JP6870659B2 - 溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル、溶融金属めっきのガスワイピング方法、及び溶融金属めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル、溶融金属めっきのガスワイピング方法、及び溶融金属めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル、溶融金属めっきのガスワイピング方法、及び溶融金属めっき鋼板の製造方法に関する。
連続溶融金属めっきラインでは、図9に示すように、還元雰囲気の連続焼鈍炉で焼鈍された鋼帯Sは、スナウト10内を通過して、めっき槽12内の溶融金属浴14中に連続的に導入される。その後鋼帯Sは、溶融金属浴14中のシンクロール16、サポートロール18を介して溶融金属浴14の上方に引き上げられ、ガスワイピングノズル20A,20Bで所定のめっき厚みに調整された後に、冷却されて後工程に導かれる。ガスワイピングノズル20A,20Bは、めっき槽12上方に、鋼帯Sを挟んで対向して配置され、その噴射口から鋼帯Sの両面に向けてガスを吹き付ける。このガスワイピングにより、余剰な溶融金属が掻き取られて、鋼帯表面のめっき付着量が調整されるとともに、鋼帯表面に付着した溶融金属が板幅方向及び板長手方向で均一化される。ガスワイピングノズル20A,20Bは、多様な鋼帯幅に対応するとともに、鋼帯引き上げ時の幅方向の位置ズレなどに対応するため、通常、鋼帯幅より幅広く構成され、鋼帯の幅方向端部より外側まで延びている。
このようなガスワイピングノズルでは、所望のめっき付着量(めっき厚み)に制御するため、鋼帯通板速度も考慮しながらガス噴射圧力、ノズル−鋼帯間距離、及びノズル高さを逐次変更しながら、溶融金属めっき鋼帯を製造する。図5に示すように、ガスワイピング後の金属めっき表面では、鋼帯の長手方向にあるピッチで波状の凹凸(付着量変動)ができ、特にガスワイピング後の加熱処理を行わないとそのまま凝固して波模様となってしまう。ガスワイピング後のめっき厚みが厚いほど、鋼帯長手方向の波ピッチは長くなり、その波の高さも高くなる。ガスワイピングでできた波は、溶融状態の間は通板中にリフロー(平滑化)するが、固化するまでに完全に平滑化することは無く、結果的に「湯ジワ」、「さざ波」あるいは「リップルマーク」と呼ばれる表面欠陥になってしまい、表面外観を著しく低下させるとともに付着量ムラにもなり問題であった。
このような問題に対して、特許文献1には、
「ガス供給管に繋がるインナチューブと、噴射口を備え、前記インナチューブを囲うノズル本体とからなり、ノズル本体内部をインナチューブで第1均圧室と噴射口に続く第2均圧室に区分し、前記インナチューブに第1均圧室に臨むオリフイスを開口し、また、インナチューブとノズル本体との間の狭い隙間を絞り部とし、これらの絞り部を介して第1均圧室から第2均圧室に流れ込むガス流れを壁に沿わせて流すためのガイド面を第2均圧室に形成したことを特徴とするガスワイピングノズル」
が記載されており、この構成によって、リップルマークを抑制できることが記載されている。
また、特許文献2には、
「ガスワイピングノズル端部におけるガスワイピングノズルの鋼帯に対面する側の上面と下面のなす角度が、ガスワイピングノズル端部の方がガスワイピングノズル中央部より小さいガスワイピングノズル」
が記載されており、この構成によって、スプラッシュ欠陥やさざ波欠陥が抑制できることが記載されている。
特開平9−217162号公報 特開2003−313648号公報
本発明者らが、図5に示すような湯ジワが形成される原因を検討したところ、その一因は、図5に示すように、従来のガスワイピングノズル20Cから噴射されるガス噴流が乱流となっており、ガス噴流自体が激しく上下に振動しながら溶融めっき金属Mに吹き付けられているためであることを突き止めた。
しかしながら、特許文献1に記載のガスワイピングノズルでは、ガスワイピングノズル内部での圧力変動を抑えることができても、噴射口から噴射された後のガス噴流は周囲気体との速度差に起因して拡散し、上下に激しく振動するようになる。このため、湯ジワを低減する効果が不十分であることが判明した。
特許文献2に記載のガスワイピングノズルでも同様で、ノズル外形によって噴射口から噴射されるガス噴流に随伴する気体流れは多少変化するものの、ガス噴流そのものの性質は変わらないため、ガス噴流の上下振動に起因する表面欠陥には効果がなかった。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、表面外観に優れ、めっき付着量ムラの少ない溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できる溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル、溶融金属めっきのガスワイピング方法、及び溶融金属めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討したところ、以下の知見を得た。従来のガスワイピングノズルにおいて、図5に示すようにガス噴流が激しく上下に振動する理由は、図7に示すように、噴射口において、ノズル壁面付近で流速が小さいガス流速分布となり、ガス噴流の直進性が維持できなくなるためである。このようなガス流速分布となる理由は、第一に、ガス流路の流路断面積が噴射口に向かって漸減する部分において、鋼帯に垂直な断面視でノズル部材の内壁が直線形状を有していること、そして、第二に、ガス流路の流路断面積が一定となるガス噴射口の出口部分が長いことであると判明した。そこで、本発明者らは、鋼帯に垂直な断面視でノズル部材の内壁が非直線形状となるように流路断面積を漸減させ、かつ、ガス流路の流路断面積が一定となるガス噴射口の出口部分を短くすることを着想した。その結果、図8に示すように、ノズル壁面付近でもガス流速が落ちず、噴射口におけるガス流路分布を矩形に近づけることができ、ガス噴流の直進性が高まる。その結果、図6に示すように、ガス噴流Fの上下振動の振幅を小さくすることができ、その結果、鋼帯の長手方向に波状の凹凸が形成されるのを抑制できた。
