JP2002309025A - 通気性延伸フィルム - Google Patents

通気性延伸フィルム

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JP2002309025A JP2001114035A JP2001114035A JP2002309025A JP 2002309025 A JP2002309025 A JP 2002309025A JP 2001114035 A JP2001114035 A JP 2001114035A JP 2001114035 A JP2001114035 A JP 2001114035A JP 2002309025 A JP2002309025 A JP 2002309025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】気体透過性が高いと同時に耐液性に優れた通気
性フィルムの提供。 【解決手段】(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)これに分散
する非相溶性の熱可塑性樹脂粒子及び(C)無機物粉体か
らなり、延伸により、前記ポリオレフィン系樹脂と前記
非相溶性の熱可塑性樹脂粒子との界面に1〜200μmの
平均長さの空隙を有することを特徴とする、耐液性に優
れた通気性延伸フィルム。 【効果】延伸により熱可塑性樹脂と非相溶性の樹脂との
界面で空隙が生じ、生じた空隙は連続層とはならないた
めに、液体遮断性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通気性フィルムに関
する。より詳しくは液体を透過させることなく、気体透
過性に優れた通気性延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水滴は通さないが、水蒸気等の気
体を透過させる程度の通気性を有したフィルムが、衛生
材料、衣料材料、医療材料、生鮮食品包装材料、農業資
材、各種フィルター等に広く用いられるようになってき
た。これは、ムレを防止し、かつ液体を透過させないと
いう特徴を生かして、使い捨ておむつのバックシート、
生理用品等の衛生材、MRSA(院内感染)対策用フィ
ルム、前掛け、医療用シーツ、保護衣等の抗菌性フィル
ム、ハウスラップ材等の建材用フィルムまたはシート、
遮熱シート等の農業用シート、雨合羽、各種の保護衣等
の衣料用フィルムまたはシート、コンクリート養生シー
ト、アスファルトオーバーレイ等の土木資材用フィルム
またはシート、合成紙、ポスター、封筒等の産業資材、
電池セパレーター、工業廃水の処理、ミスト除去等に用
いられる濾過材などの広範囲の用途に利用されている。
【0003】このような用途に用いられるフィルムの作
製方法としては、熱可塑性樹脂に多量の無機充填材を添
加し、フィルム化した後に延伸し、フィルムに細かい亀
裂を生じさせる方法が知られている。このようにして作
製されるフィルムは、多数の互いに連続した亀裂を有し
ており、長時間液体と接触していると液体が透過して外
部に浸み出てくるなど、液体の透過を完全に遮断するこ
とはできない。そのため、液体物の保存や、常時液体と
接しているような物品の保存に用いることは不可能であ
った。つまり、液体の遮断性と高い通気性とを両立させ
たフィルムの作製は、きわめて困難であった。
【0004】
【発明の解決する課題】本発明の目的は、気体透過性が
高いと同時に、液体を長期にわたって透過させない耐液
性に優れた通気性フィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、基材となる
熱可塑性樹脂に非相溶性の樹脂及び粒径の小さい無機物
粉体を加え、これを延伸することにより、熱可塑性樹脂
と非相溶性樹脂との界面で空隙が発生して通気性が向上
すること、さらに、無機物粉体の一部が非相溶性樹脂と
熱可塑性樹脂との界面に分布してより容易に界面での空
隙を発生させることができ、しかもこの空隙は連続層と
はならないこと、連続した孔とはなっていないこと等を
見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、(A)ポリオレフィン
系樹脂、(B)これに分散する非相溶性の熱可塑性樹脂粒
子及び(C)無機物粉体からなり、延伸により、前記ポリ
オレフィン系樹脂と前記非相溶性の熱可塑性樹脂粒子と
の界面に1〜200μmの平均長さの空隙を有することを
特徴とする、耐液性に優れた通気性延伸フィルム(シー
トを含む、以下同じ)に関する。本発明の通気性延伸フ
ィルムは、水や油、有機溶剤等の液体の遮断性と高い空
気透過性を併せ持った耐液性に優れた通気性フィルムで
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の通気性延伸フィルムは、
(A)ポリオレフィン系樹脂を基材とする樹脂組成物から
なる。ポリオレフィン系樹脂は、気体透過性が高い方が
好ましく、酸素透過度が100cm3/cm2・24hr・atm(25
℃、RH90%、20μm)以上のポリオレフィン系樹脂を用
