JP2004176157A - 摺動部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材と皮膜の密着力が大きく、優れた耐摩耗性を有する摺動部材及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】鉄基合金から成る基材上に鉄窒化物や鉄炭窒化物から成る皮膜を被覆して成る摺動部材である。基材がC、Si、Mn、Crを所定量含み、残部がFeである鋼から成り、基材表面の[C]が0.6〜1.4%、[N]が0.2〜2.0%であり、H=1.1×[C]+1.5×[N]+2.8×[Mn]+1.0×[Si]+0.6×[Cr]+2.6で表されるH値が6.5%以上である。
上記鉄基合金から成る基材上に鉄窒化物や鉄炭窒化物を含む皮膜を処理温度150〜250℃で成膜し、他の皮膜を順次被覆して摺動部材を製造する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
本発明は、摺動部材及びその製造方法に係り、更に詳細には、内燃機関等での使用に適し、優れた耐摩耗性を示す摺動部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
TiNやダイヤモンドライクカーボン(以下「DLC」という)などのハードコーティングは、高硬度且つ化学的に安定で摩擦係数が低いことから、表面の摩耗や焼付きが懸念される摺動部品に優れた特性を付与できる。
また、ハードコーティングは、アークイオンプレーティング(以下「AIP」という)などの方法で形成されるが、従来の処理温度は300℃以上であった。このため、基材にはかかる温度でも軟化しない高速度工具鋼などを用いる必要があり、その用途は加工工具など比較的靭性が要求されないものに限られていた。
【0003】
このような背景から、コーティング時の処理温度が低温化され、基材として比較的安価で加工性や耐衝撃性を得られる浸炭鋼などを用いられれば、その用途が大幅に広がることが期待できる。
しかし、浸炭鋼の焼き戻し温度である200℃前後では、膜の靭性や基材との密着強度が著しく損なわれてしまうという問題点があった。
これを解決する方法として、基材とDLC膜の間に保護膜を設けること、具体的には、基材表面上にクロム(Cr)をコーティングし、更にその膜上且つDLC膜までの間にCrと炭化タングステン(WC)の重量比を連続的に変化させた傾斜層を設けることで内部応力を引き下げて密着力を確保することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−225412号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法でも基材とCrとの間には両者の熱膨張率の差に起因する内部応力が発生するため、それを低減させるべくCrの膜厚を0.1〜0.4μmという極めて薄い状態に保つ必要があり、特に形状が複雑な部品においては安定した品質を得ることが難しかった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基材と皮膜の密着力が大きく、優れた耐摩耗性を有する摺動部材及びその製造方法を提供することにある。
基材に被覆する皮膜を特に薄膜化しなくても、300℃未満の処理温度
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、鉄基合金から成る基材上に鉄窒化物及び/又は鉄炭窒化物から成る皮膜を被覆することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の摺動部材について、更に詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示す。
【0009】
本発明の摺動部材は、鉄基合金から成る基材上に、2以上の皮膜を被覆して成る。また、これら皮膜のうち、当該基材直上の皮膜は、鉄窒化物、鉄炭窒化物の一方又は双方から成る。
このように、基材を被覆する皮膜を多層構造とし、特に当該基材直上に配設する皮膜に鉄窒化物や鉄炭窒化物を含有することにより、基材である鋼と皮膜との熱膨張率及び弾性率の差が低減される。言い換えれば、成膜時及び摺動部材使用時に基材と皮膜の界面で発生する応力が減少し、皮膜の靭性及び密着性に優れる摺動部材となる。また、摺動部品表面のピッティング(点蝕)及び摩耗時の焼付きにより生じるスカッフィングが抑制され、摩耗特性などが大幅に改善される。
【0010】
上記基材としては、鉄基合金全般を用いることができるが、代表的には、炭素(C)を0.15〜0.35%、シリコン(Si)を0.5〜1.5%、マンガン(Mn)を0.2〜1.5%及びクロム(Cr)を1.0〜2.5%含み、残部が鉄(Fe)である鋼を用いることが好適である。
