JP2002310607A - 強磁性体の距離測定方法及び距離測定装置 - Google Patents

強磁性体の距離測定方法及び距離測定装置

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JP2002310607A
JP2002310607A JP2001117062A JP2001117062A JP2002310607A JP 2002310607 A JP2002310607 A JP 2002310607A JP 2001117062 A JP2001117062 A JP 2001117062A JP 2001117062 A JP2001117062 A JP 2001117062A JP 2002310607 A JP2002310607 A JP 2002310607A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融亜鉛鍍金製造プロセスに適用した場合で
あっても、距離センサと電磁石、ワイピングノズルとの
設置間隔を短くでき、また、亜鉛蒸気やスプラッシュ等
の設置環境の影響を受けない強磁性体の距離測定方法及
び距離測定装置を提供する。 【解決手段】 強磁性体(1)と電磁石(2)との間に
作用する電磁力によって電磁石が磁性体に吸引される力
を測定する吸引力測定装置(3a)と、電磁石の電流を
測定する電流値測定装置(4)と、測定した吸引力と電
磁石の電流から、前記強磁性体と前記電磁石との距離を
推定する距離推定装置(5)とを備え、前記電流値測定
装置は、電磁石に流れているコイル電流を測定する装置
または電磁石のコイル電流設定信号を測定する装置であ
る距離測定装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強磁性体との距離
を測定する技術とそれを用いて強磁性体を制御する技術
に関するもので、製鉄設備の圧延ライン、表面処理ライ
ン等における薄鋼板の振動制御、形状矯正制御等に用い
られる。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板製造ラインである冷延ライン・熱
処理ライン・表面処理ラインなどでは、電磁力を用い、
強磁性体である鋼板の振動制御・形状矯正制御が実施さ
れ始めている。
【0003】図14は、溶融亜鉛鍍金鋼板の製造ライン
の構成を示す図である。
【0004】前工程である冷間圧延プロセスにおいて圧
延され、続く洗浄プロセスにおいて表面が洗浄された鋼
板70は、溶融亜鉛鍍金鋼板製造ラインに運搬され、無
酸化性あるいは還元性の雰囲気に保たれた焼鈍炉71に
おいて表面酸化膜が除去され焼鈍処理をされた後、溶融
亜鉛の温度とほぼ同程度まで冷却されて溶融亜鉛浴72
内に導かれその表面に溶融亜鉛が付着する。
【0005】加熱溶融した亜鉛内を通板した鋼板70
は、ワイピングノズル73によって必要以上に付着した
溶融亜鉛を除去される。
【0006】図15は、ワイピングノズル73の動作を
説明する図である。
【0007】このワイピングノズル73からはワイピン
グガス78が鋼板70の表裏に板幅方向に均一に圧力が
かかるようにスリット状に噴出されている。この付着量
の制御はワイピングノズル73から噴出させるワイピン
グガス78の量、ワイピングノズル73と鋼板70との
距離などを変えることによって行われる。
【0008】続くプロセスである合金化炉74において
は鋼板のFeと亜鉛の合金化層を形成し、冷却帯75を
通過した後、化成処理76で特殊の防錆、耐食処理を施
し、コイルに巻き取られて出荷される。
【0009】ワイピング部において鋼板70が安定して
通板することは、鋼板70の品質にとって非常に重要な
要素である。
【0010】例えば、生産性を向上するために鋼板70
の通板速度を増加した場合には、鋼板70の振動が大き
くなり易く、ワイピング部における鍍金付着量にむらが
生じ品質低下の原因となる。
【0011】また、鋼板70がC反り・W反りと呼ばれ
る幅方向の形状不良を起こしている場合も、板幅方向の
鍍金付着量にむらが生じて品質低下の原因になり、さら
に、所定間隔まで鋼板70とワイピングノズル73との
間隔を狭められないため、過剰の鍍金を付着させること
になる。
【0012】これらの問題の解決方法として、ワイピン
グノズル73近傍の鋼板70の表裏に電磁石を設置し、
非接触で鋼板70に吸引力を作用させることで、振動や
反りを制御して鋼板70の通板を安定化する技術が知ら
れている。
【0013】図16は従来の鋼板非接触制御装置の構成
を説明する図である。
【0014】本制御方法は、鋼板70の幅方向に設置さ
れた非接触の距離センサ79を用いて鋼板70との距離
を測定し、その測定値に基づいて制御器80で制御演算
を行って制御信号を作り出し、その制御信号を増幅器8
1を介して同じく鋼板70の幅方向に設置された電磁石
82に送り、薄板70に対して吸引力を作用させること
で、薄板70の振動や形状を制御するものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、電磁力
を用いて鋼板70の振動や形状を非接触で制御する際に
は、電磁石82と鋼板70との距離を測定する距離セン
サ79を設ける必要がある。一般に、距離を測定する手
段として、各種距離センサ(レーザー式、渦流式、超音
波式等)が知られている。しかし、前述の溶融亜鉛鍍金
鋼板製造ラインにこれらの距離センサ79を用いること
は、以下の点で問題があるため使用することは困難であ
る。
【0016】第1の問題点は、溶融亜鉛浴72直上では
温度が100℃以上の高温雰囲気となっているため距離
センサの冷却が必要となる点である。
