JP2825466B2 - 芳香族ジホスフェート含有難燃性熱安定性樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ジホスフェート含有難燃性熱安定性樹脂組成物

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JP2825466B2 JP11165796A JP11165796A JP2825466B2 JP 2825466 B2 JP2825466 B2 JP 2825466B2 JP 11165796 A JP11165796 A JP 11165796A JP 11165796 A JP11165796 A JP 11165796A JP 2825466 B2 JP2825466 B2 JP 2825466B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、芳香族ジホスフェー
ト含有難燃性熱安定性樹脂組成物に関する。この発明の
芳香族ジホスフェートは高純度であり、結晶性粉末で熱
可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に対し難燃剤、酸化防止
剤、可塑剤として効果を発揮する為、難燃性熱安定性の
付与及び/または成形加工性の向上を与えることができ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に難燃
性を付与するためには、樹脂成形品の調製時に難燃剤を
添加する方法が採用されている。難燃剤としては無機化
合物、有機リン化合物、有機ハロゲン化合物、ハロゲン
含有有機リン化合物などがある。上記化合物のうち優れ
た難燃効果を発揮するのは有機ハロゲン化合物およびハ
ロゲン含有有機リン化合物である。しかし、これらハロ
ゲンを含有する化合物は、樹脂成形時に熱分解してハロ
ゲン化水素を発生し金型を腐食させたり、樹脂自身を劣
化させ着色が起こる。さらに作業環境を悪化させるとい
う問題もある。また火災などによる燃焼に際して、人体
に有害なハロゲン化水素などの有毒ガスを発生するとい
う問題もある。
【0003】ハロゲンを含まない難燃剤としては、水酸
化マグネシウムなどの無機系の化合物がある。しかし、
これらの無機系の化合物は難燃効果が著しく低く、充分
な効果を得るためには多量に添加する必要がある。それ
によって樹脂本来の物性が損なわれるという欠点があ
る。
【0004】ハロゲンを含まず、比較的良好な難燃効果
が得られる難燃剤として、有機リン化合物が汎用されて
いる。代表的な有機リン化合物としてトリフェニルホス
フェート(TPP)がよく知られている。しかし、トリ
フェニルホスフェートは耐熱性に劣り、揮発性が高いと
いう欠点がある。
【0005】揮発性の低い有機リン化合物としては特公
昭51−19858号や特公平2−18336号に記載
されている縮合リン酸エステルがある。しかし、これら
のものもトリフェニルホスフェートよりは耐熱性は優れ
るものの、近年、開発が進んでいるエンジアリングプラ
スチック、さらにスーパーエンジニアリングプラスチッ
クなどの高機能プラスチックでは成形に300℃前後の
高い温度が必要とされ、このような高温には耐えられな
い。また、これらの特許に記載の縮合リン酸エステルは
液体状の化合物であるため、樹脂組成物の熱変形温度を
低下させるなど、樹脂物性の低下が著しい。
【0006】低揮発性でかつ耐熱性を有する難燃剤とし
てはアメリカ特許第4,134,876号に記載の、オル
ト位に立体障害基を持つ芳香族基を有する有機リン酸エ
ステルがある。この化合物は、 一般式:M2PO4[D−PO4−(M)]nM (式中、Mは芳香族モノヒドロキシ誘導体残基、Dは芳
香族ジヒドロキシ残基及びnは平均値が1〜5の間の
値)に示される芳香族ジホスフェートを含む縮合リン酸
エステル混合物である。当該特許は、主にn≧1の縮合
リン酸エステル混合物に関するものであり、実施例に示
されている有機リン酸エステルも全てn≧1の縮合リン
酸エステル混合物である。その形状は着色した樹脂状固
体あるいは固体であり、有機重合体に混合する場合、成
形加工性が良いとは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】低揮発性で熱安定性を
有する難燃剤として、上記芳香族ジホスフェートに着目
し、この化合物を高純度で、しかも成形加工性のよいも