上記知見に基づき完成された本発明の要旨構成は以下のとおりである。
[1]溶融金属浴から引き上げられた鋼帯にガスを吹き付けて、前記鋼帯の表面の溶融金属の付着量を調整する溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズルであって、
ノズルヘッダと、上ノズル部材及び下ノズル部材からなるノズル本体と、整流板とを有し、
前記ノズルヘッダは、上側端部と下側端部とを有し、ガス供給管が接続され、内部に前記ガス供給管と連通し、前記鋼帯の幅方向に延在するヘッダ空間を区画し、
前記上ノズル部材及び前記下ノズル部材は、それぞれ前記ノズルヘッダの前記上側端部及び前記下側端部に接続された基端部から延在し、内部に前記鋼帯の幅方向に延在するガス流路を区画しつつ、互いに対向するそれぞれの先端部によって前記鋼帯の幅方向に延在するスリット状のガス噴射口を区画し、
前記整流板は複数の貫通孔を有し、前記ノズルヘッダと前記ノズル本体との間に位置し、前記複数の貫通孔を介して前記ヘッダ空間から前記ガス流路にガスが供給され、
前記ノズル本体は、前記ガス流路の流路断面積が前記基端部から前記先端部に向かって漸減する漸減部を有し、
前記漸減部では、前記鋼帯に垂直な断面視で、前記上ノズル部材及び前記下ノズル部材の内壁が非直線形状を呈し、
前記ガス流路の流路断面積が一定となる前記ガス噴射口の出口部分のガス流れ方向長さLは、前記ガス噴射口のスリットギャップBに対して、0≦L/B≦5であることを特徴とする溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
[2]前記鋼帯に垂直な断面視で、前記漸減部における前記上ノズル部材及び前記下ノズル部材の内壁の、前記基端部側の端点をそれぞれRS1及びRS2とし、前記先端部側の端点をそれぞれRE1及びRE2とし、
S1及びRS2間の距離をBsとし、RE1及びRE2間の距離は前記スリットギャップと等しいBであり、
S1とRS2とを結ぶ直線をy軸、RS1とRS2との中点RS0と、RE1とRE2との中点RE0とを結ぶ直線をx軸としたxy平面において、中点RS0をx=0、中点REoをx=Lsとしたとき、
位置xにおける、前記x軸から前記上ノズル部材の内壁までの距離Y1を示す関数Y1=f1(x)は、
0.40Ls≦x≦0.60Lsかつ0.20(Bs+B)≦y≦0.30(Bs+B)を満たす任意の点RM1から前記RE1までが、前記x軸に向かって凸の曲線となり、
位置xにおける、前記x軸から前記下ノズル部材の内壁までの距離Y2を示す関数Y2=f2(x)は、
0.40Ls≦x≦0.60Lsかつ−0.30(Bs+B)≦y≦−0.20(Bs+B)を満たす任意の点RM2から前記RE2までが、前記x軸に向かって凸の曲線となる、上記[1]に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
[3]前記x軸に向かって凸の曲線は、コサインカーブの少なくとも一部である、上記[2]に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
[4]前記Y1=f1(x)は、前記RS1から前記RM1までが、前記x軸と離れて凸の曲線となり、
前記Y2=f2(x)は、前記RS2から前記RM2までが、前記x軸と離れて凸の曲線となる、上記[2]又は[3]に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
[5]前記x軸と離れて凸の曲線は、コサインカーブの少なくとも一部である、上記[4]に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
[6]前記RM1は、x=0.50Lsかつy=0.25(Bs+B)に位置し、
前記RM2は、x=0.50Lsかつy=−0.25(Bs+B)に位置する、上記[2]〜[5]のいずれか一項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
[7]前記Y1=f1(x)及び前記Y2=f2(x)が、それぞれ以下の式(1)及び式(2)を満たすコサインカーブである、上記[2]に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
Figure 0006870659
Figure 0006870659
[8]0≦x≦Ls/2の範囲では、前記Y1=f1(x)及び前記Y2=f2(x)が、それぞれ以下の式(3)及び式(4)を満たす3次関数曲線であり、
Ls/2<x≦Lsの範囲では、前記Y1=f1(x)及び前記Y2=f2(x)が、それぞれ以下の式(5)及び式(6)を満たす3次関数曲線である、上記[2]に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
Figure 0006870659
Figure 0006870659
Figure 0006870659
Figure 0006870659
