JP2002301878A - 平版印刷版用支持体 - Google Patents

平版印刷版用支持体

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JP2002301878A
JP2002301878A JP2001304519A JP2001304519A JP2002301878A JP 2002301878 A JP2002301878 A JP 2002301878A JP 2001304519 A JP2001304519 A JP 2001304519A JP 2001304519 A JP2001304519 A JP 2001304519A JP 2002301878 A JP2002301878 A JP 2002301878A
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JP2001304519A
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Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粗面化処理により得られる粗面の均一性に優
れ、ピットの深さが深く、平版印刷版としたときの耐刷
性に優れる平版印刷版用支持体の提供。 【解決手段】Feを0.05〜0.5質量%、Siを
0.03〜0.15質量%、Cuを0.003〜0.0
3質量%、Tiを0.001〜0.040質量%含有
し、残部がAlと不可避不純物とからなるアルミニウム
合金板に、電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施
してなる平版印刷版用支持体であって、該アルミニウム
合金板において、表面から深さ2μmまでの領域におけ
るCu含有量が、深さ2μm以上の領域におけるCu含
有量よりも20ppm以上多く、かつ、Cu含有量とS
i含有量とTi含有量とが、特定の関係式を満足する関
係にあることを特徴とする平版印刷版用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用支持体
に関し、特に電気化学的粗面化(以下「電解粗面化」と
もいう。)処理による粗面化効率に優れ、均一な電解粗
面化ピットを有し、平版印刷版としたときに印刷性能に
優れる平版印刷版用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、平版印刷版用支持体としてアルミ
ニウム合金板が用いられている。そして、このアルミニ
ウム合金板は、感光層との密着性および非画像部の保水
性を付与するために粗面化処理が施される。粗面化処理
の方法としては、従来、ボールグレイン、ブラシグレイ
ン等の機械的粗面化法、塩酸、硝酸等を主体とする電解
液を用いてアルミニウム合金板の表面を電解研磨する電
気化学的粗面化法、酸溶液またはアルカリ溶液によりア
ルミニウム合金板の表面をエッチングする化学的粗面化
法等が知られているが、近年では、電気化学的粗面化法
により得られる粗面がピット(凹凸)が均質で、平版印
刷版としたときに印刷性能に優れることから、この電気
化学的粗面化法と他の粗面化方法とを組み合わせて粗面
化処理を行うことが主流になってきている。
【0003】しかしながら、この電気化学的粗面化処理
においても、用いるアルミニウム合金板によっては、処
理効率が低くかったり、ピットの形成状態に差が生じて
均質な粗面が得られないことがある。そこで、電気化学
的粗面化処理の効率の向上や粗面の均一化を目的とし
て、アルミニウム合金組成からの検討が種々なされてい
る。例えば、特開平9−316582号公報には、F
e:0.20〜0.6重量%、Si:0.03〜0.1
重量%、Zn:0.04〜0.1重量%およびCu:
0.03重量%以下を含有し、残部がAlおよび不可避
的不純物からなり、Znの含有量とFeの含有量との比
が0.2以上である印刷用版アルミニウム合金板が記載
されている。
【0004】また、特開平9−279272号公報に
は、Fe:0.20〜0.6重量%、Si:0.03〜
0.15重量%、Ti:0.005〜0.05重量%お
よびNi:0.005〜0.20重量%を含有し、残部
がAlおよび不可避的不純物からなる印刷版用アルミニ
ウム合金板であって、該元素の一部または全部が金属間
化合物を形成しており、該金属間化合物が、Alを含有
し、更にFe:20〜30重量%、Si:0.3〜0.
8重量%およびNi:0.3〜10重量%を含有するこ
とを特徴とする印刷版用アルミニウム合金板が記載され
ている。
【0005】更に、特開平3−177528号公報に
は、Si:0.03〜0.30重量%、Fe:0.1〜
0.5重量%、Cu:0.001〜0.03重量%、G
a:0.005〜0.020重量%、Ni:0.001
〜0.03重量%およびTi:0.002〜0.05重
量%を含有するアルミニウム合金板が記載されている。
【0006】また、アルミニウム合金板の表層部分(表
面から深さ数μm程度の領域)の合金組成についての検
討もなされている。例えば、特開平10−204567
号公報には、Fe:0.20〜0.6重量%、Si:
0.03〜0.15重量%およびTi:0.005〜
0.05重量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不
純物からなる印刷版用アルミニウム合金板であって、表
面から3μmの深さまでの表層部のSi濃度が全体のS
i濃度よりも0.01〜0.17重量%高く、該表層部
がSiを0.05〜0.2重量%含有する印刷版用アル
ミニウム合金板が記載されている。
【0007】しかしながら、上述したようにアルミニウ
ム合金組成を規定する場合には、目的とする効果を得る
ためにはZn、Ni等の有効元素を多量に添加する必要
があることから、コスト高を招く。また、アルミニウム
合金板の表層部分のSi濃度を高める場合には、印刷時
に非画像部でインキ汚れが発生しやすく、画質の面で問
題がある。更に、これらの平版印刷版用支持体を製造す
る際の電気化学的粗面化処理においては、供給電気量等
の電解条件によって、形成されるピットの大きさや形
状、分布等が異なることから、実際の処理に際して最適
な電解条件の厳密な制御および管理が必要である。
【0008】本発明者らは、このような状況に鑑みて、
Fe:0.05〜0.5重量%、Si:0.03〜0.
15重量%、Cu:0.006〜0.03重量%、T
i:0.010〜0.040重量%を含有し、かつ、表
面から深さ2μmまでの表層部のCu含有量が該表層部
よりも深い領域のCu含有量に比べて20ppm以上高
いアルミニウム合金板を用いる平版印刷版用支持体を提
案した(特開2000−108534号公報)。上記平
版印刷版用支持体は、電気化学的粗面化処理において効
率よく、しかも電解条件によらず常に均一なピットが形
成可能であり、平版印刷版としたときの印刷性能に優れ
る。しかし、近年においては、求められる粗面の均一性
(ピットの大きさ、形状、分布等の均一性)の水準がよ
り高くなってきており、上記平版印刷版用支持体のよう
に特定の元素の含有量およびCu含有量の深さ方向の分
布を規定するだけでは、粗面の均一性が不十分になる場
合があった。また、平版印刷版としたときの耐刷性の更
なる向上も望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粗面化処理
により得られる粗面の均一性に優れ、ピットの深さが深
く、平版印刷版としたときの耐刷性に優れる平版印刷版
用支持体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、平版印刷版用支持体に用いられるアルミニウム合
金板において、Fe、Si、CuおよびTiを特定量含
有し、Cu含有量の深さ方向の分布を特定のものにし、
更に、Cu含有量とSi含有量とTi含有量とを特定の
関係にすることにより、粗面化処理により得られる粗面
の均一性に優れ、ピットの深さが深く、平版印刷版とし
たときの耐刷性に優れる平版印刷版用支持体が得られる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0011】即ち、本発明は、Feを0.05〜0.5
質量%、Siを0.03〜0.15質量%、Cuを0.
003〜0.03質量%、Tiを0.001〜0.04
0質量%含有し、残部がAlと不可避不純物とからなる
アルミニウム合金板に、電気化学的粗面化処理を含む粗
面化処理を施してなる平版印刷版用支持体であって、該
アルミニウム合金板において、表面から深さ2μmまで
の領域におけるCu含有量が、深さ2μm以上の領域に
おけるCu含有量よりも20ppm以上多く、かつ、C
u含有量とSi含有量とTi含有量とが、下記式(1)
を満足する関係にあることを特徴とする平版印刷版用支
持体を提供する。 1≦(Cu含有量+Si含有量)/Ti含有量≦30 (1) ただし、上記式(1)中、Cu含有量は、表面から深さ
2μmまでの領域におけるCu含有量を表す。
【0012】前記アルミニウム合金板が、更に、Mgを
0.001〜0.3質量%含有し、かつ、Li、Na、
K、Rb、Cs、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Nb、
Ta、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Co、R
h、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、C、Ge、P、A
s、S、Se、TeおよびPoからなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素を1〜100ppm含有し、前記
アルミニウム合金板のAl純度が99質量%以上である
前記平版印刷版用支持体は、好ましい態様の一つであ
る。
【0013】前記平版印刷版用支持体においては、表面
から深さ10μmまでの領域において、FeSi系金属
間化合物の単位面積あたりの存在率が0.5%以下であ
り、かつ、Siを主とする析出物または晶出物の単位面
積あたりの存在率が0.5%以下であるのが好ましい。
【0014】前記平版印刷版用支持体においては、その
アルミニウム合金板表面に、凹状ピットのピット開口部
の平均開口径が0.6μm以下、かつ、ピットの深さと
ピットの開口径比(ピット深さ/ピット径)の平均値が
0.15〜1.0である凹状ピットを有するのが好まし
い。ここで、凹状ピットの平均開口径は、0.3μm以
下であるのがより好ましく、また、0.02μm以上で
あるのがより好ましい。凹状ピットの深さ/開口径比の
平均は、0.2以上であるのがより好ましく、また、
0.5以下であるのがより好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の平版印刷版用支持体には、アルミニウム
合金が用いられる。本発明において、アルミニウム合金
における必須の合金成分は、Al、Fe、Si、Cuお
よびTiである。
【0016】Feは、アルミニウム合金の機械的強度を
高める作用があり、Fe含有量が0.05質量%未満で
あると、機械的強度が低すぎて、平版印刷版を印刷機の
版胴に取り付ける際に、版切れを起こしやすくなる。ま
た、高速で大部数の印刷を行う際にも、同様に版切れを
起こしやすくなる。よって、Fe含有量は、0.05質
量%以上であり、特に、得られる平版印刷版用支持体の
強度を重視する場合には、0.2質量%以上とするのが
好ましい。一方、Fe含有量が0.5質量%を超える
と、必要以上に高強度となり、平版印刷版を印刷機の版
胴に取り付ける際に、フィットネス性に劣り、印刷中に
版切れを起こしやすくなる。この点で、Fe含有量は、
0.5質量%以下、好ましくは0.4質量%以下であ
る。ただし、校正刷り用途に用いられる平版印刷版の場
合は、これらの強度やフィットネス性に関する制約は必
ずしも重要ではないので、上記範囲よりやや変動させる
ことができる。よって、Fe含有量は、0.05〜0.