この場合は、250℃以下で成膜しても硬度低下やショットピーニングなどの残留応力減衰が殆どなく、摺動表面への負荷が特に厳しい部品に幅広く適用できるので有効である。
【0011】
ここで、かかる成分組成を規定した理由を、以下(1)〜(4)に説明する。
(1)C:0.15〜0.35%
Cを0.15%以上含有するときは、浸炭窒化処理した部材に芯部硬さが与えられると共に、有効硬化深さが確保され得る。但し、C量が多すぎると鋼材の靭性や被削性、冷間加工性が低下するので、その上限を0.35%とすることが良い。また、C量は0.17〜0.22%であることがより好ましい。
【0012】
(2)Si:0.5〜1.5%
Siは、浸炭窒化処理した部材表面に炭窒化物を形成して、炭窒化物析出層の軟化抵抗性の向上に大きく寄与し得る。また、炭窒化物が粒界に析出するのを抑制し得る。更に、浸炭窒化層の基地を硬化させ得る。これらの作用を有効に発揮するには0.5%以上含有することが良い。但し、Si量が多すぎると浸炭窒化性が阻害されると共に、鋼材の靭性や被削性が著しく低下することがあるので、その上限は1.5%とすることが良い。また、Si量の上限は1.0%であることがより好ましい。
【0013】
(3)Mn:0.2〜1.3%
Mnは、炭窒化物を形成して炭窒化物析出層の軟化抵抗性の向上に大きく寄与し得る。また、溶製時に脱酸成分として作用し、また焼入れ性の向上及びMnSの形成による切削性の向上に有効に作用し得る。これらの作用を有効に発揮させるには少なくとも0.2%以上含有することが良い。但し、多すぎると硬くなりすぎて鍛造性や機械加工性に悪影響を及ぼすなど経済的でないので1.3%以下とすることが良い。
【0014】
(4)Cr:1.0〜2.5%
Crは焼入れ性を高め、安定した硬化層深さや必要な芯部硬さを与えることにより、基材の静的強度及び疲労強度を確保し、更には表面硬化層の基地の焼き戻し軟化抵抗性を高める作用があるため、少なくとも1.0%以上含有することが良い。但し、多すぎると粒界にCrNが多量に析出するためにオーステナイト中の固溶Cr量が減少し、焼入れ性を低下させるために表面硬さが低下することがある。また、多すぎると浸炭窒化性が阻害される他に被削性にも悪影響を及ぼすので、2.5%以下とすることが良い。更に、Cr量は1.6〜2.2%であることがより好ましい。
【0015】
また、上述した鋼は、基材表面から0.1mmまでの炭素量[C]が0.6〜1.4%、窒素量[N]が0.2〜2.0%であり、且つ以下の式
H=1.1×[C]+1.5×[N]+2.8×[Mn]+1.0×[Si]+0.6×[Cr]+2.6
で表されるH値が6.5%以上であることが好適である。
この場合は、表面硬化層の準高温域(150〜250℃)における軟化抵抗が大幅に高められ、例えば、歯車のように衝撃強度及び曲げ疲労強度が要求される部品に好適に使用できる。
【0016】
ここで、かかる鋼が好適である理由を、以下(5)及び(6)に説明する。
【0017】
(5)[C]:0.6〜1.4%、[N]:0.2〜2.0%
[C]及び[N]は、浸炭窒化処理された部材表面部における浸炭量と浸窒量の指標となるものである。
[C]は、主に表面硬化層の硬さ確保に重要な要件であり、0.6%以上であると、浸炭窒化層に十分な強度と硬さを与えることができる。但し、多すぎると浸炭中に粗大な炭化物が多量に析出して靭性を著しく損なう上に、オーステナイト中の固溶Cr量を減少させて焼入れ性を低下させるので1.4%以下とするのが良い。また、[C]は0.9〜1.2%であることがより好ましい。
[N]は、主として焼入れ後の準高温域(150〜250℃)における表面硬化層の軟化抵抗性を高めるのに有効で、特にSi系及びFe系炭窒化物の寄与が大きい。[N]が0.2%未満では軟化抵抗性に寄与するSi系炭窒化物が析出しにくい。一方、[N]が2.0%を超えると熱処理後の残留オーステナイトが過剰となり、また、不完全焼入れ組織のような異常組織を生じ易くなるため硬さが極端に低下し易い。また、[N]の下限は0.6%であることがより好ましい。
なお、[C]及び[N]が上記の条件を充たす範囲は、摺動部材の使用時に高いせん断応力の発生し易い、最表面から深さ0.1mmまであれば十分な効果を発揮できる。
【0018】
(6)H値:6.5以上
上述のように使用する基材の化学成分、特にSi、Mn、Crの含有量や、浸炭窒化処理によって形成される表面硬化層中の[C]及び[N]は炭窒化物の析出量や存在形態に大きな影響を及ぼし、上記範囲を満たすことで、特に準高温域での硬度が維持され得る。これに対して、H値は、軟化後の表面硬さと高い相関性を有している。これより、上述の式でH値を6.5以上に確保することで軟化後の表面硬さが良好になり得る。
なお、上述の式から明らかなように、H値は表面硬化層中の[C]及び[N]や、Si、Mn、Crの各含有量が相互に影響を及ぼすが、中でもSi量の与える影響が最も大きい。
【0019】
