JP2991922B2 - 金属帯の支持装置 - Google Patents

金属帯の支持装置

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JP2991922B2
JP2991922B2 JP6072144A JP7214494A JP2991922B2 JP 2991922 B2 JP2991922 B2 JP 2991922B2 JP 6072144 A JP6072144 A JP 6072144A JP 7214494 A JP7214494 A JP 7214494A JP 2991922 B2 JP2991922 B2 JP 2991922B2
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岡 力 道
木 淳 定
崎 敬 介 藤
嶋 潔 和
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/007Control for preventing or reducing vibration, chatter or chatter marks

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性体ストリップの支
持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、溶融合金化亜鉛めっき鋼板の製
造ラインにおいては、図5及び図6に示すように、鋼板
(ストリップ)1を溶融亜鉛が満たされためっき槽内に
通し、該めっき槽から鋼板を引き上げる部分のパスライ
ンに対向して設置されたワイピングノズルからエア−を
鋼板1に吹き付けて、鋼板表面に付着した溶融亜鉛の量
(目付け量と呼ぶ)を調整した後、この鋼板を上方に位
置する合金化炉に通して合金化処理を施す。
【0003】この製造ラインにおいては、めっき槽内か
ら引き上げられた鋼板に、その幅方向の軸に対する反り
(C反りと呼ぶ)が生じ易い。このようなC反りが生じ
ると、幅方向の位置の違いによって、鋼板とワイピング
ノズルとの距離が変化するため、ワイピングノズルを通
過して目付け量が調整された後でも、鋼板表面に付着し
た溶融亜鉛の量に幅方向の位置に応じたばらつきが生
じ、めっきの厚みは均一にならない。また、ワイピング
ノズルから鋼板に吹付けられるエア−によって鋼板に振
動が生じ易いので、その振動によってもめっきの厚みが
不均一になる。
【0004】そこでこの種の製造ラインでは、鋼板の反
りや振動を抑制するための矯正装置が備わっている。即
ち、電磁石を用いて鋼板に磁気吸引力を与え、電磁石と
鋼板との距離が一定になるように制御することで、振動
や反りを抑制している。この種の技術は、例えば、特開
平2−277755号公報や、実開平5−30148号
公報に開示されている。
【0005】特開平2−277755号公報,及び実開
平5−30148号公報に示されているように、この種
の設備においては、鋼板の幅方向の互いに異なる位置に
3組(裏と表で計6組)の電磁石が設置されている。ま
た、これらの電磁石が鋼板の進行方向に複数組設置され
る場合もある。特開平2−277755号公報の技術で
は、電磁石の負担を低減するために、電磁石の位置を鋼
板の厚み方向に移動することを提案している。また実開
平5−30148号公報の技術では、通過する鋼板の幅
が大きく変化してもC反りの矯正を可能にするために、
鋼板の板エッジ位置を検出し、検出した位置に応じて電
磁石を幅方向に移動し、板幅の範囲内に全ての電磁石を
位置決めするように制御することを提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パスライン
を通る鋼板には、中伸びと呼ばれる形状不良が生じる場
合がある。この種の鋼板の場合、中伸びによって生じた
反りの凹凸が表裏で裏返っても、形状的に安定状態を維
持することがある。このような鋼板は、形状的に安定な
点が位置によって様々であるため、安定点の把握が困難
である。しかしながら、従来の技術では、安定点を常に
把握していないと、制振制御や形状の矯正がうまくでき
なかった。即ち、表と裏にそれぞれ配置した電磁石を用
いて、中伸びのある鋼板を所定のパスラインに沿うよう
