JP3840912B2 - 強磁性体の制御装置及び強磁性体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強磁性体との距離を測定する技術とそれを用いて強磁性体を制御する技術に関するもので、製鉄設備の圧延ライン、表面処理ライン等における薄鋼板の振動制御、形状矯正制御等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
薄鋼板製造ラインである冷延ライン・熱処理ライン・表面処理ラインなどでは、電磁力を用い、強磁性体である鋼板の振動制御・形状矯正制御が実施され始めている。
【0003】
図14は、溶融亜鉛鍍金鋼板の製造ラインの構成を示す図である。
【0004】
前工程である冷間圧延プロセスにおいて圧延され、続く洗浄プロセスにおいて表面が洗浄された鋼板70は、溶融亜鉛鍍金鋼板製造ラインに運搬され、無酸化性あるいは還元性の雰囲気に保たれた焼鈍炉71において表面酸化膜が除去され焼鈍処理をされた後、溶融亜鉛の温度とほぼ同程度まで冷却されて溶融亜鉛浴72内に導かれその表面に溶融亜鉛が付着する。
【0005】
加熱溶融した亜鉛内を通板した鋼板70は、ワイピングノズル73によって必要以上に付着した溶融亜鉛を除去される。
【0006】
図15は、ワイピングノズル73の動作を説明する図である。
【0007】
このワイピングノズル73からはワイピングガス78が鋼板70の表裏に板幅方向に均一に圧力がかかるようにスリット状に噴出されている。この付着量の制御はワイピングノズル73から噴出させるワイピングガス78の量、ワイピングノズル73と鋼板70との距離などを変えることによって行われる。
【0008】
続くプロセスである合金化炉74においては鋼板のFeと亜鉛の合金化層を形成し、冷却帯75を通過した後、化成処理76で特殊の防錆、耐食処理を施し、コイルに巻き取られて出荷される。
【0009】
ワイピング部において鋼板70が安定して通板することは、鋼板70の品質にとって非常に重要な要素である。
【0010】
例えば、生産性を向上するために鋼板70の通板速度を増加した場合には、鋼板70の振動が大きくなり易く、ワイピング部における鍍金付着量にむらが生じ品質低下の原因となる。
【0011】
また、鋼板70がC反り・W反りと呼ばれる幅方向の形状不良を起こしている場合も、板幅方向の鍍金付着量にむらが生じて品質低下の原因になり、さらに、所定間隔まで鋼板70とワイピングノズル73との間隔を狭められないため、過剰の鍍金を付着させることになる。
【0012】
これらの問題の解決方法として、ワイピングノズル73近傍の鋼板70の表裏に電磁石を設置し、非接触で鋼板70に吸引力を作用させることで、振動や反りを制御して鋼板70の通板を安定化する技術が知られている。
【0013】
図16は従来の鋼板非接触制御装置の構成を説明する図である。
【0014】
本制御方法は、鋼板70の幅方向に設置された非接触の距離センサ79を用いて鋼板70との距離を測定し、その測定値に基づいて制御器80で制御演算を行って制御信号を作り出し、その制御信号を増幅器81を介して同じく鋼板70の幅方向に設置された電磁石82に送り、薄板70に対して吸引力を作用させることで、薄板70の振動や形状を制御するものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、電磁力を用いて鋼板70の振動や形状を非接触で制御する際には、電磁石82と鋼板70との距離を測定する距離センサ79を設ける必要がある。一般に、距離を測定する手段として、各種距離センサ(レーザー式、渦流式、超音波式等)が知られている。しかし、前述の溶融亜鉛鍍金鋼板製造ラインにこれらの距離センサ79を用いることは、以下の点で問題があるため使用することは困難である。
【0016】
第1の問題点は、溶融亜鉛浴72直上では温度が100℃以上の高温雰囲気となっているため距離センサの冷却が必要となる点である。
【0017】
図17は距離センサ79と電磁石82との概略の配置を示す図である。
【0018】
距離センサ79の冷却方法としては、空冷あるいは水冷を用いることが一般的であるが、この方式では冷却ジャケット85内に距離センサ79を収納するため、センサヘッドのサイズが大きいものとなる。このため、センサヘッドを電磁石82の近傍に配置しようとしても、センサヘッドが大きいために離れた場所に設置することになる。その結果、電磁石82が吸引力を及ぼす鋼板70上の位置と距離センサ79が測定している鋼板70上の位置が異なることとなるため、鋼板70の振動制御・形状制御能力が低下する。
【0019】
第2の問題点は、ワイピングノズル73との干渉を避けるように配置しなければならない点である。
【0020】
電磁石82と距離センサ79はできる限りワイピングノズル73の近傍に配置することが振動制御・形状制御を行う上で効果的であるが、一方、ワイピングノズル73近傍に大きな物体を設置することはワイピングガス78である高圧ガスジェットの流れを乱し、鍍金品質を低下させる恐れがある。このため、電磁石82と距離センサ79はワイピングノズル73から高圧ガスジェットの流れに影響しない位置まで離して設置しなければならない。しかし、冷却ジャケット85によってセンサヘッドが大きくなった場合、距離センサ79の設置位置は更にワイピングノズル73から離れた位置になるため、ワイピングノズル73位置での振動制御・形状制御能力が更に低下することになる。
【0021】
第3の問題点は、距離センサ79に環境対策が必要となる点である。
