JP3532549B2 - 溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法および製造装置 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法および製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、適切な大きさの
スパングルを有する高品質な溶融亜鉛めっき鋼帯を製造
する、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法および製造装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続溶融亜鉛めっき鋼帯の製造プロセス
により製造される溶融亜鉛めっき鋼帯の表面には、溶融
亜鉛めっき浴中に含まれる鉛やアルミニウムをはじめと
する浴中成分の量や、めっき鋼帯の冷却速度などに応じ
て、スパングルと呼ばれるモザイク状の模様が生成す
る。
【0003】このスパングルの大きさは板厚、通板速
度、冷却開始温度、冷却速度などによって様々に変化す
るが、最終製品としての溶融亜鉛めっき鋼帯は、ユーザ
からの要望に応じてスパングルの大きさを微細にした
り、あるいは大きく粗くする等、様々な作り分けを行な
う必要がある。このため、所望の大きさのスパングルを
有する溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する方法として、冷却
帯でめっき鋼帯にスリット噴流もしくは円管噴流の空気
を吹き付けて冷却する方法、また液体ミストノズルで水
や薬液を噴霧する方法が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術には次のような問題がある。
【0005】スパングルを小さくするためにミストを使
用した場合には、冷却速度を上げようとするとミスト量
を増加させなければならず、この場合には互いのミスト
が凝集して大径化し、めっき鋼帯に接触する時には大き
な水滴となり、その跡が最終製品に残ってしまい、めっ
き鋼帯外観を損ねる原因となる問題があった。
【0006】従って、この発明の目的は、上記のような
従来技術の問題点を解決し、めっき鋼帯のスパングルの
大きさを容易に制御できる、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造
方法および製造装置を提供することにある。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明者等は、めっき鋼
帯面に液体ミストを適正な状態で噴霧し、所望の形態の
スパングルを得ることができる方法について検討を行っ
た。具体的には、噴霧された液体ミストの粒子がめっき
鋼帯面に到着するまでの間に合体する等の問題が引き起
こされる要因と、この要因を排除する方策について検討
を行った。
【0008】まず、液体ミストのめっき鋼帯面への適正
な噴霧を妨げる要因としては、下記のものがあることが
判った。
【0009】(1)めっき付着量を制御するガスワイピ
ングノズルの上方では、めっき鋼帯が上方に移動するた
めに随伴される空気流れが発生する。
【0010】(2)ポットなどの高温部分があるために
生じる対流いわゆるドラフト流れが発生して、この煙突
効果によりミストが凝集しやすくなる。
【0011】(3)噴霧するミストを均一化させるため
に、ミスト噴霧用のノズルとめっき鋼帯の間隔を広げる
ことによりノズルから噴霧されるミストの粒径は調整で
きるが、ノズルから離れるにつれてミストの粒径は合体
して大きくなる。
【0012】そこで、これら要因を排除する方策につい
て検討した結果、めっき鋼帯面に上下2段の気体噴射部
からエア等の気体を噴射するとともに、その上下の気体
噴射部間でめっき鋼帯面に液体ミストを噴霧することに
より、以下の知見を得た。
【0013】(1)上下の気体噴射部の間に形成される
静圧場、すなわち、ドラフト空気流れやめっき鋼帯の随
伴空気流れの影響が少ない領域内で液体ミストの噴霧が
なされることにより、噴霧された液体ミストをミスト粒
子の合体等を生じさせることなく適正な状態でめっき鋼
帯面に到達させることができる。
【0014】(2)仮に液体ミスト粒子の合体等によっ
て粗大なミスト粒子がめっき鋼帯面に付着しても、この
ような粗大なミスト粒子は気体噴射部から噴射された気
体により除去される、という作用が得られ、これらの作
用によりめっき鋼帯面に液体ミストを適正な状態で噴霧
し、所望の形態のスパングルを得ることができる。
【0015】この発明は、このような知見に基づきなさ
