JP3535131B2 - 溶融めっき鋼帯の製造方法 - Google Patents
溶融めっき鋼帯の製造方法Info
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鋼帯に金属めっきを施す場合、付着量を均一化させる溶
融めっき鋼帯の製造方法に関するものである。
備処理して所定の加熱パターンで高温に保持した後、め
っき浴中を通板させめっき付着量制御した後に、所定の
冷却パターンで常温まで冷却する方法が代表的なもので
ある。
空気によるガスワイピングが一般的に行われている。こ
のガスワイピングは、溶融めっき槽内の浴中ロールから
トップロールまでの間で行なわれ、所定の付着量にして
めっき面を凝固しなければならない。合金化する溶融め
っき鋼帯の場合には、ガスワイピング上部で合金化炉の
下部に、タッチロールと呼ばれる位置矯正のための冶具
を用いているので、容易に鋼帯の振動低減と板形状の矯
正を行って、付着量の均一化が行なえる。
ルで接触して表面にムラが発生しても、これは合金化の
過程で消失するので、接触するロールを安心して使用す
ることができる。それに比べて、合金化しない溶融めっ
き鋼帯の製造では、ガスワイピングの後に表面が凝固す
るまでの間、完全に非接触で冷却する必要があるため、
一般に浴中ロールからトップロールまでの距離が非常に
長い距離を安定して通板させる必要がある。鋼帯の振動
や面外変形などの形状不良により、ガスワイピングの位
置での振動あるいはC反りなどの形状不良により、所定
の付着量制御範囲を大きくしないと、付着量が設定値内
に入らない問題があった。
検討されてきている。板形状が平らでなく形状不良であ
る場合には、サポートロール、シンクロールと呼ばれる
浴中ロールの位置を移動させて、鋼帯の位置を制御する
方法として特開平2−265854号では、ガスワイピ
ングの上方で鋼帯の幅方向の付着量を計測し、そのデー
タと設定値が最小になるように、浴中ロール位置を制御
する方法が示されている。
スワイピングの上方で幅方向の付着量を計測し、電磁石
で板形状を制御して付着量を均一化する方法が示されて
いる。
ガスワイピングの上方で付着量を計測し、ガスワイピン
グのノズル圧力を左右独立に制御する方法が示されてい
る。
2−265854号のように、浴中ロールの位置を変更
させる方法では、単純な板形状の不良に関しては有効で
あるものの、通常製造される鋼帯では、中延びや耳並
み、複合延びなど、左右非対称な形状の板もあるために
有効に付着量を制御することはできない。
で形状を制御する方法は、一見有効な方法に思われる
が、形状不良の鋼帯、例えば、中延びの板形状では、鋼
帯走行方向の長さが中延びしている板幅中央と板端とで
比較すると板幅中央の方が長く、また、耳並みでは逆
に、板端が板幅中央よりも長いため、これらの鋼帯では
面外変形が発生している。そのため、電磁石で鋼帯の位
置を変化させることはできても、面外変形している鋼帯
をフラットに矯正することは困難であり、付着量を多少
平坦化することができても、付着量を一定にすることは
困難である。
に、ガスワイピングを個別に位置制御する方法も、上記
の理由により単純なC反りのような形状不良な鋼帯でし
か有効に作用しない。
点を解決し、溶融めっきにおいて、形状不良の鋼帯が通
板しても、通板の安定性と板形状不良を改善して、安定
な付着量均一なめっき鋼帯を製造するための溶融めっき
鋼帯の製造方法を提案するものである。
着量を幅方向均一、あるいは溶融めっき鋼帯の表裏差厚
めっき付着量を幅方向均一になるような付着量制御が可
能になる。
めっき鋼帯の製造方法は以下のような特徴を有する。
製造するに際し、溶融金属ポットから引き上げためっき
鋼帯を所定のめっき量にまで払拭するためのガスワイピ
ングノズルの上方に、鋼帯に対して表裏面からガスを噴
射することにより、鋼帯を鋼帯パスラインに保持しつつ
通板させるエアークッション装置を、鋼帯パスラインの
表裏面位置に鋼帯通板方向に沿って複数基設けるととも
に、該エアークッション装置を鋼帯パスラインを挟んで
表裏面で対向しないように設け、1つのエアークッショ
ン装置の大きさは、板幅方向には鋼帯幅よりも広く、鋼
帯通板方向長さL1は50mmから250mmの長さを
有し、エアークッション装置はガスワイピングノズルの
上方0.5m以上、トップロールの下方0.5m以下ま
での範囲に取付け、且つ、エアークッション装置の鋼帯
通板方向設置間隔をL2として、1.0×L1<L2<
5.0×L1の関係が成り立つようにエアークッション
装置を設置することを特徴とする、溶融めっき鋼帯の製
造方法。
3分割以上分割して、別途設置された位置検出計によっ
て、鋼帯が通板する場所のエアークッション装置ではガ
スの流量を制御し、鋼帯が通板していない場所のエアー
クッション装置ではガスを供給しないことを特徴とす
る、上記(1)に記載の溶融めっき鋼帯の製造方法。
として、空気のかわりに窒素を用いることを特徴とす
る、上記(1)または(2)に記載の溶融めっき鋼帯の
製造方法。
