JP2002319644A - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents
半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置Info
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Abstract
波信号成分の反射によるノイズが入り込んで半導体素子
が誤作動を起こすのを防ぐことにより、信頼性の高いも
のとすること。 【解決手段】 半導体パッケージに収納される回路基板
6は、その上面に一端が半導体素子5に電気的に接続さ
れ他端が上面の周縁部に達しているとともに途中に高抵
抗部8を設けた接地用の線路導体6bが形成され、下面
に接地導体層6cが形成されており、側面に上下面を貫
通するとともに上面側開口に線路導体6bの他端が達し
ている切欠き部16が形成されており、かつ切欠き部1
6の内面に線路導体6bの他端と接地導体層6cとを電
気的に接続する導体層16bが形成されている。
Description
する半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッ
ケージに関する。
クロ波帯、ミリ波帯等の高周波信号を用いる各種半導体
素子を収納する半導体素子収納用パッケージ(以下、半
導体パッケージという)には、半導体素子を電気的に接
地させるための線路導体が設けられている。この半導体
パッケージを図5に断面図で示す。同図において、21
は基体、22は枠体、26は回路基板である。
−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン
(W)の焼結材等から成る略四角形状の板状体であり、
その上側主面の略中央部には、IC、LSI、半導体レ
ーザ(LD)、フォトダイオード(PD)等の半導体素
子25を搭載して成る回路基板26を載置する載置部2
1aが形成されている。載置部21aには、半導体素子
25が、例えばアルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウ
ム(AlN)、ムライト(3Al2O3・2SiO 2)等
のセラミックスから成る回路基板26に搭載された状態
で載置固定される。回路基板26の下面には、接地導体
層26cが被着形成されており、銀(Ag)ろう、Ag
−銅(Cu)ろう等のろう材や半田によって接地導体層
26cと載置部21aが強固に接着固定される。
子25は、その電極が回路基板26に被着形成されてい
る第1の線路導体26aと第2の線路導体26bにそれ
ぞれボンディングワイヤ27a,27bを介して電気的
に接続されている。
1aを囲繞するようにして枠体22が立設されており、
枠体22は基体21とともにその内側に半導体素子25
を収容する空所を形成する。この枠体22は基体21と
同様にFe−Ni−Co合金やCu−Wの焼結材等から
成り、基体21と一体成形される、または基体21にA
gろう、Ag−Cuろう等のろう材を介してろう付けさ
れる、またはシーム溶接法等の溶接法により接合される
ことによって基体21の上側主面外周部に立設される。
着される貫通孔22aが形成されており、貫通孔22a
内に同軸コネクタ23を嵌め込むとともに半田等の封着
材を貫通孔22a内の隙間に挿入し、しかる後、加熱し
て封着材を溶融させ、溶融した封着材を毛細管現象によ
り同軸コネクタ23と貫通孔22aの内壁との隙間に充
填させることによって、同軸コネクタ23が貫通孔22
a内に半田等の封着材を介して嵌着接合される。
路としてFe−Ni−Co合金等の金属から成る棒状の
中心導体23aが固定されている。中心導体23aが半
田等から成る導電性接着材を介して回路基板26の第1
の線路導体26aに電気的に接続される。この同軸コネ
クタ23には、外部電気回路(図示せず)に接続された
同軸ケーブル(図示せず)が装着されることによって、
内部に収納された半導体素子25が同軸コネクタ23の
中心導体23aを介して外部電気回路に電気的に接続さ
れることとなる。
平面図を示すように、回路基板26の第2の線路導体2
6bの延長部の側面に設けられた導体層26dを介し
て、接地導体層26cに電気的に接続される。第2の線
路導体26bには高抵抗部28が設けられており、第2
の線路導体26bに接続されて接地導体層26cに接地