5質量%である。
【0017】Siは、Al中に固溶し、またはAl−F
e−Si系金属間化合物もしくはSi単独の析出物を形
成して存在する。Al中に固溶したSiは、電解粗面を
均一にする作用と電解粗面化ピットの主として深さを均
一にする作用とを有する。ところで、Siは原材料であ
るAl地金に不可避不純物として含有されており、場合
によっては、すでにSi含有量が0.03質量%以上の
ことがある。そのため、0.03質量%未満の含有量は
現実的ではなく、また、原材料差によるばらつきを防ぐ
ため、意図的に微量添加されることが多い。しかし、S
i含有量が0.03質量%未満では、上記作用が現れな
いし、高純度のAl地金が必要になり、高価となるた
め、この点からも現実的でない。この点で、Si含有量
は、0.03質量%以上、好ましくは0.06質量%以
上である。逆に、Si含有量が0.15質量%を超える
と、単体Siのかたちで存在するSiの割合が高くな
り、印刷した際に、耐苛酷インキ汚れ性が悪くなる場合
があるという不具合がある。ここで、「苛酷インキ汚
れ」とは、印刷を何度も中断しつつ行った場合に、平版
印刷版の非画像部表面部分にインキが付着しやすくなっ
た結果、印刷された紙等に表れる点状または円環状の汚
れをいう。この点で、Si含有量は、0.15質量%以
下、好ましくは0.10質量%以下である。よって、S
i含有量は、0.03〜0.15質量%である。
【0018】Cuは、電解粗面化処理を制御する上で非
常に重要な元素である。電解粗面化処理においては、通
常、酸性の電解液中で交流電流を通電することで、アル
ミニウムの溶解反応(ピッティング反応)と、溶解して
生じた成分が溶解反応部に再付着するスマット付着反応
とが交流のサイクルに従って交互に起こる。この繰り返
しによって、アルミニウム合金板の表面には、特定の場
所にピッティング反応が集中することなく、均一な凹部
(ピット)を全面に形成することができる。ピットの均
一性は、優れた印刷適性を得るために必須である。
【0019】Cu含有量が0.003質量%未満である
と、電気化学的にピットを形成する際の表面酸化皮膜の
抵抗が過小となるため、均一なピットが形成されない場
合がある。この点で、Cu含有量は、0.003質量%
以上、好ましくは0.005質量%以上である。一方、
含有量が0.03質量%を超えると、逆にピットを形成
する際の表面酸化皮膜の抵抗が過大となるため、粗大な
ピットが生成されやすくなる。この点で、Cu含有量
は、0.03質量%以下、好ましくは0.025質量%
以下である。なお、後述するように、本発明の平版印刷
版用支持体に用いられるアルミニウム合金板において
は、表面から深さ2μmまでの領域におけるCu含有量
と、深さ2μm以上の領域におけるCu含有量とが異な
るが、上述したCu含有量の規定範囲は、表面から深さ
2μmまでの領域においてのCu含有量についてのもの
である。
【0020】また、本発明においては、アルミニウム合
金板において、表面から深さ2μmまでの領域における
Cu含有量が、深さ2μm以上の領域におけるCu含有
量よりも20ppm以上多いことを特徴とする。ここ
で、「表面から深さ2μmまでの領域におけるCu含有
量が、深さ2μm以上の領域におけるCu含有量よりも
20ppm以上多い」とは、表面から深さ2μmまでの
領域におけるCu含有量をppm(質量百万分率)を単
位として表した数値から、深さ2μm以上の領域におけ
るCu含有量をppmを単位として表した数値を減じて
得られる数値が、20以上であることを意味する。これ
により、電解粗面化時に起こるピッティング反応(溶解
反応)の反応起点をまばらに分散させることができる一
方で、ピッティング反応が進行しても、深さ2μmより
も深い位置に達すると、その部分ではCu濃度がやや低
くなるために過大なピットの発生を抑制することがで
き、均一なピットを形成することができる。しかも、こ
のようなピットの成長の抑制は、電解条件によらない。
よって、Cu含有量は、表面から深さ2μmまでの領域
において、0.003〜0.03質量%(30〜300
ppm)であり、かつ、この表面から深さ2μmまでの
領域におけるCu含有量は、深さ2μm以上の領域にお
けるCu含有量よりも20ppm以上、好ましくは30
ppm以上多い。
【0021】Tiは、以前より、鋳造時の結晶組織を微
細にするために添加されている。Ti含有量が0.04
0質量%を超えると、電解粗面化処理において表面酸化
皮膜の抵抗が過小となるため、均一なピットが形成され
ない場合がある。この点で、Ti含有量は、0.040
質量%以下、好ましくは0.030質量%以下である。
一方、含有量が0.001質量%未満であると、鋳造時
の結晶組織が微細化されないために、種々の工程を経て
0.1〜0.5mmの厚みに仕上げた後も、鋳造時の粗
大な結晶組織の痕跡が残り、外観に著しい不良を生じる
場合がある。この点で、Ti含有量は、0.001質量
%以上、好ましくは0.005質量%以上、更に好まし
くは0.015質量%以上である。よって、Ti含有量
は、0.001〜0.040質量%である。TiはAl
−Ti合金またはAl−B−Ti合金として添加され
る。
【0022】更に、本発明においては、Cu含有量(質
量%)とSi含有量(質量%)とTi含有量(質量%)
とが、下記式(1)を満足する関係にあることを特徴と
する。 1≦(Cu含有量+Si含有量)/Ti含有量≦30 (1) ただし、上記式(1)中、Cu含有量は、表面から深さ
2μmまでの領域におけるCu含有量を表す。
【0023】一般に、Cuはピットの直径を大きくし、
かつ、ピットを丸く均一にする作用を有し、Siはピッ
トを深くし、かつ、ピットの深さを均一にする作用を有
するのに対し、Tiはピットを浅くし、ピットの形状を
不定形にし、不均一にする作用を有する。本発明者は、
これらの元素をその特性を生かすために特定量含有させ
つつ、上記のような相反する作用のバランスをとって、
本発明者らが以前提案した平版印刷版用支持体(特開2
000−108534号公報)より更に粗面の均一性に
優れ、平版印刷版としたときの耐刷性に優れる平版印刷
版用支持体を得るためには、Cu含有量とSi含有量と
の和をTi含有量で除した値をパラメータとして選択
し、その値を特定範囲内にすればよいことを見出し、上
記式(1)を得て、本発明を完成したのである。
【0024】上記パラメータ((Cu含有量+Si含有
量)/Ti含有量)の値が1未満であると、ピットの丸
い形状が崩れ、均一な粗面が形成できなくなる場合があ
る。この点で、上記パラメータは、1以上、好ましくは
3以上である。また、上記パラメータの値が30を超え
ると、大きく深いピットが多数形成され、結果的にピッ
トの径のばらつきが大きくなり、均一な粗面が形成でき
なくなる場合がある。この点で、上記パラメータは、3
0以下、好ましくは25以下である。
【0025】本発明においては、アルミニウム合金板
が、上記の各成分に加えて、Mgを0.001〜0.3
質量%含有し、かつ、Li、Na、K、Rb、Cs、C
a、Sr、Ba、Sc、Y、Nb、Ta、Mo、W、T
c、Re、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Pd、P
t、Ag、Au、C、Ge、P、As、S、Se、Te
およびPoからなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素(以下「特定微量元素」ともいう。)を1〜100p
pm含有し、アルミニウム合金板のAl純度が99質量
%以上であるのが好ましい態様の一つである。
【0026】Mgは、Alの再結晶組織を微細にする作
用や、引張強度、耐力、疲労強度、折り曲げ強度、耐熱
軟化性等の機械的強度を向上させる作用を有する。ま
た、Mgは、電解粗面化においてピットの分散を均一化
する作用を有するので、粗面の均一化に寄与する。本発
明においては、Mg含有量が0.001質量%未満の場
合はピットの分散が悪く、耐苛酷インキ汚れ性に劣るこ
とがある。この点で、Mg含有量は、0.001質量%
以上であるのが好ましく、0.003質量%以上である
のがより好ましい。また、Mg含有量が0.3質量%を
超える場合もやはりピットの分散が悪く、耐苛酷インキ
汚れ性が劣ることがある。この点で、Mg含有量は、
0.3質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以
下であるのがより好ましい。よって、Mg含有量は、
0.001〜0.3質量%であるのが好ましい。
【0027】上記特定微量元素は、電気化学的粗面化処
理において、電解エッチングを促進し、ピットの均一性
を向上させる効果を有し、しかもごく少量でその効果を
発現する。これらの元素は、1ppm以上添加すれば十
分に効果を発現する。好ましくは、10ppm以上であ
る。また、必要以上の添加は、経済性の観点から好まし
くなく、100ppm以下であるのが好ましく、50p
pm以下であるのがより好ましい。したがって、平版印
刷版用支持体として要求される機械的強度、柔軟性等の
物理特性には、何ら影響を与えない。なお、上記添加量
は、複数種併用する場合にはそれらの合計である。特定
微量元素の添加方法としては、例えば、Al地金を溶融
して所定の合金成分に調合した上で鋳造する際に、原材
料として添加する方法、電気化学的粗面化処理工程での
処理液に添加する方法、電気化学的粗面化処理工程より
上流の工程で添加する方法が挙げられる。
【0028】本発明に用いられるアルミニウム合金にお
いては、Al含有量(Al純度)が99質量%以上であ
るのが好ましく、99.5質量%以上であるのがより好
ましい。本発明においては、Al含有量と上記必須合金
成分の上記特定含有量とを全体から差し引いた残りが、
不可避不純物の含有量である。アルミニウム合金の機械
的強度はAl純度に依存し、通常はAl純度が低いと、
アルミニウム合金の柔軟性は低くなる。したがって、ア
ルミニウム合金におけるAl含有量が上記範囲より低く
なると、平版印刷版としたときに印刷機への装着性が悪
くなるなどの不具合が生じる場合がある。
【0029】上述したアルミニウム合金を板材とするに
は、例えば、下記の方法を採用することができる。ま
ず、各種元素の含有量が所定範囲にあり、かつ、上記式
(1)を満たすように、アルミニウム合金溶湯を調製す
る。ついで、このアルミニウム合金溶湯を清浄化処理し
て、溶湯中に混入している水素等の不要ガスや、固形の
不純物を除去する。不要ガスを除去する清浄化処理とし
ては、例えば、フラックス処理;アルゴンガス、塩素ガ
ス等を使った脱ガス処理が挙げられる。また、固形の不
純物を除去する清浄化処理としては、例えば、セラミッ
クチューブフィルタ、セラミックフォームフィルタ等の
いわゆるリジッドメディアフィルタや、アルミナフレー
ク、アルミナボール等をろ材とするフィルタや、グラス
クロスフィルタ等を使ったフィルタリング処理が挙げら
れる。また、脱ガス処理とフィルタリング処理とを組み
合わせた清浄化処理を行うこともできる。
【0030】ついで、アルミニウム合金溶湯を、DC鋳
造法に代表される固定鋳型を用いる鋳造法、および、連
続鋳造法に代表される駆動鋳型を用いる鋳造法のいずれ
かにより、鋳造する。DC鋳造法の場合、板厚300〜
800mmの鋳塊が製造されるので、常法に従い、面削
により表層の1〜30mm、好ましくは1〜10mmが
切削される。この際の切削量により、表面から深さ2μ
mまでの領域および深さ2μm以上の領域におけるCu
含有量を所定の値に調整することができる。その後、必
要に応じて、均熱処理が行われる。均熱処理を行う場
合、金属間化合物が粗大化しないように、450〜62
0℃で1〜48時間の熱処理を行う。均熱処理の温度を
500℃以上にすると、後述する本発明の平版印刷版用
支持体の表面から深さ10μmまでの領域におけるFe
Si系金属間化合物の単位面積あたりの存在率が0.5
