JP2002307128A - 耐焼付き性および耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具 - Google Patents
耐焼付き性および耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐焼付き性、耐摩耗性に優れる温熱間加工用
被覆工具を提供する。 【解決手段】 熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼を母材と
する、少なくとも作業面に被覆層を有す温熱間加工用工
具であって、該被覆層の最表層は、硫化物であるa層で
あり、かつTi、V、Cr、Al、Siから選んだ1種もしくは2
種以上の金属元素が主体の窒化物、炭化物、炭窒化物の
1種以上からなるb層が、母材直上にある温熱間加工用被
覆工具である。なお、硫化物である本発明のa層は、金
属組成のみの原子%で、Ti、Crの1種もしくは2種が合計
で50%以下、実質的に残部Moであり、層厚を0.5〜10μm
とすることが望ましい。更に上記被覆層は物理蒸着法に
より被覆されたことが望ましく、被覆母材は母材最表面
から25μmの深さにおける硬さが、母材最表面から500μ
mの深さにおける硬さに比べ、200HV0.2以上高いことが
望ましい。
被覆工具を提供する。 【解決手段】 熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼を母材と
する、少なくとも作業面に被覆層を有す温熱間加工用工
具であって、該被覆層の最表層は、硫化物であるa層で
あり、かつTi、V、Cr、Al、Siから選んだ1種もしくは2
種以上の金属元素が主体の窒化物、炭化物、炭窒化物の
1種以上からなるb層が、母材直上にある温熱間加工用被
覆工具である。なお、硫化物である本発明のa層は、金
属組成のみの原子%で、Ti、Crの1種もしくは2種が合計
で50%以下、実質的に残部Moであり、層厚を0.5〜10μm
とすることが望ましい。更に上記被覆層は物理蒸着法に
より被覆されたことが望ましく、被覆母材は母材最表面
から25μmの深さにおける硬さが、母材最表面から500μ
mの深さにおける硬さに比べ、200HV0.2以上高いことが
望ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温間ないしは熱間
で金属同士の摺動を伴う環境にて使用される鍛造用金型
等の温熱間加工用被覆工具に関するものである。
で金属同士の摺動を伴う環境にて使用される鍛造用金型
等の温熱間加工用被覆工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、温熱間加工用工具には、主にJI
Sに規定されるSKD61、SKT4といった熱間金型
用鋼が広く用いられており、特に耐久性を要求される用
途には、これらよりも高温強度の高いSKD7、SKD
8、高速度工具鋼あるいはこれらの改良鋼が使用されて
いる。
Sに規定されるSKD61、SKT4といった熱間金型
用鋼が広く用いられており、特に耐久性を要求される用
途には、これらよりも高温強度の高いSKD7、SKD
8、高速度工具鋼あるいはこれらの改良鋼が使用されて
いる。
【0003】例えば、温熱間鍛造用金型(以下、金型と
記す)においては、近年の、加工効率の向上、被加工製
品の高精度化、ニアネットシェイプ化の要求に対し、金
型の靭性を保持するとともに、金型作業面の耐摩耗性、
耐焼付き性、耐ヒートクラック性を向上させる目的で、
プラズマ法、塩浴法、ガス法等による窒化処理や、アー
クイオンプレーティング法等の物理蒸着法(以下、PV
D法と記す)による皮膜が窒化処理と組み合わされて適
用されるようになってきた。
記す)においては、近年の、加工効率の向上、被加工製
品の高精度化、ニアネットシェイプ化の要求に対し、金
型の靭性を保持するとともに、金型作業面の耐摩耗性、
耐焼付き性、耐ヒートクラック性を向上させる目的で、
プラズマ法、塩浴法、ガス法等による窒化処理や、アー
クイオンプレーティング法等の物理蒸着法(以下、PV
D法と記す)による皮膜が窒化処理と組み合わされて適
用されるようになってきた。
【0004】特開平11−92909号には、金型母材
とPVD皮膜の密着性を向上させるために、CrNまた
はTiAlNといったPVDによる被覆の前処理とし
て、ダイアモンドペースト等による被覆母材の表面粗さ
の調整、真空ガス窒化処理の適用、電解法による洗浄が
提案されている。また、特開平11−152583号に
は、金型の耐ヒートクラック性、耐酸化性の向上を目的
に、窒化処理とPVD法によるTiN、CrN、TiC
rNの併用が提案されている。
とPVD皮膜の密着性を向上させるために、CrNまた
はTiAlNといったPVDによる被覆の前処理とし
て、ダイアモンドペースト等による被覆母材の表面粗さ
の調整、真空ガス窒化処理の適用、電解法による洗浄が
提案されている。また、特開平11−152583号に
は、金型の耐ヒートクラック性、耐酸化性の向上を目的
に、窒化処理とPVD法によるTiN、CrN、TiC
