JP4590648B2 - 平版印刷版用アルミニウム合金材および平版印刷版 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷に用いられる平版印刷版用アルミニウム合金材および該合金材を用いた平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷では、予め感光層が形成され、そのまますぐ焼き付けて使用できるPS版が幅広く使用されており、該PS版は、支持体の表面に感光剤を塗布したものである。この支持体の構成材料としては、電解エッチング性に優れる1050系のアルミニウム合金が広く用いられているが、最近では、強度が高くて、傷が付き難く、印刷機胴に取り付けた際に版切れし難い3103等のAl−Mn系合金が用いられるようになってきている。
支持体は、これらのアルミニウム合金を用いて所定の製造工程を経て製造されるものであり、感光剤の塗布に先立っては表面処理が施される。表面処理は、通常は電解エッチングによって支持体表面を粗面化処理した後、陽極酸化被膜処理するものであり、また粗面化処理前には、脱脂等を目的として苛性処理等の洗浄がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記した3103等のAl−Mn系合金はMnを1%程度含有することにより強度面で優位性があり、PS版用支持体での使用の増大が見込まれるものであるが、PS版の製造工程において、脱脂処理やデスマット処理のような水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ溶液を用いた表面溶解処理を行った際、アルカリ不溶の残渣が大量に発生し、それが支持体表面に付着して表面欠陥の原因となったり、表面処理液を循環させるポンプやシャワーノズルを詰まらせたりするという問題がある。
さらに、電解粗面化処理において生成するピットの均一性が1050系合金に較べ劣る傾向にあるために、Al−Mn系合金はブラシ等の機械的処理によって粗面化が行われているのが現状である。そのため、電解粗面化面のような繊細で均一な粗面が得られず、平版印刷版として使用した際に、汚れ難さや画像再現性等の印刷性能が劣っているという問題がある。
【0004】
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、強度、電解エッチング性において優れた特性を示し、さらに印刷版としての表面性状に優れたアルミニウム合金材および該合金を用いた平版印刷版を提供することを目的とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明者の研究から、3000系材料を苛性ソーダ等を用いて洗浄することによって生じる残渣は主としてMnの水酸化物であり、Mn含有量を減量することが有効である。
さらに、Mn量を減量した材料を検討する過程で判ったこととして、Mn量を0.20〜0.30%の範囲とすると、それ以上のMn量では劣っていた電解エッチング表面の均一性が優れたものとなることが判明した。また、この現象にはFe、SiとMnのバランスが必要であった。この理由は以下のように考えられる。材料中に晶析出した金属間化合物は電解エッチングの起点となる。この起点となる作用は金属間化合物の種類により異なっているものと推定される。当材料にはAlMn系或いはAlMnFe系、AlMnSi系、AlMnFeSi系の金属間化合物が形成するが、AlMn系はピットを粗大化する傾向にあり、AlMnFe系、AlMnSi系、AlMnFeSi系は比較的微細なピットを形成する傾向にある。これは、FeやSiの取り込みによりAlMn系とは電気化学的な性質(導電性や溶解性)が異なることによると考えられる。一方、MnがFeやSiに比較して多くなると、AlMn系の金属間化合物が増えて、電解エッチングのピットは不均一化する。逆に、FeやSiがMnに対して多くなるとAlFe系やSiの晶析出が多くなりピットは不均一化する。従って、本発明では上記観点からMn、Fe、Si含有量がバランス良い組成とすることが重要であり、さらにこれを的確にするために、これら成分の含有量の関係(Fe/Mn及びSi/Fe)を規定するのが望ましい。
