JPH0419293B2 - - Google Patents

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JPH0419293B2
JPH0419293B2 JP17080683A JP17080683A JPH0419293B2 JP H0419293 B2 JPH0419293 B2 JP H0419293B2 JP 17080683 A JP17080683 A JP 17080683A JP 17080683 A JP17080683 A JP 17080683A JP H0419293 B2 JPH0419293 B2 JP H0419293B2
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JP
Japan
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plate
aluminum alloy
thickness
cold
rolled
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JP17080683A
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JPS6063347A (ja
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Shigeki Shimizu
Masayuki Onose
Yoshuki Shirosaka
Hideyoshi Usui
Masahiro Kawaguchi
Kozo Hoshino
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Kobe Steel Ltd
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Priority to JP17080683A priority Critical patent/JPS6063347A/ja
Publication of JPS6063347A publication Critical patent/JPS6063347A/ja
Publication of JPH0419293B2 publication Critical patent/JPH0419293B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は印刷版用高強度アルミニウム合金冷間
圧延板に関するものである。 現在アルミニウムは平版印刷版を製造する基材
として広く使用されている。そして、アルミニウ
ムの平版印刷版はアルミニウム表面を粗面化して
砂目を形成させ、感光性組成物を塗布しこれを露
光現像して印刷すべき画像部をレジスト層として
残すことによつて得られる。 しかして、アルミニウム表面に砂目を形成させ
る目的は2つあり、その第一は印刷操作中に刷版
に適切な保水性を与えること、第二にホトレジス
ト被覆とアルミニウム表面との接着性を高め、充
分な耐刷力を与えることである。 この砂目立ての方法としては、ボールグレイニ
ング、ワイヤーグレイニング、ブラシグレーニン
グ等の機械的方法や酸またはアルカリ溶液中でエ
ツチングする化学的方法、さらに、主として酸系
の溶液中で電解エツチングする電気化学的方法等
が実用化されている。しかして、機械的砂目て法
を行なう場合の問題点は、機械や研磨剤の調整に
相当の熟練度を必要とすること、粗面化されたア
ルミニウム板の表面に食い込んだ研磨剤、アルミ
ニウム屑等を取除く作業を要することであり、ま
た、化学的砂目立て法の問題は、浴組成、浴温度
等を可成り狭い範囲に管理する必要があるばかり
でなく、平版印刷版支持体として必要な表面粗さ
を得るために、比較的長時間のエツチングを要す
ることであり、さらに、最も高性能の砂目が得ら
れる電気化学的砂目立て法を採用した場合は、そ
の電力消費が印刷版の製造原価に占める割合が相
当大きくなるという問題がある。 このような砂目立て法の問題点を解消する方法
として、特開昭55−074898号公報にはグレーニン
グ面を有するロールにアルミニウムを通して、深
さ3.5μ以下の孔を形成させること特徴とする砂目
製造法が記載されている。この公報の砂目立て法
は、操作が単純で、かつ、従来の機械的砂目立て
法のように、研磨剤、アルミニウム屑等を取除く
作業は不要で、さらに、処理速度も大きいので製
造プロセスが大幅に合理化される可能性を有して
いるが、プレスにより孔を作成する際、孔の深さ
