JP2002321138A - スピンドルスルークーラントにおける主軸保護構造 - Google Patents
スピンドルスルークーラントにおける主軸保護構造Info
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Abstract
ト漏れが発生しても、クーラントの主軸、スピンドルモ
ータ内部への侵入を阻止する。 【解決手段】 主軸若しくは該主軸に連結された軸9に
設けられた貫通孔10に、回転ジョイント3の固定側部
材23、回転側部材22を介してクーラントを供給す
る。軸9の外周に弾性力のあるシール部材34を設け
る。このシール部材34部分から漏れだしたクーラント
はフリンジャ33によって外部に弾き飛ばされる。この
クーラント供給部で多量の漏れが発生したとき、フリン
ジャ33では、多量のクーラントを排除できない。しか
し、漏れクーラントにより気室31の圧力が上昇し、こ
の圧力でシール部材34は軸9に押し付けられ、気室3
2へのクーラント侵入を阻止する。その後クーラントの
供給を停止させる。多量のクーラント漏れが発生したと
き、シール部材により一時的に主軸やスピンドルモータ
内部へのクーラントの侵入を防止する。
Description
クーラントにおける主軸保護構造に関する。
転型の工作機械やマシニングセンタに用いる主軸構造と
して、主軸の軸心を貫通させて冷却および切粉除去のた
めの加工液を流すスピンドルスルークーラントが知られ
ている。
スルークーラントに利用される主軸構造を簡略化して示
す断面図である。
主軸1に軸方向の貫通孔2を穿設し、主軸1の端部に回
転ジョイント3を介して配管4を接続することにより、
回転ジョイント3と貫通孔2とを介して配管4からのク
ーラントを工具5の先端に導くようになっており、回転
ジョイント3の部分には、該ジョイント3の内部で溢れ
たクーラントを外部に排出するためのドレイン配管6が
設けられている。
7またはベルト等を介してスピンドルモータ8で駆動さ
れるので、動力のロスや主軸1のブレといった問題があ
り、必ずしも本格的な高速回転には適さない。
が図3に示すような主軸構造であり、主軸1の貫通孔2
に加えてスピンドルモータ8のロータ軸9にも軸方向の
貫通孔10を穿設し、主軸1とロータ軸9をカプラ11
を介して直結し、スピンドルモータ8の端部に設けた回
転ジョイント取付ハウジング12に取り付けられた回転
ジョイント3と貫通孔10および貫通孔2を介して配管
4からのクーラントを工具5の先端に導くように構成さ
れている。主軸1がスピンドルモータ8によって直接駆
動されるため、動力のロスや主軸1のブレといった問題
が解消され、本格的な高速回転に適する。また、回転ジ
ョイント取付ハウジング12には回転ジョイント3から
溢れたクーラントを外部に排出するためのドレイン配管
6が設けられている。
ルモータが組み込まれたビルトインモータ部を備えた主
軸も開発されている。即ち主軸1をロータ軸とするロー
タと、主軸を支えるハウジング13にステータを設けモ
ータ部8’を構成する。主軸1のロータ軸に軸方向の貫
通孔2を穿設し、主軸1の端部に回転ジョイント3を介
して配管4を接続し、配管4からのクーラントを工具5
の先端に導く。回転ジョイント3の部分には、該ジョイ
ント3の内部で溢れたクーラントを外部に排出するため
のドレイン配管6が設けられている。
切粉の排出や工具5の刃先の冷却の効率化およびワーク
の仕上がりの向上等のため、高圧クーラントが主流にな
っているため、回転ジョイント3の部分に損傷が生じる
と、瞬時にしてクーラントが大量に漏れ出すといった恐
れがあり、図4のような構造のものでは主軸1の周囲に
クーラントが進入し、また、図3や図5のような構造の
ものではスピンドルモータ8、モータ部8’の内部に直
接クーラントが進入して、錆や回転異常および電気的な
故障等の重大な問題が発生する場合がある。また、工具
5の先端にまで正常にクーラントが送られないと工具5
やワーク自体に損傷を生じる場合もある。
るが、防水に対する有効な手段である一般的なオイルシ
ールを使用した場合、一般に、主軸は高速回転であるが
故に、そのリップ部と回転部との接触摩擦熱によりリッ
プ部温度が上昇し使用範囲を越えることから、一般的な
オイルシールを使用していない。そのため、フリンジ
ャ、ラビリンスと呼ばれる軸に固定された非接触式の回
転部品のみによる防水構造が採用されている。
で提案されている防水構造の例である。この例は、図3
に示すような主軸構造の場合を示している。回転ジョイ
ント取付ハウジング12はそのフランジ部14でボルト
