JP2002308943A - 高分子難燃剤およびそれを含む難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

高分子難燃剤およびそれを含む難燃性熱可塑性樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃化しようとする熱可塑性樹脂、特にオレ
フィン系およびスチレン系熱可塑性樹脂に対し相溶性を
有する高分子難燃剤を提供する。 【解決手段】 エチレンから誘導される繰り返し単位
と、アクリル酸もしくはメタクリル酸のハロゲン化炭化
水素エステルから誘導される繰り返し単位を含む共重合
体からなる高分子難燃剤が提供される。この高分子難燃
剤は可燃性熱可塑性樹脂100重量部あたり2ないし1
00重量部配合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は高分子難燃剤、特にオレフィン
系、スチレン系プラスチックのような可燃性熱可塑性樹
脂製品の難燃化に使用する難燃剤に関する。本発明はま
た、そのような難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物にも関
する。
【0002】
【背景技術および課題】ポリエチレン、ポリプロピレン
に代表されるオレフィン系およびポリスチレンおよびA
BS樹脂に代表されるスチレン系熱可塑性樹脂は、比較
的安価で成形が容易であることのほかに、適度の機械的
強度を有し、絶縁性、光沢、着色性などにも優れている
ため電気電子部品、機械部品、自動車部品、建築材料、
容器等に広く使用されている。しかしながらこれらの樹
脂は主として炭素と水素から構成されているため燃え易
く、かつ発熱量が高く、燃焼速度が速いため一旦発火す
ると大きな被害に発展する可能性がある。そのため多く
の分野において法令またはこれに準ずる規格によって義
務づけられている部品の難燃度に合格するためには難燃
剤を用いてこれら可燃性樹脂を難燃化しなければならな
い。
【0003】この目的に使用し得る難燃剤は、例えば金
属の酸化物、水酸化物および塩、有機リン化合物、有機
ハロゲン化合物、有機リン・ハロゲン化合物などであ
り、そのうち臭素を含む有機ハロゲン化合物および有機
リン・ハロゲン化合物がすぐれた難燃効果の故に多く使
用されている。多くの含ハロゲン有機化合物もしくは含
ハロゲン有機リン化合物系の難燃剤が知られているが、
これらは高い難燃効果を発揮することのほかに、添加し
たプラスチック製品の物性特に耐衝撃性を含む機械的強
度に許容できないほど悪影響しないこと、および加工時
樹脂本来の作業性例えばメルトフローや性能に大きく悪
影響しないことが求められる。例えばリサイクルした際
の物性低下や変色が少ない十分な熱安定性が求められ
る。
【0004】従来の難燃剤はこの点において以下の一ま
たは二以上の欠点を持っている。 −熱可塑性樹脂との相溶性が低いための樹脂に均一に混
和せず、本来の難燃効果が発揮されず、かつ製品の物性
を許容できないレベルへ低下させる。 −製品から経時的に難燃剤がブリードする。 −樹脂の成形加工時の熱安定性か不十分であり、ヤケが
発生する。 −可塑剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、熱安定剤、光安
定剤などの他の添加剤の作用を阻害する。 −樹脂製品の耐光性を低下させる。
【0005】例えばヘキサブロモシクロドデカンに代表
される脂環族臭素化合物、トリス(2,3−ジブロモプ
ロピル)ホスフェートに代表される含臭素有機リン酸エ
ステルは、難燃効果においてすぐれているものの難燃剤
自体の熱安定性に劣るため樹脂の着色および物性低下
や、金型腐食の問題などがある。
【0006】これに対し例えばテトラブロモビスフェノ
ールA、デカ−もしくはオクタブロモジフェニルエーテ
ル、1,2−ビス(ポリブロモフェノキシ)エタン、
1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、エチレ
ンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼ
ン、ペンタブロモトルエンなどの芳香族臭素化合物は脂
環族臭素化合物に比較して熱安定性は良好である。従っ
てこれらは比較的高い成形温度を必要とする樹脂にも使
用可能であるが、難燃効果に劣るため比較的多量に配合
することを要し、そのため製品の物性を低下させる。
【0007】このように一般に難燃剤の難燃効果と熱安
定性とは両立し難い性質である。そこで脂肪族臭素化合
物と芳香族臭素化合物の折衷型難燃剤として、フランス
特許第1541271号およびドイツ特許第20467
95号はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3
