JP2006075867A - 鋳造用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた耐焼付き性、耐亀裂性、耐溶損性を有した、高寿命の鋳造用部材を提供する。
【解決手段】 熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼を母材とする、少なくとも作業面に被覆層を有した鋳造用部材であって、該被覆層の母材直上層には、Crを主体とする窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなるa層が存在し、該a層の上にはVが主体の窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなるb層があり、b層直上にはCrおよびTiのいずれか1種以上を主体とする金属層であるc層が存在し、更に該被覆層の最表層には、Oが原子%で25%以下である硫化物のe層があり、かつc層とe層との間には、CrおよびTiのいずれか1種以上を原子%の総量で10%以上含有する硫化物のd層が存在し、かつd層においては、Crおよび/またはTiの総量がc層側からe層側に向かい連続あるいは段階的に減少している鋳造用部材である。
【選択図】図6

Description

本発明は、ダイカスト等の鋳造に使用される金型、もしくは鋳抜きピンや、ダイカストの射出機に使用されるピストンリング等の、溶融金属に接して使用される鋳造用部材に関するものである。
溶融金属の鋳造による成形に用いられる鋳造用部材には、従来、熱間ダイス鋼、高速度鋼、ステンレス鋼等の鋼が用いられてきた。鋳造による成形で最も多く用いられる被成形金属はアルミニウム合金であるが、金型等の鋳造用部材に使用されている上記鉄鋼材料の場合、アルミニウム合金と接触する部分では、これらの鉄鋼材料がアルミニウム合金溶湯によって溶損し、アルミニウム合金溶湯中の鉄含有量を増化し、鋳造品の品質を低下させる。さらに、これら金型等の溶損は操業上種々の不都合を発生させる。
上記の対策としては、深い硬化処理層が得られ、かつ処理の価格も非常に安価であることから、その作業面への窒化処理が多く用いられてきた。しかし、鋳造品の高強度化により、被成形材として高融点アルミニウム合金の使用が増大してきたことから、窒化処理では、高温において処理層中のNがアルミニウム溶湯中に容易に拡散してしまうため、処理層の消滅による、耐溶損性の低下が生じ、急速に溶損現象が進む。
上記問題点を解決するために、溶融金属と反応し難いセラミックスを物理蒸着法(以下PVD法とも記す)により作業面に被覆した金型の適用が増加している。例えば、金型母材に浸炭もしくは窒化処理を施した後、PVD法にてTiC、TiNといった被覆層を適用する手法(特許文献1)、金型表面にTi中間層を被覆し、次いでTiAlNを被覆する手法(特許文献2)が提案されている。また、被覆層にCrNを適用する手法も提案されている(特許文献3,4)。
特開昭61−033734号公報 特開平07−112266号公報 特開平10−137915号公報 特開2001−11599号公報
近年の鋳造サイクルの高速化、ニアネットシェイプによる金型の薄肉化により、鋳造用金型といった接溶湯部材の使用環境は非常に苛酷になっている。つまり、鋳造時の溶融金属による金型やその他部材の熱膨張と、被加工材凝固後の離型剤塗布による収縮、または被加工材の凝固収縮による金型、部材のたわみが顕著に発生するようになってきた。その結果、特許文献1〜4に提案されている組成の被覆層では、使用中に微細な亀裂が発生し、この亀裂を経路として溶融金属が部材内部に浸透、表面処理層直下の母材中の鉄と反応して合金を形成する。そして、表面被覆層直下が、この合金形成により膨張すると、処理層の剥離が生じてしまい、溶損が急速に進む現象が認められた。
また、上記提案の被覆層は、近年の使用環境の過酷化に対し十分な耐焼付き性を有していない。よって、金型で説明すれば、その使用の初期において、鋳造品の離型時に金型の作業面と鋳造品で焼付きが発生してしまうため、金型修正サイクル、金型寿命の低下、鋳造品の形状不良を招くこととなる。
本発明は、ダイカスト金型や鋳抜きピンといった、その作業面が高温の溶融金属に接して使用される鋳造用部材において、上記の問題を解消した鋳造用部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の用途であるような鋳造用部材における不具合の発生機構に着目して、上記部材の作業面(接溶湯面)に適用する被覆層の耐溶損性、耐焼付き性、耐亀裂性に及ぼす被覆層の組成、層構造ならびに成膜条件の影響について詳細な検討を行った。また、鋳造用部材の使用状況と損耗の進行について詳細な検討を行った。