だけをコントロールしたのでは、平版印刷版とし
ての好ましい砂目を提供することができず、この
方法は未だ実用化に致つていない。また、特開昭
54−063902号公報には、ブラシ研磨により比較的
粗い大きなピツチの凹構造を形成させ、次いで、
化学洗浄により研磨剤やアルミニウム屑を化学的
に除去させた後、電気化学エツチングにより微細
なピツチの凹構造を形成させることにより、大き
なピツチと小さなピツチの二種の凹構造を有する
砂目立ての製造法が記載されているが、このよう
な、粗面構造を有する砂目は印刷版としての保水
性、レジストの接着性の点で優れているが、この
公報記載の方法では製造プロセスが複雑となり、
製造コストが高くなるという問題点があり、即
ち、機械的砂目立て法と電気化学的砂目立て法の
両方の問題点を有する。 一方、従来平版印刷版用アルミニウム合金板と
しては機械的粗面化法に対してA1050、A1100、
A3003に相当する材料が用いられ、電解粗面化法
に対しては電解粗面化のし易さの点からA1050相
当材が用いられている。しかしながら、純アルミ
ニウムを薄肉化すると取扱い時の「折れ」「ペ
コ」、印刷時の「版の伸び」の問題が発生し易い。
このA1050相当材では冷間圧延により強度上昇を
しても耐力(0.2%耐力以下では単に耐力という)
はせいぜい15Kg/mm2程度しかならないため、特に
大面積の版の場合には板厚0.24mm以上の印刷版支
持体でなければ上記の問題点が発生し印刷版とし
て使用しにくい面があつた。 本発明者はこのような事情に鑑み、支持体の薄
肉化を可能にし、かつ、その粗面化プロセスを大
幅に合理化し、平版印刷版支持体としての性能を
満足する印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧
延板を開発した。そして、この支持体の薄肉化の
要求に対して、先ず、取扱い性、特に、ハンドリ
ング時の「折れ」についてアルミニウム合金の板
厚と耐力との関係を究明した。 「折れ」の評価に当つて第1図に示す評価法が
最適である。この評価法は幅15mmのアルミニウム
板の一端を水平に固定し、固定端より100mmの先
端部に荷重を負荷し除荷した時の「折れ」が観察
される時の最低荷重を求めるものである。この方
法で生じる最低荷重(W〔g〕)と耐力(σ0.2〔Kg/
mm〕)および板厚(t〔mm〕)の関係を求めると、 W≒0.6×σ2.3 0.2×t1.9 となり、A1050材Iの0.24mm厚と同等以上の性能
を有する耐力−板厚領域は第2図斜線部Hとな
る。即ち、A1050材0.24mm厚を比較した場合、 板厚が0.22mmであれば耐力16Kg/mm2以上 板厚が0.17mmであれば耐力20Kg/mm2以上 板厚が0.14mmであれば耐力24Kg/mm2以上で 板厚が0.10mmであれば耐力30Kg/mm2以上 板厚が0.08mmであれば耐力35Kg/mm2以上 あれば、同等の耐「折れ」性能が得られることは
明らかである。 このような評価結果から、本発明者は薄肉化を
行なつても取扱い性の低下しない強度値を究明
し、さらに、強度向上のための含有元素として基
本的にMg、Feを選択し、かつ、これらを含有す
る系のアルミニウム合金に長円状のプレス凹部を
形成することにより本発明に係る印刷版用高強度
アルミニウム合金冷間圧延板を完成した。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板は、 (1) Mg 1〜6wt%、 Fe 0.05〜1.5wt%、 Cu 0.05〜1wt% を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚が0.05〜
0.3mmであり、この板厚における結晶粒の幅の平
均が35μm以下であり、かつ、表面に長円状のプ
レス凹部を有し、このプレス凹部は互いに独立或
いは一部重なり合つて波状模様を形成しているこ
とを特徴とする印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板。 (2) Mg 1〜6wt%、 Fe 0.05〜1.5wt%、 Cu 0.05〜1wt%、 Mn 0.1〜0.7wt% を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚が0.05〜
0.3mmであり、この板厚における結晶粒の幅の平
均が35μm以下であり、かつ、表面に長円状のプ
レス凹部を有し、このプレス凹部は互いに独立或
いは一部重なり合つて波状模様を形成しているこ