16によりスピンドルモータ8の上端面に一体的に固定
されている。スピンドルモータ8又はハウジング13と
回転ジョイント取付ハウジング12とのセンタ合わせ
は、スピンドルモータ8の上端面に設けられた印ロウ1
7の外周部と前記フランジ14の内周面との嵌合によっ
て達成されている。
は、隔壁18,19により主軸軸方向に3つの気室12
a,12b,12cに分割されている。そして、気室1
2aにはドレイン配管6が接続され、気室12bには予
備ドレイン配管27が接続されている。さらに、気室1
2cには、フリンジャ28が配置され、フリンジャ28
はロータ軸9に一体的に取り付けられ、回転の遠心力に
よってゴミや水分を径方向外側に弾き飛ばす構造となっ
ている。
り付けられて該ロータ軸9と一体に回転するニップル状
の回転側部材22と、ハウジング12に一体的に取り付
けられる固定側部材23とからなり、回転側部材22
が、ロータ軸9の貫通孔10の端部に刻設された管用テ
ーパネジに螺合されてロータ軸9に一体に固着される。
固定側部材23は、回転側部材22と摺接するソケット
部23aを回転ジョイント取付ハウジング12の外側か
ら気室12a内に突入させて、回転ジョイント取付ハウ
ジング12に固着されている。
ーラントが供給され、は固定側部材23の内部管路、ソ
ケット部23a、回転側部材22の内部を通り、ロータ
軸9の貫通孔10に流れ込む。ソケット部23aと回転
側部材22との摺接部で漏れたクーラントはドレイン配
管6を介して外部に排出される。また、回転側部材22
の円筒部外周と摺接する隔壁18の貫通孔の内周に周溝
24が刻設され、細孔25、エアパージ配管26を介し
て外部から圧搾空気等を送り込むことにより気室12a
内部の圧力を上げ、気室12a内に漏れ出したクーラン
トをドレイン配管6から確実に外部に排出するようにし
ている。
ラントは予備ドレイン配管27から排出され、更に、気
室12cまで進入したクーラントは、ロータ軸9に一体
的に取り付けられたフリンジャ28によってゴミや水分
を径方向外側に弾き飛ばし、ハウジング12の下端部外
周面設けられた複数の切欠29からクーラントをハウジ
ング12の外部に排出するように構成されている。ま
た、ドレイン配管6に流量センサ等を設け、クーラント
の流量が設定値を越えるとアラームを発生させるように
している。
ンドルスルークーラントにおいては、主軸やロータ軸に
設けられた貫通孔にクーラントを注入する回転ジョイン
ト部において漏れたクーラントを、主軸やモータの内部
までクーラントが侵入しないようにする方法として、非
接触式のフリンジャ、さらにはラビリンスが用いられて
いる。これは主軸は高速回転であることから一般的なオ
イルシールを使用できないことによる。
ラビリンスでは、クーラント供給部品が破損したときな
どに、多量のクーラント漏れが発生したときには対応で
きず、主軸内部、モータ内部にクーラントが侵入し、主
軸の軸受けやモータ巻線の絶縁不良等が発生する恐れが
ある。
のクーラント漏れにも対応できる主軸保護装置を提供す
ることにある。
に穿設された貫通孔若しくは主軸と軸が連結され該軸及
び主軸の軸方向に穿設され連通する貫通孔にクーラント
を通すスピンドルスルークーラントを備えた主軸構造に
おいて、主軸若しくは該主軸に連結された軸の軸端に設
けたハウジングにクーラント供給部とドレイン配管とを
配設し、前記貫通孔にクーラントを供給すると共に、前
記クーラント供給部から漏出したクーラントを前記ドレ
イン配管から排出するようにしたスピンドルクーラント
を備えた主軸保護構造であって、前記ハウジング内に延
出された前記主軸若しくは該主軸に連結された軸の外周
に弾性を有するシール部材を設けたことを特徴とするも
のである。前記主軸構造は、前記主軸を伝動手段を介し
てモータで駆動する主軸構造、主軸構造内にモータがビ
ルトインされている主軸構造又は主軸とモータのロータ
軸が連結され、該ロータ軸の軸線方向に穿設された貫通
孔及び前記主軸の貫通孔を介してクーラントが供給され
る主軸構造のいずれでもよいものである。
ら構成され、いずれかの室乃至複数の室に対して、前記
ドレイン配管及び/又はシール部を配置する。さらに、
前記ハウジング内には、前記シール部材に加えてフリン
ジャ、ラビリンスなどの第2のシール手段を設ける。
又、前記シール部材は、前記クーラント供給部から漏出
したクーラントの圧力によってシール性が増加するよう
に、又は、シール部材が軸側に押し付けられようなもの
を選択する。さらに、前記シール部材は、前記主軸の回
転による発熱を低減可能な程度に軸側との締め代がない