その結果、鋳造用部材の作業面に形成する被覆層は、その部材使用中に変化する様々な作業面環境に対応のできる、様々な機能層を有した複合被覆層とすることが有効であり、それら個々の機能層の要素を具体的に調整することで、鋳造用部材として極めて良好な耐溶損性、耐焼付き性、耐亀裂性が得られることを見いだした。この結果により、例えばアルミニウム合金のダイカスト鋳抜きピンにおいては、鋳造初期の局部的な焼付き、鋳造品の凝固収縮時に発生するピンと鋳造品の焼付きを起因とするピンのたわみによる被覆層の亀裂発生が十分に抑制され、鋳造用部材として著しく寿命が向上するということを確認した。
すなわち、本発明は、熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼を母材とする、少なくとも作業面に被覆層を有した鋳造用部材であって、該被覆層の母材直上層には、Crを主体とする窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなるa層が存在し、該a層の上にはVが主体の窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなるb層があり、b層直上にはCrおよびTiのいずれか1種以上を主体とする金属層であるc層が存在し、更に該被覆層の最表層には、Oが原子%で25%以下である硫化物のe層があり、かつc層とe層との間には、CrおよびTiのいずれか1種以上を原子%の総量で10%以上含有する硫化物のd層が存在し、かつd層においては、Crおよび/またはTiの総量がc層側からe層側に向かい連続あるいは段階的に減少していることを特徴とする鋳造用部材である。上記のe層および/またはd層の硫化物は、MoSであることが望ましく、また上記のd層は、Oが原子%で10%以下であることが望ましい。
上記母材直上層であるa層の層厚は、0.5〜3.0μmであることが望ましく、b層は、0.5〜5.0μmの層厚であることが望ましい。また、c層の層厚は、0.05〜1.00μmであることが望ましく、d層の層厚は、0.05〜1.00μmであることが望ましい。更に、最表層のe層は、0.05〜1.00μmの層厚が望ましい。
なお、本発明の上記a層とb層の界面には、VおよびCrを主体とした、窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなる中間層の被覆が望ましい。そして、この中間層を形成した場合の、その層厚は、1.0μm以下であることが望ましい。
更に、上記それぞれの被覆層は物理蒸着法により被覆されたことが望ましく、あるいは更に、被覆母材は母材最表面から25μmの深さにおける硬さが、母材最表面から500μmの深さにおける硬さに比べ、100HV0.2以上高いことが望ましい。
従来のTiN、TiCN、CrNが被覆された鋳造用部材は、近年における使用環境の過酷化に対し、十分な寿命が得られなくなってきた。本発明の表面被覆層構造を適用した鋳造用部材を使用することにより、金型の耐焼付き性、耐亀裂性、耐溶損性の改善が達成できるため、寿命を飛躍的に向上させることが可能である。
鋳造用部材の作業面に被覆される皮膜は、その接する溶湯に対してだけの特性に注視して検討すればよいものではなく、母材との相性も当然に考慮したトータル的な特性の検討が必要である。よって、本発明での皮膜は、その溶湯に接する最表面にとっての要求特性と、母材に対しての要求特性の両方を、最大限に付与できるための複合被覆層としている。そして、本発明の被覆層は、最表層側から、鋳造用部材に耐焼付き性、耐亀裂性、耐溶損性を付与していくことが主な役割であり、この構造は極めて重要である。そのため、これらの特性を高い次元でバランスよく有する皮膜構造であることが必要である。
[a層について]
本発明者らの検討結果によると、本発明の鋳造用部材において、その母材直上に被覆されるa層(母材直上層)は、Crを主体とする窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上とする。Crを主体とする窒化物、酸窒化物、炭窒化物は、残留圧縮応力が小さく、母材との密着性に優れ、かつ耐酸化性に優れる被覆層である。母材直上層の密着性が悪いと、被覆層がその機能を発揮する間もなく剥離してしまう。
また、複合被覆層でなる本発明の皮膜においては、その下地側を形成するa層の耐酸化性が悪いと、最表層の特性によらず、皮膜剥離の要因となる。例えば、本発明の複合被覆層において、その母材直上のa層の耐酸化性が、後述するa層上のb層より悪い場合、使用中にb層とa層の界面で、酸化が進行してしまい、最表層の機能が発揮される前に剥離滅失してしまう。そのため、被覆層の密着性ならびに耐酸化性を考慮すると、母材直上層であるa層は、Crを主体とする窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上とする。このとき、その主体とすることについては、窒素・酸素・炭素を除いた、金属(半金属)組成部のみの割合で、Crが50(原子%)以上、更には90(原子%)とすることが良い(実質100(原子%)を含む)。
