JP3107191B2 - 平版印刷版用アルミニウム合金支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム合金支持体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗面化した表面に
陽極酸化処理を施し、さらに感光性物質を塗布して形成
される平版印刷版に好適に使用されるアルミニウム合金
支持体の製造方法に関する。さらに詳しくは本発明は、
引張強度及び疲労強度に優れる平版印刷版を与えるアル
ミニウム合金支持体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来平版印刷版としては、粗面化処理、
陽極酸化皮膜処理などの表面処理を施したアルミニウム
板上に感光性物質を塗布したものが用いられている。こ
の中で最も広く用いられているのは、予め感光性物質を
塗布してすぐ焼付けられる状態になっているいわゆるP
S版である。このような平版印刷版に画像露光、現像、
水洗、ラッカー盛り等の製版処理を施して印刷版が得ら
れる。この現像処理によって、未溶解の感光層は画像部
を形成し、一方感光層が除去されてその下のアルミニウ
ム表面が露出した部分は親水性のために水受容部となり
非画像部を形成する。従来、このような用途のアルミニ
ウム板には、JIS 1050(純度99.5重量%以
上の純Al)、JIS 1100(Al−0.05〜
0.20重量%Cu合金)、JIS 3003(Al−
0.05〜0.20重量%Cu−1.5重量%Mn合
金)等のアルミニウムやアルミニウム合金(以下、単に
アルミニウム合金という)が主として用いられている。
これらのアルミニウム合金板は、アルミニウム合金溶湯
から半連続鋳造法によってスラブを鋳造し、熱間圧延及
び冷間圧延によって0.1〜0.8mm程度の厚さまで
圧延して製造されるのが一般的である。なお必要に応じ
て、鋳塊を熱間圧延前に均質化処理することや、冷間圧
延途中で中間焼鈍を施すことも行われている。このアル
ミニウム合金板は、機械的方法、化学的方法及び電気化
学的方法のいずれか一つあるいは二つ以上が組み合わさ
れた工程による粗面化処理によりその表面が粗面化さ
れ、その後好ましくは陽極酸化処理が施されて平版印刷
版用支持体として使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年印刷技
術の進歩に伴い平版印刷の印刷速度が著しく上昇してい
る。その結果、印刷機の版胴の両端に機械的に固定され
る印刷版に加わる応力が増大し、これにより、印刷版の
強度が不足して印刷ずれ等の障害を発生し、また印刷版
の折り曲げ部の受ける繰り返し応力により版が切れて
(くわえ切れ)、印刷不能となることが度々起こってい
る。一方、平版印刷版用アルミニウム合金支持体として
は、最近、より薄肉のものが要求されてきているが、こ
のことは上記の問題をさらに顕著にさせる要因となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
のアルミニウム合金支持体の欠点を克服するために鋭意
研究を重ねた結果、Fe、Si及びCuの含有量を適正
に規制したアルミニウム合金溶湯から直接連続鋳造圧延
法によって製造したアルミニウム合金帯状板を冷間圧延
後に熱処理した後に、特定の条件の冷間圧延、中間焼
鈍、冷間圧延処理を施して製造したアルミニウム合金板
が、引張強度及び疲労強度に優れ、平版印刷版用として
優れた性質を有することを見い出した。本発明はこれら
の知見に基づき完成されるに至ったものである。すなわ
ち本発明は、Fe 1重量%以下、Si 1重量%以
下、Cu 0.2重量%以下を含有し、残部が不可避の
不純物とAlよりなるアルミニウム合金溶湯を連続的に
鋳造圧延して直接板厚25mm以下の帯状鋳造板を得、
該鋳造板に圧延率30%以上の冷間圧延を行い、400
℃以上の温度で熱処理を施し、冷間圧延を行い、350
〜550℃の温度で中間焼鈍を施し、その後冷間圧延を
行うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム合金支
持体の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。アルミニウム合金組成においてFeは1重量%以
下(以下、重量%を単に%と略記する)とする。Feは
電解粗面化面を均一化する作用を有する。またFeはア
ルミニウム合金中の他の元素と結びつきAl−Fe系及
びAl−Fe−Si系の金属間化合物を形成する元素で
あり、これらの金属間化合物のうち1〜20μmの金属
間化合物は、再結晶粒を微細化するとともに、均一微細
な電解粗面を形成する作用を有する。しかし、Fe含有
量が1%を越えると、20μmを越える粗大化合物の形
成により電解粗面化面が不均一となり好ましくない。F
e含有量の下限は特に制限はないが好ましくは0.1%
以上とする。Siは1%以下とする。Siは通常、不純