される半導体素子25の終端用信号に含まれる高周波信
号成分を電気エネルギーから熱エネルギーに変換し、接
地導体層26cからの反射によるノイズを抑制して、終
端用信号を電気的に接地している。
図7に要部拡大平面図を示すように、第2の線路導体2
6bの高抵抗部28と、ボンディングワイヤ27bが接
続された側と反対側の回路基板26の側面との間に貫通
孔26eを設け、その貫通孔26e内面に導体層を設け
ることによって、第2の線路導体26bを接地導体層2
6cに電気的に接続する構成が提案されている(特開平
10−51069号公報参照)。
内部に半導体素子25を収容し、枠体22の上面に蓋体
24をろう付けやシームウエルド法等の溶接法により接
合して容器内部を気密に封止することによって製品とし
ての半導体装置となる。
来の半導体パッケージにおいては、回路基板26に設け
た第2の線路導体26bを伝わる終端用信号の高周波化
が進むと、第2の線路導体26bに設けられた高抵抗部
28において、終端用信号の電気エネルギーを熱エネル
ギーに変換することが困難になってきた。そのため、第
2の線路導体26bを伝送する終端用信号を確実に接地
できなくなり、第2の線路導体26bを伝わる終端用信
号によって接地導体層26cからの反射によるノイズが
発生し、そのノイズが半導体素子25に入り込んで半導
体素子25に誤動作を発生させるという問題点を有して
いた。
れたりマイクロ波帯、ミリ波帯等の高周波信号を用いる
各種半導体素子を組み込んだ半導体装置の高速情報処理
化が進み、第1の線路導体26aおよび第2の線路導体
26bを介して半導体素子25に入出力される信号がよ
り高周波領域になると、より顕著となっていた。
れたものであり、その目的は、半導体素子の終端用電極
に終端用信号の高周波信号成分の反射によるノイズが入
り込んで半導体素子が誤作動を起こすのを防ぐことによ
り、信頼性の高いものとすることである。
ジは、上側主面に半導体素子および回路基板を載置する
ための載置部を有する基体と、前記上側主面の外周部に
前記載置部を囲繞するように接合された枠体とを具備し
た半導体素子収納用パッケージにおいて、前記回路基板
は、その上面に一端が前記半導体素子に電気的に接続さ
れ他端が前記上面の周縁部に達しているとともに途中に
高抵抗部を設けた接地用の線路導体が形成され、下面に
接地導体層が形成されており、側面に上下面を貫通する
とともに上面側開口に前記線路導体の他端が達している
切欠き部が形成されており、かつ前記切欠き部の内面に
前記線路導体の他端と前記接地導体層とを電気的に接続
する導体層が形成されていることを特徴とする。
するとともに上面側開口に線路導体の他端が達している
切欠き部が形成されており、かつ切欠き部の内面に線路
導体の他端と接地導体層とを電気的に接続する導体層が
形成されていることから、線路導体を伝送する終端用信
号のうち高抵抗部において電気エネルギーから熱エネル
ギーに変換しきれないものを、切欠き部の内面に形成さ
れた導体層において枠体に向けて放射させることによ
り、終端用信号を確実に接地することができ、線路導体
の他端における終端用信号の高周波信号成分の反射を減
少させることができる。
部は前記線路導体よりも幅広であることを特徴とする。
電気的に接地しきれない終端用信号を切欠き部の内面に
形成された導体層において、枠体に向けて終端用信号を
放射し易くなる。即ち、線路導体に設けられた高抵抗部
において電気エネルギーから熱エネルギーに変換しきれ
ない終端用信号を放射させることによって、終端用信号
をより確実に接地させることができる。
路基板の上面に前記線路導体を取り囲むように形成され
るとともに前記線路導体の他端側に接続された同一面接
地導体層が形成されていることを特徴とする。
他端において線路導体を伝送する終端用信号を電気的に
接地させるための接地導体層の面積を拡大できるため、
線路導体から接地導体層に向けての終端用信号の伝送を
スムーズに行なうことができ、他端における終端用信号
の高周波信号成分の反射を有効に減少させることができ
る。また、線路導体に略平行にかつ取り囲むように同一
面接地導体層が設けられていることから、線路導体から
同一面接地導体層に終端用信号の高周波信号成分を空間
を介して短絡させることができ、線路導体において終端
用信号を減衰させてより確実に接地することができる。
即ち、線路導体を進行する終端用信号は、線路導体の他
端側に向かって同一面接地導体層に空間を介して短絡さ
