JP2003231729A - 硬化性化合物およびそれを含有する硬化性組成物 - Google Patents

硬化性化合物およびそれを含有する硬化性組成物

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JP2003231729A JP2002031662A JP2002031662A JP2003231729A JP 2003231729 A JP2003231729 A JP 2003231729A JP 2002031662 A JP2002031662 A JP 2002031662A JP 2002031662 A JP2002031662 A JP 2002031662A JP 2003231729 A JP2003231729 A JP 2003231729A
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Keisuke Chino
圭介 知野
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化後に安全かつ容易に分解することができる
硬化性化合物およびそれを含有する硬化性組成物の提
供。 【解決手段】ポリスルフィド構造と、イソシアネート基
および/またはブロックイソシアネート基とを、それぞ
れ分子内に少なくとも一つ有する硬化性化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性化合物およ
びそれを含有する硬化性組成物に関する。詳しくは、硬
化後に安全かつ容易に分解することができる硬化性化合
物およびそれを含有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境にやさしく、コストも低減で
きる点から、様々な分野でリサイクル性が要求されてい
る。接着剤、シーラント、防水材、塗料、発泡体等に広
く用いられている、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コーン樹脂等の硬化性樹脂についても、樹脂の本来の特
性を維持したまま液状化と硬化を繰り返すことができれ
ば、樹脂のリサイクルが可能となるだけでなく、一旦接
着させた部材同士の解体や、補強材等の取り外しを容易
に行うことができる。
【0003】ウレタン樹脂は、貯蔵安定性等に優れ、か
つ、一液で湿気硬化できる組成物とすることができる点
で有用である。従来、ウレタン樹脂は、ポリエーテルポ
リオール系、ポリエステルポリオール系、ポリマーポリ
オール系等のポリオールとポリイソシアネートとを反応
させてウレタン結合を生成させることにより製造されて
いるが、このウレタン結合、およびイソシアネート基を
湿気硬化させて得られる尿素結合は比較的安定である。
そして、ウレタン樹脂組成物を分解しようとして、20
0℃より高い温度、例えば、220〜230℃程度に加
熱すると、分解時に青酸ガス等の有毒ガスを発生させる
ことが知られている。そのため、従来、解体作業の安全
性、作業性等の観点から、ウレタン樹脂組成物により一
旦接着させた部材同士の解体等はほとんど行われていな
い。
【0004】G.C.TesoroおよびV.Sast
riの論文(Journal ofApplied P
olymer Science,39,1425−14
57(1990))には、4,4′−ジチオジアニリン
でエポキシ樹脂を架橋することが記載されている。この
論文に記載されている方法は、トリブチルフォスフィン
等の触媒や、ジグリム等の高沸点溶媒を用いて、高温で
長時間の還元反応を行わせるものである。即ち、上記方
法には、反応方法が煩雑であり、また、高温かつ長時間
の反応を行わせる必要があるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、硬化後に安全かつ容易に分解することができる硬化
性化合物およびそれを含有する硬化性組成物を提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、イソシアネート基および/またはブロックイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマーに、ポリスル