物として含まれ、含有量が1%を越えると電解粗面化処
理において微視的エッチング不足の斑点が散在する欠
陥、いわゆる未エッチング部が出現しやすい傾向を示す
ので好ましくない。またSi含有量の下限は特に制限は
ないが、少なすぎるとAl−Fe−Si系の金属間化合
物が十分形成されないので好ましくは0.01%以上と
する。Cuは0.2%以下とする。不純物としてCuが
0.2%を越えて存在すると電気化学的粗面化処理によ
って生成する凹部(ビット)が粗大になりやすく、また
印刷版として非画像部の耐食性が低下する。Cuは好ま
しくは0.1%以下とする。その他の不純物としては、
通常のアルミニウム地金に含まれているMn、Cr等が
あるが、これらの含有量が0.05%程度以下である場
合は特に問題はない。また本発明のアルミニウム合金は
任意的添加元素として、Ti、Bを各々0.1%以下含
有してもよく、これらの元素は連続鋳造圧延時の凝固組
織の微細化に有効である。
【0006】本発明方法では、上記組成範囲のアルミニ
ウム合金溶湯を連続的に鋳造圧延して、直接、板厚25
mm以下の帯状鋳造板とする。上記連続鋳造圧延によっ
て得られる帯状鋳造板の板厚25mm以下は、Fe、S
i等の合金成分元素が凝固時に形成する金属間化合物の
微細分散化が十分に行われて連続鋳造圧延の効果が十分
に生かされ、すなわち溶湯の冷却が均一かつ急速に行わ
れるような鋳造状態が得られる板厚である。帯状鋳造板
の板厚が25mmを越えて厚くなると、完全な急冷凝固
がはかれなくなり、金属間化合物が粗大化するので好ま
しくない。したがって板厚は薄ければ薄い程良いが、3
mm未満の厚さでは鋳造が困難になるとともに金属間化
合物の微細分散効果が飽和してしまうので、好ましくは
連続鋳造圧延板の板厚を3mm以上とするが、さらに好
ましくは5〜10mmである。アルミニウム合金溶湯を
連続的に鋳造圧延するには、二つの対向して回転する鋳
造用ロールまたは走行する鋳造用ベルト等で構成される
鋳型の間に配置されたノズルを経て溶湯を上記鋳型内に
供給し、鋳型で冷却して凝固させればよい。この方法
は、直接連続圧延法として知られており、3C法、ハン
ター法、ヘーゼル法等が工業的に用いられていたが、本
発明はこれらの方法にのみ限定されるものではない。
【0007】
【0008】次に本発明においては、熱処理を施す前に
冷間圧延を行う。すなわち前記連続鋳造圧延によって得
られた帯状鋳造板に圧延率30%以上の冷間圧延を行っ
てから300℃以上の温度で熱処理を施す。熱処理前の
冷間圧延は、この後施される熱処理時の凝固組織の破壊
を促進する作用を有する。冷間圧延率が30%未満の場
合、鋳造組織の破壊が十分に行われないため、表面処理
時に筋状の模様が発生しやすくなり、外観上問題とな
る。したがって、熱処理前の冷間圧延率は30%以上と
する必要がある。冷間圧延に続く熱処理は晶出物を分断
し、微細に分散する作用及び凝固組織を破壊して均質な
組織とする作用を有する。さらに、後工程で行われる中
間焼鈍時の再結晶温度を低下させ、再結晶粒径を微細均
一にする。これらの作用によってアルミニウム合金の引
張強度及び疲労強度を向上させることができる。冷間圧
延に続くこの熱処理は300℃未満であるとその効果が
十分でなく、さらに中間焼鈍時の再結晶粒径が粗大化
し、粗面化処理後にストリークが発生しやすくなり外観
を損ねる。本発明においては400℃以上の温度で
0.5時間以上の熱処理を行うことが好ましい。本発明
では前記熱処理の後、冷間加工(冷間圧延)、350〜
550℃で中間焼鈍、その後冷間圧延を行う。これは、
粗面化処理後のストリークの発生を抑えるためであり、
この処理により外観を満足する支持体の作製が可能とな
る。中間焼鈍を350℃未満の温度で行うと後の工程で
ストリークの発生を抑制することができず、また550
℃より高い温度では結晶粒の粗大化が著しくなり、逆に
ストリークが発生しやすくなるため好ましくない。よっ
て中間焼鈍条件は350〜500℃の温度で2〜5時間
あるいは連続焼鈍炉においては400〜550℃の温度
で120秒以下とし、完全に再結晶する条件で行う。さ
らに最終アルミニウム合金板の調質状態を調整するため
に、冷間圧延と上記条件での中間焼鈍を2回以上繰返し
て行ってもよい。
【0009】次に本発明の平版印刷版用アルミニウム合
金支持体に施す表面処理について詳細に説明する。平版
印刷版用アルミニウム合金支持体の砂目立て方法は、塩
酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気
化学的砂目立て方法、及びアルミニウム表面を金属ワイ
ヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研
磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン
法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラ
シグレイン法等の機械的砂目立て法を用いることがで
き、上記の砂目立て方法を単独あるいは組み合わせて用
いることができる。このように砂目立て処理したアルミ
ニウム合金は、酸またはアルカリにより化学的にエッチ
ングされる。酸をエッチング剤として用いる場合は、微
細構造を破壊するのに時間がかかり、工業的に本発明を
適用するには不利であるが、アルカリをエッチング剤と
して用いることにより改善できる。好適に用いられるア
ルカリ剤としては、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン
酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム等を挙げることができ、濃度と
温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜10
0℃であり、Alの溶解量が5〜20g/m2 となるよ
うな条件が好ましい。
【0010】エッチングの後、表面に残留する汚れ(ス
マット)を除去するために酸洗浄が行われる。用いられ
る酸としては硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸及
びホウフッ化水素酸などが挙げられる。特に電気化学的
粗面化処理後のスマット除去処理は、好ましくは、特開
昭53−12739号公報に記載されているような50
〜90℃の温度の5〜65重量%の硫酸と接触させる方
法、及び特開昭48−28123号公報に記載されてい
るアルカリエッチングする方法である。以上のようにし
て処理されたアルミニウム合金板は、平版印刷版用支持
体として使用することができるが、必要に応じてさらに
陽極酸化処理、苛性処理等の処理を施すことが望まし
い。陽極酸化処理は、この分野で従来より行われている
方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、
クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホ
ン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせた水溶液
または非水溶液中で、アルミニウムに直流または交流電
流を流すことにより、アルミニウム支持体表面に陽極酸
化皮膜を形成することができる。陽極酸化の条件は、使
用される電解液によって種々変化するので一概に決定さ
れ得ないが、一般的には電解液濃度が1〜80%、液温
5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2
電圧1〜100V、電解時間10〜100秒の範囲が適
当である。
【0011】これらの陽極酸化皮膜処理の内でも特に、
英国特許第1,412,768号明細書に記載されてい
る硝酸中で高電流密度で陽極酸化する方法、及び米国特
許第3,511,661号明細書に記載されているリン
酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。陽極酸
化されたアルミニウム板はさらに、米国特許第2,71
4,066号及び同第3,181,461号の各明細書
に記載されているようなアルカリ金属シリケート、例え
ば珪酸ナトリウムの水溶液で浸漬等の方法により処理し
たり、米国特許第3,860,426号明細書に記載さ
れているように、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛な
ど)を含む親水性セルロース(例えば、カルボキシメチ
ルセルロース)の下塗層を設けることもできる。本発明
による平版印刷版用アルミニウム合金支持体の上に、P
S版の感光層として従来より知られている感光層を設け
て感光性平版印刷版を得ることができ、これを製版処理
して得られた平版印刷版は優れた性能を有している。上
記感光層としては次のようなものがあげられる。
【0012】1.ジアゾ樹脂とバインダーからなる感光
層 米国特許第2,063,631号及び同第1,667,
415号明細書に開示されているジアゾニウム塩とアル
ドールやアセタールのような反応性カルボニル基を含有
する有機縮合剤との反応生成物であるジフェニルアミン
−p−ジアゾニウム塩とホルムアルデヒドとの縮合生成
物(いわゆる感光性ジアゾ樹脂)が好適に用いられる。
この他の有用な縮合ジアゾ化合物は特公昭48−480
01号、同49−45322号等に開示されている。こ
れらの感光性ジアゾ化合物は通常水溶性無機塩の形で得
られ、したがって水溶液から塗布することができる。ま
た、これらの水溶性ジアゾ化合物を特公昭47−116
7号公報に開示された方法により一個またはそれ以上の
フェノール性水酸基、スルホン酸基またはその両者を有
する芳香族又は脂肪族酸化合物と反応させ、その反応生
成物である実質的に水溶性の感光性ジアゾ樹脂を使用す