れながら進行するため、他端側にいくにつれて大幅に減
衰されることとなる。
体を伝わる終端用信号の高周波信号成分によって反射に
よるノイズが発生してそのノイズが半導体素子に入り込
むのを防止し、その結果半導体素子を正常に作動させ得
る。
体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定され
た前記回路基板および前記半導体素子と、前記枠体の上
面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
の半導体パッケージを用いた信頼性の高い半導体装置を
提供できる。
て以下に詳細に説明する。図1は本発明の半導体パッケ
ージについて実施の形態の一例を示す断面図であり、1
は基体、2は枠体、6は回路基板である。
等の金属やCu−Wの焼結材等から成る略四角形状の板
状体であり、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工
等の従来周知の金属加工法、または射出成形と切削加工
等を施すことによって、所定の形状に製作される。基体
1の上側主面の略中央部には、IC、LSI、LD、P
D等の半導体素子5を載置するための載置部1aが形成
されており、載置部1aには半導体素子5が、例えばA
l2O3、AlN、3Al2O3・2SiO2等のセラミッ
クスからなる回路基板6に搭載された状態で載置固定さ
れる。回路基板6の下面には接地導体層6cが被着され
ており、Agろう、Ag−Cuろう等のろう材や金(A
u)−錫(Sn)半田や鉛(Pb)−Sn半田等の半田
等によって接地導体層6cと載置部1aが強固に接着固
定される。
上面に被着形成されている第1の線路導体6aおよび第
2の線路導体6bにそれぞれボンディングワイヤ7a,
7bを介して電気的に接続されている。
スから成る場合、以下のようにして作製される。まず、
Al2O3,酸化珪素(SiO2),酸化カルシウム(C
aO),酸化マグネシウム(MgO)等の原料粉末に適
当な有機バインダや可塑剤,分散剤,溶剤等を添加混合
して泥漿状となす。これを従来周知のドクターブレード
法でシート状となすことによってセラミックグリーンシ
ートを得る。しかる後、このセラミックグリーンシート
に適当な打ち抜き加工を施す、または、Al2O3,Si
O2,CaO,MgO等の原料粉末を金型に充填しプレ
ス成型することによって、所定の形状に成形する。その
セラミックグリーンシートの上面に第1の線路導体6
a、接地用の第2の線路導体6bおよび接地導体層6c
となる金属ペーストを印刷塗布し、還元雰囲気中で約1
600℃の温度で焼成することによって製作される。
および接地導体層6cとなる金属ペーストは、W,モリ
ブデン(Mo),マンガン(Mn)等の高融点金属粉末
に適当な有機バインダや溶剤を添加混合してペースト状
となしたものを従来周知のスクリーン印刷法を採用して
印刷することにより、セラミックグリーンシートまたは
セラミックスの成形体に印刷塗布される。
体6bおよび接地導体層6cは薄膜形成法によって形成
されていても良く、その場合、第1の線路導体6a、第
2の線路導体6bおよび接地導体層6cは窒化タンタル
(Ta2N)、ニクロム(Ni−Cr合金)、チタン
(Ti)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、Au等
から形成され、セラミックグリーンシートを焼成した後
に形成される。
2のように、上面に第1の線路導体6aと下面に接地導
体層6c−Aが被着された回路基板6−Aと、上面に第
2の線路導体6bと下面に接地導体層6c−Bが被着さ
れた回路基板6−Bから構成されていても良い。その場
合、半導体素子5は回路基板6−Aと回路基板6−Bの
間に載置固定され、半導体素子5の電極が第1の線路導
体6aおよび第2の線路導体6bにそれぞれボンディン
グワイヤ7a,7bを介して電気的に接続されていても
良い。
部1aを囲繞するようにして枠体2が立設されており、
枠体2は基体1とともにその内側に半導体素子5を収容
する空所を形成する。この枠体2は、基体1と同様にF
e−Ni−Co合金やCu−Wの焼結材等から成り、基
体1と一体成形される、または基体1に銀ろう等のろう
材を介してろう付けされる、またはシーム溶接法等の溶
接法により接合されることによって基体1の上側主面の
外周部に立設される。
か、またはセラミックス等の誘電体材料から成りかつそ
