JP2002321313A - コーティング基材およびその製造方法 - Google Patents
コーティング基材およびその製造方法Info
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Abstract
とう性、印刷性に優れたコーティング基材およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 アミノ基を有する有機高分子化合物と、
アミノ基と反応し得る官能基およびSiOR1基(R
1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基)を分
子内に有する有機化合物と、一般式(1);R2 mSi
(OR3)n(ただし、式中、R2は炭素数1〜4のアル
キル基またはアミノ基と反応しない官能基を有する炭素
数1〜4のアルキル基、R3は水素原子または炭素数1
〜4のアルキル基、nは1以上の整数でかつm+n=
4)で表される有機ケイ素化合物および/またはその加
水分解縮合物と、溶媒とから得られるコーティング剤を
基材上に塗布して、乾燥、熟成した時、乾燥直後のコー
ティング層の屈折率(n1)と熟成後のコーティング層
の屈折率(n2)が、(n2)/(n1)≧1.2であ
る。
Description
性に優れたコーティング基材およびその製造方法、該コ
ーティング基材に金属酸化物層を被覆した積層体、並び
にこれらコーティング基材または積層体を用いた液晶表
示材料用基板および包装材料用成形体に関するものであ
る。
の透過度が極めて小さい気体バリア性を有するコーティ
ングフィルムは、包装用材料等の分野において需要が増
大している。こうした飲料品や食品用容器などの容器・
包装用材料等において、気体バリア性をプラスチックフ
ィルムまたはシート等の成形体材料に付与するために
は、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
リデン系共重合体、芳香族系ナイロン等の気体不透過性
素材で成形体を形成する、これらの気体不透過性素材
を他の材料にラミネートまたはコーティングする、ア
ルミ箔をフィルム状材料にラミネートする、金属酸化
物を蒸着する等の方法がとられている。
のうち、エチレン−ビニルアルコール共重合体や芳香族
系ナイロンは耐湿性に劣り、雰囲気の湿度が大きくなる
に従って気体バリア性が大幅に低下するという問題があ
り、塩化ビニリデン系共重合体は塩素原子を含んでいる
ため、公害の原因となる恐れがある。また、上記アルミ
箔ラミネートフィルムでは、包装された内容物を外から
見ることができず、金属酸化物蒸着フィルムは可とう性
に劣るため蒸着層にクラックが生じ易く、気体バリア性
の低下を引き起こすという問題があった。
題を解決してなる気体不透過性素材として、基板上にポ
リシロキサン系重合体を有する被膜層を形成した気体バ
リア材(気体バリア性を有するコーティングフィルム)
を既に提案している(特開平8−295848号公報な
ど)。かかる気体バリア性を有するコーティングフィル
ムでは、高い気体バリア性を保持し、かつ透明性に優
れ、非処理物の物性を損なわないような可とう性を有す
るため、食料・飲料品の容器や包装材などの食品容器・
包装用フィルムなどの用途に適用できるものである。
装材等に使用される気体バリア性を有するコーティング
フィルムに対しては、商品購入時の消費者の厳しいチェ
ックがあり、例えば、食品添加物等に頼らずに品質保持
期間の長いものが好まれ、さらに基材との密着不良や可
とう性に問題があり剥がれがあったり、透明性に問題が
あったり、印刷不良があるものに対しては、食料・飲料
品自体の品質如何にかかわらず購入されずに売れ残った
り、返品されることもある。例えば、透明性について
は、例えば、豆腐、はんぺん、かまぼこ、しらこ、い
か、白身魚(切り身)、しらす、日本酒、ミネラルオウ
ーターなど、特に白色系の生食用の包装材や無色透明な
飲料用の包装材では、たとえ気体バリア性に優れていて
も黄みがかっている場合には、内容物が腐っていたり、
変色しているとの錯覚を消費者に強く与える懸念がある
ため、無色で透明な材料が強く求められているのが現状
である。このように、食料・飲料品の容器や包装材等に
使用される気体バリア性を有するコーティングフィルム
に対する要求基準は極めてシビアなものといえ、高い気
体バリア性のほかに、基材との密着性、透明性、可とう
性、印刷性、耐湿性などに高い要求性能が求められてき
ており、こうした諸特性を兼ね備えた気体バリア性に優
れたコーティングフィルムの開発が強く求められてい
る。
の1つに液晶表示装置(液晶ディスプレイ)がある。こ
れには、ノート型パソコンやワープロのディスプレイ装
置をはじめとして、小型テレビ、掃除機やラジカセ、時
計などにも液晶付きのものがあり、携帯電話を含む電話
機の表示装置、さらには炊飯器の時間表示、カーナビ、
ゲーム機に至るまで、今や身の回りの多くの製品に液晶
表示装置(液晶ディスプレイ)が用いられている。これ
は、液晶ディスプレイは、他の表示装置に比べて、表示
動作に要する消費電力が少なく、小型軽量化し易いなど
の利点を有するためである。
(携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯用ノート型
パソコン、ポケベル、自動車電話など)などにおいて
は、携帯性および消費電力の小電力化の観点から機器の
より一層の小型軽量化が重要な技術開発のテーマになっ
ており、その一環として、液晶表示装置についても従来
のガラス製の表示パネルでは重く、また落としり硬いも
のにぶっかった際の衝撃により割れるなどの問題から、
軽くて丈夫なポリマーフィルムを基板とした液晶ディス
プレイの開発がなされている。こうしたポリマーフィル
ムを基板とした液晶ディスプレイでは、ガラス基板に比
して非常に軽く、また薄くすることができ、衝撃にも強
く、任意の形状、例えば、曲面に成形でき、透明性も高
くできるなどの利点を有することから、携帯電話などを
中心に大幅にそのマーケットを拡大してきている。さら
にインターネット接続機能を持つ携帯電話が急速に普及
してきており、特に、わが国において世界に先駆けてそ
のサービスが開始される第3世代携帯電話では、音声情
報はもとより、さらに大容量の文字や動画を含む画像情
報の高速通信が可能となることから、より多くの文字や
画像情報を一度に表示できる大型液晶パネルの開発が急
務となっており、ますます軽量薄型で高い信頼性を有す
るポリマーフィルム基板の開発が重要となってきてい
る。
目的は、上記の従来技術に鑑み、気体バリア性、基材と
の密着性、透明性、可とう性、印刷性に優れ、これらの
特性を常に安定して発現させることのできる新規な気体
バリア性に優れたコーティング基材およびその製造方法
を提供するものである。
鑑み、気体バリア性、基材との密着性、透明性(特に、
色差計で測定したb値が低く黄色がかっていない無色透
明性)、可とう性、印刷性に優れ、これらの特性を常に
安定して発現させることのできるコーティング層を備え
てなる新規な気体バリア性に優れたコーティング基材、
該コーティング基材に金属酸化物層や熱可塑性樹脂層を
被覆した積層体、およびこれらコーティング基材または
積層体を用いた液晶表示材料用基板および包装材料用成
形体を提供するものである。
鑑み、気体バリア性、基材との密着性、表面平滑性、透
明性(特に、色差計で測定したb値が低く黄色がかって
いない無色透明性)、可とう性、印刷性に優れ、これら
の特性を常に安定して発現させることのできるコーティ
ング層を備えてなる新規な気体バリア性に優れたコーテ
ィング基材、該コーティング基材に金属酸化物層や熱可
塑性樹脂層を被覆した積層体、およびこれらコーティン
グ基材または積層体を用いた液晶表示基板を提供するも
のである。
多様な要求基準に対応できるように、上記諸特性に加
え、充分な強度・硬度を付与し、優れた耐湿性、耐久
性、耐候性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、柔
軟性などの特性を常に安定して発現させることのできる
コーティング層を備えてなる、新規な気体バリア性に優
れたコーティング基材とその製造方法、並びに該コーテ
ィング基材に金属酸化物層を被覆した積層体、並びにこ
れらを用いた液晶表示基板および包装材料用成形体を提
供するものである。
記問題点に鑑み、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ね
た結果、高い気体バリア性、透明性、可とう性の要求基
準をクリアしてなるポリシロキサン系重合体を有するコ
ーティング層を形成したコーティングフィルムやシート
などのコーティング基材においてすら、組成が一定せず
性能も一定せずバラツキが生じるのを極めて有効かつ効
果的に防止するには、気体バリア用コーティング剤を塗
布し、乾燥後の熟成中にコーティング層の屈折率が高め
るように調製するのがよいことを知得し、これにより得
られるコーティング基材の気体バリア性を著しく向上す
ることができ、さらに基材との密着性、透明性、可とう
性、印刷性等の特性をも格段に向上させることができる
ことを見出したものである。
合反応が進行し、屈折率が変化するものであり、特に熟
成中に縮合反応させるのが好ましいのは、使用するコー
ティング剤において縮合反応を進行させることもできる
が、こうした場合には、コーティング剤中で粒子化が起
こるため、この粒子がコーティング層内に残り、得られ
るコーティング基材の気体バリア性、基材との密着性、
透明性、可とう性、印刷性が劣ることになるため、気体
バリア性を有するコーティング基材に求められる厳しい
要求基準を十分に満足できないことがある。また、乾燥
時にも縮合反応は進行しているが、なお未反応な部分が
存在し、未反応部分が多いと、得られるコーティング基
材の気体バリア性、基材との密着性、透明性、可とう
性、印刷性が劣ることになるため、気体バリア性を有す
るコーティング基材に求められる厳しい要求基準を十分
に満足できないことがある。さらに、熟成中の縮合反応