ることもできる。また特開昭56−121031号公報
に記載されているようなジアゾ樹脂も好ましい。
【0013】2.o−キノンジアジド化合物からなる感
光層 特に好ましいo−キノンジアジド化合物は、o−ナフト
キノンジアジド化合物であり、例えば米国特許第2,7
66,118号、同第2,767,092号、同第2,
772,972号、同第2,859,112号、同第
2,907,665号、同第3,046,110号、同
第3,046,111号、同第3,046,115号、
同第3,046,118号、同第3,046,119
号、同第3,046,120号、同第3,046,12
1号、同第3,046,122号、同第3,046,1
23号、同第3,061,430号、同第3,102,
809号、同第3,106,465号、同第3,63
5,709号、同第3,647,443号をはじめ多数
の刊行物に記載されており、これらはいずれも好適に使
用することができる。
【0014】3.アジド化合物とバインダー(高分子化
合物)からなる感光層 例えば英国特許第1,235,281号、同第1,49
5,861号、特開昭51−32331号、同51−3
6128号に記載されているアジド化合物と水溶性また
はアルカリ可溶性高分子化合物からなる組成物、特開昭
50−5102号、同50−84302号、同50−8
4303号、同53−12984号に記載されているア
ジド基を含むポリマーとバインダーとしての高分子化合
物からなる組成物が含まれる。
【0015】4.その他の感光性樹脂層 例えば特開昭52−96696号に開示されているポリ
エステル化合物、英国特許第112,277号、同第
1,313,309号、同第1,431,004号、同
第1,377,747号等に記載のポリビニルシンナメ
ート系樹脂、米国特許第4,072,528号、同第
4,072,527号の各明細書等に記載されている光
重合型フォトポリマー組成物が含まれる。
【0016】なお支持体上に形成される感光層の量は、
約0.1〜7g/m2 、好ましくは0.5〜4g/m2
の範囲である。PS版は画像露光された後、常法による
現像を含む処理によって樹脂画像が形成される。例えば
前掲1のジアゾ樹脂とバインダーとからなる前記感光層
を有するPS版の場合は画像露光後、未露光部分の感光
層が現像により除去されて平版印刷版が得られる。また
前掲2の感光層を有するPS版の場合には画像露光後、
アルカリ水溶液で現像することにより露光部分が除去さ
れて平版印刷版が得られる。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に
説明する。参考 例1 表1に示した組成のアルミニウム合金溶湯を連続鋳造圧
延して6mmの帯状板を得た(実験No.1〜12)。
また従来例として、厚さ500mmの半連続鋳造スラブ
を通常の方法で面削、均熱化処理下後、熱間圧延を行っ
て6mmの帯状板を得た(実験No13)。これらの帯
状板に表1に示した条件で熱処理を施した後、冷間圧延
を行って2.5mmの板厚とし、表1に示した条件で中
間焼鈍を行い、さらに冷間圧延を施して板厚0.3mm
のアルミニウム合金板を製造した。
【0018】
【表1】
【0019】次に、得られたアルミニウム合金板をパミ
ストンと水の懸濁液中の回転ナイロンブラシで砂目立て
した後、20%苛性ソーダ水溶液を用いてアルミニウム
の溶解量が5g/m2 となるようにエッチングした。流
水で十分に洗った後、25%硝酸水溶液で酸洗いし、水
洗して、基板を作成した。このようにして作成した基板
を、特開昭54−146234号公報に記載された方法
により、硝酸1.5%を含む電解溶液中で電流密度20
A/dm2 で交流電解した。引き続き50℃の15%硫
酸水溶液に3分間浸漬して表面を洗浄した後、20%の
硫酸を主成分とする電解液中で浴温30℃で3g/m2
の酸化皮膜を設けた。このようにして作成したサンプル
に下記の感光層を乾燥時の塗布量が2.5g/m2 とな
るように塗布、形成し、感光性平版印刷版を得た。
【0020】 感光層組成 ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライドと ピロガロール、アセトン樹脂とのエステル化合物(米国特許 第3,635,709号明細書に記載されているもの) 0.75g クレゾールノボラック樹脂 2.00g オイルブルー# 630(オリエント化学社製) 0.04g エチレンジクロライド 16g 2−メトキシエチルアセテート 12g
【0021】得られた感光性平版印刷版を透明陽画に密
着させて1mの距離からPSライト(東芝メタルハイラ
イドランプMU2000−2−OL型3kWの光源を有
し、富士写真フイルム(株)より発売されているもの)
で30秒露光を行った後、5%珪酸ナトリウム水溶液に
1分間浸漬して現像し、水洗、乾燥して試料を作成し
た。このようにして作成した試料の引張強度及び疲労強
度について試験を実施し、粗面均一性、及びストリーク
の発生状況を観察した。