【0022】
ワイピングノズル73近傍では亜鉛が蒸気化しているため、亜鉛の蒸着現象が発生する。このため、センサヘッドや冷却ジャケット85のセンシング窓(耐熱ガラスなど)に亜鉛が蒸着する結果、距離センサ79が誤作動を生じ、最悪の場合は測定不能に至ることもある。特に、レーザー式距離センサなどの光学的手段を用いた距離センサ79ではこの問題に弱いため安定して制御することが困難となる。
【0023】
第4の問題点は、同じく距離センサ79に環境対策が必要となる点である。
【0024】
ワイピングノズル73近傍では蒸気化した亜鉛の他に、ワイピングノズル73からの高圧ガスジェットに吹き飛ばされ、瞬時に凝固した亜鉛(以下、「スプラッシュ」と呼ぶ。)が存在する。このスプラッシュは距離センサ79や冷却ジャケット85のセンシング窓(耐熱ガラスなど)に付着するなどして距離センサ79の測定を妨害する。特に、レーザー式距離センサなどの光学的手段を用いた距離センサ79ではこの問題に弱いため安定して制御することが困難となる。
【0025】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、溶融亜鉛鍍金製造プロセスに適用した場合であっても、距離センサ79と電磁石82との設置間隔、距離センサ79とワイピングノズル73との設置間隔を短くでき、また、亜鉛蒸気やスプラッシュ等の設置環境の影響を受けない強磁性体の制御装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明は移動する強磁性体と該強磁性体に対向して固定して配された電磁石との間の距離を測定する距離測定装置と、前記距離測定装置によって測定された距離が所定の値になるように前記電磁石のコイル電流を制御する制御手段とを備え、前記距離測定装置は、前記強磁性体と前記電磁石との間に作用する電磁力によって前記電磁石が前記磁性体に吸引される力を測定する吸引力測定手段と、前記電磁石のコイル電流の測定または前記電磁石へのコイル電流設定信号の取得によって前記電磁石への入力電流値を得る入力値取得手段と、測定した吸引力と前記電磁石への入力電流値とから、前記強磁性体と前記電磁石との距離を推定する距離推定手段とを備えた強磁性体の制御装置である。
また本発明は、上記記載の発明である強磁性体の制御装置において、前記吸引力測定手段は、前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された圧縮型荷重測定手段と、前記圧縮型荷重測定手段の荷重測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段とを備えた強磁性体の制御装置である。
また本発明は、上記記載の発明である強磁性体の制御装置において、前記吸引力測定手段は、前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された引張型荷重測定手段と、前記引張型荷重測定手段の荷重測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段とを備えた強磁性体の制御装置である。
また本発明は、上記記載の発明である強磁性体の制御装置において、前記吸引力測定手段は、前記電磁石の固定治具の応力歪を測定する歪測定手段と、前記歪測定装置の歪測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段とを備えた強磁性体の制御装置である。
【0027】
また本発明は、移動する強磁性体と該強磁性体に対向して固定して配された電磁石との間の距離を測定する距離測定装置を用いて前記距離を測定する距離測定工程と、測定された距離が所定の値になるように前記電磁石のコイル電流を制御する制御工程とを備え、前記距離測定装置は、前記強磁性体と前記電磁石との間に作用する電磁力によって前記電磁石が前記磁性体に吸引される力を測定する吸引力測定手段と、前記電磁石のコイル電流の測定または前記電磁石へのコイル電流設定信号の取得によって前記電磁石への入力電流値を得る入力値取得手段と、測定した吸引力と前記電磁石への入力電流値とから、前記強磁性体と前記電磁石との距離を推定する距離推定手段とを備えた強磁性体の製造方法である。
また本発明は、上記記載の発明である強磁性体の製造方法であって、前記吸引力測定手段は、前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された圧縮型荷重測定手段と、前記圧縮型荷重測定手段の荷重測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段とを備えた強磁性体の製造方法である。
また本発明は、上記記載の発明である強磁性体の製造方法であって、前記吸引力測定手段は、前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された引張型荷重測定手段と、前記引張型荷重測定手段の荷重測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段とを備えた強磁性体の製造方法である。
また本発明は、上記記載の発明である強磁性体の製造方法であって、前記吸引力測定手段は、前記電磁石の固定治具の応力歪を測定する歪測定手段と、前記歪測定装置の歪測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段とを備えた強磁性体の製造方法である。
【0035】
