JP5223451B2 - 溶融めっき金属帯の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融亜鉛めっき鋼帯等のような溶融めっき金属帯の製造方法に関する。
金属帯を連続してめっきする方法として、金属帯を亜鉛、アルミニウムなどの溶融金属中に浸漬することで金属帯表面にめっきを施す溶融めっき法が知られている。
この溶融めっき法を、鋼帯に溶融亜鉛めっきを施す場合を例に説明すると、冷間圧延された鋼帯または熱間圧延された後に表面のスケールが除去された鋼帯を、無酸化性又は還元性雰囲気に保たれた焼鈍炉に導入して、表面酸化膜の除去を兼ねた焼鈍処理を施した後、溶融亜鉛の温度とほぼ同程度の温度まで冷却し、引き続き鋼帯を溶融亜鉛浴中に導入し、浴中に設けられたシンクロールに巻き付けて略V字形の経路で溶融亜鉛浴中を通板させ、その表面に溶融亜鉛を付着させる。そして、溶融亜鉛浴から引き出された直後の鋼帯の両面にガスワイピングノズルからワイピングガスを吹き付け、過剰の溶融金属を払拭してめっき付着量の調整を行う。
溶融めっき法は、電気めっき法と比較した場合、めっき鋼帯を安価に製造できる、厚めっきの鋼帯を容易に製造できるなど多くの利点がある。なかでも溶融亜鉛めっきを施した後、めっき層を合金化処理して製造される合金化溶融亜鉛めっき鋼帯は、耐食性、溶接性および加工性に優れた特性を有するため、主に自動車用鋼帯として広く使用されているが、特に外装用鋼帯として使用される場合には、塗装後の高鮮映性も要求されるなど、品質に対する要求が益々厳しくなっている。さらに、昨今の旺盛なニーズに対応するため、増産も強く求められている。
溶融亜鉛めっき鋼帯の製造プロセスにおいて、ワイピング部は製品の品質及び生産性を決定づける重要な部分である。図4に、めっき付着量推定式の一例を示すが、めっき付着量Wとノズル(=ガスワイピングノズル)−鋼帯間距離Dは、ほぼ比例関係にあることが知られている。このことは、ノズル−鋼帯間距離Dが変化するとめっき付着量Wにムラが生じ、それが品質上の欠陥につながることを意味する。
図5(a),(b)は、ワイピング部における鋼帯の変形(反り)やパスラインからの変位を平面的に示したもの(鋼帯は水平断面で示す)であるが、例えば、図5(a)のように鋼帯が幅方向でC状に反っている(所謂C反り)場合、中央部と端部とでめっき付着量にムラが出る。ここで、D=10mmでW=50g/mとなる条件でワイピングしている際に、中央部がノズルに1mm近づき、両端部がノズルから1mm遠ざかるようなC反りが発生している場合を考えると、中央部はD=9mmになるので、めっき付着量W=45g/mとなり、両端部はD=11mmになるので、めっき付着量W=55g/mとなる。したがって、板幅方向で10g/mのめっき付着量ムラを生じることになる。
また、図5(b)のように鋼帯が面外方向に振動している場合、ライン方向(長手方向)で縞模様状にめっき付着量ムラが出る。この縞模様のピッチはライン速度と板振動の周波数とで決まり、ライン速度150mpmで板振動周波数が5Hzの場合、縞模様ピッチは150/60/5=0.5mとなる。そして、D=10mmでW=50g/mとなる条件でワイピングしている際に、仮に鋼帯が振幅±1mmで振動すると、50±5g/mのめっき付着量ムラを生じることになる。
鋼帯のC反りや振動は、めっき付着量ムラに起因する品質欠陥を生むだけでなく、生産性の低下も招く。めっき付着量Wはノズル−鋼帯間距離Dと比例関係にあるだけでなく、ライン速度LSの平方根とも比例する。つまり、その他の操業条件を変えずにライン速度を上げると、めっき付着量は増大する。換言すると、めっき付着量を一定に保ったままライン速度を上げるには、ワイピング能力を高める必要がある。ワイピング能力を高めるにはワイピングガス圧を高くする方法もあるが、むやみにガス圧を高めると、スプラッシュと呼ばれる溶融亜鉛の飛散による欠陥を生じやすいので、好ましくない。そこで、ノズルを鋼帯に近づけ、ノズル−鋼帯間距離Dを小さくすることが有効となるが、鋼帯の反りや振動がある場合にはノズルと鋼帯とが接触する恐れがあり、ノズル−鋼帯間距離Dを小さくすることには限度がある。
