JP2002321632A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置Info
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Abstract
グ装置において、ピニオンとラック歯の間に作用する力
が大きくなったとしても、ラック軸に生じる曲がりを防
止する。 【解決手段】 電動パワーステアリング装置は、操舵ト
ルクが与えられるピニオン軸4と、補助トルクをピニオ
ン軸4に与える電動機7と、ピニオン軸4に形成された
ピニオン4Aと噛み合うラック歯8Aを有するラック軸
8を備える。また、ラック軸8の一端側を支持する第1
支持手段21と、ラック軸8の他端側を支持する第2支
持手段22と、ラック軸の一端側と他端側の間を支持す
る第3支持手段23とを有する。第1支持手段21は、
ラック歯8Aと、ピニオン4Aとの噛み合いによって形
成されている。第2支持手段22および第3支持手段2
3は、それぞれ支持軸受けによって構成されている。
Description
テアリング系に直接作用させてドライバの操舵力を軽減
する電動パワーステアリング装置に関する。
の駆動力を直接利用してドライバの操舵力をアシストす
る。電動パワーステアリング装置を搭載した車両は一般
に普及しており、この電動パワーステアリング装置によ
り、ステアリングの動きが軽快になり、ドライバは強い
力でステアリングを操作する必要がなくなる。
おいて、電動機の駆動力(補助トルク)を与える手段と
して、ウォームギヤが設けられたウォーム軸とウォーム
ホイールを用いた、いわゆるピニオンアシスト式のもの
がある。このピニオンアシスト式の電動パワーステアリ
ング装置は、いわゆるラック・アンド・ピニオン式の電
動パワーステアリング装置におけるピニオン軸に取り付
けられたウォームホイールと、電動機に取り付けられ、
ウォームギヤが設けられたウォーム軸などを備える歯車
式減速機構を備える。ウォーム軸は、電動機の回転軸と
同軸に接続され、ウォーム軸と噛み合うウォームホイー
ルはピニオン軸と同軸に配設される。ピニオン軸は、ド
ライバが操作するステアリングホイールに取り付けられ
たステアリング軸に連結されている。このピニオン軸に
設けられたピニオンは、車両の車輪を転舵させるための
ラック軸に設けられたラック歯に噛み合っている。そし
て、電動機が回転して付与する補助トルクが、歯車式減
速機構を介し、さらにピニオンとラック歯の噛み合いに
よりラック軸に伝達される。そうして、電動機の補助ト
ルクをステアリング系に付与するものである。
ピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置にお
いては、ドライバの操舵トルク(操舵力)TSと、電動
機の補助トルクTMがピニオン軸に伝達される。このた
め、ピニオン軸に設けられたピニオンとラック軸に設け
られたラック歯の噛み合い部には、ドライバの操舵トル
クTSと電動機の補助トルクTMの和である伝達トルク
(TS+TM)が作用する。
において連続性を得るためにラック軸の軸方向に垂直な
方向に対して傾いて形成されている。このため、ピニオ
ンからラック歯に伝達される力F(=伝達トルク(TS
+TM)/R、ただしRはピニオンのピッチ円半径)
は、ラック軸を撓ませる方向に作用するので、ピニオン
からラック歯に伝達される力Fが大きすぎると、ラック
軸に曲がりが生じる。このように、ラック軸に曲がりが
生じると、ラック歯とピニオンとの噛み合い角度が変化
するので、噛み合い部において噛み合いが片当たりとな
る不良を発生させて、ピニオンからラック歯に伝達トル
ク(TS+TM)を歯面全体で良好に伝達できなくな
る。この結果、伝達トルク(TS+TM)の伝達が悪化
しドライバの操舵フィーリングを低下させるという問題
が生じる。また、このように(TS+TM)という伝達
トルクが大きな状態ではピニオンとラック歯がスムーズ
に噛み合わないことから、ピニオンやラック歯の磨耗が
激しく、耐久性が低下するという問題も生じる。
ワーステアリング装置では、前記伝達トルク(TS+T
M)が大きい場合には、前記の不具合が発生するので、
結果的に電動機から付与する補助トルクTMをあまり大
きくすることができず、そのため、軽自動車などの前軸
