JP2002299148A - 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサ及びその製造方法

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JP2002299148A JP2001098451A JP2001098451A JP2002299148A JP 2002299148 A JP2002299148 A JP 2002299148A JP 2001098451 A JP2001098451 A JP 2001098451A JP 2001098451 A JP2001098451 A JP 2001098451A JP 2002299148 A JP2002299148 A JP 2002299148A
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electrode layer
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芳博 藤岡
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
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    • H01G4/06Solid dielectrics
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    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/30Stacked capacitors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】稜線部分が面取りされていても必要最小限のマ
ージンで足り、小型大容量の積層コンデンサを提供す
る。 【解決手段】セラミックからなる積層された長方形の誘
電体層3間に、一方の電位の内部電極層4と他方の電位
の内部電極層4とが交互に形成され、誘電体層3の長寸
方向の一方の端面付近から他方の端面に導出されてなる
積層セラミックコンデンサ10において、前記内部電極
層4が、長寸方向の両端から中央に向かって徐々に広く
なる幅を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
コンデンサとその製造方法に属し、特に小型で大きい静
電容量を有する積層セラミックコンデンサ(以下、単に
積層コンデンサという。)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、積層コンデンサは、図5(a)に積
層方向断面図として示すように、積層された長方形の誘
電体層23間に内部電極層24を形成し、内部電極層2
4の端部を交互に積層体21の対向する端面に導出さ
せ、この部分に各々外部電極22を形成することによ
り、電位を同じくする内部電極層24同士を接続する構
造を有していた。
【0003】このような積層コンデンサの一般的な製造
方法は、以下の通りである。誘電体セラミック粉末及び
有機バインダーを含むスラリーをシート状に成形し、得
られたグリーンシートにスクリーン印刷機などにより金
属粉末含有ペーストを多数の内部電極パターンに印刷す
る。
【0004】印刷された複数枚のグリーンシートと必要
に応じて最上層及び/又は最下層に印刷されていないグ
リーンシートとを積層し、圧着し、個々のチップ状に切
断して内部電極の一方の端部を積層体の側面に露出させ
る。これを焼成し、カケ防止のためにバレル研磨等によ
り稜線部分を面取りする。その後、内部電極の露出して
いる側面に金属粉末含有ペーストを塗布し、焼き付けて
外部電極を形成することにより、積層コンデンサとして
いた。尚、積層体を焼成する前にバレル研磨を施す製造
方法やグリーンシート積層に代えてセラミックペースト
と金属粉末含有ペーストを交互に印刷して積層体を得る