【0017】図17は距離センサ79と電磁石82との
概略の配置を示す図である。
【0018】距離センサ79の冷却方法としては、空冷
あるいは水冷を用いることが一般的であるが、この方式
では冷却ジャケット85内に距離センサ79を収納する
ため、センサヘッドのサイズが大きいものとなる。この
ため、センサヘッドを電磁石82の近傍に配置しようと
しても、センサヘッドが大きいために離れた場所に設置
することになる。その結果、電磁石82が吸引力を及ぼ
す鋼板70上の位置と距離センサ79が測定している鋼
板70上の位置が異なることとなるため、鋼板70の振
動制御・形状制御能力が低下する。
【0019】第2の問題点は、ワイピングノズル73と
の干渉を避けるように配置しなければならない点であ
る。
【0020】電磁石82と距離センサ79はできる限り
ワイピングノズル73の近傍に配置することが振動制御
・形状制御を行う上で効果的であるが、一方、ワイピン
グノズル73近傍に大きな物体を設置することはワイピ
ングガス78である高圧ガスジェットの流れを乱し、鍍
金品質を低下させる恐れがある。このため、電磁石82
と距離センサ79はワイピングノズル73から高圧ガス
ジェットの流れに影響しない位置まで離して設置しなけ
ればならない。しかし、冷却ジャケット85によってセ
ンサヘッドが大きくなった場合、距離センサ79の設置
位置は更にワイピングノズル73から離れた位置になる
ため、ワイピングノズル73位置での振動制御・形状制
御能力が更に低下することになる。
【0021】第3の問題点は、距離センサ79に環境対
策が必要となる点である。
【0022】ワイピングノズル73近傍では亜鉛が蒸気
化しているため、亜鉛の蒸着現象が発生する。このた
め、センサヘッドや冷却ジャケット85のセンシング窓
(耐熱ガラスなど)に亜鉛が蒸着する結果、距離センサ
79が誤作動を生じ、最悪の場合は測定不能に至ること
もある。特に、レーザー式距離センサなどの光学的手段
を用いた距離センサ79ではこの問題に弱いため安定し
て制御することが困難となる。
【0023】第4の問題点は、同じく距離センサ79に
環境対策が必要となる点である。
【0024】ワイピングノズル73近傍では蒸気化した
亜鉛の他に、ワイピングノズル73からの高圧ガスジェ
ットに吹き飛ばされ、瞬時に凝固した亜鉛(以下、「ス
プラッシュ」と呼ぶ。)が存在する。このスプラッシュ
は距離センサ79や冷却ジャケット85のセンシング窓
(耐熱ガラスなど)に付着するなどして距離センサ79
の測定を妨害する。特に、レーザー式距離センサなどの
光学的手段を用いた距離センサ79ではこの問題に弱い
ため安定して制御することが困難となる。
【0025】本発明は以上のような事情に鑑みてなされ
たものであり、溶融亜鉛鍍金製造プロセスに適用した場
合であっても、距離センサ79と電磁石82との設置間
隔、距離センサ79とワイピングノズル73との設置間
隔を短くでき、また、亜鉛蒸気やスプラッシュ等の設置
環境の影響を受けない強磁性体の距離測定方法及び距離
測定装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明は強磁性体に対向して電磁石を配する工程
と、強磁性体と電磁石との間に作用する電磁力によって
電磁石が前記磁性体に吸引される力を測定する工程と、
測定した吸引力と電磁石への入力とから、電磁石と強磁
性体との距離を推定する工程とを備えた距離測定方法で
ある。
【0027】また本発明は、上記発明である距離測定方
法において、電磁石への入力は、電磁石のコイル電流の
測定または前記電磁石へのコイル電流設定信号の取得に
よって得られる距離測定方法である。
【0028】また本発明は、強磁性体と電磁石との間に
作用する電磁力によって電磁石が磁性体に吸引される力
を測定する吸引力測定装置と、測定した吸引力と電磁石
への入力とから、強磁性体と電磁石との距離を推定する
距離推定装置とを備えた距離測定装置である。
【0029】また本発明は、上記発明である距離測定装
置において、電磁石への入力は、電磁石のコイル電流の
測定または電磁石へのコイル電流設定信号の取得によっ
て得られる距離測定装置である。
【0030】また本発明は、上記発明である距離測定装
置において、吸引力測定装置は、電磁石と該電磁石の固
定治具との間に設置された圧縮型荷重測定装置と、圧縮
型荷重測定装置の荷重測定値から吸引力を算出する吸引
力算出手段とを備えた距離測定装置である。
【0031】また本発明は、上記発明である距離測定装
置において、吸引力測定装置は、電磁石と該電磁石の固
定治具との間に設置された引張型荷重測定装置と、引張
型荷重測定装置の荷重測定値から吸引力を算出する吸引
力算出手段とを備えた距離測定装置である。
【0032】また本発明は、上記発明である距離測定装
置において、吸引力測定装置は、電磁石の固定治具の応
力歪を測定する歪測定装置と、歪測定装置の歪測定値か
ら吸引力を算出する吸引力算出手段とを備えた距離測定
装置である。
【0033】また本発明は、強磁性体と該強磁性体に対
向して配された電磁石との間の距離を測定する距離測定
装置と、距離測定装置によって測定された距離が所定の
値になるように前記電磁石のコイル電流を制御する制御
装置とを備え、距離測定装置は、上記発明である距離測
定装置を用いる強磁性体の制御装置である。
【0034】また本発明は、強磁性体と該強磁性体に対
向して配された電磁石との間の距離を測定する距離測定
工程と、測定された距離が所定の値になるように前記電
磁石のコイル電流を制御する制御工程とを備え、距離測
定工程は、上記発明である距離測定装置を用いて測定す
る強磁性体の製造方法である。
【0035】また本発明は、上記発明である強磁性体の
