JP2002316018A - ハロゲン系ガスの除去方法 - Google Patents

ハロゲン系ガスの除去方法

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JP2002316018A JP2001124231A JP2001124231A JP2002316018A JP 2002316018 A JP2002316018 A JP 2002316018A JP 2001124231 A JP2001124231 A JP 2001124231A JP 2001124231 A JP2001124231 A JP 2001124231A JP 2002316018 A JP2002316018 A JP 2002316018A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸着剤の発火を抑制し、ハロゲン系ガスの処理
能力が高く、使用済み吸着剤の臭気及び固形廃棄物の発
生を低減した、ハロゲン系ガスの除去方法を提供する。 【解決手段】一次粒子の平均粒子径10〜500μmの
炭酸水素塩を造粒し、温度40℃以上かつ80℃未満に
おいて、前記ハロゲン系ガスに接触させて除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン単体又は
ハロゲン化合物からなるハロゲン系ガスの除去方法に関
し、例えば、ハロゲン系ガスを含有するドライエッチン
グ排ガス等からハロゲン系ガスを除去する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハロゲン単体又はハロゲン化
合物からなるハロゲン系ガスを含有するドライエッチン
グ排ガスやCVD(化学気相蒸着法)チャンバーの排ガ
ス等の処理方法として、設備の小型化及び操作の簡便化
のため、活性炭等の吸着剤を使用した乾式による処理方
法等が採用されている。しかし、活性炭の吸着容量が小
さいため処理時間が短いこと、ガス吸着時の吸着熱によ
る発火、使用済み吸着剤の臭気及び固形廃棄物の発生等
が問題であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑み、吸着剤の発火を抑制し、ハロゲン系ガスの処理
能力が高く、使用済み吸着剤の臭気及び固形廃棄物の発
生を低減し、吸着剤入れ替え作業頻度の低い、ハロゲン
系ガスの除去方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一次粒子の平
均粒子径10〜500μmの炭酸水素塩の粉末を造粒
し、得られた造粒物を、温度40℃以上かつ80℃未満
において、ハロゲン単体又はハロゲン化合物からなるハ
ロゲン系ガスに接触させてハロゲン系ガスを除去する、
ハロゲン系ガスの除去方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、炭酸水素塩とし
ては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が使用
できる。特に、大量かつ安価に入手できることから工業
的に適していることや、吸湿性がなく、造粒物の製造や
保存にあたって使用しやすいことから、炭酸水素ナトリ
ウムが好ましい。一方、除去処理後の排ガス等へのナト
リウムの混入を防ぎたい場合は炭酸水素カリウムが好ま
しい。
【0006】本発明において、炭酸水素塩の粉末は造粒
物にする。造粒物は、炭酸水素塩を70質量%以上含有
することが好ましい。造粒物中において、炭酸水素塩が
70質量%未満であると、ハロゲン系ガス除去剤として
のガス処理容量が低下し、除去剤充填層の入れ替え頻度
が高くなるので好ましくない。炭酸水素塩の含有量は、
特に80質量%以上であることが好ましい。なお、造粒
物中において、他に含まれる材料としては、炭酸水素塩
以外の吸着剤、バインダー等が挙げられる。
【0007】本発明において、炭酸水素塩の粉末は、一
次粒子の平均粒子径が10〜500μmであるものを使
用する。一次粒子の平均粒子径が10μm未満である
と、流動性がよくなくハンドリング等の取扱いが難しく
なるため好ましくなく、500μm超であると、技術的
に造粒物の製造が困難であり、コスト的に高くなるため
好ましくない。なお、一次粒子とは炭酸水素塩の単結晶
であり、平均粒子径とは重量基準による平均粒子径であ
る。
【0008】本発明において、炭酸水素塩の粉末の造粒
物の平均粒子径は0.5〜20mmである。造粒物の平
均粒子径が0.5〜20mmであることにより、ハロゲ
ン系ガスの処理の際、従来から使用されている充填塔等
を使用できる。造粒物の平均粒子径が0.5mm未満で
あると、ハロゲン系ガス又はそれを含有する被処理ガス
が充填層等を通過する際の圧力損失が高くなり、平均粒
子径が20mmを超えると、被処理ガスと造粒物との接
触面積が低下し、排ガスの除去性能を低下させる。造粒
物の平均粒子径としては、特に0.5〜10mmが好ま
しい。
【0009】本発明では造粒物の平均粒子径は、以下の
