案された(特開平7−1
55582号公報)が、分散効果や帯電防止能がいまだ
不充分でさらに改善が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造の分散剤
が分散効果と帯電防止性に優れることを見出した。すな
わち本発明は、一般式(1)で示される化合物をアミジ
ニウムカチオンを構成成分とする有機酸塩からなるセラ
ミック材料用分散剤、該分散剤によりセラミック原料微
粉末が分散されてなる分散液、該分散液を成形して得ら
れるグリーンシート、および該分散液を成形し、乾燥、
焼成して得られるセラミック成形品である。
【0005】
【化3】
【0006】式中、R1は水酸基を有していてもよい炭
素数1〜20の脂肪族炭化水素基または水素原子;R
2、R3、R4およびR5は、水酸基、アミノ基、ニト
ロ基、シアノ基、カルボキシル基、エーテル結合、もし
くはアルデヒド基を有していてもよい、炭素数1〜10
の脂肪族炭化水素基を示す。R1、R2、R3、R4お
よびR5のうちの2個が相互に結合して2価またはそれ
以上の基となり、Nとともに環を形成していてもよい。
ただし、R3とR4が結合して2価の基となり、環を形
成する場合の2価の基は飽和炭化水素基である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における一般式(1)にお
いて、R1の、水酸基を有していてもよい炭素数1〜2
0の脂肪族炭化水素基(直鎖または分岐状)としては、
例えば、メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n
−ヘキシル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリ
ル等のアルキル基、ビニル、アリル、プロペニル、イソ
プロペニル、オクテニル、デセニル、ウンデセニル等の
アルケニル基、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロ
ピル、2−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシラウリ
ル等のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。R1のう
ち、好ましいものは、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水
素基および水素原子、特に炭素数が1〜5のアルキル基
および水素原子である。
【0008】R2、R3、R4、R5は、それぞれ水酸
基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、
エーテル結合、若しくはアルデヒド基を有していてもよ
い炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基(直鎖または分岐
状)を示し、R2、R3、R4およびR5のうちの2個
が相互に結合して2価またはそれ以上の基となり、Nと
ともに環を形成していてもよい。ただし、R3とR4が
結合して2価の基となり、環を形成する場合の2価の基
は飽和炭化水素基である。例えば、上記R1にあげられ
た炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、及びこれらの任
意の位置に水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カ
ルボキシル基、もしくはアルデヒド基を有していてもよ
い。また、エーテル基およびアミノ基は主鎖もしくは側
鎖の途中に含まれていてもよい[例えばメトキシエチル
基、エトキシプロピル基等のアルコキシ(炭素数1〜
6)アルキル(炭素数1〜4)基、N−メチルアミノエ
チル基、N,N−ジエチルアミノプロピル基などのN−
アルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜
8)基など]。好ましくは、炭素数1〜5のアルキル基
及び環形成基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜3
のアルキル基及び環形成基、特に環形成基である。環形
成基を有するものとしては下記一般式(2)で示される
ものが好ましい。
【0009】
【化4】
【0010】式中、R1、R2およびR5は、一般式
(1)におけると同様のもの;R6は、一般式(1)の
R3もしくはR4の一部が相互に結合して環を形成して
できる基の残基を示す。
【0011】一般式(1)で示されるカチオンの具体例
としては以下の化合物が挙げられる。
【0012】(イ)イミダゾリニウムカチオン (イ1)R1〜R6がいずれも炭化水素基または水素原
子からなるカチオン;1,2,3−トリメチルイミダゾ
リニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニ
ウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリ
ニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾ
リニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダ
ゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミ
ダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾ
リニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニ
ウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウ
ム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウムなど。 (イ2)R1が水酸基を有する基からなるカチオン;2
−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウ
ム、2−ヒドロキシプロピル−1,3,4−トリメチル
イミダゾリニウムなど。 (イ3)アミノ基を有する基を含むカチオン;1−N,
N−ジメチルアミノエチル−2,3−ジメチルイミダゾ
リニウム、3−N,N−ジエチルアミノエチル−1,
2,4−トリメチルイミダゾリニウムなど。 (イ4)エーテル基を有する基を含むカチオン;1−メ
トキシエチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、3
−メトキシプロピル−1,2,4−トリメチルイミダゾ
リニウムなど。
【0013】(ロ)テトラヒドロピリミジニウムカチオ
ン (ロ1)R1〜R5がいずれも炭化水素基または水素原
子からなるカチオン;1,3−ジメチル−1,4,5,
6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメ
チル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、
1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テト
ラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチ
ル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムな
ど。
【0014】これらのカチオンのうち、好ましいもの
は、(イ1)および(ロ)、さらに好ましいものは、
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,
3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−
トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル
−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−ト
リメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピロミジウム
である。
【0015】本発明の有機酸塩を形成するアニオンとし
ては以下の有機酸のアニオンが挙げられる。有機酸とし
ては(a)カルボン酸類、(b)フェノール類および
(c)スルホン酸類が含まれる。
【0016】(a)カルボン酸類; (a1)脂肪族モノカルボン酸(直鎖または分岐の炭素
数1〜24のもの:カルボキシル基の炭素原子も含む、
以下同様): (a11)飽和脂肪族モノカルボン酸 蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン
酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン
酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パ
ルミチン酸、ヘプタデカン酸、ノナデカン酸、アラキジ
ン酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、イソカプロン酸、エチル
酪酸、メチル吉草酸、イソカプリル酸、プロピル吉草
酸、エチルカプロン酸、イソカプリン酸、ピバリン酸、
2,2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン
酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルオ
クタン酸、2−メチル−2−エチルブタン酸、2−メチ
ル−2−エチルペンタン酸、2−メチル−2−エチルヘ
キサン酸、2−メチル−2−エチルヘプタン酸、2−メ
チル−2−プロピルペンタン酸、2−メチル−2−プロ
ピルヘキサン酸、2−メチル−2−プロピルヘプタン酸
など。 (a12)不飽和脂肪族モノカルボン酸 アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、イソクロトン
酸、3−ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプチン
酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、
ドデセン酸、ツズイン酸、フィステリン酸、ゴッシュ
酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バ
クセン酸、ガドレイン酸、3−メチルクロトン酸、チグ
リン酸、メチルペンテン酸など。
【0017】(a2)脂環族モノカルボン酸:シクロペ
ンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸など。
【0018】(a3)脂肪族ポリカルボン酸(直鎖また
は分岐の炭素数2〜24のもの:カルボン酸の炭素原子
も含む): (a31)飽和脂肪族ポリカルボン酸 蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テト
ラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、