に位置決めしようとしても、鋼板が形状の不安定な状態
で保持されるため、電磁石によって鋼板に吸引力を与え
ると、その力で鋼板の凹凸が裏返り、鋼板のパスライン
からの位置ずれ(反り)が大きくなる。このため、中伸
びのある鋼板については、充分に制振や形状の矯正がで
きなかった。
【0007】従って本発明は、中伸びのある鋼板などの
磁性体ストリップに対しても、制振や形状矯正の能力を
改善しうる磁性体ストリップの支持装置を提供すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明では、所定方向に向かって通板され
る金属帯(1)を支持する金属帯の支持装置において、
通板方向の上流および下流にそれぞれガイドロールを有
し、前記金属帯を巻き付け案内する一組の案内手段
(2);及び前記一組の案内手段の中間部の少なくとも
一個所に、前記案内手段によって案内される金属帯の通
板面より所要の距離を隔てた、前記個所毎に金属帯の表
裏面のうちいずれか片側に、金属帯の幅方向に1個ある
いは複数個配設され、金属帯に非接触で吸引力または反
発力を作用させる非接触力発生手段(3);を設けると
ともに、前記非接触力発生手段の位置において、前記案
内手段によって金属帯が案内される所定のパスライン
(P.L)よりも、金属帯の厚み方向に、金属帯の表裏
面のうち片側に、金属帯をずらす。
【0009】また請求項2の発明では、所定方向に向か
って通板される磁性体ストリップ(1)を支持する磁性
体ストリップの支持装置において、通板方向の上流およ
び下流にそれぞれガイドロールを有し、前記磁性体スト
リップを巻き付け案内する一組の案内手段(2A);
記一組の案内手段の中間部の少なくとも一個所に、前記
案内手段によって案内される磁性体ストリップの通板面
より所要の距離を隔てた、前記個所毎に磁性体ストリッ
プ表裏面のうちいずれか片側に、それぞれ磁性体ストリ
ップの幅方向に1個あるいは複数個配設された電磁石手
段(3);該電磁石手段の近傍における、前記磁性体ス
トリップの厚み方向の位置を検出する、位置検出手段
(4);及び前記位置検出手段が検出した位置に基づい
て、前記電磁石手段の付勢量を制御する、付勢制御手段
(6);を設けるとともに、前記電磁石手段の位置にお
いて、前記案内手段によって磁性体ストリップが案内さ
れる所定のパスライン(P.L)よりも、磁性体ストリ
ップの厚み方向に、磁性体ストリップの表裏面のうち片
側に、磁性体ストリップをずらす。
【0010】また請求項の発明では、請求項2の磁性
体ストリップの支持装置において:前記案内手段(2
A)によって案内される所定のパスライン(P.L)に
対し、互いに異なる位置で、かつ反対側に第1の電磁石
手段(3A)と第2の電磁石手段(3B)を設けるとと
もに、第1の電磁石手段の位置での磁性体ストリップの
厚み方向の目標制御位置(PA)と、第2の電磁石手段
の位置での磁性体ストリップの厚み方向の目標制御位置
(PB)とを所定のパスラインを挾み互いに反対側にず
らす。
【0011】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0012】
【作用】請求項1の発明では、金属帯(1)は案内手段
(2A)によって、案内される。また、前記金属帯の通
板方向位置の1箇所あるいは複数箇所に、前記案内手段
によって案内される金属帯の通板面より所要の距離を隔
てて、金属帯の表裏面のうち片側に、それぞれ非接触力
発生手段(3)が、金属帯の幅方向に1個あるいは複数
個配設されており、この非接触力発生手段は、その位置
において、前記案内手段によって金属帯が案内される所
定のパスライン(P.L)よりも、金属帯の厚み方向
に、金属帯の表裏面のうち片側に、金属帯をずらすよう
に、該金属帯に非接触で吸引力または反発力を与える。
【0013】請求項2の発明では、磁性体ストリップ
(1)は案内手段(2A)によって、案内される。ま
た、前記磁性体ストリップの通板方向位置の1箇所ある
いは複数箇所に、前記案内手段によって案内される磁性
体ストリップの通板面より所要の距離を隔てて、磁性体
ストリップの表裏面のうち片側に、それぞれ電磁石手段
(3)が、磁性体ストリップの幅方向に1個あるいは複
数個配設されており、この電磁石手段は、その位置にお
いて、前記案内手段によって磁性体ストリップが案内さ