とを特徴とする印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板。 を特徴とするものである。 なお、本発明に係る印刷版用高強度アルミニウ
ム合金冷間圧延板においては、 1) 表面の長円状のプレス凹部が、長軸平均長
さ10〜140μm、短軸平均長さ7〜80μm、中心
線平均粗さ0.3〜1.5μmであること、 2) 表面の長円状のプレス凹部の密度が200
個/mm2以上であること、 3) 表面に長円状のプレス凹部と電気化学的エ
ツチングにより形成された1〜10μmの微細凹
部とが混在すること、 が好ましい。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板に、特にMgが含有されることにより
単に強度が高く、粗面化プロセスを合理化しただ
けではなく、電解粗面化性も著しく改善したので
ある。しかして、従来における交流電解粗面化に
際しては、純アルミニウムが用いられていたが強
度、取扱い性に問題があり、強度向上のために
種々の元素の含有が検討され、その中でも特に
Mgは共晶化合物/析出物の分布状況を変えるこ
とが少なく、また、アルミニウム材料の電気化学
的性質におよぼす影響が少ないので、例えば、特
公昭58−006635号公報、特開昭55−028874号公報
に記載されているように、0.4〜0.5wt%程度の少
量の含有は試みられている。しかしながら、この
量を越える含有量では電解粗面化面の状況に悪影
響を与えることから行なわれなかつた。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板においては、表面粗面化に必ずしも電
解粗面化を採用する必要がないので、0.5wt%以
上のMgを含有させることができ、さらに、電解
粗面化処理を行なう場合に1wt%以上Mgが含有
されていても印刷版用として非常に適した均一微
細な電解粗面が得られるのである。 即ち、一般にはAl−Mg系合金において、冷間
圧延中の発熱、圧延後の安定化処理時にAl−
Mg、Al−Mg−Cu系析出物が析出し、かつ、こ
の析出は冷間圧延前の焼鈍時の結晶粒界にある程
度優先的に生じることおよびこの現象は自然放置
でも生じること、さらに、これらの析出物は層状
腐蝕等の核になり易いことは良く知られているこ
とであり、従つて、共晶化合物分布および上記析
出物分布を適当にすることにより、印刷版として
適当な電解粗面が得られるものと考え研究の結
果、Mg含有量を1〜6wt%、Feが0.05〜1.5wt
%、Cu含有量を0.05〜1wt%とし、かつ、結晶粒
の幅の平均を35μm以下とすることにより、優れ
た電解粗面が得られ、プレスによる長円状の凹部
が存在することにより単に粗面化工程を合理化す
るだけではなく、電解エツチング後の粗面を著し
く改善できることを見出した。本発明の冷間圧延
板は、結晶粒の幅の平均が35μm以下とする。こ
れは、耐折性の向上のためであり、従来の1050材
での30回程度以下に比して、本発明では高強度化
と相俟つて耐折性が倍以上に向上する。 この冷間圧延の結晶粒の幅の平均値は、中間焼
鈍時の再結晶粒の大きさにより制御できる。即
ち、冷間圧延板の結晶粒の幅とは、圧延方向とは
直行する方向での結晶粒の大きさのことであり、
中間焼鈍時ほぼ粒状の再結晶粒が形成され、これ
をさらに冷間圧延すると幅方向に変化しないが、
長さ方向には圧延率に応じて伸長する。従つて、
冷間圧延板の結晶粒の幅の平均を35μm以下とす
るためには、中間焼鈍時の再結晶粒径を35μm以
下とすればよい。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板の含有成分および成分割合について説
明する。 Mgは強度向上、取扱い性の向上および電解粗
面化面の均一微細化のために含有させる元素であ
り、1wt%未満では薄肉化時に必要な強度が得ら
れず、かつ、電解粗面化面が不均一となり、ま
た、6wt%を越えて含有させると鋳造時にMgO
が形成され易く圧延板の粗面時に線状の欠陥が発
生し易い。よつて、Mg含有量は1〜6wt%とす
る。なお、電解粗面の一層の均一化のためおよび
充分な強度を得るためには2wt%以上が好まし
い。 Feは再結晶粒の微細化、取扱い性の向上およ
び電解粗面化面の均一化のため含有させる元素で
あり、Al−Fe系等の共晶化合物を形成し、この
共晶化合物は再結晶粒の微細化に効果があり、か
つ、その粒界に優先析出するAl−Mg系およびAl
−Mg−Cu系析出物の存在と相俟つて均一微細な
電解粗面形成の効果があり、含有量が0.05wt%未
満では再結晶粒の微細化、電解粗面化面の均一微