が不充分で屈折率が十分に高まらない場合にも、同様に
得られるコーティング基材の気体バリア性、基材との密
着性、透明性、可とう性、印刷性が劣ることになるた
め、気体バリア性を有するコーティング基材に求められ
る厳しい要求基準を十分に満足できないことがあること
をも見出したものである。これらの技術的に有為な知見
に基づき、高性能でかつ高品質な気体バリア性を有する
コーティング基材として常に厳しい要求性能を満足させ
ることができる気体バリア性に優れたコーティング基材
およびその製造方法を知得し、本発明を完成するに至っ
たものである。
記コーティング基材において、色差計で測定したb値が
低く黄色がかっておらず、極めて優れた透明性を発揮す
る上において、また原子間力顕微鏡で測定した表面の凹
凸が数十ナノレベルの範囲に制御され、高性能でかつ高
品質な気体バリア性を有するコーティング基材、および
該コーティング基材に金属酸化物層を被覆した積層体、
並びにこれらを用いた液晶表示基板および包装材料用成
形体を本発明を完成するに至ったものである。
(6)により達成される。
層を有するコーティング基材であって、該コーティング
層が、アミノ基を有する有機高分子化合物(I)と、ア
ミノ基と反応し得る官能基およびSiOR1基(R1は、
水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を
分子内に有する有機化合物(II)と、下記一般式(1)
ルキル基またはアミノ基と反応しない官能基を有する炭
素数1〜4のアルキル基であり、R3は水素原子または
炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1以上の整数で
かつm+n=4である。)で表される有機ケイ素化合物
(III)および/またはその加水分解縮合物と、溶媒(I
V)とから得られるコーティング剤を基材上に塗布し
て、乾燥後、熟成して得られるコーティング層であっ
て、乾燥直後のコーティング層の屈折率(n1)と熟成
後のコーティング層の屈折率(n2)が、(n2)/(n
1)≧1.2である気体バリア性に優れたコーティング
基材。
物(I)と、アミノ基と反応し得る官能基およびSiO
R1基(R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を表す。)を分子内に有する有機化合物(II)と、前
記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物(III)お
よび/またはその加水分解縮合物と、溶媒(IV)とから
得られるコーティング剤を基材上に塗布して、乾燥後、
熟成してコーティング基材を製造する際に、乾燥直後の
コーティング層の屈折率(n1)と熟成後のコーティン
グ層の屈折率(n2)が、(n2)/(n1)≧1.2に
なるように塗布、乾燥、熟成を行うことを特徴とする気
体バリア性に優れたコーティング基材の製造方法。
層を有するコーティング基材であって、該コーティング
層が、アミノ基を有する有機高分子化合物(I)と、ア
ミノ基と反応し得る官能基およびSiOR1基(R1は、
水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を
分子内に有する有機化合物(II)と、前記一般式(1)
で表される有機ケイ素化合物(III)および/またはそ
の加水分解縮合物と、溶媒(IV)から得られるコーティ
ング剤を基材上に塗布して、乾燥後、熟成して得られる
コーティング層であって、20℃90%Rhでの酸素透
過度が15ml/m2・24hrs・atm以下であ
り、かつ色差計で測定したb値が2.0以下である気体
バリア性に優れたコーティング基材。
層を有するコーティング基材であって、該コーティング
層が、アミノ基を有する有機高分子化合物(I)と、ア
ミノ基と反応し得る官能基およびSiOR1基(R1は、
水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を
分子内に有する有機化合物(II)と、前記一般式(1)
で表される有機ケイ素化合物(III)および/またはそ
の加水分解縮合物と、溶媒(IV)から得られるコーティ
ング剤を基材上に塗布して、乾燥後、熟成して得られる
コーティング層であって、20℃90%Rhでの酸素透
過度が15ml/m2・24hrs・atm以下であ
り、かつ原子間力顕微鏡での表面測定において、表面の
凸凹が±50nm以下である気体バリア性に優れたコー
ティング基材。
に記載のコーティング基材に、金属酸化物層を被覆した
積層体。
に記載のコーティング基材、または上記(5)に記載の
積層体を用いた液晶表示材料用基板。
詳細に説明する。
実施形態)の説明 本発明の気体バリア性に優れたコーティング基材は、前
記(1)の構成を有することを特徴とするものである。
ーティング基材では、コーティング層内で縮合反応が促
進されているため、コーティング層内の組成(構造)が
均一にでき、常に安定して高い気体バリア性、基材との
密着性、透明性、可とう性、印刷性、さらには充分な強
度・硬度を付与し、優れた耐湿性、耐久性、耐候性、耐
衝撃性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、柔軟性などを発現
し得ることができるものである。
細に説明する。
できる基材としては、ガスバリア性が要求される各種用
途、例えば、食料品や飲料品の容器や包装材(例えば、
気体バリア層が形成された食品包装用フィルムやペット
ボトルの容器など)、液晶表示装置、携帯端末ないしモ
バイル機器などに用いられる電子部品(例えば、液晶デ
ィスプレイの気体バリア層が形成されたポリマーフィル
ム基板など)、医療機器や医療器具(例えば、血液保存
バックなど)などの要求特性(例えば、機械的特性、光
学特性、など)に応じて、最適な基材を適宜選択すべき
ものであり、具体的に例示すれば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートやこれらの共重合体等のポリエステル系樹脂、ポリ
アミド類、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エス
テル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリカ
ーボネート、セロファン、ポリイミド、ポリエーテルイ
ミド、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、アイオノ
マー樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂や、メラミン樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹
脂、珪素樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。なお、
最適な基材は用途ごとに異なるものであるが、例えば、
食料・飲料品の容器や包装材(食品包装用フィルムや
ラップフィルムなど)に利用する場合には、機械的強
度、透明性、耐熱性、成形容易性、着色、低燃焼カロリ
ー化などの観点から、ポリカーボネート(PC)、耐衝
撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、エチレンビニルアルコール共重合体
(EVOH)、ガスバリヤー性樹脂、ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリ
ロニトリル、ポリアミド、セロハンが好ましく、特に加
工のし易さから、ポリプロピレン、ポリアミド、PET
などの熱可塑性樹脂がより好ましく、液晶表示素子の
表面パネルに利用する場合には、耐熱性、機械的強度、
透明性、成形性、反射防止性などの観点から、ポリカー
ボネートが好ましい。これらは、1種単独で使用しても
よいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの基
板自身も単一材料では得られない要求特性を得るために
性質の異なる材料により多層(積層)にしてもよい。な
お、こうした基材には、上述したように主として透明性
を有するプラスチックフィルムやシートが最も一般的で
あるが、これらに制限されるべきものではなく、半透明
ないし不透明なプラスチックフィルム、さらにはガラス
シート、セラミックスシート、金属箔などの適用を排除
するものではなく、これらを適当に組み合わせたものも
含まれるものである。
て適宜選択されるべきものであり、具体的に例示すれ
ば、フィルム状、シート状、ボトル状などが挙げられ
る。すなわち、本発明のコーティング基材では、その名
称に拘泥されることなく、後述する厚さを有するもので
あれば、如何なる形状を有するものであってもよい。
ため一義的に規定することは困難であり、用途に応じて
適宜選択されるべきものである。例えば、食料・飲料
品の容器や包装材(食品包装用フィルムやラップフィル
ムなど)に利用する場合には、通常7〜100μm、好
ましくは10〜30μmの範囲である。基材の厚さが、
7μm未満の場合には、ピンホールが発生する可能性が
あるほか、機械的強度不足となる場合がある。一方、1
00μmを越える場合には、被覆成形体の生産性に劣る
ことがあるほか、容器や包装材に求められる薄膜化の要
求を満足するのが困難となる場合がある。また、液晶
表示素子の表面パネルに利用する場合には、通常50〜
500μm、好ましくは100〜300μmの範囲であ
る。基材の厚さが、50μm未満の場合には、表面平滑
性に劣り、画像不良の原因となるほか、表面パネルとし
て十分な強度を保持できない場合がある。一方、500
μmを越える場合には、画像の乱れのほか、いわゆる携
帯機器に求められる軽薄短小の要求を満足するのが困難
となる場合がある。
合物(I)と、上記有機化合物(II)と、有機ケイ素化
合物(III)および/またはその加水分解縮合物と、溶
媒(IV)とから得られるコーティング剤を基材上に塗布
