JP2022151503A - イソシアネート組成物、2液型ウレタン樹脂形成性組成物、およびウレタン樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】煩雑な合成ステップ、溶媒除去操作などを必要としない、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物、および耐熱性の向上したウレタン樹脂を提供する。【解決手段】有機ポリイソシアネート(I)、および変性剤(II)の反応生成物であるイミド変性イソシアネートを含む、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物であって、変性剤(II)が特定の一般式で表される酸二無水物であることを特徴とするイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物により解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、イソシアネート組成物と、それから得られる2液型ウレタン樹脂形成性組成物、およびウレタン樹脂に関する。
ウレタン樹脂は、柔軟性、耐摩耗性、耐衝撃性、自己接着性等に優れるため、接着剤やコーティング分野等に使用されている。その一方で、ウレタン結合は熱分解されやすいため、耐熱性の向上が求められてきた。
耐熱性向上のためウレタン樹脂にイミド結合を組み込み柔軟性と耐熱性を両立させる手法が知られている。ウレタン樹脂は分子構造の自由度が高いため柔軟性の付与に、イミド結合は熱分解温度が高いため耐熱性向上のために、それぞれ用いられている。しかしながら、イミド基導入源である汎用の酸無水物は結晶性が高いため通常、常温固体である。そのため、一般的にDMF、NMPなどの高沸点極性溶媒中に溶解させて使用されている。この方法では高沸点溶媒を用いているため溶媒除去に蒸留装置や減圧装置等の設備が必要となりコスト面で好ましくない。
例えば、特許文献1ではジイソシアネートとポリオールとから得たイソシアネート末端プレポリマーをジアミン化合物でウレア結合により鎖延長し、そこに酸二無水物を添加することでウレア結合部にイミド結合を導入しブロック共重体を作製する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1にかかる方法は、合成ステップが多く煩雑であり、合成途中でポリウレタンアミック酸溶液を経由するため脱水縮合反応させる必要があり高温での処理が必要である。
また、イミド結合の導入方法として、イソシアネートと酸無水物を直接反応させるイソシアネート法が知られている。特許文献2では溶媒除去を簡略化するために従来の高沸点溶媒ではなく低沸点極性溶媒であるアセトン中でイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネートを合成し、得られたイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネートを用いるポリアミドイミドフォームの製造方法を開示している。しかしながら特許文献2にかかる製造方法は、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネートを合成する際に少量の水を使用するためアミド基も同時に合成されており、イミド基本来の耐熱性の効果が十分発揮されない。
本発明の一実施形態は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、簡易なプロセスで製造可能であり、かつ、優れた耐熱性を有するウレタン樹脂の作製に資するイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物を提供することである。また、本発明の他の実施形態の目的は、耐熱性に優れたウレタン樹脂、ならびに、該ウレタン樹脂を用いた接着剤、塗膜、および封止材を提供することである。
本発明者らは、検討を重ねた結果、有機ポリイソシアネートと特定の酸二無水物とから得られるイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物により、前記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の実施形態を含むものである。
[1]有機ポリイソシアネート(I)、および変性剤(II)の反応生成物であるイミド変性イソシアネートを含む、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物であって、変性剤(II)が下記一般式1により表される酸二無水物であることを特徴とするイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物。
[式中、Zは、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐状アルコキシ基又はアリール基、Xは、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐状アルコキシ基、又はアリール基、lは0~3の数、nは1又は2、をそれぞれ示す。但し、nが2ではXは省略される。X、Z、l及びnが複数存在するときは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]。
[2]変性剤(II)の無水カルボン酸部位に対して、有機ポリイソシアネート(I)のイソシアネート基のモル比が1を超えることを特徴とする、上記[1]に記載のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物。
[3]有機ポリイソシアネート(I)がポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートであることを特徴とする、上記[1]、または[2]に記載のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物。
[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物と、活性水素含有化合物とからなるウレタン樹脂形成性組成物。
[5]上記[4]に記載のウレタン樹脂形成性組成物から得られるウレタン樹脂。
[6]上記[5]に記載のウレタン樹脂を用いた接着剤、塗膜、または封止材。
本発明の一実施形態によれば、簡易なプロセスで製造可能であり、かつ、優れた耐熱性を有するウレタン樹脂の作製に資するイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物、およびウレタン樹脂形成性組成物を提供することができる。また、本発明の他の実施形態によれば、耐熱性に優れたウレタン樹脂、ならびに、該ウレタン樹脂を用いた接着剤、塗膜、および封止材を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物は、有機ポリイソシアネート(I)、および変性剤(II)の反応生成物であるイミド変性イソシアネートを含むものである。