フィド構造を導入することにより、硬化後に安全かつ容
易に分解することができる硬化性化合物が得られること
を見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、ポリ
スルフィド構造と、イソシアネート基および/またはブ
ロックイソシアネート基とを、それぞれ分子内に少なく
とも一つ有する硬化性化合物を提供する。より具体的に
は、ポリスルフィド構造と、イソシアネート基および/
またはブロックイソシアネート基とを、それぞれ分子内
に少なくとも一つ有する硬化性化合物であって、該イソ
シアネート基および/またはブロックイソシアネート基
の反応により硬化物とすることができ、かつ、該硬化物
が、加熱すると該ポリスルフィド構造の開裂により分解
することができる硬化物である硬化性化合物を提供す
る。本発明の硬化性化合物においては、ポリスルフィド
構造が、200℃以下という比較的低温での加熱により
開裂する。したがって、本発明の硬化性化合物または該
硬化性化合物を含有する本発明の硬化性組成物を接着剤
等として用いた場合に、一旦接着させた部材同士の解体
や、補強材等の取り外しを容易に、かつ、青酸ガス等の
有毒ガスを発生させずに行うことが可能となる。
【0007】前記ポリスルフィド構造が、少なくとも一
つの芳香環と結合しているのが好ましい。上述した加熱
によるポリスルフィド構造の開裂は、二つのラジカル
(−S・)を発生させるが、ポリスルフィド構造が少な
くとも一つの芳香環と結合していると、発生するラジカ
ルの安定性が高くなり、開裂温度が低くなる。したがっ
て、本発明の硬化性化合物または該硬化性化合物を含有
する本発明の硬化性組成物を接着剤等として用いた場合
に、一旦接着させた部材同士の解体や、補強材等の取り
外しが一層容易になる。
【0008】特に、前記芳香環がベンゼン環であり、該
ベンゼン環において、前記ポリスルフィド構造が結合し
ている炭素原子と、前記イソシアネート基および/また
はブロックイソシアネート基を有する置換基が結合して
いる炭素原子とが隣接しているのがより好ましい。この
ような場合、本発明の硬化性化合物の硬化物の開裂前の
状態において、イソシアネート基および/またはブロッ
クイソシアネート基由来の尿素結合やウレタン結合が、
かさ高く、ポリスルフィド構造と近接しているので、ポ
リスルフィド構造は不安定となり、低温でも開裂しやす
くなる。また、ポリスルフィド構造の開裂により発生す
るラジカルにおいて、不対電子を有する硫黄原子の位置
と置換基の位置とがオルト位にあるため、置換基の種類
によっては、共鳴により、ラジカルが更に安定化され、
その結果、本発明の硬化性化合物の硬化物の開裂温度が
低くなる。更に、ポリスルフィド構造の開裂により発生
するラジカルにおいて、不対電子を有する硫黄原子の位
置と置換基の位置とが近接するので、不対電子を有する
硫黄原子に対して置換基が立体障害として働き、ラジカ
ルの反応性が低くなり、解体がしやすくなる。したがっ
て、本発明の硬化性化合物または該硬化性化合物を含有
する本発明の硬化性組成物を接着剤等として用いた場合
に、一旦接着させた部材同士の解体や、補強材等の取り
外しがより一層容易になる。
【0009】また、本発明は、上記硬化性化合物を含有
する硬化性組成物を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の硬化性化合物は、ポリスルフィド構造
と、イソシアネート基および/またはブロックイソシア
ネート基とを、それぞれ分子内に少なくとも一つ有す
る。ポリスルフィド構造は、−Sn −(式中、nは2以
上の整数を表す。)で表される構造であれば特に限定さ
れず、例えば、ジスルフィド構造(上記式において、n
が2であるもの)、トリスルフィド構造(上記式におい
て、nが3であるもの)が挙げられる。ポリスルフィド
構造は、上記式においてnが大きいほど、開裂温度が低
くなる。本発明の硬化性化合物は、上述したポリスルフ
ィド構造を分子内に少なくとも一つ有していればよい。
したがって、一つだけ有していてもよく、二つ以上有し
ていてもよい。
【0011】中でも、ポリスルフィド構造が、少なくと
