JP4707130B2 - 高分子難燃剤およびそれを含む難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は高分子難燃剤、特にオレフィン系、スチレン系プラスチックのような可燃性熱可塑性樹脂製品の難燃化に使用する難燃剤に関する。本発明はまた、そのような難燃剤を含む熱可塑性樹脂組成物にも関する。
【0002】
【背景技術および課題】
ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるオレフィン系およびポリスチレンおよびABS樹脂に代表されるスチレン系熱可塑性樹脂は、比較的安価で成形が容易であることのほかに、適度の機械的強度を有し、絶縁性、光沢、着色性などにも優れているため電気電子部品、機械部品、自動車部品、建築材料、容器等に広く使用されている。しかしながらこれらの樹脂は主として炭素と水素から構成されているため燃え易く、かつ発熱量が高く、燃焼速度が速いため一旦発火すると大きな被害に発展する可能性がある。そのため多くの分野において法令またはこれに準ずる規格によって義務づけられている部品の難燃度に合格するためには難燃剤を用いてこれら可燃性樹脂を難燃化しなければならない。
【0003】
この目的に使用し得る難燃剤は、例えば金属の酸化物、水酸化物および塩、有機リン化合物、有機ハロゲン化合物、有機リン・ハロゲン化合物などであり、そのうち臭素を含む有機ハロゲン化合物および有機リン・ハロゲン化合物がすぐれた難燃効果の故に多く使用されている。多くの含ハロゲン有機化合物もしくは含ハロゲン有機リン化合物系の難燃剤が知られているが、これらは高い難燃効果を発揮することのほかに、添加したプラスチック製品の物性特に耐衝撃性を含む機械的強度に許容できないほど悪影響しないこと、および加工時樹脂本来の作業性例えばメルトフローや性能に大きく悪影響しないことが求められる。例えばリサイクルした際の物性低下や変色が少ない十分な熱安定性が求められる。
【0004】
従来の難燃剤はこの点において以下の一または二以上の欠点を持っている。
−熱可塑性樹脂との相溶性が低いための樹脂に均一に混和せず、本来の難燃効果が発揮されず、かつ製品の物性を許容できないレベルへ低下させる。
−製品から経時的に難燃剤がブリードする。
−樹脂の成形加工時の熱安定性か不十分であり、ヤケが発生する。
−可塑剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、熱安定剤、光安定剤などの他の添加剤の作用を阻害する。
−樹脂製品の耐光性を低下させる。
【0005】
例えばヘキサブロモシクロドデカンに代表される脂環族臭素化合物、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェートに代表される含臭素有機リン酸エステルは、難燃効果においてすぐれているものの難燃剤自体の熱安定性に劣るため樹脂の着色および物性低下や、金型腐食の問題などがある。
【0006】
これに対し例えばテトラブロモビスフェノールA、デカ−もしくはオクタブロモジフェニルエーテル、1,2−ビス(ポリブロモフェノキシ)エタン、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエンなどの芳香族臭素化合物は脂環族臭素化合物に比較して熱安定性は良好である。従ってこれらは比較的高い成形温度を必要とする樹脂にも使用可能であるが、難燃効果に劣るため比較的多量に配合することを要し、そのため製品の物性を低下させる。
【0007】
このように一般に難燃剤の難燃効果と熱安定性とは両立し難い性質である。そこで脂肪族臭素化合物と芳香族臭素化合物の折衷型難燃剤として、フランス特許第1541271号およびドイツ特許第2046795号はテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)を開示する。しかしながらこのものは耐光性が不十分でポリプロピレンなどのオレフィン系熱可塑性樹脂に配合した場合ブリードを発生する。
【0008】
複数のトリブロモネオペンチル基を有するエステル類、例えばリン酸エステル(特公昭46−6865)、トリメリテートエステルおよびテレフタレートエステル(米国特許第3772342号)、フタレートエステル(WO91/13858)は高い難燃効果と熱安定性を有するもののポリオレフィン系熱可塑性樹脂に配合した場合ブリードが発生する問題を解決しない。
【0009】