製造方法において、強磁性体が溶融亜鉛鍍金鋼板である
強磁性体の製造方法である。
【0036】また本発明は、上記発明である強磁性体の
製造方法において、強磁性体が電気亜鉛鍍金鋼板であ
り、電磁石が電気亜鉛鍍金製造ラインの鍍金槽中に設置
されたものである強磁性体の製造方法である。
【0037】
【発明の実施の形態】先ず、本発明に係る距離測定方法
の原理について説明する。
【0038】一般に、強磁性体1と電磁石2との間に働
く力F(吸引力)は(1)式で与えられる。
【0039】 F=(NμSi)/{(l/μ)+ 2X } …(1) ここで,N:電磁石コイル巻き数,μ:真空の透磁
率,S:電磁石断面積,i:電流,l:磁路の長さ,μ
:比透磁率,X:電磁石−強磁性体間距離である。
【0040】この(1)式の中で,μは定数,N,
S,l,μは使用する電磁石に固有の定数なので,吸
引力Fは電磁石を流れる電流iと距離Xとの関数にな
る。換言すれば吸引力Fと電流iが分かれば,電磁石−
強磁性体間距離Xを求めることができる。これが本発明
に係る距離測定方法の原理である。
【0041】図1は本発明に係る距離測定装置の構成を
示す図である。
【0042】本距離測定装置は、強磁性体1から所要の
距離を空けて配置された電磁石2、この電磁石2が強磁
性体1に作用する吸引力を測定する吸引力測定装置3、
電磁石2のコイル電流を測定する電流値測定装置4及び
測定した吸引力と電流値から距離を推定する距離推定装
置5で構成されている。
【0043】次に、本構成に係る距離測定装置の動作を
説明する。
【0044】強磁性体1に対して電磁石2が吸引力を及
ぼした場合は、電磁石2自身にもその反作用として吸引
力が働く。吸引力測定装置3は、この反作用の力を測定
することで間接的に吸引力を測定するものである。特に
強磁性体1が移動している場合には強磁性体1に働く吸
引力を直接測定することは困難であるが、静止固定され
ている電磁石2に働く反作用力を測定することは可能で
ある。このようにして測定された吸引力は距離推定装置
5に入力される。
【0045】一方、電磁石2のコイル電流は電流値測定
装置4によって測定され、距離推定装置5に入力され
る。距離推定装置5では入力された吸引力と電磁石2の
コイル電流から式(1)に示す関係に基づいて電磁石−
強磁性体間距離を算出する。
【0046】図2は本発明に係る強磁性体の制御装置の
第1の実施の形態を示す構成図である。
【0047】本制御装置では、強磁性体1に吸引力を付
加する作用部と、吸引力を検出する検出部は電磁石2と
圧縮型ロードセル3aを組み合わせた構成で実現してい
る。
【0048】図2において、強磁性体1に対向して設け
た基礎部には電磁石固定治具8が備えられ、この電磁石
固定治具8には複数の締結具9によって電磁石2がその
磁極面を強磁性体1に対向して固定されている。そし
て、この電磁石固定治具8と電磁石2の間には圧縮型ロ
ードセル3aが挟まれ、締結具9によって締め込まれる
ことによって初期荷重が付加されている。
【0049】この構成の圧縮型ロードセル3aで測定し
た荷重値と、電流値測定装置4で測定された電磁石2の
コイルに流れる電流値とが距離推定装置5に入力され、
これらの入力値に基づいて電磁石―強磁性体間の距離が
推定される。そして、距離推定値出力信号は制御装置6
に入力され、制御装置6では電磁石2のコイル電流の設
定値を与える制御信号を出力する。この設定値信号は電
磁石電源装置7に入力され電磁石2に所要の電流が流れ
るように制御が行われる。
【0050】ここで、電磁石2は電磁石固定治具8上に
設置されているが、本図に表された形態に限定されるも
のではない。本図では便宜上、電磁石固定治具8を個別
独立の装置として記載してあるが、電磁石2を設置する
ための基礎または架台に締結具9を設けたものであって
も良い。本発明において電磁石固定治具8はこのような
電磁石2を固定するための治具を備えた基礎または架台
のことを意味する。
【0051】次に、距離推定装置5の機能である、荷重
値と電流値から距離を推定する方法について述べる。前
述のように、強磁性体1と電磁石2との間に作用する吸
引力Fは、電磁石2に流れる電流値Iと、強磁性体1と
電磁石2間の距離Gとの関数Yとして、(2)式で表さ
れる。
【0052】 F=Y(I,G) …(2) 一方、圧縮型ロードセル3aによって測定される初期状
態での締結力T、電磁石2に電流が流れている時に圧
縮型ロードセル3aによって測定される締結力T、とす
ると吸引力Fとの関係は(3)式で表される。
【0053】 F ∝ |T−T| …(3) よって、T、T、I,Gの関係はkを比例定数として
(4)式で表される。
【0054】 Y(I,G)=k×|T−T| …(4) すなわち、初期締結力Tと締結力Tの差の絶対値は電
流値Iと距離Gとの関数である。
【0055】距離推定装置5はこの関係に基づいて距離
Gを算出する。この際には、前述の(4)式を計算して
求めても良く、またデータテーブルを参照して求めても
良い。
【0056】図3は締結力、電流、距離の関係を示す図
である。
【0057】本図は上記3種類の値を適宜変化させた試
験を行い、その結果得られた各値の相互の関係を測定し
て3次元座標に表したものである。距離推定装置5はこ
の図3に示されるデータをテーブルにして記憶してお
り、初期締結力Tと締結力Tの差の絶対値、および電
流値Iを指定して距離Gの推定値を求めるように構成し
ている。
【0058】例えば、圧縮型ロードセルによる測定結果
で|T−T|が10Kgであり、電流値Iの測定結果
が10Aのとき、このデータテーブルから距離Gは10
mmと推定される。この推定計算において必要時は内
挿、外挿計算を行うことは当然の処理である。
【0059】以上のようにして推定された距離Gは制御