[9]前記基端部における前記ガス流路の流路断面積が、前記先端部における前記ガス流路の流路断面積の30〜60倍である、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
[10]前記整流板の前記複数の貫通孔は、直径がスリットギャップBの3〜8倍の円形孔であり、前記鋼帯の幅方向に均等に配置されており、孔断面積の合計が前記基端部における前記ガス流路の流路断面積の3〜8倍である、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
[11]溶融金属浴から引き上げられた鋼帯に、上記[1]〜[10]のいずれか一項に記載のガスワイピングノズルからガスを吹き付けて、前記鋼帯の表面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピングを行うことを特徴とする溶融金属めっきのガスワイピング方法。
[12]前記ガスワイピング後の金属めっき皮膜の平均厚さを10μm以上とする、上記[11]に記載の溶融金属めっきのガスワイピング方法。
[13]前記ガスワイピングノズルの前記ノズルヘッダ最下端と前記溶融金属浴の表面との距離Hを10〜300mmとする、上記[11]又は[12]に記載の溶融金属めっきのガスワイピング方法。
[14]溶融金属浴に連続的に鋼帯を浸漬する工程と、
前記溶融金属浴から引き上げられる鋼帯を挟んで配置した、上記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の一対のガスワイピングノズルから、前記鋼帯にガスを吹き付けて、該鋼帯の両面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピング工程と、
を含むことを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造方法。
[15]溶融金属浴に連続的に鋼帯を浸漬する工程と、
上記[11]〜[13]のいずれか一項に記載のガスワイピング方法を用いて、前記鋼帯の表面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピング工程と、
を含むことを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造方法。
本発明の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル、溶融金属めっきのガスワイピング方法、及び溶融金属めっき鋼板の製造方法によれば、表面外観に優れ、めっき付着量ムラの少ない溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できる。
本発明の一実施形態による溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル20の、鋼帯に垂直な断面図である。 ガスワイピングノズル20の上下ノズル部材40A,40Bの内壁が示す非直線形状の一例を示すグラフである。 ガスワイピングノズルのノズルヘッダ最下端と溶融金属浴の表面との距離Hを示す模式図である。 ガスワイピングノズル20で用いる整流板50の正面図である。 従来のガスワイピングノズル20Cを用いた場合の、ガス噴流の振動と、鋼帯表面のめっき金属の脈動状態を示す模式図である。 本発明の一実施形態によるガスワイピングノズル20を用いた場合の、ガス噴流の振動と、鋼帯表面のめっき金属の脈動状態を示す模式図である。 従来のガスワイピングノズル20Cを用いた場合の、ガス噴射口から噴射した直後のガス噴流の流速分布を示す模式図である。 本発明の一実施形態によるガスワイピングノズル20を用いた場合の、ガス噴射口から噴射した直後のガス噴流の流速分布を示す模式図である。 連続溶融金属めっき設備の構成を示す模式図である。
図9を参照して、連続溶融金属めっき設備100は、スナウト10と、溶融金属を収容するめっき槽12と、シンクロール16と、サポートロール18とを有する。スナウト10は、鋼帯Sが通過する空間を区画する、鋼帯進行方向に垂直な断面が矩形状の部材であり、その先端は、めっき槽12に形成される溶融金属浴14に浸漬されている。一実施形態において、還元雰囲気の連続焼鈍炉で焼鈍された鋼帯Sは、スナウト10内を通過して、めっき槽12内の溶融金属浴14中に連続的に導入される。その後鋼帯Sは、溶融金属浴14中のシンクロール16、サポートロール18を介して溶融金属浴14の上方に引き上げられ、一対のガスワイピングノズル20A,20Bで所定のめっき厚みに調整された後に、冷却されて後工程に導かれる。
一対のガスワイピングノズル20A,20Bは、めっき槽12上方に、鋼帯Sを挟んで対向して配置される。ガスワイピングノズル20Aは、その先端で鋼帯の板幅方向に延在するスリット状のガス噴射口から鋼帯Sに向けてガスを吹き付け、鋼帯の表面のめっき付着量を調整する。他方のノズル20Bも同様であり、これら一対のノズル20A,20Bによって、余剰な溶融金属が掻き取られて、鋼帯Sの両面のめっき付着量が調整され、かつ、板幅方向及び板長手方向で均一化される。ガスワイピングノズル20A,20Bは、多様な鋼帯幅に対応するとともに、鋼帯引き上げ時の幅方向の位置ズレなどに対応するため、通常、鋼帯幅より長く構成され、鋼帯の幅方向端部より外側まで延びている。
(溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル)