れる所定のパスライン(P.L)よりも、磁性体ストリ
ップの厚み方向に、磁性体ストリップの表裏面のうち片
側に、磁性体ストリップをずらすように、該磁性体スト
リップに非接触で吸引力または反発力を与える。
【0014】従って、実際の磁性体ストリップの通路
は、電磁石手段の位置で、パスラインに沿う軸に対して
曲がるため、磁性体ストリップは進行方向の軸に対して
厚み方向に蛇行するように案内される。
【0015】一方、薄鋼板などの磁性体ストリップに生
じるC反りあるいはW反りは、ストリップの中伸びなど
によって生じる、幅方向の軸に対する曲がりであるが、
磁性体ストリップが、その進行方向の軸に対して厚み方
向に蛇行した場合には、幅方向の軸に対する曲がりは生
じにくい。即ち、この発明によれば、C反りなどの幅方
向の軸に対する曲がりが生じにくくなり、幅方向の形状
不良の矯正や制振が容易になる。
【0016】請求項の発明では、第1の電磁石手段
(3A)と第2の電磁石手段(3B)とが互いに異なる
位置に設置されており、第1の電磁石手段の磁気吸引力
によって案内される磁性体ストリップの位置と、第2の
電磁石手段の磁気吸引力によって案内される磁性体スト
リップの位置とは互いにずれる。
【0017】従って、実際の磁性体ストリップの通路
は、第1の電磁石手段の位置と、第2の電磁石手段の位
置との少なくとも2点で、パスラインに沿う軸に対して
それぞれ曲がるため、磁性体ストリップは進行方向の軸
に対して厚み方向に蛇行するように案内される。このた
め、請求項の発明と同様に、磁性体ストリップにC反
りなどの幅方向の軸に対する曲がりが生じにくくなり、
幅方向の形状不良の矯正や制振が容易になる。また、第
1及び第2の電磁石手段だけで磁性体ストリップを蛇行
させることができるため、例えば塗装ラインにように、
磁性体ストリップを長い距離に渡って非接触で搬送しな
ければならないラインにも適用しうる。
【0018】
【実施例】本発明を溶融合金化亜鉛めっき鋼板の製造ラ
インに適用する場合の一実施例について説明する。この
製造ラインでは、図5及び図6に示す従来例と同様に、
鋼板1を溶融亜鉛が満たされためっき槽内に通し、該め
っき槽から鋼板1を引き上げる部分のパスラインに対向
して設置されたワイピングノズルからエア−を鋼板1に
吹き付けて、鋼板表面に付着した溶融亜鉛の量(目付け
量と呼ぶ)を調整した後、この鋼板1を上方に位置する
合金化炉(図示せず)に通して合金化処理を施す。
【0019】この例では、鋼板1の厚みは0.2〜3.
2mmの範囲であり、板幅は800〜1800mmの範
囲である。また鋼板1の全体には、搬送方向に対して2
Kg/mm2程度の張力が常時加わる。鋼板1の搬送速
度は、80〜120m/分程度である。
【0020】この実施例では、ワイピングノズルの近傍
に、鋼板1の矯正と制振を実施するストリップ支持装置
が設置されている。このストリップ支持装置の構成を図
1に示し、このストリップ支持装置が設置された部分の
斜視図を図2に示す。図1を参照すると、鋼板1はワイ
ピングノズルの上下位置にそれぞれ設置されたガイドロ
−ル2A及び2Bによって案内される。ガイドロ−ル2
Aとガイドロ−ル2Bとの間隔は、約1mである。
【0021】ワイピングノズルの少し上の位置に、パス
ラインP.Lと対向するように、電磁石3が設置してあ
る。この電磁石3は、鉄心3aとそれに巻回した電気コ
イル3bで構成されており、実際には、図2に示すよう
に、3個の独立した電磁石3が、鋼板1の幅方向に並べ
て設置してある。また、3個の電磁石3の各々の近傍に
は、ギャップセンサ4が設置してある。これらのギャッ
プセンサ4は、各々、それが設置された電磁石3の先端
位置と鋼板1の表面との距離、即ちギャップの大きさを
検出する。
【0022】3個の電磁石3の各々の通電は、電磁石制
御装置6によって制御される。電磁石制御装置6は、各
電磁石3と鋼板1表面との実際のギャップの大きさを知
るために、ギャップセンサ4が検出したギャップの信号
を入力する。また、電磁石制御装置6は、鋼板1の板
厚,電磁石の電流目標値,及びギャップ目標値の情報
を、プロセスコンピュ−タPCから入力する。
【0023】電磁石制御装置6の具体的な構成を図3に
示す。なお図3に示す制御系は、電磁石3の1つを制御
するものであり、実際には図3の制御系が電磁石制御装