[b層について]
次に、本発明のb層について言及する。Vを主体とする窒化物、酸窒化物、炭窒化物は、Ti系ならびにCr系窒化物、酸窒化物、炭窒化物に比べ硬質物質の中では比較的靭性が高く、使用中の部材のたわみにより被覆層中に発生する亀裂が、十分に抑制できる組成であることが確認できた。そして、本発明の被覆層構造においてのb層は、実質、硬質皮膜として最表層に位置付けることができる。
すなわち後述の、b層より表層側のc層は金属膜であり、d層およびe層は硫化物層であることから、c,d,e層では、部材のたわみよる亀裂は、硬質皮膜であるa層およびb層に比べ発生し難い。そのため硬質皮膜として最表層に位置付けられるb層にて亀裂の発生を抑制することになる。以上の理由より、本発明のb層は、Vが主体の窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上とする。その主体とすることについては、上記に同様の金属や半金属組成部のみの割合で、Vが70(原子%)以上、更には90(原子%)とすることが良い(実質100(原子%)を含む)。
上記のa層およびb層の具体的組成について述べる。本発明のa層は、例えば窒化物においては、Crを主体としたCrN、CrTiN、CrAlN、CrSiN、CrBNといった比較的耐酸化性、耐熱性に優れる組成系が挙げられる。また、b層は、同様に窒化物においては、Vを主体としたVN、VTiN、VCrN、VBNといった組成系が挙げられる。金型などの、部材の作業面の形状が極めて複雑で、凸部において非常に応力が集中しやすい場合では、b層としては、上記窒化物の中でも比較的残留応力が小さく、密着性に優れる、VN,VTiNといった組成系の皮膜の適用が好ましく、鋳造温度が高く、皮膜に耐酸化性が求められる場合には、VCrNといった組成系の皮膜が望ましい。
上記のa層およびb層では窒化物を例として挙げたが、酸窒化物、炭窒化物についても同様の効果である。また、a層およびb層のそれぞれは、CrおよびVを主体とするものの、必要に応じてIVa、Va、VIa属の金属元素ならびにAl,Si、B等を、a層おいては原子%で50%以下、更には10%以下、b層においても原子%で30%以下、更には10%以下微量添加してもよい。更に異なる組成の窒化物、酸窒化物、炭窒化物を2種以上選択し、多層膜として適用してもよい。
[c層について]
本発明の鋳造用部材は、その使用の初期より優れた耐焼付き性を発揮するために、被覆層の最表層には硫化物からなるe層を設け、そして、使用の中期に掛かっては作業面の温度上昇に追従して、なおも優れた耐焼付き性を維持するための、傾斜機能を有したd層を、e層の下に形成させることが重要である。これらd層およびe層の詳細については後述するが、本発明の被覆層構造においては、これら両層の形成に先立って、その密着性を確保するための事前の準備を、上記のb層の直上に施しておくことが求められる。つまり、本発明の被覆層においては、b層の直上に、下記のc層を形成する。
本発明のc層は、その直上に位置する、後述の傾斜組成を有したd層を含むような硫化物層との間に密着性を付与するための役割を担っている。その構成が、Cr、Tiのいずれか1種以上を主体とし、かつ金属層であることが重要である。CrおよびTiは、いずれも金属でありながら、b層の構成であるVを主体とする窒化物、酸窒化物、炭窒化物である硬質物質や、d層のような硫化物と密着性がよく、さらに金属層であることから、部材のたわみが発生した場合でも、容易に亀裂が発生しない。よって、以上の理由より、本発明のc層はCr、Tiのいずれか1種以上を主体とした金属層とする。その主体とすることについては、Cr、Tiのいずれか1種以上が総量で70(原子%)以上、更には80(原子%)とすることが良い(実質100(原子%)を含む)。
更に本発明の複合でなる被覆層は、その最表層に、O(酸素)が原子%で25%以下である硫化物のe層があり、かつ上記の金属層であるc層と、本e層との間には、CrおよびTiのいずれか1種以上を原子%の総量で10%以上含有する硫化物のd層が存在する。そして、このd層においては、CrもしくはTiのいずれかの総量がc層側からe層側に向かい連続あるいは段階的に減少している、傾斜した組成構造を有するものとする。
[e層について]