して、乾燥後、熟成して得られるコーティング層を有す
るものである。
子化合物(I)としては、好ましくは、ポリアルキレン
イミンである。これは、有機高分子化合物(I)が、コ
ーティング層に可とう性、基材や他のコーティング層上
にコーティングして積層する際の密着性、製膜容易性を
付与する目的で用いることからであり、ポリエチレンイ
ミンであることがより好ましい。
(I)としては、具体的には、ポリアルキルイミン類、
ポリアリルアミン類、アミノ基含有(メタ)アクリレー
トのホモポリマー、これらのアミノ基含有(メタ)アク
リレートと他の(メタ)アクリレート類または(メタ)
アクリル酸とのコポリマー、陽イオン交換樹脂などが挙
げられる。なかでも、コーティング層の透明性、耐熱水
性の観点から、ポリアルキレンイミン類が好ましく、特
にポリエチレンイミンが好適である。
ては、例えば、既に市販されてなる株式会社日本触媒製
のエポミンシリーズ;エポミンSP−003、エポミン
SP−006、エポミンSP−012、エポミンSP−
018、エポミンSP−103、エポミンSP−11
0、エポミンSP−200、エポミンSP−300、エ
ポミンSP−1000、エポミンSP−1020(いず
れも商品名である)等のポリエチレンイミンなどが挙げ
られる。
例えば、既に市販されてなる日東紡績株式会社製のPA
A−L、PAA−H(いずれも商品名である)などが挙
げられる。
しては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。
は、アミノ基含有(メタ)アクリレートと共重合可能な
モノマーのほか、アミノ基含有(メタ)アクリレートと
共重合可能なモノマーと共重合した高分子化合物であっ
てもよい。
量は、250〜20万、好ましくは250〜10万、よ
り好ましくは300〜1万の範囲である。数平均分子量
が250より小さいと形成されたコーティング層の可と
う性が劣ったり、基材や他のコーティング層上にコーテ
ィングして積層する際の成膜性に劣る一方、20万より
大きいと、形成されたコーティング層の透明性に劣るこ
とがあるほか、コーティング層の可とう性に劣ることが
ある。ただし、本発明に使用することのできる有機高分
子化合物(I)のなかには、上記に規定する数平均分子
量では計測できない複雑な構造を持つものも含まれるも
のであり、ここに規定する数平均分子量によって、本発
明からこれらのものを排除するものではない。
主要構成成分の他の1つとして、アミノ基と反応し得る
官能基およびSiOR1基(R1は、水素原子または炭素
数1〜4のアルキル基を表す。)を分子内に有する有機
化合物(II)が含まれてなるものである。分子内にSi
OR1基を有することで、アミノ基を有する有機高分子
化合物(I)と反応する前もしくは反応後に加水分解縮
合が進行し、また後述の有機ケイ素化合物(III)の加
水分解性縮合基と共加水分解縮合を起こして縮重合が進
行していくため、速やかに緻密な被膜を形成することが
できるため、基材や他のコーティング層(以下、単に基
材等ともいう)との密着性に優れ、さらには(食品包装
材では煮沸殺菌後に)20℃90%Rhという高湿度下
においても高い気体バリア性を保持することができるな
ど、極めて有用な効果を奏する事ができるなど、目的と
する気体バリア性、基材等との密着性に優れた気体バリ
ア性に優れたコーティング基材を形成する上で特に有効
な利点を有するものである。
としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、イソ
シアネート基、チオイソシアネート基、オキサゾリニル
基、(メタ)アクリル基、アルデヒド基、ケトン基、ア
ルキルハライド基などが挙げられる。好ましくは、アミ
ノ基との反応容易性、耐熱水性の観点からエポキシ基で
ある。
または炭素数1〜4のアルキル基である。ここで、炭素
数1〜4のアルキル基としては、特に制限されるもので
はなく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の
直鎖アルキル基、イソプロピル基の分岐鎖アルキル基、
シクロプロピル基、シクロブチル基の環状(脂環式)ア
ルキル基のいずれであってもよい。上記R1として、好
ましくは加水分解縮合の反応性に優れ、緻密な被膜の形
成する上での有利性、反応容易性の観点から、メチル
基、エチル基である。
基およびSiOR1基(R1は、水素原子または炭素数1
〜4のアルキル基を表す。)を分子内に有する有機化合
物(II)としては、例えば、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
等のエポキシ基とSi(OR1)基(R1は前記と同じ意
味)を有するシランカップリング剤(以下、単にエポキ
シ基含有シランカップリング剤と省略することがあ
る);γ−イソシアノプロピルトリメトキシシラン、γ
−イソシアノプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシ
アノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアノ
プロピルメチルジエトキシシラン等のイソシアネート基
およびSi(OR1)基(R1は前記と同じ意味)含有シ
ランカップリング剤(以下、単にイソシアネート基含有
シランカップリング剤と省略することがある)などが挙
げられ、これらの1種または2種以上を用いることがで
きる。
のさらに他の1つとして、前記一般式(1)で表される
有機ケイ素化合物(III)および/またはその加水分解
縮合物が含まれてなるものである。気体バリア用コーテ
ィング剤が有機ケイ素化合物(III)および/またはそ
の加水分解縮合物を含むことにより、基材等(被塗物)
への密着性、ハードコート性、耐熱性を高め、さらに過
酷な保存ないし使用環境下(例えば、20℃90%Rh
程度の高湿状態下)においても十分に高いガスバリア性
(食品や飲料品の包装材として使用する場合には、さら
に煮沸殺菌処理後の過酷な保存ないし使用環境下におい
ても十分に高いガスバリア性)を保持することができる
ため好適である。この有機ケイ素化合物(III)は、上
記有機高分子化合物(I)のもつ官能基と反応し得る官
能基を持たない点で有機化合物(II)と区別できる。
4のアルキル基またはアミノ基と反応しない官能基を有
する炭素数1〜4のアルキル基であればよい。ここで、
アミノ基と反応しない官能基としては、例えば、アミノ
基、ビニル基などが挙げられる。また、炭素数1〜4の
アルキル基としては、特に制限されるものではなく、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の直鎖アルキ
ル基、イソプロピル基の分岐鎖アルキル基、シクロプロ
ピル基、シクロブチル基の環状(脂環式)アルキル基の
いずれであってもよいが、好ましくは加水分解縮合の反
応性に優れ、緻密な被膜の形成する上での有利性、反応
容易性の観点から、メチル基、エチル基である。よっ
て、R2として好ましくは、耐熱性、耐煮沸性の観点か
らビニル基を有する炭素数1〜4のアルキル基である。
なお、R2は、mが2以上の場合には、同一であっても
よいし、異なっていてもよい。
たは炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4の
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基の直鎖アルキル基、イソプロピル基の分岐
鎖アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基の環
状(脂環式)アルキル基のいずれであってもよい。R3
として好ましくは、加水分解縮合の反応性に優れ、緻密
な被膜の形成する上での有利性の観点からメチル基、エ
チル基である。なお、R3は、nが2以上の場合には、
同一であってもよいし、異なっていてもよい。
あり、かつm+n=4である。より詳しくは、nは1以
上の整数であり、mは0以上の整数であり、かつm+n
=4である。コーティング層の耐熱性、耐煮沸性の観点
から、m=0であり、n=4であることが好ましい。
機ケイ素化合物(III)として具体的には、例えば、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライ
ソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジ
メチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、
ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシ
シラン、ジエチルジブトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソ
プロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、またこれ
らの錯体化合物、メチルトリアセトキシシラン、トリメ
チルシラノール等、またはこれらの化合物を含む高分子
有機ケイ素化合物類が挙げられ、これらの1種または2
種以上を用いることができる。なかでも、形成されたコ
ーティング層が良好な耐煮沸性、耐湿性を示す点から、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好まし
い。
イ素化合物(III)の加水分解縮合物を含んでもよいと
したのは、上記有機化合物(II)および上記有機ケイ素
化合物(III)は、コーティング基材を形成する際の乾
燥を防ぐためには、予め加水分解縮合を行っておくこと
が好ましいためである。言い換えれば、気体バリア用コ
ーティング剤中に、これらの加水分解縮合物が存在し得
るものが好ましいといえる。これらの(共)加水分解縮
合反応は、空気中の水分で進行するが、酸または塩基等
の公知の触媒を用いると効率よく行うことができる。ま
た、加水分解反応は溶媒(IV)中で行うことが好まし