置6には3組備わっている。また、図3に示す制御系
は、メモリ11,レジスタ12,13,チョッパ14及
び信号処理回路16を除き、ソフトウェア処理によって
実現してある。
【0024】図3を参照して説明する。信号線SG1を
通して電磁石3の電気コイルに流れる電流は、直流電源
から供給され、チョッパ14により制御される。電流検
出器CDは、信号線SG1に実際に流れる電流のレベル
を検出する。電流検出器20が出力する信号(電流に比
例するアナログ電圧)SG4は、電磁石制御装置6の信
号処理回路16に入力される。また、制御対象の電磁石
に備わったギャップセンサ4が出力する信号(間隙寸法
に比例するアナログ電圧)SG2も信号処理回路16に
入力される。信号処理回路16は、波形整形回路,A/
D変換器等を含んでおり、入力される信号SG2及びS
G4の電圧を逐次サンプリングして、それらの電圧に対
応する数値をそれぞれ出力する。信号SG2B及びSG
4Bが、それぞれ信号SG2及びSG4に対応するデジ
タル値(検出値)である。
【0025】減算部61では、予めレジスタ12に保持
されたギャップの目標値Goを、検出値SG2Bから減
算した値を、ギャップ偏差x1として出力する。減算部
62では、最新のギャップ偏差x1から、遅延部の出力
値(計算周期の1周期前に得られたギャップ偏差x1
を減算して得られる、ギャップ偏差の時間微分値dx1
/dtを出力する。減算部63は、予めレジスタ12に
保持された電流の目標値isを、検出値SG4Bから減
算した値を、電流偏差i1として出力する。加算部64
は、計算周期の1周期前に得られたそれ自身の出力値に
最新のギャップ偏差x1を加算した結果、即ちギャップ
偏差x1の積分値∫x1dtを出力する。乗算部65はギ
ャップ偏差x1にレジスタ13に保持されたゲイン係数
4を掛けた結果、即ちギャップ偏差x1に比例する成分
を出力し、乗算部66はギャップ偏差の微分値にレジス
タ13に保持されたゲイン係数K3を掛けた結果、即ち
ギャップ偏差の微分成分を出力し、乗算部67は電流偏
差i1にレジスタ13に保持されたゲイン係数K2を掛け
た結果、即ち電流偏差i1に比例する成分を出力し、乗
算部68はギャップ偏差積分値にレジスタ13に保持さ
れたゲイン係数K1を掛けた結果、即ちギャップ偏差の
積分成分を出力する。
【0026】ゲイン係数K1,K2,K3及びK4について
は、現代制御理論に基づいて、各々の最適な値が鋼板の
板厚毎に予め図示しない計算機を用いて算出されてお
り、その結果として得られた各々の板厚毎のゲイン係数
1,K2,K3及びK4が、この電磁石制御装置6が動作
する前に、予めメモリ11の板厚に対応付けたアドレス
に登録されている。電磁石制御装置6が動作する時に
は、その時に通板されている鋼板1の実際の板厚dによ
って、メモリ11の1組のアドレスが選択され、そのア
ドレスに保持された1組のゲイン係数K1,K2,K3
びK4が読み出され、これらの情報がレジスタ13に保
持される。
【0027】加算部69は、乗算部65が出力するギャ
ップ偏差比例値,乗算部66が出力するギャップ偏差微
分値,乗算部67が出力する電流偏差比例値,乗算部6
8が出力するギャップ偏差積分値,及びレジスタ12が
出力する電流目標値isを全て加算し、その結果を指令
電圧e0として生成する。この指令電圧e0が、チョッ
パ14に入力される。
【0028】チョッパ14の構成を図4に示す。図4を
参照すると、チョッパ14は増幅器111,三角波発生
器112,アナログ比較器113,ゲ−トドライバ11
4,スイッチングトランジスタ115,直流電源116
及びダイオ−ド117を備えている。三角波発生器11
2は、周波数及び振幅が一定の三角波信号電圧e2を出
力する。アナログ比較器113は、指令電圧e0を増幅
した電圧e1と、三角波発生器112が出力する三角波
電圧e2とを比較し、e1>e2の時には出力信号e3
が高レベルH(オンレベル)になり、e1<e2の時に
は出力信号e3が低レベルL(オフレベル)になる。従
って、信号e3はパルス信号になり、パルスのオン時間
の比率、即ちデュ−ティ比は、指令電圧e0に比例す
る。信号e3のオン/オフに応じて、トランジスタ11
5がオン/オフする。トランジスタ115がオンする
と、直流電源116から電磁石のコイル3bに電流が流