装置6に入力され、制御装置6は推定された距離Gと目
標とする距離との偏差を少なくするように、電磁石2の
コイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。電磁
石電源装置7はこの制御信号に基づいて電磁石2のコイ
ル電流を制御して電磁石2の吸引力を変更する。
【0060】そして、電磁石2のコイル電流は電流値測
定装置4によって測定され距離Gを推定するための信号
として距離推定装置5に入力される。ここで、コイル電
流値は電磁石2に流れているものを測定しなくても、制
御装置6から出力されるコイル電流設定値を用いても良
い。
【0061】また、本発明で吸引力測定装置3として、
圧縮型ロードセル3aを用いたのは、電磁石2と電磁石
固定治具8との間に挟んで締結する構造を採用し電磁石
2と距離センサを含めた装置全体のサイズを小さくする
ことができるからであり、また、制御対象である強磁性
体1が高温であっても輻射熱の影響を直接受けないよう
に構成できるからである。
【0062】本方式を溶融亜鉛鍍金製造プロセスに適用
した場合、通常の距離センサ(レーザー式、渦流式、超
音波式)の場合は少なくともセンサヘッドの大きさ分だ
け上下にずれた位置を測定することになるが、本方式は
この測定位置のずれが生じない。すなわち、距離を推定
している強磁性体1上の位置と電磁力が作用する強磁性
体1上の位置が同じなので、制御性能の低下が生じにく
く、また、強磁性体1と電磁石2との間に何らかの非磁
性体の障害物が存在している場合であっても精度良く安
定して距離を測定することができる。
【0063】尚、制御装置6による制御方法は様々な方
法が考えられるが、PID制御、状態フィードバック制
御、ロバスト制御、シーケンシャルな手続きによる制
御、ニューラルネットワークを利用した非線形制御な
ど、その制御対象に適切なものを用いればよい。
【0064】図4は本発明に係る強磁性体の制御装置の
第2の実施の形態を示す構成図である。
【0065】本制御装置では、強磁性体1に吸引力を付
加する作用部と、吸引力を検出する検出部は電磁石2と
引張型ロードセル3bを組み合わせた構成で実現してい
る。
【0066】図4において、強磁性体1に対向して設け
た基礎部には電磁石固定治具8が備えられ、この電磁石
固定治具8には複数の締結具9によって引張型ロードセ
ル3bが接続され、更に引張型ロードセル3bには複数
の締結具9によって電磁石2がその磁極面を強磁性体1
に対向して固定されている。そして、引張型ロードセル
3bは電磁石2と電磁石固定冶具8に挟まれて両側から
締結具9によって連結され引張られることによって初期
引張荷重がかけられている。
【0067】この構成の引張型ロードセル3bで測定し
た荷重値と、電流値測定装置4で測定された電磁石2の
コイルに流れる電流値とが距離推定装置5に入力され、
これらの入力値に基づいて電磁石―強磁性体間の距離が
推定される。そして、距離推定値出力信号は制御装置6
に入力され、制御装置6では電磁石2のコイル電流の設
定値を与える制御信号を出力する。この設定値信号は電
磁石電源装置7に入力され電磁石2に所要の電流が流れ
るように制御が行われる。
【0068】ここで、電磁石2は電磁石固定治具8上に
設置されているが、本図に表された形態に限定されるも
のではない。本図では便宜上、電磁石固定治具8を個別
独立の装置として記載してあるが、電磁石2を設置する
ための基礎または架台に締結具9を設けたものであって
も良い。本発明において電磁石固定治具8はこのような
電磁石2を固定するための治具を備えた基礎または架台
のことを意味する。
【0069】次に、距離推定装置5の機能である、荷重
値と電流値から距離を推定する方法について述べる。前
述のように、強磁性体1と電磁石2との間に作用する吸
引力Fは、電磁石2に流れる電流値Iと、強磁性体1と
電磁石2間の距離Gとの関数Yとして、(5)式で表さ
れる。
【0070】 F=Y(I,G) …(5) 一方、引張型ロードセル3bによって測定される初期状
態での荷重H、電磁石2に電流が流れている時に引張
型ロードセル3bによって測定される荷重H、とすると
吸引力Fとの関係は(6)式で表される。
【0071】 F ∝ |H−H| …(6) よって、H、H、I,Gの関係はkを比例定数として
(7)式で表される。
【0072】 Y(I,G)=k×|H−H| …(7) すなわち、初期荷重Hと荷重Hの差の絶対値は電流値
Iと距離Gとの関数である。
【0073】距離推定装置5はこの関係に基づいて距離
Gを算出する。この際には、前述の(7)式を計算して
求めても良く、また前述のようにデータテーブルを参照
して求めても良い。
【0074】以上のようにして推定された距離Gは制御
装置6に入力され、制御装置6は推定された距離Gと目
標とする距離との偏差を少なくするように、電磁石2の
コイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。電磁
石電源装置7はこの制御信号に基づいて電磁石2のコイ
ル電流を制御して電磁石2の吸引力を変更する。
【0075】そして、電磁石2のコイル電流は電流値測
定装置4によって測定され距離Gを推定するための信号
として距離推定装置5に入力される。ここで、コイル電
流値は電磁石2に流れているものを測定しなくても、制
御装置6から出力されるコイル電流設定値を用いても良
い。
【0076】また、本発明で吸引力測定装置3として、
引張型ロードセル3bを用いたのは、一般的に圧縮型ロ
ードセル3aと比較して大きな荷重信号を取り出せるた
めS/N比のよい信号を用いることができるという利点
があるためである。
【0077】尚、本実施の形態においても圧縮型ロード