細化効果が少なく、また、1.5wt%を越える含有
量では粗大化合物の形成によりかえつて電解粗面
化面が不均一となる。よつて、Fe含有量は0.05〜
1.5wt%とする。 また、Cuは強度向上のためおよび電解粗面化
によるエツチング効果を高くするために含有させ
る元素であり、含有量が0.05wt%未満ではこの効
果が少なく、また、1wt%を越えて含有されると
電解粗面化時の溶解が過剰となるので、Cu含有
量は0.05〜1wt%とする。これらFeおよびCuの含
有成分以外に、Mnを含有させても良い。Mnは
Feと略同様な効果を有する元素であり、含有量
が0.1wt%では効果が少なく、また、0.7wt%を越
えて含有されるとAl−Fe−Mn系の共晶化合物が
粗大化し、電解粗面化面が不均一になり易くなる
ので、Mn含有量は0.1〜0.7wt%とする。 不純物については、通常市販されている工業用
純アルミニウムに含有される程度であれば差支え
はない。但し、Tiについては、工業用アルミニ
ウムの中で0.10wt%程度まで許容するものがある
が、本発明において、電解粗面化処理を施す場合
には、鋳塊組織の微細化のためのTiの含有はAl
−Ti粒子および/またはTi−B粒子の凝集を生
じ易く、電解粗面化処理により不均一な粗面にな
り易いので、Tiの含有量は0.05wt%以下とする。 本発明に係る平版印刷版用高強度アルミニウム
合金冷間圧延板の製造法について説明する。 上記に説明したアルミニウム合金の溶湯を通常
の方法により鋳造し、熱間圧延し、冷間圧延、中
間焼鈍、冷間圧延を行ない、0.05〜0.3mm厚の板
とする。電解粗面化面の微細化のためには中間焼
鈍時の再結晶粒が35μm以下の微細にする必要が
あり、そのために中間焼鈍までの冷間圧延率は30
%以上とし、26μm以下の微細粒が必要な時には
50%以上の冷間圧延率とする。 中間焼鈍は徐熱・徐冷方式および急熱・急冷方
式の何れでも実質的に問題はないが、再結晶粒の
微細化のためには急熱・急冷がよく、なお、焼鈍
条件は、再結晶するのに充分な温度の例えば、
300℃以上であればよい。 中間焼鈍後、20%以上の冷間圧延率で最終冷間
圧延を行ない強度を22Kg/mm2以上に調整する。そ
して、冷間圧延率が20%未満であると必要な強度
が得られず、また、圧延板の歪を良好とはなし難
く印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板と
して充分な平担さが得られない。この薄板の冷間
圧延において、材料自体の変形時の発熱によりコ
イルが冷却されるまでに充分な量のAl−Mgまた
はAl−Mg−Cu系の析出があるため最終調質は、
H1n、H2n、H3nの何れでもよい。しかし、電解
粗面化処理で析出物を最も有効に使うにはH3nが
よい。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板では、この中間焼鈍以後の冷間圧延工
程において、少くとも最終1パスを規定された表
面形状を有する粗面化ロールを用いて圧延するこ
とにより、ロール表面形状をアルミニウム合金板
表面に転写する。 この粗面化ロールは、例えば、鋼製および酸化
物或いはカーバイト等の100〜1000μの微粒子を
インペラー回転数1500〜3000rpm、グリツド投入
量100〜500Kg/minの条件で回転中のロールに噴
射して製造する。このロールを用いてアルミニウ
ム合金板を圧延する際には、1パス当りの圧下率
は3〜50%とし、複数回圧延を行なれてもよい。
そして、圧延されたアルミニウム合金板は表面に
長円状の凹部が密に並び、かつ、そのフリンジが
一部重なり合つて波状模様を形成している。この
長円状凹部の深さは中心線平均粗さRaは0.3〜
1.5μmとするのが保水性、小点再現性を良好と
し、0.3μm未満では保水性が不充分であり、ま
た、1.5μmを越えると小点再現性が低下する。長
円状凹部の大きさは平均で長軸方向10〜140μm、
短軸方向7〜80μmとするのが保水性、小点再現
性およびレジストの接着性を良くし、長円状凹部
がこれ以上大きくなると接着性および小点再現性
が低下する。また、長円状凹部の密度は200〜
15000個/mm2とし、この密度では長円状凹部のフ
リンジは一部重なり合つて全体として波状模様を
形成している。この密度が低いとレジストの接着
性、保水性を低下させる。 プレスにより長円状凹部が形成されたアルミニ
ウム合金板はそのままでも印刷版用高強度アルミ
ニウム合金冷間圧延板として使用することができ
る。 しかし、さらに電気化学エツチング処理を行な
うことにより小さなピツチの凹部を形成させると