又は充分少ないものとする。
ントにおける主軸保護構造は、図3に示すような、主軸
1とスピンドルモータ8のロータ軸9を連結し、主軸1
の貫通孔2、ロータ軸9の貫通孔10を介してクーラン
トを工具5の先端から噴射させる主軸構造のもの、図4
に示すような、主軸1を歯車列7またはベルト等の伝動
機構を介して駆動し、主軸1の貫通孔2に一端よりクー
ラントを注入する主軸構造のもの、さらには図6に示す
ような、モータがビルトインした主軸機構に適用するも
のである。これらの主軸機構において、多量のクーラン
ト漏れに対応するように、固定部材から回転部材へクー
ラントを供給する部分の構造に特徴を有するもので、図
1は、本発明のこの主軸保護構造における一実施形態の
要部構成図である。
ータ8のロータ軸9と主軸1とを連結し、ロータ軸9の
一端より、クーラントを供給するタイプの主軸構造の例
を示している。回転ジョイント取付ハウジング30は、
スピンドルモータ8のハウジング40(図4,図5の例
であるとこのハウジングは主軸を取り付けるハウジング
となる)にボルト36等で固着されている。回転ジョイ
ント3は、従来例と同様に、ロータ軸9(図4,図5の
例であるとこの軸は主軸となる)の側に取り付けられて
該ロータ軸9と一体に回転するニップル状の回転側部材
22と、ハウジング30に一体的に取り付けられる固定
側部材23とからなり、回転側部材22が、ロータ軸9
の貫通孔10の端部に刻設された管用テーパネジに螺合
されてロータ軸9に一体に固着される。
するソケット部23aを回転ジョイント取付ハウジング
30の外側から気室12a内に突入させて、回転ジョイ
ント取付ハウジング30に固着されている。
は、隔壁38により主軸軸方向に2つの気室31,32
に分割されている。そして、気室31にはドレイン配管
35a、35bが接続されている。さらに、気室32に
は、フリンジャ33が配置され、フリンジャ33はロー
タ軸9に一体的に取り付けられ、回転の遠心力によって
ゴミや水分を径方向外側に弾き飛ばす構造となってい
る。又、回転ジョイント取付ハウジング30のこの気室
32の部分には、切り欠き39が設けられ、フリンジャ
33で弾き飛ばされたゴミやクーラントを外部に排出す
るようになっている。
貫通する孔を有し、該孔の部分には、シール部材34設
けられている。このシール部材34としては、一般的な
オイルシールよりも温度上昇が少ない、弾性力のあるダ
スト用オイルシールを使用している。
部材23の内部管路を通り、ソケット部23aから回転
側部材22の内部管路に導かれ、該内部管路を介してロ
ータ軸9の貫通孔10を通り、さらに主軸の貫通孔2を
通り工具5の先端より噴出される。この際、クーラント
が回転ジョイント3の固定側部材23から回転側部材2
2に移動する際に、この部分で漏れが発生した場合、こ
の漏れクーラントは気室31に接続されたドレイン配管
35a、35bより排出される。
室32内に侵入したクーラントは、フリンジャ33で弾
き飛ばされて、切り欠き39より外部に排出される。以
上が、通常のクーラント排出動作である。この点、図2
を用いてさらに詳しく説明する。図2は、シール部材3
4の作用の説明図である。ロータ軸9と隔壁38間に
は、シール部材34が配置されており、図2(a)はこ
のシール部材34が新しく取り付けられた使用開始時の
状態を示している。このシール部材34は締め代がない
かもしくは締め代が小さいものとしている。そのため、
シール部材34のリップ34aは、ロータ軸9に軽く接
触している。使用を続けていくと、主軸1即ちロータ軸
9の高速回転により、シール部材34のリップ34aが
摩耗し、このリップ34aとロータ軸9間に微少な隙間
が図2(b)に示すように発生する。
内に侵入しても、前述したようにクーラントはフリンジ
ャ33で弾き飛ばされて、回転ジョイント取付ハウジン
グ30に設けられた切り欠き39より外部に排出され
る。
供給部品が故障するなどの何らかの原因により、多量の
クーラントの漏れが発生し、ドレイン配管35a、35
bより排出されるよりも、この漏れクーラント量が多い
場合には、上記シール部材34のリップ34aとロータ
軸9の隙間を通り、多量のクーラントが気室32に侵入
する。この侵入量が多いことにより、クーラントをフリ
ンジャ33で完全に弾き飛ばすことができず、この漏れ
クーラントがスピンドルモータ内部や、主軸内部に侵入
する可能性がある。
(c)に示すように、多量の漏れクーラントが発生した
時には、気室31内の圧力Pが上昇し、この圧力Pによ
って、弾性力のあるシール部材34は押し拡げられ、そ