本発明のイミド変性イソシアネートは公知のイソシアネート法を用いて合成することができる。イソシアネート法により生成するイミド基は、例えば式2に示す反応が挙げられる。
[式中のイソシアネートと酸無水物の構造はそれぞれ任意のY、Zによって表される。]。
本発明の有機ポリイソシアネート(I)としては、例えば、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等、およびこれらの異性体が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらのうち、耐熱性、工業的入手の容易さ、価格の面から、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを用いることが好ましい。
本発明の変性剤(II)として用いる酸二無水物は、前記一般式(1)で表すことができる。
汎用の酸二無水物、例えば、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物は、結晶性が高いために溶媒への溶解性、イソシアネートとの反応性に乏しい。しかしながら、前記一般式(1)で表される酸二無水物は原子サイズが大きいリン原子と置換基Xの立体障害によって結晶性を低下させることができる。その結果イソシアネートとの反応性を改善することができ、前記一般式(1)の酸二無水物を使用すれば溶媒を使用せずにイミド変性イソシアネートを得ることが可能である。前記一般式(1)中、Zは、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐状アルコキシ基又はアリール基、Xは、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐状アルコキシ基又はアリール基、lは0~3の数、nは1又は2、をそれぞれ示す。但し、nが2ではXは省略される。X、Z、l及びnが複数存在するときは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Xは、耐熱性の観点からフェニル基が特に好ましい。Xの炭素数が小さいと、立体障害の効果が乏しく、得られるイソシアネート組成物が高粘度になる恐れがある。
なお、前記一般式(1)で表される酸二無水物は、特開2020-63245号公報に開示されている合成方法にて合成することができる。
次に、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物の具体的な製造方法について説明する。
イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物は公知のイソシアネート法を適用することができる。例えば、有機ポリイシアネートと酸二無水物とを、無水カルボン酸部位に対してイソシアネート基が過剰になる量を仕込んで、有機溶剤の存在下または非存在下、必要に応じて触媒を用い、25~200℃の温度で2~12時間反応させ、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物を製造する。ここでイミド化反応の目安としては、例えばATR測定を行い、原料である酸二無水物のカルボニル基の特性吸収である1820cm-1(C=O伸縮)の減少、およびイミド基由来の1720cm-1(C-O伸縮)と1380cm-1(C-N伸縮)の増加により判断することができ、1720cm-1の吸収が1780cm-1の吸収よりも大きくなることが好ましい。
上記の反応はイミド化反応以外の反応進行を抑えるため、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス下、若しくは、乾燥空気気流下で反応を進行させることが好ましい。
ここで、「イソシアネート基が過剰になる量」とは、原料仕込みの際、酸二無水物の無水カルボン酸部位に対して、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比Rが1を超えることを意味し、2~50であることが好ましく、5~20であることがさらに好ましい。下限未満の場合には、イミド反応生成物の重合度が高くなることで粘度が高くなり、作業性が悪化する恐れがある。上限を超える場合には、イミド基による樹脂の耐熱性向上が発揮されない恐れがある。
また、本発明のイミド変性イソシアネートを合成する際の反応温度は、120~200℃が好ましく、150~180℃がさらに好ましい。温度が下限未満の場合は、反応に時間がかかりすぎる、または反応が進行しない恐れがある。また上限を超えると、反応が制御できず副反応が進行する恐れがある。
なお、無触媒でも反応させることができるが、必要に応じて触媒を添加してもよい。触媒としては、アセチルアセトンカリウム(AA-K)などのアセチルアセトン金属塩;トリエチルアミン、テトラメチルヘキサンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、N-メチルモルホリン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサハイドロ-S-トリアジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの3級アミン;テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩;イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール;酢酸スズ、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズクロライドなどの有機スズ系化合物;オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物;ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル系化合物;2-エチルヘキサン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。
なお、市販品としては、たとえばテトラメチルヘキサンジアミン(東ソー社製、TOYOCAT MR)、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT ET)、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサハイドロ-S-トリアジン(東ソー社製、TOYOCAT TRC)が例示できる。これらの触媒は、単独または2種以上併用することができる。
触媒の使用量は、有機ポリイソシアネートと、酸二無水物との合計質量に対して0~1.0質量%が好ましく、0~0.1質量%がより好ましい。
触媒を用いない場合、または少量の場合は、反応が穏やかとなり反応時間は長くなるが目的物を高収率で得ることが期待される。上限値を超える場合には、目的物の分子量が高くなることによる粘度の上昇、及び副反応の進行によりイミド基濃度の低下の恐れがある。