方法により測定する。造粒物の粒子径に対応した範囲の
目開きの篩を重ねあわせ、最下部に底皿を設置し、上か
ら造粒物を注ぎ、振とう機で振とうさせた後、それぞれ
の標準篩上残渣の質量を測定し、各目開き値に対する篩
上残渣質量の累計を折れ線グラフに表し、篩上残渣質量
の累計が50%の時の粒子径を平均粒子径とする。上下
篩の目開きの差は、造粒物の粒子径にもよるが、0.5
mmのピッチを使用することが好ましい。
【0010】本発明において、造粒物は、圧縮成形法、
押出成形法、転動式造粒法、撹拌式造粒法等の様々な方
法によって得ることができる。ここで、圧縮成形法は、
工程が簡略なため工業的に簡便であり、バインダーを使
用しなくても造粒物を得ることができること、また、硬
度が高く壊れにくい、ガス処理容量の大きな造粒物を得
ることができることから、特に好ましい。
【0011】造粒物を得る方法として、例えば、圧縮成
形機を使用し、乾式で成形した後、粗粉砕し、篩分ける
方法が挙げられる。また、水溶性のバインダーを使用し
て湿式の圧縮成形機で成形し、その後乾燥させる方法も
挙げられる。
【0012】本発明において、炭酸水素塩の粉末の造粒
物は、ハロゲン系ガスを処理するために、充填層に充填
されて使用される場合、強度が低いと、粉化して充填層
を通過する際の圧力損失が上昇することがある。このた
め造粒物の強度は高くする。
【0013】本発明における造粒物の強度評価方法とし
て、硬度が挙げられる。ここで、硬度とは、造粒物粒子
の1個を上方より垂直に荷重をかけて圧縮して破壊する
に必要な力のことである。
【0014】本発明での硬度の評価法は、平均粒子径に
応じて造粒物粒子を分級し、粒子径を揃えた粒子群につ
いて行う。例えば、平均粒子径1.5mm以上2.0m
m未満の造粒物については、平均目開き1.5mmの篩
と目開き2.0mmの篩を使用して篩分け、1.5mm
篩上かつ2.0mm篩下の粒子を20個採取し、各粒子
の硬度を測定してその平均値を粒子強度の評価基準とし
て採用する。
【0015】本発明の炭酸水素塩の粉末の造粒物の硬度
としては、平均粒子径0.5mm以上1.0mm未満の
造粒物の場合は粒子径0.5mm以上1.0mm未満の
造粒物の平均硬度が1N以上であり、平均粒子径1.0
mm以上1.5mm未満の造粒物の場合は粒子径1.0
mm以上1.5mm未満の造粒物の平均硬度が4N以上
であり、平均粒子径1.5mm以上2.0mm未満の造
粒物の場合は粒子径1.5mm以上2.0mm未満の造
粒物の平均硬度が10N以上であり、平均粒子径2.0
mm以上20mmの造粒物の場合は粒子径2.0mm以
上の造粒物の平均硬度が30N以上、であることが好ま
しい。
【0016】本発明では、ハロゲン単体又はハロゲン化
合物からなるハロゲン系ガスを除去する。例えば、ハロ
ゲン系ガスを含有するドライエッチング排ガス等を処理
して、該排ガス中のハロゲン系ガスを除去する。ハロゲ
ンとしては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。具体
的なハロゲン単体又はハロゲン化合物としてはBC
3、CCl4、Cl2、SiCl4、HCl、COC
2、F2、SiF4、HF、COF2、NF3、WF6、C
lF3及びHBrから選ばれる一種又は二種以上が挙げ
られる。この他に、I2が挙げられる。
【0017】本発明において、ハロゲン単体又はハロゲ
ン化合物からなるハロゲン系ガスの温度を40℃以上か
つ80℃未満とすることにより造粒物の反応性を高め、
効率的に除去処理でき、造粒物の効果も長く持続する。
ハロゲン系ガスは直接、温度40℃以上かつ80℃未満
にしてもよく、また、造粒物を充填する充填塔等を40
℃以上かつ80℃未満に設定してもよい。ハロゲン系ガ
スの温度が40℃未満であると、反応速度が低下するの
で好ましくない。また、80℃超であると、充填塔等の
設備を高価な耐熱材料又は構造とする必要があり、ま
た、取扱い作業が困難になる等のため好ましくない。ハ
ロゲン系ガスの温度は50℃以上かつ70℃未満が特に
好ましい。
【0018】本発明において、炭酸水素塩は、ハロゲン
単体又はハロゲン化合物と反応し、水溶性の塩を生成す
る。炭酸水素塩自身も水溶性であるために、排ガス中の
ハロゲン系ガスの除去に使用した後の造粒物を水に溶解
できる。また、後述のように、例えば、炭酸水素塩と活
性炭を併用した場合、固形廃棄物を減少できる。
【0019】炭酸水素塩は、ハロゲン単体又はハロゲン
化合物と反応して水溶性の塩を生成するため、活性炭吸
着の場合のようにハロゲン単体又はハロゲン化合物が脱
離して、臭気を発生することがないため、充填層等の入
れ替え作業が容易にできる。また、炭酸水素塩自身に消
火性があるため発火の危険性がない。
【0020】本発明において、前記造粒物を活性炭とと
もに充填塔等の容器に充填してハロゲン系ガスと接触さ
せて、ハロゲン系ガスを除去するのも好ましい。この方
法により、活性炭を単独使用した場合と比較して、ハロ
ゲン単体又はハロゲン化合物の除去量を増加できるのみ
でなく、活性炭からの臭気の発生も低減できる。具体的