本発明の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズルは、上記のような連続溶融金属めっき設備100に適用可能である。以下、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態による溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル20(以下、単に「ガスワイピングノズル」とも称する。)を説明する。
図1を参照して、ガスワイピングノズル20は、ノズルヘッダ30と、上ノズル部材40A及び下ノズル部材40Bからなるノズル本体40と、整流板50とを有する。
本実施形態において、ノズルヘッダ30は、上側板状部材31A、下側板状部材31B、及びこれらを連結する連結板状部材33を備え、これら部材はいずれも、その長手方向が鋼帯幅方向に延在する。そのため、ノズルヘッダ30は、内部に鋼帯の幅方向に延在するヘッダ空間35を区画する。ノズルヘッダの上側端部32A及び下側端部32Bは、それぞれ上側板状部材31A及び下側板状部材31Bの鋼帯側端部に相当する。ノズルヘッダ30には、ガス供給管34が接続され、ヘッダ空間35はガス供給管34と連通している。そのため、ガス供給管34からヘッダ空間35にガスを供給することができる。
ノズル本体40を構成する上ノズル部材40A及び下ノズル部材40Bは、それぞれノズルヘッダの上側端部32A及び下側端部32Bに接続された基端部41A,41Bから延在し、内部に鋼帯の幅方向に延在するガス流路44を区画しつつ、互いに対向するそれぞれの先端部42A,42Bによって鋼帯の幅方向に延在するスリット状のガス噴射口45を区画する。また、ノズル本体40は、ガス流路の流路断面積が基端部41A,41Bから先端部42A,42Bに向かって漸減する漸減部43A,43Bを有する。ここで、「ガス流路の流路断面積」とは、図1のx軸に垂直なガス流路44の断面積を意味する。なお、x軸の定義は後記する。
図4も参照して、整流板50は複数の貫通孔51を有する矩形の板状部材であり、ノズルヘッダ30とノズル本体40との間に位置する。そのため、複数の貫通孔51を介してヘッダ空間35からガス流路44にガスが供給される。
本実施形態では、第一に、漸減部43A,43Bにおいて、鋼帯に垂直な断面視で(すなわち図1を参照して)、上ノズル部材40A及び下ノズル部材40Bの内壁が非直線形状を呈すること、第二に、ガス流路の流路断面積が一定となるガス噴射口の出口部分46(平行部)のガス流れ方向長さLが、ガス噴射口のスリットギャップBに対して、0≦L/B≦5であること、が肝要である。ここで、「ガス流れ方向」とは、図1のx軸方向を意味する。
図5及び図7に示すように、従来のガスワイピングノズル20Cでは、ガス噴射口にはスリットギャップBに対して10倍以上の長さLの平行部を設け、その上流では、上下ノズル部材の内壁が直線形状を呈している。この場合、ガス流速の幅方向均一性は維持できるが、その代わり、図7のように、噴射口では壁面速度がゼロの速度分布となる。これに対して、本実施形態では、ガス流路の流路断面積が一定となるガス噴射口の出口部分46(平行部)の長さを短くしつつ、この出口部分46の上流に、非直線形状の内壁部分を配置する。これにより、図8に示すように、ノズル壁面付近でもガス流速が落ちず、噴射口におけるガス流路分布を矩形に近づけることができ、ガス噴流の直進性が高まる。その結果、図6に示すように、ガス噴流Fの上下振動の振幅を小さくすることができ、その結果、鋼帯Sの長手方向に波状の凹凸が形成されるのを抑制できる。すなわち、表面外観に優れ、めっき付着量ムラの少ない溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できる。
L/B>5の場合、平行部が長すぎて、上記した本実施形態の作用効果を得ることができない。また、本実施形態では、L/B=0、すなわち平行部が存在しなくてもよい。この場合でも、ノズル壁面付近でもガス流速が落ちず、ガス噴流の直進性を高めることができる。
上下ノズル部材の内壁の非直線形状について、図2を参照して、上記した本実施形態の作用効果を十分に得ることができる好適な形態を説明する。図2に説明するように、鋼帯に垂直な断面視で、以下のように定義する。
S1:漸減部43Aにおける上ノズル部材40Aの内壁の、基端部41A側の端点
S2:漸減部43Bにおける下ノズル部材40Bの内壁の、基端部41B側の端点
E1:漸減部43Aにおける上ノズル部材40Aの内壁の、先端部42A側の端点
E2:漸減部43Bにおける下ノズル部材40Bの内壁の、先端部42B側の端点
Bs:RS1及びRS2間の距離
B:RE1及びRE2間の距離(スリットギャップと等しくなる。)
y軸:RS1とRS2とを結ぶ直線
x軸:RS1とRS2との中点RS0と、RE1とRE2との中点RE0とを結ぶ直線
このxy平面において、中点RS0をx=0、中点REoをx=Lsとする。また、一例として、x=0.50Lsかつy=0.25(Bs+B)の点をRM1とし、x=0.50Lsかつy=−0.25(Bs+B)の点をRM2とする。
このとき、位置xにおける、x軸から上ノズル部材40Aの内壁までの距離Y1を示す関数Y1=f1(x)は、点RS1から点RM1までがx軸と離れて凸の曲線となり、点RM1から点RE1までがx軸に向かって凸の曲線となることが好ましい。同様に、位置xにおける、x軸から下ノズル部材40Bの内壁までの距離Y2を示す関数Y2=f2(x)は、点RS2から点RM2までがx軸と離れて凸の曲線となり、点RM2から点RE2までがx軸に向かって凸の曲線となることが好ましい。