本発明の、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物の製造においては、有機溶媒等を含まずに反応を行う方法や有機溶媒の存在下で反応を行う方法が適宜選ばれる。
有機溶媒の存在下で反応を行う場合には、イソシアネートとの反応性が低いものが好ましい。溶剤の例としては、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンやテトラメチル尿素、γ-ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。
また、これらの溶媒は、触媒や添加剤に含まれる場合もあり得る。反応で使用した有機溶媒は、イミド化反応終了時に減圧蒸留や共沸等によって除去される。
また本発明の、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物の製造においては、必要に応じて、難燃剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を適宜配合することができる。
イミド化反応の時間は、触媒、溶媒又は添加剤の有無、種類、および温度により異なるが、一般には1~12時間以内、好ましくは2~4時間で十分である。
次に、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物を用いたウレタン樹脂の具体的な製造方法について説明する。上記のイソシアネート組成物と活性水素含有化合物とを反応させることでウレタン樹脂を得ることができる。
本発明に使用される活性水素含有化合物は特に制限はなく、例えば、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等、2種以下のカーボネート結合、エステル結合、エーテル結合、等を有するポリオール、1級または2級アミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが好ましく、芳香族系ポリエステルが特に好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキシルジカルボン酸、α-ハイドロムコン酸、β-ハイドロムコン酸、α-ブチル-α-エチルグルタル酸、α,β-ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と;エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール等の1種類以上と;の縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル-アミドポリオールを使用することもできる。これらは単独で使用、もしくは2種以上併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール等のポリオール類の1種類以上と;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート等のカーボネート類の1種類以上と;の脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものが挙げられる。これらは単独で使用、もしくは2種以上併用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類;等のような活性水素基を2個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、あるいはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。これらは単独で使用、もしくは2種以上併用してもよい。
この他、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオール等を挙げることができる。
また、平均水酸基官能基数が3以上のポリオールを架橋剤として併用することができる。本発明に架橋剤として使用できる平均水酸基官能基数が3以上のポリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオールや、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールなどのテトラオール等があげられ、これらは、単独で使用、または2種以上併用することができる。
さらに、グリコールを鎖延長剤として併用することができる。本発明に鎖延長剤として使用できるグリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールオクタンジオール、ナノンジオール、デカンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-シクロヘキシルジメタノール、ヒドロキノン-ビス-(2-ヒドロキシエチル)エーテル(各種異性体を含む)などがあげられ、これらは、単独で使用、または2種以上併用することができる。
また、アミン化合物としては、3,3’-ジクロロ-4,4‘-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、アニリン等で変性した変性MOCA等の変性ポリアミン、トルエンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、等の芳香族アミン、エチレンジアミン等の脂肪族アミン、ポリアミン、エタノールアミンやジエタノールアミン等のアミノアルコールなどがあげられ、これらは、単独で使用、または2種以上併用することができる。
本発明の、ウレタン樹脂組成物のイミド変性イソシアネートと活性水素含有化合物との配合割合は、特に限定するものではないが、イソシアネート組成物中のイソシアネート基と活性水素含有化合物の活性水素基のモル比R(イソシアネート基/活性水素基)は、0.5~1000が好ましく、0.5~5がさらに好ましく、0.9~2.0が特に好ましい。下限値未満の場合には水酸基が過剰になり、イミド基濃度が低下するため耐熱性が低下する恐れがある。加えて架橋密度が低下し耐久性の低下や樹脂の機械的強度が低下する恐れがある。上限値を超える場合にはイソシアネート基が過剰になり、未反応のシソシアネートを含むことによる耐熱性の低下を生じる恐れがある。
イミド変性イソシアネートと活性水素含有化合物との反応を促進する目的で触媒を使用することもできる。