セル3aを用いた場合と同様の効果を得ることができ
る。即ち、本方式は電磁石2と電磁石固定治具8との間
に挟んで連結する構造のため電磁石2と距離センサを含
めた装置全体のサイズを小さくすることができ、また、
制御対象である強磁性体1が高温であっても輻射熱の影
響を直接受けないように構成できる。
【0078】また、本方式を溶融亜鉛鍍金製造プロセス
に適用した場合、圧縮型ロードセル3aを用いた場合と
同様に、距離を推定している強磁性体1上の位置と電磁
力が作用する強磁性体1上の位置が同じなので、制御性
能の低下が生じにくく、また、強磁性体1と電磁石2と
の間に何らかの非磁性体の障害物が存在している場合で
あっても精度良く安定して距離を測定することができ
る。
【0079】図5は本発明に係る強磁性体の制御装置の
第3の実施の形態を示す構成図である。
【0080】本制御装置では、強磁性体1に吸引力を付
加する作用部と、吸引力を検出する検出部は電磁石2と
歪ゲージ3cを組み合わせた構成で実現している。
【0081】図5において、強磁性体1に対向して設け
た基礎部には電磁石固定治具8が備えられ、この電磁石
固定治具8には複数の締結具9によって電磁石2がその
磁極面を強磁性体1に対向して固定されている。そし
て、この電磁石固定治具8には歪ゲージ3cが貼付さ
れ、電磁石固定治具8の歪を測定するように構成されて
いる。
【0082】この構成の歪ゲージ3cで測定した歪値
と、電流値測定装置4で測定された電磁石2のコイルに
流れる電流値とが距離推定装置5に入力され、これらの
入力値に基づいて電磁石―強磁性体間の距離が推定され
る。そして、距離推定値出力信号は制御装置6に入力さ
れ、制御装置6では電磁石2のコイル電流の設定値を与
える制御信号を出力する。この設定値信号は電磁石電源
装置7に入力され電磁石2に所要の電流が流れるように
制御が行われる。
【0083】ここで、電磁石2は電磁石固定治具8上に
設置されているが、電磁石固定治具8は本図に表された
形状・構造に限定されるものではない。また、歪ゲージ
3cは本図に表された電磁石固定治具8の位置に限定し
て貼り付けているものではなく、電磁力が作用した際に
歪が生じ易い部位に接着あるいは溶接すれば良い。
【0084】次に、距離推定装置5の機能である、歪値
と電流値から距離を推定する方法について述べる。前述
のように、強磁性体1と電磁石2との間に作用する吸引
力Fは、電磁石2に流れる電流値Iと、強磁性体1と電
磁石2間の距離Gとの関数Yとして、(8)式で表され
る。
【0085】 F=Y(I,G) …(8) 一方、歪ゲージ3cによって測定される初期状態での歪
、電磁石2に電流が流れている時に歪ゲージ3cに
よって測定される歪J、とすると吸引力Fとの関係は
(9)式で表される。
【0086】 F ∝ |J−J| …(9) よって、J、J、I,Gの関係はkを比例定数として
(10)式で表される。
【0087】 Y(I,G)=k×|J−J| …(10) すなわち、初期歪Jと歪Jの差の絶対値は電流値Iと
距離Gとの関数である。
【0088】距離推定装置5はこの関係に基づいて距離
Gを算出する。この際には、前述の(10)式を計算し
て求めても良く、また前述のようにデータテーブルを参
照して求めても良い。
【0089】以上のようにして推定された距離Gは制御
装置6に入力され、制御装置6は推定された距離Gと目
標とする距離との偏差を少なくするように、電磁石2の
コイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。電磁
石電源装置7はこの制御信号に基づいて電磁石2のコイ
ル電流を制御して電磁石2の吸引力を変更する。
【0090】そして、電磁石2のコイル電流は電流値測
定装置4によって測定され距離Gを推定するための信号
として距離推定装置5に入力される。ここで、コイル電
流値は電磁石2に流れているものを測定しなくても、制
御装置6から出力されるコイル電流設定値を用いても良
い。
【0091】また、本発明で吸引力測定装置3として、
歪ゲージ3cを用いたのは、一般的にロードセル3a、
3bと比較して簡便に構成できる利点があり、また耐熱
性のある商品も市販されているため高温の雰囲気下であ
っても使用することができる利点を有しているためであ
る。
【0092】尚、本実施の形態においてもロードセル3
a、3bを用いた場合と同様の効果を得ることができ
る。即ち、本方式は電磁石固定治具8の一部分に歪ゲー
ジ3cを貼り付ける構成であるため、電磁石2と距離セ
ンサを含めた装置全体のサイズを小さくすることがで
き、また、制御対象である強磁性体1が高温であっても
輻射熱の影響を直接受けないように構成できる。
【0093】また、本方式を溶融亜鉛鍍金製造プロセス
に適用した場合、ロードセル3a、3bを用いた場合と
同様に、距離を推定している強磁性体1の位置と電磁力
が作用する強磁性体1の位置が同じなので、制御性能の
低下が生じにくく、また、強磁性体1と電磁石2との間
に何らかの非磁性体の障害物が存在している場合であっ
ても精度良く安定して距離を測定することができる。
【0094】図6は本発明に係る強磁性体の制御装置を
溶融亜鉛鍍金ラインに適用した例を示す図である。本図
において、図1乃至3と同一の部分には同一の番号を付
して詳しい説明は省略する。
【0095】本実施例では、ワイピングノズル15の直
上に本発明の制御装置を設置し、ワイピングノズル15
近傍の振動制御あるいは反り矯正制御を行う場合の構成
を示している。本制御装置を用いることによって距離セ
ンサが測定した強磁性体1の同一位置を電磁石2が制御
しているため、制御性能の低下がない。また、電磁石2
を含めても小型に構成できるため、ワイピングノズル1
