JP4734748B2 - 通気性延伸フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通気性フィルムに関する。より詳しくは液体を透過させることなく、気体透過性に優れた通気性延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水滴は通さないが、水蒸気等の気体を透過させる程度の通気性を有したフィルムが、衛生材料、衣料材料、医療材料、生鮮食品包装材料、農業資材、各種フィルター等に広く用いられるようになってきた。これは、ムレを防止し、かつ液体を透過させないという特徴を生かして、使い捨ておむつのバックシート、生理用品等の衛生材、MRSA(院内感染)対策用フィルム、前掛け、医療用シーツ、保護衣等の抗菌性フィルム、ハウスラップ材等の建材用フィルムまたはシート、遮熱シート等の農業用シート、雨合羽、各種の保護衣等の衣料用フィルムまたはシート、コンクリート養生シート、アスファルトオーバーレイ等の土木資材用フィルムまたはシート、合成紙、ポスター、封筒等の産業資材、電池セパレーター、工業廃水の処理、ミスト除去等に用いられる濾過材などの広範囲の用途に利用されている。
【0003】
このような用途に用いられるフィルムの作製方法としては、熱可塑性樹脂に多量の無機充填材を添加し、フィルム化した後に延伸し、フィルムに細かい亀裂を生じさせる方法が知られている。このようにして作製されるフィルムは、多数の互いに連続した亀裂を有しており、長時間液体と接触していると液体が透過して外部に浸み出てくるなど、液体の透過を完全に遮断することはできない。そのため、液体物の保存や、常時液体と接しているような物品の保存に用いることは不可能であった。つまり、液体の遮断性と高い通気性とを両立させたフィルムの作製は、きわめて困難であった。
【0004】
【発明の解決する課題】
本発明の目的は、気体透過性が高いと同時に、液体を長期にわたって透過させない耐液性に優れた通気性フィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、基材となる熱可塑性樹脂に非相溶性の樹脂及び粒径の小さい無機物粉体を加え、これを延伸することにより、熱可塑性樹脂と非相溶性樹脂との界面で空隙が発生して通気性が向上すること、さらに、無機物粉体の一部が非相溶性樹脂と熱可塑性樹脂との界面に分布してより容易に界面での空隙を発生させることができ、しかもこの空隙は連続層とはならないこと、連続した孔とはなっていないこと等を見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)これに分散する非相溶性の熱可塑性樹脂粒子及び(C)無機物粉体からなり、延伸により、前記ポリオレフィン系樹脂と前記非相溶性の熱可塑性樹脂粒子との界面に1〜200μmの平均長さの空隙を有することを特徴とする、耐液性に優れた通気性延伸フィルム(シートを含む、以下同じ)に関する。本発明の通気性延伸フィルムは、水や油、有機溶剤等の液体の遮断性と高い空気透過性を併せ持った耐液性に優れた通気性フィルムである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の通気性延伸フィルムは、(A)ポリオレフィン系樹脂を基材とする樹脂組成物からなる。ポリオレフィン系樹脂は、気体透過性が高い方が好ましく、酸素透過度が100cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH90%、20μm)以上のポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。具体的なポリオレフィン系樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィン類が挙げられる。さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン系共重合体を用いてもよい。
【0008】
ポリオレフィン系樹脂に、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン類もしくはその水素添加物、ポリスチレンなどの芳香族樹脂、各種シリコーン樹脂やフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、6ナイロン、MXD6ナイロン、66ナイロン等のナイロン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の樹脂、または、スチレン−ブタジエン共重合体、ABS樹脂等の共重合体もしくは樹脂組成物を添加しても良い。