また本発明は、上記発明である強磁性体の製造方法において、強磁性体が溶融亜鉛鍍金鋼板である強磁性体の製造方法である。
【0036】
また本発明は、上記発明である強磁性体の製造方法において、強磁性体が電気亜鉛鍍金鋼板であり、電磁石が電気亜鉛鍍金製造ラインの鍍金槽中に設置されたものである強磁性体の製造方法である。
【0037】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明に係る距離測定方法の原理について説明する。
【0038】
一般に、強磁性体1と電磁石2との間に働く力F(吸引力)は(1)式で与えられる。
【0039】
F=(N2μ0Si2)/{(l/μs)+ 2X }2 …(1)
ここで,N:電磁石コイル巻き数,μ0:真空の透磁率,S:電磁石断面積,i:電流,l:磁路の長さ,μs:比透磁率,X:電磁石−強磁性体間距離である。
【0040】
この(1)式の中で,μ0は定数,N,S,l,μsは使用する電磁石に固有の定数なので,吸引力Fは電磁石を流れる電流iと距離Xとの関数になる。換言すれば吸引力Fと電流iが分かれば,電磁石−強磁性体間距離Xを求めることができる。これが本発明に係る距離測定方法の原理である。
【0041】
図1は本発明に係る距離測定装置の構成を示す図である。
【0042】
本距離測定装置は、強磁性体1から所要の距離を空けて配置された電磁石2、この電磁石2が強磁性体1に作用する吸引力を測定する吸引力測定装置3、電磁石2のコイル電流を測定する電流値測定装置4及び測定した吸引力と電流値から距離を推定する距離推定装置5で構成されている。
【0043】
次に、本構成に係る距離測定装置の動作を説明する。
【0044】
強磁性体1に対して電磁石2が吸引力を及ぼした場合は、電磁石2自身にもその反作用として吸引力が働く。吸引力測定装置3は、この反作用の力を測定することで間接的に吸引力を測定するものである。特に強磁性体1が移動している場合には強磁性体1に働く吸引力を直接測定することは困難であるが、静止固定されている電磁石2に働く反作用力を測定することは可能である。このようにして測定された吸引力は距離推定装置5に入力される。
【0045】
一方、電磁石2のコイル電流は電流値測定装置4によって測定され、距離推定装置5に入力される。距離推定装置5では入力された吸引力と電磁石2のコイル電流から式(1)に示す関係に基づいて電磁石−強磁性体間距離を算出する。
【0046】
図2は本発明に係る強磁性体の制御装置の第1の実施の形態を示す構成図である。
【0047】
本制御装置では、強磁性体1に吸引力を付加する作用部と、吸引力を検出する検出部は電磁石2と圧縮型ロードセル3aを組み合わせた構成で実現している。
【0048】
図2において、強磁性体1に対向して設けた基礎部には電磁石固定治具8が備えられ、この電磁石固定治具8には複数の締結具9によって電磁石2がその磁極面を強磁性体1に対向して固定されている。そして、この電磁石固定治具8と電磁石2の間には圧縮型ロードセル3aが挟まれ、締結具9によって締め込まれることによって初期荷重が付加されている。
【0049】
この構成の圧縮型ロードセル3aで測定した荷重値と、電流値測定装置4で測定された電磁石2のコイルに流れる電流値とが距離推定装置5に入力され、これらの入力値に基づいて電磁石―強磁性体間の距離が推定される。そして、距離推定値出力信号は制御装置6に入力され、制御装置6では電磁石2のコイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。この設定値信号は電磁石電源装置7に入力され電磁石2に所要の電流が流れるように制御が行われる。
【0050】
ここで、電磁石2は電磁石固定治具8上に設置されているが、本図に表された形態に限定されるものではない。本図では便宜上、電磁石固定治具8を個別独立の装置として記載してあるが、電磁石2を設置するための基礎または架台に締結具9を設けたものであっても良い。本発明において電磁石固定治具8はこのような電磁石2を固定するための治具を備えた基礎または架台のことを意味する。
【0051】
次に、距離推定装置5の機能である、荷重値と電流値から距離を推定する方法について述べる。前述のように、強磁性体1と電磁石2との間に作用する吸引力Fは、電磁石2に流れる電流値Iと、強磁性体1と電磁石2間の距離Gとの関数Yとして、(2)式で表される。
【0052】
F=Y(I,G) …(2)
一方、圧縮型ロードセル3aによって測定される初期状態での締結力T0、電磁石2に電流が流れている時に圧縮型ロードセル3aによって測定される締結力T、とすると吸引力Fとの関係は(3)式で表される。
【0053】
F ∝ |T−T0| …(3)
よって、T0、T、I,Gの関係はkを比例定数として(4)式で表される。
【0054】
Y(I,G)=k×|T−T0| …(4)
すなわち、初期締結力T0と締結力Tの差の絶対値は電流値Iと距離Gとの関数である。
【0055】
距離推定装置5はこの関係に基づいて距離Gを算出する。この際には、前述の(4)式を計算して求めても良く、またデータテーブルを参照して求めても良い。
【0056】
図3は締結力、電流、距離の関係を示す図である。
【0057】
本図は上記3種類の値を適宜変化させた試験を行い、その結果得られた各値の相互の関係を測定して3次元座標に表したものである。距離推定装置5はこの図3に示されるデータをテーブルにして記憶しており、初期締結力T0と締結力Tの差の絶対値、および電流値Iを指定して距離Gの推定値を求めるように構成している。
【0058】