【0006】
すなわち、本発明の平版印刷版用アルミニウム合金材のうち第1の発明は、質量%で、Fe:0.1〜0.5%、Si:0.01〜0.1%未満、Mn:0.20〜0.30%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
【0007】
第2の発明の平版印刷版用アルミニウム合金材は、第1の発明において、前記含有成分が、質量%の関係において、0.5≦[%Fe]/[%Mn]≦2.0、0.1≦[%Si]/[%Mn]≦0.4を満たすことを特徴とする。
【0008】
第3の発明の平版印刷版は、第1又は第2の発明の合金材により支持体が構成されていることを特徴とする。
第4の発明の平版印刷版は、第3の発明において、前記支持体が少なくとも粗面化及び陽極酸化処理が施されており、該支持体上に感光層が設けられていることを特徴とする。
第5の発明の平版印刷版は、第4の発明において、前記支持体がさらにアルカリ溶液による表面溶解処理がなされていることを特徴とする。
【0009】
以下に本発明における組成成分の作用およびその含有量の限定理由を説明する。なお、各含有量はいずれも質量%で示されている。
Fe:0.1〜0.5%
FeはAlFe系の晶析出物を形成して電解エッチングを均一化する作用があり、必須成分として含有させる。ただし、0.1%未満ではAlFe系晶析出物の形成が不足し、また、高純度な地金の使用が必要となってコストが増加する。一方、0.5%を超えると粗大な晶析出物を生じ易く、電解エッチングのピットが不均一化するので、その含有量を0.1〜0.5%の範囲内に定める。なお、同様の理由で、下限を0.2%、上限を0.4%とするのが望ましい。
【0010】
Si:0.01〜0.1%未満
SiはAlFeSi系の晶析出物を形成し、熱間圧延時に再結晶粒を微細化して強度を向上させるとともに、エッチングを均一にする作用を有するので必須元素として含有させる。ただし、0.01%未満では、AlFeSi系晶析出物の形成が不足する。また、高純度な地金の使用が必要となってコストが増加する。一方、0.1%以上では粗大なSiの析出物が生じやすく、電解エッチングのピットが不均一化するので、Si含有量を0.01〜0.1%未満の範囲内に定める。なお、上記と同様の理由で下限を0.04%、上限を0.08%とするのが望ましい。
【0011】
Mn:0.2〜0.3%
Mnは材料強度を上げるために添加するが、0.2%未満では熱処理後の強度が不足する。さらにAlMnFe、AlMnSi系晶析出物の形成が不足し、電解エッチング性が低下する。一方、0.3%を越えると、先に述べたように、表面溶解処理で生じる残渣が増すので、Mn含有量を0.2〜0.3%に定める。
なお、上記と同様の理由で下限を0.22%、上限を0.28%とするのが望ましい。
【0012】
[%Fe]/[%Mn]:0.5〜2.0
FeとMnとは、前述したように、その含有量をバランスさせることにより、電解エッチング性が顕著に向上する。
ここで、Fe含有量とMn含有量との比、すなわち[%Fe]/[%Mn]が0.5未満であると、AlMnFe系晶析出物の形成が不足し、電解エッチング性が低下する。一方、その比が2.0を越えるとAlFe系の晶析出物が多くなり、電解エッチングのピットが不均一となるので、その比を0.5〜2.0%の範囲内に定めるのが望ましい。
【0013】
[%Si]/[%Mn]:0.1〜0.4
FeとSinも、前述したように、その含有量をバランスさせることにより、電解エッチング性が顕著に向上する。
ここでSi含有量とMn含有量との比、すなわち[%Si]/[%Mn]が0.1未満であると、AlMnSi系晶析出物の形成が不足し、電解エッチング性が低下する。一方、0.4を越えるとSiの晶析出物が多くなり、電解エッチングのピットが不均一となるので、その比を0.1〜0.4の範囲内に定めるのが望ましい。
なお、上記各比は双方を満たすことによりSi、FeおよびMn含有量の最適なバランスが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミニウム合金は、常法により溶製することができ、上記成分範囲内で成分調整、鋳造したものを用いることができる。
