JP2002309454A - 複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物 - Google Patents

複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物

Info

Publication number
JP2002309454A
JP2002309454A JP2001115730A JP2001115730A JP2002309454A JP 2002309454 A JP2002309454 A JP 2002309454A JP 2001115730 A JP2001115730 A JP 2001115730A JP 2001115730 A JP2001115730 A JP 2001115730A JP 2002309454 A JP2002309454 A JP 2002309454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
twisted
twist
false
yarns
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001115730A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Onmiyachi
直樹 御宮知
Yasushi Komura
恭史 香村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2001115730A priority Critical patent/JP2002309454A/ja
Publication of JP2002309454A publication Critical patent/JP2002309454A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】織編製品の表面変化に関し、凹凸感やクレープ
感、シボ感を残しつつも全体として粗硬感を抑えるアク
リルマルチフィラメントを含有する加工糸及びその製造
方法と同加工糸を用いた織編物を提供すること、並びに
同加工糸を用いた合撚糸及び同合撚糸を用いた織編物を
提供する。 【解決手段】マルチフィラメント糸条の長手方向に、S
撚りの螺旋状撚回部とZ撚りの螺旋状撚回部が交互に存
在し、且つ、該S撚部とZ撚部の長さがランダムである
ことを特徴とする仮撚加工糸及び仮撚加工糸織編物、並
びに、マルチフィラメント糸条を2本引き揃えて仮撚加
工を行い次いで分糸する加工法に於いて、引き揃えガイ
ドで2本の糸条を引き揃えて糸条供給ローラーに導くと
共に、各糸条の該供給ローラー前の予備張力を同一にし
仮撚時の加撚開始点を変動させることなく加工する仮撚
加工糸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルマルチフ
ィラメント糸条独特の上品さを維持しつつ、シャリ感、
表面凹凸感、良好な熱セット性を布帛に付与するアクリ
ル複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその布帛に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリルマルチフィラメント糸条は、独
特の光沢感に伴う上品さ、シャリ感風合い、良好な熱セ
ット性等の特徴を活かし、特にニット製品として広く利
用されている。一方、多様な消費者ニーズに対応すべ
く、様々な特性を有するアクリルマルチフィラメント加
工糸が提案されている。その一つとして、布帛表面に凹
凸等の表面変化を付与し得る加工糸があり、例えば、強
撚糸、仮撚スラブ糸、先撚仮撚糸等がある。
【0003】しかしながら、強撚糸は一般的に風合いが
硬く、また、撚糸速度が遅いことからコスト的にも問題
がある。また、仮撚スラブ糸はシャリ感風合い、並び
に、大きな布帛表面変化は得られるものの、一般的にス
ラブ部が大きく目立つことから比較的粗野な外観とな
り、アクリルマルチフィラメント糸条独特の上品さに欠
けるものである。一方、先撚仮撚糸は加工糸長手方向の
撚り形態、トルク残存状態変化に伴い、布帛に微妙な表
面凹凸効果を付与可能であるが、シャリ感風合い付与の
点では不十分なものであった。
【0004】これに対し、特開昭58−18434号公
報において複数本の糸を引き揃えて仮撚加工を行い、そ
の後分糸することで、マルチフィラメントを構成する個
々の単フィラメント間で比較的捲縮位相のズレのない、