rNの併用が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−92909号、特開平11−152583号の提
案による効果は、従来工具と比較して、2〜3割程度の
寿命向上であり、飛躍的な工具寿命の改善は達成でき
ず、加工効率の向上、被加工製品の高精度化、ニアネッ
トシェイプ化といった要求に対しては十分に満足できる
ものではなかった。
11−92909号、特開平11−152583号の提
案による効果は、従来工具と比較して、2〜3割程度の
寿命向上であり、飛躍的な工具寿命の改善は達成でき
ず、加工効率の向上、被加工製品の高精度化、ニアネッ
トシェイプ化といった要求に対しては十分に満足できる
ものではなかった。
【0006】特に被加工製品のニアネットシェイプ化
は、製品形状が複雑となるため、加工時には、被加工材
の肉流れ速度が速くなるだけではなく、金型作業面への
負荷応力も大きくなり、金型の作業面と被加工材との界
面では、早期に焼付き、かじり等が発生することとな
る。これは、鍛造条件の過酷さに起因する潤滑剤の途切
れも要因の一つと考えられる。
は、製品形状が複雑となるため、加工時には、被加工材
の肉流れ速度が速くなるだけではなく、金型作業面への
負荷応力も大きくなり、金型の作業面と被加工材との界
面では、早期に焼付き、かじり等が発生することとな
る。これは、鍛造条件の過酷さに起因する潤滑剤の途切
れも要因の一つと考えられる。
【0007】このような焼付き、かじり等の発生は、金
型作業面と被加工材との界面で、過大な摩擦力を働かせ
ることとなり、著しい摩擦熱が発生する。その結果、金
型材表面部では熱により母材が極端に軟化するため、皮
膜は容易に剥離してしまい、金型の耐摩耗性は極端に低
下してしまう。製品形状によっては、上記摩擦熱が、金
型材自身の変態点(700〜900℃)を上回るほど高
温になる場合があり、金型がさらされる環境は、非常に
厳しいものとなる。
型作業面と被加工材との界面で、過大な摩擦力を働かせ
ることとなり、著しい摩擦熱が発生する。その結果、金
型材表面部では熱により母材が極端に軟化するため、皮
膜は容易に剥離してしまい、金型の耐摩耗性は極端に低
下してしまう。製品形状によっては、上記摩擦熱が、金
型材自身の変態点(700〜900℃)を上回るほど高
温になる場合があり、金型がさらされる環境は、非常に
厳しいものとなる。
【0008】現在、温熱間金型用として提案されている
PVD皮膜は、金型母材と皮膜の密着性向上を主体に改
善が行われているため、先述の焼付き、かじり等が早期
に発生する環境で使用すると、過大な摩擦熱の発生によ
って、母材が極端に軟化してしまい、その効果を十分に
発揮する間もなく剥離してしまうという問題があった。
PVD皮膜は、金型母材と皮膜の密着性向上を主体に改
善が行われているため、先述の焼付き、かじり等が早期
に発生する環境で使用すると、過大な摩擦熱の発生によ
って、母材が極端に軟化してしまい、その効果を十分に
発揮する間もなく剥離してしまうという問題があった。
【0009】本発明の目的は、上記のような問題を解消
した耐焼付き性、耐摩耗性に優れる温熱間加工用被覆工
具を提供することである。
した耐焼付き性、耐摩耗性に優れる温熱間加工用被覆工
具を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、温熱間加工
用工具における耐焼付き性および耐摩耗性に及ぼす、P
VD皮膜の組成、層構造ならびに成膜条件の影響につい
て詳細な検討を行った。
用工具における耐焼付き性および耐摩耗性に及ぼす、P
VD皮膜の組成、層構造ならびに成膜条件の影響につい
て詳細な検討を行った。
【0011】その結果、最表層に硫化物層を形成させ、
かつ、母材直上には、Ti、V、Cr、Al、Siから
選んだ1種もしくは2種以上の金属元素が主体の窒化
物、炭化物、炭窒化物の1種以上を形成することで温熱
間加工用工具として極めて良好な耐焼付き性ならびに耐
摩耗性が得られることを見いだした。この結果により、
例えば熱間鍛造用金型においては、鍛造初期の局部的な
焼付きと、鍛造中期以降の被加工材との摺動発熱は十分
に抑制され、熱間鍛造金型として著しく寿命が向上する
ということを確認した。
かつ、母材直上には、Ti、V、Cr、Al、Siから
選んだ1種もしくは2種以上の金属元素が主体の窒化
物、炭化物、炭窒化物の1種以上を形成することで温熱
間加工用工具として極めて良好な耐焼付き性ならびに耐
摩耗性が得られることを見いだした。この結果により、
例えば熱間鍛造用金型においては、鍛造初期の局部的な
焼付きと、鍛造中期以降の被加工材との摺動発熱は十分
に抑制され、熱間鍛造金型として著しく寿命が向上する
ということを確認した。
【0012】すなわち、本発明の第1発明は、熱間ダイ
ス鋼もしくは高速度鋼を母材とする、少なくとも作業面
に被覆層を有す温熱間加工用工具であって、該被覆層の
最表層は、硫化物であるa層であり、かつTi、V、C
r、Al、Siから選んだ1種もしくは2種以上の金属
元素が主体の窒化物、炭化物、炭窒化物の1種以上から
なるb層が、母材直上にあることを特徴とする耐焼付き