樹脂との相溶性を改善し、物性低下およびブリードを防止するため高分子量化した難燃剤も提案されている。実用化されているそれらの例には塩素化ポリエチレン、臭素化ポリスチレン、トリブロモフェノール縮合物、臭素含有エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートなどがある。これらに加え、トリブロモネオペンチルアクリレートの単独重合体(米国特許第3165502号)、アクリロニトリルとの共重合体(米国特許第3480600号)、アクリロニトリルおよびスチレンとの三元共重合体(特開昭50−40656)、スチレン系モノマーとの共重合体(EP57535)およびメチルメタクリレートとの共重合体(DE2654954)、トリブロモネオペンチルメタクリレートのメチルアクリレートおよびメチルメタクリレートとの三元共重合体(DE2335368)、スチレンとの共重合体(米国特許第4219630号)が高分子難燃剤として開示されている。また、ペンタブロモベンジルアクリレートの単独重合体がスチレン系およびオレフィン系熱可塑性樹脂の難燃剤として開示され(特開昭51−135997)、該モノマーとトリブロモスチレンおよび/又はトリブロモフェニルマレイミドとの共重合体がポリカーボネート樹脂の難燃剤として開示されている(特開平4−234455)。しかしながらこれらの既知の高分子難燃剤は近似の骨格構造を有する樹脂に対しては相溶性が良いが、他の樹脂に対してはそうでなく、特にオレフィン系熱可塑性樹脂に配合した場合分散不良による成形品の外観や耐衝撃性などの物性低下を招く。
【0010】
従って本発明の課題は上に述べた既知の難燃剤の欠点を解消ないし緩和することができる高分子難燃剤、特にオレフィン系およびスチレン系熱可塑性樹脂用の高分子難燃剤を提供することである。
【0011】
【課題の解決方法】
本発明に従い、繰り返し単位としてa)1,2−エチレン鎖およびb)式1
【化2】
(式中R1 は水素又はメチル、R2 はハロゲン化炭化水素残基である。)のハロゲン含有エステル鎖を含んでいる共重合体よりなる高分子難燃剤が提供される。
【0012】
本発明はまた、可燃性熱可塑性樹脂100重量部あたり、上の高分子難燃剤2ないし100重量部を配合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【0013】
【詳論】
本発明の高分子難燃剤を構成する共重合体は、a)1,2−エチレン鎖に相当するモノマーすなわちエチレンと、b)式1のエテスル鎖に相当するモノマーすなわちアクリル酸もしくはメタクリル酸のハロゲン化炭化水素エステルとの共重合体である。ハロゲン化炭化水素基としては臭素化炭化水素基、例えばトリブロモネオペンチル基、ペンタブロモベンジル基又はジブロモプロピル基などが好ましい。
【0014】
共重合体は対応するモノマー混合物のラジカル共重合によって製造することもできようが、簡便な方法は既製のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はエチレン−(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル共重合体から出発する方法である。他方の原料はハロゲン化炭化水素基に相当するアルコール又はその反応性誘導体例えばブロマイドである。エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体はハロゲン化炭化水素基に対応するアルコール又はその反応性誘導体例えばハライドによるエステル化反応によってそのカルボキシル基をハロゲン化炭化水素基でエステル化することができる。エステル化剤としてアルコールを使用する場合はp−トルエンスルホン酸のような酸触媒が、ハライドでエステル化する場合は水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのような酸結合剤の存在が必要である。エチレンと(メタ)アクリル酸メチルもしくはエチルのような低級アルキルエステルの共重合体は、ハロゲン化炭化水素基に対応するアルコールとのエステル交換反応によってエステル残基をハロゲン化炭化水素基に交換することができる。この場合もp−トルエンスルホン酸のような酸触媒の存在を必要とする。反応条件は有機合成の分野で良く知られている。出発原料中の遊離カルボキシル基又は低級アルキルエステル基の全部がハロゲン化炭化水素基でエステル化又はエステル交換されることが好ましいが、反応後の共重合体の繰り返し単位b)およびハロゲン含有量が以下述べるレベルである限り未反応カルボキシル基又は低級アルキルエステル基の存在は許される。
【0015】
出発原料のエチレン共重合体の(メタ)アクリル酸またはその低級アルキルエステルモノマーの割合は、ハロゲン化炭化水素試薬でエステル化後の共重合体のハロゲン化炭化水素エステル繰り返し単位が10ないし80重量%となるような割合であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素エステル繰り返し単位の割合があまり多いと樹脂との相溶性が低く、反対に少な過ぎると難燃効果が低くなるからである。また難燃化しようとする樹脂の本来の物性に許容できない程悪影響することない配合量で所望の難燃性レベルを達成するためにはハロゲン化炭化水素エステル化試薬でエステル化後の共重合体のハロゲン含有量が高い程望ましいが、一般にこのハロゲン含有量は5重量%以上60重量%以下の範囲内であろう。
【0016】