また、上記基材の直上には、鉄窒化物、鉄炭窒化物の一方又は双方から成る皮膜を被覆するが、代表的には、比較的安価で、皮膜の靭性を向上させ得るJISSUS304を用いるのが望ましい。更に、これ以降に被覆し得る皮膜としては、例えば、Fe−WCなどを単独又はこれら複数種を混合して構成できる。
更に、摺動部材の最表面に被覆する皮膜は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)であることが好適である。DLC膜は、ハードコーティングの中でも摩擦係数が低いので、使用時の部材摺動面における局所的な負荷や熱の発生が抑えられ、摺動部材のフリクションや耐久性を一層向上できる。
【0020】
次に、本発明の摺動部材の製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法では、鉄基合金から成る基材上に、鉄窒化物、鉄炭窒化物の一方又は双方から成る皮膜を処理温度150〜250℃で成膜し、その後他の皮膜を順次被覆して、上述した摺動部材を得る。
これより、例えば、FeNなどが含まれる基材の特性を劣化させずに基材直上の皮膜が成膜される。換言すれば、150〜250℃という低温域の成膜工程でも皮膜に靭性や密着性が付与されるので、従来のように多量の合金成分の添加が必要な工具鋼などを使用する必要がなく、加工性が高く安価な鋼を基材として使用できる。また、基材と皮膜の間で内部応力が発生しにくいので、皮膜の厚さをシビアに制御(特に薄膜化)しなくてよい。そのため、歯車のように形状が複雑で均一な膜厚を得にくい部品でも容易に適用できる。
【0021】
また、成膜工程では、例えば、窒素、メタンの一方又は双方の存在下で、物理蒸着法(PVD法)によって基材表面や皮膜上に被覆できる。特に、成膜速度、反応性、密着性及び操作性の観点からはアークイオンプレーティング法(AIP)に代表されるイオンプレーティング法で成膜するのが望ましい。但し、温度制御の観点からはスパッタリング法が望ましく、被覆する摺動部材の表面積などに応じて適宜使い分ければよい。
【0022】
更に、上記基材に浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、基材表面から深さ0.1mmまでの、炭素量[C]を0.6〜1.4%、窒素量[N]を0.2〜2.0%に調整した後に、上記成膜工程を行うことが好適である。
この場合は、極めて微細なSi系及びFe系などの炭窒化物が析出し易く、成膜温度である150〜250℃での硬度低下や残留応力の減衰といった基材の機械的性質の低下を抑制できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
1)基材の準備
実施例用の基材として鋼イ及びロ、比較例用の基材として鋼ハ〜ヘを用意した。各鋼の成分組成及びH値を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 2004176157
【0026】
材料に焼きならしを行った後、これを図1に示す2円筒試験片形状に加工し、図2に示す浸炭窒化処理を行った。なお、[C]及び[N]は浸炭窒化時の浸炭ガス組成及びアンモニアガス流量により調整した。[C]及び[N]は、熱処理後に試験片を表面粗さRa0.1に仕上げた後に、表面から深さ0.05〜0.15mmまで部位から採取した切粉の成分分析を行い、得られた結果の平均値として求めた。
【0027】
2)皮膜の形成
実施例1及び2では、基材直上の皮膜の原材料としてJIS SUS304を用いてFeNを成膜した。一方、比較例1〜8では、CrN及びTiNを成膜した。これらの膜厚さは約1μmとした。
また、実施例1及び2では、ターゲットをJIS SUS304及びWCターゲットとし、スパッタ装置によりFe重量比率が試験片表面に向かうほど低減するFe−WC傾斜層を設け、更に最表面にDLC膜を設けて摺動部材を得た。一方、比較例1〜8では、Cr又はTi−WC傾斜層を設け、更に最表面にDLC膜を設けて摺動部材を得た。
成膜後の基材硬度は、摺動部材から試験片を切断し、皮膜下0.1mmでの基材硬さをマイクロビッカース(300g)硬度にて調べた。
【0028】
以下に、基材直上の皮膜の成膜条件I及びIIを示す。
<成膜条件I>
ガス導入前真空度 :5×10−3Pa
スパッタクリーニング :Ar −550V,5min(間欠)
ガス導入後圧力 :N 3Pa
成膜時カソード電流 :80A
成膜時バイアス電圧 :−30V
成膜前温度 :140℃、成膜処理温度(200℃)
成膜パターン :10分成膜−60分休止サイクル(5サイクル)
【0029】
<成膜条件II>
ガス導入前真空度 :5×10−3Pa
スパッタクリーニング :Ar −550V,5min(間欠)
ガス導入後圧力 :N 3Pa
成膜時カソード電流 :130A
成膜時バイアス電圧 :−70V