最表層のe層は、部材温度が安定しない鋳造初期にその効果を発揮し、例えばアルミニウム合金等の鋳造品が凝固した際、鋳造品と射抜きピン、入れ子、金型等の鋳造用部材との焼付きを抑制する。通常、MoS等の硫化物は、常温付近での効果が報告されているものの、本発明者らの検討によると、部材温度が安定しない鋳造初期の使用温度域である200〜400℃においても、耐焼付き性向上効果が認められた。これは硫化物の酸化反応よるものと考えられ、その効果はTiやCrといった金属元素を含有させ、耐酸化性や硬さを向上させた硫化物よりも、上記金属元素を含まない硫化物において効果が顕著である。
また、硫化物は、極めて酸化しやすく、特性が不安定になりやすい被覆層である。よって、e層を構成する硫化物中のO量が少ないほど、その被覆層の延性および密着性は向上する。e層中のO含有量が、原子%で25%を超えると、硫化物が脆くなり、部材のたわみによる亀裂が抑制できなくなるばかりか、密着性も著しく低下してしまう。そのため、e層のOの含有量は、原子%で25%以下とする。なお、e層の硫化物は、上記の作用効果が特に優れたものとして、MoSであることが好ましい。
[d層について]
本発明の被覆層において、d層は、硫化物であるe層の密着性を向上させる目的と、部材温度が比較的上昇してきた鋳造中期において、鋳造用部材の作業面で耐焼付き性を維持する目的がある。鋳造中期においては、最表層のe層はほぼ滅失していることが想定され、前述のように部材温度も初期に比べれば上昇していることから、より耐酸化性に優れる耐焼付き層の存在が重要となる。このとき、e層の滅失により実質最表層となるd層は、CrおよびTiのいずれか1種以上を適量含有することで、鋳造初期では最表層のe層に比べ、耐酸化性に優れることとなるため、鋳造の長期に亘って鋳造用部材の耐焼付き性を維持できることとなる。
また、d層は、含まれるCrもしくはTiが、その総量にて、表面に向かい連続的に、あるいは断続的であっても減少する傾斜組成、つまり言い換えれば、d層の耐酸化性が表面から内部に向かって向上する傾斜機能を有することで、部材温度が上昇していっても、その温度にあわせた耐焼付き性が出現し、鋳造用部材の特性を維持可能となる。このとき、CrもしくはTiのいずれか1種以上が原子%の総量で10%以上含有していないと、早期に滅失してしまい、上記効果が有効に機能しない。また、この総量は、d層(d層の構成を含む硫化物層)の直下であるc層から、同直上のe層、つまり表面に向かい連続的に、あるいは段階的であっても減少していないと、同様に早期滅失してしまう。
よって以上の理由から、本発明の被覆層におけるd層は、金属層であるc層と、最表層であるe層との間に被覆される、CrおよびTiのいずれか1種以上を原子%の総量で10%以上含有する硫化物であって、かつ、そのCrもしくはTiの総量が、c層側からe層側に向かい連続あるいは段階的に減少しているものとする。なお、本発明においては、上記のc層とe層の間にある被覆層の全てが、このd層の構造を満たさなくてはならないという訳ではなく、例えば、d層においては10原子%以上でなくてはならないものの、傾斜的に減少していくCr,Tiの総量は、e層の直下では10原子%未満であっても当然に構わない。
更に、d層はOを原子%で10%以下であることが望ましい。これはd層中にOが10%を超えて含有すると、d層の密着性が低下するためである。更に望ましくは原子%で5%以下である。そして、d層の硫化物は、上記の作用効果が特に優れたものとして、MoSであることが好ましい。更に好ましくは、このd層の硫化物は、上記のe層と共に、同種である、MoSとすることである。
[中間層について]
ここで、本発明の複合被覆層は、そのa層とb層の中間層の存在について別段の条件は要しないが、これらa層およびb層の、それぞれの優れた特性を生かすためにも、両層の特性差を緩和する中間層を設けることは好ましい。例えば、本発明の複合被覆層を、a層の直上にb層を形成した場合においては、そのa層とb層の界面には、VおよびCrを主体とした窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなる中間層の存在が望ましい。a層とb層では、それらの組成的な差が存在するため、著しい熱衝撃もしくは急冷がともなう使用環境においては、特に熱衝撃に弱い硬質層同士の両被覆層界面において亀裂の発生が予測される。そのため、両被覆層の特性差の緩和を目的として、a層とb層の界面には、VおよびCrを主体とした窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなる中間層の存在が望ましい。
[各層の厚さについて]
次に、本発明の被覆層を構成する、それぞれの層の厚さについて述べる。本発明のa層は、その層厚が0.5〜3.0μmであることが望ましい。層厚が0.5μm未満であると、薄すぎるため母材との密着性が十分に得られ難い。逆に、3.0μmを越えて成膜しても、その密着性を向上させる効果は変わらず、かえって部材のたわみ等による亀裂が、a層より発生する恐れがあり、好ましくない。よって、本発明のa層の層厚は、0.5〜3.0μmであることが望ましい。