性および耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具であ
る。
ス鋼もしくは高速度鋼を母材とする、少なくとも作業面
に被覆層を有す温熱間加工用工具であって、該被覆層の
最表層は、硫化物であるa層であり、かつTi、V、C
r、Al、Siから選んだ1種もしくは2種以上の金属
元素が主体の窒化物、炭化物、炭窒化物の1種以上から
なるb層が、母材直上にあることを特徴とする耐焼付き
性および耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具であ
る。
【0013】なお、硫化物である本発明のa層は、金属
組成のみの原子%で、Ti、Crの1種もしくは2種が
合計で50%以下、実質的に残部Moであり、層厚を
0.5〜10μmとすることが望ましい。更に上記被覆
層は物理蒸着法により被覆されたことが望ましく、被覆
母材は母材最表面から25μmの深さにおける硬さが、
母材最表面から500μmの深さにおける硬さに比べ、
200HV0.2以上高いことが望ましい。
組成のみの原子%で、Ti、Crの1種もしくは2種が
合計で50%以下、実質的に残部Moであり、層厚を
0.5〜10μmとすることが望ましい。更に上記被覆
層は物理蒸着法により被覆されたことが望ましく、被覆
母材は母材最表面から25μmの深さにおける硬さが、
母材最表面から500μmの深さにおける硬さに比べ、
200HV0.2以上高いことが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、本発明の温熱間加工用被覆
工具は、その被覆層が形成される母材として、熱間強度
に優れる材料を適用する。この材料としては、例えば従
来よりその温熱間工具として適用されている鋼素材であ
ればよく、例えばJISに規定される熱間ダイス鋼や高
速度鋼、そしてそれらの改良鋼であってもよい。はじめ
に請求項中記載のa層に関し、その構成要件について詳
しく述べる。
工具は、その被覆層が形成される母材として、熱間強度
に優れる材料を適用する。この材料としては、例えば従
来よりその温熱間工具として適用されている鋼素材であ
ればよく、例えばJISに規定される熱間ダイス鋼や高
速度鋼、そしてそれらの改良鋼であってもよい。はじめ
に請求項中記載のa層に関し、その構成要件について詳
しく述べる。
【0015】TiN、CrN、TiAlNといったPV
D法による皮膜は、窒化層に比べ著しく硬さは高いこと
から、切削工具を主体に適用が広がっている。例えば窒
化層の硬さは、被処理材の組成にもよるが、1000〜
1100HVであるのに対して、TiNでは2000〜
2200HV、CrNでは1800〜2000HV、T
iAlNでは2400〜2700HVと、窒化層に比べ
約2倍以上の硬さが得られる。このため、本来耐摩耗性
はPVDによる皮膜の方が優れているはずである。
D法による皮膜は、窒化層に比べ著しく硬さは高いこと
から、切削工具を主体に適用が広がっている。例えば窒
化層の硬さは、被処理材の組成にもよるが、1000〜
1100HVであるのに対して、TiNでは2000〜
2200HV、CrNでは1800〜2000HV、T
iAlNでは2400〜2700HVと、窒化層に比べ
約2倍以上の硬さが得られる。このため、本来耐摩耗性
はPVDによる皮膜の方が優れているはずである。
【0016】そこで発明者は温熱間加工用金型の使用環
境と表面処理に必要とされる特性について種々検討を重
ねた結果、上記PVD法による硬質皮膜は、金型、特に
温熱間加工用金型において非常に重要な特性である耐焼
付き性が、十分でないということを確認した。
境と表面処理に必要とされる特性について種々検討を重
ねた結果、上記PVD法による硬質皮膜は、金型、特に
温熱間加工用金型において非常に重要な特性である耐焼
付き性が、十分でないということを確認した。
【0017】本発明では硫化物のa層を、最表層に被覆
することが重要である。一般に硫化物は冷間で使用され
る摺動部品等において摩擦係数を低下させる固体潤滑材
として知られているが、発明者の研究によると熱間にお
いても、耐焼付き性という点で著しい効果が認められ
た。
することが重要である。一般に硫化物は冷間で使用され
る摺動部品等において摩擦係数を低下させる固体潤滑材
として知られているが、発明者の研究によると熱間にお
いても、耐焼付き性という点で著しい効果が認められ
た。
【0018】表1はJISに規定されるSKH51(硬
さ60HRC)を直径5mm、長さ20mmの円柱状テ
ストピースに加工し、直径5mmの試験部にPVD法に
て各種皮膜を被覆し、熱間焼付き評価試験を行った結果
を示したものである。熱間焼付き試験は、テストピース
の一端部を、ボール盤のチャックに取り付け、1540
rpmで回転させながら、相手材である600℃に加熱
したSNCM439製の30mm×30mm、厚み20
mmのブロックに、被覆面をある所定の面圧で押付け、
最高40秒間摩擦摺動させた。この時、テストピースが
摩擦発熱により座屈し、相手材に焼付いた面圧を焼付き
限界面圧と見なし評価するものである。
さ60HRC)を直径5mm、長さ20mmの円柱状テ