【0009】
本発明の(B)非相溶性の熱可塑性樹脂は、基材となるポリオレフィン系樹脂に対して相溶せずに基材樹脂中に分散する熱可塑性樹脂である。非相溶性の熱可塑性樹脂自体は、必ずしも良好な気体透過性を有する樹脂種に限定されないが、通気性延伸フィルム全体として少しでも気体透過性を高めることができるため、非相溶性樹脂は、基材となる樹脂と同様、気体透過性が良い樹脂種が好ましい。
【0010】
このような要件を満たす基材となるポリオレフィン系樹脂とこれに非相溶性の熱可塑性樹脂の組み合わせとして、具体的には、基材となる熱可塑性樹脂がポリエチレン又はポリプロピレン、非相溶性熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート又はポリアセタールである組み合わせが好ましく;基材となる熱可塑性樹脂が低密度ポリエチレン又はポリプロピレン、非相溶性熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1である組み合わせがより好ましく;基材となる熱可塑性樹脂がポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又はメタロセン触媒低密度ポリエチレン、非相溶性熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1である組み合わせが最も好ましい。
【0011】
基材樹脂中に分散する非相溶性熱可塑性樹脂粒子の平均分散粒径は、0.1〜100μmであり、好ましくは1〜50μm、より好ましくは5〜25μmである。延伸操作により、基材樹脂と非相溶性熱可塑性樹脂との樹脂界面で亀裂を生じ、基材樹脂中に分散する非相溶性熱可塑性樹脂粒子の周囲に空隙を生じさせることにより気体透過性を向上させる。非相溶性樹脂粒子の平均分散粒径が0.1μm以下であると、延伸時に、非相溶性熱可塑性樹脂粒子の周囲に生じる空隙が細かくなりすぎ、酸素透過効果が低くなる。非相溶性樹脂粒子の平均分散粒径が100μm以上では、延伸時に非相溶性熱可塑性樹脂粒子の周囲に生じる空隙が疎らになり、やはり酸素透過効果が低くなる。
【0012】
本発明の通気性延伸フィルムにおける非相溶性熱可塑性樹脂粒子の平均分散粒径は、フィルム断面を電子顕微鏡にて1000〜50000倍に拡大して写真を撮り、粒子粒径を測定し、粒子10個以上について平均値をとることにより求められる。粒子が楕円状である場合には、その長径をもって粒径とする。
【0013】
非相溶性の熱可塑性樹脂の配合量としては、樹脂成分の総量に対して1〜50重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。非相溶性の熱可塑性樹脂の配合量がこの範囲より少ないと延伸時に樹脂界面で生じる空隙の効果が小さく、多いと適切な分散粒径を形成しないか、空隙が連続的になり液体の透過を防止できない。
【0014】
本発明の通気性延伸フィルムにおいては、樹脂成分以外の成分として、基材となる樹脂にもこれに非相溶性の熱可塑性樹脂にも相溶性のない(C)無機物粉体を配合する。配合した無機物粉体の一部は、基材樹脂と非相溶性熱可塑性樹脂の界面に介在して基材となる樹脂とこれに非相溶な熱可塑性樹脂との摩擦力を低下せしめ、通気性フィルムを延伸した際に、非相溶性熱可塑性樹脂の周囲に空隙を有効に生じるのを促進する効果をもたらす。
【0015】
無機物粉体の平均粒子径は、0.001〜20μmが好ましく、0.01〜10μmがより好ましく、0.1〜5μmが最も好ましい。無機物粉体の平均粒子径が非相溶性熱可塑性樹脂の分散平均粒径よりも小さい場合が、延伸による界面での空隙の発生がより促進されるので好ましい。無機物粉体の平均粒子径は、フィルム断面を電子顕微鏡にて1000〜50000倍に拡大して写真を撮り、粒子粒径を測定し、粒子10個以上について平均値をとることにより求められる。粒子が楕円状である場合には、その長径をもって粒径とする。
【0016】
無機物粉体としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石膏、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水和ケイ酸、無水ケイ酸、ソーダ灰、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム;タルク、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化鉄、カーボンブラック、活性炭、珪藻土、各種粘土鉱物などがある。これらの内から2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、粒径が細かい点、安価である点等から酸化チタンが最も好ましい。