ングノズルからの距離は、通板する最小板幅の3倍以内
に少なくともエアークッション装置の一部が入るように
設置することを特徴とする、上記(1)乃至(3)のい
ずれかに記載の溶融めっき鋼帯の製造方法。
方向に3基以上10基以下とすることを特徴とする、上
記(1)乃至(4)のいずれかに記載の溶融めっき鋼帯
の製造方法。
連続溶融めっき設備および本発明の溶融めっき鋼帯の製
造方法の一実施形態を示す説明図である。
属ポット1内の溶融金属中にあるサポートロール2に導
かれて引き上げられる鋼帯8と、溶融金属ポット1上方
に、溶融金属ポット1から引き上げた鋼帯8の表面に付
着した溶融金属を空気吹付けにより所定の付着量まで払
拭するためのガスワイピングノズル3と、このガスワイ
ピングノズル3の上方に設置した、鋼帯を鋼帯パスライ
ンに保持しつつ通板させるエアークッション装置5と、
鋼帯8との距離を検出するための位置検出計6を備えて
いる。
中にあるサポートロール2に導かれて引き上げられる。
引き上げられた鋼帯8は、ガスワイピング3により所定
の付着量に調整されて、冷却帯へと導かれる。エアーク
ッション装置5を鋼帯パスラインの表裏面位置に鋼帯通
板方向に沿って複数基設けるとともに、このエアークッ
ション装置5を鋼帯パスラインを挟んで表裏面で対向し
ないように設けて、弾性範囲内で面外変形を行なうこと
で変形量を最小限に抑えることができ、ガスワイピング
する前に鋼帯8の形状不良を安定化できる。また、その
鋼帯をガスワイピングの所定の位置にするために、ここ
では渦流式距離計の位置検出計6をガスワイピングの上
段に設置して鋼帯の位置を検出して、例えば幅方向に5
分割したエアークッション装置へのガス供給を制御する
ことが好ましい。すなわち、鋼帯のある部分のエアーク
ッション装置のみに空気を供給することが好ましい。
にするためには、3基以上を設置しなくては本来の効果
が無く、また10基以上では装置が大きくなり過ぎる。
10基以上でも問題は無いが、本装置をガスワイピング
ノズル3、あるいはトップロール7までの冷却装置と一
体化するために、コンパクトであることが望ましい。
板通板方向に50mm以上ないと、エアークッション圧
が発生せず、また250mm以上になると、装置が大き
くなり過ぎて、50mm以上250mm以下に規定す
る。もちろん、本装置を冷却帯として、めっき層の表面
に生成するスパングル制御のために全部使用する場合に
は、上記の個数や1つの長さを制約するものでは無いの
は言うまでもない。
に対するエアークッション装置のガスワイピングノズル
からの距離が、どの程度の鋼帯の形状改善効果があるか
を示したものである。例えばライン速度120mpm、
板幅1530mm、板厚0.8mmの条件で実施した結
果、おおよそ、板幅の3倍までは効果が見られ、より好
ましくは1倍、すなわち、板幅程度の位置に設置するの
がよい。図2の縦軸の形状インデックスとは形状インデ
ックス=2が合格ラインで数字が大きくなると悪くな
り、数字が小さいほど良いというインデックスである。
ガスワイピングノズルの直上0.5m位置から、トップ
ロール0.5m手前までの範囲に設置を行なった。ガス
ワイピングノズルの上0.5m以内では、エアークッシ
ョン装置からの吐出されるガス流れが、ガスワイピング
に影響を与えるため、0.5m以上離した。また、トッ
プロールからは0.5m程度離さないとメンテナンス上
問題になる。
ッション装置1つの通板方向長さをL1、エアークッシ
ョン装置の設置間隔をL2としたとき、L2の最小値と
L1との比が、どの程度の形状改善効果があったかを示
すものである。このとき1.0×L1<L2<5.0×
L1の位置にあることが望ましいことを示している。
フラット化を検討も行なった。エアークッション装置は
十分な力を鋼帯に加えることができることが判った。ま
た、鋼帯を鋼帯パスラインに保持しつつ通板させるエア
ークッション装置を、鋼帯パスラインの表裏面位置に鋼
帯通板方向に沿って複数基設けるとともに、該エアーク
ッション装置を鋼帯パスラインを挟んで表裏面で対向し
ないように設けることにより、鋼帯に弾性変形を加え、
弾性変形前に20mm程度の変位があっても、これを1
mm以内の形状不良に抑えることが可能であることが判
った。
アークッション装置のガスが流れた場合には、その流れ
の不安定により通板する鋼帯が振動することが明らかに
なった。これは、通常鋼帯に吹付けられて板幅方向や板
鉛直方向に安定して流れるガスの流れが、鋼帯が無いた
めに不安定に流れるため、鋼帯付近の静圧分布が局所的
に変動して鋼帯の振動を誘発するためである。また、そ
のような状況下で使用した場合には、板幅以外に流れる
ガス流量が増加するために、エアークッション圧が低下
して効率が低下することがわかった。そこで、エアーク
ッション装置を板幅方向に3分割以上分割して、別途設
置された位置検出計によって、鋼帯が通板する場所のエ
アークッション装置ではガスの流量を制御し、鋼帯が通
板していない場所のエアークッション装置ではガスを供
給しないことが好ましい。
っき量を板幅方向に均一にできるばかりでなく、表裏の