ストピースに加工し、直径5mmの試験部にPVD法に
て各種皮膜を被覆し、熱間焼付き評価試験を行った結果
を示したものである。熱間焼付き試験は、テストピース
の一端部を、ボール盤のチャックに取り付け、1540
rpmで回転させながら、相手材である600℃に加熱
したSNCM439製の30mm×30mm、厚み20
mmのブロックに、被覆面をある所定の面圧で押付け、
最高40秒間摩擦摺動させた。この時、テストピースが
摩擦発熱により座屈し、相手材に焼付いた面圧を焼付き
限界面圧と見なし評価するものである。
【0019】
【表1】
【0020】表1より、アークイオンプレーティング法
にて成膜したTiN、CrN、TiAlNといったPV
D皮膜に比べ、代表的な硫化物であるMoS2をスパッ
タリング法でTiN、CrN、TiAlNの上に適用し
た皮膜の方が、著しく高い焼付き限界面圧を有している
ことがわかる。このように、従来は冷間での摺動摩擦で
しか効果が確認されていなかった硫化物が、熱間におい
ても十分に効果的であることが認められた。このような
理由から、本発明においては、硫化物であるa層を、被
覆面最表層に被覆することが必要である。
にて成膜したTiN、CrN、TiAlNといったPV
D皮膜に比べ、代表的な硫化物であるMoS2をスパッ
タリング法でTiN、CrN、TiAlNの上に適用し
た皮膜の方が、著しく高い焼付き限界面圧を有している
ことがわかる。このように、従来は冷間での摺動摩擦で
しか効果が確認されていなかった硫化物が、熱間におい
ても十分に効果的であることが認められた。このような
理由から、本発明においては、硫化物であるa層を、被
覆面最表層に被覆することが必要である。
【0021】また、硫化物である本発明のa層は、金属
組成のみの原子%で、Ti、Crの1種もしくは2種が
合計で50%以下であり、実質的に残部Moであること
が望ましい。詳しくは金属元素としてMoを主体(実質
100(原子%)を含む)とする二硫化物であることが
望ましい。Ti、Crは、Moの硫化物中に含有させる
ことで、硫化物の硬さを向上させる効果がある。しかし
ながら、金属組成のみの原子%で、Ti、Crの合計が
50%を越えて含有すると、Mo硫化物の耐焼付き性を
向上させる効果が低下する。そのため、硫化物である本
発明のa層は、金属組成のみの原子%で、Ti、Crの
1種もしくは2種が合計で50%以下であり、実質的に
残部Moであることが望ましい。
組成のみの原子%で、Ti、Crの1種もしくは2種が
合計で50%以下であり、実質的に残部Moであること
が望ましい。詳しくは金属元素としてMoを主体(実質
100(原子%)を含む)とする二硫化物であることが
望ましい。Ti、Crは、Moの硫化物中に含有させる
ことで、硫化物の硬さを向上させる効果がある。しかし
ながら、金属組成のみの原子%で、Ti、Crの合計が
50%を越えて含有すると、Mo硫化物の耐焼付き性を
向上させる効果が低下する。そのため、硫化物である本
発明のa層は、金属組成のみの原子%で、Ti、Crの
1種もしくは2種が合計で50%以下であり、実質的に
残部Moであることが望ましい。
【0022】更にa層は、層厚が0.5〜10μmであ
ることが望ましい。層厚が0.5μm未満であると、熱
間における耐焼付き性の向上効果が十分に得られず、逆
に10μmを越えて成膜すると、早期に剥離してしまう
可能性が高くなる。よって、本発明のa層は、層厚が
0.5〜10μmであることが望ましい。更に望ましい
層厚は、1〜5μmである。
ることが望ましい。層厚が0.5μm未満であると、熱
間における耐焼付き性の向上効果が十分に得られず、逆
に10μmを越えて成膜すると、早期に剥離してしまう
可能性が高くなる。よって、本発明のa層は、層厚が
0.5〜10μmであることが望ましい。更に望ましい
層厚は、1〜5μmである。
【0023】本発明のa層は、耐焼付き性という特性の
向上を主体に適用されているのみであり、温熱間加工用
金型としての耐摩耗性は十分ではない。そのため、T
i、V、Cr、Al、Siから選んだ1種もしくは2種
以上の金属元素が主体の窒化物、炭化物、炭窒化物の1
種以上からなるb層を、母材直上に成膜することが必要
である。
向上を主体に適用されているのみであり、温熱間加工用
金型としての耐摩耗性は十分ではない。そのため、T
i、V、Cr、Al、Siから選んだ1種もしくは2種
以上の金属元素が主体の窒化物、炭化物、炭窒化物の1
種以上からなるb層を、母材直上に成膜することが必要
である。
【0024】ここで本発明のb層は、例えば窒化物にお
いては、TiN、CrN、VN、CrNといった金属元
素が1種の場合や、TiVN、TiAlN、TiSi
N、CrSiN、CrAlN、TiAlSiNといった
金属元素が2種類以上の場合が挙げられる。金型の形状
が極めて複雑で、凸部において非常に応力が集中しやす
い場合では、上記窒化物の中でも比較的残留応力が小さ
く、密着性に優れる、TiN、CrN、VN、TiVN
といった皮膜の適用が好ましく、鍛造温度が高く、皮膜
に耐酸化性が求められる場合には、TiAlN、TiS
iN、CrAlN、CrSiNといったAl、Siを含
む皮膜が望ましい。
