JP2002293861A - 硬化性化合物、該化合物を含有する硬化性樹脂組成物および硬化材の易解体方法 - Google Patents

硬化性化合物、該化合物を含有する硬化性樹脂組成物および硬化材の易解体方法

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JP2002293861A
JP2002293861A JP2001102825A JP2001102825A JP2002293861A JP 2002293861 A JP2002293861 A JP 2002293861A JP 2001102825 A JP2001102825 A JP 2001102825A JP 2001102825 A JP2001102825 A JP 2001102825A JP 2002293861 A JP2002293861 A JP 2002293861A
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JP2001102825A
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Hiroyuki Okudaira
浩之 奥平
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化前は液状であるため作業性がよく、硬化後
は熱分解温度より低温で短時間に軟化あるいは液状化し
うる硬化性樹脂組成物、該組成物に用いられる硬化性化
合物および硬化材の易解体方法の提供。 【解決手段】少なくとも一つの架橋反応に関与しない熱
解離性基(a)と、イソシアネート基、ブロックイソシ
アネート基、アルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水
物基、アミノ基、潜在性アミノ基、メルカプト基および
カルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも二つ
の架橋反応に関与する基(b)とを有する硬化性化合物
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化後さらに加熱
することにより容易に解離する基を分子骨格に有する硬
化性化合物、該化合物を含有する硬化性樹脂組成物およ
び硬化材の易解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境にやさしく、コストも低減で
きる点から、様々な分野でリサイクル性が要求されてい
る。自動車分野においても、ウレタン系接着剤を用いて
接着させた部材同士の解体が検討されているが、ウレタ
ン系接着剤を軟化あるいは液状化するには200℃以上
に加熱し、主鎖を熱分解する必要があり、有毒ガスの発
生を伴うなどの問題があった。一方、熱可塑性の接着剤
を使用すれば、解体に際し有毒ガスの発生は抑えられる
が、塗布時に加熱装置を必要とするため作業性が悪かっ
た。一方、熱可塑性樹脂製品は、比較的低温で徐々に軟
化が始まる為、高温での物性が低く、高温になる部位に
は使用できないという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化前は液
状であるため作業性がよく、硬化後は熱分解温度より低
温で短時間に軟化あるいは液状化しうる硬化性樹脂組成
物に用いられる硬化性化合物および硬化材の易解体方法
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱分解温
度より低温で軟化あるいは液状化し、かつ、その温度ま
では硬化物が安定に存在しうる硬化性樹脂組成物につい
て鋭意検討した結果、ヘミアセタールエステル基などの
架橋反応に関与せず、架橋が形成される温度超かつ架橋
反応により生成した結合部位、または主鎖が、分解また
は解離する温度未満で解離する基と、架橋反応に関与す
る基とを有する化合物を用いることにより、樹脂組成物
を硬化した後、架橋反応により生成した結合部位、また
は主鎖が、分解または解離する温度より低温で短時間に
液状化あるいは軟化できることを見出し、本発明を完成
させた。
【0005】ところで、ビニルエーテルとカルボン酸と
のヘミアセタールエステル化反応からなる結合は、加熱
により解離し、かつ、該解離温度未満では安定であるこ
とが知られている(Chemical Abstract 43,6576d,1949
)。ヘミアセタールエステル基の熱解離性を利用した
技術としては、特許第2850897号に開示されるカ
ルボキシル基含有化合物の該カルボキシル基をヘミアセ
タールエステル反応によりブロックして保護し、硬化時
に加熱によりカルボキシル基を発生させる熱潜在性硬化
剤などが知られているが、ヘミアセタールエステル基を
化合物の骨格に導入し、リサイクル性に利用した技術は
これまでになかった。
【0006】本発明の第一の態様は、少なくとも一つの
架橋反応に関与しない熱解離性基(a)と、イソシアネ
ート基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシリル
基、エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、潜在性アミノ
基、メルカプト基およびカルボキシル基からなる群より
選ばれる少なくとも二つの架橋反応に関与する基(b)
とを有する硬化性化合物である。
【0007】ここで、前記熱解離性基(a)が、下記式
(1)で表される基であることが好ましい。
【化3】 1 、R2 、R3 :それぞれ水素原子または炭素数1〜
18の炭化水素基 X :酸素原子または硫黄原子
【0008】また、前記熱解離性基(a)が、カルボキ