れたもので、下記を特徴とするものである。
【0016】請求項1記載の発明は、溶融亜鉛めっき浴
から上方に引き上げられためっき鋼帯の表面に液体ミス
トを吹き付けて、めっき鋼帯の冷却を行う溶融亜鉛めっ
き鋼帯の製造方法において、めっき浴上方の鋼帯パスラ
インの両側において、上下2段の気体噴射部からめっき
鋼帯面に気体を噴射するとともに、前記上下2段の気体
噴射部間の液体ミスト噴霧部からめっき鋼帯面に液体ミ
ストを噴霧することに特徴を有するものである。
【0017】請求項2記載の発明は、上下2段の気体噴
射部と前記気体噴射部間の液体ミスト噴霧部とを備えた
冷却装置が、鋼帯パスラインを挟んで対向しないように
して、鋼帯パスラインの両側に鋼帯パスラインに沿って
各複数基配置されることに特徴を有するものである。
【0018】請求項3記載の発明は、冷却装置の上下2
段の気体噴射部の噴射先端位置と鋼帯パスラインとの間
隔を10mm以上200mm以下とし、且つ冷却装置を
ガスワイピングノズルの上方10m以内に設置すること
に特徴を有するものである。
【0019】請求項4記載の発明は、鋼帯パスラインの
冷却装置よりも上流側において、めっき鋼帯の温度を計
測し、めっき鋼帯を液体ミストの噴霧により溶融亜鉛め
っきの融点以上の温度から300℃以下まで、50℃/
秒以上の冷却速度で冷却することに特徴を有するもので
ある。
【0020】請求項5記載の発明は、液体ミストに水を
使用し、液体ミストの粒径を100ミクロン以下にする
とともに、めっき鋼帯幅方向の水量分布のバラツキが2
0%以内となるように液体ミストノズルを配列すること
に特徴を有するものである。
【0021】請求項6記載の発明は、生成したスパング
ルの大きさを計測し、前記計測結果に基づいて液体ミス
ト量の制御を行なうことに特徴を有するものである。
【0022】請求項7記載の発明は、溶融亜鉛めっき浴
から上方に引き上げられためっき鋼帯の表面に液体ミス
トを吹き付けて、めっき鋼帯の冷却を行う溶融亜鉛めっ
き鋼帯の製造装置において、めっき浴上方の鋼帯パスラ
インの両側に冷却装置が各1基以上配置され、前記冷却
装置は、めっき鋼帯面に気体を噴射する上下2段の気体
噴射部と、前記上下2段の気体噴射部間でめっき鋼帯面
に液体ミストを噴霧する液体ミスト噴霧部とを有するこ
とに特徴を有するものである。
【0023】請求項8記載の発明は、冷却装置を、鋼帯
パスラインを挟んで対向しないようにして、鋼帯パスラ
インの両側に前記鋼帯パスラインに沿って各複数基配置
したことに特徴を有するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施態様を図面
を参照しながら説明する。
【0025】図1は、この発明の実施に供される連続溶
融亜鉛めっき設備の一実施形態を示す説明図、図2は、
図1に示した連続溶融亜鉛めっき設備のうちの冷却装置
の拡大図である。
【0026】図1に示す連続溶融亜鉛めっき設備は、溶
融亜鉛ポット1と、溶融亜鉛ポット1の上方に設置され
た一対のガスワイピングノズル2と、ガスワイピングノ
ズル2の上方に設置された冷却装置3と、冷却装置3の
上方に設置された温度計4と、スパングル計測計5とを
備えている。冷却装置3は、上下2段の気体噴射部とこ
の気体噴射部間の液体ミスト噴霧部とを備えている。ガ
スワイピングノズル2は、溶融亜鉛ポット1から引き上
げためっき鋼帯6の表面に付着した溶融亜鉛を空気吹き
付けにより所定の付着量まで払拭する。
【0027】図2に示すように、冷却装置3は、装置本
体3Aと、装置本体3Aに接続された空気供給管cと、
装置本体3Aの上下に2段にめっき鋼帯6の幅方向に沿
って配置された気体噴射部としての空気吹出しスリット
ノズルa、bとを有している。空気供給管cから空気を
供給して、空気吹出しスリットノズルa、bからめっき
鋼帯6に向けて空気を噴射し、めっき鋼帯6を鋼帯パス
ラインに保持しつつ通板させる。装置本体3Aの空気吹
出しスリットノズルa、bの上下方向の間には、くぼみ
部分3Bが形成されている。くぼみ部分3Bには、液体
ミストの液体供給管dおよび液体ミストの空気供給管e
の先端が互いに隣接して開口していて、これにより液体
ミスト噴霧部としての液体ミストノズルfが形成されて
いる。液体供給管dに液体を、そして空気供給管eに空
気を同時に供給して、液体ミストノズルfからめっき鋼
帯6に向けて液体ミストを噴霧し、これによって鋼帯6
を冷却する。
【0028】空気吹出しスリットノズルa、bから、め
っき鋼帯6に向かって空気を噴射して、くぼみ部分3B
に流れの淀んだ静圧の高い部分を作り出せば、空気吹出
しスリットノズルa、bからの噴流の方向転換による運