(メタ)アクリル酸又はその低級アルキルエステルを含む出発共重合体のハロゲン化炭化水素エステル化に使用し得るエスルテ化試薬の例は、2,3−ジクロロプロピルアルコール、2,3−ジクロロ−2−メチルプロピルアルコール、3−クロロ−2,2−ビス(クロロメチル)プロピルアルコール、ジクロロフェノキシエチルアルコール、トリクロロフェノキシエチルアルコール、ジクロロフェノキシポリオキシエチレンオキシエチルアルコール、トリ−、テトラ−もしくはペンタクロロベンジルアルコール、これらアルコールの塩素の代りに臭素が結合した対応するアルコール、ジブロモメチルフェノキシエチルアルコール、ジブロモメチルフェノキシポリオキシエチレンオキシエチルアルコール、およびこれらアルコール類の塩化物又は臭化物である。トリブロモネオペンチルアルコール、ペンタブロモベンジルアルコール、ジブロモプロピルアルコール、これらのブロマイドが入手し易い。
【0017】
本発明の高分子難燃剤によって難燃化するのに適した可燃性熱可塑樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレンターポリマー(EPDM)など、およびスチレン系熱可塑性樹脂例えばポリスチレン、高耐衝撃性ポリスチレン(HI−ポリスチレン)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、セグメント化スチレン−ブタジエンもしくはイソプレン共重合体(SBS)などである。
【0018】
本発明の高分子難燃剤の配合量はそのモノマー組成と、ハロゲン含有量、難燃化を望む熱可塑性樹脂のタイプなどによって変動するが、一般に熱可塑性樹脂100重量部あたり2ないし100重量部、好ましくは2ないし20重量部である。最適の配合量は所望の難燃度と成形品の物性との間のバランスが最適になるように日常的なテストを行って容易に決定することができる。
【0019】
組成物は任意に無機系の難燃助剤を含むことができる。それらの例は三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化スズ等である。中でも三酸化アンチモンは有機ハロゲン系難燃剤の難燃助剤として良く知られており、本発明においてもこれを使用することが好ましい。使用する場合、難燃助剤の配合量は熱可塑性樹脂100重量部あたり10重量部以下、または本発明の高分子難燃剤の0.1倍ないし等倍量が適当である。
【0020】
本発明の難燃性樹脂組成物は、熱安定剤、酸化防止剤、UV安定剤、充填剤、顔料などの慣用の他の添加剤を勿論含むことができる。組成物は常法により樹脂と添加成分を加熱混合することによって製造することができる。すなわち樹脂に添加成分の全部を混合するか、または添加成分の一部を予備混合した後残りの成分を混合し、2軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロールなどを用いて加熱混練して均一な組成物とし、射出成形機やプレス等の成形機を使って所望の成形品に成形することができる。
【0021】
【実施例】
以下に限定を意図しない製造例および実施例によって本発明の具体例を示す。これらにおいて「部」および「%」は特記しない限り重量基準による。なお、製造例2および実施例2は参考例である。
【0022】
製造例1
攪拌機、検水管、還流管、窒素導入管及び温度計を有するフラスコにプリマコール5990(エチレン・アクリル酸共重合体、酸価157mgKOH/g、ダウケミカル日本製)100g、ジクロロベンゼン200g、トリブロモネオペンチルアルコール(デッドシーブロミングループ製)91gおよびパラトルエンスルホン酸6gを仕込み、窒素を吹き込みながら加熱攪拌した。90℃でほぼ均一な溶液となり、160℃で検水管に水の留去が観測され、同温度で5時間反応を継続すると検水管に4.5mlの水が捕捉された。フラスコ内容物をホモジナイザーで攪拌されているメタノール1L中に少しずつ添加し、更に1時間攪拌を続けた。析出した沈澱を濾過、乾燥してエチレン・トリブロモネオペンチルアクリレート共重合体(共重合体A)を得た。IR測定では、原料プリマコール5990のカルボン酸のカルボニルによる吸収1705cm-1が消失して、1741cm-1にエステル性カルボニルの吸収が出現した。また、この化合物は237nmUV検出器としたGPC測定で、重量平均分子量約43,000(ポリスチレン標準)、トリブロモネオペンチルアルコール0.2%以下であることが確認された。酸素燃焼フラスコ法で測定した臭素含有量は、34.1重量%であった。示差熱分析では、65.4℃に吸熱ピークを有し、1%,5%,10%,50%減量温度はそれぞれ324,351,361,407℃であった。
【0023】
製造例2