%以下となりやすいので、好ましい。また、1時間未満
の場合は、均熱処理の効果が不十分となることがある。
【0031】その後、熱間圧延、冷間圧延を行ってアル
ミニウム合金板の圧延板とする。熱間圧延の開始温度は
350〜500℃が適当である。冷間圧延の前もしくは
後、またはその途中において、中間焼鈍処理を行っても
よい。その条件は、バッチ式焼鈍炉を用いて280〜6
00℃で2〜20時間、好ましくは350〜500℃で
2〜10時間加熱するか、連続焼鈍炉を用いて400〜
600℃で6分以下、好ましくは450〜550℃で2
分以下加熱するかである。連続焼鈍炉を用いて10℃/
秒以上の昇温速度で加熱して、結晶組織を細かくするこ
ともできる。冷間圧延の後に、100〜200℃になる
まで放冷すると、後述する本発明の平版印刷版用支持体
の表面から深さ10μmまでの領域におけるSiを主と
する析出物または晶出物の単位面積あたりの存在率が
0.5%以下となりやすいので、好ましい。所定の厚
さ、例えば、0.1〜0.5mmに仕上げられたアルミ
ニウム合金板は、更にローラレベラ、テンションレベラ
等の矯正装置によって平面性を改善してもよい。また、
所定の板幅に加工するため、スリッタラインを通すこと
も通常行われる。
【0032】アルミニウム合金板は、ついで、平版印刷
版用支持体とするために粗面化処理を施される。本発明
においては、アルミニウム合金板は、電解粗面化処理を
含む粗面化処理を施されるが、電解粗面化処理のみを施
されてもよく、電解粗面化処理と、機械的粗面化処理お
よび/または化学的粗面化処理とを組み合わせて施され
てもよい。また、電解粗面化処理を塩酸溶液中で行う場
合は、電解粗面化処理を主たる粗面化処理とするのが好
ましい。
【0033】電解粗面化処理はアルミニウム合金板の表
面に微細な凹凸(ピット)を付与することが容易である
ため、印刷性の優れた平版印刷版を作るのに適してい
る。電解粗面化処理は、硝酸または塩酸を主体とする水
溶液中で、直流または交流を用いて行われる。電解粗面
化処理においては、アルミニウムのピッティング反応
と、ピッティング反応により溶解して生じた成分が溶解
反応部に再付着するスマット付着反応とが交流のサイク
ルに従って交互に起こる。この繰り返しによって、アル
ミニウム合金板の表面に凹部(ピット)が生成する。
【0034】電解粗面化処理によりクレーター状または
ハニカム状のピットをアルミニウム合金板の表面に30
〜100%の面積率(分散密度)で生成することができ
る。ピットの性状は、平均直径約0.1〜10μmであ
る。適当な性状のピットは、平版印刷版の非画像部の汚
れにくさ(耐汚れ性および耐苛酷インキ汚れ性)と耐刷
性を向上させる作用がある。また、電解粗面化処理によ
り、同時に、通常、平均表面粗さRa 0.35〜1.0
μmのうねり状の粗面が形成される。電解粗面化処理に
おいては、十分なピットを表面に設けるために必要なだ
けの電気量、即ち、電流と通電時間との積が、重要な条
件となる。より少ない電気量で十分なピットを形成でき
ることは省エネルギーの観点からも好ましい。本発明に
おいては、上述したように、アルミニウム合金板におい
て、表面から深さ2μmまでの領域および深さ2μm以
上の領域におけるCu含有量を規定したことにより、電
解条件にかかわらずに均一なピットを形成することが可
能であり、少ない電気量で処理しても十分なピットを形
成することができる。
【0035】機械的粗面化処理は、アルミニウム合金板
の表面に、一般的には長さが10〜2000μm、高さ
が1〜10μm程度の「うねり状」や「しわ状」の粗面
を形成する。この場合の平均表面粗さRa は、通常、
0.35〜1.0μm、好ましくは0.40〜0.80
μmである。機械的粗面化処理は、電解粗面化処理に比
べ、より効率的に「うねり状」粗面をつくることが可能
である。平均表面粗さR a は、支持体表面のうねり状態
を示す因子であるが、これが大きいほど、凹凸が大き
く、保水性がよい。保水性は耐汚れ性のうち、網点の絡
みに影響を与えるので、結局平均表面粗さRa が、耐汚
れ性に影響を与えることになる。本発明における機械的
粗面化処理の条件は特に制限されるものではないが、特
公昭50−40047号公報に記載されている方法に従
って行うことができる。形成されるピットの形状および
大きさは電解粗面化処理の場合と同程度である。また、
化学的粗面化処理も、特に制限されることなく公知の方
法に従って実施可能であり、機械的粗面化処理の場合と
同様にうねりやピットが形成される。
【0036】粗面化処理に引き続いて、アルミニウム合
金板の表面の耐磨耗性を高めるために陽極酸化処理が行
われる。陽極酸化処理に使用される電解質は、多孔質酸
化皮膜を形成することができるものであれば、いかなる
ものでもよい。一般には、硫酸、リン酸、シュウ酸、ク
ロム酸、またはこれらの混合物が用いられる。電解質の
濃度は、電解質の種類等によって適宜決められる。陽極
酸化処理の条件は、電解質によってかなり変動するの
で、特定しにくいが、一般的には電解質の濃度が1〜8
0質量%、液温5〜70℃、電流密度1〜60A/dm
2 、電圧1〜100V、電解時間10〜300秒であれ
ばよい。
【0037】また、印刷時の耐汚れ性を向上させるた
め、電解粗面化処理および水洗を行った後、アルカリ溶
液で軽度のエッチング処理を行い、水洗し、更に、アル
ミニウム板の表面に残存するアルカリに不溶な物質(ス
マット)を除去するために硫酸等の酸によるデスマット
処理を行った後、水洗し、硫酸中で直流電解を行って陽
極酸化皮膜を設けてもよい。更に、必要に応じて、シリ
ケート等による親水化処理を行ってもよい。
【0038】以上のようにして本発明の平版印刷版用支
持体が得られる。本発明の平版印刷版用支持体は、粗面
化処理により得られる粗面の均一性に優れ、ピットの深
さが深く、平版印刷版としたときの耐刷性に優れる。
【0039】前記平版印刷版用支持体においては、表面
から深さ10μmまでの領域において、FeSi系金属
間化合物の単位面積あたりの存在率が0.5%以下であ
り、かつ、Siを主とする析出物または晶出物の単位面
積あたりの存在率が0.5%以下であるのが好ましい。
上述したように、Siは、Al中に固溶し、またはAl
−Fe−Si系金属間化合物もしくはSi単独の析出物
を形成して存在する。アルミニウム合金板が平版印刷版
用支持体の製造過程で加熱されると、固溶していたSi
が単体Siとして析出することがある。単体SiとFe
Si系金属間化合物は耐苛酷インキ汚れ性に悪影響を与
えることが知られている。本発明の好適な態様において
は、表面から深さ10μmまでの領域において、FeS
i系金属間化合物の単位面積あたりの存在率が0.5%
以下であり、かつ、Siを主とする析出物または晶出物
の単位面積あたりの存在率が0.5%以下であるので、
耐苛酷インキ汚れ性に優れる。
【0040】ここで、「FeSi系金属間化合物の単位
面積あたりの存在率」および「Siを主とする析出物ま
たは晶出物の単位面積あたりの存在率」は、例えば、電
子プローブ微量分析(EPMA)により求めることがで
きる。EPMAは、電子線を照射した箇所から生じる特
性X線により、特定の元素の有無および存在率を測定す
る分析方法である。なお、電子線は、通常、加速電圧の
値により表面から内部に到達する深さが異なるので、本
発明においては、10〜40kVの加速電圧を用いるこ
とにより、表面から深さ10μmまでの領域におけるF
eおよびSiの存在率を測定することができる。
【0041】まず、EPMAにより平版印刷版用支持体
の表面の所定面積内に存在するFeおよびSiの存在位
置と面積とを面分析によって求める。ついで、Feおよ
びSiのそれぞれの存在率、ならびに、FeとSiとが
一致する部分の存在率を、測定面積から算出する。更
に、Siの存在率から、FeとSiとが一致する部分の
存在率を減じて得られるSiのみの部分の存在率を算出
する。ここでFeとSiとが一致する部分は、FeSi
系金属間化合物に相当し、Siのみの部分は、Siを主
成分とする析出物または晶出物に相当する。したがっ
て、上記で算出したFeとSiとが一致する部分の存在
率は、表面から深さ10μmまでの領域における「Fe
Si系金属間化合物の単位面積あたりの存在率」に相当
し、上記で算出したSiのみの部分の存在率は、表面か
ら深さ10μmまでの領域における「Siを主とする析
出物または晶出物の単位面積あたりの存在率」に相当す
る。
【0042】EPMAの測定条件の一例を以下に示す。 装置:日本電子社製「JXA8800」 電子線加速電圧:20kV 測定面積:1視野が170μm×170μm、n=3箇
所の平均値を採用 測定電流:1.3×10-6A 存在率の算出方法:上記条件でEPMAを行い、Feお
よびSiのそれぞれについて、平均カウント値がXであ
る場合に、カウント値が0〜2.5Xまでの領域をa、
2.5X以上の領域をbとして、測定面積全体を2値化
分類し、領域bにある面積が測定面積全体(a+b)に
占める割合を各元素の存在率とする。また、FeとSi
とのそれぞれの領域bの重なる部分の面積が測定面積全
体a+bに占める割合をFeSi系金属間化合物の存在
率とする。
【0043】前記平版印刷版用支持体においては、その
アルミニウム合金板の表面に、凹状ピットのピット開口
部の平均開口径が0.6μm以下、かつ、ピットの深さ
とピットの開口径比(ピット深さ/ピット径)の平均値
が0.15〜1.0である凹状ピットを有するのが好ま
しい。この範囲の微小ピットを有すると、アルミニウム
合金板に表面積が増大し感光層との密着力が強固となり
平版印刷原版としたときの耐刷性が向上する。
【0044】該支持体は、前記特定組成のアルミニウム
合金板を硝酸水溶液中で電気化学的な粗面化処理を行っ
た後、塩酸水溶液中で電気化学的な粗面化処理を行うこ
とにより、平版印刷版用支持体表面に特定の性質を持つ
凹状ピットを有する。
【0045】該凹状ピットを形成するために、アルミニ
ウム合金板は電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を
施されるが、機械的粗面化または化学エッチング処理と
組合わせて施してもよい。該化学エッチング処理は、機
械的粗面化処および電気化学的粗面化処理の前後に行わ
れるのが好ましい。また粗面化処理と化学エッチング処
理は、それぞれ2回以上行ってもよく、粗面化処理と化
学エッチング処理の順序は、特に限定されない。
【0046】該凹状ピットを有する支持体の特に好まし
い製造方法は、アルミニウム板を順に、 1)機械的に粗面化処理し、 2)アルカリ水溶液中でエッチング処理し、(第1アル
カリエッチング処理) 3)酸性水溶液中でデスマット処理し、(第1デスマッ
ト処理) 4)硝酸を主体とする水溶液中で電気化学的に粗面化処
理し、(第1電気化学的粗面化処理) 5)アルカリ水溶液中でエッチング処理し、(第2アル
カリエッチング処理) 6)酸性水溶液中でデスマット処理し、(第2デスマッ
ト処理) 7)塩酸を主体とする水溶液中で電気化学的に粗面化処
理し、(第2電気化学的粗面化処理) 8)アルカリ水溶液中でエッチング処理し、(第3アル
カリエッチング処理) 9)酸性水溶液中でデスマット処理し、(第3デスマッ
ト処理) 10)陽極酸化処理(親水化処理を含む) する方法である。なお、上記1)〜10)の各工程(処
理)の間に水洗を行うことが望ましい。ただし、連続し
て行う2つの工程(処理)が同じ組成の液を使用する場
合は水洗を省いてもよい。
【0047】粗面化処理(機械的および電気化学的)、
化学エッチング処理および陽極酸化処理(親水化処理を
含む)は、前記した処理方法と同様の方法で行うことが
できるが、以下に説明する方法、条件が好ましい。また
該凹状ピットを形成させるには、以下に説明する硝酸水
溶液中で電気化学的粗面化処理を行った後、塩酸水溶液
中で電気化学的粗面化処理を行う必要がある。