例えば、圧縮型ロードセルによる測定結果で|T−T0|が10Kgであり、電流値Iの測定結果が10Aのとき、このデータテーブルから距離Gは10mmと推定される。この推定計算において必要時は内挿、外挿計算を行うことは当然の処理である。
【0059】
以上のようにして推定された距離Gは制御装置6に入力され、制御装置6は推定された距離Gと目標とする距離との偏差を少なくするように、電磁石2のコイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。電磁石電源装置7はこの制御信号に基づいて電磁石2のコイル電流を制御して電磁石2の吸引力を変更する。
【0060】
そして、電磁石2のコイル電流は電流値測定装置4によって測定され距離Gを推定するための信号として距離推定装置5に入力される。ここで、コイル電流値は電磁石2に流れているものを測定しなくても、制御装置6から出力されるコイル電流設定値を用いても良い。
【0061】
また、本発明で吸引力測定装置3として、圧縮型ロードセル3aを用いたのは、電磁石2と電磁石固定治具8との間に挟んで締結する構造を採用し電磁石2と距離センサを含めた装置全体のサイズを小さくすることができるからであり、また、制御対象である強磁性体1が高温であっても輻射熱の影響を直接受けないように構成できるからである。
【0062】
本方式を溶融亜鉛鍍金製造プロセスに適用した場合、通常の距離センサ(レーザー式、渦流式、超音波式)の場合は少なくともセンサヘッドの大きさ分だけ上下にずれた位置を測定することになるが、本方式はこの測定位置のずれが生じない。すなわち、距離を推定している強磁性体1上の位置と電磁力が作用する強磁性体1上の位置が同じなので、制御性能の低下が生じにくく、また、強磁性体1と電磁石2との間に何らかの非磁性体の障害物が存在している場合であっても精度良く安定して距離を測定することができる。
【0063】
尚、制御装置6による制御方法は様々な方法が考えられるが、PID制御、状態フィードバック制御、ロバスト制御、シーケンシャルな手続きによる制御、ニューラルネットワークを利用した非線形制御など、その制御対象に適切なものを用いればよい。
【0064】
図4は本発明に係る強磁性体の制御装置の第2の実施の形態を示す構成図である。
【0065】
本制御装置では、強磁性体1に吸引力を付加する作用部と、吸引力を検出する検出部は電磁石2と引張型ロードセル3bを組み合わせた構成で実現している。
【0066】
図4において、強磁性体1に対向して設けた基礎部には電磁石固定治具8が備えられ、この電磁石固定治具8には複数の締結具9によって引張型ロードセル3bが接続され、更に引張型ロードセル3bには複数の締結具9によって電磁石2がその磁極面を強磁性体1に対向して固定されている。そして、引張型ロードセル3bは電磁石2と電磁石固定冶具8に挟まれて両側から締結具9によって連結され引張られることによって初期引張荷重がかけられている。
【0067】
この構成の引張型ロードセル3bで測定した荷重値と、電流値測定装置4で測定された電磁石2のコイルに流れる電流値とが距離推定装置5に入力され、これらの入力値に基づいて電磁石―強磁性体間の距離が推定される。そして、距離推定値出力信号は制御装置6に入力され、制御装置6では電磁石2のコイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。この設定値信号は電磁石電源装置7に入力され電磁石2に所要の電流が流れるように制御が行われる。
【0068】
ここで、電磁石2は電磁石固定治具8上に設置されているが、本図に表された形態に限定されるものではない。本図では便宜上、電磁石固定治具8を個別独立の装置として記載してあるが、電磁石2を設置するための基礎または架台に締結具9を設けたものであっても良い。本発明において電磁石固定治具8はこのような電磁石2を固定するための治具を備えた基礎または架台のことを意味する。
【0069】
次に、距離推定装置5の機能である、荷重値と電流値から距離を推定する方法について述べる。前述のように、強磁性体1と電磁石2との間に作用する吸引力Fは、電磁石2に流れる電流値Iと、強磁性体1と電磁石2間の距離Gとの関数Yとして、(5)式で表される。
【0070】
F=Y(I,G) …(5)
一方、引張型ロードセル3bによって測定される初期状態での荷重H0、電磁石2に電流が流れている時に引張型ロードセル3bによって測定される荷重H、とすると吸引力Fとの関係は(6)式で表される。
【0071】
F ∝ |H−H0| …(6)
よって、H0、H、I,Gの関係はkを比例定数として(7)式で表される。
【0072】
Y(I,G)=k×|H−H0| …(7)
すなわち、初期荷重H0と荷重Hの差の絶対値は電流値Iと距離Gとの関数である。
【0073】
距離推定装置5はこの関係に基づいて距離Gを算出する。この際には、前述の(7)式を計算して求めても良く、また前述のようにデータテーブルを参照して求めても良い。
【0074】
以上のようにして推定された距離Gは制御装置6に入力され、制御装置6は推定された距離Gと目標とする距離との偏差を少なくするように、電磁石2のコイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。電磁石電源装置7はこの制御信号に基づいて電磁石2のコイル電流を制御して電磁石2の吸引力を変更する。
【0075】
そして、電磁石2のコイル電流は電流値測定装置4によって測定され距離Gを推定するための信号として距離推定装置5に入力される。ここで、コイル電流値は電磁石2に流れているものを測定しなくても、制御装置6から出力されるコイル電流設定値を用いても良い。