このように、漸減部43A,43Bが、基端部側から先端部側に向けて、ノズル外側に凸の曲線から変曲点RM1,RM2を境にノズル内側に凸の曲線になることにより、ガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給され、ガス噴流の直進性をより高めることができる。
ただし、ガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給するためには、上下ノズル部材の先端部42A,42B側の、ノズル内側に凸の曲線部分が重要である。そのため、本実施形態は上記の図2のような場合に限定されず、Y1=f1(x)は、点RM1から点RE1までがx軸に向かって凸の曲線となり、Y2=f2(x)は、点RM2から点RE2までがx軸に向かって凸の曲線となるだけでも構わない。この場合、Y1=f1(x)の点RS1から点RM1までの部分と、Y2=f2(x)の点RS2から点RM2までの部分の形状は、特に限定されず、例えば直線形状であってもよい。
また、図2の例では、変曲点RM1,RM2(つまり、ノズル内側に凸の曲線部分の開始点)に関しては、x=0.50Lsかつy=0.25(Bs+B)の点をRM1とし、x=0.50Lsかつy=−0.25(Bs+B)の点をRM2としたが、本実施形態はこれに限定されない。ガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給する観点からは、図2の斜線で示す領域内、すなわち点RM1は、0.40Ls≦x≦0.60Lsかつ0.20(Bs+B)≦y≦0.30(Bs+B)を満たす任意の点とすることができ、点RM2は、0.40Ls≦x≦0.60Lsかつ−0.30(Bs+B)≦y≦−0.20(Bs+B)を満たす任意の点とすることができる。点RM1に関して、0.60Ls<xかつy<0.20(Bs+B)の場合、ノズル内側に凸の曲線部が短すぎて、ガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給することができない。また、0.60Ls<xかつ0.20(Bs+B)≦yの場合や、0.40Ls≦x≦0.60Lsかつ0.30(Bs+B)<yの場合は、ノズル内側に凸の曲線部の勾配が急になり、やはりガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給することができない。x≦0.60Lsかつy<0.20(Bs+B)の場合や、x<0.40Lsかつ0.20(Bs+B)≦y≦0.30(Bs+B)の場合は、点RS1から点RM1までの勾配が急にならざるを得ず、やはりガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給することができない。x<0.40Lsかつ0.30(Bs+B)<yの場合は、ノズル内側に凸の曲線部が長すぎて、当該曲線部の勾配が緩やかになりすぎ、従来の直線形状の場合に近いガス流となってしまう。
上記したx軸に向かって凸の曲線及びx軸と離れて凸の曲線は、特に限定されないが、一例として、コサインカーブ(余弦波)の少なくとも一部とすることができる。これにより、変曲点RM1,RM2で内壁面が急激に傾斜することなく、しかも、ガス噴射口の出口部分46の近傍は傾斜の変動が緩やかな曲線となる。このため、ガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給することができる。
このような曲線の一例として、Y1=f1(x)及びY2=f2(x)が、それぞれ以下の式(1)及び式(2)を満たすコサインカーブである場合が特に好ましい。
Figure 0006870659
Figure 0006870659
この場合、Y1=f1(x)及びY2=f2(x)は、0≦x≦0.5Lsではx軸と離れて凸のコサインカーブとなり、0.5Ls<x≦Lsではx軸に向かって凸のコサインカーブとなる。このため、ガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給され、ガス噴流の直進性をより高めることができる。
また、好適な非曲線形状の他の例として、0≦x≦Ls/2の範囲では、Y1=f1(x)及びY2=f2(x)が、それぞれ以下の式(3)及び式(4)を満たす3次関数曲線であり、Ls/2<x≦Lsの範囲では、Y1=f1(x)及びY2=f2(x)が、それぞれ以下の式(5)及び式(6)を満たす3次関数曲線である場合を挙げることができる。
Figure 0006870659
Figure 0006870659
Figure 0006870659
Figure 0006870659
この場合も、0≦x≦Ls/2ではx軸と離れて凸の緩やかな曲線となり、Ls/2<x≦Lsではx軸に向かって凸の緩やかな曲線となる。このため、ガス噴射口45に直進性の高いガス流が供給され、ガス噴流の直進性をより高めることができる。
漸減部43A,43Bのガス流れ方向長さLsは、特に限定されないが、80〜250mmとすることが好ましい。Lsが80mm以上の場合、流路縮小による圧損の急増を招かず、Lsが250mm以下の場合、流路漸減による整流効果を十分に享受できるからである。
スリットギャップB及び平行部のガス流れ方向長さLは、上記の0≦L/B≦5の関係を満たす限り特に限定されないが、Bは0.7〜2.0mm程度とすることができ、Lは0〜10mm程度とすることができる。
ガス流路での圧力損失を抑えるため、基端部41A,41Bにおけるガス流路の流路断面積S1は、先端部42A,42Bにおけるガス流路の流路断面積S2の30〜60倍とすることが好ましい。30倍以上とすれば、ガス流路での圧力損失が十分に抑えられ、本実施形態の作用効果を阻害することがない。60倍以下とすれば、ノズル外形が大きくなりすぎることがないため、亜鉛飛沫(スプラッシュ)がノズルに付着しやすくなるなどの操業性の劣化を招くことがない。なお、本実施形態において、ノズル形状は鋼帯幅方向の位置に依らず一定であるため、S1/S2はBs/Bと等しくなる。
