JP2775792B2 - ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニルシラン配合難燃性高分子組成物 - Google Patents
ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニルシラン配合難燃性高分子組成物Info
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- JP2775792B2 JP2775792B2 JP133889A JP133889A JP2775792B2 JP 2775792 B2 JP2775792 B2 JP 2775792B2 JP 133889 A JP133889 A JP 133889A JP 133889 A JP133889 A JP 133889A JP 2775792 B2 JP2775792 B2 JP 2775792B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニ
ルシランを配合してなる難燃性高分子組成物に関する。
ルシランを配合してなる難燃性高分子組成物に関する。
(従来の技術) 従来より高分子用難燃剤として、各種の含ハロゲン系
難燃剤、含リン系難燃剤、含リン含ハロゲン系難燃剤、
無機化合物等が知られている。近年高耐熱性高分子が開
発されるに従い、高分子の加工及び使用温度も上昇して
きており、高温でも安定な難燃剤が要求されて来てい
る。しかしまだ、耐熱性に優れた難燃剤は少なく、高分
子成型時に難燃剤の熱分解により成型槽の腐食がおこる
等の欠点を有していた。また高分子に難燃剤を配合した
際に、高分子の持っている機械的特性の低下や電気的特
性の低下を引き起こす等、高分子本来の性質を低下させ
てしまうといった問題もおきている。また近年、国内外
を問わず、難燃化に関する法規制は更に厳しくなる傾向
にあり、例えば、米国向け輸出品はUL規格に合格しなく
てはならず、さらに最も厳しいUL94-VOの基準の達成が
強く要められている物も多い。上記の様な要望を満たす
ため、少量の添加で高い難燃効果を発現し、耐熱性に優
れた難燃剤を開発することが必要となる。この様な問題
を解決するために、種々の難燃剤の使用が提案されてい
る。例えば米国特許第4,476,267号、同第4,476,268号に
はビス(トリブロモフェノキシ)ジメチルシラン(以下
TBMSと略す)をポリスチレン、ABS樹脂に配合し、耐衝
撃性等の樹脂物性を改善した難燃性樹脂組成物が開示さ
れている。また米国特許第3,546,267号にはビス(ペン
タブロモフェノキシ)ジメチルシラン(以下PBMSと略
す)、ビス(トリブロモフェノキシ)ジフェニルシラン
(以下TBPSと略す)の製法が示され、難燃剤として有用
である旨記載されている。しかし、これらの化合物で
は、5%加熱重量減少温度にみる耐熱性は350℃以下と
まだ満足すべきものではなく、更に樹脂に配合した場合
は、難燃剤が該樹脂表面上にブリードアウトし外観の著
しい低下がおこるという欠点を有していた。加えて、こ
れらの難燃剤は耐水性が劣り、高温水蒸気に暴露する
と、分解し電気絶縁性が低下する欠点もみとめられた。
難燃剤、含リン系難燃剤、含リン含ハロゲン系難燃剤、
無機化合物等が知られている。近年高耐熱性高分子が開
発されるに従い、高分子の加工及び使用温度も上昇して
きており、高温でも安定な難燃剤が要求されて来てい
る。しかしまだ、耐熱性に優れた難燃剤は少なく、高分
子成型時に難燃剤の熱分解により成型槽の腐食がおこる
等の欠点を有していた。また高分子に難燃剤を配合した
際に、高分子の持っている機械的特性の低下や電気的特
性の低下を引き起こす等、高分子本来の性質を低下させ
てしまうといった問題もおきている。また近年、国内外
を問わず、難燃化に関する法規制は更に厳しくなる傾向
にあり、例えば、米国向け輸出品はUL規格に合格しなく
てはならず、さらに最も厳しいUL94-VOの基準の達成が
強く要められている物も多い。上記の様な要望を満たす
ため、少量の添加で高い難燃効果を発現し、耐熱性に優
れた難燃剤を開発することが必要となる。この様な問題
を解決するために、種々の難燃剤の使用が提案されてい
る。例えば米国特許第4,476,267号、同第4,476,268号に
はビス(トリブロモフェノキシ)ジメチルシラン(以下
TBMSと略す)をポリスチレン、ABS樹脂に配合し、耐衝
撃性等の樹脂物性を改善した難燃性樹脂組成物が開示さ
れている。また米国特許第3,546,267号にはビス(ペン