の表面にメタライズ層等の導体層が形成されているのが
好ましい。この場合、後述するように、第2の線路導体
6bを伝送する終端用信号のうち高抵抗部8において電
気エネルギーから熱エネルギーに変換しきれないもの
を、切欠き部16の内面に形成された導体層16bで枠
体2に向けて放射させることにより、枠体2で終端用信
号を確実に接地させることができる。
れる貫通孔2aが形成されており、貫通孔2a内には同
軸コネクタ3を嵌め込むとともにAu−Sn半田やPb
−Sn半田等の封着材を貫通孔2aとの隙間に挿入し、
しかる後、加熱して封着材を溶融させ、溶融した封着材
は毛細管現象により同軸コネクタ3と貫通孔2aの内壁
との隙間に充填されることによって、同軸コネクタ3が
貫通孔2a内に半田等の封着材を介して嵌着接合され
る。
部に収容する半導体素子5を外部電気回路に接続された
同軸ケーブルに電気的に接続させるものであり、Fe−
Ni−Co合金等の金属から成る円筒形等の筒状の外周
導体に、ガラス等の絶縁体が充填され中心軸にFe−N
i−Co合金等の金属から成る中心導体3aが固定され
て成る。中心導体3aが半田等から成る導電性接着材を
介して回路基板6の第1の線路導体6aに電気的に接続
される。この同軸コネクタ3に、外部より同軸ケーブル
が装着されることによって、内部に収納された半導体素
子5が同軸コネクタ3の中心導体3aを介して外部電気
回路に電気的に接続されることとなる。
の上面に形成された第1の線路導体6aとがボンディン
グワイヤ7aにより電気的に接続され、第1の線路導体
6aと中心導体3aとが半田等の導電性接着材を介して
電気的に接続される。
の線路導体6bは、図3に示すように、一端が半導体素
子5に電気的に接続され、他端が回路基板6の上面の周
縁部に達しており、かつ途中に高抵抗部8が設けられ、
下面に接地導体層6cが形成されている。また、回路基
板6の側面に上下面を貫通するとともに上面側開口に線
路導体6bの他端が達している切欠き部16が形成され
ており、かつ切欠き部16の内面に線路導体6bの他端
と接地導体層6cとを電気的に接続する導体層16bが
形成されている。さらに、好ましくは、切欠き部16の
幅が線路導体6bよりも幅広である場合、線路導体6b
の他端において、切欠き部16の周縁部に線路導体6b
と導体層16bとを電気的に接続するための周縁部導体
層(第2の導体層)16aが形成されている。このよう
にして、第2の線路導体6bが切欠き部16の内面に設
けられた導体層16bを介して接地導体層6cに電気的
に接続される。
の他端において切欠き部16が設けられ、第2の線路導
体6bの他端から切欠き部16の内面および接地導体層
6cにかけて導体層16bが形成されていることから、
第2の線路導体6bを伝送する終端用信号のうち高抵抗
部8において電気エネルギーから熱エネルギーに変換し
きれないものを、切欠き部16の内面に形成された導体
層16bで枠体2に向けて放射させることにより、終端
用信号を確実に接地させることができる。その結果、第
2の線路導体6bの他端における終端用信号の高周波信
号成分の反射を有効に減少させることができる。
抵抗部8は、Ta2N、Ni−Cr合金等の材料から成
り、回路基板6に印刷塗布された後に焼成されるか、薄
膜形成法により形成され、所望の抵抗値を有する厚み、
幅、形状になるように形成される。抵抗値を微小調整す
るために、高抵抗部8の一部をレーザー加工によって除
去することもできる。
6の幅が線路導体6bより幅広であるのが良く、この場
合第2の線路導体6bを伝送する終端用信号のうち高抵
抗部8で電気エネルギーから熱エネルギーに変換しきれ
ないものを、切欠き部16の内面に形成された導体層1
6bで枠体2に向けて放射させ易くする。これにより、
終端用信号をより確実に接地させることができ、第2の
線路導体6bの他端における終端用信号の高周波信号成
分の反射を有効に減少させることができる。
6の上面に第2の線路導体6bに略平行にかつ取り囲む
ように形成されるとともに第2の線路導体6bの他端側
に接続された同一面接地導体層17を形成することによ
り、第2の線路導体6bの他端で第2の線路導体6bを
伝送する終端用信号を電気的に接地させるための接地導
体層の面積を拡大できる。そのため、第2の線路導体6
bから接地導体層に向けての終端用信号の伝送をスムー
ズに行なうことができ、第2の線路導体6bの他端にお