触媒としては、アセチルアセトンカリウム(AA-K)などのアセチルアセトン金属塩;トリエチルアミン、テトラメチルヘキサンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、N-メチルモルホリン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサハイドロ-S-トリアジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの3級アミン;テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩;イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール;酢酸スズ、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズクロライドなどの有機スズ系化合物;オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物;ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル系化合物;2-エチルヘキサン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。
なお、市販品としては、たとえばテトラメチルヘキサンジアミン(東ソー社製、TOYOCAT MR)、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT ET)、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサハイドロ-S-トリアジン(東ソー社製、TOYOCAT TRC)が例示できる。これらの触媒は、単独で使用、または2種以上併用することができる。
また、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサハイドロ-S-トリアジン、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのイソシアヌレート化触媒も使用することができる。
触媒の含有量は、2液型ウレタン樹脂形成性組成物中の質量に対して0~2.0質量%が好ましく、0~1.0質量%がより好ましい。
触媒含有量が上限を超える場合には、高温条件下で、触媒によりウレタン結合の分解が促進され、耐熱性が低下する恐れがある。
本発明によって得られたウレタン樹脂には、必要に応じて、難燃剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を適宜配合することができる。
以上により得られるイミド変性イソシアネート含有ウレタン樹脂組成物は、高温条件下、特に550℃以上の条件下において優れた耐熱性を発現しうるウレタン樹脂を得ることができ、耐熱性が要求されるエンジン周辺や電子機器用の接着剤、塗膜、封止材等に好適に用いることができる。さらに、該イミド変性イソシアネート含有ウレタン樹脂組成物は、煩雑な合成ステップ、溶媒除去操作などを必要としないため、簡易なステップで製造可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における%、部表記は、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1、実施例5)
窒素置換した50mLの二つ口ナスフラスコに4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー社製、ミリオネートMT(商品名)、NCO含量33.5%、以下、MDIとも言う。)を1.70gと、(式3)で表される酸二無水物0.30gとを加え、混合した(モル比R=10)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、3時間反応させイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物1(M-1)を得た。M-1のFT-IRスペクトル(ATR法)を図1に示す。同図によれば、1720cm-1付近にイミド結合のC=O非対称伸縮振動、1600cm-1付近に芳香族C=C、1380cm-1付近にイミド結合のC-N伸縮振動、による吸収がそれぞれ現れておりイミド変性イソシアネートが形成されていることが確認された。さらに原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収が消滅、イミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より強い吸収を示した。得られたM-1を0.70gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、RFK-505(商品名)、水酸基価250mgKOH/g、t-フタル酸開始剤ポリエステルポリオール)を0.90gとを加え、イソシアネートインデックスが100(イミド変性イソシアネートのイソシアネート基のモル数/ポリエステルポリオールのOH基のモル数×100)となるように配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、イミド基含有ウレタン樹脂を得た。
窒素置換した50mLの二つ口ナスフラスコに4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー社製、ミリオネートMT(商品名)、NCO含量33.5%、以下、MDIとも言う。)を1.70gと、(式3)で表される酸二無水物0.30gとを加え、混合した(モル比R=10)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、3時間反応させイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物1(M-1)を得た。M-1のFT-IRスペクトル(ATR法)を図1に示す。同図によれば、1720cm-1付近にイミド結合のC=O非対称伸縮振動、1600cm-1付近に芳香族C=C、1380cm-1付近にイミド結合のC-N伸縮振動、による吸収がそれぞれ現れておりイミド変性イソシアネートが形成されていることが確認された。さらに原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収が消滅、イミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より強い吸収を示した。得られたM-1を0.70gと、ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、RFK-505(商品名)、水酸基価250mgKOH/g、t-フタル酸開始剤ポリエステルポリオール)を0.90gとを加え、イソシアネートインデックスが100(イミド変性イソシアネートのイソシアネート基のモル数/ポリエステルポリオールのOH基のモル数×100)となるように配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、イミド基含有ウレタン樹脂を得た。
(実施例2、実施例6)