には、炭酸水素塩と活性炭を層状に充填塔等の容器に配
置する等して使用する。
【0021】
【実施例】以下の各例において、硬度及び平均粒子径の
測定は下記の方法により行った。
【0022】硬度は、藤原製作所製の木屋式デジタル硬
度計KHT−20型を使用して測定した。また、硬度は
粒子の大きさにより異なるため篩分けして粒子径を揃え
た。
【0023】平均粒子径は、以下の方法により測定し
た。粉末試料100gを、標準篩(内径:200mm、
金網ステンレス製)でそれぞれ目開き5.60mm、
4.75mm、4.00mm、2.80mm、2.00
mm、1.00mmのものを重ねあわせ、最下部に底皿
を設置した上に注ぎ、飯田製作所社製ロータップシェー
カー式振とう機(周波数60Hz、290回転/分、打
数165回/分)で10分間振とうさせた後、それぞれ
の標準篩上残渣の質量を測定し、各目開き値に対する通
過質量の累計をグラフに表し、通過質量の累計が50%
の時の粒子径を平均粒子径とした。
【0024】[例1]一次粒子の平均粒子径が91μmの
食品添加物用炭酸水素ナトリウムの粉末(旭硝子社製)
300kgをロールプレス式圧縮成形機(ターボ工業社
製、商品名:ローラーコンパクターWP型、ロール外径
230mm、ロール長80mm)を使用して線圧36.
8kN/cmで圧縮成形し、フレーク状の炭酸水素ナト
リウムの粉末の成形体を得た。得られたフレーク状の成
形体をフレークブレーカーで粗砕し、ロータリー式整粒
機のメッシュを4.75mmに設定して全通させた後、
回転篩機(ターボ工業社製、商品名:ターボスクリーナ
ーTS型)を使用して、粒子径4.0mm以上の粒子と
粒子径1.0mm以下の粒子を除去し、平均粒子径が
2.3mmの炭酸水素ナトリウムの粉末の造粒物を得
た。
【0025】また、前述の硬度測定法によって、造粒物
の粒子強度を測定した。すなわち得られた平均粒子径
2.3mmの造粒物を0.5mm、1.0mm、1.5
mm、2.0mm、2.5mmの目開きの篩で篩分け、
各粒度の硬度を20個測定し平均値を求めたところ、
0.5mm以上1.0mm未満の粒子の平均硬度が4
N、1.0mm以上1.5mm未満が12N、1.5m
m以上2.0mm未満が23N、2.0mm以上が63
Nであった。
【0026】次に、底面が通気性焼結板で内径300m
m、長さ1300mmのフッ素樹脂ライニング付きステ
ンレス鋼製の充填容器に、充填物として前記造粒物を3
0kg充填した。被処理ガスとして、標準状態での組成
比がBCl3:20体積%、Cl2:60体積%、アルゴ
ン:20体積%のガスを流量200cm3/分、温度6
0℃に加熱し、常圧下で、上記充填容器の底部から注入
した。充填容器の上部から流出したガスを分析したとこ
ろ、BCl3は検出されず、Cl2濃度は0.1体積pp
m以下であった。
【0027】処理開始から361時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、造粒物粒子の粉化や臭
気の発生はなかった。また、この充填物を水に溶解した
ところすべて溶解し、固形廃棄物の発生はなかった。
【0028】[例2(比較例)]被処理ガスの温度を25
℃に変えた以外は、例1と同様にして試験を行った。例
1と同様にして、流出ガスを分析したところ、BCl3
は検出されず、Cl2濃度は0.1体積ppm以下であ
った。
【0029】処理開始から309時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、造粒物粒子の粉化や臭
気の発生はなかった。また、この充填物の内、造粒物を
水に溶解したところすべて溶解した。例1と比べ、炭酸
水素ナトリウムの反応効率の悪くなったことから炭酸水
素ナトリウムの有効時間が短かった。
【0030】[例3(比較例)]充填する炭酸水素ナトリ
ウム30kgを活性炭30kgに変えた以外は、例1と
同様にして試験を行った。例1と同様にして、流出ガス
を分析したところ、BCl3は検出されず、Cl2濃度は
0.1体積ppm以下であった。
【0031】処理開始から187時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、活性炭粒子の粉化はな
かったが、塩素臭気の発生が認められた。
【0032】[例4]ガスを直接60℃に加熱せずに、充
填容器そのものを電熱ヒータにより温度70℃とした以
外は、例1と同様にして試験を行った。例1と同様にし
て、流出ガスを分析したところ、BCl3は検出され
ず、Cl2濃度は0.1体積ppm以下であった。
【0033】処理開始から362時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、造粒物粒子の粉化や臭
気の発生はなかった。また、この充填物の内、造粒物を
水に溶解したところすべて溶解した。
【0034】[例5]炭酸水素ナトリウムの充填される充
填容器内を2.7kPaに減圧した以外は、例1と同様
にして試験を行った。例1と同様にして、流出ガスを分
析したところ、BCl3は検出されず、Cl2濃度は0.