のを製造し、すぐれた熱安定性、難燃性を示す芳香族ジ
ホスフェートを含有する難燃性組成物を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、一般
式(I):
【0009】
【化2】 (式中、R1、R2は低級アルキル基、Yは結合手、kは
0または1を示す)で表される芳香族ジホスフェート
と、熱可塑性樹脂(但し、ポリエステルを除く)または
熱硬化性樹脂とを含有する芳香族ジホスフェート含有難
燃性樹脂組成物が提供される。上記R1、R2において
「低級アルキル基」とは、直鎖または分枝状のC1-5
ルキル基であって、例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブ
チル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチ
ル、neo−ペンチル等があり、特にメチル基が好まし
い。この発明に用いられる芳香族ジホスフェートは、次
の方法で製造される。すなわち、一般式(II):
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1及びR2は、同一または異なっ
て低級アルキル基を示す。)で示されるオルト位に立体
障害基を有する芳香族モノヒドロキシ化合物とオキシハ
ロゲン化リンとをルイス酸触媒の存在下で反応させ、一
般式(III):
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1、R2は上記と同一定義、及び
Xはハロゲンを示す。)で示されるジアリールホスホロ
ハリデートを得、ついでこれに一般式(IV):
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R4は水素原子または低級アルキ
ル基を、Yは結合手を、kは0または1を示す。)で示
される芳香族ジヒドロキシ化合物をルイス酸触媒下に反
応させて一般式(I):
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R1、R2、Y、kは上記と同一意
義)で示される芳香族ジホスフェートが製造される。
【0018】これを反応図式で示すと次の通りである。 1.第1工程
【0019】
【化7】
【0020】2.第2工程
【0021】
【化8】
【0022】第1工程で用いられる芳香族モノヒドロキ
シ化合物(II)の具体例としては、2,6−キシレノー
ル、2,4,6−トリメチルフェノールなどが挙げら
れ、2,6−キシレノールが好ましい。
【0023】また、オキシハロゲン化リンとしては、オ
キシ塩化リンまたはオキシ臭化リンが挙げられ、オキシ
塩化リンが好ましい。
【0024】第2工程で用いられる芳香族ジヒドロキシ
化合物(IV)としては、ハイドロキノン、レゾルシン、
ピロカテコール、4,4’−ビフェノール、2,2’,
6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF
などが挙げられ、なかでもハイドロキノン、レゾルシ
ン、4,4’−ビフェノールが好ましい。反応に用いら
れるルイス酸触媒としては、第1工程では、塩化アルミ
ニウム、塩化マグネシウム、四塩化チタン、五塩化アン
チモン、塩化亜鉛、塩化スズなどが挙げられ、特に塩化
マグネシウムが好ましい。これらの化合物を2種以上混
合して使用してもよい。
【0025】第2工程に用いられる触媒としては、第1
工程の触媒をそのまま使用してもよいが、さらに添加し
てもよい。その場合には、塩化アルミニウムが好まし
い。またアミンを触媒として用いてもかまわない。アミ
ンとしては例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ンなどがある。
【0026】オキシハロゲン化リンは、化合物(II)に
対し、少なくとも0.5モル当量の割合で用いられる。
オキシハロゲン化リンは、通常化合物(II)の1モルに
対して、1〜1.2モル用いられる。
【0027】オキシハロゲン化リンが過剰であると、ア
リールホスホロジハリデートの副生割合が高くなり、第
2工程において芳香族ジヒドロキシ化合物との間で高次
の縮合物が副生する。オキシハロゲン化リンが過少であ
ると、トリアリールホスフェートの副生割合が高くな
り、いずれの場合にも生成物の純度が低下する。