製造方法もある。
【0005】内部電極は、対向する内部電極同士の短絡
を防止したり電位の異なる他方の外部電極との絶縁を確
保したりするために、誘電体層の稜線との間にマージン
が設けられている。このようにマージンが設けられてい
ると、基板への実装時の半田付けなどによる熱応力や電
圧印加時の電歪により、マージン部分に引っ張り応力が
発生し、誘電体層のマージン部分にクラックが発生する
ことがある。
【0006】これを回避するために、マージンを大きく
すると内部電極の有効面積が小さくなって小型大容量の
要請を満足できない。逆にマージンをあまり小さくする
と、内部応力は構造の不連続な内部電極端部に集中する
ことから、誘電体層と内部電極との焼成収縮率差及び熱
膨張差によって焼成時の稜線付近でのクラック発生率が
高まる。そこで、積層体の中央部から上方及び下方に向
かうほどに内部電極の幅を狭くするなど各内部電極層毎
に内部電極の幅を異ならせた構造が提案されている(特
開平11−297566号公報、特開2000−124
057号公報など)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれにして
も各内部電極層の幅は、図5(b)に誘電体層の主面方向
断面図として示すように、外部電極22との接続側端部
から他方の端部に至るまで一様であった。従って、誘電
体層23の主面の角部と内部電極層24の角部との間で
所定のマージンを確保するために、依然として誘電体層
23の各辺と内部電極層24の辺とのマージンを大きく
とらなければならず、小型大容量化の妨げとなってい
た。
【0008】それ故、この発明の第1の課題は、稜線部
分が面取りされていても必要最小限のマージンで足り、
小型大容量の積層コンデンサを提供することにある。第
2の課題は、小型でマージンが小さくても焼成時のクラ
ックが生じにくい積層コンデンサを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
に、この発明の積層セラミックコンデンサは、セラミッ
クからなる積層された長方形の誘電体層間に、一方の電
位の内部電極層と他方の電位の内部電極層とが交互に形
成され、誘電体層の長寸方向の一方の端面付近から他方
の端面に導出され、両端面に外部電極が形成されてなる
積層セラミックコンデンサにおいて、前記内部電極層
が、長寸方向の両端から中央に向かって徐々に広くなる
幅を有することを特徴とする。
【0010】このように同一面内で内部電極層の幅を変
えることによって、誘電体層の主面の角部と内部電極の
角部との間で所定のマージンが確保されると同時に、誘
電体層の長辺と内部電極の長辺との間のマージンが減っ
て有効電極面積が増える。従って、小型でありながら静
電容量が大きく且つ外部電極との絶縁を十分確保できて
いる。
【0011】このような積層セラミックコンデンサを製
造する適切な方法は、焼成により誘電体層となるセラミ
ックグリーンシートに、内部電極となる長方形の単位パ
ターンを複数印刷し、これを複数枚積層し圧着した後、
得られた積層体を焼成し、両端面に外部電極を形成す
る、積層セラミックコンデンサの製造方法において、前
記圧着後、焼成前に下記の工程を含むことを特徴とす
る。 (a)前記積層体を前記単位パターンの長辺方向に平行に
単位パターン毎に切断する工程。 (b)前記圧着時の圧力及び温度よりも高圧及び/又は高
温で、切断された積層体を積層方向に加圧する工程。
【0012】上記のように単位パターン毎に切断された
積層体を積層方向に加圧すると、その圧力が誘電体層及
び内部電極層の主面方向に伝達されて、積層体が横伸び
する。積層体の最上面及び最下面は加圧用の型との摩擦
があることから、伸び量は積層方向中央部が大きく、ま
た同一主面内では長辺方向中央部が最も大きい。従っ
て、積層体内部では内部電極層の幅が長寸方向の両端か
ら中央に向かって徐々に広くなる。その結果、内部電極
の辺と誘電体の辺との間のマージンを余分に確保しなく