且つ捲縮形態の粗い加工糸が提案されている。しかしな
がら、この方法では糸長方向に螺旋状部と非螺旋状部を
交互に繰り返し、全体として外観上非常に大きな形態差
を持つ加工糸が得られるが、該加工糸を用いた織編物
は、表面変化効果は大きいものの、風合いが硬く粗雑な
感覚を拭いきれない。更に、仮撚加工後の分糸工程等に
おいても糸切れが多く安定性に欠けるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術における問題点を解決するものであり、アクリ
ルマルチフィラメント糸条独特の上品さを維持しつつ、
シャリ感風合い、表面凹凸感を布帛に付与出来るアクリ
ル複合仮撚加工糸と、そのアクリル複合仮撚加工糸を加
工安定性良く製造する方法、およびその織編物を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明の第一の要旨は、
アクリルマルチフィラメント糸条の重量混率が30%以
上80%以下であり、S撚の螺旋状撚回部とZ撚の螺旋
状撚回部が交互に、且つランダムな長さで存在すること
を特徴とする複合仮撚加工糸にある。本発明の第二の要
旨は、アクリルマルチフィラメント糸条と他のマルチフ
ィラメント糸条を用い、アクリルマルチフィラメント糸
条の重量混率が30%以上80%以下の構成に撚糸した
糸条2本を、引き揃えガイドで引き揃えて糸条供給ロー
ラー前の予備張力を同一にして該糸条供給ローラーに導
き、仮撚加工時の加撚開始点を変動させることなく仮撚
加工し、次いで分糸することを特徴とする複合仮撚加工
糸の製造方法にあり、本発明の第三の要旨は、該複合仮
撚加工糸を含む織編物にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について具体的に説明する。本発明で用いられるアクリ
ルマルチフィラメント糸条は、アクリロニトリルを主成
分とする共重合体から形成されるものであり、これらの
重合体には少なくとも80重量%以上のアクリロニトリ
ルを含有し、これと共重合可能な不飽和単量体とから成
るアクリロニトリル系重合体である。共重合可能な不飽
和単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、およびそ
れらの誘導体、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、更に目的によ
ってはビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、メタリルスル
ホン酸ソーダ、アクリルアミドメチルプロパンスルホン
酸ソーダ等のイオン性不飽和単量体を用いることが可能
である。
【0008】アクリルマルチフィラメント糸条の糸断面
形状は特に限定されるものでなく、得られる織編物の風
合い、光沢等を考慮して、円形、扁平、Y字等を選択す
れば良い。また、アクリルマルチフィラメント糸条を構
成する単繊維の繊度も特に限定されるものではないが、
該単繊維繊度を大きくすることで布帛の風合いにシャリ
感やドライ感をより強調するものとなり、一方、該単繊
維繊度を小さくすることでソフト感を付与することが可
能となる。
【0009】また、本発明に用いられる他のマルチフィ
ラメント糸条としては、例えばポリアミド繊維、ポリエ
ステル繊維、再生繊維素繊維、あるいはこれらのマルチ
フィラメント糸条からなる各種撚糸加工糸、各種仮撚加
工糸及び各種エア加工糸等の加工糸や、各種異種繊維複
合糸等、特に限定されることなく用いることが可能であ
り、目的に応じて選択すれば良いが、仮撚形態賦型性、
糸質或いは染色性等の点でポリアミド繊維、ポリエステ
ル繊維を用いることが好ましい。更に、該他のマルチフ
ィラメント糸条の断面形状、繊度や染色特性等に関して
も特に限定されるものでなく、目的の風合いや意匠効
果、異色効果等を考慮して選択すれば良い。
【0010】本発明では、アクリルマルチフィラメント
糸条独特の上品な光沢感、シャリ感風合いを得るため
に、アクリルマルチフィラメント糸条の重量混率を30
%以上80%以下とすることが必要であり、50%以上
70%以下であることがより好ましい。混率が30%未
満では、アクリルマルチフィラメント糸条独特の上品な
光沢感、シャリ感風合いに乏しいものとなる。また、例
えば、アクリル繊維からなるニット製品の仕上セットを
する際の定法である常圧スチームセットの効果が得られ
難くなり、スチームセット時間を長くする等の必要性が
発生し、生産効率が低下するために好ましくない。混率
が80%を超えると、アクリルマルチフィラメント糸条