めっき付着量の異なる、差厚めっきも付着量を安定し
て、めっき鋼帯の製造が可能になる。
100mm、L2/L1を2で製造した場合の付着量分
布を、ケース1には比較例としてL1を200mm、L
2/L1を5.5にしたもので製造した付着量分布を、
ケース2には比較例としてL1を50mm、L2/L1
を0.5で製造した場合の付着量分布をまとめて示す。
ケース1および2の比較例では付着量ムラは10%以上
であるのに対してケース3の本発明例では付着量ムラは
10%以内になり、安定な付着量均一なめっき鋼帯を製
造できることがわかった。さらに、空気の替わりに窒素
を供給することにより、表面の光沢度が上がっためっき
鋼帯の製造が可能になった。これは酸化が少なくなり、
冷却中に発生する酸化膜が薄くなることにより光沢が出
るからである。
ン装置に供給するガス流量と基準最低流量との比との関
係を示すもので、これによれば、供給するガス流量を増
減させて制御することにより、スパングルの大きさを制
御することが可能であることがわかった。図5は、供給
流量を基準最低流量としたときにスパングルサイズ=2
を標準として、スパングルサイズは供給ガス流量を増や
せば小さくなり、供給ガス流量を減らせば大きくなる。
溶融めっき鋼帯の製造において、形状不良の鋼帯が通板
されても、この鋼帯の形状を安定にしてめっき付着量が
均一な溶融めっき鋼帯を製造するために、溶融めっき鋼
帯のめっき付着量を制御できる。
よび本発明の溶融めっき鋼帯の製造方法の一実施形態を
示す説明図。
スワイピングノズルからの距離と形状インデックスとの
関係の一例を示すグラフ。
1、エアークッション装置の設置間隔をL2としたと
き、L2の最小値とL1との比と形状インデックスとの
関係の一例を示すグラフ。
量との関係の一例を示すグラフ。
Claims (5)
- 【請求項1】合金化しない連続溶融めっき鋼帯を製造す
るに際し、溶融金属ポットから引き上げためっき鋼帯を
所定のめっき量にまで払拭するためのガスワイピングノ
ズルの上方に、鋼帯に対して表裏面からガスを噴射する
ことにより、鋼帯を鋼帯パスラインに保持しつつ通板さ
せるエアークッション装置を、鋼帯パスラインの表裏面
位置に鋼帯通板方向に沿って複数基設けるとともに、該
エアークッション装置を鋼帯パスラインを挟んで表裏面
で対向しないように設け、1つのエアークッション装置
の大きさは、板幅方向には鋼帯幅よりも広く、鋼帯通板
方向長さL1は50mmから250mmの長さを有し、
エアークッション装置はガスワイピングノズルの上方
0.5m以上、トップロールの下方0.5m以下までの
範囲に取付け、且つ、エアークッション装置の鋼帯通板
方向設置間隔をL2として、1.0×L1<L2<5.
0×L1の関係が成り立つようにエアークッション装置
を設置することを特徴とする、溶融めっき鋼帯の製造方
法。 - 【請求項2】 エアークッション装置を板幅方向に3分
割以上分割して、別途設置された位置検出計によって、
鋼帯が通板する場所のエアークッション装置ではガスの
流量を制御し、鋼帯が通板していない場所のエアークッ
ション装置ではガスを供給しないことを特徴とする、請
求項1に記載の溶融めっき鋼帯の製造方法。 - 【請求項3】 エアークッション装置に流すガス種とし
て、空気のかわりに窒素を用いることを特徴とする、請
求項1または2記載の溶融めっき鋼帯の製造方法。 - 【請求項4】 エアークッション装置のガスワイピング
ノズルからの距離は、通板する最小板幅の3倍以内に少
なくともエアークッション装置の一部が入るように設置
することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記
載の溶融めっき鋼帯の製造方法。 - 【請求項5】 エアークッション装置は、鋼帯通板方向
に3基以上10基以下とすることを特徴とする、請求項
1乃至4のいずれかに記載の溶融めっき鋼帯の製造方
法。
Priority Applications (1)
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JP2001334541A JP3535131B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 溶融めっき鋼帯の製造方法 |
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JP4941477B2 (ja) * | 2009-01-30 | 2012-05-30 | Jfeスチール株式会社 | 溶融亜鉛めっき用合金化炉 |
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- 2001-10-31 JP JP2001334541A patent/JP3535131B2/ja not_active Expired - Fee Related
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