【0017】
通気性延伸フィルムの製造方法は、特に制限されるものでなく、公知の熱可塑性樹脂フィルムの製膜方法により行うことができる。基材となる熱可塑性樹脂、これに非相溶性の熱可塑性樹脂及び無機物粉体を混練して得られたマスターバッチを用いてフィルムを製膜後、延伸する方法でも良いし、基材となる熱可塑性樹脂を熱溶融させ、これに非相溶性の熱可塑性樹脂及び無機物粉体を添加混合して得られたマスターバッチを用いてフィルムを製膜後、延伸する方法でも良い。いずれの方法においても、基材となる樹脂が溶融し、かつ、分散させる非相溶性樹脂も溶融する温度で混合することが好ましい。
【0018】
本発明の通気性延伸フィルムを構成する、基材となる熱可塑性樹脂、非相溶性樹脂と無機物粉体の組み合わせには、必要に応じて、着色剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、消臭剤などを、通気性延伸フィルムの機能を損なわない範囲で加えることができる。
【0019】
本発明の通気性延伸フィルムは、製膜後、延伸されたものである。延伸方法は、公知の延伸方法を使用でき、一軸延伸、二軸同時延伸、二軸逐次延伸のいずれの手法を用いてもよい。延伸倍率は、2〜20倍とするのが好ましく、3〜10倍とするのがより好ましい。延伸倍率がこの範囲より低いと、空隙の発生及び成長が不十分であり、延伸倍率がこの範囲より高いと、フィルムとしての機械的強度が低下する。
【0020】
本発明の通気性延伸フィルムは、ポリオレフィン系樹脂とこれに非相溶性の熱可塑性樹脂の粒子との界面には、1〜200μm、好ましくは10〜100μmの平均長さの空隙を有する。なお、ここでの平均空隙は、フィルム断面を電子顕微鏡にて1000〜50000倍に拡大して写真を撮り、延伸方向に生じた空隙の長さを測定し、粒子10個以上について平均値をとることにより求められる。隣り合う非相溶性の熱可塑性樹脂粒子まで空隙が到達している場合には、粒子間の距離をもって空隙の長さとすることができる。
この空隙により、本発明の通気性延伸フィルムは、JISK7126の差圧法に準じて測定される酸素透過度が50,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%、50μm)以上の高い通気性を有する。
【0021】
本発明の通気性延伸フィルムは、本通気性延伸フィルム同士、又は、ポリオレフィン等のヒートシール層を有する他の通気性もしくは非通気性の材料のヒートシール層と熱融着することができる。
【0022】
本発明の(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)これに分散する非相溶性の熱可塑性樹脂粒子及び(C)無機物粉体からなり、延伸により、前記ポリオレフィン系樹脂と前記非相溶性の熱可塑性樹脂粒子との界面に空隙を有する、耐液性に優れた通気性延伸フィルムの片面又は両面には、通気性を有するフィルムを積層し、積層フィルムとして使用することもできる。積層されるフィルムとしては、有孔プラスチックフィルム、微多孔プラスチックフィルム、不織布もしくは紙等の通気性を有する単層の、又はこれらの2種以上を積層してなる、通気性を有するフィルムが使用できる。
【0023】
本発明の通気性延伸フィルムは、厚さ方向に貫通する孔があいていないので、耐液性に優れる。本発明の通気性延伸フィルムは、脱酸素剤包装体を保存物品から隔離しつつ酸素を透過し、脱酸素剤の作用を発揮せしめる隔離膜として広範囲の用途に使用でき、特に、袋又は容器の本体、蓋、キャップ等の材料として使用できる。また、酸素を消費する動物、植物又は微生物等を入れ、これに酸素を補給し得る容器として広範囲の用途に使用できる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例と比較例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0025】
実施例1