したがって、ワイピング部における通板安定化、すなわち、鋼帯の反りやパスラインの変位(パス変動・振動)を抑制してノズル−鋼帯間距離Dを一定に保つことは、溶融亜鉛めっき鋼帯の品質および生産性双方の向上に極めて重要となる。そこで従来、ワイピング部の直上近傍に電磁石による通板安定化装置を配置し、その電磁石の吸引力を適切に制御することで、鋼帯の反りやパスラインの変位(パス変動・振動)を抑制し、通板安定化を図る技術(例えば、特許文献1)が開発され、一部実用化されている。この方法では、電磁石は鋼帯に対して非接触で力を作用させることができるので、鋼帯への接触による品質劣化を招かずに済むメリットがある。
このような電磁石の吸引力を利用して通板安定化を図る方法では、電磁石吸引力の制御は、鋼帯の位置(変位)情報に対するPIDフィードバック制御で行われることが多い。ここで、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造ラインでは、通常、一つのラインで様々なサイズ(板厚、板幅)の製品を製造している。例えば、あるラインでは、板厚が0.4〜2.3mm、板幅が500〜1850mmの範囲をカバーしている。このように様々なサイズの鋼帯の通板安定化を図ろうとする場合、これを一定の制御ゲインのみで対応しようとすると、十分な性能を発揮できないことがある。そこで、鋼帯サイズに応じて制御ゲインを切り換えることで、様々なサイズに対して良好な通板安定化が図れる方法が提案されている(特許文献2)。
特開平2−62355号公報 特開2001−38412号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、以下のような問題があるため、多くの場合、鋼帯サイズ毎又はコイル毎に制御ゲインを切り換えるだけでは、通板安定化を十分に図れないことが判った。すなわち、その問題とは、同一コイル内において通板安定化に求められる性能が変化するということである。具体的には、コイル間溶接点の通過直後のコイル先端部では、鋼帯サイズ変化に伴う静的なパス変動や反り量の急激な変化への即応性が最重要なのに対し、そのパス変動や反りの矯正が済んだ後の定常部では、板振動抑制による通板安定化がより重要となる。静的なパス変動や反りに対する即応性を高めるには、目標位置への静定時間を短くする必要があり、これにはPID制御におけるI制御を重視、すなわち積分ゲインを大きくしなければならない。一方、振動抑制効果を高めるには、減衰を大きくする必要があり、これにはPID制御におけるD制御を重視、すなわち微分ゲインを大きくしなければならない。しかしながら、両者はトレードオフの関係にあるため、完全に両立させることはできない。
したがって本発明の目的は、上述した従来技術の課題を解決し、溶融めっき浴から引き出された金属帯のワイピング部での安定通板性を確保し、高品質の溶融めっき金属帯を高い生産性で製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、同一コイル内での通板安定化装置の制御パターンを、同一コイル内で変化する要求性能に対応して切り換えること、例えば、静的なパス変動や反りに対する即応性が重視される溶接点通過直後のコイル先端部と、板振動抑制が重視される定常部とで制御パターンを切り換えることにより、安定した通板が実現されることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]溶融めっき浴から引き出された金属帯のめっき付着量を調整するワイピング部と、該ワイピング部の近傍で金属帯の変形及び/又はパスラインからの変位を抑制する通板安定化装置とを備えた連続溶融めっき設備において、複数のコイルが接続された金属帯を連続通板させて溶融めっき金属帯を製造する方法であって、
前記通板安定化装置の制御パターンを、金属帯の同一コイル内で1回以上切り換え、
該制御パターンの切り換えでは、下記制御パターン(A),(B)を選択的に切り換えて通板安定化装置を制御し、コイル先端部側の通板時には制御パターン(A)を用い、それ以降のコイル部分の通板時には制御パターン(B)を用いることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
・制御パターン(A):制御パターン(B)よりも目標位置への静定時間を短縮化できる制御パターン