ても内部電極の角部と誘電体の角部との間で所定のマー
ジンを確保することができる。従って、焼成時のクラッ
クが発生しにくい。横伸びした内部電極は、焼成後もそ
の相似形状となり、上記の積層セラミックコンデンサが
得られる。
【0013】また、誘電体セラミック材料をグリーンシ
ートに成形する際、大容量化のために現状では厚みを極
力薄くしている。この発明によれば、このように薄く成
形されたシートを2度加圧することにより、さらに薄く
なり、ますますの大容量化が図れる。尚、誘電体層の横
伸びによって、積層体の幅が規定の外形寸法を越えると
きは、(b)工程の加圧後に再度切断することにより、越
えた部分のみ除去すればよい。
【0014】前記(b)工程において、前記(a)工程で切
断された積層体を互いに離すことなく、隣接させた状態
で加圧すると、横伸びが隣接する積層体と当たる所で停
止するので、加圧後の形状のばらつきが減って好まし
い。また、前記(b)工程において、積層体の上面及び下
面の面方向の変位を固定した状態で加圧すると、上面及
び下面が伸びないので、内部電極層の幅を積層方向で異
ならせることが容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】−実施形態1− この発明の積層コンデンサの第1の実施形態を図1に正
面図、図2(a)に積層方向断面図、図2(b)にもう一つ
の積層方向断面図、図2(c)に誘電体層の主面方向断面
図として示す。
【0016】積層コンデンサ10は、平面視長方形の多
数の誘電体層3,3・・・3が積層され、その層間に第1の
内部電極層4,4・・・4が形成され、その積層体1の各稜
線部分は丸く面取りされ、そして積層体1の対向する両
端面に外部電極2,2が形成された構造を有している。
【0017】内部電極層4の一端は積層体1の長寸方向
の両端のいずれかに導出されて一方の外部電極2に接続
され、他端は他方の外部電極2と絶縁を保つように積層
体1の端面と所定のエンドマージンを隔てている。そし
て、内部電極層4は、その上及び下の誘電体層3間に存
在する異なる電位の内部電極層4との重なり有効部(図
1(c)のハッチング部分)において、その一端eから長
寸方向中央部fに向かって徐々に幅が広くなり、中央部
fを過ぎると他端gに向かって徐々に幅が狭くなってい
る。
【0018】同一面内で内部電極層4の幅をこのように
変化させることにより、積層体1の稜線部分が面取りさ
れ且つその稜線部分と内部電極層4の角部との間で外部
電極との短絡防止のために所定のマージンをとっても、
内部電極層4の辺と誘電体層3の辺との間に必要以上に
余分なマージンを減らすことができている。従って、有
効電極面積が増し、静電容量が向上する。このような趣
旨から、内部電極の端部e,fにおける幅に対する中央
部fにおける幅の比は、1.1〜1.4程度が好ましい。
【0019】積層コンデンサ10は、例えば以下のよう
な工程を経て製造される。まず、誘電体層となるセラミ
ック粉末に水及び分散剤を加え、ボールミルにて混合粉
砕し、これに有機バインダーを添加し、得られたスラリ
ーをシート状に成形する。得られたグリーンシートの表
面に金属粉末含有ペーストを多数の内部電極パターンに
スクリーン印刷する。このとき、パターンマスクとして
図3(a)に平面図で示すように中央部が最も幅の広い形
状のものを用いる。パターンマスクの幅は図3(a)のよ
うに連続して変化していても良いし、図3(b)のように
中央部で不連続となっていても良い。こうして印刷され
たグリーンシートを所定枚数積層し、その最上面に印刷
されていない1枚のグリーンシートを重ねる。
【0020】そして、積層体を30秒間真空脱気した
後、50〜80℃、40〜100MPaで60〜600
秒加圧して圧着体を得る。これを単位パターン毎の所定
寸法に切断した後、酸素分圧3×10-8〜3×10-3
a、1150〜1300℃で0.5〜3時間焼成し、続
いて酸素分圧1×10-2〜2×104Pa、温度900
〜1150℃で1〜10時間加熱する。次にバレル研磨
