JP5386779B2 - 溶融めっき鋼板の製造方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、溶融めっき鋼板の製造に関するもので、特に、めっき表面にエッジオーバーコートやヒゲなどの欠陥が生成するのを抑制して溶融めっきする方法及び装置に関する。
溶融めっき鋼板を製造する際、図1(a)に示すように、溶融めっき浴より引き上げられた鋼板の表面に、ワイピングノズルからガスを吹き付けて、過剰のめっき金属を払拭して付着量の調整を行っているが、その際、エッジオーバーコートやヒゲなどの欠陥が発生することが知られている。
エッジオーバーコートは、鋼板表裏のワイピングノズルからのガス流の干渉によって、鋼板端部でガスの吹き付け圧が下がり、鋼板端部のめっき付着量が幅中央部より大きくなる現象であり、従来、ワイピングノズルの端部側に補助ノズルを設置してエッジオーバーコートを防止する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、ワイピングノズルからの吹付気体の鋼帯両端部衝突位置に、上部から補助ノズルからの気体を吹付けること、および、厚目付の場合には、補助ノズルの気体吹付圧をワイピングノズルよりも高圧にすることが示されている。
特許文献2には、ワイピングノズルの上方の端部に設置した補助ノズルから、ワイピングノズルの9〜11倍の圧力で加熱気体を吹き付けることが示されている。
特許文献3には、金属ストリップの端縁から幅方向中央へ30〜170mmの領域において、ワイピングノズルの上方に配置した補助ノズルから、ワイピングノズルの先端部に向けて、ワイピングノズルの噴射圧力以上の圧力で気体を吹きつけることが示されている。
ところで、近年、より優れた耐食性を有するめっき鋼板として、Zn−Al−Mg系の溶融めっき鋼板が開発され、建材などで使用されている。
このようなAlとMgを含んだめっき組成では、鋼板を溶融めっき浴に浸漬し、めっき浴から引き上げた後にめっき層の表面に酸化物が生成しやすく、特に、鋼板の通板速度が低いとワイピング前に生成する酸化膜の厚みが大きくなるので、ワイピング圧を高くしないと、分断された酸化膜が残留することによるヒゲが発生しやすい。
しかし、建材用の鋼板は、板厚は1.0mmから9.0mm程度であり、厚手の鋼板を通板させる場合には、焼鈍炉の能力から通板速度が50mpm程度になる。しかも、めっき厚みは15μmから45μm程度になるのでワイピングノズルの圧力も30kPa程度に押さえなければならない。
このために、高濃度にMgやALが添加された浴においては、一般の溶融亜鉛めっきのようなZn99質量%以上の浴と比較して酸化膜が発生しやすく、更に、ワイピングノズルからのガス流の圧力も低いので、発生した酸化膜を除去するのが難しく、そのため上記のようなヒゲが発生しやすいという問題がある。
そのような、ヒゲの発生を防止するものとして、例えば、特許文献4には、ワイピングノズルの上方のめっき金属の凝固が完了するまでの間で、エッジ近傍のめっき表面にガスを吹きつけることにより、ヒゲなどの発生の原因となる鋼板端部のめっき金属による斜め下向き張力を緩和することが示されている。
また、前記特許文献3には、ワイピングノズルの上方に配置した補助ノズルから気体を吹き付けるにあたり、吹き付ける位置が30mmより端縁側になれば、エッジオーバーコートは無くなるものの、端部にひげ状の外観不良が発生することが記載されている。
特開昭48−42931号公報 特公昭55−41295号公報 特開平10−265930号公報 特開2000−96201号公報
上記のような建材用の鋼板では、板厚が厚く、めっきの目付け量も多いので、それにともなって通板速度が小さくなり、めっき浴から出た段階で鋼板幅方向に反りが発生しやすい。また、鋼板が厚いので発生した反りをワイピングする前に矯正することも難しい。
本発明者らの研究によれば、鋼板に反りが生じた時には、上述のような補助ノズルを用いていても、次のような問題が有ることがわかった。すなわち、
(A)通常、反りの無い場合を想定して、補助ノズルからのガス流が、鋼板表面でワイピングノズルからのガス流と衝突するように調整しているが、反りがあると、衝突位置が鋼板とノズルの間にシフトすることが有る。