荷重が小さなものにしか使用できないという問題があっ
た。
して、特開平11−20717号公報に開示されたもの
がある。この技術は、ラック軸の一端部にピニオンとラ
ック歯の噛み合い部を設け、他端部にボールねじ機構に
よるボール支持部を設ける。さらに、中間部に軸受けを
設けて、3点でラック軸を支持し、路面反力などに起因
するモーメントによるラック軸のたわみによる微妙な振
動を抑制するものである。
は、ラック軸に対して電動機の補助トルクを直接(ピニ
オンを介することなく)作用させる、いわゆるラックア
シスト式の電動パワーステアリング装置に関する技術で
ある。このようなラックアシスト式の電動パワーステア
リング装置では、ピニオンとラック歯の噛み合い部に作
用する伝達トルクは、ドライバから与えられる操舵トル
クTSのみである。この操舵トルクTSは、通常、電動
機による補助トルクTMの1/5〜1/10程度と小さ
いので、ピニオンとラック歯の噛み合い部に大きな伝達
トルクが作用することにより、ラック軸に曲がりが生じ
るという課題を有するものではなかった。
アリング装置では、ピニオンとラック歯の噛み合い部に
対して他の支持部としてボールネジ機構が設けられてい
る。このボールネジ機構が設けられた構成では、たとえ
ばボールねじ機構のナットが高回転数にて振れ回る際や
路面反力を受ける際にボール支持部の低剛性に起因する
ラック軸のたわみによる振動を防止することはできるも
のの、ラック軸の曲がりを防止できるものではなかっ
た。
ト式の電動パワーステアリング装置において、ピニオン
とラック歯の間に作用する力が大きくなったとしても、
ラック軸に生じる曲がりを防止することにある。
明は、操舵トルクが与えられるピニオン軸と、このピニ
オン軸に連結されて前記操舵トルクを補助する補助トル
クを前記ピニオン軸に与える電動機と、前記ピニオン軸
に形成されたピニオンと噛み合うラック歯を有するラッ
ク軸と、このラック軸の両端に設けられた操舵輪とを有
し、前記ピニオンと前記ラック歯が噛み合い、前記ピニ
オン軸の回転がラック軸の軸方向の変位に変換されるこ
とによって前記操舵輪を転舵するラック・アンド・ピニ
オン式の電動パワーステアリング装置において、前記ラ
ック軸の一端側を支持する第1支持手段と、前記ラック
軸の他端側を支持する第2支持手段と、前記ラック軸の
一端側と他端側の間を支持する第3支持手段とを有し、
前記第1支持手段は、前記ラック軸の一端側に設けられ
た前記ラック歯と、前記ピニオン軸に設けられた前記ピ
ニオンとの噛み合いによって形成されていることを特徴
とする電動パワーステアリング装置である。
動パワーステアリング装置のうち、ピニオンアシスト式
の電動パワーステアリング装置において、ピニオン軸に
は、操舵トルクと、電動機からの補助トルクが与えられ
る。このため、ピニオンとラック歯には大きなトルクが
ラック軸を曲げる方向に掛かるので、ラック軸が曲がる
という課題がある。この点、本発明では、ラック軸をそ
の一端側と他端側を支持する第1、第2支持手段のほか
に、ラック軸の一端側と他端側との間を支持する第3支
持手段を設けている。この第3支持手段により、ラック
軸が強固に支持されるので、ピニオンからラック歯に大
きなトルクが掛かった場合であっても、ラック軸の曲が
りを防止することができる。その結果、ピニオンとラッ
ク歯の噛み合い部において噛み合いが片当たりとなる不
良が生じることがなく、もってピニオンからラック歯に
対して歯面全体で良好にトルクを伝達することができ
る。こうして、ドライバの操舵フィーリングを損なうこ
とがないようにすることができる。また、ピニオンやラ
ック歯の磨耗を減少させて、耐久性を向上させることが
できる。
および第3支持手段は、前記ラック軸を摺動可能に支持
する軸受けであることを特徴とする請求項1に記載の電
動パワーステアリング装置である。
よび第3支持手段は、ラック軸を摺動可能に支持する軸
受けから構成されている。したがって、ラック軸の左右
方向への円滑な移動を担保するとともに、ボールねじ機
構によるボール支持部と比較すると、支持剛性が高いの
で、ラック軸の曲がりを防止して確実に支持することが
できる。
納するラックハウジングを有し、前記ラックハウジング
には補強用のリブが設けられていることを特徴とする請