−ジブロモプロピルエーテル)を開示する。しかしなが
らこのものは耐光性が不十分でポリプロピレンなどのオ
レフィン系熱可塑性樹脂に配合した場合ブリードを発生
する。
【0008】複数のトリブロモネオペンチル基を有する
エステル類、例えばリン酸エステル(特公昭46−68
65)、トリメリテートエステルおよびテレフタレート
エステル(米国特許第3772342号)、フタレート
エステル(WO91/13858)は高い難燃効果と熱
安定性を有するもののポリオレフィン系熱可塑性樹脂に
配合した場合ブリードが発生する問題を解決しない。
【0009】樹脂との相溶性を改善し、物性低下および
ブリードを防止するため高分子量化した難燃剤も提案さ
れている。実用化されているそれらの例には塩素化ポリ
エチレン、臭素化ポリスチレン、トリブロモフェノール
縮合物、臭素含有エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェ
ノールAポリカーボネートなどがある。これらに加え、
トリブロモネオペンチルアクリレートの単独重合体(米
国特許第3165502号)、アクリロニトリルとの共
重合体(米国特許第3480600号)、アクリロニト
リルおよびスチレンとの三元共重合体(特開昭50−4
0656)、スチレン系モノマーとの共重合体(EP5
7535)およびメチルメタクリレートとの共重合体
(DE2654954)、トリブロモネオペンチルメタ
クリレートのメチルアクリレートおよびメチルメタクリ
レートとの三元共重合体(DE2335368)、スチ
レンとの共重合体(米国特許第4219630号)が高
分子難燃剤として開示されている。また、ペンタブロモ
ベンジルアクリレートの単独重合体がスチレン系および
オレフィン系熱可塑性樹脂の難燃剤として開示され(特
開昭51−135997)、該モノマーとトリブロモス
チレンおよび/又はトリブロモフェニルマレイミドとの
共重合体がポリカーボネート樹脂の難燃剤として開示さ
れている(特開平4−234455)。しかしながらこ
れらの既知の高分子難燃剤は近似の骨格構造を有する樹
脂に対しては相溶性が良いが、他の樹脂に対してはそう
でなく、特にオレフィン系熱可塑性樹脂に配合した場合
分散不良による成形品の外観や耐衝撃性などの物性低下
を招く。
【0010】従って本発明の課題は上に述べた既知の難
燃剤の欠点を解消ないし緩和することができる高分子難
燃剤、特にオレフィン系およびスチレン系熱可塑性樹脂
用の高分子難燃剤を提供することである。
【0011】
【課題の解決方法】本発明に従い、繰り返し単位として
a)1,2−エチレン鎖およびb)式1
【化2】 (式中R1 は水素又はメチル、R2 はハロゲン化炭化水
素残基である。)のハロゲン含有エステル鎖を含んでい
る共重合体よりなる高分子難燃剤が提供される。
【0012】本発明はまた、可燃性熱可塑性樹脂100
重量部あたり、上の高分子難燃剤2ないし100重量部
を配合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【0013】
【詳論】本発明の高分子難燃剤を構成する共重合体は、
a)1,2−エチレン鎖に相当するモノマーすなわちエ
チレンと、b)式1のエテスル鎖に相当するモノマーす
なわちアクリル酸もしくはメタクリル酸のハロゲン化炭
化水素エステルとの共重合体である。ハロゲン化炭化水
素基としては臭素化炭化水素基、例えばトリブロモネオ
ペンチル基、ペンタブロモベンジル基又はジブロモプロ
ピル基などが好ましい。
【0014】共重合体は対応するモノマー混合物のラジ
カル共重合によって製造することもできようが、簡便な
方法は既製のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又
はエチレン−(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル
共重合体から出発する方法である。他方の原料はハロゲ
ン化炭化水素基に相当するアルコール又はその反応性誘
導体例えばブロマイドである。エチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体はハロゲン化炭化水素基に対応するアル
コール又はその反応性誘導体例えばハライドによるエス
テル化反応によってそのカルボキシル基をハロゲン化炭
化水素基でエステル化することができる。エステル化剤
としてアルコールを使用する場合はp−トルエンスルホ
ン酸のような酸触媒が、ハライドでエステル化する場合
は水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのような酸結合剤
の存在が必要である。エチレンと(メタ)アクリル酸メ
チルもしくはエチルのような低級アルキルエステルの共
重合体は、ハロゲン化炭化水素基に対応するアルコール