・制御パターン(B):制御パターン(A)よりも振動抑制作用が高い制御パターン
[2]上記[1]の製造方法において、金属帯が目標位置に到達した時点で制御パターンを切り換えることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
[3]上記[1]の製造方法において、コイル間の溶接点通過からの経過時間に基づき制御パターンを切り換えることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、金属帯が鋼帯であり、通板安定化装置が電磁石を用いた非接触式の通板安定化装置であることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
本発明によれば、同一コイル内での通板安定化装置の制御パターンを、同一コイル内で変化する要求性能に対応して1回以上切り換えること、例えば、静的なパス変動や反りに対する即応性が重視される溶接点通過直後のコイル先端部と、板振動抑制が重視される定常部とで制御パターンを切り換え、それぞれに適した制御パターンで制御することにより、ワイピング部での安定通板性を確保し、高品質の溶融めっき金属帯を高い生産性で製造することができる。
本発明の溶融めっき金属帯の製造方法は、溶融めっき浴から引き出された金属帯のめっき付着量を調整するワイピング部と、このワイピング部の近傍で金属帯の変形及び/又はパスラインからの変位を抑制する通板安定化装置とを備えた連続溶融めっき設備において、複数のコイルが接続された金属帯を連続通板させて溶融めっき金属帯を製造する方法であって、前記通板安定化装置の制御パターンを、金属帯の同一コイル内で1回以上切り換えるものである。具体的には、例えば、静的なパス変動や反りに対する即応性が重視される溶接点通過直後のコイル先端部と、板振動抑制が重視されるそれ以降のコイル部分(定常部)とで制御パターンを切り換え、それぞれに適した制御パターンで通板安定化装置を制御する。
前記通板安定化装置としては、電磁石を用いた非接触式の通板安定化装置が一般的なものであるが、これに限定されるものではない。但し、この電磁石を用いた通板安定化装置は、以下に述べるような本発明の制御を実現するに特に好適な装置であると言える。
本発明の好ましい実施形態では、下記制御パターン(A),(B)を選択的に切り換えて通板安定化装置を制御し、コイル先端部側の通板時には制御パターン(A)を用い、それ以降のコイル部分の通板時には制御パターン(B)を用いる。すなわち、コイル先端部側の通板時には目標位置への静定時間の短縮を重視する制御パターンを用い、それ以降のコイル部分の通板時には振動抑制を重視する制御パターンを用いる。
・制御パターン(A):制御パターン(B)よりも目標位置への静定時間を短縮化できる制御パターン
・制御パターン(B):制御パターン(A)よりも振動抑制作用が高い制御パターン
このような制御を行うのは、一般に溶融めっき金属帯の製造では、溶接点通過直後のコイル先端部では、板サイズ変化に伴う静的なパス変動や反り量の急激な変化への即応性が最重要なのに対し、そのパス変動や反りの矯正が済んだ後の定常部では、板振動抑制による通板安定化がより重要となるからである。通常、溶接点付近の数m〜十数mは切り落とされて製品コイルにはならないため、多少板振動が大きくてめっき付着量ムラがあっても問題とはならない。それよりは少しでも早く静的なパス変動や反りの矯正を完了させて定常状態に移行することが大切なのである。定常部に入ってからは、次の溶接点までは板サイズが不変で、パスや反りの急激な変化はないので、即応性よりも振動抑制が重要となる。
本発明による制御パターンの切り替えは種々のタイミングで行うことができ、例えば、金属帯が目標位置に到達した時点で制御パターンを切り換えることができる。また、溶接点通過からの経過時間に基づき制御パターンを切り換えることもできる。制御手法としてPID制御を行い、板サイズ毎、また制御パターン(静定時間重視/振動抑制重視)毎に適切な制御ゲインを設定する場合、目標位置に到達するまでの静定時間は制御ゲインごとにほぼ一定となる。したがって、溶接点通過からの経過時間で目標位置に到達したかどうかの判断をすることができる。また、溶接点通過からの経過時間を基準とする場合、実際には目標位置に完全に到達しないこともあり得るが、概ね目標位置に到達していれば問題はなく、本発明の効果が得られることは言うまでもない。