平版印刷版として性能が改善される。 即ち、プレス加工だけのアルミニウム合金板上
の砂目には、表面に光沢があり製版を行なつた時
の小点や印刷作業中の水上り状況等が見えにくい
場合があり、電気化学エツチングにより微細な凹
部パターンを付与するとこの問題は解決する。 この電気化学エツチングは塩酸または硝酸浴中
で行なわれるが、塩酸浴の濃度は0.3〜3wt%、硝
酸浴の濃度は0.5〜5wt%とし、電流密度は20〜
200A/dm2、浴温度は10〜40℃、処理時間は5
〜100秒である。電気化学エツチングにより形成
される凹構造のピツチは1〜10μで、プレス加工
と比べると1桁低く、密度は20000〜100000個/
mm2であり、長円状凹部の上に重なつて形成され
る。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板の砂目は、従来のブラシ研磨→化学洗
浄→電解エツチングという方法の砂目に比べて、
ブラシ研磨という熟練を要する作業がなく、ま
た、研磨剤やアルミニウム合金屑を化学洗浄によ
り除去する作業も必要なくなるので非常に合理化
された方法により形成されるのである。 また、本発明に係る砂目が形成されている印刷
版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板はそのま
まで使用できるが、必要に応じて、陽極酸化、化
成処理を施してもよく、陽極酸化は通常の方法で
よく、例えば、硫酸、燐酸、クロム酸、蓚酸、ス
ルフアミン酸、ベンゼンスルホン酸等或いはこれ
ら2種以上を組合せた水溶液中で電流密度1〜
50A/dm2、電解時間15秒〜15分、浴温度25〜75
℃で行なう。陽極酸化後、さらに、熱水、珪酸
塩、重クロム酸塩、酢酸塩、親水性高分子化合物
等を用いて封孔または親水処理を行なつてもよ
い。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板に適用される感光性物質は特に限定さ
れなく普通によく知られているものを使用するこ
とができる。即ち、ジアゾ樹脂とバインダーとか
らなるネガ作用感光性組成物、光二量化型フオト
ポリマーよりなるネガ作用感光性組成物、光重合
モノマーとバインダーよりなるネガ作用感光性組
成物等がある。そして、これらの感光性組成物を
適当な溶媒に溶解し、本発明に係る印刷版用高強
度アルミニウム合金冷間圧延板に塗布し、乾燥す
れば感光性平版印刷版を製造できる。これに被複
写物を重ねて露光・現像すれば親水性および保水
性に優れ、かつ、感光層と砂目との接着性が強固
な優れた印刷版となる。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板の実施例を説明する。 実施例 1 第1表に示す本発明アルミニウム合金Aを溶
解、フイルター処理後造塊面削し、510℃×6Hr
均熱後熱間圧延を4mm厚、280℃で終了した。こ
れを0.3mm厚まで冷間圧延し340℃×2Hrの徐熱・
徐冷方式の中間焼鈍後、硬度(Hv)860、平均粒
径500μmの鋼製粒子をインペラー回転数
2000rpm、グリツド投入量250Kg/minの条件で
表面を粗面化した圧延ロールを用いて0.11mm厚の
粗面化されたアルミニウム合金板を作製した。表
面中心線平均粗さは0.60μm、長円状凹構造の長
軸平均長さは50μm、短軸平均長さは28μmで、長
円状凹部の密度は600個/mm2であつた。この板の
機械的性質および取扱い性を0.24mmおよび0.11mm
厚のJIS1050材(比較例B)と比較して第2表に
示す。なお、0.11mm厚の本発明材、比較例並びに
0.24mm厚の比較例について、粗面化後の結晶粒の
幅を以下の手順で測定した。 通常の金属顕微鏡観察用のミクロ研磨を行い、
パーカー法として知られている電解研磨・電解エ
ツチングにて結晶粒を現出させ、金属顕微鏡にて
偏向にて観察し、特定幅中の結晶粒の個数を計測
し、平均値を算出した。この結果、0.11mm厚の本
発明材で28μmであり、0.11厚の比較例、0.24mmの
比較例とも45μmであつた。 第2表から明らかであるが、本発明アルミニウ
ム合金薄肉材の取扱い性は比較例Bの0.24mm厚よ
り格段に優れている。 次に、硫酸20wt%浴中で6A/dm2、電解時間
20秒でアルマイト処理を施した後、下記組成のO
−キノンジアジド系感光液を20mg/dm2の膜厚に
塗布した。 ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロラ
イドとm−クレゾール・ホルムアルデヒドノボ