シル基と、ビニルエーテル基またはビニルチオエーテル
基との反応により得られることが好ましい。
【0009】本発明の第二の態様は、前記硬化性化合物
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0010】本発明の第三の態様は、架橋反応性基と熱
解離性基とを有するプレポリマー組成物を架橋し、該熱
解離性基を加熱して解離させて、硬化物を軟化あるいは
液状化させることを特徴とする硬化材の易解体方法であ
る。
【0011】ここで、前記架橋反応性基が、イソシアネ
ート基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシリル
基、エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、潜在性アミノ
基、メルカプト基、カルボキシル基、アクリレート基お
よび水酸基からなる群より選ばれることが好ましい。
【0012】前記熱解離性基が、下記式(1)で表され
る基であることが好ましい。
【化4】 1 、R2 、R3 :それぞれ水素原子または炭素数1〜
18の炭化水素基 X :酸素原子または硫黄原子
【0013】前記熱解離性基が、カルボキシル基と、ビ
ニルエーテル基またはビニルチオエーテル基との反応に
より得られることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明の第一の態様は、少なくとも一つの架橋
反応に関与しない熱解離性基(a)と、イソシアネート
基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシリル基、
エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、潜在性アミノ基、
メルカプト基およびカルボキシル基からなる群より選ば
れる少なくとも二つの架橋反応に関与する基(b)とを
有する硬化性化合物である。ここで、架橋反応に関与し
ない熱解離性基(a)とは、架橋反応に関与する基
(b)により架橋が形成される温度では解離せず、架橋
が形成される温度超かつ架橋反応に関与する基(b)に
より形成される結合部位、または主鎖が、分解または解
離する温度未満で解離する基をいう。
【0015】本発明の硬化性化合物が有する熱解離性基
(a)は、上述のように架橋が形成される温度超かつ架
橋反応により生成する結合部位、または主鎖が、分解ま
たは解離する温度未満で解離する基であれば特に限定さ
れないが、このような基としては、下記式(1)で表さ
れる基が好ましく挙げられる。
【0016】
【化5】 1 、R2 、R3 :それぞれ水素原子または炭素数1〜
18の炭化水素基 X :酸素原子または硫黄原子
【0017】R1 、R2 、R3 における炭素数1〜18
の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基
または芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。脂肪
族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピ
ル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、2,
3-ジメチルブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチ
ル基、イソアミル基、ネオペンチル基、4-メチルペンチ
ル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、イソヘキシ
ル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、
イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル
基、イソデシル基、n-ウンデシル基、イソウンデシル
基、n-ドデシル基、イソドデシル基、n-トリデシル基、
イソトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテトラデシ
ル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n-ヘキ
サデシル基、イソヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、
イソヘプタデシル基、n-オクタデシル基、イソオクタデ
シル基、n-ノナデシル基、イソノナデシル基、n-エイコ
シル基、イソエイコシル基等が挙げられる。
【0018】脂環式炭化水素基としては、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、1-シクロヘキセニル基、メチ
ルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、デカ
ヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基等が挙げられ
る。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o-トリル
基、p-トリル基、m-トリル基、2,4-キシリル基、メシチ
ル基、1-ナフチル基、ベンジル基、メチルベンジル基、
β- フェニルエチル基、1-フェニルエチル基、1-メチル
-1- フェニルエチル基、p-メチルベンジル基、スチリル
基、シンナミル基等が挙げられる。
【0019】上記式(1)で表される基は、カルボキシ
ル基と、ビニルエーテル基またはビニルチオエーテル基