求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング
装置である。
するラックハウジングに補強用のリブが設けられてい
る。この補強用のリブにより、ラック軸の支持手段の取
付部分における曲げ方向の取付剛性を高くすることがで
きる。したがって、ラックハウジングの支持手段の取付
部分が曲がらなくなるので、ラック軸の曲がりをさらに
額実に防止することができる。
られるピニオン軸と、このピニオン軸に連結されて前記
操舵トルクを補助する補助トルクを前記ピニオン軸に与
える電動機と、前記ピニオン軸に形成されたピニオンと
噛み合うラック歯を有するラック軸と、このラック軸の
両端に設けられた操舵輪とを有し、前記ピニオンと前記
ラック歯が噛み合い、前記ピニオン軸の回転がラック軸
の軸方向の変位に変換されることによって前記操舵輪を
転舵するラック・アンド・ピニオン式の電動パワーステ
アリング装置において、前記ラック歯の方向が、前記ラ
ック軸の軸方向に対してほぼ垂直な方向を向くように形
成されることを特徴とする電動パワーステアリング装置
である。
がラック軸に対してほぼ垂直となる方向を向くように形
成されている。このため、ピニオンから与えられる伝達
トルクは、ラック軸の軸方向に与えられる。その結果、
ピニオンから与えられる伝達力がラック軸を曲げる方向
に向かないので、ラック軸の曲がりを防止することがで
きる。したがって、ピニオンとラック歯の噛み合い部に
おいて噛み合い不良が生じることがなく、もってピニオ
ンからラック歯に対して良好にトルクを伝達することが
できる。そうして、ドライバの操舵フィーリングを損な
うことがないようにするとともに、ピニオンやラック軸
の磨耗を減少させ、耐久性を向上させることができる。
垂直に近い角度、具体的には垂直に機械誤差を加味した
範囲を含む角度の概念である。
面を参照しながら具体的に説明する。図1は、第1の実
施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成
図、図2はその要部正断面図である。
ーステアリング装置1は、ステアリングホイール2を有
しており、ステアリングホイール2は、ステアリング軸
3を介してピニオン軸4に連結されている。ドライバが
ステアリングホイール2を操作して生じる操舵トルク
は、ステアリング軸3を介してピニオン軸4に与えられ
る。ピニオン軸4には、図2にも示すように、ステアリ
ング系に作用する操舵トルクを検出する磁歪式のトルク
センサ5およびトルク伝達手段6が取り付けられてお
り、トルク伝達手段6は、いわゆる倍力装置であり、ス
テアリング系に補助トルクを加えるための電動機7に接
続されている。本実施形態では、電動機7はたとえばブ
ラシレスモータから構成されている。
るラック・アンド・ピニオン式のものであり、ピニオン
軸4の下端に設けられたピニオン4Aは、ラック軸8に
形成されたラック歯8Aと噛み合わされており、ピニオ
ン軸4の回転がラック軸8の軸方向の変位に変換され
て、操舵輪9,9を転舵する。また、トルクセンサ5は
制御装置10に接続されており、操舵トルク信号Tを出
力している。制御装置10では、少なくともトルクセン
サ5から出力された操舵トルク信号Tに基づいて、補助
トルクを算出し、電動機電圧VOを電動機7に出力して
電動機7を制御している。
ピニオン軸4に対して同軸に固定されたウォームホイー
ル11を有している。電動機7にはウォーム軸12が連
結されており、ウォーム軸12に設けられたウォームギ
ヤ13がウォームホイール11に噛み合わされている。
電動機7を駆動してウォーム軸12が回転すると、ウォ
ームギヤ13に噛み合わされたウォームホイール11が
回転しウォームホイール11とともにピニオン軸4が回
転するようになっている。こうして、電動機7の補助ト
ルクがピニオン軸4に伝達され、ピニオン軸4を介して
ステアリング系に伝達される。
配設されており、ラックハウジング14の両端部は、ブ
ーツ15,15に覆われて、ラックハウジング14内を
保護するとともに塵埃などの混入を防止している。ラッ
ク軸8の両端部には、それぞれタイロッド16,16が
接続されており、さらに図示しないナックルなどを介し
て操舵輪9,9(図1)が取り付けられる。
補強用のリブ17が形成されており、ラックハウジング
14の曲げ方向の剛性を高めている。さらに、ラックハ
