JP2004019001A - 耐溶損性に優れた熱間工具鋼及び金型部材 - Google Patents

耐溶損性に優れた熱間工具鋼及び金型部材 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な靭性,耐ヒートチェック性を保持しつつ耐溶損性に優れた熱間工具鋼を提供することを目的とする。
【解決手段】熱間工具鋼の組成を、重量%でC :0.10〜0.35%,Si:<0.80%,Mn:≦3.0%,Cr:2.0〜7.0%未満,1/2W+Mo:0.3〜5.0%,V :<0.5%,N :0.05超〜0.50%,C+N:0.20〜0.60%,O :≦0.0100%,P :≦0.050%,Al:≦0.050%を満たし、残部が実質的にFeからなる組成を有するものとする。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はAlダイカスト用の金型部材に好適な耐溶損性に優れた熱間工具鋼及び金型部材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
Alダイカスト用の金型本体,中子,入子ピン及び給湯管(以下これらを総称して金型部材とする)用の材料として、従来JIS SKD61,SKD6,SKD62等の熱間工具鋼が使用されて来た。
ところでFeとAlは親和性が強く、金型部材はAl溶湯と比較的容易に反応し、Fe−Alの金属間化合物を形成するなどして表層部が脱落する現象、いわゆる溶損を生じ易い。この溶損にはかじりや焼付きに基づく脱落も含まれる。
【0003】
この溶損は、特に高温のAl溶湯と高速で接触する湯口近傍の金型の段差部や入子ピン等に生じ易い。
而してこのような溶損が大きくなると、製品に凸部欠陥が生じたり、製品の離型が困難になるなどの問題が生ずる。
そのため、耐Al溶損性に優れた金型部材用の材料が求められていた。
【0004】
従来、耐Al溶損性を高めるために軟窒化処理等の表面処理を行い、表層を母材よりも高耐Al溶損性の層に改質するといったことも行われている。
【0005】
しかしながらこのような表面処理による改質処理を施した場合であっても、表層の改質層が残存する初期の間は溶損を防止できるものの、その表層の改質層は次第に消失するため、その後は母材が溶損して上記と同様の問題を生ずる。
従って表面処理により表層の改質処理を施す場合であっても母材自体の耐Al溶損性が強く求められる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような事情を背景としてなされたもので、優れた靭性,耐ヒートチェック性を保持しつつ耐Al溶損性に優れた熱間工具鋼及び金型部材を提供することを目的とする。
【0007】
而して請求項1は熱間工具鋼に関するもので、重量%で、C :0.10〜0.35%,Si:<0.80%,Mn:≦3.0%,Cr:2.0〜7.0%未満,1/2W+Mo:0.3〜5.0%,V :<0.5%,N :0.05超〜0.50%,C+N:0.20〜0.60%,O :≦0.0100%,P :≦0.050%,Al:≦0.050%を満たし、残部が実質的にFeからなる組成を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2は請求項1において、Ni:≦2.0%,Co:≦5.0%の1種又は2種を更に含有していることを特徴とする。
【0009】
請求項3は請求項1,2の何れかにおいて、Ti:≦1.0%,Ta:≦1.0%,B :≦0.010%,Cu:≦1.0%の1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とする。
【0010】
請求項4は請求項1〜3の何れかにおいて、S :≦0.050%,Ca:≦0.0100%,Se:≦0.0100%,Te:≦0.0100%,Zr:≦0.0100%,Mg:≦0.0100%,Y :≦0.100%の1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とする。
【0011】
請求項5は金型部材に関するもので、請求項1〜4の何れかの熱間工具鋼から成ることを特徴とする。
【0012】
請求項6もまた金型部材に関するもので、請求項1〜4の何れかの熱間工具鋼から成り、表層が表面処理により母材よりも高耐Al溶損性の層に改質処理されていることを特徴とする。
【0013】
【作用及び発明の効果】
本発明者は、熱間工具鋼の耐Al溶損性について種々研究を行ったところ、N量を増加することによって耐Al溶損性が向上することを見出した。
但し単にN量を高めた場合、V量が多いと粗大な1次炭窒化物が形成され、金型部材として必要な靭性,耐ヒートチェック性が低下してしまうこと、靭性,耐ヒートチェック性等の特性の低下を防ぐためには、V量を低減すること、更に加えてC+N量を一定の幅に制御することが有効であることも併せて見出した。
本発明はこのような知見の下になされたものであってN量を増加すること,V量を低減すること,C+N量を所定範囲内に制御することを骨子とし、かかる本発明により熱間工具鋼における靭性,耐ヒートチェック性を損なうことなく耐Al溶損性を高めることが可能となった。