との反応により得ることができ、架橋反応温度では安定
であるが、硬化物の熱分解温度より低温で短時間に解離
し、カルボキシル基と、ビニルエーテル基またはビニル
チオエーテル基を与えることができる。
【0020】本発明の硬化性化合物は、分子内に、上記
の熱解離性基(a)と共に、イソシアネート基、ブロッ
クイソシアネート基、アルコキシシリル基、エポキシ
基、酸無水物基、アミノ基、潜在性アミノ基、メルカプ
ト基およびカルボキシル基からなる群より選ばれる少な
くとも二つの架橋反応に関与する基(b)を有する。な
お、少なくとも二つの架橋反応に関与する基(b)は、
同種であっても異種であってもよい。また、架橋反応に
関与する基(b)は、分子末端にあることが好ましい。
【0021】ここで、ブロックイソシアネート基とは、
イソシアネート基が保護基でブロックされ、例えば熱に
より容易にブロックが外れてイソシアネート基を発生し
うる基をいい、例えばアルコール類、フェノール類、オ
キシム類、トリアゾール類、カプロラクタム類などのブ
ロック剤等でブロックしたイソシアネート基が好ましく
挙げられる。
【0022】アルコール類の好ましい例としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、ラ
ウリルアルコール、t−ブタノール、シクロヘキサノー
ルなどを挙げることができる。フェノール類の好ましい
例としては、キシレノール、ナフトール、4−メチル−
2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどを挙げることが
できる。オキシム類の好ましい例としては、2,6−ジ
メチル−4−ヘプタノンオキシム、メチルエチルケトオ
キシム、2−ヘプタノンオキシム等が挙げられる。その
他、3,5−ジメチルピラゾール、1,2,4−トリア
ゾール等を好適に用いることができる。これらの中で
も、ブロック剤としてはメタノール、キシレノールが好
ましい。
【0023】また、潜在性アミノ基とは、アミノ基が保
護基でブロックされ、例えば水分や熱により容易にブロ
ックが外れてアミノ基を発生しうる基をいい、例えば脂
肪族ポリアミンとケトンとの反応物であるケチミン;n
−ヘキシルアミン、モノエチルアミン、ベンジルアミ
ン、ジエチルアミン、ピペリジン、トリエチルアミン、
アニリン等のアミンと三フッ化ホウ素との化合物である
三フッ化ホウ素−アミン錯体;ジシアンジアミドまたは
o−トリルビグアニド、α−2,5−ジメチルビグアニ
ド、α,ω−ジフェニルビグアニド、5−ヒドロキシナ
フチル−1−ビグアニド等のジシアンジアミドの誘導
体;コハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、イソ
フタル酸ヒドラジド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド、
サリチル酸ヒドラジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒ
ドラジド等の酸ヒドラジド;ジアミノマレオニトリルま
たはその誘導体;ジアリルメラミン等のメラミンの誘導
体;カルボン酸エステルとジメチルヒドラジンとエポキ
シ化合物により合成されるアミンイミド類;エチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペリジン等のジア
ミンと安息香酸、フタル酸、アジピン酸、セバチン酸等
のジカルボン酸との塩、2,4,4−トリメチル−2,
4,7−トリヒドロキシフラバン等のポリアミンとN,
N´−ジメチル1,3−プロパンジアミン等のポリヒド
ロキシフェノールとの塩、ポリアミンのフェニルホスホ
ン酸塩、ポリアミンのフェニルリン酸塩;スルホン酸と
第一アルコールとのエステル化合物、リン酸のモノエス
テルもしくはジエステルまたはその混合物、スルホン酸
とエポキシ化合物との付加反応によるエステル化合物が
挙げられる。また、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩等の紫外線硬化剤も挙げられる。
【0024】本発明の硬化性化合物は、上記の架橋反応
に関与する基(b)を少なくとも二つ有し、架橋結合を
形成しうる化合物の分子内に、熱解離性基(a)を導入
したものである。
【0025】本発明の硬化性化合物が、上記の熱解離性
基(a)と架橋反応に関与する基(b)とを有する低分
子化合物である場合は、樹脂成分と架橋結合を形成し、
硬化剤として作用することができる。このような硬化性
化合物としては、例えば、無水トリメリット酸と、ビニ
ルエーテル基および/またはビニルチオエーテル基を一
つ以上有する化合物(以下、化合物(c)という。)と
の反応により得られる化合物が挙げられる。
【0026】ここで、化合物(c)は特に限定されない
が、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基は分子末
端にあることが好ましく、下記式(2)、(3)で表さ
れる化合物であることがより好ましい。 CH2 =CHO−Y−OCH=CH2 ・・・(2) CH2 =CHS−Z−SCH=CH2 ・・・(3) ここで、Y、Zは、二価の炭化水素基を表し、二価の炭
化水素基は直鎖でも、脂環、芳香環が結合していてもよ
く、分子量も特に制限されない。具体例としては、1,
4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオール
ジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエ
ーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテ
ル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメ
チロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリ
トールテトラビニルエーテル等が挙げられる。
【0027】無水トリメリット酸の有するカルボキシル
基と、化合物(c)の有するビニルエーテル基および/
またはビニルチオエーテル基とは、モル比で約1対1と
なる量で反応させるのが好ましい。
【0028】無水トリメリット酸と、化合物(c)との
反応により得られる本発明の硬化性化合物の一例として
は、下記の酸無水物Aが好ましく挙げられる。
【0029】
【化6】
【0030】上記式中●で表す基は、架橋が形成される
温度超に加熱することにより下記のように解離すること
ができる。
【0031】
【化7】
【0032】上記の酸無水物基と熱解離性基(a)とを
有する硬化性化合物を硬化剤とする樹脂成分としては、
エポキシ樹脂が挙げられる。
【0033】また、樹脂成分の骨格に上記熱解離性基
(a)を導入することもできる。このような樹脂成分は
熱硬化性樹脂であれば特に限定されず、例えばウレタン
プレポリマー、エポキシ樹脂等の骨格に上記式(1)で
表される基を導入した化合物が好適である。
【0034】例えば、ウレタンプレポリマーの骨格に上
記式(1)で表される基を導入する場合には、(i)ポ
リオールに、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等を反応
させて、カルボキシル基と水酸基とを少なくとも一つず
つ有する化合物を合成し、(ii)該水酸基に、ポリイソ
シアネートを反応させて、イソシアネート基とカルボキ
シル基とを有する化合物(以下、化合物(d)とい
う。)を得た後、(iii)化合物(d)を上記の化合物
(c)と反応させることにより導入することができる。
上記(iii)において、化合物(d)、化合物(c)はそ
れぞれ1種単独でも2種以上を併用することもできる。
【0035】化合物(d)と化合物(c)との反応によ
り得られる本発明の硬化性化合物の一例としては、下記
のウレタンプレポリマーAが好ましく挙げられる。
【0036】
【化8】
【0037】上記式中●で表す基は、上記酸無水物Aの
場合と同様に架橋が形成される温度超に加熱することに
より解離することができる。
【0038】また、下図のように、(d)−1または
(d)−2のうち、一方にカルボキシル基を、他方にビ
ニルエーテル基を導入することにより、化合物(c)を
省いた形でウレタンプレポリマーを合成することもでき
る。
【0039】
【化9】
【0040】ウレタンプレポリマーの製造に用いられる
ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステル
ポリオール、その他のポリオールおよびこれらの混合ポ
リオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールとして
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
ン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5
−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニル
プロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペ
ンタエリスリトール等の多価アルコールの1種または2
種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種
または2種以上を付加して得られるポリエーテルポリオ
ールが挙げられる。
【0041】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種または
2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸そ
の他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2
種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラ
クトン、カプロラクトン等の開環重合体が挙げられる。
【0042】その他のポリオールとしては、ポリマーポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエ
ンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオー
ル、アクリルポリオールおよびエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ヘキサンジオール等の低分子ポリオール等が挙げられ
る。
【0043】ポリイソシアネートは、イソシアネート基
を2個以上を有する化合物であれば特に限定されず、具
体的には、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4
−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,
6−TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(4,4´−MDI)、2,4´−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(2,4´−MDI)、p−フェ
ニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレン
ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(X
DI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香
族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、ノルボルナンジイソシアナートメチル
(NBDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロ
ンジイソシアネート(IPDI)、H6 XDI(水添X
DI)、H12MDI(水添MDI)等の脂環式ポリイソ
シアネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミ
ド変性ポリイソシアネート、またはこれらのイソシアヌ
レート変性ポリイソシアネート等が挙げられる。また、
立体障害の大きなイソシアネート基を少なくとも1個有
するイソシアネート化合物を用いることもできる。具体
的には、三井サイテック社製のTMI(モノイソシアネ
ート化合物)、TMXDI(ジイソシアネート化合
物)、サイセン(トリイソシアネート化合物)等が好ま
しく挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を併
用することもできる。
【0044】熱解離性基(a)が導入されたウレタンプ
レポリマーは、湿気あるいはウレタン系組成物に常用さ
れる硬化剤と架橋結合を形成しうる。硬化剤としては、
ポリアミン、ポリチオール、ポリオール等の他、ポリア
ミンとカルボニル化合物との反応物であるケチミン類
(エナミン類を含む)、アミノアルコールとカルボニル
化合物との反応物であるオキサゾリジン類等の潜在性硬
化剤が好ましく挙げられる。
【0045】また、熱解離性基としては、カルボキシル
基と、ビニルエーテル基またはビニルチオエーテル基と
の反応生成基以外にも、酸無水物基と水酸基、ハロゲン
化アルキル基と第三級アミノ基、イソシアネート基とフ
ェノール性水酸基、アズラクトン基とフェノール性水酸
基等の反応生成基あるいはニトロソ基の二量化反応によ
り生成する官能基が挙げられる。
【0046】本発明の第二の態様は、上記硬化性化合物
を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物(以下、
本発明の組成物という。)である。本発明の組成物にお
いて、本発明の硬化性化合物は、樹脂成分であっても、
硬化剤成分であってもよい。本発明の組成物の好適例と
しては以下のものが挙げられる。
【0047】(1)エポキシ系組成物 本発明の硬化性化合物として、酸無水物基とヘミアセタ
ール基とを有する化合物を用いる場合は、樹脂成分とし
て、該酸無水物基と架橋を形成しうるエポキシ樹脂が挙
げられる。
【0048】エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型
エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹
脂、フェノール化合物とジシクロペンタジエンの共重合
体を原料とするエポキシ樹脂、ジグリシジルレゾルシノ
ール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタ
ン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、トリ
スグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノ
クレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミン等のグ
リシジルアミン型エポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセン
ジエポキシド等の脂環式エポキシ樹脂が挙げられ、これ
らは、1種単独でも2種以上を併用することもできる。
これらの中でも、接着性が特に優れる点で、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂が好適である。
【0049】(2)ウレタン系組成物 本発明の硬化性化合物として、骨格に熱解離性基(a)
を導入したウレタンプレポリマーを用いる場合は、湿気
のみで硬化できるが、硬化剤成分として、ウレタンプレ
ポリマーの有するイソシアネート基と架橋を形成しうる
水酸基、メルカプト基、アミノ基および潜在性アミノ基
を有する、ウレタン系組成物に常用される化合物を含有
することもできる。硬化剤成分としては、ポリアミンと
カルボニル化合物との反応物であるケチミン類(エナミ
ン類を含む)、アミノアルコールとカルボニル化合物と
の反応物であるオキサゾリジン類等の潜在性硬化剤を含
有するのが好ましい。硬化剤成分は1種単独でも2種以
上を併用することもできる。
【0050】本発明の組成物に用いられるケチミン類
は、ポリアミンとカルボニル化合物との反応物であれば
特に限定されない。ケチミン類の合成に使用されるカル
ボニル化合物としては、良好な貯蔵安定性を与えるとい
う観点から、カルボニル炭素のα位に置換基を有する立
体障害の大きなカルボニル化合物が好ましく挙げること
ができる。カルボニル炭素のα位に置換基をもつカルボ
ニル化合物とは、カルボニル基から数えてα位に置換基
を有するカルボニル化合物のことである。このようなカ
ルボニル化合物としては、例えば、下記式(4)で表さ
れる化合物を挙げることができる。
【0051】
【化10】 4 は、水素原子またはメチル基を表し、R5 は、炭素