ウジング14の下部における中間部からやや一端側寄り
の位置には、ラックハウジング14を図示しない車体に
取り付けるための取付部18が形成されている。
を支持する第1〜第3支持手段21〜23が配設されて
いる。第1支持手段21は、ラック軸8の一端側を支持
するものであり、ピニオン軸4の下端に形成されたピニ
オン4Aとラック軸8に形成されたラック歯8Aの噛み
合いによって構成されている。また、ラック歯8Aの背
面側には、ラック軸8を背後からピニオン4Aに向けて
押圧するラックガイド19が設けられている。
に設けられた支持軸受けによって構成されており、ラッ
ク軸8の他端側を摺動可能に支持している。第3支持手
段23は、ラック軸8における一端側と他端側の間(中
間部)に設けられた支持軸受けによって構成されてお
り、ラック軸8における一端側と他端側の中間部を摺動
可能に支持している。
パワーステアリング装置の作用について説明する。ドラ
イバがステアリングホイール2を操作して、操舵輪9,
9を転舵させようとすると、ドライバが与えた操舵力を
トルクセンサ5が検出して、制御装置10に操舵トルク
信号Tを出力する。制御装置10では、少なくともこの
操舵トルク信号に基づいて、電動機7がステアリング系
に与える補助トルクを算出し、その補助トルクに応じた
電動機電圧VOを電動機7に出力する。
トルクをステアリング系に付与する。具体的に補助トル
クを与えるために電動機7の回転軸が回転すると、トル
ク伝達手段6を介してピニオン軸4に補助トルクが伝達
される。ピニオン軸4に伝達された補助トルクは、ピニ
オン4Aを介してラック軸8のラック歯8Aに伝達され
る。また、ピニオン軸4には、ドライバがステアリング
ホイール2を操作することによって与えられた操舵力も
伝達され、この操舵力もラック歯8Aに伝達される。
をTM、ドライバから与えられる操舵トルクをTSとす
ると、図3に示すように、ピニオン4Aからラック歯8
Aに伝達される力Fは、伝達トルク(補助トルクTM+
操舵トルクTS)/R(ただしRはピニオン4Aのピッ
チ円半径)の大きさとなる。このように大きな伝達力F
(=(TM+TS)/R)がラック歯8Aに掛かる。ま
た、ラック歯8Aにおける歯筋は、ラック軸8に直交す
る方向Xに対して歯筋角度θの傾斜をもって形成されて
いるため、ラック歯8Aにピニオン4Aから伝達される
力Fは、ラック軸8に交差する方向にも作用する。ラッ
ク軸8に交差する方向に力Fが作用したとき、ラック軸
8が第1支持手段21、第2支持手段22のみで支持さ
れている、すなわち支点a,bでラック軸8が支えられ
ているとする。この場合には、電動機7から伝達される
補助トルクTMは、ドライバがステアリングホイール2
を操作することによって伝達される操舵トルクTSの約
5〜10倍と大きなものであるので、伝達力F(=(T
M+TS)/R)の作用によってラック軸8が図3に仮
想線で示す方向に曲がることが懸念される。
持手段21および第2支持手段22のみで支持されてい
る場合には、ラック軸8を曲げる方向に向けて大きな力
Fが作用すると、ラック軸8が曲がってしまう。ラック
軸8が曲がってしまうと、ピニオン4Aとラック歯8A
の噛み合い部において、噛み合いの片当たりという不良
を発生させて、ピニオン4Aからラック歯8Aに力を歯
面全体で良好に伝達できなくなるという不具合が生じ
る。
1と第2支持手段22との間に第3支持手段23が配設
されている。このため、ラック軸8を支える支点a,b
のほかに、支点cでラック軸8における一端側と他端側
の間の位置が支持される。こうして、ラック軸8が曲が
るという事態を抑制している。
方向の補強用のリブ17が形成されている。この補強用
のリブ17によってラックハウジング14の曲げ方向の
剛性が高くなり、各支持手段21,22,23の取付部
分の剛性が高くなるので、ひいてはラック軸8が曲がる
という事態を抑制している。したがって、操舵トルクT
Sに補助トルクTMを付与した大きなトルクがピニオン
4Aとラック歯8Aの噛み合い部に作用する場合、噛み
合いの片当たりという不良が発生して、ピニオン4Aか
らラック歯8Aに力を良好に伝達できなくなるという事
態を防止することができる。そうして、ドライバの操舵
フィーリングを損なうことがなくなる。また、ピニオン
4Aやラック歯8Aの磨耗を減少させることができるの