タブロモフェノキシ)ジメチルシラン(以下PBMSと略
す)、ビス(トリブロモフェノキシ)ジフェニルシラン
(以下TBPSと略す)の製法が示され、難燃剤として有用
である旨記載されている。しかし、これらの化合物で
は、5%加熱重量減少温度にみる耐熱性は350℃以下と
まだ満足すべきものではなく、更に樹脂に配合した場合
は、難燃剤が該樹脂表面上にブリードアウトし外観の著
しい低下がおこるという欠点を有していた。加えて、こ
れらの難燃剤は耐水性が劣り、高温水蒸気に暴露する
と、分解し電気絶縁性が低下する欠点もみとめられた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し高分子
との相溶性に優れ、耐熱性、耐水性を改善した難燃効果
に優れた難燃剤を配合してなる、高分子組成物を提供す
ることにある。
との相溶性に優れ、耐熱性、耐水性を改善した難燃効果
に優れた難燃剤を配合してなる、高分子組成物を提供す
ることにある。
(課題を解決する為の手段) 本発明者らは上記事情に鑑み、各種化合物を合成し、
優れた難燃性、高耐熱性および高分子との良好な相溶性
を有する難燃剤として好適に使用し得る化合物について
鋭意検討した結果、ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジ
フェニルシラン(以下PBPSと略す)が係る条件を満足さ
せ、高分子重合体に配合した場合著しく高い難燃効果が
付与されることを見いだし、本発明に到達したのであ
る。すなわち本発明は高分子重合体100重量部に対し
て、式1 で示されるビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニル
シランを3〜100重量部配合してなることを特徴とする
難燃性高分子組成物である。
優れた難燃性、高耐熱性および高分子との良好な相溶性
を有する難燃剤として好適に使用し得る化合物について
鋭意検討した結果、ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジ
フェニルシラン(以下PBPSと略す)が係る条件を満足さ
せ、高分子重合体に配合した場合著しく高い難燃効果が
付与されることを見いだし、本発明に到達したのであ
る。すなわち本発明は高分子重合体100重量部に対し
て、式1 で示されるビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニル
シランを3〜100重量部配合してなることを特徴とする
難燃性高分子組成物である。
以下、さらに詳細に説明する。本発明のビス(ペンタ
ブロモフェノキシ)ジフェニルシランはペンタブロモフ
ェノールとジハロゲノジフェニルシランとの反応等、通
常知られている反応により得ることができる。
ブロモフェノキシ)ジフェニルシランはペンタブロモフ
ェノールとジハロゲノジフェニルシランとの反応等、通
常知られている反応により得ることができる。
本発明において、式(1)の化合物を高分子用難燃剤
として配合するに際し対象となる高分子重合体は、特に
制限されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−グラフト塩化ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート−グラフト塩化ビニル共重合体、エチレン
−プロピレン−グラフト塩化ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリエチレン−グラフト塩化ビニル
共重合体、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体などの熱可塑性樹脂またはエラス
トマー、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化
性樹脂、およびブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリ
ルゴム、天然ゴム、シリコンゴム、クロロスルホン化ポ
リエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエステル
−エーテルエラストマーなどが例示される。これらの高
分子は一種単独で用いても、二種以上を併用してもよ
い。
として配合するに際し対象となる高分子重合体は、特に