数1〜6のアルキル基を表し、R6 は、メチル基または
エチル基を表し、R7 は、水素原子、メチル基またはエ
チル基を表す。
【0052】ここで、R5 が表す炭素数1〜6のアルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げること
ができる。また、R5 とR6 とが結合し、シクロヘキシ
ル環を形成してもよい。上記カルボニル化合物として
は、具体的にはメチルイソプロピルケトン(MIP
K)、メチルt−ブチルケトン(MTBK)、メチルシ
クロヘキシルケトンを好ましく挙げることができる。
【0053】また、ケチミン類の合成に用いられるポリ
アミンとしては、特に限定されないが、硬化速度が速い
という点で脂肪族系ポリアミンが好ましい。例えば、
2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、
メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メ
チルプロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分
岐炭素にアミノ基が結合したポリプロピレングリコール
(PPG)(たとえばサンテクノケミカル社製ジェファ
ーミンD230、ジェファーミンD400など)、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジ
アミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイ
ミノビスプロピルアミン、H2 N(CH2 CH 2 O)2
(CH2 2 NH2 (サンテクノケミカル社製ジェファ
ーミンEDR148)などのアミン窒素にメチレン基が
結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミ
ノ−2−メチルペンタン(デュポン・ジャパン社製MP
MD)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ポリア
ミドアミン(三和化学社製X2000)、イソホロンジ
アミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三
菱ガス化学社製1,3BAC)、1−シクロヘキシルア
ミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,
3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボル
ナン骨格のジメチレンアミン(三井化学社製NBDA)
等を挙げることができる。これらの中でも、1,3BA
C、NBDA、MXDA、ジェファーミンEDR14
8、ポリアミドアミンが好ましい。
【0054】好適に用いられるケチミン類としては、ケ
チミン類を使用することにより本発明の組成物の貯蔵安
定性および硬化性を高める観点から、MIPKまたはM
TBKと、ジェファーミンEDR148とから得られる
もの、MIPKまたはMTBKと、1,3BACとから
得られるもの、MIPKまたはMTBKと、NBDAと
から得られるもの、MIPKまたはMTBKと、MXD
Aとから得られるもの、MIPKまたはMTBKと、X
2000とから得られるものなどを挙げることができ
る。これらの中でも、特にMIPKまたはMTBKと、
NBDAまたは1,3BACとから得られるものは、優
れた硬化性を発現するので好ましい。またMIPKまた
はMTBKと、X2000とから得られるものは、湿潤
面に対し優れた接着性を発現するので好ましい。
【0055】上述のケチミン類は、上記カルボニル化合
物とポリアミンとを無溶媒下、あるいはベンゼン、トル
エン、キシレン等の溶媒存在下で加熱還流し、脱離して
くる水を共沸により除きながら反応させることにより得
られる。ケチミン類は、(樹脂成分中のイソシアネート
基)/(ケチミン類中のケチミン基)がモル比で0.5
〜100となる量で用いるのが好ましく、0.8〜50
がより好ましい。
【0056】本発明の組成物に用いられるオキサゾリジ
ン類としては、アミノアルコールとカルボニル化合物と
の反応物であれば特に限定されない。オキサゾリジン類
の合成に使用されるカルボニル化合物としては、良好な
貯蔵安定性を与えるという観点から、上述したケチミン
類の合成に好適に使用されるカルボニル化合物を挙げる
ことができる。
【0057】また、オキサゾリジン類の合成に用いられ
るアミノアルコールとしては、特に限定されないが、N
−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミ
ン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノ
ールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、2−ヒ
ドロキシエチルアミン、1−アミノ−2−プロパノー
ル、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−ヒドロ
キシプロピル)アミン、ビス−N−(2−ヒドロキシエ
チル)アミン、N−(2−アミノエチル)エタノールア
ミン、N−(2−アミノエチル)イソプロパノールアミ
ン等を好ましく挙げることができ、N−メチルエタノー
ルアミン、N−エチルエタノールアミン、ビス−N−2
−ヒドロキシエチルアミン等が硬化速度および価格の面
から好適である。
【0058】好適に用いられるオキサゾリジン類として
は、オキサゾリジン類を使用することにより本発明の組
成物の貯蔵安定性および硬化性を高める観点から、MI