【0022】(試験方法) (1)引張強度 JIS5号試験片を作成し、引張試験を行った。 (2)疲労強度 それぞれの試料から幅20mm、長さ100mmの試験
片をタテ取り及びヨコ取りで切り出し、一端を治具に固
定し、他端を上方に30°の角度に曲げた後に元の位置
に戻し、これを1回として破断までの回数を測定した。 (3)ストリークの発生状況 表面状態を目視にて観察した。 (4)電解エッチング粗面の均一性 表面状態を走査型電子顕微鏡にて観察し、ピットの均一
性を評価した。結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2の結果から明らかなように、連続鋳造
圧延により作成した試料(実験No.1〜12)は、従
来の半連続鋳造により作製した試料(実験No.13)
より、引張強度、疲労強度ともに高い値を示している。
この内、実験No.1〜4の試料にはストリークの発生
が認められず、またエッチング後の粗面の均一性にも優
れる。これに対して実験No.5〜12の試料では、ス
トリークの発生及び/又はピットの均一性の不良が認め
られる。
【0025】実施例 表3に示した組成のアルミニウム合金溶湯を用いた以外
参考例1と同様にして6mmの帯状板を得(実験N
o.14〜26)、また従来例として参考例1と同様に
6mmの帯状板を得た(実験No27)。これらの帯状
板を表3に示した圧延率で冷間圧延し、表3に示した条
件で熱処理を施した後、冷間圧延を行って2.5mmの
板厚とし、表3に示した条件で中間焼鈍を行い、さらに
冷間圧延を施して板厚0.3mmのアルミニウム合金板
を製造した。次に、得られたアルミニウム合金板から
例1と同様の処理・操作により試料を作成した。参考
例1と同様の試験を行って、各試料の引張強度、疲労強
度、粗面均一性、及びストリークの発生状況を評価し
た。結果を表4に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】表4の結果から明らかなように、連続鋳造
圧延により作成した試料(実験No.14〜26)は、
従来の半連続鋳造により作製した試料(実験No.2
7)より、引張強度、疲労強度ともに高い値を示してい
る。この内、本発明方法により作成したアルミニウム合
金から得た試料(実験No.14〜17)にはストリー
クの発生が認められず、またエッチング後の粗面の均一
性にも優れる。これに対して合金組成、熱処理前の冷間
圧延率、熱処理条件、中間焼鈍処理条件のいずれかが本
発明方法の規定する範囲から外れた試料では(実験N
o.18〜26)、ストリークの発生及び/又はピット
の均一性の不良が認められる。
【0029】
【発明の効果】本発明方法によれば、引張強度及び疲労
強度に優れ、粗面化処理によってもストリーク欠陥等が
生じることもなく粗面性状も良好である平版印刷版用ア
ルミニウム合金支持体を製造することができ、前記支持
体から性能の優れる平版印刷版を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 21/00 C22C 21/00 M C22F 1/00 623 C22F 1/00 623 630 630A 630G 674 674 686 686B 691 691B 694 694A (72)発明者 榊 博和 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士 写真フイルム株式会社内 (72)発明者 堀田 吉則 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士 写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−220593(JP,A) 特開 平6−122949(JP,A) 特開 平5−156414(JP,A) 特開 平7−54111(JP,A) 特開 昭61−272357(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/04 B41N 1/08 C22C 21/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe 1重量%以下、Si 1重量%以
    下、Cu 0.2重量%以下を含有し、残部が不可避の
    不純物とAlよりなるアルミニウム合金溶湯を連続的に
    鋳造圧延して直接板厚25mm以下の帯状鋳造板を得、
    該鋳造板に圧延率30%以上の冷間圧延を行い、400
    ℃以上の温度で熱処理を施し、冷間圧延を行い、350
    〜550℃の温度で中間焼鈍を施し、その後冷間圧延を
    行うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム合金支
    持体の製造方法。
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