JP2002299248A - 縦型熱処理装置 - Google Patents

縦型熱処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体のコンパクト化を図り、また、ガ
ス導入部の過冷却を防止すると共に、ガス導入部を所望
の温度に制御するようにしたガス導入部の構造を提供す
ること。 【解決手段】 処理容器1内に処理ガスを導入して被
処理体を熱処理するための縦型熱処理装置であって、処
理容器1に設けた処理ガス導入口3に、水冷フランジ1
9とは独立させて別のガス導入体15を配設し、このガ
ス導入体15に形成したガス導入路16から前記処理ガ
ス導入口3へ処理ガスを供給するようにする。このガス
導入体15は、筒形状の処理容器1外周囲の一部に配設
され、全体として扁平形状で、三日月型を呈する形態で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦型熱処理装置に
関し、特に、処理ガス導入部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、半導体ウエハ等の被処理体におけ
る製造プロセスは、半導体ウエハ等に対して、酸化処
理、拡散処理、減圧CVD処理である成膜処理等の処理
を施すために、各種の熱処理工程を経ることになる。こ
れらの熱処理工程には、多数枚の半導体ウエハに対して
処理が可能なバッチ式の縦型熱処理装置が多く用いられ
ており、更に、この処理装置の縦長の処理容器(反応
管)の周囲には、処理ガスをプロセス温度に加熱する加
熱炉が設けられている。
【0003】また、処理容器の下端開口部には、ステン
レス製で、短筒形状に形成されたマニホールドが設けら
れており、更に、マニホールドの下方開口部は、キャッ
プ部で昇降機構により昇降させながら開閉可能に設けら
れ、このキャップ部上には、ウエハを多段に収容したウ
エハボートが設けられ、キャップ部の昇降によってウエ
ハボートをロードまたはアンロードするように構成され
ている。
【0004】上記のマニホールドには、処理ガスを導入
する導入ポートや排気ポート或は、水冷部などが一体に
設けられている。この水冷部を設置しているのは、マニ
ホールドの上端に設けたフランジ部と処理容器の下端部
との間に設けたOリング等のシール部材やマニホールド
の下端に設けたフランジ部とキャップ部との接合部との
間に設けたOリング等のシール部材がプロセス温度の熱
によって劣化するのをあえて冷却させて防止するためで
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り用いられているこのマニホールドは、短円筒状で縦長
の処理容器の下端部に付設されているので、装置自体が
より縦長に構成されてしまうため、コンパクト性に欠け
るばかりでなく、次に示すような課題点を有している。
【0006】即ち、マニホールドに水冷部とガス導入ポ
ートが一体に設けられているので、この水冷の影響によ
って導入ポートが所定の温度に到達しない場合があり、
導入される処理ガスに悪影響を与えるおそれがある。ま
た、水冷部によってマニホールド内面が処理温度より低
温となるため、マニホールドの内面に処理ガス成分が接
触して凝結することにより、反応副生成物や析出物がマ
ニホールドの内面に付着して、パーティクルの発生の要
因となり、熱処理工程に悪影響を及ぼすおそれがある等
の課題を有していた。
【0007】本発明は、従来の課題点に鑑みて開発した
ものであり、その目的とするところは、装置全体のコン
パクト化を図り、また、ガス導入部の過冷却を防止する
と共に、ガス導入部を所望の温度に制御するようにした
ガス導入部の構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、処理容器内に処理ガスを導
入して被処理体を熱処理するための縦型熱処理装置であ
って、処理容器に設けた処理ガス導入口に、水冷フラン
ジとは独立させて別のガス導入体を配設し、このガス導
入体に形成したガス導入路から前記処理ガス導入口へ処
理ガスを供給するようにした縦型熱処理装置である。こ
のように、水冷フランジから独立したガス導入体により
過冷却を防止でき、従来のいわゆるマニホールドを必要
としないため、コンパクトな装置である。
【0009】請求項2に係る発明は、ガス導入体は、筒
形状の処理容器外周囲の一部に配設され、全体として扁