ける終端用信号の高周波信号成分の反射を有効に減少さ
せ得る。
取り囲むように同一面接地導体層17が設けられている
ため、第2の線路導体6bから同一面接地導体層17に
終端用信号の高周波信号成分を空間を介して短絡させる
ことができ、第2の線路導体6bにおいて終端用信号を
減衰させてより確実に接地させることができる。
基板6の上面に第2の線路導体6bを取り囲むように設
けられるが、好ましくは、回路基板6の上面の略全周に
設けられるのがよく、同一面接地導体層17から高周波
信号成分が枠体2に向けて放射され易くなる。即ち、第
2の線路導体6bに設けられた高抵抗部8において接地
しきれない終端用信号を放射させることによって、終端
用信号をより確実に接地することができる。
わる終端用信号をより確実に接地することができ、第2
の線路導体6bを伝わる終端用信号の高周波信号成分に
よって接地導体層6cからの反射によるノイズが発生し
そのノイズが半導体素子5に入り込んで誤動作するのを
防止し、半導体素子5を正常に作動させ得る。
合金等の金属から成る蓋体4を半田付けやシームウエル
ド法により接合することにより製品としての半導体装置
となる。蓋体4により、容器内部に収容した半導体素子
5を気密に収容し、半導体素子5を長期にわたり正常か
つ安定に作動させることができる。この半導体装置は、
基体1が外部電気回路基板に実装され、同軸コネクタ3
と外部電気回路に接続された同軸ケーブルとを接続する
ことにより、内部に収容した半導体素子5が外部電気回
路に電気的に接続され、半導体素子5が高周波信号で作
動することとなる。
れる高周波信号の好ましい周波数は5〜20GHz程度
であり、この場合に高周波信号の伝送特性を良好なもの
とすることができる。
て、第2の線路導体6bの伝送特性を以下のように解析
した。伝送特性の解析は、図8(a)〜(f)に示す6
種類の解析モデルについて行なった。これらの解析モデ
ルは、図2の構成をモデル化したものである。即ち、回
路基板6が回路基板6−A,回路基板6−Bから成る構
成をモデル化したものである。
で、切欠き部16を設けた解析モデル(モデルA)であ
り、切欠き部16の幅がW=0.5mmの場合である。
(b)は、モデルAにおいて切欠き部16の幅がW=
1.0mmの場合である。(c)は、モデルAにおいて
切欠き部16の幅がW=2.0mmの場合である。
(d)は、従来構成であり、第2の線路導体26bと接
地導体層とを回路基板26側面に設けた導体層26dに
より電気的に導通させた場合の解析モデル(モデルB)
である。(e)は、従来構成であり、第2の線路導体2
6bと接地導体層を直径0.5mmの貫通孔の内面に設
けた導体層により電気的に導通させた場合の解析モデル
(モデルC)である。(f)は、切欠き部16の幅がW
=2.0mmであり、第2の線路導体6bを取り囲むよ
うに同一面接地導体層17が設けられた場合の解析モデ
ル(モデルD)である。
6)(厚さ1.0mm)はアルミナセラミックス(比誘
電率εr=9.4)からなり、回路基板6(26)の上
面にはTa2Nから成る50Ωの高抵抗部8(28)を
有する線路導体6b(26b)を形成した。そして、ボ
ンディングワイヤ7b(27b)が接続される側と反対
側の回路基板6の側面の第2の線路導体6b(26b)
を延長した部位に、切欠き部16と導体層16b、また
は導体層26dを形成した。また、図8(e)では、高
抵抗部28とボンディングワイヤ27bが接続される側
と反対側の回路基板26の側面との間に貫通孔26eを
設け、貫通孔26e内面に導体層を形成したことによ
り、第2の線路導体26bを回路基板26の下面の接地
導体層26cに電気的に接続した。
電極の両脇に接地用電極が設けられているものについて
モデル化しているため、その接地用電極にボンディング
ワイヤ7b(27b)を介して接続される接地電極層
を、回路基板6(26)の上面の縁部で第2の線路導体
6b(26b)の両側に形成した。その接地電極層は、
回路基板6(26)の側面に設けられた配線導体を介し
て接地導体層6cに電気的に接続されるようにした。
1)の材質はFe−Ni−Co合金、枠体2(22)の
材質はFe−Ni−Co合金、ボンディングワイヤ7b
(27b)の材質はAuであり、それぞれ同様の材質か
ら成るものとし、回路基板6(26)、第2の線路導体
6b(26b)、切欠き部16、周縁部導体層16aお
よび同一面接地導体層17の詳細な寸法は、それぞれ図
8(a)〜(f)に示す通りとした(単位はmm)。こ