いることが好ましい。具体的なポリオレフィン系樹脂の
例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1
−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリ
オレフィン類が挙げられる。さらに、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のポリオレ
フィン系共重合体を用いてもよい。
【0008】ポリオレフィン系樹脂に、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレンなどのポリジエン類もしくはその水
素添加物、ポリスチレンなどの芳香族樹脂、各種シリコ
ーン樹脂やフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
トなどのポリエステル、6ナイロン、MXD6ナイロ
ン、66ナイロン等のナイロン、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリフェニレ
ンサルファイド、液晶ポリマー、ポリスルフォン、ポリ
エーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リアミドイミド、ポリエーテルイミド等の樹脂、また
は、スチレン−ブタジエン共重合体、ABS樹脂等の共
重合体もしくは樹脂組成物を添加しても良い。
【0009】本発明の(B)非相溶性の熱可塑性樹脂は、
基材となるポリオレフィン系樹脂に対して相溶せずに基
材樹脂中に分散する熱可塑性樹脂である。非相溶性の熱
可塑性樹脂自体は、必ずしも良好な気体透過性を有する
樹脂種に限定されないが、通気性延伸フィルム全体とし
て少しでも気体透過性を高めることができるため、非相
溶性樹脂は、基材となる樹脂と同様、気体透過性が良い
樹脂種が好ましい。
【0010】このような要件を満たす基材となるポリオ
レフィン系樹脂とこれに非相溶性の熱可塑性樹脂の組み
合わせとして、具体的には、基材となる熱可塑性樹脂が
ポリエチレン又はポリプロピレン、非相溶性熱可塑性樹
脂がポリ−4−メチルペンテン−1、ポリエステル、ナ
イロン、ポリカーボネート又はポリアセタールである組
み合わせが好ましく;基材となる熱可塑性樹脂が低密度
ポリエチレン又はポリプロピレン、非相溶性熱可塑性樹
脂がポリ−4−メチルペンテン−1である組み合わせが
より好ましく;基材となる熱可塑性樹脂がポリプロピレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又
はメタロセン触媒低密度ポリエチレン、非相溶性熱可塑
性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1である組み合わ
せが最も好ましい。
【0011】基材樹脂中に分散する非相溶性熱可塑性樹
脂粒子の平均分散粒径は、0.1〜100μmであり、好まし
くは1〜50μm、より好ましくは5〜25μmである。延
伸操作により、基材樹脂と非相溶性熱可塑性樹脂との樹
脂界面で亀裂を生じ、基材樹脂中に分散する非相溶性熱
可塑性樹脂粒子の周囲に空隙を生じさせることにより気
体透過性を向上させる。非相溶性樹脂粒子の平均分散粒
径が0.1μm以下であると、延伸時に、非相溶性熱可塑
性樹脂粒子の周囲に生じる空隙が細かくなりすぎ、酸素
透過効果が低くなる。非相溶性樹脂粒子の平均分散粒径
が100μm以上では、延伸時に非相溶性熱可塑性樹脂粒
子の周囲に生じる空隙が疎らになり、やはり酸素透過効
果が低くなる。
【0012】本発明の通気性延伸フィルムにおける非相
溶性熱可塑性樹脂粒子の平均分散粒径は、フィルム断面
を電子顕微鏡にて1000〜50000倍に拡大して写真を撮
り、粒子粒径を測定し、粒子10個以上について平均値を
とることにより求められる。粒子が楕円状である場合に
は、その長径をもって粒径とする。
【0013】非相溶性の熱可塑性樹脂の配合量として
は、樹脂成分の総量に対して1〜50重量%が好ましく、
3〜30重量%がより好ましい。非相溶性の熱可塑性樹脂
の配合量がこの範囲より少ないと延伸時に樹脂界面で生
じる空隙の効果が小さく、多いと適切な分散粒径を形成
しないか、空隙が連続的になり液体の透過を防止できな
い。
【0014】本発明の通気性延伸フィルムにおいては、
樹脂成分以外の成分として、基材となる樹脂にもこれに
非相溶性の熱可塑性樹脂にも相溶性のない(C)無機物粉
体を配合する。配合した無機物粉体の一部は、基材樹脂
と非相溶性熱可塑性樹脂の界面に介在して基材となる樹
脂とこれに非相溶な熱可塑性樹脂との摩擦力を低下せし
め、通気性フィルムを延伸した際に、非相溶性熱可塑性
樹脂の周囲に空隙を有効に生じるのを促進する効果をも
たらす。
【0015】無機物粉体の平均粒子径は、0.001〜20μ
mが好ましく、0.01〜10μmがより好ましく、0.1〜5
μmが最も好ましい。無機物粉体の平均粒子径が非相溶
性熱可塑性樹脂の分散平均粒径よりも小さい場合が、延
伸による界面での空隙の発生がより促進されるので好ま