いては、TiN、CrN、VN、CrNといった金属元
素が1種の場合や、TiVN、TiAlN、TiSi
N、CrSiN、CrAlN、TiAlSiNといった
金属元素が2種類以上の場合が挙げられる。金型の形状
が極めて複雑で、凸部において非常に応力が集中しやす
い場合では、上記窒化物の中でも比較的残留応力が小さ
く、密着性に優れる、TiN、CrN、VN、TiVN
といった皮膜の適用が好ましく、鍛造温度が高く、皮膜
に耐酸化性が求められる場合には、TiAlN、TiS
iN、CrAlN、CrSiNといったAl、Siを含
む皮膜が望ましい。
【0025】上記は窒化物を例として挙げたが、炭化
物、炭窒化物についても同様の効果であり、また、T
i、V、Cr、Al、Siからの選択を主体(金属元素
のみの原子%で実質100%を含む)とするも、必要に
応じてIVa、Va、VIa属の金属元素ならびにB等を、
金属元素のみの原子%で30%以下、更には10%以下
微量添加してもよい。更に異なる組成の窒化物、炭化
物、炭窒化物を2種以上選択し、多層膜として適用して
もよい。
物、炭窒化物についても同様の効果であり、また、T
i、V、Cr、Al、Siからの選択を主体(金属元素
のみの原子%で実質100%を含む)とするも、必要に
応じてIVa、Va、VIa属の金属元素ならびにB等を、
金属元素のみの原子%で30%以下、更には10%以下
微量添加してもよい。更に異なる組成の窒化物、炭化
物、炭窒化物を2種以上選択し、多層膜として適用して
もよい。
【0026】以上、本発明の温熱間加工用被覆工具は、
熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼を母材とする、少なくと
も作業面に、上記構成の被覆層を有す温熱間加工用工具
であって、その効果を得るに好ましい一具体例として
は、母材直上に本発明のb層を形成し、そして、該b層
の上に最表層となる本発明のa層を形成するものであ
る。
熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼を母材とする、少なくと
も作業面に、上記構成の被覆層を有す温熱間加工用工具
であって、その効果を得るに好ましい一具体例として
は、母材直上に本発明のb層を形成し、そして、該b層
の上に最表層となる本発明のa層を形成するものであ
る。
【0027】本発明の温熱間加工用被覆工具は、その被
覆方法について特に限定されるものではないが、被覆母
材の熱影響、工具の疲労強度、皮膜の密着性等を考慮す
ると、被覆母材である熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼の
焼戻し温度以下で成膜でき、皮膜に圧縮応力が残留する
アークイオンプレーティング法もしくはスパッタリング
法といった被覆母材側にBias電圧を印可する物理蒸
着法であることが望ましい。
覆方法について特に限定されるものではないが、被覆母
材の熱影響、工具の疲労強度、皮膜の密着性等を考慮す
ると、被覆母材である熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼の
焼戻し温度以下で成膜でき、皮膜に圧縮応力が残留する
アークイオンプレーティング法もしくはスパッタリング
法といった被覆母材側にBias電圧を印可する物理蒸
着法であることが望ましい。
【0028】更に本発明の被覆母材は、より耐摩耗性の
向上を目的に、母材最表面から25μmの深さにおける
硬さが、母材最表面から500μmの深さにおける硬さ
に比べ、200HV0.2以上高いこと、つまりその具
体例として、窒化処理、浸炭処理等と言った拡散を利用
した表面硬化処理を予め適用することが望ましい。この
時、窒化処理で形成される白層と呼ばれる窒化物層や、
浸炭で認められる炭化物層と言った化合物層は、b層の
密着性を低下させる原因となるため、処理条件の制御に
より形成させないようにするか、研磨等により除去する
ことが望ましい。
向上を目的に、母材最表面から25μmの深さにおける
硬さが、母材最表面から500μmの深さにおける硬さ
に比べ、200HV0.2以上高いこと、つまりその具
体例として、窒化処理、浸炭処理等と言った拡散を利用
した表面硬化処理を予め適用することが望ましい。この
時、窒化処理で形成される白層と呼ばれる窒化物層や、
浸炭で認められる炭化物層と言った化合物層は、b層の
密着性を低下させる原因となるため、処理条件の制御に
より形成させないようにするか、研磨等により除去する
ことが望ましい。
【0029】
【実施例】次に実施例に基づき詳細に説明するが、本発
明は下記実施例によって限定を受けるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更が可能であ
り、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
明は下記実施例によって限定を受けるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更が可能であ
り、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0030】(実施例1)JISに規定されるSKD6