して稜線部を丸く面取りする。そして、金属粉末含有ペ
ーストを積層体の長寸方向の両端に塗布し焼き付けるこ
とにより、積層コンデンサとして完成する。
【0021】上記のように、内部電極層4となる印刷パ
ターンとして長寸方向の中央部が幅広く、両端部が幅狭
くなっているので、内部電極パターンの辺とグリーンシ
ートの辺との間のマージンが小さくても、角部で必要な
所定のマージンを確保することができる。従って、誘電
体層となるセラミック材料と内部電極層となる金属材料
との焼成収縮率差及び熱膨張差による内部応力が角部に
集中せず、クラックを防止できる。
【0022】誘電体層となるセラミック材料としては、
例えばチタン酸バリウム100モル、酸化マグネシウム
0.5〜8モル、炭酸マンガン0.05〜0.5モル、酸
化イットリウム0.3〜4モルからなる組成が誘電特性
の観点から望ましい。又、内部電極となる金属材料とし
てはニッケル、外部電極となる金属材料としては銅が挙
げられる。
【0023】上記の製造方法では、内部電極層4のため
のパターンマスクとして中央部が最も幅の広い形状のも
のを用いたが、幅が一様のパターンマスクを用いても以
下の要領でこの発明の積層コンデンサを製造することが
できる。即ち、圧着体を単位パターン毎の所定寸法に厚
み50〜400μmの切断刃でダイシングカットした
後、バラバラにすることなく、上下面の変形を抑制する
ように接着性フィルムなどで固定する。圧着体は各単位
パターン毎のチップとなり、チップ間には切断刃の厚み
に応じた隙間が生じる。そして、圧着条件よりも高温高
圧、例えば70〜100℃、50〜100MPaで加圧
する。これにより各チップは、各辺の中央部が膨らむよ
うに横伸びし、隣のチップとの間の隙間が埋まるところ
で伸びが停止する。こうして内部電極パターンとして中
央部が幅広の形状となる。尚、誘電体層が横伸びして規
定の外形寸法を越えるときは、ここで再度切断して膨ら
んだ部分を除去する。その後は、上記の方法と同様に焼
成以下の工程を経る。
【0024】−実施形態2− この発明の第2の実施形態の積層コンデンサを図4(a)
に積層方向断面図、図4(b)にもう一つの積層方向断面
図、図4(c)に誘電体層の主面方向断面図として示す。
【0025】この形態では、内部電極層14だけでなく
積層体11全体の幅が長寸方向中央部で大きく端部で小
さくなるようにした。端部e,gの幅は外部電極12の
厚みによって規定の外形寸法よりも小さくせざるを得な
いが、この形態を採用することにより、中央部fの幅を
規定の外形寸法と同一にまで拡げることができ、外部電
極12との絶縁性を保ったまま内部電極層14の有効面
積を大きくすることができる。そして、更に内部電極層
14も中層から上層及び下層に向かうに連れて狭くなる
ようにした。これにより、積層数を増やすことができ、
静電容量を大きくすることができる。
【0026】この実施形態の積層コンデンサは、実施形
態1で記載した第2番目の製造方法において切断刃の厚
み、第1回目及び第2回目の加圧条件などを選定するこ
とにより製造可能である。
【0027】
【実施例】[実施例1及び比較例1]チタン酸バリウム
100モル、酸化マグネシウム2モル、酸化マンガン
0.1モル及び酸化イットリウム1モルを混合したセラ
ミック粉末に水及び分散剤を加え、ボールミルにてジル
コニアボールとともに混合粉砕し、これに有機バインダ
ーを添加し、得られたスラリーを厚み4μmのシート状
に成形した。
【0028】別途、内部電極用としてニッケル粉末に有
機可塑剤を加えたペーストを準備し、図3(a)に示した
ような内部電極層の幅が端部から中央部に向かって徐々
に広くなるパターンを用いて上記ペーストを上記シート
にスクリーン印刷した。こうして印刷されたグリーンシ
ートを積層し、その最上面に印刷されていない1枚のグ
リーンシートを重ねた。比較のために内部電極層の幅が
一様なパターンを用いて上記と同様に印刷し、積層し
た。
【0029】これら2種類の積層体を30秒間真空脱気
した後、70℃、60MPaで60秒加圧して圧着体を