しい。無機物粉体の平均粒子径は、フィルム断面を電子
顕微鏡にて1000〜50000倍に拡大して写真を撮り、粒子
粒径を測定し、粒子10個以上について平均値をとること
により求められる。粒子が楕円状である場合には、その
長径をもって粒径とする。
【0016】無機物粉体としては、酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、石膏、硫酸カルシウム、
リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウ
ム、水和ケイ酸、無水ケイ酸、ソーダ灰、塩化ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウ
ム;タルク、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、
酸化鉄、カーボンブラック、活性炭、珪藻土、各種粘土
鉱物などがある。これらの内から2種以上を組み合わせ
て用いることもできる。これらの中で、粒径が細かい
点、安価である点等から酸化チタンが最も好ましい。
【0017】通気性延伸フィルムの製造方法は、特に制
限されるものでなく、公知の熱可塑性樹脂フィルムの製
膜方法により行うことができる。基材となる熱可塑性樹
脂、これに非相溶性の熱可塑性樹脂及び無機物粉体を混
練して得られたマスターバッチを用いてフィルムを製膜
後、延伸する方法でも良いし、基材となる熱可塑性樹脂
を熱溶融させ、これに非相溶性の熱可塑性樹脂及び無機
物粉体を添加混合して得られたマスターバッチを用いて
フィルムを製膜後、延伸する方法でも良い。いずれの方
法においても、基材となる樹脂が溶融し、かつ、分散さ
せる非相溶性樹脂も溶融する温度で混合することが好ま
しい。
【0018】本発明の通気性延伸フィルムを構成する、
基材となる熱可塑性樹脂、非相溶性樹脂と無機物粉体の
組み合わせには、必要に応じて、着色剤、可塑剤、帯電
防止剤、難燃剤、消臭剤などを、通気性延伸フィルムの
機能を損なわない範囲で加えることができる。
【0019】本発明の通気性延伸フィルムは、製膜後、
延伸されたものである。延伸方法は、公知の延伸方法を
使用でき、一軸延伸、二軸同時延伸、二軸逐次延伸のい
ずれの手法を用いてもよい。延伸倍率は、2〜20倍とす
るのが好ましく、3〜10倍とするのがより好ましい。延
伸倍率がこの範囲より低いと、空隙の発生及び成長が不
十分であり、延伸倍率がこの範囲より高いと、フィルム
としての機械的強度が低下する。
【0020】本発明の通気性延伸フィルムは、ポリオレ
フィン系樹脂とこれに非相溶性の熱可塑性樹脂の粒子と
の界面には、1〜200μm、好ましくは10〜100μmの平
均長さの空隙を有する。なお、ここでの平均空隙は、フ
ィルム断面を電子顕微鏡にて1000〜50000倍に拡大して
写真を撮り、延伸方向に生じた空隙の長さを測定し、粒
子10個以上について平均値をとることにより求められ
る。隣り合う非相溶性の熱可塑性樹脂粒子まで空隙が到
達している場合には、粒子間の距離をもって空隙の長さ
とすることができる。この空隙により、本発明の通気性
延伸フィルムは、JISK7126の差圧法に準じて測
定される酸素透過度が50,000cm3/cm2・24hr・atm(25
℃、RH50%、50μm)以上の高い通気性を有する。
【0021】本発明の通気性延伸フィルムは、本通気性
延伸フィルム同士、又は、ポリオレフィン等のヒートシ
ール層を有する他の通気性もしくは非通気性の材料のヒ
ートシール層と熱融着することができる。
【0022】本発明の(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)こ
れに分散する非相溶性の熱可塑性樹脂粒子及び(C)無機
物粉体からなり、延伸により、前記ポリオレフィン系樹
脂と前記非相溶性の熱可塑性樹脂粒子との界面に空隙を
有する、耐液性に優れた通気性延伸フィルムの片面又は
両面には、通気性を有するフィルムを積層し、積層フィ
ルムとして使用することもできる。積層されるフィルム
としては、有孔プラスチックフィルム、微多孔プラスチ
ックフィルム、不織布もしくは紙等の通気性を有する単
層の、又はこれらの2種以上を積層してなる、通気性を
有するフィルムが使用できる。
【0023】本発明の通気性延伸フィルムは、厚さ方向
に貫通する孔があいていないので、耐液性に優れる。本
発明の通気性延伸フィルムは、脱酸素剤包装体を保存物
品から隔離しつつ酸素を透過し、脱酸素剤の作用を発揮
せしめる隔離膜として広範囲の用途に使用でき、特に、
袋又は容器の本体、蓋、キャップ等の材料として使用で
きる。また、酸素を消費する動物、植物又は微生物等を
入れ、これに酸素を補給し得る容器として広範囲の用途
に使用できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例と比較例を用いて本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。