ヘプタデカ二ニ酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二
酸、エイコサン二酸、メチルマロン酸、エチルマロン
酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロ
ン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルエ
チルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロ
ン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン
酸、ジプロピルマロン酸、エチルブチルマロン酸、プロ
ピルブチルマロン酸、ジブチルマロン酸、メチルコハク
酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク
酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3
−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグ
ルタル酸、1,5−オクタンジカルボン酸、5,6−デ
カンジカルボン酸、1,7−デカンジカルボン酸、4,
6−ジメチル−1,2−ノナンジカルボン酸、1,7−
ドデカンジカルボン酸、5−エチル−1,10−デカン
ジカルボン酸、6−メチル−1,12−ドデカンジカル
ボン酸、6−エチル−1,12−ドデカンジカルボン
酸、7−メチル−1,14−テトラデカンジカルボン
酸、3−ヘキシル−1,2−デカンジカルボン酸、6−
エチル−1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、7,1
2−ジメチル−1,18−オクタデカンジカルボン酸な
ど。 (a32)不飽和脂肪族ポリカルボン酸 マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メチレングル
タル酸、マレイン酸モノメチル、4,6−ジメチル−4
−ノネン−1,2−ジカルボン酸、6−メチル−6−ド
デセン−1,12−ジカルボン酸、7−メチル−7−テ
トラデセン−1,14−ジカルボン酸、3−ヘキシル−
4−デセン−1,2−ジカルボン酸、6−エチル−9−
ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸、7,12−ジ
メチル−7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカ
ルボン酸など。 (a4)脂環族ポリカルボン酸:1,1−シクロペンタ
ンジカルボン酸、1,1−シクロへキセンジカルボン
酸、1,2−シクロへキセンジカルボン酸、4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸など。 (a5)脂肪族オキシカルボン酸:リンゴ酸、酒石酸、
グリコール酸、乳酸など。 (a6)フッ素原子置換アルキル基含有脂肪族カルボン
酸:トリフロロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸な
ど。 (a7)脂肪族不飽和モノもしくはポリカルボン酸の単
独重合オリゴマーまたは共重合オリゴマー(数平均分子
量144〜5000、GPC法による測定):アクリル
酸オリゴマー、メタクリル酸オリゴマー、マレイン酸オ
リゴマーなど。 (a8)アミノ酸:グルタミン酸、グリシン、アスパラ
ギン酸、システインなど。 (a9) 芳香族モノカルボン酸(炭素数7〜24): (a91)非置換芳香族モノカルボン酸 安息香酸、ナフチル酸など。 (a92)アルキル置換芳香族モノカルボン酸 トルイル酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソ
プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、イソブチル安息香
酸、sec−ブチル安息香酸、tert−ブチル安息香
酸など。 (a93)アルコキシ置換芳香族モノカルボン酸 アニス酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、イ
ソプロポキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、イソブトキ
シ安息香酸、sec−ブトキシ安息香酸、tert−ブ
トキシ安息香酸など。 (a94)アルキルアミノ置換芳香族モノカルボン酸 N−メチルアミノ安息香酸、N−プロピルアミノ安息香
酸、N−イソプルピルアミノ安息香酸、N−ブチルアミ
ノ安息香酸、N−イソブチルアミノ安息香酸、N−se
c−ブチルアミノ安息香酸、N−tert−ブチルアミ
ノ安息香酸、N、N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N
−ジエチルアミノ安息香酸など。 (a95)その他の芳香族モノカルボン酸 ニトロ安息香酸、レゾルシン安息香酸、ヒドロキシ安息
香酸、フェニル酢酸など。 (a10) 芳香族ポリカルボン酸(炭素数8〜3
0): フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル
酸、6−フェニル−1,12−ドデカンジカルボン酸、
6,8−ジフェニル−1,14−テトラデカンジカルボ
ン酸などのジカルボン酸、トリメリット酸、ヘミメリッ
ト酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などのトリまたは