ラツク樹脂との縮合物 5.0g m−クレゾール・ホルムアルデヒドノボラツク
樹脂(住友デユレス社製) 7.6g ビクトリアピユアーブルー(保土谷化学社製)
0.1g トリクレジルホスフエート 0.14g エチルセロソルブ 100g 得られた感光性印刷版に、解像力チヤート、ス
テツプタブレツド、ポジフイルムを密着し、メタ
ルハライドランプで露光し、続いてメタ珪素ナト
リウム4wt%水溶液で現像を行なつたところ、5
段クリアで2%の網点が再現されていた。続い
て、ローランド社オフセツト印刷機(パルバ)で
印刷試験を行なつたところ特に汚れも発生せず、
5万枚の良好な印刷が行なえた。
【表】
【表】
【表】 実施例 2 第3表に示す本発明アルミニウム合金Cを溶解
し、フイルター処理後造塊し、面削し、510℃×
6Hr均熱後熱間圧延を4mm厚、300℃で終了した。
これを0.75mm厚まで冷間圧延を行ない、0.75mm厚
で500℃/minの昇降温速度で500℃×0secの焼鈍
を行ない、さらに、冷間圧延して0.5mm厚とした。
これを実施例1と同様の条件で粗面化圧延し、
0.15mm厚の粗面板とした。この機械的性質を第4
表に示す。なお、粗面化後の結晶粒の幅を実施例
1と同様な手法で測定したところ19μmであつた。 次いで、硫酸20wt%浴中で6A/dm2、20秒の
電解条件で陽極酸化処理し、続いて珪酸ナトリウ
ム1wt%水溶液中で80℃の温度で1分間化成処理
を行なつた。このよにして作製された砂目を有す
る平版印刷版用高強度アルミニウム合金板に下記
組成のジアゾ系感光液を17mg/dm2の膜厚に塗布
し、感光性印刷版を製造した。 P−ジアゾジフエニルアミン・ホルムアルデヒ
ド縮合物pF6塩(ジアゾニウム塩) 0.42g P−ヒドロキシフエニルメタクリルアミド・ア
クリロニトリル・アクリル酸エチルメタクリル
酸の共重合体 6.0g ビクトリアピユアーブルーBOH(保土谷化学社
製) 0.13g ポリアクリル酸(日本純薬社製ジユリマーAC
−10L) 0.20g メチルセロソルブ 100ml 感光性印刷版に解像力チヤート、ステツプタブ
レツト、ネガフイルムを密着し、メタルナライド
ランプで露光し、下記組成の現像液で未露光部を
除去したところ、5段ベタにおいて2%の網点が
再現されていた。 ベンジルアルコール 30ml 炭酸ナトリウム 5g 亜硫酸ナトリウム 5g イソプロピルナフタリンスルホン酸ソーダ 10g 水 11 作製された刷版を実施例1と同様にオフセツト
印刷機にかけて印刷試験を行なつたが、非画像部
の汚れもなく、5万枚の良好な印刷物が得られ
た。 実施例 3 実施例2のプレス粗面材を1.5wt%硝酸浴で30
℃、電流密度50A/dm2で15秒電気化学エツチン
グを行なつた後、実施例2と同一の処理を施して
刷版を作成した。電気化学的エツチングにより形
成された微細凹部の平均サイズは約3μmであつ
た。この刷版を実施例1と同じオフセツト印刷機
にかけて印刷試験を行なつたが、非画像部の汚れ
もなく、5万枚の良好な印刷物ができた。 さらに、実施例2および3と同一条件で作製し
た刷版について非画像部の汚れにくさ、汚れ回復
のし易さについて比較した。印刷中に版への水の
供給を停止して汚れが発生するまでの印刷枚数
(汚れにくさ)は実施例2の刷版が7枚、実施例
3の刷版が8枚であつた。次に、非画像部に全面
インキを付着させた状態で水の供給を再開し、非
画像部から完全に汚れがなくなるまでの印刷枚数
(汚れ回復のし易さ)は、実施例2が42枚、実施
例3が36枚であつた。このように、プレス粗面化
材を電解粗面化することにより版の汚れにくさお
よび汚れ回復のし易さは改善される。さらに、プ
レス粗面化材を電解粗面化したものは印刷中の水
上りの状態の見易さの点も改善されていた。 実施例 4 第3表に示す本発明アルミニウム合金Dを溶解
してフイルター処理後造塊して後面削し、510℃
×6Hr均熱し、次に4mm厚、250℃で熱間圧延を
終了し、さらに、0.5mm厚まで冷間圧延を行なつ
た。次に、0.5mm厚で徐熱・徐冷方式により350℃
×2Hrの中間焼鈍を行ない、これを実施例1と同
様の条件で粗面化圧延し、0.15mm厚の粗面板を作
つた。この機械的性質を第4表に示す。なお、粗
面化後の結晶粒の幅を実施例1と同様の手法で測
定したころ25μmであつた。続いて、1.5wt%塩酸
浴、浴温25℃、電流密度50A/dm2で10秒間電気
化学エツチングを施したアルミニウム合金板を、
42wt%燐酸浴中で電流密度3A/dm2、浴温25℃
で5分間陽極酸化処理を行ない、下記組成の光二
量化型フオトポリマー感光液で14mg/dm2の膜厚
に塗布し感光性印刷版を作製した。なお、電気化