平形状で、三日月型を呈する形態である。従って、筒形
状の処理容器の外周の一部に配設され、コンパクト化が
図れる。
【0010】請求項3に係る発明は、ガス導入体には、
複数個のガス導入路を肉厚部分に放射方向に形成し、こ
のガス導入路同志間の肉厚部分にカートリッジタイプの
ヒータを内蔵したものである。従って、過冷却を防止で
きると共に、所望の温度にガス導入部を制御できる。
【0011】請求項4に係る発明は、前記ガス導入体を
処理容器の下端側壁の近傍位置に設けた水冷フランジの
上部に、断熱部材を介して離間させて固定した縦型熱処
理装置である。従って、ガス導入体は、水冷フランジに
確実に固着されるが、断熱構造により水冷フランジの影
響を受けることなく、所望の温度に維持できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における縦型熱処理装置の
実施形態を図面に従って詳述する。図1は、縦型熱処理
装置を示した断面説明図であり、図2は、図1のガス導
入部の構造を示した拡大断面図であり、図3はガス導入
部の固定構造を示した部分断面図である。なお、図8
は、ガス導入部の概念構造図であり、図9及び図10
は、キャップ部のシール部構造を示した概念構造図であ
る。
【0013】図1において、1は酸化処理、拡散処理或
は減圧CVD処理等に用いられる円筒形状の石英製の処
理容器(反応管)であり、この処理容器1の下端に開口
2を設け、更に、処理容器1の下端に形成した環状突出
部1aにガス導入口3を形成し、このガス導入口3に、
L字形の石英製インジェクタ4を装入している。
【0014】また、開口2は、石英製またはステンレス
製のキャップ部6で開閉自在に被蓋し、処理容器1の外
周囲には、加熱炉7を設けている。本例における処理容
器1は、単管構造であるが、外管と内管を有する二重管
構造であっても良い。また、キャップ部6の下面には、
ヒータ6aを設け、このキャップ部6の中央部分には、
回転導入機構部8を軸装しており、この回転導入機構部
8は、多数枚の半導体ウエハWを多段に収納保持したウ
エハボート9を支受けする支柱10を金属製保持筒材1
1に挿入して固定し、この金属製保持筒材11の下部よ
りシール機構を介して突出させた回動軸12を昇降機構
13に設けた回転駆動機構14により回転させている。
この昇降機構13によりウエハボート10をキャップ部
6と共に処理容器1内へロードまたはアンロードするよ
うに構成されている。
【0015】次に、図2〜図7において、ガス導入部分
の構造を具体的に説明する。図4において、ガス導入体
15は、筒形状の処理容器1の下端側壁に設けた環状の
突出部1aの外周囲に設けられ、このガス導入体15
は、熱伝導性が良好なアルミニウム製で形成され、更
に、図4及び図5に示すように、平面から見て、三日月
型を呈して、環状突出部1aの一部に位置している。ま
た、ガス導入体15は、図6に示すように正面から見
て、扁平状の肉厚で形成されている。
【0016】また、ガス導入体15には、複数個(本例
では6個)のガス導入路16を肉厚部分に放射方向に形
成されており、このガス導入路16同志間の肉厚部分に
カートリッジタイプのヒータ17を装入するための装入
部17a(本例では6個)が形成されている。このヒー
タ17には、熱電対等の温度検出手段が設けられてお
り、この検出温度をコントローラで制御しながら、ヒー
タ17を所定の温度に維持制御するようにしている。
【0017】また、このガス導入体15の肉厚方向に
は、ベースプレート18に取付けた冷水路19aを有す
る下部の水冷フランジ19に後述する断熱構造で固着す
るための固定ボルト挿入用の挿入穴21を設け、更に、
後述するガス導入路16の外端面に取付ける保持部22
を固着するためのめねじ部23を設けている。
【0018】次に、図2〜図4に示すように、ガス導入
体15を水冷フランジ19に独立して固着するための構
造と、ガス導入体15のガス導入路16に筒状リテーナ
24を取付けるための構造について説明する。ガス導入
体15の処理容器1側の下部に、突設部25を形成し、
この突設部25より貫通させた固定ボルト20を挿入す
る挿入穴21を形成する。この挿入穴21より固定ボル
ト20を挿入して突設部25の下部に位置している水冷
フランジ19のめねじ部27に螺合する。この場合、水
冷フランジ19のめねじ部27の上方には、断熱用装着
溝28を形成し、固定ボルト20は、この装着溝28の