で、耐久性を向上させることができる。
明する。図4は、本発明の第2の実施形態を示す要部正
断面図である。なお、本実施形態において、前記第1の
実施形態と同一の機能を有する部材については、同一の
番号を付してその詳細な説明は省略する。図4に示すよ
うに、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置
1′では、前記第1実施形態と比較して、ピニオン31
とラック歯32の噛み合い部30においてその構成が異
なる。本実施形態に係る電動パワーステアリング装置
1′では、ラック歯32における歯筋がラック8に対し
て直交する方向を向いて形成されている。ピニオン31
は、このラック歯32に対応するように、ねじの間隔が
若干長く設定されている。その他の構成は前記第1の実
施形態と同一である。
パワーステアリング装置1′においては、前記第1の実
施形態と同様に、図1に示すステアリングホイール2を
作動させることによって付与される操舵トルクTSに対
して、電動機7によって付与される補助トルクTMが加
味されてピニオン軸4が回転される。ピニオン軸4が回
転すると、ピニオン31が回転し、ピニオン31と噛み
合うラック歯32に操舵トルクTSと補助トルクTMが
加算された大きなトルク(=TS+TM)が伝達され
る。ここで、ラック歯32はラック軸8に対して垂直と
なるように形成されているので、ピニオン31からラッ
ク8に対して伝達される力F(=伝達トルク(TS+T
M)/R)は、ラック軸8に沿った方向に向けて加えら
れる。このため、ラック軸8を曲げる方向に作用される
ことはないので、ラック軸8の曲がりを防止することが
できる。その結果、操舵トルクTSに補助トルクTMを
付与した大きな力をピニオン31とラック歯32に伝達
したとしても、ピニオン31とラック歯32の噛み合い
部において噛み合い不良が発生して、ピニオン31から
ラック歯32に力を良好に伝達できなくなるという事態
を防止することができる。そうして、ドライバの操舵フ
ィーリングを損なうことがなくなる。また、ピニオン3
1やラック歯32の磨耗を減少させることができるの
で、耐久性を向上させることができる。
ック軸8に対して垂直となるように形成したが、ドライ
バの操舵トルクTSと電動機7の補助トルクTMの大き
さ(最大値)によっては、ラック歯32をラック軸8に
対してわずかに傾けるように設計することもできる。こ
のように、ラック歯32をラック軸8に対してわずかに
傾けることによって、ラック軸8が曲がる方向に作用す
る力を少なくすることができるので、その分ラック軸8
の曲がることを防止することができる。すなわち、電動
機7から付与される補助トルクTMの大きさによって、
ラック歯の歯筋角度を適宜設定することができる。
明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものでは
ない。たとえば、前記実施形態では、ドライバによる操
舵トルクに加えて、さらに電動機による補助トルクを付
加してアシストする電動パワーステアリング装置につい
て説明したが、操舵輪を転舵させるラック軸に連結され
るピニオン軸に対して、ウォームホイールおよびウォー
ム軸により電動機の駆動力を付加する構成とするもので
あれば、他の態様のものについても適用することができ
る。たとえば、電気信号に基づいて制御される電動機の
駆動力のみにより操舵輪を転舵させるステア・バイ・ワ
イヤ構造や四輪操舵構造などにおいても本発明を適用す
ることができる。
発明によれば、第3支持手段により、ラック軸が強固に
支持されるので、ピニオンからラック歯に大きなトルク
が掛かった場合であっても、ラック軸の曲がりを防止す
ることができる。その結果、ピニオンとラック歯の噛み
合い部において噛み合いの片当たりという不良が生じる
ことがなく、もってピニオンからラック歯に対して歯面
全体で良好にトルクを伝達することができる。こうし
て、伝達不良によるドライバの操舵フィーリングを損な
うことがないようにするとともに、ピニオンやラック歯
の磨耗を減少させて、耐久性を向上させることができ
る。
左右方向への円滑な移動を担保するとともに、ボールね
じ機構のボール支持部と比較すると、支持剛性を高くで
きるので、ラック軸を確実に支持することができる。