所定の成分を有するアルミニウム合金は、熱間圧延→冷間圧延(1)→中間焼鈍→冷間圧延(2)の工程を経てアルミニウム合金薄板とすることができる。なお、冷間圧延(2)での圧下率は70〜90%の範囲内とするのが望ましい。
上記工程では、中間焼鈍を省略することも可能であり、中間焼鈍を加えない方が工程は短縮され、また熱処理(感光剤焼付け)前の強度は増すが、該熱処理による強度の低下も大きく、結果としてPS版としての強度は低くなる。一方、中間焼鈍を加えると再結晶化によりやや強度は低下するものの、熱処理による強度低下(熱軟化)は少なくなり、結果的に強度は高いものとなる。したがって、最終的な強度の点では冷間圧延中途での中間焼鈍は行うのが望ましい。この中間焼鈍の条件としては、350〜480℃で5秒〜1時間の条件を例示することができる。
また、上記冷間圧延(2)での圧下率が70%よりも小さいと、熱処理前の強度が小さくなり過ぎ、一方、90%を超えると中間焼鈍しない場合と同程度に熱処理による強度低下が大きくなるため、上記範囲が望ましい。
【0015】
なお、中間焼鈍を行わない製造方法(熱間圧延→冷間圧延(3))では、上記したように熱軟化性はやや劣るが中間焼鈍が不要となるため工程短縮できるメリットがある。冷間圧延(3)での圧下率は90〜95%とするのが望ましい。
この圧下率が90%よりも小さいと、熱処理前の強度が小さくなり過ぎ、一方、95%を超えると加工硬化により圧延が困難となるので、上記範囲が望ましい。
【0016】
上記工程を経ることにより得られるアルミニウム合金薄板は、平版印刷版の支持体用材料として用いられる。支持体では、前述したように表面処理がなされる。表面処理では、通常は、前述したように表面に付着している油、汚れ等の除去を目的に洗浄がなされる。この洗浄は、通常は苛性ソーダを用いた苛性処理によってなされる。ただし、本発明としては酸処理、その他の処理を含むものであってもよく、また苛性処理を含まない処理からなるものであってもよく、要は洗浄を目的とする処理過程であればよい。
なお、洗浄に用いる溶液や洗浄の手順、条件等については本発明としては特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。
本発明では、この洗浄工程において発生する残渣が大幅に減少する。
【0017】
表面の清浄化がなされたアルミニウム合金は、その後、表面を粗面化するために粗面化処理がなされる。この粗面化処理は、通常は、電解エッチングにより行われる。この粗面化は後述する感光剤を支持体表面に強固に固定することを目的としており、したがって薄板の表面が均一にエッチングされることが望ましい。本発明では、この電解エッチングの条件は特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。ただし、本発明では、成分の適切な選定によりエッチング性が良好なものとなっており、したがって、エッチングに際し、より短時間での処理が可能になる。
なお、本発明の支持体は電解エッチングを行うものにおいて最適な効果が出現するが、本発明としては電解エッチングを行うものに限定されるものではない。
【0018】
さらに、上記支持体では通常、粗面化処理後に、防食、耐摩耗のために陽極酸化皮膜を形成する。この皮膜処理は常法により行うことができ、本発明として製造条件、皮膜の性状について特に限定されるものではない。陽極酸化皮膜形成後には、その表面に所望の感光剤を塗布する。この感光剤の種別も本発明としては限定されるものではなく、公知の感光剤を使用することができる。例えばキノンジアジド化合物とアルカリ可溶性樹脂からなる組成物、ジアゾニウム塩とバインダーポリマーからなる組成物、活性光線の照射により二量化する不飽和カルボン酸(例えばケイ皮酸やフェニレンジアクリル酸)をその構成成分とするポリマー、活性光線の照射により重合反応を起こす化合物とバインダーポリマーとの組成物、アジド系感光性組成物、光酸発生剤及び架橋剤及び光熱変換物質とバインダーポリマーを含む架橋系(ネガ型)感光性組成物、光熱変換物質とバインダーポリマーを含有するポジ型感光性組成物などが挙げられる。より具体的には特開昭60−190392号公報に記載の組成物及び特開平2000−43440号公報に記載の組成物などが挙げられる。また、感光剤の塗布に用いられる装置や塗布方法、塗布量についても適宜選定される。なお、本発明の合金を用いた印刷版では、感光剤の塗布を予め行って供給するPS版としてもよく、また、感光剤を塗布することなく供給するものであっても良い。