自体の仮撚形態賦型性が低いため、螺旋状撚回部の形成
が不十分となり、複合仮撚加工糸から得られる布帛の表
面凹凸感、シボ効果が小さいものとる。
【0011】本発明の複合仮撚加工糸は糸条の長手方向
にS撚の螺旋状撚回部とZ撚の螺旋状撚回部が交互に、
且つランダムな長さで存在する。撚方向の異なる該撚回
部がそれぞれ異なる長さで存在することから、該複合仮
撚加工糸を布帛とした場合に表面凹凸感、シボ効果が発
現する。S撚の螺旋状撚回部とZ撚の螺旋状撚回部は、
糸条を構成する単繊維の位相、形態が揃った、いわゆる
集束した状態であることが好ましく、本発明の目的であ
るシャリ感風合い、表面凹凸感をより効果的に布帛に付
与することが可能となる。
【0012】また、本発明による複合仮撚加工糸のS撚
またはZ撚のトルク値は、150回/m以上800回/
m以下であることが好ましく、300回/m以上650
回/m以下であることがより好ましい。該トルク値が1
50回/m未満では、該複合仮撚加工糸を布帛とした場
合に表面変化が不足しやすく、800回/mを超える
と、該布帛の表面凹凸感が粗雑になりやすい。 本発明
における複合仮撚加工糸のトルク値は、初荷重2mg/
1.1dtex下で糸条100cmの中央に1mg/
1.1dtexの荷重を掛けた後、初荷重を取り除き一
方の端を他端に徐々に近づけ、スナールに伴う糸の回転
を生じさせながら最終的に両端を合わせ、その後、95
℃の水中で20分間弛緩状態で処理し、自然風乾後、糸
回転数を検撚機で測定して得た。
【0013】本発明の複合仮撚加工糸において、S撚ま
たはZ撚の螺旋状撚回部の長さは特に限定されるもので
はないが、該複合仮撚加工糸を布帛とした場合に、アク
リル糸条独特の上品さを維持しつつ、シャリ感、表面凹
凸感をより効果的に付与するためには、該撚回部の長さ
が80mm以下であることが好ましく、50mm以下で
あることがより好ましい。尚、本発明における撚回部の
長さとは、糸条を95℃の温水中にて20分間弛緩状態
で処理し、自然風乾後、荷重2mg/1.1dtex下
で連続するS撚部及びZ撚部の長さを50カ所測定した
値である。
【0014】次に、本発明の複合仮撚加工糸を得るため
の製造方法の一例を図1により詳細に説明する。アクリ
ルマルチフィラメント糸条の重量混率が30%以上80
%以下である合撚糸または流体交絡糸からなる供給糸条
1、2は、それぞれ予備張力調整装置3、4を経て引き
揃えガイド5で引き揃えられ、糸条供給ローラー6を経
て仮撚加工域に供給される。糸条供給ローラー6を出た
直後に糸条は加撚され、第一ヒーター(接触ヒーター)
7で加熱セットされ、その後仮撚スピンドル8を通過後
解撚される。引き続き、デリベリローラー9を通過後、
分糸ガイド10、11により2本の糸条に分糸され、分
糸後の各々の糸が再度デリベリローラー9を通過後、巻
き取り部12、13で巻き取られる。ここで、予備張力
調整装置とは、例えば、マグネットテンサー、リングテ
ンサー、板バネ等であり、供給糸の解舒張力のバラツキ
を吸収し、張力を一定に維持する機能を有するものであ
ればよい。
【0015】本発明において、仮撚加工する供給糸条
は、アクリルマルチフィラメント糸条の重量混率が30
%以上80%以下であり、アクリルマルチフィラメント
糸条と他のマルチフィラメント糸条との撚糸したもので
あることが必要である。仮撚加工前に予め供給糸条を構
成する単繊維に撚糸による集束性を付与することで、仮
撚加工後の分糸作業の容易化、並びに、加工時の分糸状
態の安定化を達成することが可能となる。
【0016】アクリルマルチフィラメント糸条と他のマ
ルチフィラメント糸条との撚数は特に限定されるもので
はないが、撚糸時の加工安定性、生産性を考慮した場合
には、撚数は2500×D-1/2(T/m)以上25
000×D-1/2(T/m)以下が好ましく、500
0×D-1/2(T/m)以上20000×D
-1/2(T/m)以下がより好ましい。ここで、Dは
供給糸状の繊度(dtex)である。アクリルマルチフ
ィラメント糸条と他のマルチフィラメント糸条を流体処
理することによって分糸が出来るように集束性を付与し
てもよく、例えばインターレース処理、流体攪乱処理等
が挙げられる。
【0017】本発明の複合仮撚加工糸は、2本の撚糸し
た供給糸条を仮撚加工直前で引き揃え、仮撚加工後に元
の構成フィラメント糸条に分糸することで得られる。本
発明の複合仮撚加工糸の特徴的な形態、即ち、螺旋状撚
回部がS撚またはZ撚の方向に交互に、且つランダムな
長さで存在せしめるには、撚糸した供給糸条を引き揃え
