JP3901969B2 - 鋼板の制振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は鋼板の制振装置に関し、特に入側ローラと出側ローラとの間に懸架されて鋼板が走行する、例えば亜鉛等の溶融メッキライン、コーティングライン等に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来技術に係る溶融亜鉛メッキラインに適用した鋼板の制振装置を当該ラインの一部とともに概念的に示す説明図である。同図に示すように、当該ラインにおいて鋼板1は、シンクローラである入側ローラ2と出側ローラ3との間に懸架され、シンク4内の溶融亜鉛メッキ浴5内を通過して走行する。さらに詳言すると、鋼板1は溶融めっき浴5内をシンク4内に配設された入側ローラ2やサポートローラとしてのコレクティングローラ6とスタビライジングローラ7とに案内・支持されて走行する間に溶融めっき浴5内の溶融亜鉛がめっきされる。ここで、溶融めっき浴5の出口に隣接する位置にはワイピングノズル(気体絞り装置)8が鋼板1の各面に対し対向設置されており、このワイピングノズル8により、めっき直後のストリップ1の表面に対して空気等の気体が吹き付けられ、めっき厚が均一になるようにコントロールされる。
【0003】
ところが、圧延加工された鋼板1には、一般に、入側ローラ2での曲げによりその幅方向の反りが残留しており、いわゆるC反りを発生する。かかるC反りが発生したままでは、鋼板1の表面に対する空気の吹き付け状態が幅方向に均一にならず、めっき厚のコントロールがうまく行われない。かかる不都合は、走行に伴う入側ローラ2と出側ローラ3との間での鋼板1の振動によっても発生する。
【0004】
そこで、この種のラインには、一般に、上述の如きC反りを矯正するとともに走行中の鋼板1の振動を防止するため、入側ローラ2と出側ローラ3との間に配設した制振装置を有している。この制振装置は、入側ローラ2と出側ローラ3との間で鋼板1を挟んで両側にそれぞれ配設した電磁石9、10と、この電磁石9、10に隣接する位置で鋼板1との間の距離を検出するセンサ11を有しており、このセンサ11で検出した距離が目標値になるよう電磁石9、10の磁力を制御回路部12で電磁石駆動部13を介して制御するようにしたものである。ここで、目標値は目標値設定部14に予め設定してあり、この目標値とセンサ11よる実測値とに基づき両者の偏差を減算器15で演算し、この偏差が零となるように電磁石駆動部13により電磁石9、10に供給する励磁電流の値を制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の如き溶融亜鉛メッキラインを含む、入側ローラ2と出側ローラ3との間に懸架した鋼板1を走行させて所定の処理を行うストリップラインにおいては、板厚、板幅、張力等の鋼板条件が異なる複数種類の鋼板1を連続的に処理する場合がある。このときは、先行する鋼板1の後端と次の鋼板1の先端とを溶接して連続的なストリップとして処理している。
【0006】
一方、当該制振装置の制御系の制御定数は、その最適値が鋼板条件によって異なる。従来技術に係る鋼板の制振装置における前記制御定数は、当該ラインで処理する代表的な鋼板1の鋼板条件に基づいて最適な値を設定し、これを固定値として用いていた。
【0007】
この結果、制御定数を決定する際の基準となった鋼板1以外の鋼板1を走行させてその制振を行う場合には、当該制振装置の制御系の制御定数が最適なものとなっておらず、走行中の鋼板1の制振効果が低減する等、制振制御を十分良好に行うことができない場合がある。
【0008】
さらに、従来技術においては、ライン毎に試験を行い、制御定数を決定していたので、一つのラインの制御定数の設定作業と他のラインのそれとが全く独立した作業となっていた。そこで、ラインが異なっても最適な制御定数を設定できる制振装置の出現が待望されている。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑み、ラインが変わっても、これに対応する最適な制御定数を容易に変更・設定することができる汎用性に優れた鋼板の制振装置を提供する鋼板の制振装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の構成は次の点を特徴とする。
【0011】
1) 入側ローラと出側ローラとの間に懸架されて走行する鋼板の各面と相対向するよう、この鋼板を挟んで両側にそれぞれ配設した電磁石を有し、この電磁石に隣接する位置で前記鋼板との間の距離をセンサで検出することによりこの距離が目標値になるよう前記電磁石の磁力を制御系で制御して走行中の鋼板の制振を行う鋼板の制振装置において、