れらの解析モデルに対し、0〜20GHzの周波数帯域
について、第2の線路導体6b(26b)を伝送する終
端用信号の反射損失をシミュレーションにより求めた。
ある。図9において、モデルAとモデルBとの比較を行
なうと、周波数が5〜20GHzの場合、従来のモデル
Bに比べ、本発明のモデルAで切欠き部16の幅W=
1.0mm,2.0mmにおいて反射損失が改善されて
いることがわかる。
いて、各解析モデルを構成する各部材は、それぞれ同様
の材質から成っており、第2の線路導体6b(26b)
部、接地導体層6c(26c)部、導体層6d(26
d)部および高抵抗部8(28)に起因する伝送損失は
同じとみなせることから、各解析モデルの伝送損失の違
いは、切欠き部16と切欠き部16内面の導体層16b
の有無、切欠き部16の幅Wに基づくものとみなせる。
の幅W=1.0mm,2.0mmの場合は、従来のモデ
ルBに比べ、5〜20GHzの反射特性に優れた良好な
信号線路を構成することがわかった。これは、切欠き部
16と切欠き部16内面に導体層16bを設けることに
よって、第2の線路導体6bを伝送する終端用信号のう
ち高抵抗部8において電気エネルギーから熱エネルギー
に変換しきれないものを、導体層16bで枠体2に向け
て放射させることにより終端用信号を確実に接地させ
て、第2の線路導体6bの他端での終端用信号の反射を
減少できたためである。ここで、切欠き部16の幅がW
=0.5mmの場合、切欠き部16の幅が狭く終端用信
号を放射させる機能を十分発揮できず、反射特性を改善
できなかったものと考えられる。
能を発揮させるためには、切欠き部16の幅を適切な大
きさとする必要がある。図9の結果より、切欠き部16
の幅Wが広い場合に反射特性が良いと考えられ、線路導
体6bの幅以上であるのが好ましいことが判った。
幅W=0.5mmの場合と従来構成のモデルCとを比較
すると、モデルAの反射特性が優れていた。これは、回
路基板6(26)上面の第2の線路導体6b(26b)
と下面の接地導体層6c(26c)との電気的接続は、
内面に導体層を設けた貫通孔26eによって行なうより
も、内面に導体層16bを設けた切欠き部16を介して
行なう方が良く、導体層16bが終端用信号を放射させ
て反射特性を改善できたと考えられる。
欠き部16の幅W=2.0mmとしたモデルにおいて、
回路基板6上面の略全周に第2の線路導体6bを取り囲
むように形成されるとともに第2の線路導体6bの他端
側に接続された同一面接地導体層17を設けたものであ
り、モデルA以上に反射特性が改善された。
2の線路導体6を伝送する終端用信号を接地させるため
の接地導体層6cの面積を拡大でき、第2の線路導体6
から接地導体層6cに向けての終端用信号の伝送をスム
ーズに行なうことができ、他端における終端用信号の反
射を減少させることができたためと考えられる。また、
同一面接地導体層17により、第2の線路導体6bから
同一面接地導体層17に終端用信号を空間を介して短絡
させることができ、第2の線路導体6bにおいて終端用
信号を減衰させて確実に接地させることができたためで
あると考えられる。さらに、第2の線路導体6bに設け
られた高抵抗部8で接地しきれない終端用信号を同一面
接地導体層17において枠体2に向けて放射させること
により、終端用信号をより確実に接地させることができ
たためと考えられる。
ことで、モデルDが終端用信号の最も良好な反射特性を
有すると考えられる。このような、終端用信号を確実に
接地することによる反射特性の向上は終端用信号の周波
数が高くなるほど重要である。
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば
種々の変更は可能である。
載置された回路基板は、その上面に一端が半導体素子に
電気的に接続され他端が上面の周縁部に達しているとと
もに途中に高抵抗部を設けた接地用の線路導体が形成さ
れ、下面に接地導体層が形成されており、側面に上下面
を貫通するとともに上面側開口に線路導体の他端が達し
ている切欠き部が形成されており、かつ切欠き部の内面
に線路導体の他端と接地導体層とを電気的に接続する導
体層が形成されていることにより、線路導体を伝送する
終端用信号のうち高抵抗部で電気エネルギーから熱エネ
ルギーに変換しきれないものを、切欠き部の内面に形成
された導体層で枠体に向けて放射させることにより、終
端用信号を確実に接地させることができ、線路導体の他