平行部の長さLが短いと圧力損失が低下するため、ガス噴射口45での幅方向流速が不均一になりがちである。そこで、ガス噴射口45より上流側の整流板50によって、幅方向均一化を図ることが好ましい。この観点から、図4を参照して、整流板の複数の貫通孔51は、直径aがスリットギャップBの3〜8倍の円形孔であり、鋼帯の幅方向に均等に配置されており、孔断面積の合計S3が基端部41A,41Bにおけるガス流路の流路断面積S1の3〜8倍であることが好ましい。ここで、「孔断面積の合計」とは、各貫通孔51のx軸に垂直な断面積を全ての貫通孔について合計した面積である。
孔断面積の合計S3がS1の3倍以上であれば、整流板での圧力損失が過大となることがないため、貫通孔間でのガス噴流速度差が出にくく、貫通孔がある位置とない位置との間でのめっきムラが発生しにくい。孔断面積の合計S3がS1の8倍以下であれば、整流板での整流効果を損なうことがなく、幅方向に均一なめっき付着量制御が実現できる。
また、整流板の貫通孔の直径aがスリットギャップBの3倍以上であれば、貫通孔がある位置とない位置との間でのめっきムラが現れにくく、貫通孔の直径aがスリットギャップBの8倍以下であれば、貫通孔間のピッチ距離が長くなることがなく、やはり貫通孔がある位置とない位置との間でのめっきムラが現れにくい。
複数の貫通孔51は、鋼帯の幅方向に均等に配置されることが好ましく、その間隔(中心間距離)は、直径aの2〜5倍程度が好ましい。また、整流板の短手方向における貫通孔列の数は、Bsに応じて適宜設定すればよいが、列間隔は、直径aの0.5〜4倍程度が好ましい。
(溶融金属めっきのガスワイピング方法)
本発明の一実施形態による溶融金属めっきのガスワイピング方法は、溶融金属浴から引き上げられた鋼帯に、上記実施形態のガスワイピングノズル20からガスを吹き付けて、鋼帯の表面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピングを行うことを特徴とする。本実施形態のガスワイピング方法によれば、表面外観に優れ、めっき付着量ムラの少ない溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できる。
図3を参照して、ガスワイピングノズルのノズルヘッダ最下端と溶融金属浴14の表面との距離Hは10〜300mmとすることが好ましい。噴射されたガス噴流が鋼帯Sに衝突し鋼帯Sに沿って流れるが、平均的には上下均等なガス流量配分となる。したがって、図6のように、多少なりともガス噴流Fの振動が起きる状況となる。そこで、ガスワイピングノズル高さを下げて溶融金属浴表面との距離を縮めると、ワイピングノズル下方にガスが流れにくくなり、ワイピングノズル上方へガスが流れやすくなる。その結果、ガス噴流振動の振幅をより小さくすることができる。この観点から、距離Hは300mm以下とすることが好ましい。また、浴表面のガスワイピングノズルとの接触を確実に防止する観点から、距離Hは10mm以上とすることが好ましい。
湯ジワ等のめっき付着量変動に起因する表面欠陥は、いかなる金属めっき皮膜厚みでも発生しうるが、厚いほど顕著になる。そのため、ガスワイピング後の金属めっき皮膜の平均厚さを10μm以上とすると、本発明による外観改善効果が顕著になる。
ガスワイピングノズル20から噴射されるガスは、特に限定されず、例えば空気とすることができるが、不活性ガスとしてもよい。不活性ガスにすることで、鋼帯表面上の溶融金属の酸化を防止できるため、溶融金属の粘度ムラをさらに抑制することができる。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(溶融金属めっき鋼板の製造方法)
図9を参照して、本発明の一実施形態による溶融金属めっき鋼板の製造方法は、溶融金属浴14に連続的に鋼帯Sを浸漬する工程と、溶融金属浴14から引き上げられる鋼帯Sを挟んで配置した、上記実施形態による一対のガスワイピングノズル20A,20Bから、鋼帯Sにガスを吹き付けて、該鋼帯Sの両面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピング工程と、を含む。
また、本発明の他の実施形態による溶融金属めっき鋼板の製造方法は、溶融金属浴に連続的に鋼帯を浸漬する工程と、上記実施形態によるガスワイピング方法を用いて、鋼帯の表面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピング工程と、を含む。
これらの方法によれば、表面外観に優れ、めっき付着量ムラの少ない溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できる。
溶融金属の成分は、特に限定されず、例えば5質量%Al−Znや、55質量%Al−Zn等の溶融亜鉛系めっきとすることができる。また、Al:1.0〜10質量%、Mg:0.2〜1質量%、Ni:0〜0.1質量%を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成とすることも好ましい。このようにMgが含まれると、溶融金属の酸化/冷却による粘度ムラが生じやすく、湯ジワが発生しやすくなることが確認されている。そのため、溶融金属が上記成分組成を有する場合に、本発明の湯ジワを抑制する効果が顕著に表れる。