制限されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−グラフト塩化ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート−グラフト塩化ビニル共重合体、エチレン
−プロピレン−グラフト塩化ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリエチレン−グラフト塩化ビニル
共重合体、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体などの熱可塑性樹脂またはエラス
トマー、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化
性樹脂、およびブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリ
ルゴム、天然ゴム、シリコンゴム、クロロスルホン化ポ
リエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエステル
−エーテルエラストマーなどが例示される。これらの高
分子は一種単独で用いても、二種以上を併用してもよ
い。
式(1)で示す化合物を高分子用難燃剤として利用す
る場合の添加量は、高分子100重量部に対して3〜100重
量部好ましくは10〜50重量部が選ばれる。その理由は3
重量部より少ない場合は、難燃効果が不十分であり、10
0重量部を越える場合はその増量効果がほとんど見られ
ないことによる。
る場合の添加量は、高分子100重量部に対して3〜100重
量部好ましくは10〜50重量部が選ばれる。その理由は3
重量部より少ない場合は、難燃効果が不十分であり、10
0重量部を越える場合はその増量効果がほとんど見られ
ないことによる。
式(1)で示す化合物を高分子用難燃剤として利用す
る場合の高分子への添加方法は特に規定されないが、例
えば高分子と難燃剤を混練りブレンドする方法、その混
合物を溶融成型する方法、高分子の重合終期に添加する
方法、あるいは高分子と難燃剤をそれぞれ溶液状態にし
たあと混合し、ついで貧溶媒で再沈させたり、溶媒を蒸
発せしめる方法等があげられる。
る場合の高分子への添加方法は特に規定されないが、例
えば高分子と難燃剤を混練りブレンドする方法、その混
合物を溶融成型する方法、高分子の重合終期に添加する
方法、あるいは高分子と難燃剤をそれぞれ溶液状態にし
たあと混合し、ついで貧溶媒で再沈させたり、溶媒を蒸
発せしめる方法等があげられる。
また、式(1)で示す化合物を高分子用難燃剤として
利用する場合、難燃効果を高める目的で難燃助剤(例え
ば三酸化アンチモン)や他の公知の難燃剤を併用しても
よい。また他の公知の添加剤(例えば、着色剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、界面活性剤、架橋
剤等)を必要に応じて配合しても差しつかえない。
利用する場合、難燃効果を高める目的で難燃助剤(例え
ば三酸化アンチモン)や他の公知の難燃剤を併用しても
よい。また他の公知の添加剤(例えば、着色剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、界面活性剤、架橋
剤等)を必要に応じて配合しても差しつかえない。
(発明の効果) 本発明のPBPSは、表1に示される様に既に開示されて
いるTBMS、TBPS、PBMS等のシラン化合物に比べ耐熱性及
び耐熱水性が著しく優れている。本発明の化合物を配合
した高分子組成物では、少量添加でも難燃効果が極めて
高く、また、耐熱性が優れており、成型時もしくは長期
保存時のブリードアウトの現象も認められない。
いるTBMS、TBPS、PBMS等のシラン化合物に比べ耐熱性及
び耐熱水性が著しく優れている。本発明の化合物を配合
した高分子組成物では、少量添加でも難燃効果が極めて
高く、また、耐熱性が優れており、成型時もしくは長期
保存時のブリードアウトの現象も認められない。
(実施例) 以下、実施例に従って本発明を更に詳しく説明するが
本発明はこれらのみにより限定されるものではない。
本発明はこれらのみにより限定されるものではない。
実施例 1 ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニ
ルシランの合成 塩化カルシウム管、パワースターラー、還流冷却器を
装備した2l丸底四つ口セパラブルフラスコにジメチルア
セトアミド(750ml)、ペンタブロモフェノール200.0g
(0.410mol)、ピリジン32.2g(0.410mol)を順次添加
し、撹はんすることにより均一溶液とした。後にジクロ