ブにより、ラック軸支持手段の取付部分の曲げ方向の剛
性を高くすることができるので、ラックハウジングの曲
がりによるラック軸の曲がりをさらに良好に防止するこ
とができる。
ら与えられるトルクがラック軸を曲げる方向に向かない
ので、ラック軸の曲がりを防止することができる。した
がって、ピニオンとラック歯の噛み合い部において噛み
合いの片当たりという不良が生じることがなく、もって
ピニオンからラック歯に対して歯面全体で良好にトルク
を伝達することができる。そうして、ドライバの操舵フ
ィーリングを損なうことがないようにするとともに、ピ
ニオンやラック軸の磨耗を減少させ、耐久性を向上させ
ることができる。
装置の全体構成図である。
装置の要部正断面図である。
である。
装置の要部正断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 操舵トルクが与えられるピニオン軸と、
このピニオン軸に連結されて前記操舵トルクを補助する
補助トルクを前記ピニオン軸に与える電動機と、前記ピ
ニオン軸に形成されたピニオンと噛み合うラック歯を有
するラック軸と、このラック軸の両端に設けられた操舵
輪とを有し、前記ピニオンと前記ラック歯が噛み合い、
前記ピニオン軸の回転がラック軸の軸方向の変位に変換
されることによって前記操舵輪を転舵するラック・アン
ド・ピニオン式の電動パワーステアリング装置におい
て、 前記ラック軸の一端側を支持する第1支持手段と、前記
ラック軸の他端側を支持する第2支持手段と、前記ラッ
ク軸の一端側と他端側の間を支持する第3支持手段とを
有し、 前記第1支持手段は、前記ラック軸の一端側に設けられ
た前記ラック歯と、前記ピニオン軸に設けられた前記ピ
ニオンとの噛み合いによって形成されていることを特徴
とする電動パワーステアリング装置。 - 【請求項2】 前記第2支持手段および第3支持手段
は、前記ラック軸を摺動可能に支持する軸受けであるこ
とを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリン
グ装置。 - 【請求項3】 前記ラック軸を収納するラックハウジン
グを有し、前記ラックハウジングには補強用のリブが設
けられていることを特徴とする請求項1または請求項2
に記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項4】 操舵トルクが与えられるピニオン軸と、
このピニオン軸に連結されて前記操舵トルクを補助する
補助トルクを前記ピニオン軸に与える電動機と、前記ピ
ニオン軸に形成されたピニオンと噛み合うラック歯を有
するラック軸と、このラック軸の両端に設けられた操舵
輪とを有し、前記ピニオンと前記ラック歯が噛み合い、
前記ピニオン軸の回転がラック軸の軸方向の変位に変換
されることによって前記操舵輪を転舵するラック・アン
ド・ピニオン式の電動パワーステアリング装置におい
て、 前記ラック歯の方向が、前記ラック軸の軸方向に対して
ほぼ垂直な方向を向くように形成されることを特徴とす
る電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001132587A JP3942147B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001132587A JP3942147B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002321632A true JP2002321632A (ja) | 2002-11-05 |
JP3942147B2 JP3942147B2 (ja) | 2007-07-11 |
Family
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001132587A Expired - Fee Related JP3942147B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3942147B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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