本発明の製造方法で製造される溶融金属めっき鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板を挙げることができ、これは、溶融亜鉛めっき処理後合金化処理を施さないめっき鋼板(GI)と、合金化処理を施すめっき鋼板(GA)のいずれも含む。
図9に示す連続溶融亜鉛めっき設備を用いて、表1に示す各種製造条件で溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。No.1〜20は、Al濃度が0.19質量%の溶融亜鉛めっき鋼板で、めっき膜厚の板内最小が10μmである規格の鋼板である。No.21〜40は、Al,Mg,Niを表1のとおりに含む溶融亜鉛めっき鋼板で、めっき膜厚の板内最小が16μmである規格の鋼板である。ガスワイピングノズルのノズル本体の内部形状や各種寸法は、表1に示すとおりである。
以下の方法でめっき平均膜厚を求め、結果を表1に示した。めっき膜厚は、幅方向5か所(幅方向センター、幅方向センターから両側に300mmの位置、及び両エッジから50mmの位置)で、長手方向に100mずつ間隔をあけた5か所の計25か所をφ48mmで打抜き、希塩酸で亜鉛めっきを片面ずつ溶解させた前後で重量測定し、その差分から膜厚に換算し、平均膜厚を算出した。
鋼板の外観評価については、以下の基準で合否を判断した。なお、Waは、JIS B0601−2001の規格に基づいて測定した算術平均うねりWa[μm]の値である。結果を表1に示す。
×:不合格=目視で大きな湯じわが確認できる亜鉛めっき鋼板(1.50<Wa)
△:不合格=目視で小さな湯じわが確認できる亜鉛めっき鋼板(1.0<Wa≦1.50)
○:合格=目視で湯じわが確認できない美麗な亜鉛めっき鋼板(0.50<Wa≦1.00)
◎:合格=目視で湯じわが確認できない非常に美麗な亜鉛めっき鋼板(0<Wa≦0.50)
ノズル本体の内部形状が非直線形状であること(条件1)と、0≦L/B≦5であること(条件2)の両方を満たさない比較例No.1及びNo.21では、めっき付着量むらが大きいため、最小膜厚を確保するには平均めっき膜厚が厚くなり、湯じわ欠陥も顕著に現れた。また、条件2は満たすが条件1を満たさない比較例No.2及びNo.22では、噴射口の平行部が短いので圧損が低下するため、No.1及びNo.21に比べてめっき付着量は低減するものの、噴流振動が低減せずに整流孔影響も出やすくなるので、むしろめっき凹凸(Wa)は悪化した。条件1は満たすが条件2を満たさない比較例No.6,7,9及びNo.26,27,29では、噴射口の平行部が長いため、やはり良好な表面外観は得られなかった。それに対して、条件1及び条件2の両方を満たす本発明例においては、コイル全長全巾に亘って良好な表面外観となった。
Figure 0006870659
本発明の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル、溶融金属めっきのガスワイピング方法、及び溶融金属めっき鋼板の製造方法によれば、表面外観に優れ、めっき付着量ムラの少ない溶融金属めっき鋼帯を安定して製造できる。
100 連続溶融金属めっき設備
10 スナウト
12 めっき槽
14 溶融金属浴
16 シンクロール
18 サポートロール
20 ガスワイピングノズル
30 ノズルヘッダ
31A 上側板状部材
31B 下側板状部材
32A 上側端部
32B 下側端部
33 連結板状部材
34 ガス供給管
35 ヘッダ空間
40 ノズル本体
40A 上ノズル部材
41A 上ノズル部材の基端部
42A 上ノズル部材の先端部
43A 上ノズル部材の漸減部
40B 下ノズル部材
41B 下ノズル部材の基端部
42B 下ノズル部材の先端部
43B 下ノズル部材の漸減部
44 ガス流路
45 ガス噴射口
46 ガス噴射口の出口部分
50 整流板
51 貫通孔
S 鋼帯
F ガス噴流
M 溶融めっき金属

Claims (14)

  1. 溶融金属浴から引き上げられた鋼帯にガスを吹き付けて、前記鋼帯の表面の溶融金属の付着量を調整する溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズルであって、
    ノズルヘッダと、上ノズル部材及び下ノズル部材からなるノズル本体と、整流板とを有し、
    前記ノズルヘッダは、上側端部と下側端部とを有し、ガス供給管が接続され、内部に前記ガス供給管と連通し、前記鋼帯の幅方向に延在するヘッダ空間を区画し、
    前記上ノズル部材及び前記下ノズル部材は、それぞれ前記ノズルヘッダの前記上側端部及び前記下側端部に接続された基端部から延在し、内部に前記鋼帯の幅方向に延在するガス流路を区画しつつ、互いに対向するそれぞれの先端部によって前記鋼帯の幅方向に延在するスリット状のガス噴射口を区画し、
    前記整流板は複数の貫通孔を有し、前記ノズルヘッダと前記ノズル本体との間に位置し、前記複数の貫通孔を介して前記ヘッダ空間から前記ガス流路にガスが供給され、
    前記ノズル本体は、前記ガス流路の流路断面積が前記基端部から前記先端部に向かって漸減する漸減部を有し、
    前記漸減部では、前記鋼帯に垂直な断面視で、前記上ノズル部材及び前記下ノズル部材の内壁が非直線形状を呈し、
    前記鋼帯に垂直な断面視で、前記漸減部における前記上ノズル部材及び前記下ノズル部材の内壁の、前記基端部側の端点をそれぞれR S1 及びR S2 とし、前記先端部側の端点をそれぞれR E1 及びR E2 とし、
    S1 及びR S2 間の距離をBsとし、R E1 及びR E2 間の距離は前記スリットギャップと等しいBであり、