【0019】
感光剤が塗布されたPS版は、その後、露光、現像等の製版処理がなされる。さらには、感光剤を強固に定着させるためにPS版を加熱して感光剤を焼き付ける熱処理、いわゆるバーニング処理を行うことができる。この熱処理も常法により行うことができるが、条件としては240〜300℃、3〜10分の加熱条件を例示することができる。
本発明の材料は、熱軟化しにくい成分設計がなされており、上記熱処理後において高い強度を有している。
【0020】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例を説明する。
(材料の製作)
表1に示す組成でアルミニウム合金を溶解鋳造し、得られたスラブの表面を面削し、540〜580℃で4時間の均質化処理を行った。ついで、520℃に加熱した後、熱間圧延を行い4.5mm厚まで圧延した。この圧延材を以下のいずれかの工程を経て冷間圧延材を得た。
(工程A)実施例1、5、比較例1、3〜5、7、8
冷間圧延で0.3mm厚まで冷間圧延(中間焼鈍なし)。
(工程B)実施例2、4および比較例2
冷間圧延で3.0mm厚まで圧延し、450℃で10秒の中間焼鈍を行い、さらに、0.3mm厚まで冷間圧延。
(工程C)実施例3、比較例6
冷間圧延で2.5mm厚まで圧延し、450℃で10秒の中間焼鈍を行い、さらに、0.3mm厚まで冷間圧延。
上記工程Aにおける冷間圧延率および行程B、Cにおける中間焼鈍後の冷間圧延率をそれぞれ表1に示した。
【0021】
次いで上記供試材について、PS版用支持体に対する表面処理を想定した試験を行った。
(アルカリ洗浄による残渣)
80℃の3%NaOHに上記供試材を溶解した後、0.3μmの目開きのテフロン(商標)製フィルタでろ過して残渣量を測定した。
測定結果は、合金量に対する残渣量の質量比が0.02g/合金g以下であるものを○、越える場合を×として表1に示した。
(材料強度)
上記供試材について引張強度試験を行うとともに、焼付熱処理を想定した加熱処理(260℃×10分)を行い、その後、同様に引張強度試験を行った。試験結果は強度として表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
実施例および比較例に示す合金板を用い、下記に示す手順にて全て同様に処理してポジ型PS版を作製し、PS性能を評価した。
PS版支持体の作製:
合金板を65℃の水酸化ナトリウム水溶液(3%)中で7秒間脱脂処理した後、30℃の硫酸水溶液(10%)中に3秒間浸漬してスマットを除去した。次いで、正弦波交流電源(50Hz)を使用し、25℃の硝酸水溶液(2%)中にて電流密度80A/dm2で10秒間、電解粗面化処理を行った。続いて70℃の水酸化ナトリウム水溶液(1%)にて3秒間デスマット処理を行った後、30℃の硫酸水溶液(10%)中にて3秒間中和処理を行った。そして35℃の硫酸水溶液(30%)中にて電流密度10A/dm2で15秒間、陽極酸化処理を行った。陽極酸化皮膜量は25mg/dm2であった。
上記処理を行った板を0.1%の酢酸アンモニウム水溶液中において90℃で1分間浸漬し、次いでpH8.5の90℃のCMCダイセル1220(ダイセル化学製)水溶液(0.005%)に1分間浸漬した後、乾燥させてPS版用支持体を得た。
【0024】
(電解粗面化評価)
支持体表面を走査型電子顕微鏡にて1000倍で観察し、観察表面に形成されたピットのうちピット径1〜3μmのものが85%以上存在する場合を◎、80%以上85%未満の場合を○、70%以上80%未満の場合を△、70%未満の場合を×として評価し、その結果を表3に示した。