また、本発明のb層は、その層厚が0.5〜5.0μmであることが望ましい。層厚が0.5μm未満であると、耐溶損性、耐亀裂性の効果が十分に得られず、特に溶損により早期に滅失してしまう。逆に5.0μmを越えて成膜すると、使用条件によっては、早期に剥離してしまう場合がある。よって、本発明の作業面にある被覆層のうちの、b層の層厚は、0.5〜5.0μmであることが望ましい。
更に、本発明のc層は、その層厚が0.05〜1.00μmであることが望ましい。層厚が0.05μm未満であると、その直上のd層の構成をも含む硫化物層に密着性を付与する効果が十分に得られず、d層を含めた表面側の被覆層が早期に剥離してしまう。逆に1.00μmを越えて成膜すると、使用条件によっては、早期に剥離してしまう場合があるためである。よって、本発明の作業面にある被覆層のうち、c層の層厚は、0.05〜1.00μmであることが望ましい。更に望ましくは0.10〜0.50μmである。
更に、本発明のd層は、その層厚が0.05〜1.00μmであることが望ましい。層厚が0.05μm未満であると、最表層のe層が滅失後の、鋳造中期において、鋳造用部材の耐焼付き性を維持する効果が十分に得られない。また、1.00μmを越えて成膜すると、硫化物であるe層も含む、上層の密着性を十分に確保できないばかりか、d層自身も早期に剥離してしまう。よって、本発明の被覆層のうち、d層の層厚は、0.05〜1.00μmであることが望ましい。更に望ましくは0.10〜0.50μmである。
更に、本発明のe層は、その層厚が0.05〜1.00μmであることが望ましい。層厚が0.05μm未満であると、鋳造初期において被覆層の耐焼付き性が十分でなく、早期に滅失してしまう。また、1.00μmを越えて成膜すると、e層の密着性が極端に劣ることになり、容易に剥離してしまうことがある。よって、本発明の作業面にある被覆層のうち、最表面のe層の層厚は、0.05〜1.00μmであることが望ましい。更に望ましくは0.10〜0.50μmである。
そして、上述の中間層を形成するとなれば、その中間層は、層厚が1.00μm以下であることが望ましい。これは1.00μmを越えて成膜しても、その効果は顕著に得られないことによる。しかしながら、層厚が薄すぎると、a層ならびにb層の特性差を緩和できず、よって、本発明の中間層は、層厚が0.05以上であることが、更に望ましい。更に望ましい層厚は、0.10〜0.50μmである。
[各層の被覆方法について]
本発明の鋳造用部材の被覆層は、その被覆方法について特に限定されるものではないが、被覆母材の熱影響、工具の疲労強度、皮膜の密着性等を考慮すると、被覆母材である熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼の焼戻し温度以下で成膜でき、皮膜に圧縮応力が残留するアークイオンプレーティング法もしくはスパッタリング法といった、被覆母材側にBias電圧を印可する物理蒸着法であることが望ましい。
[母材について]
更に本発明の被覆母材は、より耐摩耗性の向上を目的に、母材最表面から25μmの深さにおける硬さが、母材最表面から500μmの深さにおける硬さに比べ、JIS−Z−2244に定義されるビッカース硬さで100HV0.2以上高いこと、つまりその具体例として、窒化処理、浸炭処理等と言った拡散を利用した表面硬化処理を予め適用することが望ましい。この時、窒化処理で形成される白層と呼ばれる窒化物層や、浸炭で認められる炭化物層と言った化合物層は、母材直上層の密着性を低下させる原因となるため、処理条件の制御により形成させないようにするか、あるいは研磨等により除去することが望ましい。
次に実施例に基づき詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定を受けるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更が可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
(実施例1)
JISに規定されるSKD61を用意し、1030℃より油焼入れ後、550〜630℃での焼戻しにより47HRCに調質した。その後、組織解析用に厚み3mm、幅10mm、長さ30mmの板状テストピース、耐溶損性評価用に直径10mm、長さ100mmの円柱状テストピース、耐亀裂性の評価用に厚み3mm、一辺が30mmの板状テストピースならびに、耐焼付き性評価用に直径20mm、厚み5mmの円盤状テストピースの加工を行った。そして、これらのテストピースを母材とし、被覆処理を行った。なお、被覆処理前に、表面硬化処理を適用したテストピースについては、次に示す条件にてイオン窒化処理を施した。