【0014】
このような本発明の熱間工具鋼をダイカスト用の金型部材に適用した場合、表面処理による表層改質の有無に拘らず金型部材の補修サイクルの延長が可能であり、製品の寸法精度を長期間高精度に維持することができる。
また表層改質のための表面処理を省略することも可能となり、これにより金型部材のための所要費用を低減することができる。
【0015】
更に表面処理を省略可能であることから、金型を補修する度に表面処理をし直す手間を省くことが可能となり、補修の頻度を少なくできることと相俟って金型部材の補修費用の低減も達成することができる。
【0016】
但し本発明においては請求項6に従って金型部材の表層を表面処理により母材よりも高耐Al溶損性の層に改質処理することもできる。
このような改質処理を施すことによって金型部材における耐溶損性を更に高めることができる。
【0017】
ここで表層改質のための表面処理として以下のようなものを例示できる。
1.拡散浸透法
(A)窒化処理
塩浴窒化       浸硫窒化
ガス窒化       軟窒化
プラズマ窒化     硬窒化
2.コーティング法
(A)CVD法
熱CVD(TiN,TiC,TiCN,Al化合物の単層もしくは多層の形成等)
プラズマCVD(TiN,TiAlN,TiC,TiCN,DLC化合物の単層もしくは多層の形成等)
(B)PVD法
イオンプレーティング(TiN,TiAlN,CrN,TiC,TiCN,DLC化合物の単層もしくは多層の形成等)
スパッタリング(TiN,TiAlN,CrN,Al化合物の単層もしくは多層の形成等)
(C)酸化処理(Fe,Fe化合物の単層もしくは多層の形成等)
【0018】
次に本発明における各化学成分の限定理由を以下に詳述する。
C :0.10〜0.35%
Cは硬さ,耐摩耗性を確保するために必要な元素であり、熱間工具鋼として十分な硬さ,耐摩耗性を確保するためには0.10%以上の添加が必要である。
但し過度に添加した場合は溶製時に粗大な共晶炭化物が生成することや、焼入時に固溶しない炭化物が増加することにより靭性や耐ヒートチェック性の低下を招くため上限を0.35%とする。
【0019】
Si:<0.80%
Siは脱酸元素として必要な元素である。また被削性及び焼戻し軟化抵抗性を高めるためにも有効な元素である。
但し添加量が多い場合には靭性や耐ヒートチェック性が低下することから0.80%未満とする必要がある(好ましくは0.10超〜0.50%)。
【0020】
Mn:≦3.0%
Mnは脱酸元素として、また焼入性及び硬さの確保のために必要な成分であるが、添加量が多い場合には加工性が低下することから3.0%以下とする。
【0021】
Cr:2.0〜7.0%未満
Crは炭化物を形成して基地の強化や耐摩耗性を向上させるため、また焼入性確保のために必要な元素である。但し過度の添加は焼入性や熱間強度の低下を招くため7.0%未満とする。
【0022】
1/2W+Mo:0.3〜5.0%
炭化物を形成して基地の強化や耐摩耗性を向上させるため、また焼入性確保のために必要で、このような効果を得るためには0.3%以上の添加が必要である。
但し過度の添加は靭性の低下を招くため上限を5.0%とする。
尚MoとWは同等の効果をもたらし、WはMoの約2倍の原子量であることから本発明ではMo当量で規定する。添加方法は単独でも複合でも良い。
【0023】
V:<0.5%
Vは炭化物を形成し、基地の強化や耐摩耗性を向上させるために必要であり、また微細な炭化物の形成により結晶粒の微細化、ひいては靭性の向上にも有効である。
但し過度に添加すると溶製時に粗大な共晶炭化物,炭窒化物が生成すること、及び焼入時に固溶せずに残留する炭化物,炭窒化物量が増加することによって靭性,耐ヒートチェック性の低下を招くため、添加量を0.5%未満とする(好ましくは0.3%以下)。
【0024】
N:0.05超〜0.50%
耐Al溶損性及び硬さを高めるために必要な元素である。この耐Al溶損性の向上には微細な窒化物,炭窒化物の生成が影響している可能性がある。
その効果を得るためには0.05%を超える添加が必要である。
但し過度に添加すると粗大な共晶炭窒化物量が増加して靭性,耐ヒートチェック性が低下すること、及び合金組成により添加可能な限界量が存在するため上限を0.50%とする。
【0025】
C+N:0.20〜0.60%
共晶炭窒化物の生成を抑えて靭性を向上させるためにC+N量を0.60%以下に抑えることが必要である。
但しC+N量が低過ぎると硬さが低下するため、下限を0.20%とする(好ましくは0.30〜0.45%)。
【0026】
O:≦0.0100%
Oは靭性や耐ヒートチェック性を低下させるため低減することが好ましい元素であるが、不可避的に含有されて来る元素であり、本発明では0.0100%以下に規制する。好ましくは0.0030%以下とする。
【0027】
P:≦0.050%
Pは靭性や耐ヒートチェック性を低下させるため低減することが好ましい元素であるが、不可避的に含有されて来る元素であり、本発明では0.050%以下とする。0.015%以下に低減することが好ましい。
【0028】
Al:≦0.050%