    S1 とR S2 とを結ぶ直線をy軸、R S1 とR S2 との中点R S0 と、R E1 とR E2 との中点R E0 とを結ぶ直線をx軸としたxy平面において、中点R S0 をx=0、中点R E0 をx=Lsとしたとき、
    位置xにおける、前記x軸から前記上ノズル部材の内壁までの距離Y を示す関数Y =f (x)は、
    0.40Ls≦x≦0.60Lsかつ0.20(Bs+B)≦y≦0.30(Bs+B)を満たす任意の点R M1 から前記R E1 までが、前記x軸に向かって凸の曲線となり、
    位置xにおける、前記x軸から前記下ノズル部材の内壁までの距離Y を示す関数Y =f (x)は、
    0.40Ls≦x≦0.60Lsかつ−0.30(Bs+B)≦y≦−0.20(Bs+B)を満たす任意の点R M2 から前記R E2 までが、前記x軸に向かって凸の曲線となり、
    前記ガス流路の流路断面積が一定となる前記ガス噴射口の出口部分のガス流れ方向長さLは、前記ガス噴射口のスリットギャップBに対して、0≦L/B≦5であることを特徴とする溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
  2. 前記x軸に向かって凸の曲線は、コサインカーブの少なくとも一部である、請求項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
  3. 前記Y=f(x)は、前記RS1から前記RM1までが、前記x軸と離れて凸の曲線となり、
    前記Y=f(x)は、前記RS2から前記RM2までが、前記x軸と離れて凸の曲線となる、請求項又はに記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
  4. 前記x軸と離れて凸の曲線は、コサインカーブの少なくとも一部である、請求項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
  5. 前記RM1は、x=0.50Lsかつy=0.25(Bs+B)に位置し、
    前記RM2は、x=0.50Lsかつy=−0.25(Bs+B)に位置する、請求項のいずれか一項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
  6. 前記Y=f(x)及び前記Y=f(x)が、それぞれ以下の式(1)及び式(2)を満たすコサインカーブである、請求項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
    Figure 0006870659
    Figure 0006870659
  7. 0≦x≦Ls/2の範囲では、前記Y=f(x)及び前記Y=f(x)が、それぞれ以下の式(3)及び式(4)を満たす3次関数曲線であり、
    Ls/2<x≦Lsの範囲では、前記Y=f(x)及び前記Y=f(x)が、それぞれ以下の式(5)及び式(6)を満たす3次関数曲線である、請求項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
    Figure 0006870659
    Figure 0006870659
    Figure 0006870659
    Figure 0006870659
  8. 前記基端部における前記ガス流路の流路断面積が、前記先端部における前記ガス流路の流路断面積の30〜60倍である、請求項1〜のいずれか一項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
  9. 前記整流板の前記複数の貫通孔は、直径がスリットギャップBの3〜8倍の円形孔であり、前記鋼帯の幅方向に均等に配置されており、孔断面積の合計が前記基端部における前記ガス流路の流路断面積の3〜8倍である、請求項1〜のいずれか一項に記載の溶融金属めっき設備用ガスワイピングノズル。
  10. 溶融金属浴から引き上げられた鋼帯に、請求項1〜のいずれか一項に記載のガスワイピングノズルからガスを吹き付けて、前記鋼帯の表面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピングを行うことを特徴とする溶融金属めっきのガスワイピング方法。
  11. 前記ガスワイピング後の金属めっき皮膜の平均厚さを10μm以上とする、請求項10に記載の溶融金属めっきのガスワイピング方法。
  12. 前記ガスワイピングノズルの前記ノズルヘッダ最下端と前記溶融金属浴の表面との距離Hを10〜300mmとする、請求項10又は11に記載の溶融金属めっきのガスワイピング方法。
  13. 溶融金属浴に連続的に鋼帯を浸漬する工程と、
    前記溶融金属浴から引き上げられる鋼帯を挟んで配置した、請求項1〜のいずれか一項に記載の一対のガスワイピングノズルから、前記鋼帯にガスを吹き付けて、該鋼帯の両面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピング工程と、
    を含むことを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造方法。
  14. 溶融金属浴に連続的に鋼帯を浸漬する工程と、
    請求項1012のいずれか一項に記載のガスワイピング方法を用いて、前記鋼帯の表面の溶融金属の付着量を調整するガスワイピング工程と、
    を含むことを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造方法。
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