【0025】実施例1 基材となる熱可塑性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレ
ン(三井化学(株)製、商品名SP2040、メルトフ
ローレート4.0g/10min)を、非相溶性樹脂としてポリメ
チルペンテン樹脂(三井化学(株)製、商品名DX84
5、メルトフローレート7〜11g/10min)、無機物粉体と
して二酸化チタン(堺化学工業(株)製、商品名SR-1、
平均一次粒径0.25μm)を、重量比で70:20:10
となるように混合し、30mm径2軸押出機にて混練、スト
ランドダイより押し出し、冷却後、ペレタイザーで切断
して、マスターバッチペレットを得、このペレットから
一軸の押出機にてフィルムを作製した。このフィルムの
厚さは100μmであった。この積層体を一軸延伸機にて5
倍延伸し、通気性延伸フィルムを得た。延伸後のフィル
ムの厚さは50μmであった。
【0026】この通気性延伸フィルムのJISK712
6の差圧法に準じて測定される酸素透過度は450,000cm3
/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)であった。この通
気性延伸フィルムの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
にて観察したところ、直鎖状低密度ポリエチレンを基材
としてポリメチルペンテンが平均粒径15μmで分散し、
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とポリメチルペンテン樹
脂粒子との界面に10〜50μmの空隙を有していた。二酸
化チタンは、平均粒径0.5μmで分散し、その一部は、
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とポリメチルペンテン樹
脂粒子との界面に存在していた。この通気性延伸フィル
ムを用いて袋(内寸10cm×20cm)を作成して、水500ml
を入れて密封して包装体を作成し、静置した。10日後で
も水漏れはなかった。
【0027】実施例2 酸素透過層の構成比を直鎖状低密度ポリエチレン:ポリ
メチルペンテン:酸化チタン=70:10:20とした
以外は実施例1と同様にして通気性延伸フィルムを作製
し、効果を調べた。通気性延伸フィルムの酸素透過度は
300,000cm3/cm 2・24hr・atm(25℃、RH50%)、ポリ
メチルペンテンの平均分散粒径は10μmであった。前記
水漏れ試験では、包装体は10日後でも水漏れはなかっ
た。
【0028】実施例3 非相溶性樹脂をMXD6(三菱ガス化学(株)製、商品
名MXナイロン6007、メルトフローレート2.0g/10m
in)に代えた以外は、実施例1と同様にして通気性延伸
フィルムを作製した。通気性延伸フィルムの酸素透過度
は100,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)、M
XD6の平均分散粒径は20μmであった。前記水漏れ試
験では、包装体は10日後でも水漏れはなかった。
【0029】比較例1 市販の耐水性通気性延伸フィルム(三菱樹脂(株)製、
商品名KTFフィルム、厚さ60μm)を用いて、実施例
1と同様の評価を行ったところ、酸素透過度は500,000c
m3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)と高かったが、
前記水漏れ試験では、1日後で水が通気性延伸フィルム
を透過することによる包装体の水漏れを確認した。
【0030】比較例2 無機物粉体を使用しないで直鎖状低密度ポリエチレンと
ポリメチルペンテン樹脂を重量比で80:20となるよ
うに混合して、マスターバッチペレットを得、実施例1
と同様にして延伸フィルムを作製した。この延伸フィル
ムを用いて、実施例1と同様の評価を行ったところ、酸
素透過度は30,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50
%)と低かった。
【0031】比較例3 ポリメチルペンテン樹脂を使用しないで直鎖状低密度ポ
リエチレンと二酸化チタンを重量比で90:10となる
ように混合して、マスターバッチペレットを得、実施例
1と同様にして延伸フィルムを作製した。この延伸フィ
ルムを用いて、実施例1と同様の評価を行ったところ、
酸素透過度は20,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH5
0%)と低かった。
【0032】比較例4 実施例1で作成したマスターバッチペレットを使用し
て、一軸の押出機にて50μmの厚さで押出して、無延伸
のフィルムを実施例1と同一組成・同一厚さで作製し
た。この無延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の評
価を行ったところ、酸素透過度は10,000cm3/cm2・24hr
・atm(25℃、RH50%)と低かった。
【0033】実施例4 実施例1で作成した通気性延伸フィルムの小片(70mm×
70mm)1枚を用いて、鉄粉系脱酸素剤組成物2gを洋紙