成膜前温度 :250℃、成膜処理温度(300℃)
成膜パターン :10分成膜−60分休止サイクル(5サイクル)
【0030】
以下に、傾斜層及びDLC膜の成膜条件を示す。
ガス導入前真空度 :5×10−3Pa
ガス導入後圧力 :Ar/C 7Pa
成膜前温度 :180℃、成膜処理温度(220℃)
【0031】
3)2円筒試験
以下の条件で皮膜の密着性/靭性を評価した。
面圧 :3Gpa
回転数 :1500rpm
滑り率 :60%
油温 :90℃
オイル :日産純正ベルトフルードNS−1
供給油量 :2L/min
相手ローラー :JIS SCM435浸炭品
【0032】
実施例1及び2、比較例1〜8で得られた摺動部材について、成膜後の基材硬さと剥離寿命を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 2004176157
【0034】
表2より、実施例1及び2で得られた摺動部材は、本発明の好適形態であるために、成膜後も基材硬さは高く、また膜の剥離も生じなかった。
一方、比較例1及び比較例5で得られた摺動部材は、[C]が多すぎ[Cr]が少なく、H値も低いために、成膜後の硬度が不足していた。また、膜の密着性又は靭性が低いために、いずれも膜が割れて短寿命にて剥離した。
また、比較例2及び比較例6で得られた摺動部材は、H値は本発明の好適範囲を満たすが[N]が多すぎるために、残留オーステナイトが過剰となり硬さが得られなかった。
更にまた、比較例3及び比較例7で得られた摺動部材は、[Si]及び[Cr]が不足しており、H値が本発明の好適範囲を満たさないために、成膜後の硬度低下が大きく、また膜の密着性又は靭性が不足するために短寿命となっている。
また、比較例4及び比較例8で得られた摺動部材は、[C]及び[N]が不足し、H値も低いために、硬度が低く、寿命が短かった。
【0035】
以上、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨内であれば種々の変形が可能である。
例えば、産業機械に使われている歯車等に用いることもできる。また、歯車等の摺動部位のみを本発明の構成とすることもできる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、鉄基合金から成る基材上に鉄窒化物及び/又は鉄炭窒化物から成る皮膜を被覆することとしたため、基材と皮膜の密着力が大きく、優れた耐摩耗性を有する摺動部材及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2円筒試験片の形状を示す底面図である。
【図2】浸炭窒化処理の熱処理パターンを示すグラフである。

Claims (5)

  1. 鉄基合金から成る基材上に、2以上の皮膜を被覆して成る摺動部材であって、
    当該基材直上の皮膜が鉄窒化物及び/又は鉄炭窒化物から成ることを特徴とする摺動部材。
  2. 上記基材が、炭素を0.15〜0.35%、シリコンを0.5〜1.5%、マンガンを0.2〜1.5%、クロムを1.0〜2.5%含み、残部が鉄である鋼から成り、
    基材表面から深さ0.1mmまでの、炭素量[C]が0.6〜1.4%、窒素量[N]が0.2〜2.0%であり、且つ以下の式
    H=1.1×[C]+1.5×[N]+2.8×[Mn]+1.0×[Si]+0.6×[Cr]+2.6
    で表されるH値が6.5%以上であることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 最表面の皮膜がダイヤモンドライクカーボンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の摺動部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の摺動部材の製造方法であって、
    上記鉄基合金から成る基材上に鉄窒化物及び/又は鉄炭窒化物から成る皮膜を処理温度150〜250℃で成膜し、その後他の皮膜を順次被覆することを特徴とする摺動部材の製造方法。
  5. 上記基材に浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、基材表面から深さ0.1mmまでの、炭素量[C]を0.6〜1.4%、窒素量[N]を0.2〜2.0%に調整した後に、上記成膜工程を行うことを特徴とする請求項4に記載の摺動部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012137150A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Nippon Piston Ring Co Ltd ピストンリング

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