れ、トランジスタ115がオフすると、コイル7の電流
が遮断される。つまり、コイル3bに流れる平均的な電
流の大きさは、指令電圧e0に比例する。
【0029】ここで装置の動作について説明する。理解
を容易にするために、以下の説明では電流の目標値is
が0の場合を想定する。鋼板1が電磁石3の部分で正常
なパスラインを通過し、振動も生じていなければ、検出
されるギャップ値SG2Bとギャップ基準値Goとの偏
差x1が0になるので、指令電圧e0は電流の目標値is
と検出値SG4Bのみによって決定される。電流の目標
値isが0であれば、安定状態では電磁石3の電磁石に
電流が流れないので、鋼板1には特別な力が加わらな
い。
【0030】例えば鋼板1にC反りが生じ、制御対象の
電磁石の位置で、鋼板1が基準位置よりも電磁石3から
遠ざかると、ギャップの検出値SG2Bが増大するの
で、ギャップ偏差x1がプラスの値になる。その場合、
ギャップ偏差x1に応じた値が指令電圧e0として現わ
れるので、チョッパ14はe0に応じた電流を、電磁石
3のコイルに流す。従って、電磁石3が発生する磁気吸
引力によって、鋼板1は電磁石3に近づく方向に移動す
る。そして鋼板1がパスライン上の基準位置に近づくに
つれて、ギャップ偏差x1が小さくなり、磁気吸引力も
小さくなり、ギャップ偏差x1が0になると安定状態に
なる。
【0031】この実施例では、ギャップ基準値(目標
値)Goを、鋼板1がパスラインP.Lより鋼板厚み方
向にずれた位置にある時の値に定め、更に電流の目標値
isとして、プラスの値をセットする。
【0032】従って、電磁石3は常に磁気吸引力を発生
し、鋼板1は常に、図1に示すように、電磁石3の位置
で、パスラインP.Lより鋼板厚み方向にずれた位置と
一致するように位置決めされる。また、鋼板1が反りや
振動によって、パスラインP.Lに対して電磁石3から
離れる方向と近づく方向のどちら側に変位しようとする
場合であっても、電磁石3が発生する磁気吸引力の大き
さの自動調整によって、その変位が防止される。従っ
て、反りの矯正や振動の抑制が実施される。
【0033】電磁石3が通常発生する磁気吸引力の大き
さは、例えば1個あたり5Kgに設定される。従って、
鋼板1に加わる張力の大きさは、この支持装置が存在す
る部分では、電磁石3の磁気吸引力によって、他の部分
よりも大きくなる。また、図1及び図2に示すように、
鋼板1はその進行方向の軸に対して、厚み方向に曲が
り、蛇行しながら搬送される。
【0034】鋼板1に生じるC反りあるいはW反りは、
鋼板1の中伸びなどによって生じる、幅方向の軸に対す
る曲がりであるが、鋼板1が、その進行方向の軸に対し
て厚み方向に蛇行した場合には、幅方向の軸に対する曲
がりは生じにくい。即ち、この実施例によれば、C反り
などの幅方向の軸に対する曲がりが生じにくく、幅方向
の形状不良の矯正や制振の効果が高い。
【0035】第2実施例の構成を図7及び図8に示す。
なお図7,図8において、上記実施例と同一の構成要素
には、同一の符号を付して示してある。図7及び図8を
参照して説明する。この実施例では、ガイドロ−ル2
A,2Bは、いずれも所定のパスラインP.Lと一致す
る位置に鋼板1を案内するように位置決めされている。
そして、ガイドロ−ル2A,2Bの間に、パスライン
P.Lと対向するように、2つの電磁石3A,3Bが設
置されている。
【0036】電磁石3Aは、鋼板1の一方の面と対向す
る位置(図7において、パスラインの右側)に設置して
あり、電磁石3Bは、鋼板1の他方の面と対向する位置
(図7において、パスラインの左側)に設置してある。
また電磁石3Aと電磁石3Bは、鋼板1の進行方向に対
して互いにずらした位置に設置してある。この例では、
電磁石3Aと電磁石3Bの間隔は約30cmになってい
る。電磁石3Aは、電磁石制御装置6Aと接続してあ
り、電磁石3Bは、電磁石制御装置6Bと接続してあ
る。電磁石制御装置6A及び6Bは、プロセスコンピュ
−タPCと接続されている。電磁石制御装置6A及び6
Bの構成及び動作は、いずれも前記実施例の電磁石制御
装置6と同一である。
【0037】図7に示すように、電磁石3Aは、その磁
気吸引力によって、鋼板1をパスラインP.Lからずれ
た位置PAに位置決めするように制御され、電磁石3B
は、その磁気吸引力によって、鋼板1をパスラインP.