く、かかる溶媒(IV)を含む本発明の気体バリア用コー
ティング剤は、コーティング作業も容易となる。
要構成成分の他の1つである溶媒(IV)としては、上記
有機高分子化合物(I)、有機化合物(II)、並びに有
機ケイ素化合物(III)および/または有機ケイ素化合
物(III)の加水分解縮合物を溶解し得るものであり、
例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、
ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル等のアルコール類;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類;トリエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族
炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水
素類;メチルアセテート、エチルアセテート、プロピル
アセテート、ブチルアセテート等のアセテート類;その
他、エチルフェノールエーテル、プロピルエーテル、テ
トラヒドロフラン、水などが挙げらる。これらは、1種
単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いても
よい。なかでも加水分解反応時の安定性や保存安定性に
優れている点で、メタノール、エタノールなどのアルコ
ール類が好ましい。特に本発明においては、これらの中
から気体バリア用コーティング剤の当該溶媒(IV)以外
の他の構成成分の種類に応じて、得られるコーティング
層の架橋が緻密になり、所望の気体バリア性が発現でき
るように適当な溶媒(IV)を適宜選択することが望まし
い。
応じて、硬化触媒、濡れ性改良剤、可塑剤、消泡剤、増
粘剤などの無機ないし有機系の各種添加剤を適量添加す
ることもできる。すなわち、上記コーティング剤が、上
記有機高分子化合物(I)と、上記有機化合物(II)
と、上記有機ケイ素化合物(III)および/またはその
加水分解縮合物と、溶媒(IV)とから得られるとは、こ
れら必須の原料成分である上記有機高分子化合物
(I)、上記有機化合物(II)、上記有機ケイ素化合物
(III)および/またはその加水分解縮合物、並びに溶
媒(IV)のみを用いて得られるものに限定されるべきも
のではなく、これら必須原料成分に加えて、さらに他の
構成成分として上記のような各種添加剤などの任意の原
料成分を用いて得られるものも本発明のコーティング剤
に含まれるものである。
量は、有機化合物(II)、並びに有機ケイ素化合物(II
I)および/または有機ケイ素化合物(III)の加水分解
縮合物の配合比率や他の添加剤の使用の有無などによっ
ても異なることから一義的に規定することはできない
が、気体バリア用コーティング剤の原料成分(ただし、
溶媒(IV)を除く)の合計配合量に対して、通常5〜7
0質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましく
は15〜40質量%の範囲である。上記有機高分子化合
物(I)の配合量が5質量%未満の場合には、コーティ
ング層の可とう性、耐衝撃性が劣ることがある。一方、
70質量%を越える場合には、コーティング層の耐水
性、耐湿性、基材等(被塗物)への密着性が劣ることが
ある。
分子化合物(I)、並びに有機ケイ素化合物(III)お
よび/またはその加水分解縮合物の配合比率や他の添加
剤の使用の有無などによっても異なることから一義的に
規定することはできないが、気体バリア用コーティング
剤の原料成分(ただし、溶媒(IV)を除く)の合計配合
量に対して、通常5〜50質量%、好ましくは7〜35
質量%、より好ましくは10〜20質量%の範囲であ
る。上記有機化合物(II)の配合量が5質量%未満の場
合には、コーティング層の耐水性、耐湿性、基材等(被
塗物)への密着性に劣ることがある。一方、50質量%
を越える場合には、コーティング層の気体バリア性、可
とう性、耐衝撃性に劣ることがある。
たはその加水分解縮合物の配合量は、上記有機高分子化
合物(I)や有機化合物(II)の配合比率や他の添加剤
の使用の有無などによっても異なることから一義的に規
定することはできないが、気体バリア用コーティング剤
の原料成分(ただし、溶媒(IV)を除く)の合計配合量
に対して、通常20〜90質量%、好ましくは30〜8
0質量%、より好ましくは50〜70質量%の範囲であ
る。上記有機ケイ素化合物(III)および/またはその
加水分解縮合物の配合量が90質量%を越える場合に
は、コーティング層が可とう性に劣ることがある。一
方、20質量%未満の場合には、コーティング層が耐水
性、耐湿性に劣ることがある。
ないが、気体バリア用コーティング剤の原料成分(ここ
では、溶媒(IV)を含む)の合計配合量に対して、通常
20〜97質量%、好ましくは50〜95質量%、より
好ましくは70〜90質量%の範囲である。溶媒(IV)
の配合量が20質量%未満の場合には、気体バリア用コ
ーティング剤の反応安定性に劣ることがあり、また塗工
中に、気体バリア用コーティング剤の粘度が上昇して均
一塗工ができなくなる可能性がある。一方、97質量%
を超える場合には、コーティング層を形成する際の生産
性が劣ることがあるほか、有効成分が低濃度となり過ぎ
るため、必要なコーティング層の膜厚を確保できない場
合がある。
化合物(II)、有機ケイ素化合物(III)および/また
はその加水分解縮合物、並びに溶媒(IV)以外の他の硬
化触媒、濡れ性改良剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤などの
無機ないし有機系の各種添加剤の配合量にあっては、か
かる添加剤の持つ諸特性を十分に発現でき、かつ上記有
機高分子化合物(I)、有機化合物(II)、有機ケイ素
化合物(III)よび/またはその加水分解縮合物、並び
に溶媒(IV)による本発明の気体バリア性等の効果に影
響を及ぼさない範囲内であれば、特に制限されるべきも
のではない。
化合物(II)、有機ケイ素化合物(III)および/また
はその加水分解縮合物、さらにはその他の添加剤を含む
気体バリア用コーティング剤(ただし、溶媒(IV)を除
く)の合計配合量は、いかなる組み合わせであっても常
に100質量%である。
ィング剤を上記基材上に塗布して、乾燥後、熟成して得
られるものである。
該基材表面上に他のコーティング層(1層ないし2層以
上)を形成した場合には、該他のコーティング層表面上
をいうものである。例えば、上記コーティング剤の塗工
前に、基材表面にウレタン樹脂等の公知のアンカーコー
ト層を設けてもよいなど、他のコーティング層を形成す
ることができるものである。以下、基材表面上に直接上
記コーティング剤を塗布する場合を例にとり説明する
が、本発明がこれらに制限されるべきものでないことは
言うまでもない。また、該コーティング層は、基材の片
面にのみ形成してもよいし、基材の両面に形成してもよ
い。
なプラスチック基材を用いる場合には、その表面を予め
プラズマ処理またはコロナ放電処理したり、あるいは、
基材(被塗物)表面を酸素を含む雰囲気中で200〜4
00nm付近の波長の紫外線を照射した後に、上記コー
ティング剤の塗布を行うことが好ましい。
態によっては、上記コーティング剤をはじくなどして均
一に塗布できない場合、基材表面の洗浄や表面改質を行
うことで改善できる。洗浄や表面改質の方法としては、
アルコール、アセトン、ヘキサンなどの有機溶媒による
脱脂洗浄、アルカリや酸による洗浄、研磨剤により表面
を研磨する方法、超音波洗浄などの洗浄法や、紫外線照
射処理、紫外線オゾン処理、プラズマ処理、コロナ放電
処理、熱処理などの表面改質法が挙げられる。
布(コーティング)する方法としては、従来公知の塗布
・塗装技術を適宜利用することができるものであり、例
えば、ロールコーティング法、ディップコーティング
法、バーコーティング法、ノズルコーティング法、ダイ
コーティング法、スプレーコーティング法、スピンコー
ティング法、カーテンコーティング法、フローコーティ
ング法、スクリーン印刷、グラビア印刷、曲面印刷など
の各種印刷法など、あるいはこれらを組み合わせた方法
を採用できる。なかでも、ダイコーティング法は、上記
コーティング剤の安定性を増す上で好ましい。
形成されたコーティング層の乾燥を行う。かかるコーテ
ィング層の乾燥では、コーティング層を十分に乾燥硬化
することができるものであればよく、加熱、あるいは加
熱・加湿を行うのが、ハードコート性に優れた緻密なコ
ーティング層を有するコーティング基材を速やかに形成
することができる点で好ましい。ここで加熱を行う場合
には、基材の耐熱温度以下で加熱することが好ましい。
同様に、加熱・加湿を行う場合にも、基材の耐熱温度以
下で加熱し、加湿することが好ましい。なお、基材の耐
熱温度とは、実質上基材の特性が保持できる上限の温度
のことであり、プラスチック基材ならば、例えば、ガラ
ス転移点や結晶化温度や分解点などが挙げられる。
さらに熟成を行うものである。これは、乾燥後のコーテ
ィング層中の未反応の上記有機化合物(II)のSiOR
1基や有機ケイ素化合物(III)のSiOR3基を反応
(縮合)させ低減することが高温多湿の環境下において
も十分な気体バリア性を保持させる上で望ましいためで
ある。上記コーティング剤を基材上に塗布乾燥後に、未
反応基を減少させる上で有効な熟成としては、例えば、
室温〜100℃、好ましくは30〜60℃、より好まし
くは40〜50℃の間の温度で1〜7日間熱処理する方
法、あるいはコロナ放電を行うコロナ処理を行う方法な
どが挙げられ、コーティング層内の未反応基を減少させ
ることができるものであればよい。
塗布して、乾燥後、熟成してコーティング層を形成する
ことができる。かかるコーティング層の乾燥熟成後の厚
み(基板の両面に形成する場合には、それぞれのコーテ
ィング層の厚さをいい、双方の和ではない。同様に何層
かに当該コーティング層を形成する場合も同様である)