基材となる熱可塑性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学(株)製、商品名SP2040、メルトフローレート4.0g/10min)を、非相溶性樹脂としてポリメチルペンテン樹脂(三井化学(株)製、商品名DX845、メルトフローレート7〜11g/10min)、無機物粉体として二酸化チタン(堺化学工業(株)製、商品名SR-1、平均一次粒径0.25μm)を、重量比で70:20:10となるように混合し、30mm径2軸押出機にて混練、ストランドダイより押し出し、冷却後、ペレタイザーで切断して、マスターバッチペレットを得、このペレットから一軸の押出機にてフィルムを作製した。このフィルムの厚さは100μmであった。この積層体を一軸延伸機にて5倍延伸し、通気性延伸フィルムを得た。延伸後のフィルムの厚さは50μmであった。
【0026】
この通気性延伸フィルムのJISK7126の差圧法に準じて測定される酸素透過度は450,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)であった。この通気性延伸フィルムの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、直鎖状低密度ポリエチレンを基材としてポリメチルペンテンが平均粒径15μmで分散し、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とポリメチルペンテン樹脂粒子との界面に10〜50μmの空隙を有していた。二酸化チタンは、平均粒径0.5μmで分散し、その一部は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とポリメチルペンテン樹脂粒子との界面に存在していた。この通気性延伸フィルムを用いて袋(内寸10cm×20cm)を作成して、水500mlを入れて密封して包装体を作成し、静置した。10日後でも水漏れはなかった。
【0027】
実施例2
酸素透過層の構成比を直鎖状低密度ポリエチレン:ポリメチルペンテン:酸化チタン=70:10:20とした以外は実施例1と同様にして通気性延伸フィルムを作製し、効果を調べた。通気性延伸フィルムの酸素透過度は300,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)、ポリメチルペンテンの平均分散粒径は10μmであった。前記水漏れ試験では、包装体は10日後でも水漏れはなかった。
【0028】
実施例3
非相溶性樹脂をMXD6(三菱ガス化学(株)製、商品名MXナイロン6007、メルトフローレート2.0g/10min)に代えた以外は、実施例1と同様にして通気性延伸フィルムを作製した。通気性延伸フィルムの酸素透過度は100,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)、MXD6の平均分散粒径は20μmであった。前記水漏れ試験では、包装体は10日後でも水漏れはなかった。
【0029】
比較例1
市販の耐水性通気性延伸フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名KTFフィルム、厚さ60μm)を用いて、実施例1と同様の評価を行ったところ、酸素透過度は500,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)と高かったが、前記水漏れ試験では、1日後で水が通気性延伸フィルムを透過することによる包装体の水漏れを確認した。
【0030】
比較例2
無機物粉体を使用しないで直鎖状低密度ポリエチレンとポリメチルペンテン樹脂を重量比で80:20となるように混合して、マスターバッチペレットを得、実施例1と同様にして延伸フィルムを作製した。この延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の評価を行ったところ、酸素透過度は30,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)と低かった。
【0031】
比較例3
ポリメチルペンテン樹脂を使用しないで直鎖状低密度ポリエチレンと二酸化チタンを重量比で90:10となるように混合して、マスターバッチペレットを得、実施例1と同様にして延伸フィルムを作製した。この延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の評価を行ったところ、酸素透過度は20,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)と低かった。
【0032】
比較例4