動量によってくぼみ部分3Bの空気を封じ込めることが
できる。これにより冷却装置3の空気吹出しスリットノ
ズルa、b間では、冷却装置3の外部の雰囲気ガスの流
れに関係なく、液体ミストノズルfからの液体ミスト噴
霧が可能になる。
【0029】図1においては、2対の冷却装置3が鋼帯
パスラインを挟んで対向するように設けられているが、
冷却装置3の配置はこれに限らない。他の例として、図
1において冷却装置3は1対でもよいし、図3に示すよ
うに鋼帯パスラインの片側の冷却装置3を、鋼帯パスラ
インの他の片側の冷却装置3の中間位置に、鋼帯パスラ
インを挟んで対向しないように、すなわち、千鳥状に配
置されており、この方がよりよい。
【0030】温度計4には通常赤外線式の計測器が用い
られる。またスパングル計測計5には通常光学式のもの
が用いられる。
【0031】以下、上記設備構成を用いた、この発明法
の一実施形態を説明する。
【0032】めっき鋼帯6を溶融亜鉛ポット1のめっき
浴中を通板させ、ガスワイピングノズル2により、めっ
き鋼帯6の表面に付着した溶融亜鉛を空気吹き付けによ
り所定の付着量まで払拭してめっき付着量制御を行な
う。その後、各冷却装置3の上下2段の空気吹出しスリ
ットノズルa、bからめっき鋼帯6に向けて鋼帯パスラ
インの両側から空気を噴射することにより、めっき鋼帯
6を鋼帯パスラインに保持しつつ通板させ、冷却装置3
の上下2段のスリットノズルa、b間の液体ミスト噴霧
部である液体ミストノズルfから噴霧される液体ミスト
によってめっき鋼帯6を冷却する。
【0033】ここで、液体ミストノズルfを冷却装置3
の空気吹出しスリットノズルa、b間に設置することに
より、めっき鋼帯通板に伴う雰囲気ガスの流れを遮断で
きるようになり、さらにドラフト流れなどの上方に流れ
る雰囲気ガスをも遮断することが可能になる。
【0034】また、冷却装置3を鋼帯パスラインの両側
に鋼帯パスラインに沿って各複数基設けるとともに、鋼
帯パスラインを挟んで対向しないように設けることによ
り、めっき鋼帯6に鋼帯パスラインに対して若干の曲げ
を作用することになり、その結果めっき鋼帯6にその鋼
帯パスラインに対して垂直方向の変位成分を生じさせる
ことになる。板張力変動が発生した場合にはこの変位成
分を増減させることにより、張力変動を緩和する効果が
あり、めっき鋼帯6の振動低減を行なうことができる。
さらに、曲率の小さな曲げを繰り返すことにより、いわ
ゆる耳波、中延び、と呼ばれるような板形状不良があっ
ても、めっき鋼帯6を安定な位置に通板させることが可
能になる。
【0035】冷却装置3に設置された液体ミストノズル
fから噴霧される液体ミストは水を使用することが好ま
しい。このミストの粒径は基本的には細かいほどスパン
グル粒径制御には有効であるが、10ミクロンから10
0ミクロンまでの粒径のミストを使うことが好ましい。
ミストの粒径が100ミクロン以上になると、ミストの
液滴同士の凝集合体により大径化して冷却の不均一にと
もなうムラが生じて最終製品の表面性状に悪影響を及ぼ
すことになる。微細なミストの場合には、液体ミストノ
ズルfとめっき鋼帯6を近づけることにより、冷却能力
が確保できればなんら問題は無い。
【0036】つまり、噴霧後の液滴が合体しないよう
に、めっき鋼帯6から最小限の距離で、しかもめっき鋼
帯板幅方向に均一冷却できるよう、液体ミストノズルf
を配列する。めっき鋼帯6から最小限の距離に液体ミス
トノズルfを配列するために、めっき鋼帯6を冷却装置
3で振動低減を行って、且つめっき鋼帯6に板形状不良
があっても、安定な位置に通板させる必要がある。ただ
し、冷却装置3の上下2段の気体噴射部であるスリット
ノズルの噴射先端位置を鋼帯パスラインに近づけすぎる
と、板形状不良のめっき鋼帯が通板するに伴い、めっき
鋼帯6が冷却装置3に接触する危険性が高いので10m
m以上離すことが好ましく、逆に200mm以上になる
と冷却装置3のくぼみ部分3Bであるクッション部分の
空気を封じ込める効果が激減するため、冷却装置3の上
下のスリットノズル噴射先端位置と鋼帯パスラインとの
間隔は10mm以上200mm以下が好ましい。
【0037】ミスト量の増加を行なう時に、めっき鋼帯
上に液滴が付着する恐れがあるが、冷却装置3の空気吹
出しスリットノズルa、bから噴射された空気により、
めっき鋼帯に付着した液滴を全部飛ばすことができ、そ
の結果、めっき鋼帯6にミストが残ることによって生じ
る表面ムラの発生を防止できる。この吹き飛ばす速度が
速ければ速いほど、跳ね飛ばされた液滴は小さくなり、
再付着した場合でも問題無いようにするためには冷却装
置3の空気吹出しスリットノズルの流速は100m/秒