Alは強脱酸材として有効な元素であり、また結晶粒粗大化防止や窒化性向上のために有効である。但し過度に添加すると材料の清浄度が低下したり被削性が低下するため0.050%以下に限定する。
【0029】
Ni:≦2.0%
Niは焼入性の向上、基地の強化に有効であり、必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると加工性が低下するため上限を2.0%とする。
【0030】
Co:≦5.0%
Coは基地の強化、耐摩耗性向上に有効である。但し過度に添加すると加工性が低下するため上限を5.0%とする。
【0031】
Ti:1.0%以下
Tiは炭窒化物を形成して焼入れ時の結晶粒粗大化を防止する効果があり、必要に応じて添加することができる。
但し過度に添加すると粗大な炭窒化物が生成し、靭性や耐ヒートチェック性を低下させるため上限を1.0%とする。
【0032】
Ta:≦1.0%
Taは炭窒化物を形成して焼入れ時の結晶粒粗大化を防止する効果があり、必要に応じて添加することができる。
但し過度に添加すると粗大な炭窒化物が生成し、靭性や耐ヒートチェック性を低下させるため上限を1.0%とする。
【0033】
B:≦0.010%
Bは焼入性を向上させるのに有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると熱間加工性や靭性が低下するので上限を0.010%とする。
【0034】
Cu:≦1.0%
Cuは基地の強化に有効であり、必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると靭性が低下するため上限を1.0%とする。
【0035】
S:≦0.050%
Sは不可避的に含有される元素であるが、被削性向上に有効であり必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると靭性が低下するため上限を0.050%とする。
【0036】
Ca:≦0.0100%
Caは被削性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると靭性が低下するため上限を0.0100%とする。
【0037】
Se:≦0.0100%
Seは被削性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると靭性が低下するため上限を0.0100%とする。
【0038】
Te:≦0.0100%
Teは被削性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると靭性,熱間加工性が低下するため上限を0.0100%とする。
【0039】
Zr:≦0.0100%
Zrは被削性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると靭性が低下するため上限を0.0100%とする。
【0040】
Mg:≦0.0100%
Mgは溶製時に脱酸,脱硫元素として作用する。また高温での強度,延性向上にも効果がある。
必要に応じて添加することができるが、過度に添加すると熱間加工性が低下するため上限を0.0100%とする。
【0041】
Y:0.100%以下
Yは金型表面に酸化被膜を形成し、耐摩耗性,耐焼付き性,耐ヒートチェック性を改善する効果があり、必要に応じて添加することができる。但し過度に添加すると靭性が低下するので上限を0.100%とする。
【0042】
【実施例】
次に本発明の実施例を以下に詳述する。
<実施例1>
表1に示す組成の鋼50kgを鋼塊中の窒素濃度を高めるため、溶解,鋳込みの装置全体が10気圧まで加圧可能な加圧溶解炉で溶解し、鋳造した。但し表1中の従来鋼については50kgを真空溶解炉で溶解し、鋳造した。
【0043】
【表1】
Figure 2004019001
【0044】
続いて1230℃×10 hrの条件でソーキングを行い、その後60mm角材に鍛造し、870℃×3hr→徐冷の条件で焼鈍しを行い、Al溶損試験片,シャルピー試験片,ヒートチェック試験片の各試験片を荒加工した。
その後、以下の表2に示す条件で焼入焼戻しを行い、続いてAl溶損試験片,シャルピー試験片,ヒートチェック試験片の各試験片を精加工した。
ここでAl溶損試験片はφ10mm×60mmLとし、またシャルピー試験片はJIS 3号試験片、ヒートチェック試験片はφ15mm×5mmとした。
【0045】
【表2】
Figure 2004019001
【0046】
そして各試験片について以下の試験条件でAl溶損試験,シャルピー試験,ヒートチェック試験を実施した。
その結果が表3に示してある。
【0047】
(A)Al溶損試験
Al溶湯中に試験片の30mmを浸漬し、試験片中心が直径30mmの円を描くように回転させてAlによる溶損状況を調査した。
・Al合金 :B390(Al−17Si−4.5Cu)
・溶湯温度:750℃
・回転数 :200rpm
・浸漬時間:30分
試験後の試験片を飽和NaOH水溶液に浸漬して付着したAl合金を除去し、重量を測定して耐溶損性を下式による溶損率で評価した。
溶損率(%)=(試験前重量‐試験後重量)÷(試験前のφ10×30L部の重量)×100