ロジフェニルシラン51.6g(0.205mol)を加え、80℃で
3時間還流した。冷却後メタノールを400ml加え生じた
沈殿をろ過した。沈殿をメタノール1000mlで通洗した
後、110℃で4時間乾燥することで白色結晶を得た。融
点280.2℃、収量141.9g、収率60.0%であった。また元
素分析値はC:24.7%、H:0.9%、Br:68.9%、(計算値C:
24.89%、H:0.88%、Br:69.05%)であり一致してい
た。またTSK GEL G-1000H(東ソー株式会社製)のカラ
ム(溶離液テトラヒドロフラン)による高速ゲル浸透液
体クロマトグラフィーによる分析で、純粋であることを
確認した。以上の事より式(1)の化合物が合成された
ことを確認した。
ルシランの合成 塩化カルシウム管、パワースターラー、還流冷却器を
装備した2l丸底四つ口セパラブルフラスコにジメチルア
セトアミド(750ml)、ペンタブロモフェノール200.0g
(0.410mol)、ピリジン32.2g(0.410mol)を順次添加
し、撹はんすることにより均一溶液とした。後にジクロ
ロジフェニルシラン51.6g(0.205mol)を加え、80℃で
3時間還流した。冷却後メタノールを400ml加え生じた
沈殿をろ過した。沈殿をメタノール1000mlで通洗した
後、110℃で4時間乾燥することで白色結晶を得た。融
点280.2℃、収量141.9g、収率60.0%であった。また元
素分析値はC:24.7%、H:0.9%、Br:68.9%、(計算値C:
24.89%、H:0.88%、Br:69.05%)であり一致してい
た。またTSK GEL G-1000H(東ソー株式会社製)のカラ
ム(溶離液テトラヒドロフラン)による高速ゲル浸透液
体クロマトグラフィーによる分析で、純粋であることを
確認した。以上の事より式(1)の化合物が合成された
ことを確認した。
比較例 1 ビス(トリブロモフェノキシ)ジメチルシ
ランの合成 塩化カルシウム管、パワースターラー、還流冷却器を
装備した4l丸底四つ口セパラブルフラスコにジメチルア
セトアミド(1500ml)、トリブロモフェノール300.0g
(0.907mol)、ピリジン71.2g(0.907mol)を順次添加
し、撹はんすることにより均一溶液とした。その後、ジ
クロロジメチルシラン56.1g(0.453mol)を加え、80℃
で3時間還流した。冷却後溶液を濃縮し、エタノール
(1000ml)の中へ投入した。生じた沈殿をろ過しエタノ
ール1000mlで通洗した後110℃で4時間乾燥することで
白色結晶を得た。融点116〜118℃、収量155.4g、収率4
8.4%であった。また元素分析値はC:23.5%、H:1.5%、
Br:66.6%、(計算値C:23.40%、H:1.40%、Br:66.80
%)であり一致していた。またTSK GEL G-1000H(東ソ
ー株式会社製)のカラム(溶離液テトラヒドロフラン)
による高速ゲル浸透液体クロマトグラフィーによる分析
で、純粋であることを確認した。以上の事よりTBMSが合
成されたことを確認した。
ランの合成 塩化カルシウム管、パワースターラー、還流冷却器を
装備した4l丸底四つ口セパラブルフラスコにジメチルア
セトアミド(1500ml)、トリブロモフェノール300.0g
(0.907mol)、ピリジン71.2g(0.907mol)を順次添加
し、撹はんすることにより均一溶液とした。その後、ジ
クロロジメチルシラン56.1g(0.453mol)を加え、80℃
で3時間還流した。冷却後溶液を濃縮し、エタノール
(1000ml)の中へ投入した。生じた沈殿をろ過しエタノ
ール1000mlで通洗した後110℃で4時間乾燥することで
白色結晶を得た。融点116〜118℃、収量155.4g、収率4
8.4%であった。また元素分析値はC:23.5%、H:1.5%、
Br:66.6%、(計算値C:23.40%、H:1.40%、Br:66.80
%)であり一致していた。またTSK GEL G-1000H(東ソ
ー株式会社製)のカラム(溶離液テトラヒドロフラン)
による高速ゲル浸透液体クロマトグラフィーによる分析
で、純粋であることを確認した。以上の事よりTBMSが合
成されたことを確認した。
比較例 2 ビス(トリブロモフェノキシ)ジフェニル
シランの合成 塩化カルシウム管、パワースターラー、還流冷却器を
装備した4l丸底四つ口セパラブルフラスコにジメチルア
セトアミド(1500ml)、トリブロモフェノール300.0g
(0.907mol)、ピリジン71.2g(0.907mol)を順次添加