とのエステル交換反応によってエステル残基をハロゲン
化炭化水素基に交換することができる。この場合もp−
トルエンスルホン酸のような酸触媒の存在を必要とす
る。反応条件は有機合成の分野で良く知られている。出
発原料中の遊離カルボキシル基又は低級アルキルエステ
ル基の全部がハロゲン化炭化水素基でエステル化又はエ
ステル交換されることが好ましいが、反応後の共重合体
の繰り返し単位b)およびハロゲン含有量が以下述べる
レベルである限り未反応カルボキシル基又は低級アルキ
ルエステル基の存在は許される。
【0015】出発原料のエチレン共重合体の(メタ)ア
クリル酸またはその低級アルキルエステルモノマーの割
合は、ハロゲン化炭化水素試薬でエステル化後の共重合
体のハロゲン化炭化水素エステル繰り返し単位が10な
いし80重量%となるような割合であることが好まし
い。ハロゲン化炭化水素エステル繰り返し単位の割合が
あまり多いと樹脂との相溶性が低く、反対に少な過ぎる
と難燃効果が低くなるからである。また難燃化しようと
する樹脂の本来の物性に許容できない程悪影響すること
ない配合量で所望の難燃性レベルを達成するためにはハ
ロゲン化炭化水素エステル化試薬でエステル化後の共重
合体のハロゲン含有量が高い程望ましいが、一般にこの
ハロゲン含有量は5重量%以上60重量%以下の範囲内
であろう。
【0016】(メタ)アクリル酸又はその低級アルキル
エステルを含む出発共重合体のハロゲン化炭化水素エス
テル化に使用し得るエスルテ化試薬の例は、2,3−ジ
クロロプロピルアルコール、2,3−ジクロロ−2−メ
チルプロピルアルコール、3−クロロ−2,2−ビス
(クロロメチル)プロピルアルコール、ジクロロフェノ
キシエチルアルコール、トリクロロフェノキシエチルア
ルコール、ジクロロフェノキシポリオキシエチレンオキ
シエチルアルコール、トリ−、テトラ−もしくはペンタ
クロロベンジルアルコール、これらアルコールの塩素の
代りに臭素が結合した対応するアルコール、ジブロモメ
チルフェノキシエチルアルコール、ジブロモメチルフェ
ノキシポリオキシエチレンオキシエチルアルコール、お
よびこれらアルコール類の塩化物又は臭化物である。ト
リブロモネオペンチルアルコール、ペンタブロモベンジ
ルアルコール、ジブロモプロピルアルコール、これらの
ブロマイドが入手し易い。
【0017】本発明の高分子難燃剤によって難燃化する
のに適した可燃性熱可塑樹脂は、オレフィン系熱可塑性
樹脂例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−プロピレンターポリマー(EP
DM)など、およびスチレン系熱可塑性樹脂例えばポリ
スチレン、高耐衝撃性ポリスチレン(HI−ポリスチレ
ン)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS)、セグメント化スチレン−ブタジエンもしくは
イソプレン共重合体(SBS)などである。
【0018】本発明の高分子難燃剤の配合量はそのモノ
マー組成と、ハロゲン含有量、難燃化を望む熱可塑性樹
脂のタイプなどによって変動するが、一般に熱可塑性樹
脂100重量部あたり2ないし100重量部、好ましく
は2ないし20重量部である。最適の配合量は所望の難
燃度と成形品の物性との間のバランスが最適になるよう
に日常的なテストを行って容易に決定することができ
る。
【0019】組成物は任意に無機系の難燃助剤を含むこ
とができる。それらの例は三酸化アンチモン、五酸化ア
ンチモン、ホウ酸亜鉛、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコ
ニウム、酸化ビスマス、酸化スズ等である。中でも三酸
化アンチモンは有機ハロゲン系難燃剤の難燃助剤として
良く知られており、本発明においてもこれを使用するこ
とが好ましい。使用する場合、難燃助剤の配合量は熱可
塑性樹脂100重量部あたり10重量部以下、または本
発明の高分子難燃剤の0.1倍ないし等倍量が適当であ
る。
【0020】本発明の難燃性樹脂組成物は、熱安定剤、
酸化防止剤、UV安定剤、充填剤、顔料などの慣用の他
の添加剤を勿論含むことができる。組成物は常法により
樹脂と添加成分を加熱混合することによって製造するこ
とができる。すなわち樹脂に添加成分の全部を混合する
か、または添加成分の一部を予備混合した後残りの成分
を混合し、2軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール
などを用いて加熱混練して均一な組成物とし、射出成形
機やプレス等の成形機を使って所望の成形品に成形する
ことができる。
【0021】
【実施例】以下に限定を意図しない製造例および実施例
によって本発明の具体例を示す。これらにおいて「部」
および「%」は特記しない限り重量基準による。
【0022】製造例1 攪拌機、検水管、還流管、窒素導入管及び温度計を有す