5近傍で制御することができ制御精度を高めることがで
きる。
【0096】本実施の構成では、雰囲気温度が高いこと
が問題となるが、例えば歪ゲージ3cを用いて構成すれ
ば、歪みゲージ3cは900℃程度まで測定可能なもの
が市販されているため、雰囲気温度(100乃至150
℃)に適したものを選択すれば良く、また、電磁石2に
用いる電線被覆も少なくとも200℃程度まで耐熱性を
有するものを選択すれば良い。
【0097】図7はライン上方から見た本制御装置の配
置を示す図である。
【0098】本制御装置は板幅方向の中心部と両端部の
少なくとも3組が設置され、強磁性体1の形状を矯正す
ることが可能なように配置されている。
【0099】図8は本発明に係る強磁性体の制御装置を
溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図である。
本図において、図1乃至5と同一の部分には同一の番号
を付して詳しい説明は省略する。
【0100】本実施例では、本制御装置をワイピングノ
ズル15直下に設置し、ワイピングノズル15近傍の振
動制御あるいは反り矯正制御を行う場合の構成を示して
いる。本制御装置を用いることによって距離センサが測
定した強磁性体1の同じ場所を電磁石2が制御している
ため、制御性能の低下がない。また、電磁石2を含めて
も小型に構成できるため、ワイピングノズル15近傍で
制御することができ制御精度を高めることができる。
【0101】本実施の構成では、雰囲気温度が高いこと
が問題となるが、例えば歪ゲージ3cを用いて構成すれ
ば、歪みゲージ3cは900℃程度まで測定可能なもの
が市販されており、溶融亜鉛からの輻射熱(溶融亜鉛は
700℃程度)に適したものを選択すれば良い。
【0102】電磁石2に用いる電線被覆も1000℃程
度まで耐熱性を有するもの、例えばグラスファイバー系
被覆を選択する。また、ワイピング除去された溶融亜鉛
が飛散するので、電磁石・冶具・配線等を非磁性体によ
る保護カバー10(例えば、ステンレス、セラミック
ス、ニッケル系耐熱合金など)で被うことで問題の解決
を図ることができる。
【0103】本制御装置は、制御したい強磁性体1の振
動や反りの状態に応じて板幅方向に3組以上配置すれ
ば、設備制約上、ワイピングノズル15上部に電磁石2
を配置できない場合でも、振動制御・形状矯正ともに実
現することができる。
【0104】図9は、溶融亜鉛浴中の装置の配置を示す
図である。
【0105】溶融亜鉛浴16中に引き込まれた強磁性体
1は、方向変換用のロールであるシンクロール17によ
って通板方向が変換された後、同じく浴中に配されたサ
ポートロール18を経て溶融亜鉛浴16外に引き出さ
れ、ガスワイパ15で鍍金付着量が調整される。
【0106】図10は本発明に係る強磁性体の制御装置
を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図であ
る。本図において、図1乃至9と同一の部分には同一の
番号を付して詳しい説明は省略する。
【0107】本実施例では、本制御装置を溶融亜鉛浴1
6に設置されているサポートロール18の代替として適
用し、ワイピングノズル15近傍の振動制御あるいは反
り矯正制御を行う場合の構成を示している。
【0108】本実施の構成では、雰囲気温度が高いこと
が問題となるが、吸引力測定装置として歪ゲージ3cを
用いれば、歪みゲージ3cは900℃程度まで測定可能
なものが市販されているため、溶融亜鉛からの輻射熱
(溶融亜鉛は700℃程度)に適したものを選択するこ
とで対応できる。
【0109】電磁石2に用いる電線被覆も1000℃程
度まで耐熱性を有するもの、例えばグラスファイバー系
被覆を選択する。また、溶融亜鉛浴中に浸漬させるの
で、電磁石・冶具・配線等を非磁性体による保護カバー
10(例えば、ステンレス、セラミックス、ニッケル系
耐熱合金など)で被うことで問題の解決を図ることがで
きる。
【0110】本制御装置は、強磁性体1の振動や反りの
状態に応じて板幅方向に3組以上の配置すれば、これま
で設置が困難であった溶融亜鉛浴16中においても、振
動制御・形状矯正ともに実現することができる。
【0111】従来、サポートロール18と強磁性体1と
の間に溶融亜鉛中の不純物をかみこんで強磁性体1に疵
をつける欠陥が生じることがあったが、このように電磁
石2をサポートロール18の代替とすることでそのよう
な欠陥の発生を回避することができる。
【0112】また、制御を行う上で重要なセンサである
距離センサに関しては、距離センサと電磁石2の周囲が
不透明な溶融亜鉛で満たされるため、レーザー式などの
光学的手段は用いることができないが、本方式ではその
ような条件には影響されずに距離を測定することができ
る。
【0113】また、渦流センサや超音波センサを用いる
場合は耐熱性の点から、強制冷却を施す必要があるが、
溶融亜鉛浴16に冷却部があるとその冷却部を中心に不
純物が生成され、製品の品質上好ましくない。本発明は
耐熱性に優れているため、強制冷却の必要が無くこのよ
うな問題は少ない。
【0114】図11は本発明に係る強磁性体の制御装置
を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図であ
る。本図において、図1乃至9と同一の部分には同一の
番号を付して詳しい説明は省略する。
【0115】本実施例では、本制御装置を溶融亜鉛浴1
6に設置されているシンクロール17とサポートロール
18の代替として適用し、非接触での強磁性体1の方向
転換と振動制御あるいは反り矯正制御を行う場合の構成
を示している。
【0116】本実施の構成では、雰囲気温度が高いこと
が問題となるが、そのための本装置の構成については前