板厚、板幅、張力の少なくとも一つを含む前記鋼板の鋼板条件が変化しても、前記入側ローラと前記出側ローラと前記電磁石と前記センサとを有するラインを走行する前記鋼板の制振を行うことができるようにするため、更に上位コントローラと、マスターデータ記憶装置と、制御定数演算部とを備え、
前記上位コントローラは、前記ラインで使用する複数種類の鋼板の鋼板条件を有し、
前記マスターデータ記憶装置は、代表的な鋼板の鋼板条件と、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパンとに基づく、前記制御系の制御定数を表すデータを有すると共に、前記制御系の制御定数を決定する際の基礎となるパラメータを表すマスターデータを有し、
前記制御定数演算部は、鋼板の走行に伴いリアルタイムで変化する前記鋼板条件に基づく数値を変数とする所定の関数を有し、
前記制御定数演算部は、前記上位コントローラから送られてくる鋼板条件と、前記マスターデータ記憶装置から送られてくる制御系の制御定数及びマスターデータとを、前記所定の関数に適用することにより、制御系の制御定数を求め、前記制御系の制御定数を前記所定の関数により求めた制御定数に変更するようにしたこと。
【0012】
2)入側ローラと出側ローラとの間に懸架されて走行する鋼板の各面と相対向するよう、この鋼板を挟んで両側にそれぞれ配設した電磁石を有し、この電磁石に隣接する位置で前記鋼板との間の距離をセンサで検出することによりこの距離が目標値になるよう前記電磁石の磁力を制御系で制御して走行中の鋼板の制振を行う鋼板の制振装置において、
板厚、板幅、張力の少なくとも一つを含む前記鋼板の鋼板条件が変化しても、または前記入側ローラと前記出側ローラと前記電磁石と前記センサとを有するラインの変更により、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパン,前記センサ及び前記電磁石の特性が変化しても、前記ラインを走行する前記鋼板の制振を行うことができるようにするため、更に上位コントローラと、マスターデータ記憶装置と、制御定数演算部とを備え、
前記上位コントローラは、前記ラインで使用する複数種類の鋼板の鋼板条件と、複数のロールスパンと、前記センサ及び前記電磁石の特性を有し、
前記マスターデータ記憶装置は、代表的な鋼板の鋼板条件と、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパンと、前記センサ及び前記電磁石の特性とに基づく、前記制御系の制御定数を表すデータを有すると共に、前記制御系の制御定数を決定する際の基礎となるパラメータを表すマスターデータを有し、
前記制御定数演算部は、鋼板の走行に伴いリアルタイムで変化する前記鋼板条件に基づく数値と当該制振装置に固有の前記センサ及び前記電磁石の特性に基づく数値を変数とする所定の関数を有し、
前記制御定数演算部は、前記上位コントローラから送られてくる鋼板条件とロールスパンと前記センサ及び前記電磁石の特性と、前記マスターデータ記憶装置から送られてくる制御系の制御定数及びマスターデータとを、前記所定の関数に適用することにより、制御系の制御定数を求め、前記制御系の制御定数を前記所定の関数により求めた制御定数に変更するようにしたこと。
【0013】
3) 上記1)乃至2)に記載する何れか一つの鋼板の制振装置において、
制御系は、比例・積分制御部と単段又は複数段の位相補償部とを有すること。
【0014】
4) 上記1)に記載する鋼板の制振装置において、
制御系は、比例・積分制御部と単段又は複数段の位相補償部とを有するとともに、変更する制御定数は、比例・積分制御部の比例定数及び積分定数、位相補償部の極点及び零点であること。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る溶融亜鉛メッキラインに適用した鋼板の制振装置を当該ラインの一部とともに概念的に示す説明図である。同図に示すように、本形態に係る制振装置は、図3に示す従来技術に係る制振装置に上位コントローラ21及び制御定数演算部22を追加したものであり、他の構成は従来技術と同一である。そこで、図3と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
上位コントローラ21には、当該ラインで処理する複数種類の鋼板1の板厚、板幅、張力等の各鋼板条件、板継ぎ部の位置等に関するデータを有している。マスターデータ記憶装置23には、代表的な鋼板1の板厚、板幅、張力等の鋼板条件、入口側ローラ2及び出口側ローラ3間の距離であるロールスパンに基づく制御回路部12の制御定数を表すデータ及びこの制御定数を決定する際の基礎となるパラメータを表すデータであるマスターデータが格納してある。
【0018】