被覆処理前の、表面硬化処理は、流量比5%N(残H)雰囲気中で、500℃、10時間保持の条件でイオン窒化処理を施した後、それぞれの試験面を研磨によって仕上げた。なお、仕上げ後の表面より25μmの深さにおける硬さは、この窒化処理を施した全テストピースにて680HV0.2であったことから、その500μmの深さにおける硬さ47HRC(=471HV0.2)より100HV0.2以上に硬化されていることを確認済みである。そして、仕上げ後の母材表面に対し、その他のテストピースと併せて、下記の条件の被覆処理を行った。
被覆は、アークイオンプレーティング法とアンバランスドマグネトロンスパッタリング法が連続で使用可能なPVD装置を用い、圧力0.5PaのAr雰囲気中で、被覆母材に−400VのBias電圧を印可し、60分の熱フィラメントによるプラズマクリーニングを行った後、下記の通りの各層の被覆を行った。
a層、b層およびそれらの中間層に該当する被覆層については、アークイオンプレーティング法にて、金属成分の蒸発源である各種金属製ターゲットを使用し、反応ガスとしてNガスをベースに、必要に応じCHガス、N+O混合ガスを用い、被覆母材温度500℃、反応ガス圧力3.0Pa、−50VのBias電圧にて成膜した。a層とb層の中間層を成膜する場合は、a層形成用のターゲットと、b層形成用のターゲットを、同時に稼動させて形成した。
c層、d層ならびにe層に該当する被覆層は、前記b層成膜後にアンバランスドマグネトロンスパッタリング法にて、各種金属製ターゲットおよびMoSターゲットを使用し、雰囲気ガスとしてArガスを用い、被覆母材温度250℃、チャンバー内ガス圧力0.8Pa、Bias電圧−50Vで成膜を実施した。d層については、その成膜初期から終期にかけての、金属性ターゲットへの投入電力の減少と、MoSターゲットへの投入電力の増加を行なうことで、含有する金属量が表面に向かい減少する傾斜を付与した。
得られたテストピースについては、それぞれ組織解析を実施した。各層の層厚については、被覆面の断面をFE−SEM(電界放射走査型電子顕微鏡)にて観察し、測定を行った。また、d層ならびにe層に該当する層については、XPS(X線光電子分光分析装置)による組成分析を行った。同時に、以下に示す評価試験条件にて、耐溶損性評価、耐亀裂性評価および耐焼付き性評価を実施した。
(1)耐溶融金属溶損試験
アルミニウム合金AC4Cの750℃の溶湯中に試験片を3時間浸漬し、試験片の試験前後の質量比でその耐溶損性を比較した。
(2)耐亀裂性評価試験
ロックウェル硬さ試験機(Cスケール)にて被覆面(30mm×30mm)に圧痕をつけ、その部分を光学顕微鏡にて観察し、図1に示す基準で圧痕の周囲に発生する亀裂を評価した。本評価は、圧痕の周囲が盛り上がるため、被覆層の耐亀裂性が劣る場合、図1に示すように亀裂が発生することとなる。
(3)耐焼付き性評価試験
耐焼付き性評価については、CSM社製ボールオンディスク摩擦摩耗試験機を使用した。相手材として純アルミニウムボールを用い、被覆面である直径20mmの円盤面に回転半径3mm、周速150mm/s、荷重2N、摩擦距離100m、無潤滑の条件で摩擦係数の測定を行った。このときの試験温度については、鋳造作業の極初期を想定した300℃と、鋳造作業の中期以降を想定した500℃の2条件を適用した。評価には、試験中の摩擦係数を付属のパーソナルコンピュータにて採取し、演算した摩擦係数の平均値を比較した。
表1に本発明例の被覆層の詳細、表2に比較例および従来例の被覆層の詳細を示す。ここで、各テストピースのd層(MoS)の全てについては、それに含まれるTiおよび/またはCrの総量が、表面に向かって傾斜減少していたことも確認済みである。本発明例No.8については、その被覆層の構造を図6の模式図に示しておく。また、各評価結果を表3に示す。なお、本発明の被覆層の構成を満たさない比較例および従来例においては、その成膜された最表層、母材直上層、中間層の定義がし難いものではあるが、本発明との比較を分かり易くするための便宜上、表2の通りに示すものである。また、被覆処理前の表面硬化処理により調整された上記の母材硬さは、被覆処理の前後で変化はなかった。
表1、表2ならびに表3に示す通り、本発明例は被覆層の構成が本発明の規定範囲を満足しているため、耐溶損性、耐亀裂性、耐焼付き性ともに、いずれも著しく優れていることがわかる。