Lからずれた位置PBに位置決めするように制御され
る。このため、鋼板1は、電磁石3Aと電磁石3Bのそ
れぞれの位置で曲げられ、蛇行するように案内されなが
ら搬送される。つまり、前記実施例の場合と同様に、C
反りなどの幅方向の軸に対する曲がりが生じにくく、幅
方向の形状不良の矯正や制振の効果が高い。
【0038】なお、この例では鋼板1の通路はパスライ
ンからずれるので、図7,図8には示してないが、ワイ
ピングノズルも、予めパスラインからずらした位置に設
置される。
【0039】次に、いくつかの変形実施例について説明
する。図9と図10に示す実施例では、2組(6個)の
電磁石3Aを、鋼板1の同一の面と対向する位置に、搬
送方向に並べて設置してある。ガイドロ−ル2A及び2
Bは、いずれも鋼板1をパスラインに沿うように案内す
る位置に設置してある。従って、ガイドロ−ル2A,2
Bと電磁石3Aによって、図1の実施例と同様に、鋼板
1は蛇行しながら搬送される。
【0040】図11と図12に示す実施例では、3組の
電磁石3A,3B,3Cが、鋼板1の搬送方向の互いに
違う位置に設置してある。電磁石3A及び3Cは、鋼板
1の一方の面に対向するように配置してあり、電磁石3
Bは鋼板1の他方の面に対向するように配置してある。
従って、図7,図8の実施例と同様に動作するが、鋼板
1はより複雑に蛇行する。同様に、図13と図14に示
す実施例では、4組の電磁石3A,3B,3C及び3D
が、鋼板1の搬送方向の互いに違う位置に設置してあ
る。電磁石3A及び3Cは、鋼板1の一方の面に対向す
るように配置してあり、電磁石3B及び3Dは鋼板1の
他方の面に対向するように配置してある。また、図15
と図16に示す実施例では、5組の電磁石3A,3B,
3C,3D及び3Eが、鋼板1の搬送方向の互いに違う
位置に設置してある。電磁石3A,3C及び3Eは、鋼
板1の一方の面に対向するように配置してあり、電磁石
3B及び3Dは鋼板1の他方の面に対向するように配置
してある。
【0041】なお上記実施例においては、鋼板1と接触
するガイドロ−ラ2A及び2Bを案内手段として用いた
が、それに代えて、例えばエア−などの吹出しによって
非接触で鋼板を案内する装置を用いてもよい。
【0042】また実施例では、磁性体ストリップに非接
触吸引力を作用させる手段として電磁石を前提に説明し
たが、他の非接触力発生手段として、エア−吹き付け装
置,エア−静圧支持装置,ウォ−タ−ジェット装置,バ
キュ−ム装置,高周波磁界印加装置等の利用も考えられ
る。また、上記、非接触力発生手段のうち電磁石による
非接触吸引を除いて、非磁性体の金属帯に適用すること
も可能である。
【0043】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、磁性体
ストリップ(又は金属帯)の通路は少なくとも2点で、
パスラインに沿う軸に対してそれぞれ曲がるため、磁性
体ストリップは進行方向の軸に対して厚み方向に蛇行す
るように案内される。従って、この発明によれば、C反
りなどの幅方向の軸に対する曲がりが生じにくくなり、
幅方向の形状不良の矯正や制振の効果が高まる。
【0044】また、請求項の発明では、第1及び第2
の電磁石手段だけで磁性体ストリップを蛇行させること
ができるため、例えば塗装ラインにように、磁性体スト
リップを長い距離に渡って非接触で搬送しなければなら
ないラインにも適用しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のストリップ支持装置の構成を示
す正面図である。
【図2】 図1の装置を示す斜視図である。
【図3】 電磁石制御装置6の1つの制御系を示すブロ
ック図である。
【図4】 図3のチョッパ14の構成を示すブロック図
である。
【図5】 溶融亜鉛メッキラインの従来の構成例を示す
正面図である。
【図6】 図5の設備を示す斜視図である。
【図7】 第2実施例のストリップ支持装置の構成を示
す正面図である。
【図8】 図7の装置を示す斜視図である。
【図9】 変形実施例のストリップ支持装置の構成を示
す正面図である。
【図10】 図9の装置を示す斜視図である。
【図11】 変形実施例のストリップ支持装置の構成を
示す正面図である。