制御定数演算部22は、上位コントローラ21及びマスターデータ記憶装置23から供給されるデータに基づき、当該ラインで実際に処理する鋼板1の走行に伴いリアルタイムで変化する板厚、板幅、張力等の鋼板条件に基づく数値を変数とする所定の関数を用いて前記鋼板条件の変更に伴う制御回路部12における制御定数を変更する。かかる制御定数の変更は板継ぎ部の情報に基づき処理する鋼板1の鋼板条件が変わる毎に、また張力に大きな変更があった場合には板継ぎ部であるなしに関わらず、最適なものに自動的に変更する。
【0019】
図2は本形態に係る制振装置の制御系の一例を示すブロック線図である。同図に示すように、本形態における制御回路部12は比例制御部24、積分制御部25及び3段の位相補償部26、27、28からなり、一次遅れ要素として表せるセンサ11及び電磁石13とともに制御系を構成している。かくして、鋼板1の変位に基づき比例制御部24及び積分制御部25で比例・積分処理をするとともに、各位相補償部26、27、28で位相補償をした後、前記変位に対応する張力を電磁石13が発生するよう、この電磁石13を制御するのであるが、当該ラインにおいて複数種類の連続する鋼板1を処理する場合には、図1に示す制御定数演算部22で演算した各鋼板1に対応する最適な制御定数に変更される。この場合、変更の対象となる制御定数は、制御回路部12の制御定数、すなわち比例ゲインKP 、積分ゲインKI 、第1段乃至第3段の位相補償部26、27、28における零点Tzib (i=1,2,3)及び極点Tpi(i=1,2,3)である。
【0020】
上述の如き比例ゲインKP 、積分ゲインKI 、零点Tzi(i=1,2,3)及び極点Tpi(i=1,2,3)は、例えばマスターデータを基に次の様な演算により求めることができる。すなわち、制御回路部12の零点と極を各鋼板1に対し、次式(1)のように変更する。
KIn/KPn・KPb/KIb=fIn/f1b
Tzib /Tzin =f1n/f1b ・・・・(1)
Tpib /Tpin =f1n/f1b
ここで、i=1,2,3、添字bはベースとなるマスターデータのものであることを、また添字nは変更する新しい鋼板1に対するものであることを示す。また、f1 は鋼板1をストリングと見なしたときの一次固有振動数を示す。
【0021】
上述の如く、本例の場合は、一次固有振動数を、制御定数を決定する際の基礎となるパラメータとするもので、これに基づき各制御定数を求めるものである。ちなみに、一次固有振動数は、ロールスパン、ラインの張力、鋼板1の密度等に基づき求めることができる。また、KPnは次式(2)により求める。
(KSn ・KPn・KAn+KMn)/(KSb ・KPb・KAb+KMb)
=f2 1n・mc1n /f2 1b・mc1b ・・・・(2)
ここで、KS はセンサ11のゲイン、KA は電磁石13のゲイン、KM は電磁石13を受動とした負バネのゲイン、mc1は鋼板1の一次固有振動数の等価マスをそれぞれ示す、また、他の文字及び添字の意味は前式(1)と同様である。
【0022】
ラインが決まれば、式(2)におけるゲインKS 、KAn、KMnは所定の計算等により求まる既知の値である。また、添字にbを付した値はマスタデータであるので予め与えられている。したがって、式(2)により新しい比例ゲインKPnが求まる。次に、この比例ゲインKPnを式(1)の第一番目の式に代入することにより新しい積分ゲインKInが求まる。一方、零点Tzib (i=1,2,3)及び極点Tpi(i=1,2,3)は、式(1)の第二番目及び第三番目の式により一次固有振動数f1 を媒介として求まる。
【0023】
かくして、本形態によれば、ラインにおける処理に伴い鋼板条件が変わる毎に制御回路部12の制御定数を自動的に変更することができる。
【0024】
上記実施の形態は、制御回路部12の制御定数のみを鋼板条件に応じて変更する装置であるが、マスタデータを利用すれば、条件が異なるライン毎に、センサ11及び電磁石13を含む制御系の最適な制御定数の変更も可能であり、本発明はかかる実施の形態としても実現し得る。この場合には、ラインに固有のセンサ12及び電磁石13の特性を加味した値を変数とする関数を作り、この関数とマスターデータとに基づき、例えばセンサ11のゲインKS 及び電磁石13のゲインKA 等を上記実施の形態と同様の手順で変更・設定する。
【0025】
かかる作業により、特定のラインに関する制御定数を設定した後は、鋼板1を走行させての所定の処理の際の鋼板条件の変更に対応させて、必要な制御定数をリアルタイムで変更する。
【0026】
なお、制御対象は上記実施の形態における制御回路部12の構成に限定する必要は、勿論ない。要は、制御系の制御定数を鋼板条件及びロールスパンに基づき変更するものであれば本発明の技術思想に含まれる。