(B)この時、めっき厚みが厚い場合など、補助ノズルからのガスをワイピングノズルからのガスよりも強く吹き出していると、図1(b)に示すように、ワイピングノズルと補助ノズルから吹き出されたガスの鋼板上の衝突位置が下方にずれる。
(C)そうすると、補助ノズルとワイピングノズルの幅方向の境目に圧力の低下した部分が生じ、それによりこの境目位置に通板方向で圧力分布ができ、その結果、この部分のめっき付着量が大きくなる。
(D)また、ワイピングノズルからの噴出ガス流の鋼板上での衝突位置が下がることで、反対面における衝突位置との関係が非対称になり、鋼板端部でめっき液の回り込みが発生する。特に、Zn−Al−Mg系の溶融めっきの場合に、上記(c)の現象が起きると、端部のオーバーコートと共に、ヒゲと呼んでいる分断された酸化膜が発生するのでこれもめっきの欠陥になる。
(E)さらに、補助ノズルのガス量を増やして衝突位置がさらに下方にずれると、補助ノズル吐出部とメインノズル吐出部のわずかな間(1〜3mm程度、図6の左上図参照)で線状のオーバーコートが発生する。この線状のオーバーコートは、コイルに巻き取る時に巻取り形状不良を起こす。特にZn−Al−Mg系の溶融めっきの場合には、この線状のオーバーコートに成り易い。これは、めっき層が半凝固の場合に、Alめっきよりも粘性が高くなること、表面の酸化膜がAlめっきとは異なること等の差に因ると考えられる。
特に最近では、塗装下地処理として、クロメート処理に替わって処理液をロールコータで塗ることが行われるようになり、この場合に、エッジオーバーコートや、上記の線状のオーバーコートなどが有ると、その部分のロールコータへの接触圧力が高くなるため、コータ表面の磨耗が問題になる。溶融亜鉛めっき鋼板に比べて、めっきの付着量の多いZn-Al-Mg系の溶融めっき鋼板の場合には、上記のオーバーコートの量も多く、その発生の防止がより求められるようになった。
しかし、従来の技術では、鋼板に反りが発生した場合の上述のような問題については考慮されておらず、特に、厚手の鋼板の溶融めっきにおけるエッジオーバーコートや線状のオーバーコート、ヒゲなどの発生を防止することができなかった。
したがって、本発明の課題は、エッジオーバーコートや線状のオーバーコート、ヒゲの発生を抑制して溶融めっきできる方法及び装置を提供することに有る。
上記の課題を解決するために、本発明は、溶融めっき鋼板の製造において次のようにしたことを特徴とする。
(1)鋼板表面にワイピングノズルからガスを吹き付けてめっきの付着量を制御する溶融めっき鋼板の製造方法において、ワイピングノズルの端部の上下にそれぞれ補助ノズル設置し、上下補助ノズルからそれぞれ吐出されるガス流が、鋼板の表面とワイピングノズル先端との間の位置であって、ワイピングノズル先端との間の距離が、ワイピングノズル先端と鋼板の間の距離の10%以上である位置でワイピングノズルから吐出されるガス流と衝突するようにするとともに、上下補助ノズルから吐出されるガスの吐出平均流速を、それぞれ、ワイピングノズルから吐出されるガスの吐出平均流速の1.5〜10倍とすることを特徴とする。
)前記溶融めっき鋼板の製造方法において、さらに、下補助ノズルのガス流とワイピングノズルのガス流の衝突する位置が、上補助ノズルのガス流とワイピングノズルのガス流の衝突する位置よりも鋼板側に2mm以下ずれていることを特徴とする。
)前記溶融めっき鋼板の製造方法において、さらに、(上補助ノズルの吐出流速/下補助ノズルの吐出流速)の値を0.9〜1.2の範囲とすることを特徴とする。
)鋼板表面にワイピングノズルからガスを吹き付けてめっきの付着量を制御する溶融めっき鋼板の製造装置において、ワイピングノズルの端部の上下にそれぞれ補助ノズルが設置されており、上下補助ノズルからそれぞれ吐出されるガス流が、鋼板の表面とワイピングノズル先端との間の位置であって、ワイピングノズル先端との間の距離が、ワイピングノズル先端と鋼板の間の距離の10%以上である位置でワイピングノズルから吐出されるガス流と衝突するように上下補助ノズルのそれぞれの向きが設定されているとともに、上下補助ノズルから吐出されるガスの吐出平均流速が、それぞれ、ワイピングノズルから吐出されるガスの吐出平均流速の1.5〜10倍に設定されていることを特徴とする。