得た。これを単位パターン毎の所定寸法に切断した後、
酸素分圧1×10-6Pa、1260℃で2時間焼成し、
続いて酸素分圧1×10Pa、温度1000℃で1時間
加熱した。次にバレル研磨して稜線部を曲率半径80μ
mとなるまで丸く面取りし、銅粉末含有ペーストを焼成
体の長寸方向の両端に塗布し焼き付けることにより、実
施例1及び比較例1の積層コンデンサを製造した。
【0030】図3(a)の印刷パターンを用いた実施例1
の積層コンデンサの形状は図2に示した通りで、各誘電
体層3の厚みが2.5μm、有効誘電体層数が188、
外形寸法が1.6mm×0.8mm×0.8mm、有効電
極面積が175.80mm2、サイドマージンが有効部
(図1(a)のハッチング部分)の内部電極層4の端部e,
gで80μm、中央部fで20μm、エンドマージンが
80μm、トップマージン及びボトムマージンが各々5
0μmであった。
【0031】一方、内部電極層の幅が一様な印刷パター
ンを用いた比較例1の積層コンデンサの形状は図5に示
す通りで、有効電極面積が153.40mm2、サイドマ
ージンが一様に80μmで、その他は実施例1と同じで
あった。
【0032】[実施例2及び比較例2]実施例1と同様
にグリーンシートを作成した。但し、各内部電極層の幅
が長寸方向端部から中央部にかけて広くなるだけでな
く、図4に示したように上層及び下層から中層にかけて
も徐々に広くなるように印刷パターンを選択して印刷し
た。その後は、実施例1と同じ要領で実施例2の積層コ
ンデンサを製造した。
【0033】比較のために、各内部電極層の幅が長寸方
向端部から中央部にかけて一様であるが、図4に示した
ように上層及び下層から中層にかけては3段階に広くな
るように印刷パターンを選択して印刷したグリーンシー
トを作成し、その他は実施例2と同一条件で比較例2の
積層コンデンサを製造した。
【0034】実施例2の積層コンデンサの形状は、各誘
電体層13の厚みが2.5μm、有効誘電体層数が19
3、外形寸法が1.6mm×0.8mm×0.8mm、有
効電極面積が185.14mm2、中層のサイドマージン
が有効部(図4(c)のハッチング部分)の内部電極層14
の端部e,gで60μm、中央部fで30μm、エンド
マージンが50μmであった。また、最上層及び最下層
のサイドマージンは有効部の内部電極層14の端部e,
gで60μm、中央部fで40μm、エンドマージンは
50μm、更に上から5層目及び下から5層目のサイド
マージンは有効部の内部電極層14の端部e,gで80
μm、中央部fで30μm、エンドマージンは80μm
であった。尚、トップマージン及びボトムマージンが各
々40μmであった。
【0035】一方、比較例2の積層コンデンサの形状
は、有効電極面積が176.58mm2、中層のサイドマ
ージンが一様に50μm、最上層及び最下層のサイドマ
ージンが一様に50μm、上から5層目及び下から5層
目のサイドマージンが一様に80μmで、その他は実施
例2と同じであった。
【0036】[実施例3]実施例1と同様にしてスラリ
ーを調製し、厚み6μmのシート状に成形し、積層体を
得た。これを接着性のフィルムを貼り付けたSUS台板
上に載せ、30秒間真空脱気した後、平金型で65℃、
50MPaで60秒加圧して圧着体を得た。
【0037】この圧着体を厚み200μmの切断刃で単
位パターン毎の所定寸法にダイシングカットした後、互
いに離すことなく上面及び下面を各1枚の接着性フィル
ムで固定し、平金型で80℃、60MPaで180秒間
加圧した。そして、再び圧着体を所定幅となるように切
断した。その後、実施例1と同様に焼成、熱処理、研磨
及び外部電極焼き付けを行うことにより、実施例3の積
層コンデンサを製造した。
【0038】こうして得られた積層コンデンサの形状
は、各誘電体層の平均厚みが2.5μm、有効誘電体層
数が193、外形寸法が1.6mm×0.8mm×0.8
mmであっった。但し、外部電極が焼き付けられる積層
体の長寸方向端部の幅は0.76mm、中央部の幅は0.