【0027】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明した通り、請求項1に記載する発明は、入側ローラと出側ローラとの間に懸架されて走行する鋼板の各面と相対向するよう、この鋼板を挟んで両側にそれぞれ配設した電磁石を有し、この電磁石に隣接する位置で前記鋼板との間の距離をセンサで検出することによりこの距離が目標値になるよう前記電磁石の磁力を制御系で制御して走行中の鋼板の制振を行う鋼板の制振装置において、
板厚、板幅、張力の少なくとも一つを含む前記鋼板の鋼板条件が変化しても、前記入側ローラと前記出側ローラと前記電磁石と前記センサとを有するラインを走行する前記鋼板の制振を行うことができるようにするため、更に上位コントローラと、マスターデータ記憶装置と、制御定数演算部とを備え、
前記上位コントローラは、前記ラインで使用する複数種類の鋼板の鋼板条件を有し、
前記マスターデータ記憶装置は、代表的な鋼板の鋼板条件と、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパンとに基づく、前記制御系の制御定数を表すデータを有すると共に、前記制御系の制御定数を決定する際の基礎となるパラメータを表すマスターデータを有し、
前記制御定数演算部は、鋼板の走行に伴いリアルタイムで変化する前記鋼板条件に基づく数値を変数とする所定の関数を有し、
前記制御定数演算部は、前記上位コントローラから送られてくる鋼板条件と、前記マスターデータ記憶装置から送られてくる制御系の制御定数及びマスターデータとを、前記所定の関数に適用することにより、制御系の制御定数を求め、前記制御系の制御定数を前記所定の関数により求めた制御定数に変更するようにしたので、
ラインにおいて処理する鋼板の鋼板条件が変化するのに対応させて、制御定数が最適なものに変更される。しかも、この変更をマスターデータを用いて行う。 この結果、変更する制御定数の演算を容易に行うことができる。
【0028】
請求項2に記載する発明は、入側ローラと出側ローラとの間に懸架されて走行する鋼板の各面と相対向するよう、この鋼板を挟んで両側にそれぞれ配設した電磁石を有し、この電磁石に隣接する位置で前記鋼板との間の距離をセンサで検出することによりこの距離が目標値になるよう前記電磁石の磁力を制御系で制御して走行中の鋼板の制振を行う鋼板の制振装置において、
板厚、板幅、張力の少なくとも一つを含む前記鋼板の鋼板条件が変化しても、または前記入側ローラと前記出側ローラと前記電磁石と前記センサとを有するラインの変更により、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパン,前記センサ及び前記電磁石の特性が変化しても、前記ラインを走行する前記鋼板の制振を行うことができるようにするため、更に上位コントローラと、マスターデータ記憶装置と、制御定数演算部とを備え、
前記上位コントローラは、前記ラインで使用する複数種類の鋼板の鋼板条件と、複数のロールスパンと、前記センサ及び前記電磁石の特性を有し、
前記マスターデータ記憶装置は、代表的な鋼板の鋼板条件と、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパンと、前記センサ及び前記電磁石の特性とに基づく、前記制御系の制御定数を表すデータを有すると共に、前記制御系の制御定数を決定する際の基礎となるパラメータを表すマスターデータを有し、
前記制御定数演算部は、鋼板の走行に伴いリアルタイムで変化する前記鋼板条件に基づく数値と当該制振装置に固有の前記センサ及び前記電磁石の特性に基づく数値を変数とする所定の関数を有し、
前記制御定数演算部は、前記上位コントローラから送られてくる鋼板条件とロールスパンと前記センサ及び前記電磁石の特性と、前記マスターデータ記憶装置から送られてくる制御系の制御定数及びマスターデータとを、前記所定の関数に適用することにより、制御系の制御定数を求め、前記制御系の制御定数を前記所定の関数により求めた制御定数に変更するようにしたので、
請求項1と同様の作用・効果に加え、ラインが変わってもこれに対応する固有の制御定数を容易に変更・設定することができる。この結果、適用するラインが変化しても最適な制御定数を容易に設定し得る汎用性に優れた装置となる。
【0029】
〔請求項3〕に記載する発明は、〔請求項1〕乃至〔請求項2〕に記載する何れか一つの鋼板の制振装置において、制御系は、比例・積分制御部と単段又は複数段の位相補償部とを有するので、
〔請求項1〕乃至〔請求項2〕に記載するのと同様の作用・効果を得る。
【0030】
〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項1〕に記載する鋼板の制振装置において、制御系は、比例・積分制御部と単段又は複数段の位相補償部とを有するとともに、変更する制御定数は、比例・積分制御部の比例定数及び積分定数、位相補償部の極点及び零点であるので、