以上とするのが好ましい。
【0038】液体ミストの噴霧によりめっき鋼帯が溶融
亜鉛めっきの融点以上の温度から、300℃以下にまで
冷却するのに、冷却速度が50℃/秒以上になるよう液
体ミスト量を確保することが好ましい。また、300℃
以下のめっき鋼帯温度まで、冷却速度のバラツキが15
%以内にすることで、製品のスパングルの大きさが均一
であると目視観察されるようになり、そのためには液体
ミストのめっき鋼帯幅方向の水量分布のバラツキは、数
多くの実機試験結果から好ましくは20%以内になるよ
うに液体ミストノズルの配置間隔や水量範囲を調整する
必要がある。
【0039】上記の確認は、冷却装置3の上方に設置し
た光学式のスパングル計測計5および、赤外線を利用し
た温度計4からのデータで確認する。さらに、PDI制
御などを用いて、計測されたデータを基に、所要のスパ
ングルサイズになるよう液体ミスト量等の操業条件を制
御する。
【0040】さらに、冷却装置3は、めっき鋼帯の表面
が凝固してからはスパングル粒径制御ができないため、
表面の溶融亜鉛めっきが完全凝固する前のガスワイピン
グノズルの上方約10m以内に設置することが望まし
い。
【0041】例えば、モニターテレビにより画像処理す
るめっき鋼帯エッジ検出装置によりめっき鋼帯の位置を
検出して、冷却装置3の空気吹出しスリットノズルa、
bから噴射する空気の吹出す領域をめっき鋼帯の幅方向
内に限定することが好ましい。制御方法としては冷却装
置3の空気吹出しスリットノズルa、bのエッジ部分に
100mmピッチ毎に仕切りを入れて、めっき鋼帯の存
在しない部分への空気の吹出しが無くなるようにスリッ
トノズルの仕切りを開閉する等の制御を行なう。さら
に、このめっき鋼帯エッジ検出装置を液体ミストノズル
fに組み込んで、めっき鋼帯の存在しない部分での液体
ミストの噴霧をしないようにすることが好ましい。
【0042】
【実施例】次に、この発明を実施例によりさらに説明す
る。
【0043】図3に示す連続溶融亜鉛めっき設備を用い
て、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造を行った。冷却装置3の
上下のスリットノズル噴射先端位置と鋼帯パスラインと
の間隔は20mmとした。この冷却装置は板幅方向には
最大通板の板幅1600mmよりも大きく、めっき鋼帯
の蛇行を考慮して1800mmとし、鋼帯パスラインに
は長さ500mm、深さ150mmのくぼみ部分を形成
した。この冷却装置を、鋼帯パスラインを挟んで対向し
ないように鋼帯パスラインに沿って3基設置した。
【0044】この冷却装置のくぼみ部分の下方に位置す
る場所に液体ミストノズルfをめっき鋼帯幅方向に30
mmピッチで55個組み込んだ。冷却装置の空気吹出し
スリットノズルのスリット幅を3mmとし、これを冷却
装置上下2段に150mm隔てて2箇所配置した。吹出
す空気流速を100m/秒とし、液体ミストの液体供給
管からは1つの冷却装置あたり毎分6リッターから60
0リッターの液体供給を可能とした。スパングル制御は
トップロール近傍にあるITVを使用したスパングル計
測計によりスパングルの大きさを計測し、冷却装置の上
方に設置した赤外線温度計でめっき鋼帯温度を計測し
て、目的のスパングルサイズになるよう液体ミストの水
量および空気量を制御した。ただし、めっき鋼帯の板厚
が薄い場合には、目標とするスパングルサイズを下回る
ことがあり、その場合には冷却装置の空気吹出しスリッ
トノズルからの空気の流速を100m/秒から30m/
秒にまで減速して制御した。
【0045】その結果、液体ミストによる冷却効果は十
分にあることが確認できた。さらに、従来、液体ミスト
を吹き付けた場合に発生する液滴跡は、冷却装置のスリ
ットノズルから噴射される空気によって全て除去される
ために目視観察で欠陥は見られなかった。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
従来、経験に頼っていた溶融亜鉛めっき鋼帯のスパング
ル粒径の制御を、経験に頼ることなく容易に、且つ確実
に行なえるようになり、しかも、スパングル異常による
歩留まり低下が生産量に対する割合で0.5%以下とな
り、溶融亜鉛めっき鋼帯の品質向上と歩留まり向上が達
成できるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施に供される連続溶融亜鉛めっき
設備の一実施形態を示す説明図である。
【図2】冷却装置の拡大図である。
【図3】この発明の実施例に供される連続溶融亜鉛めっ
き設備を示す説明図である。
【符号の説明】