)前記溶融めっき鋼板の製造装置において、下補助ノズルのガス流とワイピングノズルのガス流の衝突する位置が、上補助ノズルのガス流とワイピングノズルのガス流の衝突する位置よりも鋼板側に2mm以下ずれるように、上下の補助ノズルのそれぞれの向きが設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、板厚が厚い鋼板に、めっきの付着量が多く通板速度が小さい条件で溶融めっきする場合であっても、また、めっき浴から出た段階で幅方向に反りが発生した鋼板を溶融めっきする場合であっても、エッジオーバーコートや線状のオーバーコート、ヒゲなどの欠陥がめっき表面に生成するのを抑制して溶融めっきをすることができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
連続溶融めっきラインでは、鋼板をめっき浴内に浸漬したのち、上方に引き上げる過程において、めっき浴の鋼板出側に配置した一対のワイピングノズルから吐出されたガスを鋼板に吹き付けることによって、鋼板の表裏面に付着した過剰のめっき金属を払拭し、めっきの付着量を制御する。
その際、ワイピングノズルのみでは上述のように端部のオーバーコートが起きる。そこで、端部に補助ノズルを設置して、エッジオーバーコートの抑制をしている。しかし、オーバーコートの発生をより防止するために、補助ノズルのガスを増やすと鋼板上のガス流の衝突点が下方に曲げられる。この現象は、特に、鋼板に反りが発生して鋼板とノズルが離れた時に顕著となる。
そして、ガス流の衝突点が下方に曲げられると、上述のようにオーバーコートの発生を防止できない。さらに、AlやMgを含む酸化性の強いめっき浴に対しては、補助ノズルからのガスを通常よりも強く吐出し酸化膜を掻き落とす必要があるが、補助ノズルからのガスの吐出圧力を強くすると、補助ノズルとワイピングノズルのガス流の衝突部が更に乱れ、境界部における圧力低下部分の発生が助長される。そのために、前述のように補助ノズル吐出部とメインノズル吐出部のわずかな間で線状のオーバーコートが発生する。
そこで、本発明者らは、ワイピングノズル(以下、主ノズルと記載する。)の下側にも補助ノズルを設置して、鋼板上のガスの衝突点が下方に曲げられるのを防止することを考え、次のケース1〜3の場合について、補助ノズルからの吐出ガス流(以下、補助ガス流と記載する場合もある)の流速、および補助ガス流と主ノズルからの吐出ガス流(以下、主ガス流と記載する場合もある)とが衝突する位置を種々変化させて、主ガス流の下方への曲がりの程度及びエッジオーバーコート量を調べる実験を行った。
ケース1:上補助ノズルのみ設置
ケース2:上下補助ノズル設置(上補助ノズル/下補助ノズル流速比=1.2)
ケース3:上下補助ノズル設置(上補助ノズル/下補助ノズル流速比=0.9〜1.0)
なお、2つ以上のガス流を合体させる形態として、「衝突」と「随伴」がある。
「衝突」とは、主流(ここでは主ノズルからのガス流れ)の流れの向きが、他のガス流れ(ここでは補助ノズルからのガス流れ)により、曲げられるような合体形態であり、「随伴」とは、主流の流速が他のガス流れの流速より大きく、他の流れが主流の流れと向きが同じとなるような合体形態である。
本発明では、主ノズルから出るガス流の流れを上下の補助ノズルで直進性を保つように「衝突」形態でガス流を合体させる。「衝突」形態の場合には、上下補助ノズルから吐出されるガスのガス流量を主ノズルからのガス流量の1.1倍以上とする必要が有る。1.1倍に満たない場合には、2つ以上のガス流は「随伴」流となる。
図2に、それぞれのケースにおけるガスの吹きつけ状態を示し、図3に実験により得られた結果の一例を示す。なお、エッジオーバーコート量は、ケース2について調べた結果を示す。
図3において、主ノズルガス流曲り衝突位置は、補助ガス流4と主ガス流3の衝突位置Pを主ノズル2先端から鋼板1方向に変化させたとき、主ガス流3の下方への曲がりが所定の値を超えた時の補助ガス流と主ガス流の衝突位置を示しており、主ガス流3が鋼板に衝突した際の最大流速部が3mm以上下方へ曲がった場合について、主ノズル先端と鋼板間の距離Lに対する主ノズル2先端からの距離Dの比、すなわちD/Lの値で示している。