【0048】機械的な粗面化処理は、毛径が0.2〜
1.61mmの回転するナイロンブラシロールと、アル
ミニウム板表面に供給されるスラリー液で機械的に粗面
化処理することが有利である。研磨剤としては公知の物
が使用できるが、珪砂、石英、水酸化アルミニウムまた
はこれらの混合物が好ましい。特開平6−13517
5、特公昭50−40047に詳しく記載されている。
スラリー液の比重は1.05〜1.3が好ましい。勿
論、スラリー液を吹き付ける方式、ワイヤーブラシを用
いる方式、凹凸を付けた圧延ロールの表面形状をアルミ
ニウム板に転写する方式などを用いても良い。その他の
方式としては、特開昭55−074898、特開昭61
ー162351、特開昭63−104889等に記載さ
れている。
【0049】アルカリ水溶液中での化学的なエッチング
処理に用いるアルカリ水溶液の濃度は1〜30wt%が
好ましく、アルミニウムはもちろんアルミニウム合金中
に含有する合金成分が0〜10wt%含有していてよ
い。アルカリ水溶液としては、とくに苛性ソーダを主体
とする水溶液が好ましい。液温は常温〜95℃で、1〜
120秒間処理することが好ましい。エッチング処理が
終了した後には、処理液を次工程に持ち込まないために
ニップローラーによる液切りとスプレーによる水洗を行
うことが好ましい。
【0050】第1アルカリエッチング処理におけるアル
ミニウム板の溶解量は、0.5〜30g/m2 が好まし
く、より好ましくは、1.0〜20g/m2 であり、特
に好ましくは、3.0〜15g/m2 である。第2アル
カリエッチング処理においては、アルミニウム板の溶解
量は0.001〜30g/m2 が好ましく、より好まし
くは、0.1〜4g/m2 であり、特に好ましくは、
0.2〜1.5g/m2 である。第3アルカリエッチン
グ処理においては、アルミニウム板の溶解量は0.00
1〜30g/m2 が好ましく、より好ましくは、0.0
1〜0.8g/m2 であり、特に好ましくは、0.02
〜0.3g/m2 である。
【0051】酸性水溶液中でのデスマット処理化学的な
エッチングをアルカリの水溶液を用いて行った場合は一
般にアルミニウムの表面にはスマットが生成するので、
この場合には燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸、塩酸、また
はこれらの2以上の酸を含む混酸でデスマット処理す
る。酸性水溶液の濃度は0.5〜60wt%が好まし
い。さらに酸性水溶液中にはアルミニウムはもちろんア
ルミニウム合金中に含有する合金成分が0〜5wt%が
溶解していても良い。液温は常温から95℃で実施さ
れ、処理時間は1〜120秒が好ましい。デスマット処
理が終了した後には、処理液を次工程に持ち込まないた
めにニップローラーによる液切りとスプレーによる水洗
を行うことが好ましい。
【0052】該支持体の製造法における電気化学的粗面
化処理に用いられる水溶液について説明する。硝酸を主
体とする水溶液は、通常の直流または交流を用いた電気
化学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、1〜10
0g/リットルの硝酸水溶液に、硝酸アルミニウム、硝
酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、等の硝酸イオン、塩
化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、
等の塩酸イオンを有する塩酸または硝酸化合物の1つ以
上を1g/リットル〜飽和まで添加して使用することが
できる。硝酸を主体とする水溶液中には、鉄、銅、マン
ガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のア
ルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよ
い。とくに好ましくは、硝酸0.5〜2wt%水溶液中
にアルミニウムイオンが3〜50g/リットルとなるよ
うに塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムを添加した液
を用いることが好ましい。温度は10〜90℃が好まし
く、40〜80℃がより好ましい。
【0053】塩酸を主体とする水溶液は、通常の直流ま
たは交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるもの
を使用でき、1〜100g/リットルの塩酸水溶液に、
硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウ
ム、等の硝酸イオン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウ
ム、塩化アンモニウム、等の塩酸イオンを有する塩酸ま
たは硝酸化合物の1つ以上を1g/リットル〜飽和まで
添加して使用することができる。塩酸を主体とする水溶
液中には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグ
ネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金
属が溶解していてもよい。とくに好ましくは、硝酸0.
5〜2wt%水溶液中にアルミニウムイオンが3〜50
g/リットルとなるように塩化アルミニウム、硝酸アル
ミニウムを添加した液を用いることが好ましい。温度は
10〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好まし
い。次亜塩素酸を添加してもよい。
【0054】交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用
いる硝酸を主体とする水溶液は、通常の直流または交流
を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用で
きる。有利には、前記硝酸を主体とする水溶液または塩
酸を主体とする水溶液から選ぶことができる。電気化学
的な粗面化に用いる交流電源波形は、サイン波、矩形
波、台形波、三角波などを用いることができるが、矩形
波または台形波が好ましく、台形波が特に好ましい。周
波数は0.1〜250Hzが好ましい。図1は、本発明
の電気化学的粗面化に好ましく用いられる交流電源波形
の一例である台形波を示す波形図である。図1におい
て、taはアノード反応時間、tcはカソード反応時
間、tpは電流が0からピークに達するまでの時間、I
aはアノードサイクル側のピーク時の電流、Icはカソ
ードサイクル側のピーク時の電流である。台形波におい
て、電流が0からピークに達するまでの時間tpは1〜
10msecが好ましい。電源回路のインピーダンスの
影響のため、tpが1未満であると電流波形の立ち上が
り時に大きな電源電圧が必要となり、電源の設備コスト
が高くなる。10msecより大きくなると、電解液中
の微量成分の影響を受けやすくなり均一な粗面化が行わ
れにくくなる。電気化学的な粗面化に用いる交流の1サ
イクルの条件が、アルミニウム板のアノード反応時間t
aとカソード反応時間tcの比tc/taが1〜20、
アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード時
の電気量Qaの比Qc/Qaが0.3〜20、アノード
反応時間taが5〜1000msec、の範囲にあるこ
とが好ましい。tc/taは2.5〜15であることが
より好ましい。Qc/Qaは2.5〜15であることが
より好ましい。電流密度は台形波のピーク値で電流のア
ノードサイクル側Ia、カソードサイクル側Icともに
10〜200A/dm2 が好ましい。Ic/Iaは0.
3〜20の範囲にあることが好ましい。電気化学的な粗
面化が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応
にあずかる電気量の総和は25〜1000C/dm2
好ましい。本発明で交流を用いた電気化学的な粗面化に
用いる電解槽は、縦型、フラット型、ラジアル型など公
知の表面処理に用いる電解槽が使用可能であるが、特開
平5−195300に記載のようなラジアル型電解槽が
とくに好ましい。電解槽内を通過する電解液はアルミニ
ウムウェブの進行とパラレルでもカウンターでもよい。
ひとつの電解槽には1個以上の交流電源が接続すること
ができる。電解槽は2個以上を用いることもできる。交
流を用いた電気化学的な粗面化には図2に示した装置を
用いることができる。図2において、50は主電解槽、
51は交流電源、52はラジアルドラムローラ、53
a,53bは主極、54は電解液供給口、55は電解
液、56は補助陽極、60は補助陽極槽、Wはアルミニ
ウム板である。電解槽を2つ以上用いるときには電解条
件は同じでもよいし異なっていてもよい。アルミニウム
板Wは主電解槽50中に浸漬して配置されたラジアルド
ラムローラ52に巻装され、搬送過程で交流電源51に
接続する主極53a、53bにより電解処理される。電
解液55は電解液供給口54からスリット56を通じて
ラジアルドラムローラ52と主極53a、53bとの間
の電解液通路57に供給される。主電解槽50で処理さ
れたアルミニウム板Wは次いで補助陽極槽60で電解処
理される。この補助陽極槽60には補助陽極58がアル
ミニウム板Wと対向配置されており、電解液55が補助
陽極58とアルミニウム板Wとの間の空間を流れるよう
に供給される。
【0055】直流を用いた電気化学的な粗面化処理と
は、アルミニウム板とこれに対向する電極間に直流電流
を加え、電気化学的に粗面化する方法を言う。電解液
は、公知の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化
処理に使用するものを用いることができる。有利には、
前記硝酸を主体とする水溶液または塩酸を主体とする水
溶液から選ぶことができる。温度は10〜80℃が好ま
しい。直流を用いた電気化学的な粗面化に用いる処理装
置は公知の直流を用いたものを使用することが出来る
が、特開平1ー141094に記載されているように一
対以上の陽極と陰極を交互に並べた装置を用いることが
好ましい。公知の装置の一例としては特願平5−682
04、特願平6−205657、特願平6−2105
0、特開昭61−19115、特公昭57−44760
などに記載されている。また、アルミニウム板に接触す
るコンダクタロールと、これに対向する陰極との間に、
直流電流を加え、アルミニウム板を陽極にして電気化学
的な粗面化処理を行っても良い。電解処理が終了した後
には、処理液を次工程に持ち込まないためにニップロー
ラーによる液切りとスプレーによる水洗を行うことが好
ましい。電気化学的な粗面化に使用する直流はリップル
率が20%以下の直流を用いることが好ましい。電流密
度は10〜200A/dm2 が好ましく、アルミニウム
板が陽極時の電気量は25〜1000C/dm2 が好ま
しい。陽極はフェライト、酸化イリジウム、白金、白金
をチタン、ニオブ、ジルコニウムなどのバルブ金属にク
ラッドまたはメッキしたものなど公知の酸素発生用電極
から選定して用いることが出来る。陰極はカーボン、白
金、チタン、ニオブ、ジルコニウム、ステンレスや燃料
電池用陰極に用いる電極から選定して用いることができ
る。
【0056】前記処理により支持体のアルミニウム合金
板の表面には、特定の性質、具体的には、凹状ピットの
ピット開口部の平均開口径が0.6μm以下、かつ、ピ
ットの深さとピットの開口径比(ピット深さ/ピット
径)の平均値が0.15〜1.0である凹状ピットが形
成される。凹状ピットの平均開口径は、0.3μm以下
であるのがより好ましく、また、0.02μm以上であ
るのがより好ましい。凹状ピットの深さ/開口径比の平
均は、0.2以上であるのがより好ましく、また、0.