としては、使用用途により異なるため一義的に規定する
ことはできないが、有効に本発明の効果であるところの
気体バリア性、基材等(被塗物)との密着性、透明性、
可とう性、印刷性、耐湿性等の要求性能を発現すること
ができるものであればよく、通常0.01〜20μm、
好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜5
μmの範囲である。かかるコーティング層の乾燥熟成後
の厚みが0.01μm未満の場合には、被膜が均一にな
らないとともに、発明の効果であるところの気体バリア
性、基材等(被塗物)との密着性、透明性、可とう性、
印刷性、耐湿性等の要求性能が充分に発現しにくい。一
方、コーティング層の乾燥熟成後の厚みが20μmを超
える場合には、被膜にクラックが生じ易くなる。
燥直後のコーティング層の屈折率(n1)と熟成後のコ
ーティング層の屈折率(n2)が、(n2)/(n1)≧
1.2の関係を満足することが要件である。好ましくは
(n2)/(n1)≧1.3である。(n2)/(n1)<
1.2の場合には、熟成によりコーティング層中の未反
応の上記有機化合物(II)のSiOR1基や有機ケイ素
化合物(III)のSiOR 3基を十分反応(縮合)させる
ことができず、気体バリア性の向上が十分でない場合が
ある。ここで、乾燥直後とは、通常、乾燥後、速やかに
熟成処理に移行するため、乾燥処理終了時点から6時間
以内に測定したものであればよい。
ィング基材においては、基材上に同じ種類(組成)のコ
ーティング剤を何度かに分けて塗布(乾燥熟成)しても
よいし、あるいは種類(組成)の異なるコーティング剤
を別々に塗布(乾燥熟成)することにより、各層ごとに
組成及び厚さの異なる多層化構造のコーティング基材を
形成してもよい。
リア性に関しては、使用用途により要求される基準が異
なるほか、基材の種類や全体の積層構造などによっても
異なるため一義的に規定することはできないが、例え
ば、食品や飲料品の容器・包装用のフィルムやシートと
して使用する場合を例にとり説明すれば、高湿下(20
℃90%Rh)での気体(酸素)透過度が30ml/m
2・24hrs・atm以下、好ましくは20ml/m2
・24hrs・atm以下、より好ましくは10ml/
m2・24hrs・atm以下であることが望ましい。
基材等との密着性、透明性、可とう性、印刷性等の性能
が向上したコーティング基材を常に安定して得ることが
できるものである。なお、上記上記有機高分子化合物
(I)、有機化合物(II)、有機ケイ素化合物(III)
および/またはその加水分解縮合物、並びに溶媒(IV)
とから得られるコーティング剤の調製方法、該コーティ
ング剤を基材上に塗布する方法、塗布後に乾燥する
方法、乾燥後に熟成してコーティング層を形成する方
法については、既に本発明のコーティング基材において
説明した通りであり、ここでは重複を避けるためその説
明を省略する。
2の実施形態)の説明 本発明の他の気体バリア性に優れたコーティング基材
は、前記(3)の構成を有することを特徴とするもので
ある。
ーティング基材では、コーティング層内で縮合反応が促
進されているため、コーティング層内の組成(構造)が
均一にでき、常に安定して高い気体バリア性、基材との
密着性、透明性(特に、色差計で測定したb値が低く黄
色がかっていない無色透明性)、可とう性、印刷性、さ
らには充分な強度・硬度を付与し、優れた耐湿性、耐久
性、耐候性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、柔
軟性などを発現し得ることができるものである。
基材につき詳細に説明する。
とのできる基材およびコーティング剤については、上記
(I)のコーティング基材と同様である。
剤を基材上に塗布して、乾燥後、熟成して得られるコー
ティング層を有するものである。
層に関しても、上記(I)のコーティング基材のコーテ
ィング層で説明したものと同様である。
ング基材では、上記(I)のコーティング基材の屈折率
を達成できる熟成条件と同様に、熟成温度および時間を
さらに狭い範囲で制御(制限)することによって初め
て、以下に説明する酸素透過度および色差計で測定した
b値を達成することができるものである。よって、ここ
では熟成条件について、説明する。
さらに所定の温度および時間内で熟成を行うものであ
る。これは、乾燥後のコーティング層中の未反応の上記
有機化合物(II)のSiOR1基や有機ケイ素化合物(I
II)のSiOR3基を反応(縮合)させ低減することが
高温多湿の環境下においても極めて優れた気体バリア性
を保持させる上で望ましいばかりか、上記したように所
定の温度および時間内で熟成を完結させることで、得ら
れルコーティング層の透明性を格段に向上させることが
できるためである(さらには、後述するように、表面平
滑性をも格段に向上しえるためである)。
に、熟成により未反応基を大幅に低減させることがで
き、以下に規定する酸素透過度および色差計で測定した
b値を達成する上で有効な熟成条件としては、室温〜1
00℃、好ましくは30〜60℃の温度で、1〜7日間
熱処理する方法が挙げられるが、これらに制限されるべ
きものではなく、コーティング層内の未反応基を、熟成
により大幅に低減でき、かつ係る熟成処理中に、透明性
が損なわれたり、表面平滑性が損なわれないように制限
することができるものであればよい。
関しても、上記(I)のコーティング基材で説明したも
のと同様である。
ィング基材においても、基材上に同じ種類(組成)のコ
ーティング剤を何度かに分けて塗布(乾燥熟成)しても
よいし、あるいは種類(組成)の異なるコーティング剤
を別々に塗布(乾燥熟成)することにより、各層ごとに
組成及び厚さの異なる多層化構造のコーティング基材を
形成してもよく、後述するように、使用用途に応じて、
金属酸化物層、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層
などを形成(積層)してもよい。
リア性に関しては、上記したように所定のコーティング
剤を用い、乾燥後、熟成温度と時間を制限(制御)する
ことで、格段に高いガスバリア性を発現することができ
るものであり、20℃90%Rhでの酸素透過度が15
ml/m2・24hrs・atm以下という要件を満足
し得るものであり、好ましくは10ml/m2・24h
rs・atm以下、より好ましくは5ml/m2・24
hrs・atm以下という要件を達成し得るものであ
る。これにより、ガスバリア性が求められる多くの技術
分野での要求基準を満足することができるなど、幅広い
用途に利用が可能である。
は、上記酸素透過度に加え、さらに無色透明性に関して
も、上記したように所定のコーティング剤を用い、乾燥
後、熟成温度と時間を制限(制御)することで、格段に
高い無色透明性を発現することができるものである。具
体的には、コーティング基材を色差計で測定したb値が
2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは
0.5以下である。該色差計で測定したb値が2.0を
超える場合には、コーティング基材、特にコーティング
層が黄色系の色調を帯びることになるため、例えば、食
品包装材料用成形体に用いた場合に、消費者に内容物が
傷んでいる(腐敗しかけている)との誤った認識を与え
る恐れがあるほか、その使用用途が制限されることにな
る。また、液晶表示材料用基板に用いた場合に、液晶の
持つ3原色の色調を損なう恐れがある。
ハンターLabの色度により定義されているb値であ
る。
つであるハンターの色差式で定義される下記式で求めら
れるb値をいう。
値である。
法に関しては、上記(I)のコーティング基材で説明し
たものと同様である。すなわち、本発明のコーティング
基材の説明の中でその製造方法についても説明してお
り、ここでも同様の製造方法を適用することができるも
のである。
用途としては、特に制限されるべきものではなく、高い
ガスバリア性、無色透明性などが求められる分野に幅広
く利用することができる。具体的には、金属酸化物や熱
可塑性樹脂層を被覆した積層体、液晶表示材料用基板、
包装材料用成形体などが挙げられる。
基材(第3の実施形態)の説明 本発明のさらに他の気体バリア性に優れたコーティング
基材は、基材と、該基材上にコーティング層を有するコ
ーティング基材であって、該コーティング層が、アミノ
基を有する有機高分子化合物(I)と、アミノ基と反応
し得る官能基およびSiOR1基(R1は、水素原子また
は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を分子内に有す
る有機化合物(II)と、上記一般式(1)で表される有
機ケイ素化合物(III)および/またはその加水分解縮
合物と、溶媒(IV)から得られるコーティング剤を基材
上に塗布して、乾燥後、熟成して得られるコーティング
層であって、20℃90%Rhでの酸素透過度が15m
l/m2・24hrs・atm以下であり、かつ原子間
力顕微鏡での表面測定において、表面の凸凹が±50n
m以下であることを特徴とするものである。
ーティング基材では、コーティング層内で縮合反応が促
進されているため、コーティング層内の組成(構造)が
均一にでき、常に安定して高い気体バリア性、基材との
密着性、表面平滑性(特に原子間力顕微鏡で測定した表
面の凹凸が数十ナノレベルの範囲に制御されてい
る。)、透明性(特に、色差計で測定したb値が低く黄
色がかっていない無色透明性)、可とう性、印刷性、さ
らには充分な強度・硬度を付与し、優れた耐湿性、耐久
性、耐候性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、柔
軟性などを発現し得ることができるものである。
つき詳細に説明する。
ことのできる基材およびコーティング剤については、上
記(I)のコーティング基材と同様である。
剤を基材上に塗布して、乾燥後、熟成して得られるコー
ティング層を有するものである。
層に関しても、上記(I)のコーティング基材のコーテ