PKまたはMTBKと、N−メチルエタノールアミンま
たはN−エチルエタノールアミンとから得られるものを
挙げることができる。
【0059】オキサゾリジン類は、カルボニル化合物と
アミノアルコールを無溶媒下、あるいはベンゼン、トル
エン、キシレン等の溶媒存在下で加熱還流し、脱離して
くる水を共沸により除きながら反応させることにより得
られる。オキサゾリジン類は(樹脂成分中のイソシアネ
ート基)/(オキサゾリジン中のオキサゾリジン基)が
モル比で0.5〜100となる量で用いるのが好まし
く、0.8〜50がより好ましい。
【0060】本発明の組成物は、必要に応じて、さらに
充填剤、硬化助剤、老化防止剤、溶剤、可塑剤等の添加
剤を配合することもできる。
【0061】本発明の組成物の製造方法は特に限定され
ず、樹脂成分、硬化剤成分、必要に応じて上記添加剤を
加え、各成分を減圧下で十分に混練し、均一に分散させ
て製造する。このようにして得られる本発明の組成物
は、架橋反応により硬化した後に、比較的低温で短時間
に軟化あるいは液状化することができ、しかも該温度未
満では硬化物は安定であるため、自動車または土木建築
分野の接着剤、シーリング剤に好適に用いることがで
き、本発明の組成物を用いて接着させた部材同士は、容
易に解体することができる。
【0062】本発明の第三の態様は、架橋反応性基と熱
解離性基とを有するプレポリマー組成物を架橋し、該熱
解離性基を加熱して解離させて、硬化物を軟化あるいは
液状化させることを特徴とする硬化材の易解体方法であ
る。
【0063】架橋反応性基は、イソシアネート基、ブロ
ックイソシアネート基、アルコキシシリル基、エポキシ
基、酸無水物基、アミノ基、潜在性アミノ基、メルカプ
ト基、カルボキシル基、アクリレート基および水酸基か
らなる群より選ばれることが好ましい。
【0064】熱解離性基は、架橋反応性基により架橋が
形成される温度では解離せず、架橋が形成される温度超
かつ架橋反応性基により形成される結合部位、または主
鎖が、分解または解離する温度未満で解離する基をい
い、熱解離性基は上記式(1)で表される基であること
が好ましく、カルボキシル基と、ビニルエーテル基また
はビニルチオエーテル基との反応により得られる基であ
ることが好ましい。
【0065】上記の架橋反応性基と熱解離性基とを有す
るプレポリマー組成物は特に限定されないが、その好適
例としては、上記で例示したエポキシ系組成物およびウ
レタン系組成物が挙げられ、各種の部材同士を接着させ
る接着剤として好適に用いられる。なお、部材には補強
ワイヤ等も含むこととする。
【0066】本発明の第三の態様によれば、これらのプ
レポリマー組成物を硬化させて得られる部材と硬化物と
の複合体である硬化材を、硬化物の熱分解温度より低温
で解体することができる。例えば、エポキシ系組成物を
用いて部材同士を接着させてなる硬化材を、架橋が形成
される温度超かつ架橋反応性基により形成される結合部
位、または主鎖が、分解または解離する温度未満に加熱
することにより、硬化物を軟化させることで容易に崩す
ことができるので容易に解体することができる。より具
体的には、約130℃で約20時間経過後に得られた硬
化材を、約180℃で15分間加熱することにより、硬
化物をスパチュラ等で容易に崩すことができる。また、
ウレタン系組成物を架橋して部材同士を接着させてなる
硬化材も同様に、加熱することにより硬化物を液状化さ
せることで容易に解体することができる。より具体的に
は、20℃で湿度60%で1週間養生させてなる硬化材
を、約170℃で5分間加熱することにより、硬化物が
液状化し、接着させていた部材同士を容易に取り外すこ
とができる。
【0067】この方法により硬化材を熱分解温度より低
温で短時間に解体することができ、しかも、硬化材の解
体に際し有毒ガスの発生を伴わないので部材のリサイク
ルが容易となり、また、補強材からも簡単に外すことが
できる。
【0068】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1〜3および比較例1、2 表1に示す組成で組成物を製造し、得られた組成物につ
いて、下記の方法で易解体性を評価した。
【0069】<易解体性の評価> (1)ウレタン系組成物 組成物を20℃、湿度60%の条件下、1週間養生して
得られた硬化物(シート)を180℃で15分間加熱し
た後、液状化し流れたものを○、形状を保っていたもの
を×とした。 (2)エポキシ系組成物 組成物を130℃で20時間経過後の硬化物を170℃
で5分間加熱した後、スパチュラで容易に崩れたものを
○、崩れなかったものを×とした。
【0070】
【表1】
【0071】表1中の各成分は以下のものを使用した。 ウレタンプレポリマーA 数平均分子量2000のジオール(エクセノール202
0;旭硝子社製)453g、1官能酸無水物(B65
0;大日本インキ社製)37.5gを混合後、120℃
24時間かくはんし、分子内に水酸基およびカルボキシ
ル基をもつPPG(a)を得た。数平均分子量3000
のトリオール(エクセノール3030;旭硝子社製)3
45gおよび酸無水物(B650)12.6gを120
℃24時間反応させ、分子内に水酸基2個とカルボキシ
ル基1個を有するPPG(b)を得た。次に、PPG
(a)50g(カルボキシル基;22.7mmol)、
PPG(b)71.2g(カルボキシル基;22.7m
mol)およびTMXDI16.7g(NCO/OH=
2.0)(三井サイテック社製)を混合後100℃10
時間反応させた。その後、ブタンジオールジビニルエー
テルを(カルボキシル基/ビニルエーテル基)=1.0
のモル比で混合し、酸性リン酸エステル触媒の存在下1
00℃10時間反応させ、数平均分子量5000、NC