一方、比較例ならびに従来例の評価結果については、比較例No.11、13、14、15、16、従来例No.21、22といったCrN系、TiN系をベースとした被覆層を、a層もしくはb層に適用したサンプルについては、いずれも耐溶損性は本発明例と同等の結果となった。しかし、a層にTiAlN系の被覆層を適用した比較例No.12、従来例No.23は、溶損率が増加し、耐溶損性が劣る結果となった。これは上記CrN系ならびにTiN系をベースとした被覆層は、比較的に密着性が優れるため、試験片をアルミニウム合金の溶湯中に浸漬した際に、熱衝撃や母材との熱膨張差等により被覆層が剥離しなかったためと思われる。
また、被覆層の耐亀裂性についてであるが、比較例No.12は、a層が本発明の規定を満足していないことから、そして、比較例No.14はb層が本発明の規定を満足していないことから、被覆層に亀裂の発生が認められ、耐亀裂性が本発明に比べ劣る結果となった。図2は本発明例No.5、図3は比較例No.14、図4は従来例No.23の耐亀裂性評価結果(ロックウェル硬さ試験の圧痕周辺の状態)を示す図である。図2に示す本発明例では亀裂の発生が認められないが(評価A)、図3の比較例(評価C)、図4の従来例(評価D)では、圧痕の周囲に亀裂が発生している。
更に最外層に本発明のe層が存在しない比較例No.11は、300℃における摩擦係数が増大した。また、比較例No.15は、本発明のc層ならびにd層が被覆されていないため、そして、比較例No.16は、最外層にMoSのe層を成膜したもののO含有量が本発明の規定より外れるため、いずれも被覆層の剥離が生じ、摩擦係数が増大してしまった。更に、本発明とは基本的な被覆構造からして異なる比較例No.13、従来例No.21、22、23は、アルミニウムとの摩擦係数が増大し、耐焼付き性が、本発明例に比べ劣る結果となった。特に最表層にCrN系、TiAlN系を被覆した従来例No.22、23については、摩擦試験中に相手材であるアルミニウムが焼付いてしまい、試験を中止することとなった。
なお、本発明のd層、そしてe層のO含有量については、アークイオンプレーティング法にてa層、b層および(もしくは)それらの中間層を成膜した後、チャンバーを大気開放することなく、被覆母材温度が成膜温度の250℃になるまで、プラズマクリーニングを施しながら冷却し、目標とする温度到達後、アンバランスドマグネトロンスパッタリング法にて、c層、d層およびe層に該当する被覆層を成膜することで、本発明の範囲にすることが可能である。
本発明例および比較例No.11、12、14はいずれも上記の成膜方法にて被覆層を形成したため、該当する被覆層のO量は最適な含有量となっている。しかしながら、比較例No.15、16についてはアークイオンプレーティングによる成膜を行った後、一度大気開放し、再度、同条件のプラズマクリーニングおよびアンバランスドマグネトロンスパッタリングによる成膜を行ったため、それらのe層は、Oを過度に含有することとなり、その密着性が低下し、耐焼付き性の評価試験中に、被覆層の剥離が生じてしまった。
(実施例2)
次に、表1中の本発明例No.2、No.3、No.5、表2中の従来例No.22と同等の表面被覆層構成であるダイカスト鋳抜きピンを作製して、実金型における寿命で評価を行った。
まず、表4に示す化学組成の高速度鋼ベースの靭性改良材を、焼鈍状態にて鋳抜きピン近似形状に粗加工し、1080℃の油焼入れを行い、600℃の焼戻しにより55HRCに調質した。その後、仕上げ加工を行い、それぞれ(実施例1)と同様の条件で被覆処理を行なった。なお、被覆処理の前には、表面硬化処理を行なわなかった、No.3,5,22の鋳抜きピンは、その母材最表面から25μmの深さおよび500μmの深さにおける硬さは、被覆処理の前後に亘り、共に上記の調質硬さ55HRC(=595HV0.2)を維持していた。表面硬化処理を行なったNo.2は、その仕上げ後の母材最表面から25μmの深さにおける硬さが752HV0.2であったことから、やはり被覆処理の前後に亘り、同500μmの深さにおける硬さ595HV0.2より100HV0.2以上に硬化されていた。
上記にて作製された鋳抜きピンは、図5に示す形状である。そして、300tのダイカストマシンにて、溶湯温度680℃のアルミニウム合金AC4Cを用い鋳造を行った。表5に各鋳抜きピンの寿命を示す。
本発明を適用した鋳抜きピンは、従来例適用のピンに比べ、金型寿命は6倍以上に向上した。最終的に本発明適用のピンは、焼付きが発生し寿命となったが、従来例適用のピンは、先端部で早期に焼付きが発生した後、折損によって寿命となった。以上のように、本発明をダイカスト用鋳抜きピンに適用することで、ピンの寿命は飛躍的に向上することが確認された。
本発明はダイカストおよび鋳造に使用される金型もしくは鋳抜きピンや、ダイカストの射出機に使用されるピストンリング等の、溶融金属に接して使用される鋳造用部材について述べたものであるが、その溶融金属(鋳造材料)は、アルミニウムならびにアルミニウム合金に限らず、マグネシウム合金の鋳造にも適用が可能である。また被覆層が非鉄金属との耐焼付き性に優れる点等を考慮すると、例えばアルミニウム、マグネシウム、ならびにそれらの合金の鍛造用金型・工具にも適用が可能である。