中央部分を貫通している。
【0019】更に、この装着溝28には、固定ボルト2
0の軸方向に沿って固定ボルト20を包囲するように、
内外周に断熱空間29,30を有してステンレス製の断
熱スリーブ31が装着されている。この断熱スリーブ3
1は、水冷フランジ19の上面よりやや突出させて突出
部31aを有している。この状態において、固定ボルト
20を図3に示すように締め付けると、断熱スリーブ3
1の突出部31aの上端がガス導入体15の突設部25
の下面に当接して、ガス導入体15と水冷フランジ19
とは、独立して離間部32を有し、断熱空間29,30
及び離間部32更には、断熱スリーブ31によって断熱
作用が発揮されて、ガス導入体15は、水冷の影響を受
けることがない。
【0020】次に、ガス導入体15に設けたガス導入路
16の構造について説明すると、ガス導入路16には、
ステンレス製の筒状リテーナ24が挿入され、このリテ
ーナ24は、先端内周に、インジェクタ4の突出部分を
挿入するための段部33が形成され、後端近傍には、突
条部24aが形成され、リテーナ後端を、処理ガス供給
系統に接続するように設けられている。また、リテーナ
24の先端面と、処理容器1のガス導入口3の外端面と
は、Oリング等のシール部材34を装着して端面シール
をしている。
【0021】このガス導入体15の肉厚外端面は、保持
部22を取付けるためにフラット面35に形成し、この
フラット面35に保持部22を位置させてボルト36で
めねじ部23に螺着し、更に、ナット37で、突条部2
4aを介して螺着することにより、リテーナ24をガス
導入体15のガス導入路16に固着している。更に、ガ
ス導入体15の上面には、冷水路38aを有する水冷フ
ランジ38を処理容器1の突出部1aの上面にシール材
39を介して配置され、この水冷フランジ38は、ガス
導入体15とは、独立して、離間部40を有して配設さ
れ、水冷フランジ38の水冷の影響を受けないように配
慮している。
【0022】また、図2において、ベースプレート18
と水冷フランジ19との間には、Oリング等のシール部
材41が設けられており、また、水冷フランジ19とキ
ャップ部6との間並びに水冷フランジ19と処理容器1
の突出部1aとの間にも、それぞれOリング等のシール
部材42,43が設けられている。また、処理容器1の
突出部1aの上下面と水冷フランジ19,38との間に
も、ふっ素樹脂等で形成したシール材39,45が介在
されている。更に、処理容器1の開口2の側壁近傍位置
には、ヒータ46が設けられている。
【0023】次に、図8〜図10は、ガス導入部分やシ
ール構造部分の概念図であり、図9は石英製のキャップ
部6の例であり、図10は、ステンレス製キャップ部6
の例である。図8において、47は、配管ヒータであ
り、図9において、48,49は、温度調整機構であ
り、50は、シール排気溝である。このシ−ル排気溝5
0は、Oリングのアウトガスや透過ガスの排除用であ
り、水冷フランジ19の側面に設けたシール排気ポート
51より排気される。また、図10において、ステンレ
ス製のキャップ部6の下面にヒータ6aを設け、冷水路
6bと温度調整機構6c並びに断熱溝6eを設けてい
る。
【0024】次に、上記実施形態の作用を説明する。先
ず、半導体ウエハWを収納保持したウエハボート9を昇
降機構13を介して処理容器1の開口2からロードさせ
て開口2をキャップ部6で密閉することによって図1の
状態にする。この状態において、加熱炉7により処理容
器1内を所定の処理温度にすると共に、インジェクタ4
より処理ガスを導入しながら、図示しないガス排気口よ
り排気させる。上記のウエハボート9は、回転駆動機構
14を介して回転されながら、ウエハボート9内の半導
体ウエハWが、例えば、成膜処理、酸化処理或は拡散処
理がなされる。
【0025】次いで、処理ガス供給系統よりガス導入体
15に配設されたリテーナ24のガス導入管部位より適
宜の処理ガスが供給され、本例では、6個のガス導入路
16よりそれぞれに連通したインジェクタ4より処理容
器1内に導入されて熱処理される。
【0026】この場合、ガス導入体15は、水冷フラン
ジ19や水冷フランジ38より離間された状態で断熱さ
れた構造により配設されているので、水冷フランジ1
9,38の冷却熱が伝熱されることなく、処理ガスを導
入するためのガス導入体15が過冷却されることはな
い。
【0027】特に、水冷フランジ19は、断熱空間2