ィング層で説明したものと同様である。
ィング基材では、上記(I)のコーティング基材の屈折
率を達成できる熟成条件と同様に、熟成温度および時間
を狭い範囲で制御(制限)することによって初めて、以
下に説明する酸素透過度および表面平滑性(表面の凸凹
が±50nm以下)、さらには無色透明性(色差計で測
定したb値が2.0以下)を達成することができるもの
である。
さらに所定の温度および時間内で熟成を行うものであ
る。これは、乾燥後のコーティング層中の未反応の上記
有機化合物(II)のSiOR1基や有機ケイ素化合物(I
II)のSiOR3基を反応(縮合)させ低減することが
高温多湿の環境下においても極めて優れた気体バリア性
を保持させる上で望ましいばかりか、上記したように所
定の温度および時間内で熟成を完結させることで、得ら
れルコーティング層の表面平滑性、さらには無色透明性
を格段に向上させることができるためである。
関しては、上記(I)のコーティング基材で説明したも
のと同様である。
(III)のコーティング基材においては、基材上に同じ
種類(組成)のコーティング剤を何度かに分けて塗布
(乾燥熟成)してもよいし、あるいは種類(組成)の異
なるコーティング剤を別々に塗布(乾燥熟成)すること
により、各層ごとに組成及び厚さの異なる多層化構造の
コーティング基材を形成してもよく、上述したように、
使用用途に応じて、金属酸化物層、ヒートシール性を有
する熱可塑性樹脂層などを形成(積層)してもよい。
気体バリア性に関しては、上記したように所定のコーテ
ィング剤を用い、乾燥後、熟成温度と時間を制限(制
御)することで、格段に高いガスバリア性を発現するこ
とができるものであり、20℃90%Rhでの酸素透過
度が15ml/m2・24hrs・atm以下という要
件を満足し得るものであり、好ましくは10ml/m2
・24hrs・atm以下、より好ましくは5ml/m
2・24hrs・atm以下という要件を達成し得るも
のである。これにより、ガスバリア性が求められる多く
の技術分野での要求基準を満足することができるなど、
幅広い用途に利用が可能である。
あっては、上記酸素透過度に加え、さらに表面平滑性に
関しても、上記したように所定のコーティング剤を用
い、乾燥後、熟成温度と時間を制限(制御)すること
で、格段に高い表面平滑性を発現することができるもの
である。具体的には、原子間力顕微鏡でのコーティング
基材のコーティング層表面の測定において、該表面の凸
凹が±50nm以下である。該表面の凸凹が±50nm
を超える場合には、コーティング基材、特にコーティン
グ層表面がざらつきを生じるため、例えば、該コーティ
ング基材を液晶表示材料用基板に用いた場合に、画像に
乱れが生じることになる。
製造方法に関しては、上記(I)のコーティング基材で
説明したものと同様である。すなわち、本発明のコーテ
ィング基材の説明の中でその製造方法についても説明し
ており、ここでも同様の製造方法を適用することができ
るものである。
は、用途としては、特に制限されるべきものではなく、
高いガスバリア性、表面平滑性、さらには透明性などが
求められる分野に幅広く利用することができる。具体的
には、金属酸化物や熱可塑性樹脂層を被覆した積層体、
液晶表示材料用基板、包装材料用成形体などが挙げられ
る。
コーティング基材(第1〜3の実施態様)の用途として
は、特に制限されるべきものではなく、高いガスバリア
性、透明性、表面平滑性などが求められる分野に幅広く
利用することができる。以下、積層体、液晶表示材料用
基板、包装材料用成形体の順に説明する。
コーティング基材に、金属酸化物層や熱可塑性樹脂など
を被覆してなるものであるが、好ましくは金属酸化物層
を被覆してなるものである。該(IV)の積層体は、例
えば、液晶表示材料用基板、包装材料用成形体など、幅
広い分野に利用可能である。
できる金属酸化物としては、その使用用途により異なる
が、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)、シリ
カ、アルミナ、マグネシアなどが挙げられる。なお、本
発明では、ケイ素酸化物(シリカ)も金属酸化物に含め
ている。
2000Å、好ましくは500〜1000Åである。該
金属酸化物層の厚さが100Å未満の場合には、ピンホ
ールが発生する場合がある。一方、該金属酸化物層の厚
さが2000Åを超える場合には、クラックが発生する
場合がある。
て、上記(I)〜(III)のいずれかのコーティング層
上に被覆してもよいし、他のコーティング層や接着層な
どを介して被覆してもよいなど、特に制限されるべきも
のではない。
て、コーティング基材の片面に被覆してもよいし、両面
に使用してもよいなど、特に制限されるべきものではな
い。また、該金属酸化物層は、1層に制限されるべきも
のではなく、必要に応じて、何層にも積層して(連続し
ていなくてよい)用いてもよい。
しては、特に制限されるべきものではなく、使用用途に
応じて、スパッタ法など従来公知の金属酸化物薄膜成形
技術を用いて、金属酸化物層が所定の厚みになるように
被覆すればよい。
場合も、上記金属酸化物層と同様にして被覆して用いる
ことができる。
のいずれかのコーティング基材、または上記(IV)の
積層体を用いてなることを特徴とするものである。
材料用基板では、上記(I)〜(III)のいずれかのコ
ーティング基材、または上記(IV)の積層体を用いて
いるものであればよく、例えば、基材と上記(I)〜
(III)のいずれかのコーティング基材との間、または
上記(IV)の積層体に形成されてなるコーティング基
材と金属酸化物層との間や、上記(I)〜(III)のい
ずれかのコーティング基材に形成されてなるコーティン
グ層上、または上記(IV)の積層体に形成されてなる
金属酸化物層上などに、他の機能を有する層が存在して
いてもよい。また、上記(I)〜(III)のいずれかの
コーティング基材に形成されてなるコーティング層や上
記(IV)の積層体に形成されてなる金属酸化物層を含
むこれらの層は、それぞれ1層(単層)でなくともよ
く、必要に応じて複数の層から形成されてなる多層構造
であってもよい。
の製造方法に関しては、特に制限されるべきものではな
く、従来公知の各種ディスプレイ製造技術、なかでもフ
ィルムやシートなどの基材上への薄膜製造技術、例え
ば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、
バーコーティング法、ダイコーティング法、スピンコー
ティング法等やこれらを組み合わせた方法などの塗布技
術ないし湿式成膜技術、さらには物理蒸着法などを適宜
利用して製造することができるものである。また、TF
Tなどを形成する場合には、半導体製造技術などを適宜
利用して製造すればよい。
記(V)の液晶表示材料用基板を用いてなることを特徴
とするものである。これにより、いかなる使用環境下
(恒温恒湿・ドライ状態下ないし低負圧状態下から高温
高湿・ウエット状態下や一時的に液晶内部が高い負圧状
態になる場合など)においても十分に高いガスバリア性
を保持することができるため、従来高温高湿に晒される
ことで問題になっていたガス透過性劣化による気泡発生
による動作不良などの問題を解決することができる高性
能かつ高品質で信頼性の高い液晶表示用装置を提供する
ことができるものである。さらに、高い透明性を発揮す
ることができるため、黄色っぽくなるなど高性能液晶の
持つ優れた画質を損なうことなく、画像表示させること
ができるものである。
成を図面で示すが、これらはほんの1例であり、本発明
がこれらに限定されるべきものではない。
動回路などを薄型パッケージに収めた一般的なカラーT
FT液晶ディスプレイモジュールの一実施形態を表すも
のであって、多層構造が分かり易いように部分的に破断
させた部分を有する一部破断斜視図を示す。図1に示す
ように、液晶パネルは、いろいろな機能の薄い板を何枚
にも重ねた多層構造をしている。図では省略している
が、裏面には駆動用チップが配置されている。図1に示
すように、ケース101およびベゼル(金属のフレーム)1
03で形成された薄型パッケージ内には、表面から順に、
偏光板105、液晶表示材料用基板107、カラーフィルター
109(図では省略しているが、裏面には電極と配向膜が
形成されている。)、液晶111、液晶表示材料用基板113
(図では省略しているが、TFTと配向膜が形成されて
いる)、偏光板115、プリズムシート117、導光板119、
反射板121が積層された多層構造を有しており、側面部
には蛍光管123および駆動回路などを結ぶ配線125が設け
られた構造をしている。ここでは、従来、ガラス基板が
用いられていた部分に、高温高湿時にも優れたガスバリ
ア性を有するコーティング層がその片面ないし両面に形
成されている液晶表示材料用基板107および液晶表示材
料用基板113をそれぞれ採用したものを示すが、いづれ
か一方のみに本発明の液晶表示材料用基板を用いたもの
であってもよい。
の一実施形態として、本発明の液晶表示材料用基板を用
いてなる一般的なカラーSTN液晶ディスプレイの概略
断面図を示す。図2に示すように、基本的には2枚の液
晶表示材料用基板を重ねて、その間隙に液晶を流し込ん
だ液晶パネルを基本構造体としている点では、図1と同
様であり、表面から順に、偏光板201、位相差板203、液
晶表示材料用基板205、透明電極207、配向膜209、液晶2
11(上下2枚の液晶表示材料用基板を合わせる際のセル
ギャップを一定に保つためのスペーサ213が置かれてい
る)、配向膜215、透明電極217、オーバーコート層21
9、カラーフィルター層221、液晶表示材料用基板223、
位相差板225、偏光板227、導光板229が積層された多層
構造を有しており、導光板229の側面部には蛍光管231が
設けられた構造をしている。なお、図では、駆動用チッ
プ、駆動回路配線等は省略した。ここでは、従来、ガラ
ス基板が用いられていた部分に、液晶表示材料用基板20
5および液晶表示材料用基板223をそれぞれ採用したもの
を示すが、いづれか一方のみに本発明の上記(V)の液