なお、ガス流は広がりをもった流体であり速度分布をもつ。このため、各衝突位置をガス流それぞれのガス流の最大流速部が衝突する位置というように定義する。
例えば、ケース1について、ノズルの吐出流速の比が0.5の場合、主ノズル先端から鋼板に向かって0.1の位置、すなわち、D/Lが0.1となる位置で主ガス流と補助ガス流が衝突したときに、主ガス流が下方へ3mm以上曲がった状態で鋼板に衝突したことを示している。
したがって、各ケースにおいて、主ガス流と補助ガス流の衝突位置が図の線より上にあれば、主ガス流の曲がりが実質的に生じないことを示している。
図2より、上下に補助ノズルを設けたケース2、3の場合は、主ガス流と補助ガス流の衝突位置が0、1の位置より鋼板側にあれば主ガス流の曲がりを防止できること、主ノズルと補助ノズルの吐出流速の比が1.5以上であればエッジオーバーコートが防止できることがわかった。これに対し、上補助ノズルのみを設けたケース1の場合は、補助ノズルからの吐出流速を大きくすると主ガス流に曲がりが発生することがわかった。
本発明は、以上のような結果に基づき、さらに補助ノズルの作動条件などについて検討した結果なされたものであり、以下、そのような本発明について順次説明する。
本発明では、溶融めっき鋼板の製造において、図4(a)に示すように、鋼板1の表面に主ノズル2から吐出されるガスを吹き付けてめっきの付着量を制御する際、主ノズル2の端部の上下にそれぞれ補助ノズルを設置する。
その際、上下補助ノズルから吐出される補助ガス流4、5が、鋼板表面と主ノズル先端との間の位置で主ガス流3と衝突するように上下補助ノズルのそれぞれの向きを設定し、鋼板に反りがあっても補助ガス流が直接鋼板に衝突しないようにする。
このようにすることにより、鋼板に反りがあり、鋼板位置が表裏の主ノズル位置の中間からずれても、図4(b)に示すように補助ガス流4、5が直接鋼板に衝突ないので、鋼板の表裏面での衝突圧の差は小さく、また、鋼板の外側の部分での主ガス流どうしの衝突位置も鋼板位置の延長線上になるので、鋼板の端部近傍で強い渦ができることはない。このため、鋼板に反りがあってもエッジオーバーコートの生成が抑制される。
また、補助ノズルからのガスを通常よりも強く吐出し酸化膜を掻き落とすような場合でも、補助ノズルと主ノズルのガス流の衝突部が大きく乱れることがなく、線状のオーバーコートの生成も防止できる。
両者のガス流の衝突位置Pは、前述のようにD/Lが0.1以上、すなわち、主ノズル先端から鋼板に向かって、主ノズル先端と鋼板の間の距離の10%以上鋼板側とする。
両者のガス流の衝突位置が鋼板に近くなり、補助ガス流も鋼板に衝突するようになると、鋼板に反りが発生した場合、一方の補助ガス流は鋼板に衝突しなくなるため、ガス流の鋼板への衝突圧が表裏で異なることになる。鋼板とノズル間距離が10mmとして、反り量は通常2mm以下なので、鋼板に反りが発生した場合、一方の補助ガス流が鋼板に衝突しないようにするためには、衝突位置はD/Lの値で0.8以下とすることが好ましい。
なお、衝突位置と正常(反りのない場合)の鋼板位置との間隔(L−D)は、5mmから15mmが好ましい。この距離が5mm以下では、鋼板振動が発生した時に鋼板がノズルに接触する恐れがある。また、15mm以上では、めっきタレが大きく発生する。また目付量を制御するためのガス量も多くなる。
各々の補助ノズルの吐出ガス流の流速は、主ノズルの吐出流速の1.5倍以上とする。主ガス流の曲がりの点からは3図に示されるように0.5倍以上でよいが、エッジオーバーコートを防止するためには前述のように1.5倍以上とする必要がある。
補助ノズルからの吐出流速が主ノズルの吐出流速の10倍を超えると、補助ノズルとメインノズルの境界部に溶融亜鉛が溜まり、めっき付着量の不均一部(線状もしくは点が連なった線状のオーバーコート)が発生するので、流速の比は10倍以下が好ましく、6倍以下であればより好ましい。
また、上補助ノズルのガスの吐出流速/下補助ノズルのガスの吐出流速の値を0.9〜1.2の範囲とする。上補助ノズルのガスの吐出流速が下補助ノズルのガスの吐出流速の0.9倍〜1.2倍の範囲であれば、図3の結果に示されるように、主ガス流の曲がりを防止することができる。