(坪量40g/m2)と貫通孔を多数穿孔した厚さ40μmポリ
エチレンフィルムとを積層接着した通気材料からなる小
袋に充填包装した脱酸素剤包装体(40mm×40mm)1個を
覆うようにして、ポリ塩化ビニリデンコート延伸ナイロ
ン/ポリエチレン製の透明なガスバリア性袋(150mm×2
50mm)の内側ポリエチレン面に熱融着により固定し、脱
酸素剤包装体が隔離されて添着された袋を作成した。こ
の袋に、醤油漬けのたくあん100g及び空気100mlを入
れ、密封シールして蛍光灯が照射する25℃の室内にて保
存した。
【0034】保存2週間後、袋の内側に添着された脱酸
素剤包装体は、袋の内容物から隔離され、たくあんの液
が接触することはなかった。また、袋内スペースの酸素
濃度を分析したところ、0.1容量%未満であった。封
入されたたくあんは色調も風味も良好に保持されてい
た。
【0035】実施例5 実施例1で作成した通気性延伸フィルム1枚を防漏シー
トとし、その上に、高吸水性高分子を含む厚さ約15mmの
線状パルプ、及び目付約15g/m2のポリエステル繊維の不
織布をこの順に重ねて15cm×40cmの大きさに切断した
後、テープで固定することにより、使い捨ておむつを作
成した。この使い捨ておむつに水100ccを吸収させた
後、24時間放置したところ、水の漏出はなかった。ま
た、この使い捨ておむつを試用したところ、ムレは感じ
られなかった。以上から、実施例1で得られた通気性延
伸フィルムは、液体の遮断性と高い空気透過性を併せ持
った耐液性に優れた通気性フィルムである。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂とこれに
非相溶性の樹脂との界面に空隙を有し、さらに無機物粉
体の一部が非相溶性樹脂と熱可塑性樹脂との界面に分布
して界面での空隙の成長が促進されるので、気体透過性
が高く、しかもこの空隙同士は互いに連続しないため
に、液体遮断性に優れた通気性フィルムが提供される。
本発明の通気性延伸フィルムは、液体の遮断性と高い通
気性とを両立させた耐液性に優れた通気性フィルムであ
り、広範囲の用途に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:00 C08L 23:00 Fターム(参考) 4F074 AA17 AA22 AA24 AA26 AA57 AA65 AA70 AA71 AB05 AC17 AE01 AE06 AG20 CA01 DA10 DA23 DA33 DA38 DA43 DA46 DA53 4F210 AA03 AA08 AA12 AA29 AB11 AB16 AG01 AG20 QC01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)これに分散
    する非相溶性の熱可塑性樹脂粒子及び(C)無機物粉体か
    らなり、延伸により、前記ポリオレフィン系樹脂と前記
    非相溶性の熱可塑性樹脂粒子との界面に1〜200μmの
    平均長さの空隙を有することを特徴とする、耐液性に優
    れた通気性延伸フィルム。
  2. 【請求項2】(C)無機物粉体の平均粒子径が前記非相溶
    性の熱可塑性樹脂の粒子の平均粒子径より小さい請求項
    1に記載の通気性延伸フィルム。
  3. 【請求項3】(C)無機物粉体の平均粒子径が0.001〜
    10μmである請求項1に記載の通気性延伸フィルム。
  4. 【請求項4】(C)無機物粉体の配合量が樹脂成分の総量
    100重量部に対して1〜50重量部である請求項1に
    記載の通気性延伸フィルム。
  5. 【請求項5】(C)無機物粉体が酸化チタン粉末である請
    求項1記載の通気性延伸フィルム。
  6. 【請求項6】(B)非相溶性の熱可塑性樹脂の粒子が0.1
    〜100μmの平均粒径を有してポリオレフィン系樹脂
    中に分散していることを特徴とする請求項1に記載の通
    気性延伸フィルム。
  7. 【請求項7】(B)非相溶性の熱可塑性樹脂の配合量が樹
    脂成分の総量に対して1〜50重量%である請求項1に
    記載の通気性延伸フィルム。
  8. 【請求項8】(B)非相溶性の熱可塑性樹脂がポリ−4−
    メチルペンテン−1である請求項1に記載の通気性延伸
    フィルム。
  9. 【請求項9】少なくとも一軸方向に、2〜20倍延伸さ
    れてなる請求項1に記載の通気性延伸フィルム。
  10. 【請求項10】(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)これに分
    散する非相溶性の熱可塑性樹脂粒子及び(C)無機物粉体
    からなり、延伸により、前記ポリオレフィン系樹脂と前
    記非相溶性の熱可塑性樹脂粒子との界面に空隙を有す
    る、耐液性に優れた通気性延伸フィルムと、通気性を有
    するフィルムとの積層フィルムである通気性延伸フィル
    ム。
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