てから仮撚加工を行う際の、加撚開始点の変動を抑える
ことが肝要であり、そのため糸条供給ローラー6へ導く
際の供給糸条の予備張力を同一に揃えることが必要であ
る。予備張力の同一とは、供給糸条の予備張力の差異
が、5cN以下、好ましくは3cN以下である。
【0018】仮撚加工安定性を考慮した場合、引き揃え
ガイド5以前では供給糸条を離しておき、供給糸条同士
の撚り付きを防止すること、及び、引き揃えガイド5の
位置を糸条供給ローラー6に出来るだけ近い位置し、供
給糸条を引き揃えた後、直ちに仮撚加撚域へ導入するこ
とが好ましい。
【0019】予備張力調整装置3、4と引き揃えガイド
5で決められる2本の供給糸条がなす引き揃え角度は、
特に限定されるものではないが20°以上、更に好まし
くは30°以上である。引き揃えガイド5の位置も特に
限定されるものではないが、引き揃えガイド5と糸条供
給ローラー6の距離は、30mm以下が好ましく、更に
好ましいのは15mm以下である。加えて、仮撚加工域
の糸条供給ローラー6から仮撚スピンドル8までの間
で、糸道に90゜未満の鋭角的な屈曲を避け、糸道を直
線的に保ち、撚りの遡及がスムーズに糸条供給ローラー
6直後まで及ぶように配慮することが好ましい。
【0020】これらにより、仮撚加工時の加撚開始点は
糸条が糸条供給ローラー6を離れた直後となり、殆どそ
の変動は生じないものとなる。この結果、見かけ上引き
揃えられた2本の供給糸条は均一に整然と加撚され、熱
固定後解撚される。解撚後の糸形態は、一部は加撚方向
に撚回された部分がそのまま残り、一部はこの撚回が反
転し逆方向の撚回部となり、これらがランダムな長さで
交互に発現したSZ交互螺旋状の引き揃え加工糸とな
る。また、引き揃え糸条は比較的均一に加撚されている
ため、その後の分糸についても分糸点の変動の少ない安
定した分糸が可能となる。
【0021】また、仮撚加工を行う際の仮撚方向は、供
給糸条の合撚方向と同方向でも逆方向でも良いが、合撚
方向と同方向で仮撚加工を行うことが本発明の複合仮撚
加工糸から得られる織編物の風合いからより好ましい。
仮撚加工を行う際の第1ヒーター温度(仮撚温度)は高
いほど、該複合仮撚加工糸から得られる織編物の表面凹
凸効果は向上するが、240℃を超えると毛羽の発生が
著しくなりやすい。S撚またはZ撚のトルク値、並び
に、S撚またはZ撚の螺旋状撚回部の長さは、供給原糸
の合撚数、交絡数、加工温度、仮撚数等で適宜変更する
ことで設定可能であり、本発明の目的を逸脱しない範囲
で製造条件を設定すればよい。
【0022】本発明の複合仮撚加工糸を用いた織編物
は、その混率並びに織物組織や編物組織を、目的の風合
いや製品外観が得られる範囲で決定すればよく、本発明
の複合仮撚加工糸単独からなる織編物、または本発明の
仮撚加工糸を織編物の一部に用いた交編織物でも良く、
アクリルマルチフィラメント糸条独特の上品さを維持し
つつ、シャリ感、表面凹凸感、良好な熱セット性を付与
された織編物を得ることが可能である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。得ら
れた複合仮撚加工糸の筒編地を作成し、常法による精練
後に高圧カチオン染色(110℃×60分)を行い、シ
ャリ感及び表面変化を、ハンドリング及び目視により評
価(表1のシャリ感及び表面変化の欄)した。尚、シャ
リ感、表面凹凸感、シボ効果に優れたものを○、やや優
れたものを△、劣るものを×とした。
【0024】(実施例1)84dtex/18fのアク
リルマルチフィラメント糸条と、84dtex/24f
のカチオン染料可染性ポリエステルマルチフィラメント
糸条を500T/m(Z)で合撚した糸条2本を引き揃
え、図1に示す装置で仮撚温度200℃、仮撚数140
0T/m(Z)の仮撚加工を行ったあと、分糸ガイドで
2本の糸条に分糸し、巻き取り、得られた複合仮撚加工
糸の評価結果を表1に示した。
【0025】(実施例2)110dtex/40fのア
クリルマルチフィラメント糸条と、56dtex/17
fの66ナイロンマルチフィラメント糸条を1200T
/m(Z)で合撚した糸条2本を引き揃え、図1に示す
装置で仮撚温度200℃、仮撚数1000T/m(Z)
の仮撚加工を行ったあと、分糸ガイドで2本の糸条に分
糸し、巻き取り、得られた複合仮撚加工糸の評価結果を
表1に示した。
【0026】(実施例3)84dtex/40fのアク
リルマルチフィラメント糸条と、84dtex/36f
のポリエステルマルチフィラメント糸条を350T/m
(Z)で合撚した糸条2本を引き揃え、図1に示す装置
で仮撚温度220℃、仮撚数1200T/m(Z)の仮