補助ノズルの設置位置は、図2、4に示されるように上下対称位置でもよいが、図5に示されるように上下非対称に設置してもよい。その場合、上下の補助ガス流4、5は、鋼板手前のずれた位置で主ガス流3に衝突する。このように上下の補助ガス流の衝突点を多少ずらした方が、主ノズルからのガスの流れがより安定して、より直線性が保たれる。
その際、図5のように下の補助ノズルのガス流5が鋼板側にくるのが好ましい。これは上方に鋼帯が移動するため、主ノズルのガス流れが鋼板に衝突する位置の近傍では上方の流れが生じており、下の補助ノズルのガス流5が鋼板側にくると、鋼板近傍では上の補助ノズル流れよりも下ノズルの流れが支配的となり、鋼帯の移動に伴う上昇流と同一方向の流れとなる。この結果、鋼板近傍での流れの乱れが小さくなり、メッキの付着均一性も向上する。また、上補助ノズルのガス流4と下補助ノズルのガス流5の衝突位置の差Sは、2mm以下で、上下補助ノズルの衝突位置が重ならないことが好ましい。差が2mmを超えるようになると、主ガス流が下方にずれるようになるので適当でない。設備の設定精度にもよるが衝突位置の差は0.5mm〜2mmの範囲が好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、実施例で採用した条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するための一条件例であり、本発明はこの例に限定されるものではない。
板幅1000mm、厚み1.6mmの鋼板を、50mpmの速度で溶融めっきラインを通板した。用いためっき液の組成は、質量%で、Mg:3.0%、Al:11.0%、残部Znからなるものであった。
溶融めっき浴より引き上げられた鋼板のめっき付着量を調整する際、鋼板に反りがあった場合を想定して、鋼板位置が表裏の主ノズルの中間位置から3mmずれるようにして通板した。また、主ノズルから鋼帯の全幅にわたってガスを吹きつける際、主ノズルの端部の上部にあるいは上下に補助ノズルを設置し、補助ノズルから主ノズルのガス流と衝突するようにガスを吹き付けた。
表1に、各ノズルから吐出されるガス流速、ノズルからのガスの吐出高さ、ノズル先端から鋼板までの距離を示すとともに、さらに、主ノズルではノズルのスリット幅を、また、補助ノズルでは、設置角度、吐出口形状(ノズルの吐出口厚みがノズル幅方向にテーパー状に変化するスリットテーパーとし、鋼板内側に近い方の吐出口厚みを0mm、鋼板外側に近い方の厚みを0.8mmとした。)、ノズル幅、補助ノズルからのガス流が主ノズルからのガス流と衝突する位置をそれぞれ示した。
図6に上下補助ノズルを設置した本発明例と上補助ノズルのみを設置した比較例の場合について、一方の端部における鋼板幅方向のガス流の衝突圧力とめっき付着量の分布状態を模式図で示す。衝突圧力については、主ノズル中心位置と、その位置から5mmと10mm下の位置での分布を示す。
比較例の場合は、主ノズルと補助ノズルから吹き出されたガスの鋼板上の衝突位置が下方にずれ、特に主ノズル中心から5mm下の位置で補助ノズルと主ノズルの幅方向の境目に圧力の低下した部分が生じ、その結果、めっき金属がその部分に寄るようになり、その部分のめっき付着量が大きくなっていた。
これに対し、発明例の場合は、各位置とも衝突圧力の分布に大きな変化は見られず、オーバーコートの発生がほとんど抑制されていた。
図7に、ノズルからのガス吹き付け領域での衝突圧力の分布の一例を示す。
(a)は、上下補助ノズルからのガスの吹き付けが無い場合、(b)は、上補助ノズルからのガスの吹き付けのみが有る場合、(c)は、上下補助ノズルからのガスの吹き付けが有る場合である。
ガスは、紙面にほぼ垂直方向に、鋼板を挟んで両側(紙面の表側からと裏側の両側)から吹き付けられている。吹きつけガスの衝突位置はノズル先端と鋼板間の中間に設定されている。ガスの吹きつけ圧力が高い部分は図中白色で、更に圧力の高い部分は、白色の領域内に黒色で表されている。
図7(a)では、補助ノズルからのガスの吹き付けが無いので、表裏のガスの影響で白色領域が曲がっておりエッジ近傍に乱れが見られる。このため、端部に亘るエッジオーバーコートが発生する。