【図12】 図11の装置を示す斜視図である。
【図13】 変形実施例のストリップ支持装置の構成を
示す正面図である。
【図14】 図13の装置を示す斜視図である。
【図15】 変形実施例のストリップ支持装置の構成を
示す正面図である。
【図16】 図15の装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:鋼板 2A,2B:ガイド
ロ−ル 3,3A,3B,3C,3D,3E:電磁石 3a:鉄心 3b:電気コイル 4,4A,4B:ギャップセンサ 6,6A,6B:電磁石制御装置 11:メモリ 12,13:レジス
タ 14:チョッパ 16:信号処理回路 PC:プロセスコンピュ−タ P.L:パスライン CD:電流検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和 嶋 潔 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平4−365822(JP,A) 特開 平2−277755(JP,A) 特開 昭58−3959(JP,A) 実開 平5−30148(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65H 20/02,23/24 C21D 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定方向に向かって通板される金属帯を支
    持する金属帯の支持装置において、通板方向の上流およ
    び下流にそれぞれガイドロールを有し、前記金属帯を巻
    き付け案内する一組の案内手段;及び前記一組の案内手
    段の中間部の少なくとも一個所に、前記案内手段によっ
    て案内される金属帯の通板面より所要の距離を隔てた、
    前記個所毎に金属帯の表裏面のうちいずれか片側に、金
    属帯の幅方向に1個あるいは複数個配設され、金属帯に
    非接触で吸引力または反発力を作用させる非接触力発生
    手段;を設けるとともに、前記非接触力発生手段の
    置において、前記案内手段によって金属帯が案内される
    所定のパスラインよりも、金属帯の厚み方向に、金属帯
    の表裏面のうち片側に、金属帯をずらしたことを特徴と
    する金属帯の支持装置。
  2. 【請求項2】所定方向に向かって通板される磁性体スト
    リップを支持する磁性体ストリップの支持装置におい
    て、通板方向の上流および下流にそれぞれガイドロールを有
    し、前記磁性体ストリップを巻き付け案内する一組の
    内手段;前記一組の案内手段の中間部の少なくとも一個所に、
    記案内手段によって案内される磁性体ストリップの通板
    面より所要の距離を隔てた、前記個所毎に磁性体ストリ
    ップ表裏面のうちいずれか片側に、それぞれ磁性体スト
    リップの幅方向に1個あるいは複数個配設された電磁石
    手段; 該電磁石手段の近傍における、前記磁性体ストリップの
    厚み方向の位置を検出する、位置検出手段;及び前記位
    置検出手段が検出した位置に基づいて、前記電磁石手段
    の付勢量を制御する、付勢制御手段; を設けるとともに、前記電磁石手段の位置において、
    前記案内手段によって磁性体ストリップが案内される所
    定のパスラインよりも、磁性体ストリップの厚み方向
    に、磁性体ストリップの表裏面のうち片側に、磁性体ス
    トリップをずらしたことを特徴とする磁性体ストリップ
    の支持装置。
  3. 【請求項3】前記案内手段によって案内される所定のパ
    スラインに対し、互いに異なる位置で、かつ反対側に第
    1の電磁石手段と第2の電磁石手段を設けるとともに、
    第1の電磁石手段の位置での磁性体ストリップの厚み方
    向の目標制御位置と、第2の電磁石手段の位置での磁性
    体ストリップの厚み方向の目標制御位置とを所定のパス
    ラインを挾み互いに反対側にずらしたことを特徴とす
    る、請求項2に記載の磁性体ストリップの支持装置。
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