1体積ppm以下であった。
【0035】処理開始から355時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、造粒物粒子の粉化や臭
気の発生はなかった。また、この充填物の内、造粒物を
水に溶解したところすべて溶解した。
【0036】[例6]例1と同様にして得た炭酸水素ナト
リウムの粉末の造粒物20kgと活性炭10kgとを、
同じ充填容器に充填した。被処理ガスとして、標準状態
での組成比がBCl3:20体積%、CCl4:0.6体
積%、Cl2:41.1体積%、SiCl4:0.6体積
%、HCl:4.8体積%、COCl2:0.6体積
%、F 2:2.7体積%、SiF4:0.6体積%、H
F:4.8体積%、COF2:0.6体積%、NF3
0.8体積%、WF6:0.6体積%、ClF3:0.6
体積%、HBr:4.8体積%、アルゴン:20.0体
積%のガスを使用した以外は、例1と同様にして被処理
ガスの温度を60℃として試験を行った。例1と同様に
して、流出ガスを分析したところ、Cl2濃度は0.1
体積ppm以下で、その他アルゴン以外のBCl3、C
Cl4、SiCl4、HCl、COCl2、F2、Si
4、HF、COF2、NF3、WF6、ClF3、HBr
等は検出されなかった。
【0037】処理開始から301時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、造粒物粒子の粉化や臭
気の発生はなかった。また、この充填物の内、造粒物を
水に溶解したところ90質量%以上溶解した。
【0038】[例7(比較例)]被処理ガスの温度を25
℃に変えた以外は、例6同様に試験した。例6と同様に
して、流出ガスを分析したところ、Cl2濃度は.1体
積ppm以下で、その他アルゴン以外のBCl3、CC
4、SiCl4、HCl、COCl2、F2、SiF4
HF、COF2、NF3、WF6、ClF3、HBr等は検
出されなかった。
【0039】処理開始から268時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、造粒物粒子の粉化や臭
気の発生はなかった。また、この充填物の内、造粒物を
水に溶解したところ90質量%以上溶解した。例6と比
べ、炭酸水素ナトリウムの反応効率の悪くなったことか
ら炭酸水素ナトリウムの有効時間が短かった。
【0040】[例8(比較例)]炭酸水素ナトリウムを活
性炭とした以外は、例6同様に試験した。例6と同様に
して、流出ガスを分析したところ、Cl2濃度は0.1
体積ppm以下で、その他アルゴン以外のBCl3、C
Cl4、SiCl4、HCl、COCl2、F2、Si
4、HF、COF2、NF3、WF6、ClF3、HBr
等は検出されなかった。
【0041】処理開始から184時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、活性炭粒子の粉化はな
かったが、塩素臭気の発生が認められた。
【0042】[例9]一次粒子の平均粒子径が56μmの
食品添加物用炭酸水素ナトリウムの粉末(旭硝子社製)
25kgをニーダー(商品名:バッチニーダーKDHJ
−100型、不二パウダル社製)に入れ、ここにバイン
ダーとして食品添加物用カルボキシルメチルセルロース
(商品名:F−20、ニチリン化学工業社製)2重量%
水溶液3.75kgをスプレーで噴霧した。これを堅型
ディスク・ダイロール式ディスク・ペレッタ(商品名:
ディスク・ペレッタF−40型、不二パウダル社製)を
使用して造粒した。得られた造粒物を球形整粒機(商品
名:マルメライザーQ−400型、不二パウダル社製)
により球形に整粒し、球状造粒物を得た。次に、この造
粒物を二酸化炭素ガス雰囲気中で温度60℃で12時間
静置乾燥した。
【0043】得られた造粒物を5.6mmの目開きの篩
で篩分け、その篩下を、さらに、2.8mmの目開きの
篩で篩分け、平均粒子径4.4mmの球状造粒物を12
kg得た。以上の操作を3回行い、球状造粒物を30k
g得た。
【0044】例1と同じ硬度測定法により、造粒物の硬
度を20個測定し平均値を求めたところ、粒度2.0m
m以上の粒子の平均硬度が56Nであった。
【0045】充填物を粒度2.0mm以上の球状造粒物