5以下であるのがより好ましい。ついで、前記陽極酸化
処理(必要により封孔処理)して、本発明の平版印刷版
用支持体が得られる。
【0057】アルミニウム支持体の表面の凹状ピットの
平均開口径および開口径に対する深さの比の平均は、以
下のようにして求めることができる。なお、アルミニウ
ム支持体としては、画像記録層を設ける前のアルミニウ
ム支持体を用いてもよく、平版印刷版原版から画像記録
層を除去したものを用いてもよい。
【0058】(1)凹状ピットの平均開口径 凹状ピットの平均開口径の測定方法は、以下のおよび
の2通りの方法が挙げられる。本発明者が測定したと
ころ、両者の結果はほぼ同じ値を示した。 電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、例え
ば、日立製作所製のS−900)を用いて支持体の表面
を真上から倍率50000倍で撮影する。得られたSE
M写真またはそのコピーに、長さ10cm(2μm相
当)の直線を引き、直線が通過した凹状ピットについ
て、開口径(=(長径+短径)/2)を測定する。開口
径を測定した凹状ピットの数が少なくとも20個となる
まで開口径の測定を続け、その後、平均開口径を算出す
る。 FE−SEMを用いて支持体の表面を真上から倍率5
0000倍で撮影する。得られたSEM写真をスキャナ
ーでコンピュータに画像データとして取り込み、市販の
画像処理ソフトを用いて、凹状ピットの平均開口径を求
める。
【0059】(2)凹状ピットの開口径に対する深さの
比の平均 凹状ピットの開口径に対する深さの比の平均の測定方法
は、以下の〜の4通りの方法が挙げられる。本発明
者が測定したところ、いずれの結果もほぼ同じ値を示し
た。 アルミニウム支持体を粗面化処理を施した面が外側に
なるように90゜以上折り曲げて、試料台に導電性ペー
ストを用いて固定する。FE−SEMを用いて折り曲げ
た部分における陽極酸化皮膜が割れた部分を倍率500
00倍で撮影する。少なくとも10個の凹状ピットにつ
いて開口径および深さを求め、開口径に対する深さの比
の平均を算出する。なお、凹状ピットの開口径の測定方
法は、上記(1)の方法を用いることができる。ま
た、凹状ピットの深さとしては、最も深い部分の深さを
用いる。 アルミニウム支持体を樹脂に包埋させ、自動研磨機で
研磨して断面を作成しする。以下、上記と同様の方法
で、FE−SEMを用いて測定する。 ミクロトームを用いてアルミニウム支持体の断面を削
り出す。以下、と同様の方法で、FE−SEMを用い
て測定する。 上記との方法を組み合わせてアルミニウム支持体
の断面を作成する。以下、と同様の方法で、FE−S
EMを用いて測定する。
【0060】本発明の平版印刷版用支持体は、支持体表
面上に形成された凹状ピットが特定の性質を有してお
り、アルミニウム合金板の表面積が増大し、感光層との
密着力が強固となり、平版印刷原版としたときの耐刷性
がより向上する。
【0061】本発明の平版印刷版用支持体を平版印刷版
原版とするには、表面に感光剤を塗布し乾燥して、感光
層を形成すればよい。感光剤は、特に限定されるもので
はなく、通常感光性平版印刷版原版に用いられるものを
使用することができる。そして、得られた平版印刷版原
版に、リスフィルムを用いて画像を焼き付け、更に、現
像処理およびガム引き処理を行うことで、印刷機に取り
付け可能な平版印刷版とすることができる。また、例え
ば、高感度な感光層を設けると、レーザを使って画像を
直接焼き付けることもできる。
【0062】感光剤としては、露光の前後で現像液に対
する溶解性または膨潤性が変化するものであればいずれ
でも差し支えない。代表的なものを列記する。
【0063】(A)o−キノンジアジド化合物からなる
感光層 ポジ型感光性化合物としては、o−ナフトキノンジアジ
ド化合物で代表されるo−キノンジアジド化合物が挙げ
られる。o−ナフトキノンジアジド化合物としては、特
公昭43−28403号公報に記載されている1,2−
ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとピロガロー
ル−アセトン樹脂とのエステルが好ましい。米国特許第
3,046,120号明細書および米国特許第3,18
8,210号明細書に記載されている1,2−ジアゾナ
フトキノンスルホン酸クロライドとフェノール−ホルム
アルデヒド樹脂とのエステルも好ましい。その他公知の
o−ナフトキノンジアジド化合物も使用可能である。
【0064】特に好ましいo−ナフトキノンジアジド化
合物は、分子量が1,000以下のポリヒドロキシ化合
物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライド
との反応で得られた化合物である。ポリヒドロキシ化合
物のヒドロキシル基1当量に対し、1,2−ジアゾナフ
トキノンスルホン酸クロライドを0.2〜1.2当量の
割合で、特に0.3〜1.0当量の割合で反応させるの
が好ましい。1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸ク
ロライドとしては、1,2−ジアゾナフトキノン−5−
スルホン酸クロライドが好ましいが、1,2−ジアゾナ
フトキノン−4−スルホン酸クロライドも使用可能であ
る。
【0065】o−ナフトキノンジアジド化合物は、1,
2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドの置換基
の位置および導入量の種々異なるものの混合物になる
が、ヒドロキシル基がすべて1,2−ジアゾナフトキノ
ンスルホン酸エステルに転換されたものが混合物に占め
る割合(完全にエステル化されたものの含有率)が、5
モル%以上であることが好ましく、20〜90モル%で
あるのがより好ましく、20〜99モル%であるのが特
に好ましい。
【0066】また、o−ナフトキノンジアジド化合物を
用いずに、ポジ型に作用する感光性化合物として、例え
ば、特公昭56−2696号公報に記載されているo−
ニトロカルビノールエステル基を有するポリマーも使用
可能である。更に、光分解により酸を発生する化合物
と、酸により解離する−C−O−C−基または−C−O
−Si−基を有する化合物との組み合わせ系も使用可能
である。例えば、光分解により酸を発生する化合物と、
アセタールまたはO,N−アセタール化合物との組み合
わせ(特開昭48−89003号公報)、オルトエステ
ルまたはアミドアセタール化合物との組み合わせ(特開
昭51−120714号公報)、主鎖にアセタールまた
はケタール基を有するポリマーとの組み合わせ(特開昭
53−133429号公報)、エノールエーテル化合物
との組み合わせ(特開昭55−12995号公報)、N
−アシルイミノ炭素化合物との組み合わせ(特開昭55
−126236号公報)、主鎖にオルトエステル基を有
するポリマーとの組み合わせ(特開昭56−17345
号公報)、シリルエステル化合物との組み合わせ(特開
昭60−10247号公報)およびシリルエーテル化合
物との組み合わせ(特開昭60−37549号公報、特
開昭60−121446号公報)等が挙げられる。
【0067】感光層の感光性組成物中に占めるポジ型感
光性化合物(前記のような組み合わせ系も含む)の割合
は、10〜50質量%であるのが好ましく、15〜40
質量%であるのがより好ましい。
【0068】o−キノンジアジド化合物は単独でも感光
層を構成しうるが、結合剤(バインダ)としてのアルカ
リ水に可溶な樹脂とともに使用することが好ましい。ア
ルカリ水に可溶な樹脂としては、ノボラック樹脂、フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール−ホル
ムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−ホルムアルデヒド
樹脂、m−/p−混合クレゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、フェノール/クレゾール混合(m−、p−、m−/
p−混合のいずれでもよい)−ホルムアルデヒド樹脂等
のクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール変性
キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン
化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報
に開示されているようなフェノール性ヒドロキシル基を
含有するアクリル系樹脂、特開平2−866号公報に記
載されているスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂
や、ウレタン系樹脂等が挙げられる。アルカリ水に可溶
な樹脂は、重量平均分子量が500〜20,000で、
数平均分子量が200〜60,000のものが好まし
い。
【0069】アルカリ水に可溶な樹脂は、全感光性組成
物の70質量%以下となるように含有される。更に、米
国特許第4,123,279号明細書に記載されている
ように、t−ブチルフェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、オクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂のよう
な炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェ
ノールとホルムアルデヒドとの重縮合で得られる樹脂を
併用することは画像の感脂性を向上させる上で好まし
い。
【0070】感光性組成物には、感度を高めるために環
状酸無水物、露光後直ちに可視像を得るための焼出し
剤、画像着色剤としての染料やその他の充填材等を含有
させることができる。環状酸無水物は、米国特許第4,
115,128号明細書に記載されているように無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、3,6−エンドオキシ−△4 −テトラヒドロ
無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイ
ン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等が使用され
る。環状酸無水物は、全感光性組成物の質量に対して1
〜15質量%含有させることによって、感度を最大3倍
程度に高めることができる。露光後直ちに可視像を得る
ための焼出し剤としては、露光によって酸を放出する感
光性化合物と塩を形成しうる有機染料との組み合わせを
代表として挙げることができる。
【0071】具体的には、特開昭50−36209号公
報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩
形成性有機染料の組み合わせや、特開昭53−3623
3号公報、特開昭54−74728号公報、特開昭60
−3626号公報、特開昭61−143748号公報、
特開昭61−151644号公報および特開昭63−5
8440号公報に記載されているトリハロメチル化合物
と塩形成性有機染料との組み合わせを挙げることができ
る。画像の着色剤としては、前記の塩形成性有機染料以
外の他の染料も使用可能である。塩形成性有機染料を含
めて好適な染料は、油溶性染料や塩基染料である。
【0072】具体的には、オイルイエロー#101、オ
イルイエロー#103、オイルピンク#312、オイル
グリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#6
03、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイ
ルブラックT−505(以上はすべて、オリエント化学
工業社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイ
オレット(CI42555)、メチルバイオレット(C