以下、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法を例に、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施に供される溶融亜鉛めっき鋼帯製造ラインの概略構成を示す説明図である。なお、本実施形態は、ワイピング部の近傍に電磁石を用いた非接触式の通板安定化装置が配置され、この通板安定化装置がPID制御される場合について説明する。
図1において、1は溶融亜鉛ポット、2はこの溶融亜鉛ポット1内に配置されるシンクロール、3はガスワイピングノズル(以下、単に「ノズル3」という)であり、このノズル3がワイピング部を構成している。このノズル3の直上近傍には、電磁石を用いた非接触式通板安定化装置4が配置されている。また、この通板安定化装置4には、鋼帯Sの変形(反りなど)やパスラインからの変位(パス変動、振動など)を測定するために距離計7が付設されている。
なお、通板安定化装置4は、ワイピング部の直下近傍或いはワイピング部の直下及び直上近傍の両方に配置してもよい。
通板安定化装置4は、通板する鋼帯Sを挟んで配置される1対の電磁石部40を備え、この両電磁石部40の吸引力で鋼帯の変形(反りなど)やパスラインに対する変位(パス変動、振動など)を抑制する。各電磁石部40は、鋼帯板幅方向の中央および両端の最低3個所に電磁石を備え、これら個々の電磁石による吸引力を制御することにより、鋼帯の反りやパス変動、振動などが矯正される。この電磁石の吸引力の制御は、鋼帯の位置(変位)情報に対するPIDフィードバック制御で行われる。
本発明による通板安定化装置4の制御パターンの切り換えは、例えば、以下のようにして行われる。
図2は、使用される制御ゲインテーブルの一例を示している。このうち、テーブル(I)の制御ゲインは上述した制御パターン(A)、すなわち目標位置への静定時間の短縮を重視する制御パターン(=PID制御のI制御重視の制御パターン)に相当し、溶接点通過直後のコイル先端部の通板時に適用される制御ゲインである。一方、テーブル(II)の制御ゲインは、上述した制御パターン(B)、すなわち、振動抑制を重視する制御パターン(=PID制御のD制御重視の制御パターン)に相当し、コイル先端部以降の定常部の通板時に適用される制御ゲインである。ここで、PID制御を行うテーブル(I)の各制御ゲイン(例えば、C1)は、KP1、KI1、KD1という3つのゲインで構成され、同じくテーブル(II)の各制御ゲイン(例えば、C2)は、KP2、KI2、KD2という3つのゲインで構成されているので、両テーブル(I)、(II)の制御ゲインは、KI1>KI2、KD1<KD2という関係を満足する。
まず、通板安定化装置コントローラ5は上位コンピュータ6からの溶接点や鋼帯サイズ(板厚や板幅など)などの情報をもとに、ワイピング部を通過しようとするコイルに使用する制御ゲインを選択する。例えば、板厚が薄く且つ板幅が広いコイルの場合には、制御ゲインテーブル(I)からC1の制御ゲインが選択される。通板安定化装置コントローラ5は、時々刻々、距離計7で計測される鋼帯Sの変位と目標値との偏差に制御ゲインをかけ合わせ、電磁石駆動アンプ8に指令値を送り、この電磁石駆動アンプ8からは指令値に応じた電流が通板安定化装置4の電磁石部40に流され、これにより発生する吸引力によって主にパス変動と反りが矯正され、鋼帯Sは目標位置に近づいていく。そして、鋼帯Sが目標位置に到達する、あるいは予め設定した時間(目標値への静定時間)が経過するなど定常状態に至ると、通板安定化装置コントローラ5により制御ゲインの切り換えが行われ、制御ゲインテーブル(II)からC2の制御ゲインが選択される。この制御ゲイン切り換えで、定常部では鋼帯Sの振動がより効果的に抑制される。そして、以上のようなコイルに接続(溶接)された後続のコイルについても、上記と同様の鋼帯サイズなどに応じた制御ゲインの選択とコイル内での制御ゲインの切り換えを行う。