1を用意し、1030℃より油焼入れ後、550〜63
0℃での焼戻しにより47HRCに調質した。その後、
熱間焼付き性評価用に直径5mm、長さ20mmの円柱
状テストピースの加工を行った。
1を用意し、1030℃より油焼入れ後、550〜63
0℃での焼戻しにより47HRCに調質した。その後、
熱間焼付き性評価用に直径5mm、長さ20mmの円柱
状テストピースの加工を行った。
【0031】次に、流量比5%N2(残H2)雰囲気中
で、550℃、10時間保持の条件でイオン窒化処理を
施した。得られたテストピースは、それぞれの試験面を
研磨によって鏡面に仕上げた。なお、仕上げ後の表面よ
り25μmの深さにおける硬さは、全テストピースに
て、その500μmの深さにおける硬さより200HV
0.2以上に硬化されていることを確認済みである。そ
して、仕上げ後の母材表面に対し、次に示す条件にてP
VD法による被覆を行った。
で、550℃、10時間保持の条件でイオン窒化処理を
施した。得られたテストピースは、それぞれの試験面を
研磨によって鏡面に仕上げた。なお、仕上げ後の表面よ
り25μmの深さにおける硬さは、全テストピースに
て、その500μmの深さにおける硬さより200HV
0.2以上に硬化されていることを確認済みである。そ
して、仕上げ後の母材表面に対し、次に示す条件にてP
VD法による被覆を行った。
【0032】母材直上のb層は、小型アークイオンプレ
ーティング装置にて、圧力0.5PaのAr雰囲気中
で、被覆母材に−400VのBias電圧を印可し、6
0分の熱フィラメントによるプラズマクリーニングを行
った後、金属成分の蒸発源である各種金属製ターゲット
ならびに反応ガスとしてN2ガスを用い、被覆母材温度
500℃、反応ガス圧力3.0Pa、−70VのBia
s電圧にて層厚が5μmとなるよう成膜した。
ーティング装置にて、圧力0.5PaのAr雰囲気中
で、被覆母材に−400VのBias電圧を印可し、6
0分の熱フィラメントによるプラズマクリーニングを行
った後、金属成分の蒸発源である各種金属製ターゲット
ならびに反応ガスとしてN2ガスを用い、被覆母材温度
500℃、反応ガス圧力3.0Pa、−70VのBia
s電圧にて層厚が5μmとなるよう成膜した。
【0033】また、a層の被覆については、小型スパッ
タリング装置にて、皮膜源に硫化物ターゲットを用い、
被覆材温度300℃、Ar雰囲気中0.8Paの圧力
で、ターゲットへの投入電力を4kWにし、被覆材にB
ias電圧を−100V印可し、層厚が4μmになるよ
うに成膜を行った。
タリング装置にて、皮膜源に硫化物ターゲットを用い、
被覆材温度300℃、Ar雰囲気中0.8Paの圧力
で、ターゲットへの投入電力を4kWにし、被覆材にB
ias電圧を−100V印可し、層厚が4μmになるよ
うに成膜を行った。
【0034】また、従来例としては、前記イオン窒化処
理後にTiN、CrN、(Ti0. 45Al0.55)
Nを、前記b層の被覆と同じ条件で成膜したものを用意
した。
理後にTiN、CrN、(Ti0. 45Al0.55)
Nを、前記b層の被覆と同じ条件で成膜したものを用意
した。
【0035】熱間焼付き試験は、前述の円柱状テストピ
ース一端部を、ボール盤のチャックに取り付け、154
0rpmで回転させながら、相手材である600℃に加
熱したSNCM439製の30mm×30mm、厚み2
0mmのブロックに、ある所定の面圧で押付け、最高4
0秒間摩擦摺動させた。この時、供試部材が摩擦発熱に
より座屈し、相手材に焼付いた面圧を焼付き限界面圧と
見なし評価した。表2に各テストピースの被覆層の詳細
と、熱間焼付き試験の結果を示す。
ース一端部を、ボール盤のチャックに取り付け、154
0rpmで回転させながら、相手材である600℃に加
熱したSNCM439製の30mm×30mm、厚み2
0mmのブロックに、ある所定の面圧で押付け、最高4
0秒間摩擦摺動させた。この時、供試部材が摩擦発熱に
より座屈し、相手材に焼付いた面圧を焼付き限界面圧と
見なし評価した。表2に各テストピースの被覆層の詳細
と、熱間焼付き試験の結果を示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2に示すように、本発明例は、被覆層の
構成が本発明の規定範囲を満足しているため、熱間焼付
き試験における焼付き限界面圧が、いずれも著しく優れ
ていることがわかる。一方、本発明のa層を被覆しなか
った従来例は、焼付き限界荷重が極めて低い値となっ
た。以上のことから、熱間における耐焼付き性を向上さ
せるためには、本発明を満足しなければならないことが
わかる。
構成が本発明の規定範囲を満足しているため、熱間焼付
き試験における焼付き限界面圧が、いずれも著しく優れ
ていることがわかる。一方、本発明のa層を被覆しなか
った従来例は、焼付き限界荷重が極めて低い値となっ
た。以上のことから、熱間における耐焼付き性を向上さ
せるためには、本発明を満足しなければならないことが
わかる。
【0038】(実施例2)次に、表2中の本発明例N
o.2、No.7、No.12、No.13、従来例N