【0076】
また、本発明で吸引力測定装置3として、引張型ロードセル3bを用いたのは、一般的に圧縮型ロードセル3aと比較して大きな荷重信号を取り出せるためS/N比のよい信号を用いることができるという利点があるためである。
【0077】
尚、本実施の形態においても圧縮型ロードセル3aを用いた場合と同様の効果を得ることができる。即ち、本方式は電磁石2と電磁石固定治具8との間に挟んで連結する構造のため電磁石2と距離センサを含めた装置全体のサイズを小さくすることができ、また、制御対象である強磁性体1が高温であっても輻射熱の影響を直接受けないように構成できる。
【0078】
また、本方式を溶融亜鉛鍍金製造プロセスに適用した場合、圧縮型ロードセル3aを用いた場合と同様に、距離を推定している強磁性体1上の位置と電磁力が作用する強磁性体1上の位置が同じなので、制御性能の低下が生じにくく、また、強磁性体1と電磁石2との間に何らかの非磁性体の障害物が存在している場合であっても精度良く安定して距離を測定することができる。
【0079】
図5は本発明に係る強磁性体の制御装置の第3の実施の形態を示す構成図である。
【0080】
本制御装置では、強磁性体1に吸引力を付加する作用部と、吸引力を検出する検出部は電磁石2と歪ゲージ3cを組み合わせた構成で実現している。
【0081】
図5において、強磁性体1に対向して設けた基礎部には電磁石固定治具8が備えられ、この電磁石固定治具8には複数の締結具9によって電磁石2がその磁極面を強磁性体1に対向して固定されている。そして、この電磁石固定治具8には歪ゲージ3cが貼付され、電磁石固定治具8の歪を測定するように構成されている。
【0082】
この構成の歪ゲージ3cで測定した歪値と、電流値測定装置4で測定された電磁石2のコイルに流れる電流値とが距離推定装置5に入力され、これらの入力値に基づいて電磁石―強磁性体間の距離が推定される。そして、距離推定値出力信号は制御装置6に入力され、制御装置6では電磁石2のコイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。この設定値信号は電磁石電源装置7に入力され電磁石2に所要の電流が流れるように制御が行われる。
【0083】
ここで、電磁石2は電磁石固定治具8上に設置されているが、電磁石固定治具8は本図に表された形状・構造に限定されるものではない。また、歪ゲージ3cは本図に表された電磁石固定治具8の位置に限定して貼り付けているものではなく、電磁力が作用した際に歪が生じ易い部位に接着あるいは溶接すれば良い。
【0084】
次に、距離推定装置5の機能である、歪値と電流値から距離を推定する方法について述べる。前述のように、強磁性体1と電磁石2との間に作用する吸引力Fは、電磁石2に流れる電流値Iと、強磁性体1と電磁石2間の距離Gとの関数Yとして、(8)式で表される。
【0085】
F=Y(I,G) …(8)
一方、歪ゲージ3cによって測定される初期状態での歪J0、電磁石2に電流が流れている時に歪ゲージ3cによって測定される歪J、とすると吸引力Fとの関係は(9)式で表される。
【0086】
F ∝ |J−J0| …(9)
よって、J0、J、I,Gの関係はkを比例定数として(10)式で表される。
【0087】
Y(I,G)=k×|J−J0| …(10)
すなわち、初期歪J0と歪Jの差の絶対値は電流値Iと距離Gとの関数である。
【0088】
距離推定装置5はこの関係に基づいて距離Gを算出する。この際には、前述の(10)式を計算して求めても良く、また前述のようにデータテーブルを参照して求めても良い。
【0089】
以上のようにして推定された距離Gは制御装置6に入力され、制御装置6は推定された距離Gと目標とする距離との偏差を少なくするように、電磁石2のコイル電流の設定値を与える制御信号を出力する。電磁石電源装置7はこの制御信号に基づいて電磁石2のコイル電流を制御して電磁石2の吸引力を変更する。
【0090】
そして、電磁石2のコイル電流は電流値測定装置4によって測定され距離Gを推定するための信号として距離推定装置5に入力される。ここで、コイル電流値は電磁石2に流れているものを測定しなくても、制御装置6から出力されるコイル電流設定値を用いても良い。
【0091】
また、本発明で吸引力測定装置3として、歪ゲージ3cを用いたのは、一般的にロードセル3a、3bと比較して簡便に構成できる利点があり、また耐熱性のある商品も市販されているため高温の雰囲気下であっても使用することができる利点を有しているためである。
【0092】
尚、本実施の形態においてもロードセル3a、3bを用いた場合と同様の効果を得ることができる。即ち、本方式は電磁石固定治具8の一部分に歪ゲージ3cを貼り付ける構成であるため、電磁石2と距離センサを含めた装置全体のサイズを小さくすることができ、また、制御対象である強磁性体1が高温であっても輻射熱の影響を直接受けないように構成できる。
【0093】
また、本方式を溶融亜鉛鍍金製造プロセスに適用した場合、ロードセル3a、3bを用いた場合と同様に、距離を推定している強磁性体1の位置と電磁力が作用する強磁性体1の位置が同じなので、制御性能の低下が生じにくく、また、強磁性体1と電磁石2との間に何らかの非磁性体の障害物が存在している場合であっても精度良く安定して距離を測定することができる。
【0094】