8mmであった。有効電極面積は190.10mm2、中
層のサイドマージンが有効部の内部電極層の端部で50
μm、中央部で20μm、エンドマージンが50μmで
あった。また、最上層及び最下層のサイドマージンは有
効部の内部電極層の端部で60μm、中央部で40μ
m、エンドマージンは50μm、更に上から5層目及び
下から5層目のサイドマージンは有効部の内部電極層の
端部で60μm、中央部で30μm、エンドマージンは
80μmであった。尚、トップマージン及びボトムマー
ジンが各々40μmであった。
【0039】[評価]上記実施例1〜3及び比較例1,
2の積層コンデンサについてLCRメーター4284A
を用いて、周波数1.0kHz、入力信号レベル0.5V
rmsにて+25℃における静電容量を測定した。そし
て、各500個ずつ外観を検査し、更に各100個ずつ
内部電極が露出するところまで研磨して内部欠陥の発生
率を調べた。外観検査によるクラック及びデラミネーシ
ョンなどの不良率を外観不良率(1)とし、静電容量及び
内部欠陥発生率とともに表1に示す。
【0040】次に各200個ずつ300℃の半田槽に1
秒間浸けることにより熱衝撃を加えた後、外観を検査し
た。この外観検査による不良率を外観不良率(2)として
表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1に見られるように、この発明による実
施例1〜3の積層コンデンサは内部電極層の幅が一様な
比較例1の積層コンデンサに比べて容量が大きく、構造
欠陥が発生しにくいことが明らかである。また、内部電
極層の幅が積層方向では変化するが同一面内では一様な
比較例2の積層コンデンサに比べても、構造欠陥が発生
しにくいことが明らかである。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明の積層コンデン
サは、同一面内で内部電極層が長寸方向の両端から中央
に向かって徐々に広くなる幅を有するので、小型であり
ながら有効電極面積が大きく、このため静電容量も大き
い。また、内部電極の角部と誘電体の角部との間で必要
なマージンを確保しているので、誘電体層と内部電極層
との焼成収縮率差及び熱膨張差にもかかわらず、内部応
力が小さく、このため構造欠陥が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1の積層コンデンサの正面図であ
る。
【図2】 (a)は実施形態1の積層コンデンサの外部電
極を通る切断線に沿った積層方向断面図、(b)は(a)と
直交する積層方向断面図、(c)は誘電体層の主面方向断
面図である。
【図3】 (a)及び(b)のいずれも実施形態1の内部電
極層の印刷パターンを示す平面図である。
【図4】 (a)は実施形態2の積層コンデンサの外部電
極を通る切断線に沿った積層方向断面図、(b)は(a)と
直交する積層方向断面図、(c)は誘電体層の主面方向断
面図である。
【図5】 (a)は従来の積層コンデンサの外部電極を通
る切断線に沿った積層方向断面図、(b)は誘電体層の主
面方向断面図である。
【符号の説明】
1,11,2 積層体 2,11,21 外部電極 3,13,23 誘電体層 4,14,24 内部電極層 10,20 積層セラミックコンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E001 AB03 AC02 AF06 AH01 AH05 AH06 AH09 AJ01 5E082 AB03 BC39 EE04 EE11 EE35 FG26 FG54 LL01 LL02 LL03 MM22 MM24 PP06 PP07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックからなる積層された長方形の誘
    電体層間に、一方の電位の内部電極層と他方の電位の内
    部電極層とが交互に形成され、誘電体層の長寸方向の一
    方の端面付近から他方の端面に導出され、両端面に外部
    電極が形成されてなる積層セラミックコンデンサにおい
    て、 前記内部電極層が、長寸方向の両端から中央に向かって
    徐々に広くなる幅を有することを特徴とする積層セラミ
    ックコンデンサ。
  2. 【請求項2】焼成により誘電体層となるセラミックグリ
    ーンシートに、内部電極となる長方形の単位パターンを
    複数印刷し、これを複数枚積層し圧着した後、得られた
    積層体を焼成し、両端面に外部電極を形成する、積層セ
    ラミックコンデンサの製造方法において、 前記圧着後、焼成前に下記の工程を含むことを特徴とす
    る、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサの製造
    方法。 (a)前記積層体を前記単位パターンの長辺方向に平行に
    単位パターン毎に切断する工程。 (b)前記圧着時の圧力及び温度よりも高圧及び/又は高
    温で、切断された積層体を積層方向に加圧する工程。
  3. 【請求項3】前記(b)工程において、前記(a)工程で切
    断された積層体を互いに離すことなく、隣接させた状態
    で加圧する請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記(b)工程において、積層体の上面及び
    下面の面方向の変位を固定した状態で加圧する請求項2
    に記載の製造方法。
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