学的エツチングにより形成された微細凹部の平均
サイズは約3.5μmであつた。 P−フエニレンジアクリル酸ジエチルエステル
と1.4−ジヒドロキシエトキシ−シクロヘキサ
ンとの縮合で作られたポリエステル 4.0g 2−ベンゾイルメチレン−1−メチル−β−ナ
フトチアゾリン 0.32g 安息香酸 0.16g ハイドロキノン 0.08g フタロシアニンブルー(顔料) 0.8g モノクロロベンゼン 100ml 得られた感光性平版印刷版に網点チヤート、ス
テツプタブレツト、ネガフイルムを密着してメタ
ルハライドランプで露光し、下記組成の現像液で
未露光部を除去した。 4−ブチロラクトン 500ml トリエタノールアミン 50ml グリセリン 50ml アビエチン酸メチル 5ml 水添ウツドレジン(ハーキユレスパウダー社製
ステイベライトレジン) 0.5g 湿潤剤(デユポン社製ゾニールA) 4.5ml この刷版は5段ベタにおいて、1%の網点が再
現されていた。次に、実施例1と同様にオフセツ
ト印刷機に取付けて印刷試験を行なつたところ、
水上りも見易く、汚れも発生せずに10万枚の良好
な印刷物が得られた。 なお、第1表、第3表に示す本発明合金A、C
は、特許請求の範囲第1項記載の発明に該当する
合金組成であり、Mg、Fe、Cu以外は不純物であ
る。また、本発明合金Dは、特許請求の範囲第2
項記載の発明に該当する合金組成であり、Mg、
Fe、Cu、Mn以外は不純物である。
【表】
【表】 比較例 鋼製ロールを回転させながら砥石で研磨を行な
い、線状模様を有する圧延ロールを作製した。こ
の圧延ロールを用いて実施例1と同様な方法でア
ルミニウム合金を圧延し、中心線平均粗さ1.2μの
線状模様の砂目を形成し、硫酸20wt%浴中で電
流密度5A/dm2、処理時間20秒でアルマイト処
理を行なつた後、実施例1と同様のO−キノンジ
アジド系感光液を20mg/dm2の膜厚に塗布し、露
光現像を行なつたところ中間調部分に砂目の線状
模様の筋が認められた。さらに、刷版をオフセツ
ト印刷機にかけて印刷試験を行なつたが、砂目の
方向が一方向だけであるためか、汚れが発生し易
く、良好な印刷物が得られなかつた。 以上詳細に説明したように、本発明に係る印刷
版用高速強度アルミニウム合金冷間圧延板は上記
の構成を有しているものであるから、印刷版とし
ての機械的性質が良好であり、かつ、印刷版とし
て取扱い性の極めて良好であるという優れた効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は耐「折れ」性評価法の説明図、第2図
は板厚と耐力との関係を示す図、第3図は繰返し
曲げ寿命の説明図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Mg 1〜6wt%、 Fe 0.05〜1.5wt%、 Cu 0.05〜1wt% を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
    ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚が0.05〜
    0.3mmであり、この板厚における結晶粒の幅の平
    均が35μm以下であり、かつ、表面に長円状のプ
    レス凹部を有し、このプレス凹部は互いに独立或
    いは一部重なり合つて波状模様を形成しているこ
    とを特徴とする印刷版用高強度アルミニウム合金
    冷間圧延板。 2 Mg 1〜6wt%、 Fe 0.05〜1.5wt%、 Cu 0.05〜1wt%、 Mn 0.1〜0.7wt% を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
    ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚が0.05〜
    0.3mmであり、この板厚における結晶粒の幅の平
    均が35μm以下であり、かつ、表面に長円状のプ
    レス凹部を有し、このプレス凹部は互いに独立或
    いは一部重なり合つて波状模様を形成しているこ
    とを特徴とする印刷版用高強度アルミニウム合金
    冷間圧延板。
JP17080683A 1983-09-16 1983-09-16 印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板 Granted JPS6063347A (ja)

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