1:溶融亜鉛ポット 2:ガスワイピングノズル 3:冷却装置 4:温度計 5:スパングル計測計 6:めっき鋼帯 a、b:空気吹出しスリットノズル c:空気供給管 d:液体ミストの液体供給管 e:液体ミストの空気供給管 f:液体ミストノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−181260(JP,A) 特開 平2−175852(JP,A) 特開 平11−100653(JP,A) 特開 平11−310862(JP,A) 特開 平11−351719(JP,A) 特開2003−13193(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/26 C23C 2/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融亜鉛めっき浴から上方に引き上げら
    れためっき鋼帯の表面に液体ミストを吹き付けて、めっ
    き鋼帯の冷却を行う溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法にお
    いて、 めっき浴上方の鋼帯パスラインの両側において、上下2
    段の気体噴射部からめっき鋼帯面に気体を噴射するとと
    もに、前記上下2段の気体噴射部間の液体ミスト噴霧部
    からめっき鋼帯面に液体ミストを噴霧することを特徴と
    する、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 上下2段の気体噴射部と前記気体噴射部
    間の液体ミスト噴霧部とを備えた冷却装置が、鋼帯パス
    ラインを挟んで対向しないようにして、鋼帯パスライン
    の両側に鋼帯パスラインに沿って各複数基配置されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の、溶融亜鉛めっき鋼帯の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 冷却装置の上下2段の気体噴射部の噴射
    先端位置と鋼帯パスラインとの間隔を10mm以上20
    0mm以下とし、且つ冷却装置をガスワイピングノズル
    の上方10m以内に設置することを特徴とする請求項1
    または2記載の、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。
  4. 【請求項4】 鋼帯パスラインの冷却装置よりも上流側
    において、めっき鋼帯の温度を計測し、めっき鋼帯を液
    体ミストの噴霧により溶融亜鉛めっきの融点以上の温度
    から300℃以下まで、50℃/秒以上の冷却速度で冷
    却することを特徴とする請求項1から3の何れか1つに
    記載の、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。
  5. 【請求項5】 液体ミストに水を使用し、液体ミストの
    粒径を100ミクロン以下にするとともに、めっき鋼帯
    幅方向の水量分布のバラツキが20%以内となるように
    液体ミストノズルを配列することを特徴とする請求項1
    から4の何れか1つに記載の、溶融亜鉛めっき鋼帯の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 生成したスパングルの大きさを計測し、
    前記計測結果に基づいて液体ミスト量の制御を行なうこ
    とを特徴とする請求項1から5の何れか1つに記載の、
    溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。
  7. 【請求項7】 溶融亜鉛めっき浴から上方に引き上げら
    れためっき鋼帯の表面に液体ミストを吹き付けて、めっ
    き鋼帯の冷却を行う溶融亜鉛めっき鋼帯の製造装置にお
    いて、 めっき浴上方の鋼帯パスラインの両側に冷却装置が各1
    基以上配置され、前記冷却装置は、めっき鋼帯面に気体
    を噴射する上下2段の気体噴射部と、前記上下2段の気
    体噴射部間でめっき鋼帯面に液体ミストを噴霧する液体
    ミスト噴霧部とを有することを特徴とする、溶融亜鉛め
    っき鋼帯の製造装置。
  8. 【請求項8】 冷却装置を、鋼帯パスラインを挟んで対
    向しないようにして、鋼帯パスラインの両側に前記鋼帯
    パスラインに沿って各複数基配置したことを特徴とする
    請求項7記載の、溶融亜鉛めっき鋼帯の製造装置。
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