o.21、No.22と同等の表面被覆層構成であるギ
ア成型用熱間鍛造用金型を作製し、実金型における寿命
で評価を行った。
o.2、No.7、No.12、No.13、従来例N
o.21、No.22と同等の表面被覆層構成であるギ
ア成型用熱間鍛造用金型を作製し、実金型における寿命
で評価を行った。
【0039】表3に示す化学成分のJIS SKD61
の改良材を、金型近似形状に粗加工し、1030℃の油
焼入れを行い,550〜630℃の焼戻しにより50H
RCに調質した。その後、仕上加工を行い、それぞれ実
施例1と同様の条件で窒化処理ならびにPVD法による
成膜を施した。なお、窒化・仕上げ後の表面より25μ
mの深さにおける硬さが、その500μmの深さにおけ
る硬さより200HV0.2以上に硬化されていること
は確認済みである。
の改良材を、金型近似形状に粗加工し、1030℃の油
焼入れを行い,550〜630℃の焼戻しにより50H
RCに調質した。その後、仕上加工を行い、それぞれ実
施例1と同様の条件で窒化処理ならびにPVD法による
成膜を施した。なお、窒化・仕上げ後の表面より25μ
mの深さにおける硬さが、その500μmの深さにおけ
る硬さより200HV0.2以上に硬化されていること
は確認済みである。
【0040】
【表3】
【0041】上記にて作製された金型は、直径176m
m、高さ84mmの寸法で、その一端面にギア成形用の
型彫りが施してある。そして、1000tの鍛造プレス
を用い、1200℃に加熱したSCM420ワークを熱
間鍛造成形した。表4に各金型の寿命を示す。
m、高さ84mmの寸法で、その一端面にギア成形用の
型彫りが施してある。そして、1000tの鍛造プレス
を用い、1200℃に加熱したSCM420ワークを熱
間鍛造成形した。表4に各金型の寿命を示す。
【0042】
【表4】
【0043】金型はいずれも摩耗による損傷で寿命とな
ったが、本発明例は従来例に比べ、いずれも金型寿命が
3倍以上に向上した。つまり、本発明を熱間鍛造用金型
に適用した場合には、耐焼付き性、耐かじり性が向上す
ることで、摩擦発熱による型材の軟化が抑制され、結果
として耐摩耗性が改善できるため、金型の寿命は飛躍的
に向上する。
ったが、本発明例は従来例に比べ、いずれも金型寿命が
3倍以上に向上した。つまり、本発明を熱間鍛造用金型
に適用した場合には、耐焼付き性、耐かじり性が向上す
ることで、摩擦発熱による型材の軟化が抑制され、結果
として耐摩耗性が改善できるため、金型の寿命は飛躍的
に向上する。
【0044】なお、実施例1および2においては、b層
が窒化物の場合を例にして示したが、b層が炭化物もし
くは炭窒化物、さらにはそれらを含む構成であっても、
同様の効果が得られる。
が窒化物の場合を例にして示したが、b層が炭化物もし
くは炭窒化物、さらにはそれらを含む構成であっても、
同様の効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明で規定した
表面被覆層構造を適用することにより、耐焼付き性、耐
かじり性は著しく向上する。その結果、温熱間加工用工
具として、耐摩耗性の改善が達成できるため、工具寿命
を飛躍的に向上させることが可能である。
表面被覆層構造を適用することにより、耐焼付き性、耐
かじり性は著しく向上する。その結果、温熱間加工用工
具として、耐摩耗性の改善が達成できるため、工具寿命
を飛躍的に向上させることが可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼を母材と
する、少なくとも作業面に被覆層を有す温熱間加工用工
具であって、該被覆層の最表層は、硫化物であるa層で
あり、かつTi、V、Cr、Al、Siから選んだ1種
もしくは2種以上の金属元素が主体の窒化物、炭化物、
炭窒化物の1種以上からなるb層が、母材直上にあるこ
とを特徴とする耐焼付き性および耐摩耗性に優れた温熱
間加工用被覆工具。 - 【請求項2】 硫化物である該a層は、金属組成のみの
原子%で、Ti、Crの1種もしくは2種が合計で50
%以下、実質的に残部Moであり、層厚が0.5〜10
μmであることを特徴とする請求項1に記載の耐焼付き
性および耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具。 - 【請求項3】 被覆層は物理蒸着法により被覆したこと
を特徴とする請求項1または2に記載の耐焼付き性およ
び耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具。 - 【請求項4】 被覆母材最表面から25μmの深さにお
ける硬さが、母材最表面から500μmの深さにおける
硬さに比べ、200HV0.2以上高いことを特徴とす
る請求項1ないし3のいずれかに記載の耐焼付き性およ
び耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001111706A JP2002307128A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | 耐焼付き性および耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具 |