窒素置換した50mLの二つ口ナスフラスコにMDIを1.60gと、前記(式3)で表される酸二無水物0.41gを加え、混合した(モル比R=7)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、3時間反応させイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物2(M-2)を得た。M-2のFT-IRスペクトル(ATR法)を図2に示す。同図によれば、1720cm-1付近にイミド結合のC=O非対称伸縮振動、1600cm-1付近に芳香族C=C、1380cm-1付近にイミド結合のC-N伸縮振動、による吸収がそれぞれ現れておりイミド変性イソシアネートが形成されていることが確認された。さらに原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収が消滅、イミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より強い吸収を示した。得られたM-2を1.12gと、RFK-505を1.18gとを加え、イソシアネートインデックスが100となるように配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、イミド基含有ウレタン樹脂を得た。
窒素置換した50mLの二つ口ナスフラスコにMDIを1.60gと、前記(式3)で表される酸二無水物0.41gを加え、混合した(モル比R=7)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、3時間反応させイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物2(M-2)を得た。M-2のFT-IRスペクトル(ATR法)を図2に示す。同図によれば、1720cm-1付近にイミド結合のC=O非対称伸縮振動、1600cm-1付近に芳香族C=C、1380cm-1付近にイミド結合のC-N伸縮振動、による吸収がそれぞれ現れておりイミド変性イソシアネートが形成されていることが確認された。さらに原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収が消滅、イミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より強い吸収を示した。得られたM-2を1.12gと、RFK-505を1.18gとを加え、イソシアネートインデックスが100となるように配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、イミド基含有ウレタン樹脂を得た。
(実施例3、実施例7)
窒素置換した50mLの2つ口ナスフラスコにMDIを1.48gと、前記(式3)で表される酸二無水物0.53gとを加え、混合した(モル比R=5)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、3時間反応させイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物3(M-3)を得た。M-3のFT-IRスペクトル(ATR法)を図3に示す。同図によれば、1720cm-1付近にイミド結合のC=O非対称伸縮振動、1600cm-1付近に芳香族C=C、1380cm-1付近にイミド結合のC-N伸縮振動、による吸収がそれぞれ現れておりイミド変性イソシアネートが形成されていることが確認された。さらに原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収が消滅、イミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より強い吸収を示した。得られたM-3を1.40gと、RFK-505を1.67gとを加え、イソシアネートインデックスが100となるように配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、イミド基含有ウレタン樹脂を得た。
窒素置換した50mLの2つ口ナスフラスコにMDIを1.48gと、前記(式3)で表される酸二無水物0.53gとを加え、混合した(モル比R=5)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、3時間反応させイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物3(M-3)を得た。M-3のFT-IRスペクトル(ATR法)を図3に示す。同図によれば、1720cm-1付近にイミド結合のC=O非対称伸縮振動、1600cm-1付近に芳香族C=C、1380cm-1付近にイミド結合のC-N伸縮振動、による吸収がそれぞれ現れておりイミド変性イソシアネートが形成されていることが確認された。さらに原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収が消滅、イミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より強い吸収を示した。得られたM-3を1.40gと、RFK-505を1.67gとを加え、イソシアネートインデックスが100となるように配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、イミド基含有ウレタン樹脂を得た。
(実施例4、実施例8)
窒素置換した50mLの二つ口ナスフラスコにポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(東ソー社製、MR-200(商品名)、NCO含量31.0%、以下p-MDIとも言う。)を1.72gと、前記(式3)で表される酸二無水物0.28gとを加え、混合した(モル比R=10)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、3時間反応させイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物4(M-4)を得た。M-4のFT-IRスペクトル(ATR法)を図4に示す。同図によれば、1720cm-1付近にイミド結合のC=O非対称伸縮振動、1600cm-1付近に芳香族C=C、1380cm-1付近にイミド結合のC-N伸縮振動、による吸収がそれぞれ現れておりイミド変性イソシアネートが形成されていることが確認された。さらに原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収が消滅、イミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より強い吸収を示した。得られたM-4を1.96gと、RFK-505を2.54gとを加え、イソシアネートインデックスが100となるように配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、イミド基含有ウレタン樹脂を得た。