【0028】また、化合物(IV)は、化合物(III)に対
し、0.5モル当量の割合で使用される。
【0029】第1工程の触媒の使用量はオキシハロゲン
化リンに対して0.1重量%以上、好ましくは0.5〜
2.0重量%の範囲である。
【0030】第2工程の触媒の使用量は第1工程で使用
されたオキシハロゲン化リンに対して0.1重量%以
上、好ましくは0.5〜5.0重量%の範囲である。
【0031】反応温度は、第1工程及び第2工程共に5
0〜250℃、好ましくは100〜200℃である。反
応により副生するハロゲン化水素を反応系外に除去し反
応を促進させる目的で、反応系内を減圧にしてもよい。
【0032】反応溶媒は、第1工程においては、必ずし
も必要としないが、任意に用いることができる。その場
合の溶媒としては、例えばキシレン、トルエン、クロル
ベンゼン、ジクロルベンゼンなどが挙げられる。
【0033】第1工程においては、反応生成物は通常9
9%以上の高純度であり、精製工程を経ずに第2工程に
用いることができる。
【0034】第2工程においては、反応終了後、反応物
中の触媒などの不純物は常法により洗浄除去される。例
えば、反応物を塩酸などの酸水溶液と接触させ、これら
の不純物を水溶液側に抽出することにより達成される。
この時、芳香族ジホスフェートが固体となることを防ぐ
目的と、その後の晶析溶媒をかねて、有機溶媒が添加さ
れる。用いられる有機溶媒としては芳香族ジホスフェー
トの溶解度が高温で高く、低温で低いものが好ましい。
例えばトルエン、キシレン、クロルベンゼン、ジクロル
ベンゼンなどがあるが、これらに限定されるものではな
い。また、これらを混合して使用してもかまわない。接
触時の温度は、室温から水溶液の沸点以下までであり、
有機溶媒の使用量は接触時の温度において、少なくとも
芳香族ジホスフェートの析出が起こらない量であればか
まわない。
【0035】洗浄された混合液は、そのまま冷却して結
晶を析出させ固体成分を濾過などの方法で分離するか、
あるいは溶液中に溶解または分散している水分を除去
後、結晶を析出させ固体成分を分離してもよい。得られ
た結晶は、そのまま乾燥して用いるか、あるいは、水、
メタノール、エタノールなどの、芳香族ジホスフェート
を実質上溶解しない溶剤で洗浄したのち乾燥して用いる
ことができる。
【0036】この発明の芳香族ジホスフェートは、熱可
塑性樹脂(但し、ポリエステルを除く)及び熱硬化性樹
脂に対し、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤として効果を発
揮するため、難燃性、熱安定性を付与し及び/または成
型加工性を向上さすことができる。亦、樹脂物性の低下
が少ない。
【0037】この発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、塩素化ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン、スチレン系樹脂、耐衝撃性ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ACS樹脂、AS樹脂、AB
S樹脂、変性ポリフェニレンオキシド、ポリメチルメタ
クリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリア
リレート、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルニトリ
ル、ポリチオエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾー
ル、ポリカルボジイミド、液晶ポリマー、複合化プラス
チックなどがある。熱硬化性樹脂としては、ポリウレタ
ン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和
ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂などがある。上
記樹脂は1種または2種以上が混合されて用いられても
よい。
【0038】本発明の難燃性組成物は、必要に応じて各
種添加剤、例えば他の難燃剤、酸化防止剤、充填剤、滑
剤などを含有してもよい。使用される芳香族ジホスフェ
ートの種類および量は、使用される樹脂、必要とされる
難燃性の度合に応じて適宜決定される。芳香族ジホスフ
ェートは、通常、上記樹脂100重量部に対して、0.