図7(b)では、上補助ノズルからのガスの吹き付けにより、補助ノズルの右側の端部付近で、白色で示した吹き付け圧力の高い部分が右上側に曲げられているのが見られる。この場合には、エッジ補助ノズルの右側の端部付近の圧力が高くなっているので、図6の左図のようにこの部分の圧力勾配が大きくなり、溶融めっき金属の厚みにむらが生じて線状のオーバーコートが発生する。加えて、端部に亘るエッジオーバーコートも完全には解消されない。
図7(c)では、上補助ノズルからのガスの吹き付けにより、白色で示した吹き付け圧力が高い部分はほぼ直線になっているのが見られる。図7(b)の場合のような右上側に曲げられている現象は見られない。また、白色領域部の中に見られる更に圧力の高い黒色部は、図7(b)の場合と比較してエッジ補助ノズル吹き付け部のほぼ全域に亘って均一に存在している。図7(b)で発生した線状のオーバーコートと、図7(a)、(b)で発生していた端部に亘るエッジオーバーコートが同時に解消できる。
従来のガス流によりめっき付着量調整する方法を説明するための図である。 補助ノズルの配置の仕方を説明する図である。 補助ノズルの配置や吐出流速を変化させた場合の、オーバーコート量及び主ノズルガス流曲り衝突位置の変化を示す図である。 本発明における鋼板のそりの影響を説明する図である。 本発明の他の例を示す図である。 本発明の実施例を説明するための図である。 本発明と比較例の衝突部の圧力分布を表すための図である。
符号の説明
1 鋼板
2 ワイピングノズル(主ノズル)
3 ワイピングノズルから吐出されるガス流(主ガス流)
4 上補助ノズルから吐出されるガス流
5 下補助ノズルから吐出されるガス流
P ワイピングノズルから吐出されるガス流と補助ノズルから吐出されるガス流の衝突位置
L ワイピングノズル先端と鋼板の間の距離
D ワイピングノズル先端とPとの間の距離
S 上下の補助ノズルからのガス流がワイピングノズルからのガス流と衝突する位置のずれ量

Claims (5)

  1. 鋼板表面にワイピングノズルからガスを吹き付けてめっきの付着量を制御する溶融めっき鋼板の製造方法において、
    ワイピングノズルの端部の上下にそれぞれ補助ノズル設置し、上下補助ノズルからそれぞれ吐出されるガス流が、鋼板の表面とワイピングノズル先端との間の位置であって、ワイピングノズル先端との間の距離が、ワイピングノズル先端と鋼板の間の距離の10%以上である位置でワイピングノズルから吐出されるガス流と衝突するようにするとともに、上下補助ノズルから吐出されるガスの吐出平均流速を、それぞれ、ワイピングノズルから吐出されるガスの吐出平均流速の1.5〜10倍とすることを特徴とする溶融めっき鋼板の製造方法。
  2. 下補助ノズルのガス流とワイピングノズルのガス流の衝突する位置が、上補助ノズルのガス流とワイピングノズルのガス流の衝突する位置よりも鋼板側に2mm以下ずれていることを特徴とする請求項1に記載の溶融めっき鋼板の製造方法。
  3. (上補助ノズルの吐出流速/下補助ノズルの吐出流速)の値を0.9〜1.2の範囲とすることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融めっき鋼板の製造方法。
  4. 鋼板表面にワイピングノズルからガスを吹き付けてめっきの付着量を制御する溶融めっき鋼板の製造装置において、
    ワイピングノズルの端部の上下にそれぞれ補助ノズルが設置されており、上下補助ノズルからそれぞれ吐出されるガス流が、鋼板の表面とワイピングノズル先端との間の位置であって、ワイピングノズル先端との間の距離が、ワイピングノズル先端と鋼板の間の距離の10%以上である位置でワイピングノズルから吐出されるガス流と衝突するように上下補助ノズルのそれぞれの向きが設定されているとともに、上下補助ノズルから吐出されるガスの吐出平均流速が、それぞれ、ワイピングノズルから吐出されるガスの吐出平均流速の1.5〜10倍に設定されていることを特徴とする溶融めっき鋼板の製造装置。
  5. 下補助ノズルのガス流とワイピングノズルのガス流の衝突する位置が、上補助ノズルのガス流とワイピングノズルのガス流の衝突する位置よりも鋼板側に2mm以下ずれるように、上下補助ノズルのそれぞれの向きが設定されていることを特徴とする請求項に記載の溶融めっき鋼板の製造装置。
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