AT02006813T ATE509139T1 (de) | 2001-03-30 | 2002-03-25 | Beschichtetes schneidwerkzeug für warm/und heissverformen |
EP20020006813 EP1245699B1 (en) | 2001-03-30 | 2002-03-25 | Coated tool for warm and/or hot working |
US10/107,194 US6811899B2 (en) | 2001-03-30 | 2002-03-28 | Coated tool for warm-and/or-hot working with superior galling resistance property and superior wear resistance |
CNB021084041A CN1204293C (zh) | 2001-03-30 | 2002-03-29 | 耐烧结性及耐磨耗性优良的中高温加工用被覆工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001111706A JP2002307128A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | 耐焼付き性および耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002307128A true JP2002307128A (ja) | 2002-10-22 |
Family
ID=18963262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001111706A Pending JP2002307128A (ja) | 2001-03-30 | 2001-04-10 | 耐焼付き性および耐摩耗性に優れた温熱間加工用被覆工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002307128A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006291324A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-26 | Hitachi Metals Ltd | 密着性と摺動特性に優れた複合皮膜およびその製造方法 |
JP2006524748A (ja) * | 2003-04-28 | 2006-11-02 | ユナキス・バルツェルス・アクチェンゲゼルシャフト | AlCr含有の硬質材料層を有する工作物および製造方法 |
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DE102008045269A1 (de) | 2007-09-11 | 2009-03-12 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.), Kobe | Hartbeschichtungsfilm, Material, beschichtet mit dem Hartbeschichtungsfilm, und Formwerkzeug für kalt-plastische Bearbeitung |
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DE102009022620A1 (de) | 2008-06-23 | 2009-12-24 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.), Kobe-shi | Hartfilm-beschichtetes Element und Vorrichtung zum Formen |
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-
2001
- 2001-04-10 JP JP2001111706A patent/JP2002307128A/ja active Pending
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DE112008001882T5 (de) | 2007-08-02 | 2010-06-02 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Hartbeschichtungsfilm, Material, das mit einem Hartbeschichtungsfilm beschichtet ist, und Kaltumformwerkzeug sowie Verfahren zum Bilden eines Hartbeschichtungsfilms |
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