1〜100重量部の割合で用いられる。
【0039】本発明の難燃性組成物は、芳香族ジホスフ
ェート、上記樹脂および必要に応じて上記添加剤を公知
の方法により混練し、成形することにより調製される。
芳香族ジホスフェートは、例えば、上記樹脂を塊状重合
により製造するときに仕込まれる単量体とともに添加さ
れ;樹脂の塊状重合の反応終期に添加され;樹脂の成形
時に添加され;あるいは、フィルム、繊維などの樹脂製
品の表面に溶液もしくは分散液として塗布されることに
より付与される。
【0040】樹脂組成物の調製時の作業性の面からは、
難燃剤の形状として、樹脂との混練効果の良い粉体のも
のが好ましいが、この発明に用いられる芳香族ジホスフ
ェートは、98%以上の高純度の粉末である。また、エ
ンジニアリングプラスチック、それ以上の機能を持つス
ーパーエンジニアリングプラスチックの成形加工には前
述したように高温が必要とされるが、上記化合物は熱安
定性にすぐれ、成形加工時の高温に耐え、樹脂に適度な
可塑性を与え、加工性を改良できる。
【0041】
【実施例】
参考例1 4つ口フラスコに攪拌機、温度計、滴下ロート、および
水スクラバーを連結したコンデンサーを取り付け、この
フラスコに244gの2,6−キシレノール、20gの
キシレン、1.5gの塩化マグネシウムを入れ、加熱、
混合した。反応液の温度が120℃に達した時点で、オ
キシ塩化リン153gを約2時間に亘って添加した。こ
のとき発生した塩酸ガスは水スクラバーへ導いた。オキ
シ塩化リンの添加が終了した後、反応液の温度を徐々に
180℃まで2時間かけて上昇させて反応を完結させ
た。得られたジ(2,6−キシリル)ホスホロクロリデ
ートの収率は99.7%であった。ガスクロマトグラフ
ィーで分析した生成物中の有機リン化合物の組成比およ
び収率を表1に示す。
【0042】後述の参考例2〜4、および参考比較例1
〜2で得られた生成物についての結果も同時に表1に示
す。
【0043】
【表1】
【0044】参考例2 塩化マグネシウムに代えて塩化アルミニウムを用いたこ
と以外は、参考例1と同様にしてジ(2,6−キシリ
ル)ホスホロクロリデートを得た。
【0045】参考例3 オキシ塩化リン153gに代えてオキシ臭化リン393
gを用いたこと以外は、参考例1と同様にしてジ(2,
6−キシリル)ホスホロブロミデートを得た。
【0046】参考例4 2,6−キシレノール244gに代えて2,4,6−ト
リメチルフェノール272gを用いたこと以外は、参考
例1と同様にしてジ(2,4,6−トリメチルフェニ
ル)ホスホロクロリデートを得た。
【0047】参考比較例1 2,6−キシレノール244gに代えてフェノール18
8gを用いたこと以外は、参考例1と同様にしてジフェ
ニルホスホロクロリデートを得た。
【0048】参考比較例2 2,6−キシレノールに代えて3,5−キシレノールを
用いたこと以外は、参考例1と同様にしてジ(3,5−
キシリル)ホスホロクロリデートを得た。
【0049】参考例5〜7においては、参考例1の方法
により得たジ(2,6−キシリル)ホスホロクロリデー
トを用いた。
【0050】参考例5 4つ口フラスコに攪拌機、温度計、および水スクラバー
を連結したコンデンサーを取り付け、このフラスコに3
45gのジ(2,6−キシリル)ホスホロクロリデー
ト、55gのハイドロキノン、1.5gの塩化アルミニ
ウムを入れ、加熱、混合し、反応液の温度を徐々に18
0℃まで2時間かけ上昇させて脱塩酸反応を行なった。
同温度にて2時間熟成後、200mmHg減圧下でさら
に2時間熟成を行ない、反応を完結させた。反応液にキ
シレン500g、10%塩酸水200gを添加し、攪拌
して残存する触媒などを除去し、さらに水洗を行なった
後、攪拌しながら室温まで冷却して結晶を析出させた。
析出した結晶を濾過により分離し、メタノール200g
で洗浄した後100℃にて減圧乾燥した。得られた結晶
は、白色の結晶性粉末であり、収量は326g、収率は
95%であった。ゲルパーミエイションクロマトグラフ
ィーで分析したところ、得られた結晶の純度は98.5
%であり、下記式に示す構造を有している(これを化合
物1とする)。融点は171〜172℃であった。得ら
れた結晶の収量、収率、純度および融点を表2に示す。
参考例6〜7で得られた生成物の結果も同時に表2に示
す。
【0051】
【化9】
【0052】
【表2】
【0053】参考例6 ハイドロキノンに代えてレゾルシンを用いたこと以外
は、参考例4と同様にして下記式に示す白色粉末の芳香
族ジホスフェートを得た(これを化合物2とする)。
【0054】
【化10】
【0055】参考例7 ハイドロキノン55gに代えて4,4’−ビフェノール
93gを用い、キシレンの代わりにジクロルベンゼンを
用いたこと以外は、参考例4と同様にして下記式に示す