それ以上のポリカルボン酸など。 (b)フェノール化合物(炭素数6〜30);フェノー
ル、β−ナフトール、o−ニトルフェノール、p−ニト
ロフェノール、p−アミノフェノールなどの1価フェノ
ール、カテコール、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニル−2,2−プロパンなどの2価フェノール
など。 (c) スルホン酸化合物 (炭素数1〜24);メタン
スルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、ビニルスル
ホン酸、(メタ)アリルスルホン酸などの脂肪族スルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、アル
キル(炭素数8〜24)ベンゼンスルホン酸、アントラ
キノンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、スチレンス
ルホン酸などの芳香族スルホン酸など。
【0019】有機酸のうち好ましいものは芳香族カルボ
ン酸および脂肪族カルボン酸、さらに好ましいものは芳
香族ポリカルボン酸(特に、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸など)および脂肪族ポリカルボン酸(特
に、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ポ
リカルボン酸)である。
【0020】本発明における有機酸塩においてフッ素以
外のハロゲン原子またはイオンおよびアルカリ(土類)金
属のそれぞれの含有量は、好ましくは10ppm以下、
特に好ましくは3ppm以下である。10ppm以下で
あれば電気特性の低下、錆の発生および長期耐久試験に
おける性能劣化等の問題を生じることが少ない。好まし
くは、塩素イオンは2ppm以下、ナトリウムは2pp
m以下、他のハロゲンイオンおよびアルカリ(土類)金
属の含量はいずれも1ppm以下である。
【0021】本発明の有機酸塩の製造方法は以下の方法
などが挙げられる。 :一般式(1)で示されるカチオンの前駆体である3
級アミジン系化合物と、炭酸ジアルキルエステルとを反
応させて、まず、一般式(1)のカチオンのアルキル炭
酸塩を製造する。次いで有機酸と反応させて有機酸塩と
する方法。 :一般式(1)のカチオンのハロゲン化水素酸塩を、
アルカリ(土類)金属水酸化物などでヒドロキシル塩に
変換し、さらに有機酸と反応させて有機酸塩とする方
法。
【0022】これらのうち、ハロゲンイオンやアルカリ
(土類)金属の残存が少ない点で、の方法が好まし
い。において、3級アミジン系化合物と炭酸ジアルキ
ルエステルの反応の条件としては次のような条件で行わ
れる。仕込みの条件は3級アミジン/炭酸ジアルキルエ
ステルのモル比で通常1/1〜1/3、好ましくは1/
1〜1/2である。反応の溶媒としては好ましくはメタ
ノール、エタノールなどのプロトン性極性溶媒が使用さ
れる。反応の温度は好ましくは100〜170℃、さら
に好ましくは110〜140であり、反応時間は通常3
〜20時間である。得られたアルキル炭酸塩と有機酸と
の反応は、アルキル炭酸塩/有機酸のモル比は、1/
1.5〜1.5/1、好ましくは1/1.1〜1.1/
1であり、反応温度は、好ましくは20〜100℃で行
われる。通常は、反応にともない炭酸ガスおよびアルコ
ールを副生するので、共存する溶媒とともに、これらを
除去しながら反応を行う。
【0023】本発明の分散剤は、セラミック原料微粉末
とその他配合剤を分散媒中で混合してセラミック材料の
分散液とする際に、その分散剤として使用されるもので
ある。得られた分散液は、シート状などに成形されて、
乾燥、焼成を経てセラミック成形品となる。
【0024】本発明において使用されるセラミック原料
微粉末としては、粒径が通常10μm以下、好ましくは
0.1〜8μmの粉体原料(アルミナ、シリカ、シルコ
ニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、酸化
チタン、フェライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ア
ルミニウム、2ケイ化モリブデン、炭化ケイ素など)お
よびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0025】本発明におけるセラミック材料分散液にお
いて、本発明の分散剤は、セラミック原料微粉末100
部に対して、好ましくは0.1〜10部、さらに好まし
くは1〜5部を配合して使用される。0.1部以上配合
すれば、分散性能が発現することができる。また、10
部以下であれば、成形物の焼結後の変形が小さく割れが
生じることが少ない。上記および以下において、部は重
量部を示す。
【0026】本発明における分散液の分散媒としては、
通常、水、親水性有機溶媒[例えば、1価アルコール
(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、
グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコールなど)、3価以上のアルコ
ール(グリセリンなど)、セロソルブ類(エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテルなど)等]およびこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。水と親水性有機溶媒の混合物の場合
の、分散媒全量のうちの水の比率は、好ましくは80重