O%=2.2%のウレタンプレポリマーAを得た。
【0072】ウレタンプレポリマーB TMXDIをTDI(コスモネートT−80;三井化学
社製)に代えた以外はウレタンプレポリマーAと同様に
して、数平均分子量5000、NCO%=2.2%のウ
レタンプレポリマーBを得た。
【0073】ウレタンプレポリマーC 数平均分子量5000の3官能型ポリプロピレングリコ
ール(エクセノール5030;旭硝子社製)とTMXD
Iとを、NCO/OHが2.0のモル比となる量で混合
し、スズ触媒の存在下で80℃8時間かくはんし、数平
均分子量5000、NCO%=2.1%のウレタンプレ
ポリマーCを得た。
【0074】エポキシ樹脂 市販のビスフェノールA型エポキシ樹脂(EP4100
E、旭電化工業社製)を使用した。
【0075】ケチミン ノルボルナンジアミン(NBDA、三井化学社製)10
0gおよびメチルイソプロピルケトン(MIPK)16
7gを、トルエン200gとともにフラスコに入れ、生
成する水を共沸により除きながら20時間反応させた
後、トルエンおよび過剰MIPKを蒸留により除去し
て、目的のケチミンを得た。
【0076】酸無水物A 無水トリメリット酸と1,4−ブタンジオールジビニル
エーテルとを、COOH/(CH2 =CHO)が1.0
のモル比となる量で混合し、酸性リン酸エステルを触媒
とし、70℃3時間かくはんして得た化合物を粉砕し、
酸無水物Aを得た。
【0077】酸無水物B 市販のエチレングリコール型酸無水物(リカシッドTM
EG;新日本理化社製)を使用した。
【0078】表1から明らかなように、分子骨格に熱解
離性基(a)を導入した化合物を含む組成物は、硬化後
さらに熱をかけることで容易に解体することができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、硬化前は液状であるた
め作業性が良好であり、硬化後は熱分解温度より低温で
短時間に軟化あるいは液状化する硬化性樹脂組成物、該
組成物に用いられる硬化性化合物および硬化材の易解体
方法が得られる。本発明の硬化性樹脂組成物を用いて接
着させた硬化材は、有毒ガスの発生などの問題がなく、
容易に解体することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 307/89 C07D 307/89 Z Fターム(参考) 4C037 RA11 4F301 AA24 AA29 CA09 CA25 CA41 4H039 CA66 CF10 4J034 CA04 CC03 CC08 CE01 DF01 DF02 DF12 DF16 DF20 DF22 DG14 DQ09 DQ14 HA01 HA06 HA07 HB06 HB11 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 JA41 KB01 KD12 KE02 LA08 4J036 AC01 AC02 AC03 AD07 AD08 AD20 AE07 AF06 AF15 AF16 AH02 AH07 AJ09 DB22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一つの架橋反応に関与しない熱
    解離性基(a)と、イソシアネート基、ブロックイソシ
    アネート基、アルコキシシリル基、エポキシ基、酸無水
    物基、アミノ基、潜在性アミノ基、メルカプト基および
    カルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも二つ
    の架橋反応に関与する基(b)とを有する硬化性化合
    物。
  2. 【請求項2】前記熱解離性基(a)が、下記式(1)で
    表される基であることを特徴とする請求項1に記載の硬
    化性化合物。 【化1】 1 、R2 、R3 :それぞれ水素原子または炭素数1〜
    18の炭化水素基 X :酸素原子または硫黄原子
  3. 【請求項3】前記熱解離性基(a)が、カルボキシル基
    と、ビニルエーテル基またはビニルチオエーテル基との
    反応により得られることを特徴とする請求項1または2
    に記載の硬化性化合物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性化
    合物を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】架橋反応性基と熱解離性基とを有するプレ
    ポリマー組成物を架橋し、該熱解離性基を加熱して解離
    させて、硬化物を軟化あるいは液状化させることを特徴
    とする硬化材の易解体方法。
  6. 【請求項6】前記架橋反応性基が、イソシアネート基、
    ブロックイソシアネート基、アルコキシシリル基、エポ
    キシ基、酸無水物基、アミノ基、潜在性アミノ基、メル
    カプト基、カルボキシル基、アクリレート基および水酸
    基からなる群より選ばれることを特徴とする請求項5に
    記載の硬化材の易解体方法。
  7. 【請求項7】前記熱解離性基が、下記式(1)で表され
    る基であることを特徴とする請求項5または6に記載の
    硬化材の易解体方法。 【化2】 1 、R2 、R3 :それぞれ水素原子または炭素数1〜
    18の炭化水素基 X :酸素原子または硫黄原子
  8. 【請求項8】前記熱解離性基が、カルボキシル基と、ビ
    ニルエーテル基またはビニルチオエーテル基との反応に
    より得られることを特徴とする請求項5〜7のいずれか
    に記載の硬化材の易解体方法。
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