30kgに変えた以外は、例1と同様にして試験を行っ
た。
【0046】充填容器の上部から流出したガスを分析し
たところ、BCl3は検出されず、Cl2濃度は0.1体
積ppm以下であった。
【0047】処理開始から359時間経過後に流出ガス
中のCl2濃度が0.1体積ppmを超えて上昇し始め
た。充填物を取り出したところ、造粒物粒子の粉化や臭
気の発生はなかった。また、この充填物を水に溶解した
ところすべて溶解し、固形廃棄物の発生はなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明により、ハロゲン単体又はハロゲ
ン化合物を吸着することのできる除去剤として、使用時
に粉化せず、除去能力が高く、臭気の発生が少ない造粒
物が得られる。また、本発明の造粒物は、従来の活性炭
を使用する充填塔等にそのまま適用できる。本発明で
は、ハロゲン系ガスの温度を40℃以上かつ80℃未満
とすることにより、造粒物のハロゲン系ガスの除去能力
を高めることができ、また、造粒物の効果も長く維持で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 八朗 東京都千代田区有楽町一丁目12番1号 旭 硝子株式会社内 (72)発明者 森 要一 福岡県北九州市戸畑区牧山5丁目1番1号 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA18 AA19 AA22 AA23 AA24 AA26 BA03 BA04 CA07 DA02 DA03 DA16 DA41 EA06 GA01 GB08 GB12 GB20 HA01 4G066 AA05B AA43B BA09 BA20 BA35 CA32 DA02 FA26 FA37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次粒子の平均粒子径10〜500μmの
    炭酸水素塩の粉末を造粒し、得られた造粒物を、温度4
    0℃以上かつ80℃未満において、ハロゲン単体又はハ
    ロゲン化合物からなるハロゲン系ガスに接触させてハロ
    ゲン系ガスを除去する、ハロゲン系ガスの除去方法。
  2. 【請求項2】前記造粒物が平均粒子径0.5〜20mm
    であって、下記で規定される平均硬度を有する請求項1
    に記載のハロゲン系ガスの除去方法。 平均粒子径0.5mm以上1.0mm未満の造粒物の場
    合は粒子径0.5mm以上1.0mm未満の造粒物の平
    均硬度が1N以上であり、 平均粒子径1.0mm以上1.5mm未満の造粒物の場
    合は粒子径1.0mm以上1.5mm未満の造粒物の平
    均硬度が4N以上であり、 平均粒子径1.5mm以上2.0mm未満の造粒物の場
    合は粒子径1.5mm以上2.0mm未満の造粒物の平
    均硬度が10N以上であり、 平均粒子径2.0mm以上20mmの造粒物の場合は粒
    子径2.0mm以上の造粒物の平均硬度が30N以上で
    ある。
  3. 【請求項3】前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムであ
    る請求項1又は2に記載のハロゲン系ガスの除去方法。
  4. 【請求項4】前記造粒物が炭酸水素ナトリウムを70質
    量%以上含有する請求項3に記載のハロゲン系ガスの除
    去方法。
  5. 【請求項5】前記ハロゲン系ガスが、BCl3、CC
    4、Cl2、SiCl4、HCl、COCl2、F2、S
    iF4、HF、COF2、NF3、WF6、ClF3及びH
    Brからなる群より選ばれる一種以上であり、前記ハロ
    ゲン系ガスの温度が40℃以上かつ80℃未満である請
    求項1〜4のいずれかに記載のハロゲン系ガスの除去方
    法。
  6. 【請求項6】前記造粒物を活性炭とともに容器に充填し
    て前記ハロゲン系ガスと接触させてハロゲン系ガスを除
    去する請求項1〜5のいずれかに記載のハロゲン系ガス
    の除去方法。
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