図6は本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した例を示す図である。本図において、図1乃至3と同一の部分には同一の番号を付して詳しい説明は省略する。
【0095】
本実施例では、ワイピングノズル15の直上に本発明の制御装置を設置し、ワイピングノズル15近傍の振動制御あるいは反り矯正制御を行う場合の構成を示している。本制御装置を用いることによって距離センサが測定した強磁性体1の同一位置を電磁石2が制御しているため、制御性能の低下がない。また、電磁石2を含めても小型に構成できるため、ワイピングノズル15近傍で制御することができ制御精度を高めることができる。
【0096】
本実施の構成では、雰囲気温度が高いことが問題となるが、例えば歪ゲージ3cを用いて構成すれば、歪みゲージ3cは900℃程度まで測定可能なものが市販されているため、雰囲気温度(100乃至150℃)に適したものを選択すれば良く、また、電磁石2に用いる電線被覆も少なくとも200℃程度まで耐熱性を有するものを選択すれば良い。
【0097】
図7はライン上方から見た本制御装置の配置を示す図である。
【0098】
本制御装置は板幅方向の中心部と両端部の少なくとも3組が設置され、強磁性体1の形状を矯正することが可能なように配置されている。
【0099】
図8は本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図である。本図において、図1乃至5と同一の部分には同一の番号を付して詳しい説明は省略する。
【0100】
本実施例では、本制御装置をワイピングノズル15直下に設置し、ワイピングノズル15近傍の振動制御あるいは反り矯正制御を行う場合の構成を示している。本制御装置を用いることによって距離センサが測定した強磁性体1の同じ場所を電磁石2が制御しているため、制御性能の低下がない。また、電磁石2を含めても小型に構成できるため、ワイピングノズル15近傍で制御することができ制御精度を高めることができる。
【0101】
本実施の構成では、雰囲気温度が高いことが問題となるが、例えば歪ゲージ3cを用いて構成すれば、歪みゲージ3cは900℃程度まで測定可能なものが市販されており、溶融亜鉛からの輻射熱(溶融亜鉛は700℃程度)に適したものを選択すれば良い。
【0102】
電磁石2に用いる電線被覆も1000℃程度まで耐熱性を有するもの、例えばグラスファイバー系被覆を選択する。また、ワイピング除去された溶融亜鉛が飛散するので、電磁石・冶具・配線等を非磁性体による保護カバー10(例えば、ステンレス、セラミックス、ニッケル系耐熱合金など)で被うことで問題の解決を図ることができる。
【0103】
本制御装置は、制御したい強磁性体1の振動や反りの状態に応じて板幅方向に3組以上配置すれば、設備制約上、ワイピングノズル15上部に電磁石2を配置できない場合でも、振動制御・形状矯正ともに実現することができる。
【0104】
図9は、溶融亜鉛浴中の装置の配置を示す図である。
【0105】
溶融亜鉛浴16中に引き込まれた強磁性体1は、方向変換用のロールであるシンクロール17によって通板方向が変換された後、同じく浴中に配されたサポートロール18を経て溶融亜鉛浴16外に引き出され、ガスワイパ15で鍍金付着量が調整される。
【0106】
図10は本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図である。本図において、図1乃至9と同一の部分には同一の番号を付して詳しい説明は省略する。
【0107】
本実施例では、本制御装置を溶融亜鉛浴16に設置されているサポートロール18の代替として適用し、ワイピングノズル15近傍の振動制御あるいは反り矯正制御を行う場合の構成を示している。
【0108】
本実施の構成では、雰囲気温度が高いことが問題となるが、吸引力測定装置として歪ゲージ3cを用いれば、歪みゲージ3cは900℃程度まで測定可能なものが市販されているため、溶融亜鉛からの輻射熱(溶融亜鉛は700℃程度)に適したものを選択することで対応できる。
【0109】
電磁石2に用いる電線被覆も1000℃程度まで耐熱性を有するもの、例えばグラスファイバー系被覆を選択する。また、溶融亜鉛浴中に浸漬させるので、電磁石・冶具・配線等を非磁性体による保護カバー10(例えば、ステンレス、セラミックス、ニッケル系耐熱合金など)で被うことで問題の解決を図ることができる。
【0110】
本制御装置は、強磁性体1の振動や反りの状態に応じて板幅方向に3組以上の配置すれば、これまで設置が困難であった溶融亜鉛浴16中においても、振動制御・形状矯正ともに実現することができる。
【0111】
従来、サポートロール18と強磁性体1との間に溶融亜鉛中の不純物をかみこんで強磁性体1に疵をつける欠陥が生じることがあったが、このように電磁石2をサポートロール18の代替とすることでそのような欠陥の発生を回避することができる。
【0112】
また、制御を行う上で重要なセンサである距離センサに関しては、距離センサと電磁石2の周囲が不透明な溶融亜鉛で満たされるため、レーザー式などの光学的手段は用いることができないが、本方式ではそのような条件には影響されずに距離を測定することができる。
【0113】
また、渦流センサや超音波センサを用いる場合は耐熱性の点から、強制冷却を施す必要があるが、溶融亜鉛浴16に冷却部があるとその冷却部を中心に不純物が生成され、製品の品質上好ましくない。本発明は耐熱性に優れているため、強制冷却の必要が無くこのような問題は少ない。
【0114】