白色粉末の芳香族ジホスフェートを得た(これを化合物
3とする)。
【0056】
【化11】
【0057】実施例1 ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキサ
イド60部、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン40部から
なる樹脂に、参考例5〜7で得た難燃剤10部を添加
し、ミキサーで混合後、300℃に保持した押し出し機
を通してコンパウンディングペレットを得た。このペレ
ットを射出成形機にいれ、290〜300℃で成形し、
試験片を得た。この試験片を用いて難燃性、変色性、熱
変形温度、アイゾット衝撃強度、引っ張り強度を測定し
た。これらの結果を表3に示す。後述の比較例3の結果
もあわせて表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】比較例1 TPPおよび下記構造式の化合物を難燃剤として用いて
試験片を得たこと以外は実施例1と同様である。
【0060】
【化12】
【0061】
【化13】
【0062】実施例2 ポリカーボネート樹脂100部に参考例5〜7で得た難
燃剤10部を添加し、ミキサーで混合後、280℃に保
持した押し出し機を通してコンパウンディングペレット
を得た。このペレットを射出成形機にいれ、260〜2
80℃で成形し、試験片を得た。この試験片を用いて実
施例1と同様にして難燃性、変色性、熱変形温度、アイ
ゾット衝撃強度、引っ張り強度を測定した。これらの結
果を表4に示す。後述の比較例2の結果もあわせて表4
に示す。
【0063】
【表4】
【0064】比較例2 TPPおよび化合物4〜5を難燃剤として用いて試験片
を得たこと以外は実施例2と同様である。
【0065】実施例3 ポリフェニレンスルフィド樹脂100部に参考例5〜7
で得た難燃剤10部を添加し、ミキサーで混合後、35
0℃に保持した押し出し機を通してコンパウンディング
ペレットを得た。このペレットを射出成形機にいれ、3
30〜350℃で成形し、試験片を得た。この試験片を
用いて難燃性、変色性、メルトフローレートを測定し
た。これらの結果を表5に示す。後述の比較例3の結果
もあわせて表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】比較例3 TPPおよび化合物4〜5を難燃剤として用いて試験片
を得たこと以外は実施例3と同様である。 難燃性 UL−94の試験法により、試験片の難燃性を判定し
た。難燃性V−0、V−1、V−2およびHBの4種類
に分類した。 変色性 試験片の変色を目視により判定した。 熱変形温度 ASTM規格D−648に準じ、荷重18.6kg/cm2
測定した。 アイゾット衝撃強度 ASTM規格D−256に準じて測定した。 引っ張り強度 ASTM規格D−638に準じて測定した。 メルトフローレート JIS規格K7210に準じ、測定温度330℃、荷重
5kg、操作Aにより測定した。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、熱安定性に優れた芳香
族ジホスフェートを98%以上の高純度で、かつ樹脂組
成物の調製時の作業性の良好な粉末として経済的に製造
することが可能である。この芳香族ジホスフェートは各
種熱可塑性樹脂(但し、ポリエステルを除く)または熱
硬化性樹脂と混合したときに該上記樹脂に優れた難燃性
を付与し得る。この芳香族ジホスフェートは熱安定性に
優れ、又酸化防止剤として効果を発揮する為、成形加工
時の熱分解による樹脂の着色および劣化がなく上記樹脂
の物性を低下させることが極めて少ない。またこの芳香
族ジホスフェートは加工性の劣るエンジニアリングプラ
スチック、スーパーエンジニアリングプラスチックに適
度な可塑性を付与し、該プラスチックの成形加工性を著
しく改善し得る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1、R2は、低級アルキル基、Yは結合手、k
    は0または1を示す)で示される芳香族ジホスフェート
    化合物と、熱可塑性樹脂(但し、ポリエステルを除く)
    または熱硬化性樹脂とを含有する芳香族ジホスフェート
    含有難燃性熱安定性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂(但し、ポリエステルを除
    く)または熱硬化性樹脂100重量部に対して請求項1
    に記載の芳香族ジホスフェート化合物が0.1〜100
    重量部の割合で含有される、請求項1に記載の芳香族ジ
    ホスフェート含有難燃性熱安定性樹脂組成物。
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