【0048】
(B)シャルピー試験
鋼材の幅方向から試験片を採取(T方向)し、JIS Z 2242に従いシャルピー衝撃値を評価した。
【0049】
(C)ヒートチェック試験
高周波加熱、水冷式のヒートチェック試験機を用いて評価した。具体的には表層部の700℃加熱⇔水冷を1000回繰り返した後、試料表面に発生するクラックの深さ,本数を測定し、クラック平均長さで耐ヒートチェック性を評価した。
【0050】
【表3】
Figure 2004019001
【0051】
表3の結果に見られるように、No.27,28,29の従来鋼の場合、何れも耐溶損性(溶損率)が悪く、また靭性(シャルピー衝撃値),耐ヒートチェック性(平均クラック長さ)の何れも不十分な値である。
また一方、比較鋼においても耐溶損性(溶損率),靭性(シャルピー衝撃値),耐ヒートチェック性(平均クラック長さ)の何れかの特性が不十分であるのに対し、実施例の場合耐溶損性,靭性,耐ヒートチェック性何れも良好な特性が得られている。
【0052】
<実施例2>
表4に示す組成の鋼(実施例及び従来鋼)について、実施例1と同様な加圧溶解炉(実施例)と真空誘導炉(従来鋼)にて50kgのインゴットを溶製し、φ20mmの丸材に鍛造し、その後870℃で焼鈍し処理を実施した。
【0053】
【表4】
Figure 2004019001
【0054】
続いて実施例,従来鋼ともに200mmの長さに3本ずつ切断後、旋削によりφ15×200mmに荒加工し、続いて1030℃×1hrの条件で焼入れ後、580〜590℃×8hrの条件で焼戻しを2回行い、硬さをHRC38,45,52にそれぞれ調整した。
【0055】
そしてそれらを鋳抜ピン形状に仕上加工し、続いて表層改質のための表面処理を実施した。
ここで表面処理は、実施例,従来鋼ともにHRC38の素材については525℃×2.5hrの条件でガス軟窒化処理を行い、またHRC52の素材についてはPVD処理によってCrN被膜を形成した。
尚HRC45の素材については表面処理不実施とした。
【0056】
Alダイカスト金型(シリンダーヘッド型)に上記鋳抜ピンを組み込んで鋳造試験を行った。その際表面処理無しの鋳抜ピンについては5000ショット、表面処理を実施した鋳抜ピンについては20000ショットまで使用した。
そして鋳造前の鋳抜ピン重量及び鋳造後の鋳抜ピン重量を測定した。
【0057】
このとき鋳造後の鋳抜ピンは飽和NaOH水溶液に浸漬し、付着したAl合金を除去してから重量を測定した。
そして(試験前重量)−(試験後重量)により溶損による減量を求め、溶損性の評価を行った。
結果が表5に示してある。
【0058】
【表5】
Figure 2004019001
【0059】
表5の結果から、実施例において、表層改質のための表面処理を実施することによって溶損減量を更に効果的に低減せしめ得ることが分る。
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。

Claims (6)

  1. 重量%で、
    C :0.10〜0.35%
    Si:<0.80%
    Mn:≦3.0%
    Cr:2.0〜7.0%未満
    1/2W+Mo:0.3〜5.0%
    V :<0.5%
    N :0.05超〜0.50%
    C+N:0.20〜0.60%
    O :≦0.0100%
    P :≦0.050%
    Al:≦0.050%
    を満たし、残部が実質的にFeからなる組成を有することを特徴とする耐溶損性に優れた熱間工具鋼。
  2. 請求項1において、
    Ni:≦2.0%
    Co:≦5.0%
    の1種又は2種を更に含有していることを特徴とする耐溶損性に優れた熱間工具鋼。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、
    Ti:≦1.0%
    Ta:≦1.0%
    B :≦0.010%
    Cu:≦1.0%
    の1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とする耐溶損性に優れた熱間工具鋼。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、
    S :≦0.050%
    Ca:≦0.0100%
    Se:≦0.0100%
    Te:≦0.0100%
    Zr:≦0.0100%
    Mg:≦0.0100%
    Y :≦0.100%
    の1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とする耐溶損性に優れた熱間工具鋼。
  5. 請求項1〜4の何れかの熱間工具鋼から成ることを特徴とする耐溶損性に優れた金型部材。
  6. 請求項1〜4の何れかの熱間工具鋼から成り、表層が表面処理により母材よりも高耐Al溶損性の層に改質処理されていることを特徴とする耐溶損性に優れた金型部材。
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