晶表示材料用基板を用いたものであってもよい。また、
図では省略しているが、該液晶表示材料用基板205、223
には、いずれもその基材表面に高温高湿時にも優れたガ
スバリア性を有し、無色透明性(特に、色差計で測定し
たb値が2.0以下である)、表面平滑性(特に表面の
凸凹が±50nm以下)に優れるコーティング層が形成
されている。
いずれかのコーティング基材、または上記(IV)の積
層体に、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂を積層し
てなることを特徴とするものである。これにより、上記
(II)のコーティング基材の持つ優れたガスバリア性、
透明性などの特性を有効に発現でき、さらに、ヒートシ
ール性を有する熱可塑性樹脂を積層することで、熱溶接
法の外部加熱方式により、簡単に別の容器などの上面蓋
などとして簡単に接着して密封することができる。
塑性樹脂としては、特に制限されるべきものではなく、
従来公知のものが利用できる。
プロピレン、ポリアミド(ナイロン)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体などが挙げられる。
層して得られる熱可塑性樹脂層の厚さは、ヒートシール
後に接着剤として働くようにさせる観点から、10〜1
00μm、好ましくは30〜60μmである。該熱可塑
性樹脂層の厚さが10μm未満の場合には、十分な接着
力を保持することができない場合がある。一方、該熱可
塑性樹脂層の厚さが100μmを超える場合には、成形
性に問題が発生することがある。
(III)のいずれかのコーティング層または上記(IV)
の積層体上に直接積層してもよいし、他のコーティング
層や接着層などを介して積層してもよいなど、特に制限
されるべきものではないが、ヒートシール後に接着効果
を得る観点から、最表層部に積層する必要がある。
装材料用成形体の接着性およびシール性付与目的である
ことから、上記(I)〜(III)のいずれかのコーティ
ング層または上記(IV)の積層体の片面に積層すれば
よいが、両面への使用を排除するものではない。
(均一に)形成してもよいし、ヒートシールにより接着
する部分のみを対象に形成してもよい。
形態としては、特に制限されるべきものではなく、必要
な容器や包装材の形態にまで成形されていてもよいし、
フィルム状またはシート状などの形態であってもよい。
すなわち、上記(VI)の包装材料用成形体は、容器や
包装材の形態で流通するよりもフィルム状またはシート
状の形態で流通させる方が、かさ張らず、取り扱いが容
易である。また、多くの食品や飲料品の容器や包装材の
形態は様々であり、個々の製品に応じて、容器や包装材
の製造業者により、上記(VI)の包装材料用成形体を
用いて様々な容器や包装材に加工できる状態であるのが
好ましい。
製造方法としては、特に制限されるべきものではなく、
上記(I)〜(III)のいずれかのコーティング基材ま
たは上記(IV)の積層体に、従来公知のヒートシール
性を有する熱可塑性樹脂の塗布技術または薄膜形成技術
を用いて、熱可塑性樹脂層が所定厚みになるように公知
のラミネート法を用いて形成すればよい。
明するが、下記実施例は、本発明を何ら制限するもので
はなく、前、後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更、実施
する事は全て本発明の技術範囲に包含される。なお、実
施例および比較例における酸素透過度、表面凹凸および
色差b値の測定方法については、特に示さない限りは、
下記に示す測定方法により行った。
の条件下で、MOCON(モダンコントロールズ)社製
の酸素透過度測定装置により測定した。
法》ナノスコープ走査型プローブ顕微鏡(デジタルイン
スツルメンツ社製)により測定した。
(日本分光株式会社製)によりb値を測定した。
日本触媒の商品名]{有機高分子化合物(I)}10
g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン{有
機化合物(II)}8gおよびメタノール{溶媒(IV)}
100gの混合液を60℃で3時間反応後、室温まで冷
却し、水1.5gとメタノール10g{共に溶媒(I
V)}の混合液を加え、30分間反応し、さらにテトラ
メトキシシラン{有機ケイ素化合物(III)}50gと
メタノール{溶媒(IV)}50gの混合液を加えて、1
時間反応して気体バリア用コーティング剤(1)を得
た。
20μm二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムに
乾燥後の厚みが1μmになるように塗布し、100℃で
10秒間乾燥し、さらに55℃で3日間熟成して、気体
バリアコーティングフィルム(1)を得た。この気体バ
リアコーティングフィルム(1)の評価を表1に示す。
た以外は、実施例1と同様にして比較用コーティングフ
ィルム(1)を得た。この比較用コーティングフィルム
(1)の評価を表1に示す。
定:エリプソメーター(日本分光製M−150)で、コ
ーティングフィルムのOPP面をシリコンウエハーに貼
り付けて測定した。
s・atmである。
を100μmポリカーボネートフィルムの片面に乾燥後
の厚みが1μmになるように塗布し、90℃で10秒間
乾燥し、さらに60℃7日間熟成して、コーティング層
を有するコーティング基材(2)を得た。このコーティ
ング基材のb値は0.2であり、コーティング層表面の
凸凹は±10nmであり、酸素透過度は0.5ml/m
2・24hrs・atmであった。
を100μmポリカーボネートフイルムの両面に乾燥後
の厚みがそれぞれ1μmになるように塗布し、90℃で
10秒間乾燥し、さらに60℃7日間熟成して、コーテ
ィング層を有するコーティング基材(3)を得た。この
コーティング基材のb値は0.3であり、両面ともコー
ティング層表面の凸凹は±10nmであった。このコー
ティング基材(3)の片面に、スパッタ法で透明導電性
金属酸化物ITO(インジウムスズ酸化物)を厚さ50
0Åになるように製膜して積層体(3)を得た。この積
層体(3)の素透過度は0.1ml/m2・24hrs
・atmであった。
図1に示す装置構成の液晶表示装置を得た。得られた液
晶表示装置は、60℃60%Rhでの連続使用で気泡の
発生は認められなかった。
を12μmPETフィルムの片面に乾燥後の厚みが1μ
mになるように塗布し、100℃で10秒間乾燥し、さ
らに60℃7日間熟成して、コーティング層を有するコ
ーティング基材(5)を得た。このコーティング基材
(5)の酸素透過度は0.5ml/m2・24hrs・
atmであり、b値は0.4であり、コーティング層表
面の凸凹は±25nmであった。
グ層上に、ケイ素酸化物の厚みが500Åになるように
製膜して積層体(5)を得た。この積層体(5)の酸素
透過度は0.2ml/m2・24hrs・atmであっ
た。
2μmPETフィルムのコーティング層およびケイ素酸
化物層を形成していない、もう一方の片面にドライラミ
ネート法により40μmCPP(無延伸ポリプロピレ
ン)をラミネートして包装材料用成形体(5)を得た。
この包装材料用成形体(5)の酸素透過度は0.1ml
/m2・24hrs・atmであった。
る12μmPETフィルムのコーティング層を形成して
いない、もう一方の片面にドライラミネート法により4
0μmCPP(無延伸ポリプロピレン)をラミネートし
て包装材料用成形体(6)を得た。この包装材料用成形
体(6)の酸素透過度は0.3ml/m 2・24hrs
・atmであった。
を100μmポリカーボネートフィルムの両面に乾燥後
の厚みがそれぞれ1μmになるように塗布し、90℃で
10秒間乾燥し、さらに40℃で1時間熟成して、比較
コーティング層を有する比較コーティング基材(2)を
得た。この比較コーティング基材(2)のb値は0.3
であり、両面とも比較コーティング層表面の凸凹は±6
0nmであった。
に、スパッタ法で透明導電性金属酸化物ITO(インジ
ウムスズ酸化物)を厚さ500Åになるように製膜して
比較積層体(2)を得た。この比較積層体(2)の酸素
透過度は、17.1ml/m2・24hrs・atmで
あった。
示す装置構成の液晶表示装置を得た。得られた液晶表示
装置は、60℃60%Rhでの連続使用で気泡の発生が
発生し、画像に乱れも生じた。なお、60℃60%Rh
での連続使用条件は、実施例4と同様である。
を100μmポリカーボネートフィルムの両面に乾燥後
の厚みがそれぞれ1μmになるように塗布し、100℃
で10秒間乾燥し、さらに90℃で1ヶ月間熟成して、
比較コーティング層を有する比較コーティング基材
(4)を得た。この比較コーティング基材(4)のb値
は3.2であり、両面とも比較コーティング層表面の凸
凹は±70nmであった。
に、スパッタ法で透明導電性金属酸化物ITO(インジ
ウムスズ酸化物)を厚さ500Åになるように製膜して
比較積層体(4)を得た。この比較積層体(4)の酸素
透過度は0.3ml/m2・24hrs・atmであっ
た。
に示す装置構成の液晶表示装置を得た。得られた液晶表
示装置は、60℃60%Rhでの連続使用で気泡の発生
しなかったが、画像が黄色ぽっくなり、乱れも生じた。
なお、60℃60%Rhでの連続使用条件は、実施例4
と同様である。
の屈折率(n1)と熟成後のコーティング層の屈折率
(n2)が、(n2)/(n1)≧1.2になるように塗
布、乾燥、熟成を行って得られるものであるため、極め
て高い気体バリア性を有し、さらには基材との密着性、
透明性、可とう性、印刷性を常に安定して発現すること
のできる高性能でかつ高品質なコーティング基材および
その製造方法を提供できるものである。
に対応できるように、上記諸特性に加え、充分な強度・
硬度を付与し、優れた耐湿性、耐久性、耐候性、耐衝撃
性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、柔軟性などの特性を常
に安定して発現することのできる高性能でかつ高品質な
コーティング基材およびその製造方法を提供できるもの
である。