述の例に従うことで解決が可能である。
【0117】従来、シンクロール17と強磁性体1との
間に溶融亜鉛中の不純物をかみこんで強磁性体1に疵を
つける欠陥が生じる場合があったが、本構成では回避す
ることができる。また、シンクロール17の回転運動が
ポット内の溶融亜鉛をかき乱すため、ポット底部に堆積
した不純物が舞い上がって強磁性体1に付着する原因と
なっていたが、本方式ではこのような現象も抑えること
ができる。
【0118】図12は電気亜鉛鍍金ラインの鍍金槽の構
成を示す図である。
【0119】鍍金槽20は亜鉛イオンを含む鍍金液21
で満たされ、その鍍金液21中に電極22が配置されて
いる。強磁性体1は鍍金槽20の前後面に配置した通電
ロール23と、鍍金槽20の入出口に配されたゴム製の
矯正ロール24によって保持されながら通電ロール23
の回転によって移送され、鍍金槽20内の電極22間を
通過する。
【0120】本電気亜鉛鍍金ラインでは、鍍金槽20の
外に配置した通電ロール23に電圧を加え、通電ロール
23に接触した強磁性体1をカソードとし、鍍金槽20
内に配置した電極22との間に電流を流すことで電気鍍
金が施される。
【0121】本電気亜鉛鍍金プロセスでは、鍍金槽20
内の強磁性体1が振動しあるいは反りを生じた場合に
は、電極22と強磁性体1との距離が変動しあるいは均
一でなくなるため、鍍金作用が不安定となるなどの影響
が生ずる。
【0122】図13は本発明に係る強磁性体の制御装置
を電気亜鉛鍍金ラインに適用した例を示す図である。本
図において、図1乃至12と同一の部分には同一の番号
を付して詳しい説明は省略する。
【0123】本構成では、電磁石2と吸引力測定装置3
などを保護カバー10に組み込んで電極22の前後に設
け、強磁性体1の表裏に配したものである。
【0124】鍍金液21は不透明であるので、光学的な
距離測定手段を用いて制御系を構成することができない
が、本発明の方式によればこのような鍍金液21中であ
っても非接触で強磁性体1の振動あるいは反り形状を矯
正することができる。
【0125】本発明は、以上に述べた製鉄ラインのみに
適用を限定するものではない。制御対象である強磁性体
も例に示した薄板に限らず、厚板などの剛体とみなせる
対象も制御することができる。
【0126】従って、従来技術として知られている吸引
式磁気浮上技術全般の基本的アクチュエータとしても適
用可能である。すなわち、磁気軸受、磁気フライホイー
ル、磁気浮上による搬送装置、磁気浮上車両、磁気によ
る振動減衰台などに広く適用することができる。これら
は一般に粉塵のない清潔な環境で、室温での利用が一般
的であるが、本発明を適用することによって、粉塵環境
や高温環境、不透明液中での適用などが可能となる。ま
た、装置自体を小型化することも可能である。
【0127】尚、本明細書でいう「吸引力」とは、電磁
力によって電磁石が吸引される力そのものに限定される
ものではない。吸引される力によって電磁石固定治具に
生ずる応力歪、電磁石と固定治具間の圧力分布、固定治
具支持点応力等、吸引される力と1対1に対応をつけら
れる物理量全てが含まれる。また、歪測定器や圧力測定
器等のセンサからの出力(電流値や電圧値)やその変換
値がこれらの力を直接的あるいは間接的に指し示す場合
には、そのようなセンサ出力等も含む。
【0128】したがって、「吸引力を算出する」という
場合も、歪測定器や圧力測定器等の物理量測定器からの
電圧・電流による出力値に係数を乗じて正確な吸引力を
求めることだけに限定されるわけではない。吸引力と1
対1に扱うことのできる値を算出する全ての行為を指
し、この行為には、例えば予め準備されたテーブルに歪
測定器等のセンサ出力(測定値)を当てはめて何らかの
演算を行うような場合も含まれる。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
ればレーザー式・渦流式・超音波式などの距離センサを
用いることなく、強磁性体と電磁石との距離を測定する
ことができる。
【0130】また、本距離測定装置を用いた電磁力によ
る強磁性体の制御装置を構成することができ、この制御
装置では距離を測定する強磁性体上の位置と電磁力が作
用する強磁性体上の位置が一致しているため、制御性能
が低下しない。
【0131】そして、本装置に使用する吸引力測定用機
器を適宜選択して使用することにより、高温・粉塵・溶
融金属中といった厳しい環境下でも強磁性体の制御装置
を構成することができる。
【0132】従って、これまで適用することが困難であ
った環境においても距離を測定し、また強磁性体の制御
系を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る距離測定装置の第1の実施の形態
を示す図。
【図2】本発明に係る強磁性体の制御装置の第1の実施
の形態を示す構成図。
【図3】締結力、電流、距離の関係を示す図。
【図4】本発明に係る強磁性体の制御装置の第2の実施
の形態を示す構成図。
【図5】本発明に係る強磁性体の制御装置の第3の実施
の形態を示す構成図。
【図6】本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍
金ラインに適用した例を示す図。
【図7】ライン上方から見た本制御装置の配置を示す
図。
【図8】本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍
金ラインに適用した他の例を示す図。
【図9】溶融亜鉛浴中の装置の配置を示す図。
【図10】本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛
鍍金ラインに適用した他の例を示す図。