図3は、以上のようにして同一コイル内でゲイン切換制御を行うことによる効果を示している。まず、図3(a)のグラフは、パス変動や反りに対する即応性、すなわち目標値への静定時間短縮(=I制御)を重視し、積分ゲインを大きめにしたC1ゲイン単独で通板安定化を図った場合の鋼帯変位である。これを見ると、静定時間は5秒程度と短く、応答性は優れているが、目標値への到達後も振動が残ってしまっていることが判る。一方、図3(b)のグラフは、振動抑制(=D制御)を重視し、微分ゲインを大きめにしたC2ゲイン単独で通板安定化を図った場合の鋼板変位である。これを見ると、板振動は良好に抑制されているが、目標値への到達は非常に遅く、30秒程度かかってしまっていることが判る。
以上に対して図3(c)のグラフは、本発明により制御ゲインの切り替えを行った場合であり、同一コイル内で最初の10秒は応答性重視のC1ゲインで制御し、10秒以降は制御ゲインの切り換えを行って制振性能重視のC2ゲインで制御することで、通板安定化を図った場合の鋼帯変位である。これを見ると、目標値到達までの静定時間を短くする応答性と、定常部での制振性能の両方を満たせていることが判る。
なお、本実施形態では、通板安定化装置の制御アルゴリズムとしてPID制御を適用した場合を例に説明したが、制御アルゴリズムはPID制御に限らないことは言うまでもない。例えば、制御対象である金属帯をモデリングし、状態方程式を立てた上で、応答性重視の極配置と、制振性能重視の極配置を定め、それぞれに対応したフィードバックゲインを求め、これらを同一コイル内で切り換えることで、前述のC1ゲインとC2ゲインとの同一コイル内ゲイン切換制御と同様の性能を発揮させることも可能である。すなわち、本発明は制御アルゴリズムの種類に制約されることなく、応答性重視と制振性能重視の2つの制御パターンを切り換えることで実現できる。
また、本発明は溶融亜鉛めっき鋼帯の他、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼帯、アルミニウムめっき鋼帯など、任意の溶融めっき金属帯の製造に適用できる。
本発明の実施に供される溶融亜鉛めっき鋼帯製造ラインの概略構成を示す説明図 本発明で使用される制御ゲインテーブルの一例を示す図面 本発明により同一コイル内でゲイン切換制御を行うことによる効果を示す説明図 めっき付着量とノズル−鋼帯間距離とライン速度との関係を示す説明図 鋼帯のC反り及び振動によるノズル−鋼帯間距離の変化を示す説明図
符号の説明
1 溶融亜鉛ポット
2 シンクロール
3 ガスワイピングノズル
4 通板安定化装置
5 通板安定化装置コントローラ
6 上位コンピュータ
7 距離計
8 電磁石駆動アンプ
40 電磁石部
S 鋼帯

Claims (4)

  1. 溶融めっき浴から引き出された金属帯のめっき付着量を調整するワイピング部と、該ワイピング部の近傍で金属帯の変形及び/又はパスラインからの変位を抑制する通板安定化装置とを備えた連続溶融めっき設備において、複数のコイルが接続された金属帯を連続通板させて溶融めっき金属帯を製造する方法であって、
    前記通板安定化装置の制御パターンを、金属帯の同一コイル内で1回以上切り換え、
    該制御パターンの切り換えでは、下記制御パターン(A),(B)を選択的に切り換えて通板安定化装置を制御し、コイル先端部側の通板時には制御パターン(A)を用い、それ以降のコイル部分の通板時には制御パターン(B)を用いることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
    ・制御パターン(A):制御パターン(B)よりも目標位置への静定時間を短縮化できる制御パターン
    ・制御パターン(B):制御パターン(A)よりも振動抑制作用が高い制御パターン
  2. 金属帯が目標位置に到達した時点で制御パターンを切り換えることを特徴とする請求項に記載の溶融めっき金属帯の製造方法。
  3. コイル間の溶接点通過からの経過時間に基づき制御パターンを切り換えることを特徴とする請求項に記載の溶融めっき金属帯の製造方法。
  4. 金属帯が鋼帯であり、通板安定化装置が電磁石を用いた非接触式の通板安定化装置であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の溶融めっき金属帯の製造方法。
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