コントロールすることにより、20℃90%Rhでの酸
素透過度が15ml/m2・24hrs・atm以下で
あり、かつ色差計で測定したb値が2.0以下である気
体バリア性に優れたコーティング基材を得ることがで
き、さらに、基材との密着性、透明性(特に、色差計で
測定したb値が低く黄色がかっていない無色透明性)、
可とう性、印刷性に優れ、これらの特性を常に安定して
発現させることのできるコーティング基材、該コーティ
ング基材に金属酸化物層を被覆した積層体、およびこれ
らコーティング基材または積層体を用いた透明性および
ガスバリア性に優れた液晶表示材料用基板および包装材
料用成形体を提供できるものである。
コントロールすることにより、気体バリア性、基材との
密着性、表面平滑性(特に原子間力顕微鏡で測定した表
面の凹凸が数十ナノレベルの範囲に制御されている)、
透明性(特に、色差計で測定したb値が低く黄色がかっ
ていない無色透明性)、可とう性、印刷性に優れ、これ
らの特性を常に安定して発現させることのできるコーテ
ィング基材、該コーティング基材に金属酸化物層を被覆
した積層体、およびこれらコーティング基材または積層
体を用いた、画像の乱れや黄ばみのない液晶表示基板を
提供できるものである。
充分な強度・硬度を付与し、優れた耐湿性、耐久性、耐
候性、耐衝撃性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、柔軟性な
どの特性を常に安定して発現させることのできるコーテ
ィング基材とその製造方法、並びに新規な気体バリア性
に優れたコーティング基材、および該コーティング基材
に金属酸化物層を被覆した積層体、並びにこれらを用い
た液晶表示基板および包装材料用成形体を提供できるも
のである。
(恒温恒湿・ドライ状態下ないし低負圧状態下から高温
高湿・ウエット状態下や一時的に液晶等の表示素子内部
が高い負圧状態になる場合など)においても十分に高い
ガスバリア性を保持することができるコーティング基
材、金属酸化層を被覆した積層体、およびこれらコーテ
ィング基材または積層体を用いた液晶表示材料用基板お
よび包装材料用成形体を提供できるものである。
て、液晶パネル、バックライト、駆動回路などを薄型パ
ッケージに収めた一般的なカラーTFT液晶ディスプレ
イモジュールの1例を表すものであって、多層構造が分
かり易いように部分的に破断させた部分を有する一部破
断斜視図である。
として、本発明の液晶表示基板を用いてなる一般的なカ
ラーSTN液晶ディスプレイの概略断面図を示す。
フレーム)、105、115、201、227…偏光板、107、113、
205、223…液晶表示材料用基板、109、221…カラーフィ
ルター(カラーフィルター層、蛍光体)、111、211…液
晶、 117…プリズムシート、119、229…
導光板、 121…反射板、123、231…蛍光
管、 125…配線、203、225…位相差板、
207、217…透明電極、209、215…配向膜、
213…スペーサ、219…オーバーコート層。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材と、該基材上にコーティング層を有
するコーティング基材であって、 該コーティング層が、アミノ基を有する有機高分子化合
物(I)と、 アミノ基と反応し得る官能基およびSiOR1基(R
1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表
す。)を分子内に有する有機化合物(II)と、 下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基また
はアミノ基と反応しない官能基を有する炭素数1〜4の
アルキル基であり、R3は水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基であり、nは1以上の整数でかつm+n=
4である。)で表される有機ケイ素化合物(III)およ
び/またはその加水分解縮合物と、 溶媒(IV)とから得られるコーティング剤を基材上に塗
布して、乾燥後、熟成して得られるコーティング層であ
って、 乾燥直後のコーティング層の屈折率(n1)と熟成後の
コーティング層の屈折率(n2)が、(n2)/(n1)
≧1.2である気体バリア性に優れたコーティング基
材。 - 【請求項2】 アミノ基を有する有機高分子化合物
(I)と、 アミノ基と反応し得る官能基およびSiOR1基(R
1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表
す。)を分子内に有する有機化合物(II)と、 下記一般式(1) 【化2】 (ただし、式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基また
はアミノ基と反応しない官能基を有する炭素数1〜4の
アルキル基であり、R3は水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基であり、nは1以上の整数でかつm+n=
4である。)で表される有機ケイ素化合物(III)およ
び/またはその加水分解縮合物と、 溶媒(IV)とから得られるコーティング剤を基材上に塗
布して、乾燥後、熟成してコーティング基材を製造する
際に、 乾燥直後のコーティング層の屈折率(n1)と熟成後の
コーティング層の屈折率(n2)が、(n2)/(n1)
≧1.2になるように塗布、乾燥、熟成を行うことを特
徴とする気体バリア性に優れたコーティング基材の製造
方法。 - 【請求項3】 基材と、該基材上にコーティング層を有
するコーティング基材であって、 該コーティング層が、アミノ基を有する有機高分子化合
物(I)と、 アミノ基と反応し得る官能基およびSiOR1基(R
1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表
す。)を分子内に有する有機化合物(II)と、 下記一般式(1) 【化3】 (ただし、式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基また
はアミノ基と反応しない官能基を有する炭素数1〜4の
アルキル基であり、R3は水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基であり、nは1以上の整数でかつm+n=
4である。)で表される有機ケイ素化合物(III)およ
び/またはその加水分解縮合物と、 溶媒(IV)から得られるコーティング剤を基材上に塗布
して、乾燥後、熟成して得られるコーティング層であっ
て、 20℃90%Rhでの酸素透過度が15ml/m2・2
4hrs・atm以下であり、かつ色差計で測定したb
値が2.0以下である気体バリア性に優れたコーティン
グ基材。 - 【請求項4】 基材と、該基材上にコーティング層を有
するコーティング基材であって、 該コーティング層が、アミノ基を有する有機高分子化合
物(I)と、 アミノ基と反応し得る官能基およびSiOR1基(R
1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表
す。)を分子内に有する有機化合物(II)と、 下記一般式(1) 【化4】 (ただし、式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基また
はアミノ基と反応しない官能基を有する炭素数1〜4の
アルキル基であり、R3は水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基であり、nは1以上の整数でかつm+n=
4である。)で表される有機ケイ素化合物(III)およ
び/またはその加水分解縮合物と、 溶媒(IV)から得られるコーティング剤を基材上に塗布
して、乾燥後、熟成して得られるコーティング層であっ
て、 20℃90%Rhでの酸素透過度が15ml/m2・2
4hrs・atm以下であり、かつ原子間力顕微鏡での
表面測定において、表面の凸凹が±50nm以下である
気体バリア性に優れたコーティング基材。 - 【請求項5】 請求項1、3または4に記載のコーティ
ング基材に、金属酸化物層を被覆した積層体。 - 【請求項6】 請求項1、3もしくは4に記載のコーテ
ィング基材、または請求項5に記載の積層体を用いた液
晶表示材料用基板。
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JP2001307758A JP2002321313A (ja) | 2001-02-21 | 2001-10-03 | コーティング基材およびその製造方法 |
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JP2001-45384 | 2001-02-21 | ||
JP2001045384 | 2001-02-21 | ||
JP2001307758A JP2002321313A (ja) | 2001-02-21 | 2001-10-03 | コーティング基材およびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113031336A (zh) * | 2019-12-10 | 2021-06-25 | 住友化学株式会社 | 基材膜、层叠体和它们的制造方法 |
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2001
- 2001-10-03 JP JP2001307758A patent/JP2002321313A/ja active Pending
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CN113031336B (zh) * | 2019-12-10 | 2023-12-26 | 住友化学株式会社 | 基材膜、层叠体和它们的制造方法 |
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