量%以上である。
【0027】本発明における分散剤は、さらに従来から
公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、
カチオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤を
併用してもよい。これらの界面活性剤としては、米国特
許第4331447号明細書に記載のものが使用でき
る。
【0028】アニオン性界面活性剤としては、炭素数8
〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸または
その塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜10
0)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]、炭素数8〜
24の炭化水素基を有する硫酸エステルもしくはエーテ
ル硫酸エステルまたはそれらの塩[ラウリル硫酸ナトリ
ウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)
ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重
合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン
など]、炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン
酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]、炭
素数8〜24の炭化水素基を1個もしくは2個有するス
ルホコハク酸塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有する
リン酸エステルもしくはエーテルリン酸エステルまたは
それらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキ
シエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリ
ン酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素基を有
する脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリ
エタノールアミン等]および炭素数8〜24の炭化水素
基を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタ
ウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウ
ム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N
−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノー
ルアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸
ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウ
ム等]、並びに国際特許公開WO00/18857号明
細書記載のアニオン界面活性剤が挙げられる。
【0029】ノニオン性界面活性剤としては、例えば、
脂肪族1価アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオ
キサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜10
0)、多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール
脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸
グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン等]、脂肪酸
(炭素数8〜24)アルカノールアミド[1:1型ヤシ
油脂肪酸ジエタノールアミド、1:1型ラウリン酸ジエ
タノールアミド等]、ポリオキシアルキレン(炭素数2
〜8、重合度=2〜100)アルキル(炭素数1〜2
2)フェニルエーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭
素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数8
〜24)アミンおよびアルキル(炭素数8〜24)ジア
ルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメ
チルアミンオキシド等]、並びに国際特許公開公報WO
00/18857号明細書記載のノニオン性界面活性剤
が挙げられる。
【0030】カチオン性界面活性剤としては、第4級ア
ンモニウム塩型[ステアリルトリメチルアンモニウム有
機酸塩、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ベヘ
ニルトリメチルアンモニウム有機酸塩、ジステアリルジ
メチルアンモニウム有機酸塩、エチル硫酸ラノリン脂肪
酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、ア
ミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳
酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩
等]等が挙げられる。有機酸塩を構成する有機酸として
は、フタル酸、マレイン酸など前記の(a)〜(c)と
同様のものが挙げられる。
【0031】両性界面活性剤としては、ベタイン型両性
界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミ
ノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロ
キシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロ
キシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキ
シエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピル
リン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β
−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げら
れる。
【0032】これらの界面活性剤を併用する場合の配合
量は、本発明の分散剤100重量部に対して、好ましく
はアニオン性界面活性剤は0〜50部(さらに好ましく
は0〜30部)、ノニオン性界面活性剤は0〜300部
(さらに好ましくは0〜100部)、カチオン性界面活
性剤は0〜200部(さらに好ましくは0〜100
部)、、両性界面活性剤は0〜200部であり、界面活
性剤合計の配合量は好ましくは0〜300部、さらに好
ましくは10〜100重量部である。
【0033】本発明における分散液には公知のバインダ
ーを使用することができる。具体例としては、ポリビニ
ルアルコール及びその変性体(エチレン/酢酸ビニル=
2/98〜30/70モル比の共重合体の酢酸ビニル単
位のうちの1〜80モル%ケン化物、ポリビニルアルコ
ールの1〜50モル%部分アセタール化物等)、デンプ
ン及びその変性体(酸化デンプン、リン酸エステル化デ
ンプン、カチオン化デンプン等)、セルロース誘導体
(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、等)、(メタ)アクリルア
ミド重合体、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリ
ル酸塩共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
−(メタ)アクリル酸塩共重合体、スチレン−マレイン
酸塩共重合体、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性
体、ホルマリン縮合型樹脂(尿素−ホルマリン樹脂、メ
ラミン−ホルマリン樹脂等)、ポリアミドポリアミンも
しくはジアルキルアミン−エピクロルヒドリン共重合
体、ポリエチレンイミン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋
白、並びにマンナンガラクタン誘導体等が挙げられる。
また上記の塩としては、アンモニウム塩、有機アミン
(炭素数1〜12のアルキル基を有するモノ、ジもしく
はトリアルキルアミン)塩、および4級アンモニウム塩
(炭素数1〜8のアルキル基を有し、4個のアルキル基
は同じでも異なっていてもよい)などが挙げられる。こ
れらのバインダーの重量平均分子量(GPC測定によ
る)は好ましくは3,000以上である。バインダーの
配合量は、セラミック原料微粉末100部に対して、好
ましくは0.1〜50部、さらに好ましくは0.5〜2
0部である。
【0034】本発明における分散液には、必要に応じ
て、セラミック原料微粉末100部に対して、解膠剤
(苛性ソーダ、ケイ酸ソーダ、炭酸ソーダ、燐酸ソーダ
などのナトリウム塩類、シュウ酸アンモン、水酸化リチ
ウム、炭酸リチウムなどのリチウム塩類など)を0〜3
部、好ましくは0.1〜0.5部、潤滑剤(水和ケイ酸
マグネシウムゲル、ステアリン酸マグネシウムやステア
リン酸バリウムなどのステアリン酸塩類、パラフィンエ
マルジョン、融点が100℃以下のワックスエマルジョ
ン、酢酸セルロースなど)を0〜10部、好ましくは
0.1〜5部、可塑分散剤(可塑剤と分散剤の両方の作
用をするもの:グリセリンやプロピレングリコールなど
の多価アルコールなど)を0〜5部、好ましくは0.1
〜3部、乾燥助剤(炭酸アンモニウムや重炭酸アンモニ
ウムなどの炭酸塩類)を0〜1部、好ましくは0.1〜
0.5部、を配合してもよい。これら添加剤の合計の使
用量は、セラミック原料微粉末100部に対して好まし
くは0〜20部、さらに好ましくは0〜10部である。
【0035】本発明の分散液の製造方法としては、セラ
ミック原料微粉末を本発明の分散剤を用いて分散する方
法であれば特に限定されない。例えば、上記成分のうち
の分散媒に溶解する成分(分散剤、バインダーなど)
を、まず分散媒に溶解させておき、さらにセラミック原
料微粉末等を配合して、ボールミルなどで混合・分散さ
せることにより得ることができる。また、全ての配合物
を同時に配合して混合・分散させてもよい。
【0036】本発明におけるセラミック材料分散液の固
形分含量(上記添加剤を含む)は好ましくは40〜90
%、さらに好ましくは50〜80%である。また、形態
は好ましくはスラリー状であり、その粘度は、好ましく
は300〜30,000mP・s(20℃、B型粘度
計)である。また、セラミック材料分散液のセラミック
の含量は、好ましくは35〜90%、さらに好ましくは
45〜80%である。上記、および以下において%は重