撚加工を行ったあと、分糸ガイドで2本の糸条に分糸
し、巻き取り、得られた複合仮撚加工糸の評価結果を表
1に示した。
【0027】(実施例4)84dtex/18fのアク
リルマルチフィラメント糸条と、110dtex/48
fのポリエステルマルチフィラメント糸条を500T/
m(Z)で合撚した糸条2本を引き揃え、図1に示す装
置で仮撚温度220℃、仮撚数1500T/m(Z)の
仮撚加工を行ったあと、分糸ガイドで2本の糸条に分糸
し巻き取り、得られた複合仮撚加工糸の評価結果を表1
に示した。
【0028】実施例1から実施例4の複合仮撚加工糸か
らなる編地は、上品な光沢感、シャリ感を有し、表面凹
凸感、シボ効果に優れたものであった。また、この編地
は常圧スチームセットで簡単に編地の皺、斜行を伸ばす
ことの出来る、セット性に優れたものであった。
【0029】(比較例1)167dtex/48fのセ
ミダルポリエステルマルチフィラメント糸条を200T
/m(S)で先撚した糸条2本を引き揃え、図1に示す
装置にて仮撚温度230℃で1600T/m(S)の仮
撚加工を行ったあと分糸ガイドで2本の糸条に分糸し、
巻き取り、得られた複合仮撚加工糸の評価結果を表1に
示した。該複合仮撚加工糸からなる編地は、表面凹凸感
に優れたものであったが、ポリエステル繊維のみからな
るため、合成繊維特有のヌメリ感の残るものであった。
また、この編地はアクリル繊維が含まれていないため、
常圧スチームセットでは編地の皺、斜行を伸ばすことが
出来ない、セット性に劣るものであった。
【0030】(比較例2)167dtex/60fのア
クリルマルチフィラメント糸条を500T/m(Z)で
先撚した糸条2本を引き揃え、図1に示す装置で仮撚温
度200℃、仮撚数1500T/m(Z)の仮撚加工を
行ったあと、分糸ガイドで2本の糸条に分糸し、巻き取
りを行ったが、アクリルマルチフィラメントのみからな
るため、仮撚形態賦形性が悪く、該複合仮撚加工糸から
なる編地は、表面変化の劣るものであった。
【0031】(比較例3)84dtex/18fのアク
リルマルチフィラメント糸条と、84dtex/36f
のポリエステルマルチフィラメント糸条を単に引き揃え
た供給糸条を2本用いて、実施例1と同様の条件で仮撚
加工を行ったが、各々の供給糸条に集束性がないため
に、仮撚加工時に供給糸条を構成する単繊維間でマイグ
レーションが発生し、仮撚加工後の分糸が安定せず、仮
撚加工ができなかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本願発明は、アクリルマルチフィラメン
ト糸条独特の上品な光沢感、シャリ感風合い、良好な熱
セット性を有し、糸条の長手方向にS撚の螺旋状撚回部
とZ撚の螺旋状撚回部が交互に、且つランダムな長さで
存在することにより、表面凹凸感やシボ効果を残しつつ
も全体として粗硬感を抑えることが可能な、複合仮撚加
工糸およびその布帛が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮撚加工糸を製造する装置の一例図で
ある。
【符号の説明】
1、2 供給糸条 3、4 予備張力調整装置 5 引き揃えガイド 6 糸条供給ローラー 7 第一ヒーター 8 仮撚スピンドル 9 デリベリローラー 10、11 分糸ガイド 12、13 巻き取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L002 AA08 AB02 AC00 AC01 EA00 4L036 MA04 MA33 PA05 PA21 RA30 UA01 4L048 AA16 AA44 AB07 AB09 AB12 AB21 AC12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルマルチフィラメント糸条の重量
    混率が30%以上80%以下であり、S撚の螺旋状撚回
    部とZ撚の螺旋状撚回部が交互に、且つランダムな長さ
    で存在することを特徴とする複合仮撚加工糸。
  2. 【請求項2】 S撚またはZ撚のトルク値が150回/
    m以上800回/m以下で、S撚またはZ撚の螺旋状撚
    回部の長さが80mm以下である請求項1記載の複合仮
    撚加工糸。
  3. 【請求項3】 アクリルマルチフィラメント糸条と他の
    マルチフィラメント糸条を用い、アクリルマルチフィラ
    メント糸条の重量混率が30%以上80%以下の構成に
    撚糸した糸条2本を、引き揃えガイドで引き揃えて糸条
    供給ローラー前の予備張力を同一にして該糸条供給ロー