るフラスコにプリマコール5990(エチレン・アクリ
ル酸共重合体、酸価157mgKOH/g、ダウケミカ
ル日本製)100g、ジクロロベンゼン200g、トリ
ブロモネオペンチルアルコール(デッドシーブロミング
ループ製)91gおよびパラトルエンスルホン酸6gを
仕込み、窒素を吹き込みながら加熱攪拌した。90℃で
ほぼ均一な溶液となり、160℃で検水管に水の留去が
観測され、同温度で5時間反応を継続すると検水管に
4.5mlの水が捕捉された。フラスコ内容物をホモジ
ナイザーで攪拌されているメタノール1L中に少しずつ
添加し、更に1時間攪拌を続けた。析出した沈澱を濾
過、乾燥してエチレン・トリブロモネオペンチルアクリ
レート共重合体(共重合体A)を得た。IR測定では、
原料プリマコール5990のカルボン酸のカルボニルに
よる吸収1705cm-1が消失して、1741cm-1
エステル性カルボニルの吸収が出現した。また、この化
合物は237nmUV検出器としたGPC測定で、重量
平均分子量約43,000(ポリスチレン標準)、トリ
ブロモネオペンチルアルコール0.2%以下であること
が確認された。酸素燃焼フラスコ法で測定した臭素含有
量は、34.1重量%であった。示差熱分析では、6
5.4℃に吸熱ピークを有し、1%,5%,10%,5
0%減量温度はそれぞれ324,351,361,40
7℃であった。
【0023】製造例2 攪拌機、検水管、還流管及び温度計を有するフラスコに
プリマコール5990(エチレン・アクリル酸共重合
体、酸価157mgKOH/g、ダウケミカル日本製)
53.8g、85%粒状水酸化カリウム9.9g、ジオ
キサン200gを仕込み、90〜100℃で3時間攪拌
すると水酸化カリウムが完全に溶解して、内溶液が透明
均一となった。これにペンタブロモベンジルブロマイド
(テトラブロモベンジルブロマイドを約2%含有する)
84.9gを投入し、100℃でジオキサンを還流させ
ながら反応を行った。反応の進行と共に系内は副生する
臭化カリウムによる濁りが増し、6時間後のIR測定で
は、1605cm-1のカルボン酸カリウム塩由来の吸収
が完全に消失したので反応を終了した。フラスコ内容物
をメタノール1L中にホモジナイザー攪拌下に投入し、
析出した沈殿を濾過した。濾過して得られた粗製物をト
ルエン200mlに溶解して再度メタノール1L中に再
沈し、濾過、乾燥して117gの共重合体Bを得た。I
R測定ではプリマコール5990に検出されたカルボン
酸のカルボニル1705cm-1及びカルボン酸カリウム
塩の1605cm-1の吸収が完全に消失し、1736c
-1にエステルの吸収が認められた。酸素燃焼フラスコ
法で測定した臭素含有量は、47.5重量%であった。
示差熱分析では、65.4℃に吸熱ピークを有し、1
%,5%,10%,50%減量温度はそれぞれ309,
343,358,402℃であった。
【0024】製造例3 攪拌機、検水管、還流管、窒素導入管及び温度計を有す
るフラスコにEVAFLEX−EEA A709(エチ
レン・アクリル酸エチル共重合体、MI=25、三井デ
ュポンポリケミカル製)50.0g、キシレン150
g、パラトルエンスルホン酸2g、ジブロモプロパノー
ル65gを仕込み窒素を吹き込みながら内温を約160
℃に加熱し、捕捉された量とほぼ同量の新しいキシレン
を追加しながら系内のキシレンを蒸留回収した。キシレ
ンを300g回収した後に内容液を冷却して、メタノー
ル1L中にホモジナイザー攪拌下に投入し、析出した沈
殿を濾過した。濾過して得られた沈殿を乾燥して94g
の共重合体Cを得た。IR測定では1740cm-1のエ
ステル基由来の吸収が保持されていた。酸素燃焼フラス
コ法で測定した臭素含有量は、42.6重量%であっ
た。示差熱分析では、約90℃に吸熱ピークを有し、1
%,5%,10%,50%減量温度はそれぞれ261,
302,318,438℃であった。
【0025】実施例1〜3、比較例1〜3 HI−PS樹脂(東洋スチロールH−650)100部
に対して、表1に示した添加物を所定量配合して、2軸
押出し機にて混練し、コンパウンドを射出成形によって
測定用成形体を作成した。後述する試験方法に従って、
難燃性、耐衝撃性、熱安定性、耐光性の測定を行った。
その結果を表1に示す。
【0026】実施例4〜6、比較例4〜7 PP樹脂(トクヤマポリプロME−230)100部に
対して、表2に示した添加物を所定量配合して、2軸押
出し機にて混練し、コンパウンドを射出成形によって測
定用成形体を作成した。後述する試験方法に従って、難
燃性、耐衝撃性、熱安定性、耐光性及びブリードアウト
の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0027】試験方法は以下の通りである。 難燃性試験:UL−94垂直燃焼法に従って行った。試
験片の厚みは、HI−PS樹脂においては3.2mm、