I42535)、ローダミンB(CI45170B)、
マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブル
ー(CI52015)等を挙げることができる。特開昭
62−293247号公報に記載されている染料が特に
好ましい。
【0073】感光性組成物は、前記諸成分を溶解する溶
媒に溶解させて支持体に塗布される。溶媒としては、エ
チレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチ
ルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−
メトキシ−2−プロピルアセテート、トルエン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチル
スルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
アミド、水、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフル
フリルアルコール、アセトン、ジアセトンアルコール、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチレ
ングリコール、ジメチルエーテル等が挙げられる。これ
らは混合して使用することもできる。
【0074】溶液に占める前記成分(固形分)は2〜5
0質量%である。塗布量は用途により異なるが、一般的
に固形分として0.5〜3.0g/m2 が好ましい。塗
布量が少なくなるにつれて感光性は増大するが、感光膜
の物性が低下する。
【0075】感光性組成物には、塗布性をよくするため
に界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号公
報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を含有さ
せる。界面活性剤の含有量は、全感光性組成物の0.0
1〜1質量%であるのが好ましく、0.05〜0.5質
量%であるのがより好ましい。
【0076】(B)ジアゾ樹脂とバインダとからなる感
光層 ネガ作用型感光性ジアゾ化合物としては、米国特許第
2,063,631号明細書および米国特許第2,66
7,415号明細書に開示されているジアゾニウム塩と
アルドールやアセタールのような反応性カルボニル基を
有する有機縮合剤との反応生成物であるジフェニルアミ
ン−p−ジアゾニウム塩とホルムアルデヒドとの縮合生
成物(いわゆる感光性ジアゾ樹脂)が好適に用いられ
る。
【0077】他の有用な縮合ジアゾ化合物は、特公昭4
9−480001号公報、特公昭49−45322号公
報、特公昭49−45323号公報等に記載されてい
る。この型の感光性ジアゾ化合物は、通常、水溶性無機
塩の形で得られるので、水溶液として塗布することがで
きる。また、水溶性ジアゾ化合物を特公昭47−116
7号公報に記載されている方法により、1個またはそれ
以上のフェノール性ヒドロキシル基、スルホン酸基また
はその両者を有する芳香族または脂肪族化合物と反応さ
せ、その生成物である実質的に水不溶性の感光性ジアゾ
樹脂を使用することもできる。
【0078】ジアゾ樹脂の含有量は、感光層中に5〜5
0質量%含有されているのがよい。その含有量が少なく
なれば感光性は当然増大するが、経時安定性が低下す
る。最適のジアゾ樹脂の含有量は約8〜20質量%であ
る。一方、バインダとしては、種々のポリマーが使用可
能であるが、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル
基、アミド基、スルホンアミド基、活性メチレン基、チ
オアルコール基、エポキシ基等の官能基を有するポリマ
ーが好ましい。
【0079】そのようなポリマーには、具体的には、英
国特許第1,350,521号明細書に記載されている
シェラック、英国特許第1,460,978号明細書お
よび米国特許第4,123,276号明細書に記載され
ているようなヒドロキシエチル(メタ)アクリレート単
位を主たる繰返単位として含むポリマー、米国特許第
3,751,257号明細書に記載されているポリアミ
ド樹脂、英国特許第1,074,392号明細書に記載
されているフェノール樹脂、および、例えば、ポリビニ
ルフォルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂のよう
なポリビニルアセタール樹脂、米国特許第3,660,
097号明細書に記載されている線状ポリウレタン樹
脂、ポリビニルアルコールのフタレート化樹脂、ビスフ
ェノールAとエピクロルヒドリンから得られるエポキシ
樹脂、ポリアミノスチレンやポリアルキルアミノ(メ
タ)アクリレートのようなアミノ基を有するポリマー、
酢酸セルロース、セルロースアルキルエーテル、セルロ
ースアセテートフタレート等のセルロース誘導体が包含
される。
【0080】ジアゾ樹脂とバインダとからなる組成物に
は、更に、英国特許第1,041,463号明細書に記
載されているようなpH指示薬、米国特許第3,23
6,646号明細書に記載されているリン酸、染料等の
添加剤を含有させることができる。
【0081】感光層の膜厚は0.1〜30μmであるの
が好ましく、0.5〜10μmであるのがより好まし
い。支持体上に設けられる感光層の量(固形分)は、通
常、約0.1〜約7g/m2 、好ましくは0.5〜4g
/m2 である。
【0082】このようにして本発明の平版印刷版用支持
体から得られた平版印刷版原版は、画像露光された後、
常法により現像を含む処理を行われ、これにより樹脂画
像が形成され、平版印刷版となる。例えば、感光層
(A)を有するポジ型感光性平版印刷版原版の場合に
は、画像露光後、米国特許第4,259,434号明細
書および特開平3−90388号公報に記載されている
ようなアルカリ水溶液で現像することにより露光部分の
感光層が除去されて、平版印刷版が得られる。
【0083】また、ジアゾ樹脂とバインダからなる感光
層(B)を有するネガ型感光性平版印刷版原版の場合に
は、画像露光後、例えば、米国特許第4,186,00
6号明細書に記載されているような現像液で現像するこ
とにより、未露光部分の感光層が除去されて平版印刷版
が得られる。また、特開平5−2273号公報または特
開平4−219759号公報に記載されたネガ型感光性
平版印刷版原版の場合には、該公報に記載されているよ
うにアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液で現像することによ
り、平版印刷版が得られる。
【0084】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。 (実施例1〜6および比較例1〜5) 1−1.アルミニウム合金板の製造 Feを0.30質量%含有し、SiおよびTiを第1表
に示す量で含有し、かつ、Cuを水準別に0.001〜
0.038質量%含有するAl溶湯を用いて、DC鋳造
法により鋳塊を作製した。ついで、常法に従って面削加
工を行った。この際、削り取る量を変えることで、Cu
の深さ方向における含有量を調整した。その後、550
℃で約5時間保持することにより均熱処理を行った。均
熱処理後、温度が400℃に下がったところで、熱間圧
延処理を行い、更に、中間焼鈍処理、冷間圧延処理、矯
正を適宜行って、厚さ0.24mmに仕上げ、アルミニ
ウム合金板1〜11を得た。
【0085】1−2.アルミニウム合金板における各成
分の含有量の測定 得られたアルミニウム合金板について、各成分の含有量
の測定を蛍光X線分析装置(RIX3000、理学電子
社製)と発光分析装置(PDA−5500、島津製作所
社製)を併用して行った。蛍光X線分析装置は、分析し
た表面の極表層の各成分の含有量を測定するのに適して
おり、発光分析装置は表面から深さ数十μmまでの領域
の各成分の含有量を測定するのに適し、かつ、より精度
に優れている。そこで、本発明においては、組成の明ら
かな標準試料をベースにして蛍光X線分析で検量線を作
成し、この蛍光X線分析で得られた検量線を、同一の標
準試料についての発光分析の結果に基づいて補正して用
いた。各深さ領域におけるCu含有量は、各種のアルミ
ニウム合金板につき、何も処理していないアルミニウム
合金板、表面をアルカリエッチング処理で1μm除去し
たアルミニウム合金板、および、表面をアルカリエッチ
ング処理で2μm除去したアルミニウム合金板を用意
し、これらについて蛍光X線分析を行い、上記で得られ
た補正後の検量線から求めた。アルミニウム合金板のC
u含有量、Si含有量、Ti含有量、および、(Cu含
有量+Si含有量)/Ti含有量の値を第1表に示す。
なお、Cu含有量は、表面から深さ1μmまでの領域、
深さ1〜2μmの領域、および、深さ2〜3μmの領域
のそれぞれについて示し、併せて、表面から深さ2μm
までの領域におけるCu含有量から深さ2〜3μmの領
域におけるCu含有量を減じた値を「差(ppm)」と
して示した。また、(Cu含有量+Si含有量)/Ti
含有量の値におけるCu含有量は、表面から深さ2μm
までの領域におけるCu含有量を用いて算出した。
【0086】
【表1】
【0087】1−3.平版印刷版用支持体の作製 得られたアルミニウム合金板1〜11について、以下の
ようにして、連続的に表面処理を行った。アルミニウム
合金板をNaOH溶液でエッチング処理を行い、水洗
後、HNO 3 溶液でデスマット処理を行い、水洗後、H
NO3 溶液中で交流を用いて電解粗面化処理を行った。
電解粗面化処理は、Al陽極時に流れる総電気量を50
C/dm2 、100C/dm2 、200C/dm2 およ
び300C/dm2 の4通りの条件で行った。水洗後、
電解粗面化処理で生じたスマットを除去するために、H
2 SO4 溶液でデスマット処理を行い、水洗後、更に陽
極酸化処理を行い、実施例1〜6および比較例1〜5の
各平版印刷版用支持体を得た。
【0088】1−4.平版印刷版用支持体の粗面の均一
性の評価 各平版印刷版用支持体について、4通りの電解粗面化処
理条件で得られた粗面を走査電子顕微鏡を用いて観察
し、粗面の均一性を評価した。粗面の均一性に優れるも
のから劣るものまでを○、○△、△、△×、×の5段階
で評価した。結果を第2表に示す。
【0089】1−5.平版印刷版の耐刷性の評価 電解粗面化処理を電気量200C/dm2 の条件で行っ
た各サンプルに、硫酸溶液中で、陽極酸化皮膜量が1.
5g/m2 となるように陽極酸化処理を行い、感光層の
塗布、乾燥を行い、画像を露光現像して平版印刷版とし
た後、印刷機に取り付け、印刷し、ベタ画像の濃度が薄
くなり始めたと目視で認められた時点の印刷枚数によ
り、耐刷性を評価した。評価は、実施例5の印刷終了枚
数を100としたときの相対値で示した。
【0090】第1表および第2表から明らかなように、
本発明の平版印刷版用支持体(実施例1〜6)は、電解
粗面化処理に用いた電気量によらず、常に均一な粗面を
有することが分かる。また、本発明の平版印刷版用支持
体は、電解粗面化処理において深いピットが形成され、
かつ、均一性に優れるため、平版印刷版としたときの耐
刷性に優れることが分かる。これに対して、(Cu含有
量+Si含有量)/Ti含有量の値が大きすぎる場合
(比較例1)は、粗大なピットが多数形成され、均一な
粗面が形成できず、また、小さすぎる場合(比較例2)
は、ピットの丸い形状が崩れ、均一な粗面が形成できな
い。また、表面から深さ2μmまでの領域におけるCu
含有量と深さ2μm以上の領域におけるCu含有量との
差がない場合(比較例3および4)は、電気量が大きく
なるのに従って粗面が不均一になる。また、Cu含有量
が多すぎる場合(比較例5)は、電気量によらず粗面が
不均一になる。また、これらは粗面が不均一であるた
め、耐刷性に劣る。
【0091】
【表2】
【0092】(実施例7〜40ならびに比較例6および
7) 2−1.アルミニウム合金板の製造 Fe、Cu、SiおよびTiを含有し、更にMg:0.