量%を示す。
【0037】本発明の分散液は、シート、鋳込み、プレ
ス、押し出し、射出等の成形方法で成形されて、乾燥、
焼成される。例えば、グリーンシートを製造する方法
は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のプラスチック製フィルム上にドクターブレード等を用
いて分散液(スラリー)を塗布(例えば、分散液として
の厚さ10〜100μm)し、50〜150℃の温度で
乾燥した後、セラミックのシートを剥離し、これらを複
数枚(例えば2〜50枚)積層することによりグリーン
シート(厚さ50μm〜2mm)が得られる。これらの
グリーンシートを、使用する目的の大きさ(例えば、1
0〜30cm×10〜30cmなど)に切断した後、高
温で焼成することで目的のセラミック成形品が得られ
る。焼成温度としては通常300〜1,000℃、好ま
しくは600〜900℃である。
【0038】また、分散液の別の使用方法としては、本
発明の分散剤を含有する、もしくは含有しない分散液
を、プラスティック製フィルム上に塗布してシート状に
成形をした後(乾燥する前もしくは乾燥後)の成形品、
またはその他の方法により成形されたセラミック成形品
の表面に分散剤もしくは分散液をさらに塗布もしくは噴
霧することもでき、この方法により特に乾燥後の成形品
の帯電防止効果をさらに発揮することができる。
【0039】本発明の分散剤を用いるとセラミック微粉
末の分散性が良好であり、焼成後の成形品に高度の物理
的強度、表面平滑性および安定な電気特性などを付与す
ることができる。また、非常に薄いグリーンシートに成
形した場合には、乾燥後のシート間における帯電防止に
特に効果があり、その後の成形(切削などによる成形)
作業性が向上する等の経済的な利点が大きい。
【0040】本発明のセラミック成形品は、各種のエレ
クトロセラミック成形品、例えばセラミックコンデン
サ、セラミックインダクター、セラミックフィルターな
どの電気化学素子に使用できる。
【0041】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例における塩素
イオン含量はJIS−1527記載の無機塩化物測定法
に準じて測定を行った(検出限界1ppm)。また、ナ
トリウムおよび他のアルカリ(土類)金属は、原子吸光分
析装置を用いて測定を行った(ナトリウムの検出限界1
ppm、塩素イオン以外のハロゲンの検出限界1pp
m、およびナトリウム以外のアルカリ(土類)金属の検
出限界0.2ppm)。
【0042】実施例1 撹拌式オートクレーブに1,2−ジメチルイミダゾリン
98重量部(1モル)、炭酸ジメチル135重量部
(1.5モル)および溶媒としてメタノール233重量
部を仕込み、反応温度130℃で12時間反応させ、
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウムメチルカーボ
ネートのメタノール溶液を得た。この溶液にマレイン酸
116重量部(1モル)を仕込み、炭酸ガスおよびメタ
ノールを80℃で減圧下に除去することによって、本発
明のマレイン酸1,2,3−トリメチルイミダゾリニウ
ム塩228重量部を得た。[塩素イオン含量、ナトリウ
ム含量、他のハロゲンイオンおよびアルカリ(土類)金
属の含量はいずれも検出限界以下]。
【0043】実施例2 攪拌式オートクレーブに1−エチル−2−メチルイミダ
ゾリン112重量部(1モル)、炭酸ジメチル135重
量部(1.5モル)および溶媒としてメタノール247
重量部を仕込み、反応温度130℃で12時間反応させ
1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムメチル
カーボネートのメタノール溶液を得た。この溶液にマレ
イン酸116重量部(1モル)を仕込み、炭酸ガスおよ
びメタノールを80℃減圧下に除去することによって、
本発明のマレイン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミ
ダゾリニウム塩242重量部を得た。[塩素イオン含
量、ナトリウム含量、他のハロゲンイオンおよびアルカ
リ(土類)金属の含量はいずれも検出限界以下]。
【0044】実施例3 撹拌式オートクレーブに1,2,4−トリメチルイミダ
ゾリン112重量部(1モル)、炭酸ジメチル135重
量部(1.5モル)および溶媒としてメタノール247
重量部を仕込み、反応温度130℃で12時間反応させ
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチル
カーボネートのメタノール溶液を得た。この溶液にフタ
ル酸166重量部(1モル)を仕込み、炭酸ガスおよび
メタノールを80℃減圧下に除去することによって、本
発明のフタル酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾ
リニウム塩292重量部を得た。[塩素イオン含量、ナ
トリウム含量、他のハロゲンイオンおよびアルカリ(土
類)金属の含量はいずれも検出限界以下]。
【0045】比較例1 撹拌式オートクレーブにトリエチルアミン101重量部
(1モル)、炭酸ジメチル135重量部(1.5モル)
および溶媒としてメタノール236重量部を仕込み、反
応温度120℃で12時間反応させトリエチルメチルア
ンモニウムメチルカーボネートのメタノール溶液を得
た。この溶液にマレイン酸116重量部(1モル)を仕
込み、炭酸ガスおよびメタノールを80℃で減圧下に除
去することによって、マレイン酸トリエチルメチルアン
モニウム塩231重量部を得た。[塩素イオン含量、ナ