ロックウェル硬さ試験機を応用した耐亀裂性評価試験の、亀裂発生状況の評価基準を示す図である。 本発明例No.5の耐亀裂性評価試験結果(ロックウェル圧痕周辺の状態)を示した顕微鏡写真である。 比較例No.14の耐亀裂性評価試験結果(ロックウェル圧痕周辺の状態)を示した顕微鏡写真である。 従来例No.23の耐亀裂性評価試験結果(ロックウェル圧痕周辺の状態)を示した顕微鏡写真である。 (実施例2)で使用した鋳抜きピンの形状を示す図である。 本発明例No.8の被覆層の構造を模式的に示す図である。

Claims (13)

  1. 熱間ダイス鋼もしくは高速度鋼を母材とする、少なくとも作業面に被覆層を有した鋳造用部材であって、該被覆層の母材直上層には、Crを主体とする窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなるa層が存在し、該a層の上にはVが主体の窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなるb層があり、b層直上にはCrおよびTiのいずれか1種以上を主体とする金属層であるc層が存在し、更に該被覆層の最表層には、Oが原子%で25%以下である硫化物のe層があり、かつc層とe層との間には、CrおよびTiのいずれか1種以上を原子%の総量で10%以上含有する硫化物のd層が存在し、かつd層においては、Crおよび/またはTiの総量がc層側からe層側に向かい連続あるいは段階的に減少していることを特徴とする鋳造用部材。
  2. 該e層の硫化物は、MoSであることを特徴とする請求項1に記載の鋳造用部材。
  3. 該d層の硫化物は、MoSであることを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造用部材。
  4. 該d層は、Oが原子%で10%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鋳造用部材。
  5. 該a層の層厚が、0.5〜3.0μmであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の鋳造用部材。
  6. 該b層の層厚が、0.5〜5.0μmであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の鋳造用部材。
  7. 該c層の層厚が、0.05〜1.00μmであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の鋳造用部材。
  8. 該d層の層厚が、0.05〜1.00μmであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の鋳造用部材。
  9. 該e層の層厚が、0.05〜1.00μmであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の鋳造用部材。
  10. 該a層と該b層の界面には、VおよびCrを主体とした、窒化物、酸窒化物、炭窒化物の1種以上からなる中間層が存在することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の鋳造用部材。
  11. 該中間層の層厚が、1.00μm以下であることを特徴とする請求項10に記載の鋳造用部材。
  12. それぞれの被覆層は物理蒸着法により被覆したことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の鋳造用部材。
  13. 被覆母材最表面から25μmの深さにおける硬さが、母材最表面から500μmの深さにおける硬さに比べ、100HV0.2以上高いことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の鋳造用部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009101385A (ja) * 2007-10-23 2009-05-14 Daido Steel Co Ltd ダイカスト用金型及びその製造方法
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JP2011156546A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Toyama Univ 鋳造金型表面用保護膜

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