窒素置換した50mLの二つ口ナスフラスコにポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(東ソー社製、MR-200(商品名)、NCO含量31.0%、以下p-MDIとも言う。)を1.72gと、前記(式3)で表される酸二無水物0.28gとを加え、混合した(モル比R=10)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、3時間反応させイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物4(M-4)を得た。M-4のFT-IRスペクトル(ATR法)を図4に示す。同図によれば、1720cm-1付近にイミド結合のC=O非対称伸縮振動、1600cm-1付近に芳香族C=C、1380cm-1付近にイミド結合のC-N伸縮振動、による吸収がそれぞれ現れておりイミド変性イソシアネートが形成されていることが確認された。さらに原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収が消滅、イミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より強い吸収を示した。得られたM-4を1.96gと、RFK-505を2.54gとを加え、イソシアネートインデックスが100となるように配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、イミド基含有ウレタン樹脂を得た。
(比較例1)
窒素置換した50mLの二つ口ナスフラスコにp-MDIを8.57gと、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業社製品、以下、PMDAとも言う。)を1.38g加え、混合した(モル比R=5)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、6時間反応させた。この混合物のFT-IRスペクトル(ATR法)を図5に示す。同図によれば、原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収は消滅しておらず、さらにイミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より弱い吸収を示した。よって、十分にイミド化が進行していないことが示された。
窒素置換した50mLの二つ口ナスフラスコにp-MDIを8.57gと、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業社製品、以下、PMDAとも言う。)を1.38g加え、混合した(モル比R=5)。この混合物を触媒と溶剤は用いず窒素雰囲気下で180℃、6時間反応させた。この混合物のFT-IRスペクトル(ATR法)を図5に示す。同図によれば、原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収は消滅しておらず、さらにイミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より弱い吸収を示した。よって、十分にイミド化が進行していないことが示された。
(比較例2)
窒素で置換した1Lの四つ口フラスコに、アセトン(富士フイルム和光純薬社製、アセトン(超脱水))400mLを加え、そこにPMDAを25g加え溶解させた。さらに水0.025gをマイクロピペットを用いて正確に投入した。ここにp-MDIを129g加えた。続いて、この混合物を撹拌しながら55℃に加熱し、この温度を維持して6時間還流した。この混合物についてのFT-IRスペクトル(ATR法)を測定したところ、原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収は消滅しておらず、さらにイミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より弱い吸収を示した。よって、十分にイミド化が進行していないことが示された。
窒素で置換した1Lの四つ口フラスコに、アセトン(富士フイルム和光純薬社製、アセトン(超脱水))400mLを加え、そこにPMDAを25g加え溶解させた。さらに水0.025gをマイクロピペットを用いて正確に投入した。ここにp-MDIを129g加えた。続いて、この混合物を撹拌しながら55℃に加熱し、この温度を維持して6時間還流した。この混合物についてのFT-IRスペクトル(ATR法)を測定したところ、原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収は消滅しておらず、さらにイミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より弱い吸収を示した。よって、十分にイミド化が進行していないことが示された。
(比較例3)
窒素で置換した1Lの四つ口フラスコに、アセトン(富士フイルム和光純薬社製、アセトン(超脱水))400mLを加え、そこにPMDAを25g加え溶解させた。さらに水0.025gをマイクロピペットを用いて正確に投入した。ここにp-MDIを129g、触媒としてトリエチレンジアミン(東ソー社製、TEDA(商品名))を0.13g加えた。続いて、この混合物を撹拌しながら55℃に加熱し、この温度を維持して6時間還流した。この混合物のFT-IRスペクトル(ATR法)の結果を図6に示す。同図によれば、原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収は消滅しておらず、さらにイミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より弱い吸収を示した。よって、十分にイミド化が進行していないことが示された。
窒素で置換した1Lの四つ口フラスコに、アセトン(富士フイルム和光純薬社製、アセトン(超脱水))400mLを加え、そこにPMDAを25g加え溶解させた。さらに水0.025gをマイクロピペットを用いて正確に投入した。ここにp-MDIを129g、触媒としてトリエチレンジアミン(東ソー社製、TEDA(商品名))を0.13g加えた。続いて、この混合物を撹拌しながら55℃に加熱し、この温度を維持して6時間還流した。この混合物のFT-IRスペクトル(ATR法)の結果を図6に示す。同図によれば、原料の酸二無水物由来の1820cm-1付近の吸収は消滅しておらず、さらにイミド基由来の1720cm-1の吸収は1780cm-1より弱い吸収を示した。よって、十分にイミド化が進行していないことが示された。
(比較例4)
MDIを4.8gと、RFK-505を8.60gとを配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、ウレタン樹脂を得た。
MDIを4.8gと、RFK-505を8.60gとを配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、ウレタン樹脂を得た。
(比較例5)
p-MDIを4.76gと、RFK-505を7.97gとを配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、ウレタン樹脂を得た。
p-MDIを4.76gと、RFK-505を7.97gとを配合し、ステンレス鋼製スパチュラで混合後、窒素雰囲気下90℃の条件で8時間加熱し、ウレタン樹脂を得た。
表1における各原料は以下の通り。