し、撹はんすることにより均一溶液とした。後にジクロ
ロジフェニルシラン114.1g(0.453mol)を加え、80℃で
3時間還流した。冷却後溶液を濃縮し、エタノール(10
00ml)の中へ投入した。生じた沈殿をろ過し、エタノー
ル1000mlで通洗した後110℃で4時間乾燥することで白
色結晶を得た。融点165〜170℃、収量157.6g、収率48.4
%であった。また元素分析値はC:34.5%、H:1.5%、Br:
56.7%、(計算値C:34.20%、H:1.68%、Br:56.96%)
であり一致していた。またTSK GEL G-1000H(東ソー株
式会社製)のカラム(溶離液テトラヒドロフラン)によ
る高速ゲル浸透液体クロマトグラフィーによる分析で、
純粋であることを確認した。以上の事よりTBPSが合成さ
れたことを確認した。
シランの合成 塩化カルシウム管、パワースターラー、還流冷却器を
装備した4l丸底四つ口セパラブルフラスコにジメチルア
セトアミド(1500ml)、トリブロモフェノール300.0g
(0.907mol)、ピリジン71.2g(0.907mol)を順次添加
し、撹はんすることにより均一溶液とした。後にジクロ
ロジフェニルシラン114.1g(0.453mol)を加え、80℃で
3時間還流した。冷却後溶液を濃縮し、エタノール(10
00ml)の中へ投入した。生じた沈殿をろ過し、エタノー
ル1000mlで通洗した後110℃で4時間乾燥することで白
色結晶を得た。融点165〜170℃、収量157.6g、収率48.4
%であった。また元素分析値はC:34.5%、H:1.5%、Br:
56.7%、(計算値C:34.20%、H:1.68%、Br:56.96%)
であり一致していた。またTSK GEL G-1000H(東ソー株
式会社製)のカラム(溶離液テトラヒドロフラン)によ
る高速ゲル浸透液体クロマトグラフィーによる分析で、
純粋であることを確認した。以上の事よりTBPSが合成さ
れたことを確認した。
比較例 3 ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジメチル
シランの合成 塩化カルシウム管、パワースターラー、還流冷却器を
装備した4l丸底四つ口セパラブルフラスコにジメチルア
セトアミド(1500ml)、ペンタブロモフェノール200.0g
(0.410mol)、ピリジン32.2g(0.410mol)を順次添加
し、撹はんすることにより均一溶液とした。後にジクロ
ロジメチルシラン26.5g(0.205mol)を加え、80℃で3
時間還流した。冷却後メタノールを800ml加え生じた沈
殿をろ過した。沈殿をメタノール1000mlで通洗した後、
110℃で4時間乾燥することで白色結晶を得た。融点203
〜220℃、収量143.2g、収率67.6%であった。また元素
分析値はC:16.4%、H:0.6%、Br:77.1%、(計算値C:1
6.27%、H:0.59%、Br:77.33%)であり一致していた。
またTSK GEL G-1000H(東ソー株式会社製)のカラム
(溶離液テトラヒドロフラン)による高速ゲル浸透液体
クロマトグラフィーによる分析で、純粋であることを確
認した。以上の事よりPBPMが合成されたことを確認し
た。
シランの合成 塩化カルシウム管、パワースターラー、還流冷却器を
装備した4l丸底四つ口セパラブルフラスコにジメチルア
セトアミド(1500ml)、ペンタブロモフェノール200.0g
(0.410mol)、ピリジン32.2g(0.410mol)を順次添加
し、撹はんすることにより均一溶液とした。後にジクロ
ロジメチルシラン26.5g(0.205mol)を加え、80℃で3
時間還流した。冷却後メタノールを800ml加え生じた沈
殿をろ過した。沈殿をメタノール1000mlで通洗した後、
110℃で4時間乾燥することで白色結晶を得た。融点203
〜220℃、収量143.2g、収率67.6%であった。また元素
分析値はC:16.4%、H:0.6%、Br:77.1%、(計算値C:1
6.27%、H:0.59%、Br:77.33%)であり一致していた。
またTSK GEL G-1000H(東ソー株式会社製)のカラム
(溶離液テトラヒドロフラン)による高速ゲル浸透液体
クロマトグラフィーによる分析で、純粋であることを確
認した。以上の事よりPBPMが合成されたことを確認し
た。
実施例1及び比較例1〜3で得られた化合物の熱安定
性を、TGAにより下記条件で分析し結果を表1に示し
た。
性を、TGAにより下記条件で分析し結果を表1に示し
た。
また、結晶の耐熱水性を、以下の条件で調べた。結晶