トリウム含量、他のハロゲンイオンおよびアルカリ(土
類)金属の含量はいずれも検出限界以下]。
【0046】比較例2 分散剤としてラウリン酸ナトリウムを使用した。[塩素
イオン含有量=15ppm、ナトリウム含量=10
%]。
【0047】比較例3 分散剤としてラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ドを使用した。[塩素イオン含量=13%、ナトリウム
含量=30ppm]。
【0048】<分散液(分散体スラリー)およびグリー
ンシートの作製>セラミック原料微粉末としてアルミナ
[平均粒径1μmの易焼結性微粒アルミナ(昭和軽金属
社製)]100重量部、バインダーとしてアクリル酸系
共重合体[アクリル酸アンモニウム/メチルアクリレー
ト=90/10モル比の共重合体、重量平均分子量(G
PCによる測定)=30,000]8重量部、可塑剤と
してジブチルフタレート4重量部、分散剤として実施例
1〜4および比較例1〜3の分散剤を1重量部および水
100部を配合し、磁器製ボールミルにて24時間混練
することによりスラリーを得た。それぞれのスラリーを
30cm×20cmのポリエステルシート10枚にブレ
ードコーターにて塗布(厚さ:20μm)し、130℃
で1時間加熱して乾燥した後、ポリエステルシートから
剥離してセラミックシート10枚を得た。これらのシー
トを積層し、グリーンシートを作製し、中央部分を10
cm×10cmの大きさに切断した。
【0049】<スラリーの分散性の評価方法>上記スラ
リーの粘度を、20℃でB型粘度計で測定した。粘度が
低い方が分散性が良好と判定した。表1に測定結果を示
す。 <グリーンシートの帯電防止性>グリーンシートを切断
した際に、切断されて出来た10cm×10cmのグリ
ーンシートに付着した切り屑(粉)を集めて、その重量
を測定し、10cm×10cmのグリーンシートの重量
に対する比率(単位;ppm)を算出した。付着量が少
ないものを帯電防止性が良好と判定した。表1に測定結
果を示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の有機酸塩からなる分散剤をセラ
ミックの成形品の製造に用いることにより、セラミック
材料の分散性が良いため得られるセラミック成形品の性
能の向上と安定化が図れること、とりわけ数十ミクロン
の薄いグリーンシートの形で成形するエレクトロセラミ
ックの分野で有効である。また、非常に薄いグリーンシ
ートを取り扱う場合、シート自体が有する静電気のため
シートに成形くずが付着することによる不良品率の増加
や製品精度のばらつきの発生を防止する効果がある。さ
らに、本発明の分散剤は熱分解性良好であり、比較的低
温での焼成が可能になるので、省エネルギー効果があ
り、さらに工程短縮が図れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA01 AB02 AC05 BA14 DC02Y DC04Y DC12Y DC19Y DC26Y DC39Y DC42Y DC45Y 4G030 AA36 CA08 GA14 GA15 GA16 4G052 DA04 DB02 4J037 AA08 CB09 CB16 DD24 EE28 EE43 FF15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で示されるアミジニウム
    カチオンを構成成分とする有機酸塩からなるセラミック
    材料用分散剤。 【化1】 (式中、R1は水酸基を有していてもよい炭素数1〜2
    0の脂肪族炭化水素基または水素原子;R2、R3、R
    4およびR5は、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ
    基、カルボキシル基、エーテル結合、もしくはアルデヒ
    ド基を有していてもよい、炭素数1〜10の脂肪族炭化
    水素基を示す。R1、R2、R3、R4およびR5のう
    ちの2個が相互に結合して2価またはそれ以上の基とな
    り、Nとともに環を形成していてもよい。ただし、R3
    とR4が結合して2価の基となり、環を形成する場合の
    2価の基は飽和炭化水素基である。)
  2. 【請求項2】カチオンが下記一般式(2)で示されるカ
    チオンである請求項1記載のセラミック材料用分散剤。 【化2】 (式中R1は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜2
    0の脂肪族炭化水素基または水素原子;R2、R5およ
    びR6は、それぞれ水酸基、アミノ基、ニトロ基、シア
    ノ基、カルボキシル基、エーテル結合、もしくはアルデ
    ヒド基を有していてもよい、炭素数1〜10の脂肪族炭
    化水素基を示す。)
  3. 【請求項3】有機酸が芳香族カルボン酸または脂肪族カ
    ルボン酸である請求項1または2記載のセラミック材料
    用分散剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか記載の分散剤によ
    りセラミック原料微粉末が分散媒に分散されてなる分散
    液。
  5. 【請求項5】請求項4記載の分散液を、プラスチック製
    フィルム上に塗布し、加熱乾燥した後、セラミックのシ
    ートを剥離し、これらの複数枚を積層することにより得
    られるグリーンシート。
  6. 【請求項6】請求項4記載の分散液を成形し、焼成して
    得られるセラミック成形品。
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