    ラーに導き、仮撚加工時の加撚開始点を変動させること
    なく仮撚加工し、次いで分糸することを特徴とする複合
    仮撚加工糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 アクリルマルチフィラメント糸条と他の
    マルチフィラメント糸条の撚数が2500×D-1/2
    (T/m)以上25000×D-1/2(T/m)以下
    (但しDは供給糸条の繊度(dtex))である請求項
    3記載の複合仮撚加工糸の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の複合仮撚加工糸
    を含む織編物。
JP2001115730A 2001-04-13 2001-04-13 複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物 Pending JP2002309454A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001115730A JP2002309454A (ja) 2001-04-13 2001-04-13 複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001115730A JP2002309454A (ja) 2001-04-13 2001-04-13 複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002309454A true JP2002309454A (ja) 2002-10-23

Family

ID=18966583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001115730A Pending JP2002309454A (ja) 2001-04-13 2001-04-13 複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002309454A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002309454A (ja) 複合仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物
JP2877817B2 (ja) 嵩高フアンシーヤーンの製造方法
JP4266458B2 (ja) アセテート複合仮撚加工糸及びその製造方法
JP4190929B2 (ja) 仮撚加工糸及びその製造方法並びにその仮撚加工糸の合撚糸及び織編物
JP4028153B2 (ja) 仮撚加工糸及びその製造方法と同加工糸を用いた織編物並びに同加工糸を用いた合撚糸及び同合撚糸を用いた織編物
JP2877830B2 (ja) 嵩高性意匠糸及びその製造方法
JP4679803B2 (ja) 強撚糸様潜在捲縮加工糸及び織編物
JPH10280238A (ja) 複合意匠糸、複合意匠糸の製造方法、及び複合意匠糸を使用した編織成物
JPH09188934A (ja) 複合嵩高加工糸の製造方法
JP2908597B2 (ja) ポリエステルスパンライク糸の製造方法
JP2002105783A (ja) 仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物
JP2612510B2 (ja) 交絡混繊糸
JP4209232B2 (ja) ポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸及びその製造方法並びにその仮撚加工糸を含む織編物
JP2004250805A (ja) マルチフィラメント加工糸の製造方法
JPH1060744A (ja) 部分融着仮撚加工糸とその製造方法
JPH1193029A (ja) 特殊複合仮撚加工糸およびその製造方法
JPH09157971A (ja) コイル状複合捲縮糸およびその製造方法
JPH06212522A (ja) 複合加工糸の製造方法
JP2001115345A (ja) 2層構造仮撚糸およびその製造方法
JPH0220734B2 (ja)
JPH10273841A (ja) 特殊仮撚加工方法
JP2002249937A (ja) 仮撚加工糸
JP2002069771A (ja) 低捲縮仮撚糸の製造方法
JP2002242035A (ja) 加工糸及びその製造方法並びにその織編物
JPH0299636A (ja) 二層構造加工糸