・ミリオネートMT:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー社製、ミリオネートMT(商品名)、NCO含量33.5%)
・MR-200:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(東ソー社製、MR-200(商品名)、NCO含量31.0%)
・PPDA:前記式(3)で表される酸二無水物(特開2020-63245号公報記載の合成方法により得られた合成品)
・PMDA:1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業社製)
・アセトン:富士フイルム和光純薬社製(超脱水グレード)
・TEDA:トリエチレンジアミン(東ソー社製、TEDA(商品名))。
・ミリオネートMT:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー社製、ミリオネートMT(商品名)、NCO含量33.5%)
・MR-200:ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(東ソー社製、MR-200(商品名)、NCO含量31.0%)
・PPDA:前記式(3)で表される酸二無水物(特開2020-63245号公報記載の合成方法により得られた合成品)
・PMDA:1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業社製)
・アセトン:富士フイルム和光純薬社製(超脱水グレード)
・TEDA:トリエチレンジアミン(東ソー社製、TEDA(商品名))。
<反応中の外観>
反応温度に達した際の混合物が透明であるものを○、懸濁しているものを△とした。
反応温度に達した際の混合物が透明であるものを○、懸濁しているものを△とした。
<イミド化反応評価>
混合した直後のATRスペクトルと反応終了時のスペクトルを比較し、イミド結合生成を1720cm-1、1380cm-1の吸収の増加、酸無水物の消費を1720cm-1の減少によって判断した。スペクトルが大きく変化したものを○、わずかに変化したものを△、変化しなかったものを×とした。
混合した直後のATRスペクトルと反応終了時のスペクトルを比較し、イミド結合生成を1720cm-1、1380cm-1の吸収の増加、酸無水物の消費を1720cm-1の減少によって判断した。スペクトルが大きく変化したものを○、わずかに変化したものを△、変化しなかったものを×とした。
ATRスペクトルはサーモフィッシャーサイエンティフィック社製Nicolet-iS20にMicromATR Visionを取り付けて測定した。
表2における各原料は以下の通り。
M-1:MDI/PPDAのモル比10のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物
M-2:MDI/PPDAのモル比7のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物
M-3:MDI/PPDAのモル比5のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物
M-4:p-MDI/PPDAのモル比10のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物
RFK-505:ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、RFK-505(商品名)、水酸基価250mgKOH/g、t-フタル酸開始剤ポリエステルポリオール)。
M-1:MDI/PPDAのモル比10のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物
M-2:MDI/PPDAのモル比7のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物
M-3:MDI/PPDAのモル比5のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物
M-4:p-MDI/PPDAのモル比10のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物
RFK-505:ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、RFK-505(商品名)、水酸基価250mgKOH/g、t-フタル酸開始剤ポリエステルポリオール)。
<耐熱性試験>
実施例1~4(実施例5~8)、比較例4および5について、TGA(熱重量測定)にて重量減少を測定した(使用機器:STA7200RV(日立ハイテクサイエンス社製)、雰囲気条件:窒素および空気、昇温速度:10℃/分)。窒素雰囲気条件での550℃での重量減少率が-65%以下、かつ空気雰囲気条件での550℃での重量減少率が-55%以下であれば耐熱性良好と言える。
実施例1~4(実施例5~8)、比較例4および5について、TGA(熱重量測定)にて重量減少を測定した(使用機器:STA7200RV(日立ハイテクサイエンス社製)、雰囲気条件:窒素および空気、昇温速度:10℃/分)。窒素雰囲気条件での550℃での重量減少率が-65%以下、かつ空気雰囲気条件での550℃での重量減少率が-55%以下であれば耐熱性良好と言える。
なお、比較例1~3による生成物はイミド化が十分に進行しなかったため、耐熱性評価を行っていない。
Claims (6)
- 有機ポリイソシアネート(I)、および変性剤(II)の反応生成物であるイミド変性イソシアネートを含む、イミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物であって、変性剤(II)が下記一般式1により表される酸二無水物であることを特徴とするイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物。
- 変性剤(II)の無水カルボン酸部位に対して、有機ポリイソシアネート(I)のイソシアネート基のモル比が1を超えることを特徴とする、請求項1に記載のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物。
- 有機ポリイソシアネート(I)がポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートであることを特徴とする、請求項1、または2に記載のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物。
- 請求項1~3のいずれかに記載のイミド変性イソシアネート含有ポリイソシアネート組成物と、活性水素含有化合物とからなるウレタン樹脂形成性組成物。
- 請求項4に記載のウレタン樹脂形成性組成物から得られるウレタン樹脂。
- 請求項5に記載のウレタン樹脂を用いた接着剤、塗膜、または封止材。
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