図11は本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図である。本図において、図1乃至9と同一の部分には同一の番号を付して詳しい説明は省略する。
【0115】
本実施例では、本制御装置を溶融亜鉛浴16に設置されているシンクロール17とサポートロール18の代替として適用し、非接触での強磁性体1の方向転換と振動制御あるいは反り矯正制御を行う場合の構成を示している。
【0116】
本実施の構成では、雰囲気温度が高いことが問題となるが、そのための本装置の構成については前述の例に従うことで解決が可能である。
【0117】
従来、シンクロール17と強磁性体1との間に溶融亜鉛中の不純物をかみこんで強磁性体1に疵をつける欠陥が生じる場合があったが、本構成では回避することができる。また、シンクロール17の回転運動がポット内の溶融亜鉛をかき乱すため、ポット底部に堆積した不純物が舞い上がって強磁性体1に付着する原因となっていたが、本方式ではこのような現象も抑えることができる。
【0118】
図12は電気亜鉛鍍金ラインの鍍金槽の構成を示す図である。
【0119】
鍍金槽20は亜鉛イオンを含む鍍金液21で満たされ、その鍍金液21中に電極22が配置されている。強磁性体1は鍍金槽20の前後面に配置した通電ロール23と、鍍金槽20の入出口に配されたゴム製の矯正ロール24によって保持されながら通電ロール23の回転によって移送され、鍍金槽20内の電極22間を通過する。
【0120】
本電気亜鉛鍍金ラインでは、鍍金槽20の外に配置した通電ロール23に電圧を加え、通電ロール23に接触した強磁性体1をカソードとし、鍍金槽20内に配置した電極22との間に電流を流すことで電気鍍金が施される。
【0121】
本電気亜鉛鍍金プロセスでは、鍍金槽20内の強磁性体1が振動しあるいは反りを生じた場合には、電極22と強磁性体1との距離が変動しあるいは均一でなくなるため、鍍金作用が不安定となるなどの影響が生ずる。
【0122】
図13は本発明に係る強磁性体の制御装置を電気亜鉛鍍金ラインに適用した例を示す図である。本図において、図1乃至12と同一の部分には同一の番号を付して詳しい説明は省略する。
【0123】
本構成では、電磁石2と吸引力測定装置3などを保護カバー10に組み込んで電極22の前後に設け、強磁性体1の表裏に配したものである。
【0124】
鍍金液21は不透明であるので、光学的な距離測定手段を用いて制御系を構成することができないが、本発明の方式によればこのような鍍金液21中であっても非接触で強磁性体1の振動あるいは反り形状を矯正することができる。
【0125】
本発明は、以上に述べた製鉄ラインのみに適用を限定するものではない。制御対象である強磁性体も例に示した薄板に限らず、厚板などの剛体とみなせる対象も制御することができる。
【0126】
従って、従来技術として知られている吸引式磁気浮上技術全般の基本的アクチュエータとしても適用可能である。すなわち、磁気軸受、磁気フライホイール、磁気浮上による搬送装置、磁気浮上車両、磁気による振動減衰台などに広く適用することができる。これらは一般に粉塵のない清潔な環境で、室温での利用が一般的であるが、本発明を適用することによって、粉塵環境や高温環境、不透明液中での適用などが可能となる。また、装置自体を小型化することも可能である。
【0127】
尚、本明細書でいう「吸引力」とは、電磁力によって電磁石が吸引される力そのものに限定されるものではない。吸引される力によって電磁石固定治具に生ずる応力歪、電磁石と固定治具間の圧力分布、固定治具支持点応力等、吸引される力と1対1に対応をつけられる物理量全てが含まれる。また、歪測定器や圧力測定器等のセンサからの出力(電流値や電圧値)やその変換値がこれらの力を直接的あるいは間接的に指し示す場合には、そのようなセンサ出力等も含む。
【0128】
したがって、「吸引力を算出する」という場合も、歪測定器や圧力測定器等の物理量測定器からの電圧・電流による出力値に係数を乗じて正確な吸引力を求めることだけに限定されるわけではない。吸引力と1対1に扱うことのできる値を算出する全ての行為を指し、この行為には、例えば予め準備されたテーブルに歪測定器等のセンサ出力(測定値)を当てはめて何らかの演算を行うような場合も含まれる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の構成によればレーザー式・渦流式・超音波式などの距離センサを用いることなく、強磁性体と電磁石との距離を測定することができる。
【0130】
また、本距離測定装置を用いた電磁力による強磁性体の制御装置を構成することができ、この制御装置では距離を測定する強磁性体上の位置と電磁力が作用する強磁性体上の位置が一致しているため、制御性能が低下しない。
【0131】
そして、本装置に使用する吸引力測定用機器を適宜選択して使用することにより、高温・粉塵・溶融金属中といった厳しい環境下でも強磁性体の制御装置を構成することができる。
【0132】
従って、これまで適用することが困難であった環境においても距離を測定し、また強磁性体の制御系を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る距離測定装置の第1の実施の形態を示す図。
【図2】本発明に係る強磁性体の制御装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図3】締結力、電流、距離の関係を示す図。