【0025】
前記のように作製したPS版用支持体に対し、それぞれ下記組成のポジ型感光性組成物を塗布し、ポジ型PS版を得た。感光液塗布重量は2.2mg/dm2であった。
【0026】
【表2】
【0027】
得られたポジ型PS版試料のそれぞれについて評価用画像を4kWメタルハライドランプで露光量400mJ/cm2にて焼き付け、KD−53現像液(三菱化学製)で25℃、30秒間現像した。このようにして得られた版について、PS性能として下記評価(製版画像の再現性評価、印刷時の水幅評価)を行った。
その結果を表3に示した。
【0028】
(製版画像の再現性評価)
現像して得られた平版印刷版上のUGRA画像(ポジ)の細線再現性を、8μm再現を○、10μm再現を△、12μm再現を×として評価した。
【0029】
(印刷時の水幅評価)
現像して得られた平版印刷版を印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1ーF)にかけ、コート紙、湿し水(東京インキ(株)製エッチ液SG−51、濃度1.5%)、インキ(東洋インキ製造(株)製ハイプラスM紅)を使用して印刷を行い、インキ量ダイヤルを一定にして水量ダイヤルを変更し、非画線部が汚れ始めるか平網部がからみ始める水量のダイヤル値と、画線部のインキ濃度が低下してくる水量のダイヤル値を求め、その差が12以上ある場合を○、10以上12未満を△、10未満を×として水幅を評価した。
【0030】
【表3】
【0031】
上記表1及び3から明らかなように、本発明の供試材によれば、アルカリ処理に際し残渣の発生が少なく、電解粗面化性も良好でPS性能にも優れており、しかも熱処理後においても高い強度が得られている。一方、比較材では、残渣の発生、強度、電解粗面化性、PS性能のいずれかに点において劣っており、本発明材においてのみ、これら全ての特性で満足する結果が得られることが明らかとなった。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の平版印刷版用アルミニウム合金材によれば、Fe:0.1〜0.5%、Si:0.01〜0.1%未満、Mn:0.2〜0.3%、を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるので、支持体の脱脂やデスマット等のアルカリ処理工程において残渣の発生が少なく、支持体の表面欠陥や機器の損傷を未然に防止する事ができ、また、廃棄物の発生も極力少なくすることが出来る。さらに版の強度は3103等のAl−Mn系合金と同程度に高く耐熱軟化性に優れ、かつ電解粗面性は1050等の純Al系合金以上に良好で均一なピットが得ることができる。したがって、この合金材を用いた平版印刷版は画像再現性に優れ、また印刷時に水を絞っても汚れ難いため水幅を広くとることができ、優れた印刷性能を発揮する。また、印刷工程での版の取扱時のペコや擦り傷も付きにくい等の取り扱い性に優れ、さらに印刷時の版切れも起こりにくいなど耐久性にも優れている。また、バーニング処理を行っても版の強度の低下が少ないため、上述の優れた取り扱い性や耐久性を発揮する。
Claims (5)
- 質量%で、Fe:0.1〜0.5%、Si:0.01〜0.1%未満、Mn:0.2〜0.3%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム合金材
- 前記含有成分が、質量%の関係において、0.5≦[%Fe]/[%Mn]≦2.0、0.1≦[%Si]/[%Mn]≦0.4を満たすことを特徴とする請求項1記載の平版印刷版用アルミニウム合金材
- 請求項1又は2に記載の合金材により支持体が構成されていることを特徴とする平版印刷版
- 前記支持体は少なくとも粗面化及び陽極酸化処理が施されており、該支持体上に感光層が設けられていることを特徴とする請求項3記載の平版印刷版
- 前記支持体はさらにアルカリ溶液による表面溶解処理がなされていることを特徴とする請求項4に記載の平版印刷版
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