001質量%および各種の特定微量元素を含有するAl
溶湯を用いた以外は、実施例1〜6および比較例1〜5
の場合と同様の方法により、アルミニウム合金板を得
た。なお、実施例40および比較例7には、特定微量元
素を含有しないAl溶湯を用いた。
【0093】2−2.アルミニウム合金板における各成
分の含有量の測定 アルミニウム合金板における各成分の含有量の測定を実
施例1〜6および比較例1〜5の場合と同様の方法によ
り行った。アルミニウム合金板における特定微量元素の
含有量の測定結果を第3表に示す。なお、アルミニウム
合金板におけるFe、Cu、SiおよびTiの含有量
は、実施例7〜40に用いたアルミニウム合金板につい
ては上記アルミニウム合金板1と同様とし、比較例6お
よび7に用いたアルミニウム合金板については上記アル
ミニウム合金板9と同様とした。
【0094】2−3.平版印刷版用支持体の作製 得られたアルミニウム合金板について、電解粗面化処理
を塩酸溶液中で交流を用いて表面粗さ(Ra 、カットオ
フ値0.8mm、評価長さ4mm)が0.6μmになる
まで1通りの条件で行った以外は、実施例1〜6および
比較例1〜5の場合と同様の方法により、連続的に表面
処理を行い、実施例7〜40ならびに比較例6および7
の各平版印刷版用支持体を得た。電解粗面化処理におい
ては、表面粗さRa が0.6μmになるまでにAl陽極
時に流れた総電気量を測定した。電気量の測定結果を第
3表に示す。
【0095】2−4.平版印刷版用支持体の粗面の均一
性の評価 各平版印刷版用支持体について、粗面を走査電子顕微鏡
を用いて観察し、粗面の均一性を評価した。粗面の均一
性に優れるものから劣るものまでを○、○△、△、△
×、×の5段階で評価した。結果を第3表に示す。
【0096】第3表から明らかなように、本発明の平版
印刷版用支持体(実施例7〜40)は、粗面の均一性に
優れることが分かる。また、特定微量元素を含有するア
ルミニウム合金板を用いた本発明の平版印刷版用支持体
(実施例7〜39)は、特定微量元素を含有しない場合
(実施例40)よりも、電解粗面化処理に用いる電気量
が少ないので好ましい。
【0097】
【表3】
【0098】(実施例41〜44) 3−1.アルミニウム合金板の製造 上記アルミニウム合金板2を得るのに用いたAl溶湯を
用いて、DC鋳造法により鋳塊を作製した。ついで、ア
ルミニウム合金板2を得た条件で、面削加工を行った。
その後、均熱処理、熱間圧延処理、中間焼鈍処理、冷間
圧延処理、矯正を適宜行って、厚さ0.24mmのアル
ミニウム合金板に仕上げた。ここで、平版印刷版用支持
体としたときのFeSi系金属間化合物およびSiを主
とする析出物または晶出物(単体Si)の存在量を変化
させる目的で、上記均熱処理の温度や、上記冷間圧延処
理と上記矯正との間に設けた放冷時間を種々変えて行っ
た。
【0099】3−2.平版印刷版用支持体の作製 得られた各種アルミニウム合金板について、電解粗面化
処理を塩酸溶液中で交流を用いて、Al陽極時に流れる
総電気量を300C/dm2 という条件で行った以外
は、実施例1〜6および比較例1〜5と同様の方法によ
り、連続的に表面処理を行い、実施例41〜44の各平
版印刷版用支持体を得た。
【0100】3−3.平版印刷版用支持体におけるFe
Si系金属間化合物および単体Siの単位面積あたりの
存在率の測定 得られた各平版印刷版用支持体について、表面から深さ
10μmまでの領域におけるFeSi系金属間化合物お
よび単体Siのそれぞれの単位面積あたりの存在率をE
PMAにより測定した。結果を第4表に示す。
【0101】3−4.平版印刷版原版の作製 得られた平版印刷版用支持体に、下記組成の感光剤組成
物Aを乾燥後の塗布量が2.5g/m2 となるように塗
布し乾燥して感光層を設け、各平版印刷版原版を得た。 <感光剤組成物A> ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロール 、アセトン樹脂とのエステル化物(米国特許第3,635,709号明細書の実 施例1に記載のもの) 0.75g クレゾールノボラック樹脂 2.00g オレイルブルー#603(オリエント化学工業社製) 0.04g エチレンジクロライド 16g 2−メトキシエチルアセテート 12g
【0102】3−5.現像および印刷 得られた平版印刷版原版を真空焼枠中で、透明ポジティ
ブフィルムを通して1mの距離から3kWのメタルハラ
イドランプにより、50秒間露光した後、ケイ酸ナトリ
ウムの5.26質量%水溶液(SiO2 /Na2 O=
1.74(モル比)、pH12.7)で現像し、平版印
刷版とした。現像後、十分水洗し、ガム引きした後、常
法の手順で印刷した。
【0103】3−6.平版印刷版の耐苛酷インキ汚れ性
の評価 得られた平版印刷版の耐苛酷インキ汚れ性を下記の方法
で評価した。Clイオンを添加した湿し水を用いて印刷
を行い、印刷機上放置を1回以上行なった際に生じる非
画像部の汚れを目視観察して、以下のように5段階評価
した。結果を第4表に示す。 ○ :なし ○△:ほとんどなし △ :少しあるが許容範囲 △×:やや多い × :多い
【0104】第4表から明らかなように、本発明の平版
印刷版用支持体(実施例41〜44)において、表面か
ら深さ10μmまでの領域において、FeSi系金属間
化合物およびSiを主とする析出物の単位面積あたりの
存在率が増すにつれて耐苛酷インキ汚れ性が低下するこ
とが分かる。また、FeSi系金属間化合物およびSi
を主とする析出物・晶出物の単位面積あたりの存在率
は、それぞれ0.5%以下であるのが好ましいことが分
かる。
【0105】
【表4】
【0106】(実施例45〜50) 4−1.アルミニウム支持体の作製 前記のアルミニウム合金板1〜6について、以下の粗面
化処理を行い(第5表参照)アルミニウム支持体を得
た。具体的には、実施例45は粗面化処理(3)、実施
例46は粗面化処理(3)、実施例47は粗面化処理
(2)、実施例48は粗面化処理(3)、実施例49は
粗面化処理(3)、実施例50は粗面化処理(2)、実
施例1〜6は粗面化処理(1)を行った。
【0107】<粗面化処理(1)>各工程の粗面化処理
の後には水洗処理を行った。粗面化処理および水洗の後
にはニップローラで液切りを行った。 (a)機械的粗面化処理 軽石を粉砕し、 その中に含まれる粒子の平均粒径が40
μmとなるように分級した研磨剤と水の縣濁液(比重
1.12)を研磨スラリー液として、スプレー管にてア
ルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状
ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤
のモース硬度は5であった。研磨剤の成分としては、S
iO2 が73質量%、Al2 3 が14質量%、Fe2
3 が1.2質量%、CaOが1.34質量%、MgO
が0.3質量%、K2 Oが2.6質量%、Na2 Oが
2.7質量%を占めていた。ナイロンブラシの材質は6
・10ナイロンを使用し、毛長は50mmの3号ブラシ
を用いた。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス
製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラ
シは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ
200mm)の距離は300mmであった。ブラシロー
ラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシロ
ーラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して
管理し、粗面化処理後のアルミニウム板の平均表面粗さ
(Ra)が0.45〜0.55μmになるように押さえ
つけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向
と同じであった。ブラシの回転数は250rpmであっ
た。
【0108】(b)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板に、カセイソーダ濃度27質量%、アル
ミニウムイオン濃度6.5質量%含有する水溶液を、温
度70℃でスプレー管により吹き付けてエッチング処理
を行った。後の工程で電気化学的に粗面化処理する面の
アルミニウム板のアルミニウム溶解量は10g/m2
あった。 (c)酸性水溶液中でのデスマット処理 次に、硝酸水溶液中でデスマット処理を行った。デスマ
ット処理に用いる硝酸水溶液は、次工程の電気化学的な
粗面化に用いた硝酸の廃液を用いた。その液温は35℃
であった。デスマット液はスプレーにて吹き付けて4秒
間デスマット処理を行った。
【0109】(d)硝酸水溶液中での電気化学的な粗面
化処理 液温50℃、硝酸濃度9.5g/Lの水溶液に硝酸アル
ミニウムを添加してアルミニウムイオン濃度を5g/L
に調整した電解液を用いた。交流電流を発生する電源を
用いて電気化学的な粗面化処理を行った。その交流電流
の周波数は、 60Hz、電流のゼロからピークに達する
までの時間Tpは0.8msecであった。交流のdu
ty(ta/T)は0.5であった。電流密度は交流の
ピーク時でアルミニウム板のアノード反応時60A/d
2であり、アルミニウム板がアノード反応時の電気量
の総和とカソード反応時の電気量の総和の比は0.95
であった。アルミニウム板に加わる電気量は、 アルミニ
ウム板のアノード反応時の電気量の総和で200C/d
2 であった。
【0110】(e)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板に、カセイソーダ濃度27質量%、アル
ミニウムイオン6.5質量%含有する水溶液を、温度7
0℃でスプレー管により吹き付けてアルミニウム板のエ
ッチング処理を行った。後の工程で電気化学的に粗面化
処理する面のアルミニウム板のアルミニウム溶解量は
0.6g/m2 であった。
【0111】(f)酸性水溶液中でのデスマット処理 次に、陽極酸化処理工程で発生した廃液(硫酸170g
/L水溶液中にアルミニウムイオン5g/Lを溶解)を
用い、液温60℃で4秒間デスマット処理を行った。 (g)硫酸水溶液中での陽極酸化処理 硫酸濃度170g/L、アルミニウムイオン5g/Lの
液中で平均電流密度20A/dm2 で直流電解を行い、
陽極酸化皮膜が2.7g/m2 できるように陽極酸化処
理を行った。液温は40℃、電圧は5〜30V、時間は
10秒であった。
【0112】<粗面化処理(2)>各工程の粗面化処理
の後には水洗処理を行った。粗面化処理および水洗の後
にはニップローラで液切りを行った。 (a)機械的粗面化処理 軽石を粉砕し、 その中に含まれる粒子の平均粒径が40
μmとなるように分級した研磨剤と水の縣濁液(比重
1.12)を研磨スラリー液として、スプレー管にてア
ルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状
ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤
のモース硬度は5であった。研磨剤の成分としては、S
iO2 が73質量%、Al2 3 が14質量%、Fe2
3 が1.2質量%、CaOが1.34質量%、MgO
が0.3質量%、K2 Oが2.6質量%、Na2 Oが
2.7質量%を占めていた。ナイロンブラシの材質は6
・10ナイロンを使用し、毛長は50mmの3号ブラシ
を用いた。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス
製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラ
シは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ
200mm)の距離は300mmであった。ブラシロー
ラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシロ
ーラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して
管理し、粗面化処理後のアルミニウム板の平均表面粗さ
(Ra)が0.45〜0.55μmになるように押さえ
つけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向
と同じであった。ブラシの回転数は250rpmであっ
た。