【図4】本発明に係る強磁性体の制御装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明に係る強磁性体の制御装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図6】本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した例を示す図。
【図7】ライン上方から見た本制御装置の配置を示す図。
【図8】本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図。
【図9】溶融亜鉛浴中の装置の配置を示す図。
【図10】本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図。
【図11】本発明に係る強磁性体の制御装置を溶融亜鉛鍍金ラインに適用した他の例を示す図。
【図12】電気亜鉛鍍金ラインの鍍金槽の構成を示す図。
【図13】本発明に係る強磁性体の制御装置を電気亜鉛鍍金ラインに適用した例を示す図。
【図14】溶融亜鉛鍍金鋼板の製造ラインの構成を示す図。
【図15】ワイピングノズルの動作を説明する図。
【図16】従来の鋼板非接触制御装置の構成を説明する図。
【図17】距離センサと電磁石との概略の配置を示す図。
【符号の説明】
1…強磁性体
2…電磁石
3…吸引力測定装置
3a…圧縮型ロードセル
3b…引張型ロードセル
3c…歪ゲージ
4…電流値測定装置
5…距離推定装置
6…制御装置
7…電流増幅装置
8…電磁石固定治具
20…鍍金槽
Claims (10)
- 移動する強磁性体と該強磁性体に対向して固定して配された電磁石との間の距離を測定する距離測定装置と、
前記距離測定装置によって測定された距離が所定の値になるように前記電磁石のコイル電流を制御する制御手段とを備え、
前記距離測定装置は、
前記強磁性体と前記電磁石との間に作用する電磁力によって前記電磁石が前記磁性体に吸引される力を測定する吸引力測定手段と、
前記電磁石のコイル電流の測定または前記電磁石へのコイル電流設定信号の取得によって前記電磁石への入力電流値を得る入力値取得手段と、
測定した吸引力と前記電磁石への入力電流値とから、前記強磁性体と前記電磁石との距離を推定する距離推定手段と
を備えたことを特徴とする強磁性体の制御装置。 - 前記吸引力測定手段は、
前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された圧縮型荷重測定手段と、
前記圧縮型荷重測定手段の荷重測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の強磁性体の制御装置。 - 前記吸引力測定手段は、
前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された引張型荷重測定手段と、
前記引張型荷重測定手段の荷重測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の強磁性体の制御装置。 - 前記吸引力測定手段は、
前記電磁石の固定治具の応力歪を測定する歪測定手段と、
前記歪測定装置の歪測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の強磁性体の制御装置。 - 移動する強磁性体と該強磁性体に対向して固定して配された電磁石との間の距離を測定する距離測定装置を用いて前記距離を測定する距離測定工程と、
測定された距離が所定の値になるように前記電磁石のコイル電流を制御する制御工程とを備え、
前記距離測定装置は、
前記強磁性体と前記電磁石との間に作用する電磁力によって前記電磁石が前記磁性体に吸引される力を測定する吸引力測定手段と、
前記電磁石のコイル電流の測定または前記電磁石へのコイル電流設定信号の取得によって前記電磁石への入力電流値を得る入力値取得手段と、
測定した吸引力と前記電磁石への入力電流値とから、前記強磁性体と前記電磁石との距離を推定する距離推定手段とを備えたこと
を特徴とする強磁性体の製造方法。 - 前記吸引力測定手段は、
前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された圧縮型荷重測定手段と、
前記圧縮型荷重測定手段の荷重測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段と
を備えたことを特徴とする請求項5記載の強磁性体の製造方法。 - 前記吸引力測定手段は、
前記電磁石と該電磁石の固定治具との間に設置された引張型荷重測定手段と、
前記引張型荷重測定手段の荷重測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段と
を備えたことを特徴とする請求項5記載の強磁性体の製造方法。 - 前記吸引力測定手段は、
前記電磁石の固定治具の応力歪を測定する歪測定手段と、
前記歪測定装置の歪測定値から吸引力を算出する吸引力算出手段と
を備えたことを特徴とする請求項5記載の強磁性体の製造方法。 - 前記強磁性体が溶融亜鉛鍍金鋼板であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の強磁性体の製造方法。
- 前記強磁性体が電気亜鉛鍍金鋼板であり、
前記電磁石が電気亜鉛鍍金製造ラインの鍍金槽中に設置されたものであることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の強磁性体の製造方法。
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