端における終端用信号の高周波信号成分の反射を有効に
減少させることができる。
よりも幅広であるようにすることにより、高抵抗部で電
気的に接地しきれない終端用信号を、切欠き部の内面の
導体層で枠体に向けて放射させ易くすることによって、
終端用信号をより確実に接地させることができる。
体を取り囲むように形成されるとともに線路導体の他端
側に接続された同一面接地導体層が形成されることによ
り、線路導体の他端において終端用信号を接地させるた
めの接地導体層の面積を拡大できるため、線路導体から
接地導体層に向けての終端用信号の伝送をスムーズに行
なうことができ、線路導体の他端における終端用信号の
高周波信号成分の反射を有効に減少させ得る。また、線
路導体から同一面接地導体層に終端用信号の高周波信号
成分を空間を介して短絡させることができ、線路導体に
おいて終端用信号を減衰させてより確実に接地すること
ができる。さらに、線路導体に設けられた高抵抗部で接
地しきれない終端用信号を同一面接地導体層で枠体に向
けて放射させることによって、終端用信号をより確実に
接地させ得る。
高周波信号成分によって反射によるノイズが発生しその
ノイズが半導体素子に入り込むのを防止し、半導体素子
を正常に作動させることが可能となる。
子収納用パッケージと、載置部に載置固定された回路基
板および半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体と
を具備したことにより、上記本発明の作用効果を有する
半導体パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
の例を示す断面図である。
態の他の例を示す断面図である。
基板の要部拡大平面図である。
基板の要部拡大平面図である。
板の要部拡大平面図である。
板の要部拡大平面図である。
ケージの回路基板の各実施例を示し、(d),(e)は
従来の半導体パッケージにおける回路基板の各例を示す
ものであり、(a)は本発明の回路基板の解析モデル
(モデルA)の平面図、(b)は本発明の回路基板の解
析モデル(モデルAの他の例)の平面図、(c)は本発
明の回路基板の解析モデル(モデルAの他の例)の平面
図、(d)は従来の回路基板の解析モデル(モデルB)
の平面図、(e)は従来の回路基板の解析モデル(モデ
ルC)の平面図、(f)は本発明の回路基板の解析モデ
ル(モデルD)の平面図である。
の解析結果を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 上側主面に半導体素子および回路基板を
載置するための載置部を有する基体と、前記上側主面の
外周部に前記載置部を囲繞するように接合された枠体と
を具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記
回路基板は、その上面に一端が前記半導体素子に電気的
に接続され他端が前記上面の周縁部に達しているととも
に途中に高抵抗部を設けた接地用の線路導体が形成さ
れ、下面に接地導体層が形成されており、側面に上下面
を貫通するとともに上面側開口に前記線路導体の他端が
達している切欠き部が形成されており、かつ前記切欠き
部の内面に前記線路導体の他端と前記接地導体層とを電
気的に接続する導体層が形成されていることを特徴とす
る半導体素子収納用パッケージ。 - 【請求項2】 前記切欠き部は前記線路導体よりも幅広
であることを特徴とする請求項1記載の半導体素子収納
用パッケージ。 - 【請求項3】 前記回路基板の上面に前記線路導体を取
り囲むように形成されるとともに前記線路導体の他端側
に接続された同一面接地導体層が形成されていることを
特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体素子収
納用パッケージ。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体
素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定された
前記回路基板および前記半導体素子と、前記枠体の上面
に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする半導体
装置。
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