攪拌機、検水管、還流管及び温度計を有するフラスコにプリマコール5990(エチレン・アクリル酸共重合体、酸価157mgKOH/g、ダウケミカル日本製)53.8g、85%粒状水酸化カリウム9.9g、ジオキサン200gを仕込み、90〜100℃で3時間攪拌すると水酸化カリウムが完全に溶解して、内溶液が透明均一となった。これにペンタブロモベンジルブロマイド(テトラブロモベンジルブロマイドを約2%含有する)84.9gを投入し、100℃でジオキサンを還流させながら反応を行った。反応の進行と共に系内は副生する臭化カリウムによる濁りが増し、6時間後のIR測定では、1605cm-1のカルボン酸カリウム塩由来の吸収が完全に消失したので反応を終了した。フラスコ内容物をメタノール1L中にホモジナイザー攪拌下に投入し、析出した沈殿を濾過した。濾過して得られた粗製物をトルエン200mlに溶解して再度メタノール1L中に再沈し、濾過、乾燥して117gの共重合体Bを得た。IR測定ではプリマコール5990に検出されたカルボン酸のカルボニル1705cm-1及びカルボン酸カリウム塩の1605cm-1の吸収が完全に消失し、1736cm-1にエステルの吸収が認められた。酸素燃焼フラスコ法で測定した臭素含有量は、47.5重量%であった。示差熱分析では、65.4℃に吸熱ピークを有し、1%,5%,10%,50%減量温度はそれぞれ309,343,358,402℃であった。
【0024】
製造例3
攪拌機、検水管、還流管、窒素導入管及び温度計を有するフラスコにEVAFLEX−EEA A709(エチレン・アクリル酸エチル共重合体、MI=25、三井デュポンポリケミカル製)50.0g、キシレン150g、パラトルエンスルホン酸2g、ジブロモプロパノール65gを仕込み窒素を吹き込みながら内温を約160℃に加熱し、捕捉された量とほぼ同量の新しいキシレンを追加しながら系内のキシレンを蒸留回収した。キシレンを300g回収した後に内容液を冷却して、メタノール1L中にホモジナイザー攪拌下に投入し、析出した沈殿を濾過した。濾過して得られた沈殿を乾燥して94gの共重合体Cを得た。IR測定では1740cm-1のエステル基由来の吸収が保持されていた。酸素燃焼フラスコ法で測定した臭素含有量は、42.6重量%であった。示差熱分析では、約90℃に吸熱ピークを有し、1%,5%,10%,50%減量温度はそれぞれ261,302,318,438℃であった。
【0025】
実施例1〜3、比較例1〜3
HI−PS樹脂(東洋スチロールH−650)100部に対して、表1に示した添加物を所定量配合して、2軸押出し機にて混練し、コンパウンドを射出成形によって測定用成形体を作成した。後述する試験方法に従って、難燃性、耐衝撃性、熱安定性、耐光性の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0026】
実施例4〜6、比較例4〜7
PP樹脂(トクヤマポリプロME−230)100部に対して、表2に示した添加物を所定量配合して、2軸押出し機にて混練し、コンパウンドを射出成形によって測定用成形体を作成した。後述する試験方法に従って、難燃性、耐衝撃性、熱安定性、耐光性及びブリードアウトの測定を行った。その結果を表2に示す。
【0027】
試験方法は以下の通りである。
難燃性試験:
UL−94垂直燃焼法に従って行った。試験片の厚みは、HI−PS樹脂においては3.2mm、PP樹脂においては1.6mmで行った。
耐衝撃性試験:
JIS K7110に従って行った。試験片のサイズは64.0×3.2×12.7mm試験片、ノッチ付きで行った。
熱安定性試験:
HI−PS樹脂成形体(50×50×3.2mm試験片)を240℃の熱プレスで30分間、150kg/cm2 加圧した時の樹脂着色の増加を色差計で測定してΔEで表した。
UV安定性:
HI−PS樹脂成形体(UL−94試験片,厚み3.2mm)をキセノンウェザオメーター(アトラスCi35A,アトラス社製)を用いて、0.35W/m2 の照度で300時間UV照射後の着色を色差計で測定してΔEで表した。温度はブラックパネルで測定して60℃に設定した。
ブリード試験:
PP樹脂成形体(50×50×3.2mm試験片)を80℃のオーブンに7日間置いた。成形体表面をイソプロピルアルコールで良く拭き取り、拭き取り前後の重量変化から次式で求めた。
ブリード量(%)=100×(IPA拭き取り前後の重量減少)/(IPA拭き取り前の重量)
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
Claims (7)
- 共重合体中のハロゲン含有エステル鎖の割合が10ないし80重量%であり、ハロゲン含有量が5ないし60重量%である請求項1の高分子難燃剤。
- ハロゲンが臭素である請求項1または2の高分子難燃剤。
- 可燃性熱可塑性樹脂100重量部あたり、請求項1ないし3のいずれかの高分子難燃剤2ないし100重量部を配合してなる難燃性熱可塑性樹脂組成物。
- 可燃性熱可塑性樹脂は、エチレン、プロピレンおよび/又はスチレンを含む重合体又は共重合体である請求項4の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
- 可燃性熱可塑性樹脂100重量部あたり、無機難燃助剤10重量部までをさらに含んでいる請求項4又は5の難燃性樹脂組成物。
- 無機難燃助剤が三酸化アンチモンである請求項6の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
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