5.0gを100mlの水に懸濁し還流した。6時間後に結晶を
ろ過しTSK GEL G-1000H(東ソー株式会社製)のカラム
(溶離液テトラヒドロフラン)による高速ゲル浸透液体
クロマトグラフィーによる分析で、純度を測定した。結
果はまとめて表1に示した。又、還流冷却器に昇華物
(トリブロモフェノール)が付着したものについては、
付着物ありと記した。
5.0gを100mlの水に懸濁し還流した。6時間後に結晶を
ろ過しTSK GEL G-1000H(東ソー株式会社製)のカラム
(溶離液テトラヒドロフラン)による高速ゲル浸透液体
クロマトグラフィーによる分析で、純度を測定した。結
果はまとめて表1に示した。又、還流冷却器に昇華物
(トリブロモフェノール)が付着したものについては、
付着物ありと記した。
実施例 2〜5 ポリプロピレン(チッソK7014、耐衝撃グレード)の
ペレットに、表2−1と表2−2に示した割合(各 重量部)の化合物を180℃で12分間ロール混練りした。
ロール混練り性については、樹脂または難燃剤のロール
への付着がなく難燃剤の分解がないものについて良とし
た。そして、ロールへの付着、難燃剤の分解が認められ
るものについては可とした。混練り物を200℃で2分間
加熱プレス(100kg/cm2)し、30℃、加圧下(100kg/c
m2)で5分間冷却し厚さ3mmのシートを得た。そのシー
トからJISK-7201-1972に従いOI(酸素指数)測定用の試
験片を作成しOIを、また厚さ3mmのUL94燃焼性試験片を
作成し、垂直燃焼試験をそれぞれ実施した。さらにプレ
ス成型後の3mm厚のシートを160℃で100時間放置し、放
置後のΔEの値(色差)を測定することで、耐熱性を評
価した。樹脂のひび割れが激しく、樹脂が黒色化し測定
不能な物については、不能とした。ブリードアウトにつ
いては、成型後のシートを30日間放置した後の表面状態
を目視で判断した。以上の結果をまとめて表2−1と表
2−2に示した。また難燃剤の配合部数と酸素指数の関
係は図1に示した。
ペレットに、表2−1と表2−2に示した割合(各 重量部)の化合物を180℃で12分間ロール混練りした。
ロール混練り性については、樹脂または難燃剤のロール
への付着がなく難燃剤の分解がないものについて良とし
た。そして、ロールへの付着、難燃剤の分解が認められ
るものについては可とした。混練り物を200℃で2分間
加熱プレス(100kg/cm2)し、30℃、加圧下(100kg/c
m2)で5分間冷却し厚さ3mmのシートを得た。そのシー
トからJISK-7201-1972に従いOI(酸素指数)測定用の試
験片を作成しOIを、また厚さ3mmのUL94燃焼性試験片を
作成し、垂直燃焼試験をそれぞれ実施した。さらにプレ
ス成型後の3mm厚のシートを160℃で100時間放置し、放
置後のΔEの値(色差)を測定することで、耐熱性を評
価した。樹脂のひび割れが激しく、樹脂が黒色化し測定
不能な物については、不能とした。ブリードアウトにつ
いては、成型後のシートを30日間放置した後の表面状態
を目視で判断した。以上の結果をまとめて表2−1と表
2−2に示した。また難燃剤の配合部数と酸素指数の関
係は図1に示した。
比較例4〜14 ポリプロピレン(チッソK7014、耐衝撃グレード)の
ペレットのみ、又は表2−1と表2−2に示した割合の
化合物を180℃で12分間ロール上で混練りした。混練り
物を200℃で2分間加熱プレス(100kg/cm2)し、30℃、
加圧下(100kg/cm2)で5分間冷却し厚さ3mmのシートを
得た。実施例2〜5と同様な方法で評価した結果を表2
−1と表2−2、及び図1に示した。
ペレットのみ、又は表2−1と表2−2に示した割合の
化合物を180℃で12分間ロール上で混練りした。混練り
物を200℃で2分間加熱プレス(100kg/cm2)し、30℃、
加圧下(100kg/cm2)で5分間冷却し厚さ3mmのシートを
得た。実施例2〜5と同様な方法で評価した結果を表2
−1と表2−2、及び図1に示した。
実施例 6〜9 高耐衝撃性ポリスチレン樹脂(出光スチロールHT50
以下HIPSと略す)に、表3に示した配合(各重量部)の
組成物を、東洋精機製作所ラボプラストミルでD20-25押
出機を用い、押出し温度220℃で押出しペレット化し
た。ペレットを230℃5分間加熱プレス(100kg/cm2)
し、30℃加圧下(100kg/cm2)で5分間冷却し、厚さ3mm
のシートを得た。そのシートからJISK-7201-1972に従
い、OI(酸素指数)測定用の試験片を作成しOIを、また 厚さ3mmのUL94燃焼性試験用の試験片を作成し、垂直燃