実施例1で作成したマスターバッチペレットを使用して、一軸の押出機にて50μmの厚さで押出して、無延伸のフィルムを実施例1と同一組成・同一厚さで作製した。この無延伸フィルムを用いて、実施例1と同様の評価を行ったところ、酸素透過度は10,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%)と低かった。
【0033】
実施例4
実施例1で作成した通気性延伸フィルムの小片(70mm×70mm)1枚を用いて、鉄粉系脱酸素剤組成物2gを洋紙(坪量40g/m2)と貫通孔を多数穿孔した厚さ40μmポリエチレンフィルムとを積層接着した通気材料からなる小袋に充填包装した脱酸素剤包装体(40mm×40mm)1個を覆うようにして、ポリ塩化ビニリデンコート延伸ナイロン/ポリエチレン製の透明なガスバリア性袋(150mm×250mm)の内側ポリエチレン面に熱融着により固定し、脱酸素剤包装体が隔離されて添着された袋を作成した。この袋に、醤油漬けのたくあん100g及び空気100mlを入れ、密封シールして蛍光灯が照射する25℃の室内にて保存した。
【0034】
保存2週間後、袋の内側に添着された脱酸素剤包装体は、袋の内容物から隔離され、たくあんの液が接触することはなかった。また、袋内スペースの酸素濃度を分析したところ、0.1容量%未満であった。封入されたたくあんは色調も風味も良好に保持されていた。
【0035】
実施例5
実施例1で作成した通気性延伸フィルム1枚を防漏シートとし、その上に、高吸水性高分子を含む厚さ約15mmの線状パルプ、及び目付約15g/m2のポリエステル繊維の不織布をこの順に重ねて15cm×40cmの大きさに切断した後、テープで固定することにより、使い捨ておむつを作成した。
この使い捨ておむつに水100ccを吸収させた後、24時間放置したところ、水の漏出はなかった。また、この使い捨ておむつを試用したところ、ムレは感じられなかった。
以上から、実施例1で得られた通気性延伸フィルムは、液体の遮断性と高い空気透過性を併せ持った耐液性に優れた通気性フィルムである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、熱可塑性樹脂とこれに非相溶性の樹脂との界面に空隙を有し、さらに無機物粉体の一部が非相溶性樹脂と熱可塑性樹脂との界面に分布して界面での空隙の成長が促進されるので、気体透過性が高く、しかもこの空隙同士は互いに連続しないために、液体遮断性に優れた通気性フィルムが提供される。本発明の通気性延伸フィルムは、液体の遮断性と高い通気性とを両立させた耐液性に優れた通気性フィルムであり、広範囲の用途に利用できる。

Claims (6)

  1. (A)ポリオレフィン系樹脂、(B)これに分散する非相溶性の熱可塑性樹脂粒子及び(C)無機物粉体からなり、少なくとも一軸方向に2〜20倍延伸されてなり、前記ポリオレフィン系樹脂と前記非相溶性の熱可塑性樹脂粒子との界面に1〜200μmの平均長さの空隙を有することを特徴とする、耐液性に優れた通気性延伸フィルムであり、(B)非相溶性の熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1又はナイロンで、(B)非相溶性の熱可塑性樹脂の配合量が樹脂成分の総量に対して1〜50重量%であり、(C) 無機物粉体が酸化チタン粉末で、(C)無機物粉体の配合量が樹脂成分の総量100重量部に対して1〜50重量部であり、かつ通気性延伸フィルムの酸素透過度が50,000cm3/cm2・24hr・atm(25℃、RH50%、50μm)以上であることを特徴とする通気性延伸フィルム。
  2. (C)無機物粉体の平均粒子径が前記非相溶性の熱可塑性樹脂の粒子の平均粒子径より小さい請求項1に記載の通気性延伸フィルム。
  3. (C)無機物粉体の平均粒子径が0.001〜10μmである請求項1に記載の通気性延伸フィルム。
  4. (B)非相溶性の熱可塑性樹脂の粒子が0.1〜100μmの平均粒径を有してポリオレフィン系樹脂中に分散していることを特徴とする請求項1に記載の通
    気性延伸フィルム。
  5. (B)非相溶性の熱可塑性樹脂がポリ−4−メチルペンテン−1である請求項1に記載の通気性延伸フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の通気性延伸フィルムと、通気性を有するフィルムとの積層フィルムである通気性延伸フィルム。
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