PP樹脂においては1.6mmで行った。 耐衝撃性試験:JIS K7110に従って行った。試
験片のサイズは64.0×3.2×12.7mm試験
片、ノッチ付きで行った。 熱安定性試験:HI−PS樹脂成形体(50×50×
3.2mm試験片)を240℃の熱プレスで30分間、
150kg/cm2 加圧した時の樹脂着色の増加を色差
計で測定してΔEで表した。 UV安定性:HI−PS樹脂成形体(UL−94試験
片,厚み3.2mm)をキセノンウェザオメーター(ア
トラスCi35A,アトラス社製)を用いて、0.35
W/m 2 の照度で300時間UV照射後の着色を色差計
で測定してΔEで表した。温度はブラックパネルで測定
して60℃に設定した。 ブリード試験:PP樹脂成形体(50×50×3.2m
m試験片)を80℃のオーブンに7日間置いた。成形体
表面をイソプロピルアルコールで良く拭き取り、拭き取
り前後の重量変化から次式で求めた。 ブリード量(%)=100×(IPA拭き取り前後の重
量減少)/(IPA拭き取り前の重量)
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 101/00 C08L 33:16 33:16) Fターム(参考) 4H028 AA08 AA11 AA42 AA43 4J002 BB031 BB061 BB082 BB121 BB141 BB151 BB202 BC031 BC061 BG082 BN151 BP011 DE096 DE106 DE116 DE126 DK006 FD136 GG01 GL00 GM00 GN00 GQ00 4J100 AA02P AJ02Q AL03Q AL08Q BA04H BA04Q BA08H BA08Q BB01H BB01Q BB03H BB03Q BC43H BC43Q CA04 DA28 DA36 DA61 EA05 HA11 HA61 HC04 HC09 HC71 HE14 HE32 JA28 JA43 JA58 JA67

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰り返し単位としてa)1,2−エチレン
    鎖およびb)式1 【化1】 (式中R1 は水素又はメチル、R2 はハロゲン化炭化水
    素残基である。)のハロゲン含有エステル鎖を含んでい
    る共重合体よりなる高分子難燃剤。
  2. 【請求項2】共重合体中のハロゲン含有エステル鎖の割
    合が10ないし80重量%であり、ハロゲン含有量が5
    ないし60重量%である請求項1の高分子難燃剤。
  3. 【請求項3】ハロゲンが臭素である請求項1または2の
    高分子難燃剤。
  4. 【請求項4】式1の繰り返し単位は、2,3−ジクロロ
    プロピル、2,3−ジクロロ−2−メチルプロピル、3
    −クロロ−2,2−ビス(クロロメチル)プロピル、ジ
    クロロフェノキシエチル、トリクロロフェノキシエチ
    ル、ジクロロフェノキシポリオキシエチレンオキシエチ
    ル、トリ−,テトラ−もしくはペンタクロロベンジル、
    これらに相当する臭素置換炭化水素基、ジブロモメチル
    フェノキシエチル、又はジブロモメチルフェノキシポリ
    オキシエチレンオキシエチルより選ばれたハロゲン置換
    炭化水素基のアクリル酸もしくはメタクリル酸エステル
    から誘導される請求項1ないし4のいずれかの高分子難
    燃剤。
  5. 【請求項5】可燃性熱可塑性樹脂100重量部あたり、
    請求項1ないし4のいずれかの高分子難燃剤2ないし1
    00重量部を配合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】可燃性熱可塑性樹脂は、エチレン、プロピ
    レンおよび/又はスチレンを含む重合体又は共重合体で
    ある請求項5の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】可燃性熱可塑性樹脂100重量部あたり、
    無機難燃助剤10重量部までをさらに含んでいる請求項
    5又は6の難燃性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】無機難燃助剤が三酸化アンチモンである請
    求項7の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
JP2001113880A 2001-04-12 2001-04-12 高分子難燃剤およびそれを含む難燃性熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP4707130B2 (ja)

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