9,30並びに離間部32を有し、更には、断熱スリー
ブ31のみで接触載置されているので、水冷フランジ1
9の冷熱がガス導入体15に伝達されることがなく、ガ
ス導入体15は、カートリッジタイプのヒータ17によ
って所定の温度に保持されると共に、ガス導入体15
は、伝熱性の良好なアルミニウムで形成されているの
で、このヒータ17の加温熱が有効に伝熱されて、所定
温度に制御される。
【0028】また、ガス導入体15は、筒形状の処理容
器の外周囲の一部に合理的に配設され、しかも、扁平形
状で、三日月型状に形成されたガス導入体15は、筒形
状処理容器1の円弧面の一部を囲むように配置されるの
で、水冷フランジ19,38とは、独立して別個に設け
られるばかりでなく、縦長になることなく、極めてコン
パクトに配置される。
【0029】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、請求項
1に係る発明によると、従来のマニホールドを全く必要
とせずに、水冷フランジからの過冷却による影響を受け
ることなく、処理ガス導入部分を所望の温度に制御する
ことが可能となる。
【0030】請求項2に係る発明は、筒形状の処理容器
の下端外周囲の一部に合理的なスペースを有してガス導
入体が配置されるため、装置のコンパクト化に著しく寄
与できる。
【0031】請求項3に係る発明は、ガス導入体より処
理ガスを水冷フランジの冷熱に影響されることなく、処
理容器内へ導入され、しかも、ガス導入体に配設された
ヒータによって所望の温度に制御され、かつ維持され
る。
【0032】請求項4に係る発明は、ガス導入体は水冷
フランジとは、独立して別に構成され、しかも、断熱構
造を有して固定されるため、ガス導入体は、常に、所定
の温度に制御維持されることが可能となる等の有用な効
果を奏する。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における縦型熱処理装置の一例を示した
断面説明図である。
【図2】図1におけるガス導入構造の拡大断面図であ
る。
【図3】ガス導入体と水冷フランジとの固定構造を示し
た部分断面図である。
【図4】図2におけるガス導入構造の平面図である。
【図5】本発明におけるガス導入体の平面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】図5のA−A線断面図である。
【図8】ガス導入部分を示した概念構造図である。
【図9】石英製のキャップ部におけるシール部構造の一
部を示した概念構造図である。
【図10】図9に示したものであって、キャップ部をス
テンレス製とした概念構造図である。
【符号の説明】
1 処理容器 3 ガス導入口 4 インジェクタ 6 キャップ部 15 ガス導入体 16 ガス導入路 17 ヒータ 19 水冷フランジ 31 断熱スリーブ 32 離間部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理容器内に処理ガスを導入して被処理
    体を熱処理するための縦型熱処理装置であって、処理容
    器に設けた処理ガス導入口に、水冷フランジとは独立さ
    せて別のガス導入体を配設し、このガス導入体に形成し
    たガス導入路から前記処理ガス導入口へ処理ガスを供給
    するようにしたことを特徴とする縦型熱処理装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス導入体は、筒形状の処理容器外
    周囲の一部に配設され、全体として扁平形状で、三日月
    型を呈する形態である請求項1に記載の縦型熱処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ガス導入体には、複数個のガス導入
    路を肉厚部分に放射方向に形成し、このガス導入路同志
    間の肉厚部分にカートリッジタイプのヒータを内蔵した
    請求項1又は2に記載の縦型熱処理装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス導入体を、処理容器の下端側壁
    の近傍位置に設けた水冷フランジの上部に、断熱部材を
    介して離間させて固定した請求項1乃至3の何れかに記
    載の縦型熱処理装置。
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