〔請求項1〕に記載するのと同様の作用・効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る鋼板の制振装置を、これを適用するラインの一部とともに概念的に示す説明図である。
【図2】 図1の制御系を抽出して示すブロック線図である。
【図3】 従来技術に係る鋼板の制振装置を、これを適用するラインの一部とともに概念的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 鋼板
2 入側ローラ
3 出側ローラ
9、10 電磁石
11 センサ
12 制御回路部
13 電磁石駆動部
21 上位コントローラ
22 制御定数演算部
Claims (4)
- 入側ローラと出側ローラとの間に懸架されて走行する鋼板の各面と相対向するよう、この鋼板を挟んで両側にそれぞれ配設した電磁石を有し、この電磁石に隣接する位置で前記鋼板との間の距離をセンサで検出することによりこの距離が目標値になるよう前記電磁石の磁力を制御系で制御して走行中の鋼板の制振を行う鋼板の制振装置において、
板厚、板幅、張力の少なくとも一つを含む前記鋼板の鋼板条件が変化しても、前記入側ローラと前記出側ローラと前記電磁石と前記センサとを有するラインを走行する前記鋼板の制振を行うことができるようにするため、更に上位コントローラと、マスターデータ記憶装置と、制御定数演算部とを備え、
前記上位コントローラは、前記ラインで使用する複数種類の鋼板の鋼板条件を有し、
前記マスターデータ記憶装置は、代表的な鋼板の鋼板条件と、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパンとに基づく、前記制御系の制御定数を表すデータを有すると共に、前記制御系の制御定数を決定する際の基礎となるパラメータを表すマスターデータを有し、
前記制御定数演算部は、鋼板の走行に伴いリアルタイムで変化する前記鋼板条件に基づく数値を変数とする所定の関数を有し、
前記制御定数演算部は、前記上位コントローラから送られてくる鋼板条件と、前記マスターデータ記憶装置から送られてくる制御系の制御定数及びマスターデータとを、前記所定の関数に適用することにより、制御系の制御定数を求め、前記制御系の制御定数を前記所定の関数により求めた制御定数に変更するようにしたことを特徴とする鋼板の制振装置。 - 入側ローラと出側ローラとの間に懸架されて走行する鋼板の各面と相対向するよう、この鋼板を挟んで両側にそれぞれ配設した電磁石を有し、この電磁石に隣接する位置で前記鋼板との間の距離をセンサで検出することによりこの距離が目標値になるよう前記電磁石の磁力を制御系で制御して走行中の鋼板の制振を行う鋼板の制振装置において、
板厚、板幅、張力の少なくとも一つを含む前記鋼板の鋼板条件が変化しても、または前記入側ローラと前記出側ローラと前記電磁石と前記センサとを有するラインの変更により、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパン,前記センサ及び前記電磁石の特性が変化しても、前記ラインを走行する前記鋼板の制振を行うことができるようにするため、更に上位コントローラと、マスターデータ記憶装置と、制御定数演算部とを備え、
前記上位コントローラは、前記ラインで使用する複数種類の鋼板の鋼板条件と、複数のロールスパンと、前記センサ及び前記電磁石の特性を有し、
前記マスターデータ記憶装置は、代表的な鋼板の鋼板条件と、前記入側ローラと前記出側ローラ間の距離であるロールスパンと、前記センサ及び前記電磁石の特性とに基づく、前記制御系の制御定数を表すデータを有すると共に、前記制御系の制御定数を決定する際の基礎となるパラメータを表すマスターデータを有し、
前記制御定数演算部は、鋼板の走行に伴いリアルタイムで変化する前記鋼板条件に基づく数値と当該制振装置に固有の前記センサ及び前記電磁石の特性に基づく数値を変数とする所定の関数を有し、
前記制御定数演算部は、前記上位コントローラから送られてくる鋼板条件とロールスパンと前記センサ及び前記電磁石の特性と、前記マスターデータ記憶装置から送られてくる制御系の制御定数及びマスターデータとを、前記所定の関数に適用することにより、制御系の制御定数を求め、前記制御系の制御定数を前記所定の関数により求めた制御定数に変更するようにしたことを特徴とする鋼板の制振装置。 - 請求項1または請求項2に記載の鋼板の制振装置において、
制御系は、比例・積分制御部と単段又は複数段の位相補償部とを有することを特徴とする鋼板の制振装置。 - 請求項1に記載する鋼板の制振装置において、
制御系は、比例・積分制御部と単段又は複数段の位相補償部とを有するとともに、変更する制御定数は、比例・積分制御部の比例定数及び積分定数、位相補償部の極点及び零点であることを特徴とする鋼板の制振装置。
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