のリップ34aをロータ軸9に押し付けることになる。
これにより、クーラントの気室32への侵入は減少し、
若しくはなくなり、フリンジャ33によるクーラントの
排出を完全にして、クーラントのスピンドルモータ内部
や主軸内部への侵入を防止することができる。
発生した場合には、従来と同様に、例えば、ドレイン配
管35a、35bに流量センサ等を配設し、クーラント
の流量が設定値を越えるとアラームを発生させるように
して、この多量の漏れを検出しアラームを発生させて、
加工、クーラントの供給を停止させるようにすればよ
い。多量のクーラント漏れが発生したとき、上記シール
部材34でクーラントの主軸やスピンドルモータ内部へ
の侵入を一時的に阻止し、その阻止している間に、加工
を停止し、クーラントの供給を停止して主軸やスピンド
ルモータを保護するものである。
付ハウジング12を区切り2つの室を形成したが、さら
に区切りを多くし、さらに多くの室を形成してもよい。
この場合、いずれかの室又は複数の室に対して、前記ド
レイン配管及び/又はシール部が配設するようにする。
構造として、フリンジャを用いたが、このフリンジャに
代えてラビリンスを用いてもよい。
において、主軸及び該主軸に連結されたスピンドルモー
タのロータ軸に設けられている貫通孔にクーラントを外
部から注入させる際に、この外部の固定部材と高速回転
する主軸ロータ軸間でクーラントの漏れが多量に発生し
たときに、シール部材によって自動的にクーラントの主
軸内部さらにはスピンドルモータ内部への侵入を防止こ
とにより、主軸さらにはスピンドルモータを保護するこ
とができる。
付部の要部構造を示す図である。
である。
トの主軸構造の例で、主軸とスピンドルモータのロータ
軸が連結された構造の例を示す図である。
トの主軸構造の例で、主軸がスピンドルモータにより伝
動手段を介して駆動される構造の例を示す図である。
トの主軸構造の例で、主軸内にスピンドルモータがビル
トインされている構造の例を示す図である。
における回転ジョイント取付部の要部構造を示す図であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 主軸の軸方向に穿設された貫通孔若しく
は主軸と軸が連結され該軸及び主軸の軸方向に夫々穿設
され連通する貫通孔にクーラントを通すスピンドルスル
ークーラントを備えた主軸構造において、主軸若しくは
該主軸に連結された軸の軸端に設けたハウジングにクー
ラント供給部とドレイン配管とを配設し、前記貫通孔に
クーラントを供給すると共に、前記クーラント供給部か
ら漏出したクーラントを前記ドレイン配管から排出する
ようにしたスピンドルクーラントを備えた主軸保護構造
であって、前記ハウジング内に延出された前記主軸若し
くは該主軸に連結された軸の外周に弾性を有するシール
部材を設けたことを特徴とする主軸保護構造。 - 【請求項2】 前記主軸構造は、前記主軸を伝動手段を
介してモータで駆動する主軸構造、主軸構造内にモータ
がビルトインされている主軸構造又は主軸とモータのロ
ータ軸が連結され、該ロータ軸の軸線方向に穿設された
貫通孔及び前記主軸の貫通孔を介してクーラントが供給
される主軸構造のいずれかである請求項1記載の主軸構
造。 - 【請求項3】 前記ハウジングは1つ乃至複数の室から
構成され、いずれかの室乃至複数の室に対して、前記ド
レイン配管及び/又はシール部が配されていることを特
徴とする請求項1又は請求項2記載の主軸保護構造。 - 【請求項4】 前記ハウジング内には、前記シール部材
に加えてフリンジャ、ラビリンスなどの第2のシール手
段が施されている請求項1、請求項2又は請求項3に記
載の主軸保護構造。 - 【請求項5】 前記シール部材は、前記クーラント供給
部から漏出したクーラントの圧力によってシール性が増
加するように構成されていることを特徴とする請求項1
乃至4の内いずれか1項に記載の主軸保護構造。 - 【請求項6】 前記シール部材は、前記クーラント供給
部から漏出したクーラントの圧力によってシール部材が
軸側に押し付けられることを特徴とする請求項1乃至4
の内いずれか1項に記載の主軸保護構造。 - 【請求項7】 前記シール部材は、前記主軸の回転によ
る発熱を低減可能な程度に軸側との締め代がない又は充
分少ないことを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか
1項に記載の主軸保護構造。
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