焼試験をそれぞれ実施した。またプレス成型後の3mm厚
のシートを120℃で50時間放置し、放置後のΔEの値
(色差)を測定することで、耐熱性を評価した。ブリー
ドアウトについては、成型後のシートを30日間放置した
後の表面状態を目視で判断した。以上の結果をまとめて
表3に示した。
以下HIPSと略す)に、表3に示した配合(各重量部)の
組成物を、東洋精機製作所ラボプラストミルでD20-25押
出機を用い、押出し温度220℃で押出しペレット化し
た。ペレットを230℃5分間加熱プレス(100kg/cm2)
し、30℃加圧下(100kg/cm2)で5分間冷却し、厚さ3mm
のシートを得た。そのシートからJISK-7201-1972に従
い、OI(酸素指数)測定用の試験片を作成しOIを、また 厚さ3mmのUL94燃焼性試験用の試験片を作成し、垂直燃
焼試験をそれぞれ実施した。またプレス成型後の3mm厚
のシートを120℃で50時間放置し、放置後のΔEの値
(色差)を測定することで、耐熱性を評価した。ブリー
ドアウトについては、成型後のシートを30日間放置した
後の表面状態を目視で判断した。以上の結果をまとめて
表3に示した。
比較例 15〜19 HIPS(出光スチロール HT-50)のみ、又は表3に示
した配合の組成物を東洋精機製作所ラボプラストミルで
D20-25押出機を用い、押出し温度220℃で押出しペレッ
ト化した。その後、実施例6〜9と同様な方法で評価し
た結果を表3に示した。
した配合の組成物を東洋精機製作所ラボプラストミルで
D20-25押出機を用い、押出し温度220℃で押出しペレッ
ト化した。その後、実施例6〜9と同様な方法で評価し
た結果を表3に示した。
図1は、実施例2〜5及び比較例4〜14で得られた各シ
ートの難燃剤の配合部数と酸素指数との関係を示す。
ートの難燃剤の配合部数と酸素指数との関係を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】高分子重合体100重量部に対して、式1 で示されるビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニル
シランを3〜100重量部配合してなることを特徴とする
難燃性高分子組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP133889A JP2775792B2 (ja) | 1988-03-25 | 1989-01-09 | ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニルシラン配合難燃性高分子組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6986688 | 1988-03-25 | ||
JP63-69866 | 1988-03-25 | ||
JP133889A JP2775792B2 (ja) | 1988-03-25 | 1989-01-09 | ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニルシラン配合難燃性高分子組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH021762A JPH021762A (ja) | 1990-01-08 |
JP2775792B2 true JP2775792B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=26334551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP133889A Expired - Lifetime JP2775792B2 (ja) | 1988-03-25 | 1989-01-09 | ビス(ペンタブロモフェノキシ)ジフェニルシラン配合難燃性高分子組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2775792B2 (ja) |
-
1989
- 1989-01-09 JP JP133889A patent/JP2775792B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH021762A (ja) | 1990-01-08 |
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