【0113】(b)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板に、カセイソーダ濃度27質量%、アル
ミニウムイオン濃度6.5質量%含有する水溶液を、温
度70℃でスプレー管により吹き付けてエッチング処理
を行った。後の工程で電気化学的に粗面化処理する面の
アルミニウム板のアルミニウム溶解量は10g/m2
あった。 (c)酸性水溶液中でのデスマット処理 次に、硝酸水溶液中でデスマット処理を行った。デスマ
ット処理に用いる硝酸水溶液は、次工程の電気化学的な
粗面化に用いた硝酸の廃液を用いた。その液温は35℃
であった。デスマット液はスプレーにて吹き付けて4秒
間デスマット処理を行った。
【0114】(d)硝酸水溶液中での電気化学的な粗面
化処理 液温50℃、硝酸濃度9.5g/Lの水溶液に硝酸アル
ミニウムを添加してアルミニウムイオン濃度を5g/L
に調整した電解液を用いた。交流電流を発生する電源を
用いて電気化学的な粗面化処理を行った。その交流電流
の周波数は、 60Hz、電流のゼロからピークに達する
までの時間Tpは0.8msecであった。交流のdu
ty(ta/T)は0.5であった。電流密度は交流の
ピーク時でアルミニウム板のアノード反応時60A/d
2であり、アルミニウム板がアノード反応時の電気量
の総和とカソード反応時の電気量の総和の比は0.95
であった。アルミニウム板に加わる電気量は、 アルミニ
ウム板のアノード反応時の電気量の総和で200C/d
2 であった。
【0115】(e)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板に、カセイソーダ濃度27質量%、アル
ミニウムイオン6.5質量%含有する水溶液を、温度7
0℃でスプレー管により吹き付けてアルミニウム板のエ
ッチング処理を行った。後の工程で電気化学的に粗面化
処理する面のアルミニウム板のアルミニウム溶解量は
3.5g/m2 であった。 (f)酸性水溶液中でのデスマット処理 次に硫酸水溶液中でデスマット処理を行った。デスマッ
ト処理に用いる硫酸水溶液は、 硫酸濃度300g/L、
アルミニウムイオン濃度5g/Lの液を用いた。その液
温は60℃であった。デスマット液はスプレーにて吹き
付けて3秒間デスマット処理を行った。
【0116】(g)塩酸水溶液中での電気化学的な粗面
化処理 液温35℃、塩酸濃度7.5g/Lの水溶液に塩化アル
ミニウムを添加してアルミニウムイオン濃度を4.5g
/Lに調整した電解液を用いた。台形波交流を発生する
電源を用いて電気化学的な粗面化処理を行った。その交
流電流の周波数は、 50Hz、電流のゼロからピークに
達するまでの時間Tpは0.8msecであった。交流
のduty(ta/T)は0.5であった。電流密度は
交流のピーク時でアルミニウム板のアノード反応時50
A/dm2であり、アルミニウム板がアノード反応時の
電気量の総和とカソード反応時の電気量の総和の比は
0.95であった。アルミニウム板に加わる電気量は、
アルミニウム板のアノード反応時の電気量の総和で50
C/dm2 であった。
【0117】(h)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板に、カセイソーダ濃度27質量%、アル
ミニウムイオン6.5質量%含有する水溶液を、温度4
5℃でスプレー管により吹き付けてアルミニウム板のエ
ッチング処理を行った。電気化学的に粗面化処理した面
のアルミニウム板のアルミニウム溶解量は0.3g/m
2 あった。 (i)酸性水溶液中でのデスマット処理 次に、陽極酸化処理工程で発生した廃液(硫酸170g
/L水溶液中にアルミニウムイオン5g/Lを溶解)を
用い、液温35℃で4秒間デスマット処理を行った。
【0118】(g)硫酸水溶液中での陽極酸化処理 硫酸濃度170g/L、アルミニウムイオン5g/Lの
液中で平均電流密度20A/dm2 で直流電解を行い、
陽極酸化皮膜が2.7g/m2 できるように陽極酸化処
理を行った。液温は40℃、電圧は5〜30V、時間は
10秒であった。
【0119】<粗面化処理(3)>前記(h)アルカリ
水溶液中でのエッチング処理におけるアルミニウム板の
アルミニウム溶解量が0.1g/m2 であること以外
は、表面処理(2)と同様に粗面化処理を行った。
【0120】4−2.アルミニウム支持体表面の凹状ピ
ットの性状 アルミニウム支持体の表面の凹状ピットの平均開口径お
よび開口径に対する深さの比の平均を、以下のようにし
て求めた。結果を第5表に示す。 (1)凹状ピットの平均開口径 FE−SEM(S−900、日立製作所製)を用いて支
持体の表面を真上から倍率50000倍で撮影した。得
られたSEM写真のコピーに、長さ10cm(2μm相
当)の直線を引き、直線が通過した凹状ピットについ
て、開口径(=(長径+短径)/2)を測定した。開口
径を測定した凹状ピットの数が20個となるまで開口径
の測定を続け、その後、平均開口径を算出した。
【0121】(2)凹状ピットの開口径に対する深さの
比の平均 アルミニウム支持体を粗面化処理を施した面が外側にな
るように90゜以上折り曲げて、試料台に導電性ペース
トを用いて固定した。FE−SEMを用いて折り曲げた
部分における陽極酸化皮膜が割れた部分を倍率5000
0倍で撮影した。10個の凹状ピットについて開口径お
よび深さを求め、開口径に対する深さの比の平均を算出
した。なお、凹状ピットの開口径の測定方法は、上記
(1)の方法を用いた。また、凹状ピットの深さとして
は、最も深い部分の深さを用いた。
【0122】4−3.平版印刷版用支持体の粗面の均一
性の評価 各平版印刷版用支持体について、その粗面を走査電子顕
微鏡を用いて観察し、粗面の均一性を評価した。粗面の
均一性に優れるものから劣るものまでを○、○△、△、
△×、×の5段階で評価した。結果を第5表に示す。
【0123】4−4.平版印刷版の耐刷性の評価 各平版印刷版用支持体に、感光層の塗布、乾燥を行い、
画像を露光現像して平版印刷版とした後、印刷機に取り
付け、印刷し、ベタ画像の濃度が薄くなり始めたと目視
で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を評価し
た。評価は、実施例5の印刷終了枚数を100としたと
きの相対値で示した。結果を第5表に示す。
【0124】第5表から明らかなように、本発明の平版
印刷版用支持体(実施例45〜50)は、特定の成分を
所定量有するアルミニウム合金板および特定のピット平
均開口径とピット深さ/ピット径比の平均値を有するピ
ットの形成により、粗面の均一性に優れ、かつ、ピット
平均開口径またはピット深さ/ピット径比の平均値が特
定の範囲にない支持体(実施例1〜6)に対して、平版
印刷版としたときの耐刷性に極めて優れる。
【0125】
【表5】
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
合金組成とともに、表層部とそれより深い領域における
Cu濃度の差、および、Cu含有量とSi含有量とTi
含有量との関係を特定したことにより、電気化学的粗面
化処理における電解条件によらず常に均一なピットが形
成され、印刷性能に優れた平版印刷版用支持体が得られ
る。また、所定の特定微量元素を添加することで、より
少ない電気量で十分な電解粗面化処理を行うことができ
る平版印刷版用支持体が得られる。また、表面から深さ
10μmまでの領域におけるFeSi系金属間化合物お
よびSiを主とする析出物・晶出物のそれぞれの単位面
積あたりの存在率を0.5%以下にすることで、耐苛酷
インキ汚れ性に優れる平版印刷版用支持体が得られる。
更に、特定の成分を所定量有するアルミニウム合金板を
用い、かつ、特定のピット平均開口径とピット深さ/ピ
ット径比の平均値を有するピットを形成することで、粗
面の均一性に優れ、かつ、平版印刷版としたときの耐刷
性に極めて優れる平版印刷版用支持体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学的粗面化に好ましく用いられ
る台形波交流電源波形の一例を示す波形図である。
【図2】本発明の電気化学的粗面化に用いられる電解装
置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
ta アノード反応時間 tc カソード反応時間 tp 電流が0からピークに達するまでの時間 Ia アノードサイクル側のピーク時の電流 Ic カソードサイクル側のピーク時の電流 50 主電解槽 51 交流電源 52 ラジアルドラムローラ 53a,53b 主極 54 電解液供給口 55 電解液 56 補助陽極 60 補助陽極槽 W アルミニウム板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 AA04 AA10 AA14 BA01 DA02 DA04 DA14 DA64 EA03 EA08 GA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Feを0.05〜0.5質量%、Siを
    0.03〜0.15質量%、Cuを0.003〜0.0
    3質量%、Tiを0.001〜0.040質量%含有
    し、残部がAlと不可避不純物とからなるアルミニウム
    合金板に、電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施
    してなる平版印刷版用支持体であって、 該アルミニウム合金板において、表面から深さ2μmま
    での領域におけるCu含有量が、深さ2μm以上の領域
    におけるCu含有量よりも20ppm以上多く、かつ、
    Cu含有量とSi含有量とTi含有量とが、下記式
    (1)を満足する関係にあることを特徴とする平版印刷
    版用支持体。 1≦(Cu含有量+Si含有量)/Ti含有量≦30 (1) ただし、上記式(1)中、Cu含有量は、表面から深さ
    2μmまでの領域におけるCu含有量を表す。
  2. 【請求項2】前記アルミニウム合金板が、更に、Mgを
    0.001〜0.3質量%含有し、かつ、Li、Na、
    K、Rb、Cs、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Nb、
    Ta、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Co、R
    h、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、C、Ge、P、A
    s、S、Se、TeおよびPoからなる群から選ばれる
    少なくとも1種の元素を1〜100ppm含有し、前記
    アルミニウム合金板のAl純度が99質量%以上である
    請求項1に記載の平版印刷版用支持体。
  3. 【請求項3】表面から深さ10μmまでの領域におい
    て、FeSi系金属間化合物の単位面積あたりの存在率
    が0.5%以下であり、かつ、Siを主とする析出物ま
    たは晶出物の単位面積あたりの存在率が0.5%以下で
    ある請求項1または2に記載の平版印刷版用支持体。
  4. 【請求項4】前記アルミニウム合金板の表面に、凹状ピ
    ットのピット開口部の平均開口径が0.6μm以下、か
    つ、ピットの深さとピットの開口径比(ピット深さ/ピ
    ット径)の平均値が0.15〜1.0である凹状ピット
    を有する請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷版用
    支持体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006205557A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用支持体
CN107541622A (zh) * 2017-08-10 2018-01-05 广东兴发铝业有限公司 一种交通运输工具用铝合金型材及其挤压方法

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JP2006205557A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用支持体
CN107541622A (zh) * 2017-08-10 2018-01-05 广东兴发铝业有限公司 一种交通运输工具用铝合金型材及其挤压方法
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