【図11】本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛
鍍金ラインに適用した他の例を示す図。
【図12】電気亜鉛鍍金ラインの鍍金槽の構成を示す
図。
【図13】本発明に係る強磁性体の制御装置を電気亜鉛
鍍金ラインに適用した例を示す図。
【図14】溶融亜鉛鍍金鋼板の製造ラインの構成を示す
図。
【図15】ワイピングノズルの動作を説明する図。
【図16】従来の鋼板非接触制御装置の構成を説明する
図。
【図17】距離センサと電磁石との概略の配置を示す
図。
【符号の説明】
1…強磁性体 2…電磁石 3…吸引力測定装置 3a…圧縮型ロードセル 3b…引張型ロードセル 3c…歪ゲージ 4…電流値測定装置 5…距離推定装置 6…制御装置 7…電流増幅装置 8…電磁石固定治具 20…鍍金槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 7/06 C25D 7/06 C L Fターム(参考) 2F063 AA02 AA22 BA23 BB03 BC05 BD17 DA01 DB03 DC08 EC00 NA06 4K024 AA05 BA03 BC01 CB03 EA02 4K027 AA02 AA05 AA22 AB42 AC32 AC52 AC59 AD11 AD29 AE15 AE17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体に対向して電磁石を配する工程
    と、 前記強磁性体と前記電磁石との間に作用する電磁力によ
    って前記電磁石が前記磁性体に吸引される力を測定する
    工程と、 測定した吸引力と電磁石への入力とから、前記電磁石と
    前記強磁性体との距離を推定する工程とを備えたことを
    特徴とする距離測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の距離測定方法において、 前記電磁石への入力は、電磁石のコイル電流の測定また
    は前記電磁石へのコイル電流設定信号の取得によって得
    られることを特徴とする距離測定方法。
  3. 【請求項3】 強磁性体と該強磁性体に対向して配され
    た電磁石との間の距離を測定する距離測定装置におい
    て、 前記強磁性体と前記電磁石との間に作用する電磁力によ
    って前記電磁石が前記磁性体に吸引される力を測定する
    吸引力測定装置と、 測定した吸引力と電磁石への入力とから、前記強磁性体
    と前記電磁石との距離を推定する距離推定装置とを備え
    たことを特徴とする距離測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の距離測定装置において、 前記電磁石への入力は、電磁石のコイル電流の測定また
    は前記電磁石へのコイル電流設定信号の取得によって得
    られることを特徴とする距離測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の距離測定装置に
    おいて、 前記吸引力測定装置は、 前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された圧
    縮型荷重測定装置と、 前記圧縮型荷重測定装置の荷重測定値から吸引力を算出
    する吸引力算出手段とを備えたことを特徴とする距離測
    定装置。
  6. 【請求項6】 請求項3または4記載の距離測定装置に
    おいて、 前記吸引力測定装置は、 前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された引
    張型荷重測定装置と、 前記引張型荷重測定装置の荷重測定値から吸引力を算出
    する吸引力算出手段とを備えたことを特徴とする距離測
    定装置。
  7. 【請求項7】 請求項3または4記載の距離測定装置に
    おいて、 前記吸引力測定装置は、 前記電磁石の固定治具の応力歪を測定する歪測定装置
    と、 前記歪測定装置の歪測定値から吸引力を算出する吸引力
    算出手段とを備えたことを特徴とする距離測定装置。
  8. 【請求項8】 強磁性体と該強磁性体に対向して配され
    た電磁石との間の距離を測定する距離測定装置と、 前記距離測定装置によって測定された距離が所定の値に
    なるように前記電磁石のコイル電流を制御する制御装置
    とを備え、 前記距離測定装置は、請求項2乃至8の内いずれか1の
    請求項に記載の距離測定装置を用いることを特徴とする
    強磁性体の制御装置。
  9. 【請求項9】 強磁性体と該強磁性体に対向して配され
    た電磁石との間の距離を測定する距離測定工程と、 測定された距離が所定の値になるように前記電磁石のコ
    イル電流を制御する制御工程とを備え、 前記距離測定工程は、請求項2乃至8の内いずれか1の
    請求項に記載の距離測定装置を用いて測定することを特
    徴とする強磁性体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記強磁性体が溶融亜鉛鍍金鋼板であ
    ることを特徴とする請求項9記載の強磁性体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記強磁性体が電気亜鉛鍍金鋼板であ
    り、 前記電磁石が電気亜鉛鍍金製造ラインの鍍金槽中に設置
    されたものであることを特徴とする請求項9記載の強磁
    性体の製造方法。
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