も一つの芳香環と結合しているのが好ましい。ここで、
ポリスルフィド構造が芳香環と結合しているということ
は、ポリスルフィド構造の末端の硫黄原子が、芳香環の
環員原子の一つと共有結合していることを意味する。ポ
リスルフィド構造の両末端の硫黄原子の一方だけが芳香
環と結合していてもよいが、両方が芳香環と結合してい
るのがラジカルの安定性の点で好ましい。
【0012】芳香環は、特に限定されず、例えば、ベン
ゼン環、縮合ベンゼン環(例えば、ナフタレン環、ピレ
ン環)、非ベンゼン系芳香環(例えば、トロピリウム
環、シクロプロペニウム環)、複素芳香環(例えば、ピ
リジン環、ピロール環)が挙げられる。中でも、ベンゼ
ン環が、安価に入手することができる点で、好ましい。
【0013】特に、前記芳香環がベンゼン環であり、該
ベンゼン環において、前記ポリスルフィド構造が結合し
ている炭素原子と、前記イソシアネート基および/また
はブロックイソシアネート基を有する置換基が結合して
いる炭素原子とが隣接しているのがより好ましい。即
ち、ベンゼン環において、ポリスルフィド構造が結合す
る位置を基準として、2位にウレタンプレポリマーの主
鎖または側鎖が結合しているのが好ましい。更に、ポリ
スルフィド構造が両末端で二つのベンゼン環と結合して
おり、かつ、それぞれのベンゼン環において、ポリスル
フィド構造に対して2位にウレタンプレポリマーの主鎖
または側鎖が結合しているのがより好ましい。即ち、下
記式で表される芳香族ポリスルフィド構造を有する本発
明の硬化性化合物は、本発明の特に好適な態様の一つで
ある。
【0014】
【化1】
【0015】上記式中、RおよびR′は、それぞれウレ
タンプレポリマーの主鎖または側鎖を表し、末端は主に
イソシアネート基および/またはブロックイソシアネー
ト基である。RおよびR′は、同一であってもよく、異
なっていてもよい。nは2以上の整数を表す。
【0016】本発明の硬化性化合物は、上述したポリス
ルフィド構造を分子内に少なくとも一つ有するととも
に、イソシアネート基および/またはブロックイソシア
ネート基を分子内に少なくとも一つ有する。本発明の硬
化性化合物は、このイソシアネート基および/またはブ
ロックイソシアネート基の反応により、硬化物となる。
【0017】ここで、「ブロックイソシアネート基」と
は、イソシアネート基を保護基でブロックした基であっ
て、熱、湿気等により保護基が容易に外れてイソシアネ
ート基を発生しうる基をいう。ブロックイソシアネート
基としては、イソシアネート基を、アルコール類、フェ
ノール類、オキシム類、トリアゾール類、カプロラクタ
ム類等のブロック剤等でブロックした基が好適に例示さ
れる。
【0018】アルコール類としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、ラウリ
ルアルコール、t−ブタノール、シクロヘキサノールが
好適に挙げられる。フェノール類としては、例えば、キ
シレノール、ナフトール、4−メチル−2,6−ジ−t
−ブチルフェノールが好適に挙げられる。オキシム類と
しては、例えば、2,6−ジメチル−4−ヘプタノンオ
キシム、メチルエチルケトオキシム、2−ヘプタノンオ
キシムが好適に挙げられる。そのほかに、3,5−ジメ
チルピラゾール、1,2,4−トリアゾール等を好適に
用いることができる。中でも、メタノール、キシレノー
ルをブロック剤として用いるのが好ましい。
【0019】本発明の硬化性化合物の製造方法は、特に
限定されない。例えば、ポリスルフィド構造を有する化
合物にイソシアネート基および/またはブロックイソシ
アネート基を導入する方法、ポリスルフィド構造を有す
る化合物と、ポリイソシアネート化合物、または、該ポ
リイソシアネート化合物のイソシアネート基の全部もし
くは一部を上述したブロック剤で保護したブロックイソ
シアネート化合物とを反応させる方法が挙げられる。こ
こで、イソシアネート基の全部を保護したブロックイソ
シアネート化合物を用いる場合は、他の反応性基により
ポリスルフィド構造を有する化合物と反応させてもよ
く、ブロック剤が解離する条件で反応させてもよい。ま
た、ポリスルフィド構造とイソシアネート基とを有する
本発明の硬化性化合物のイソシアネート基の全部または
一部を保護基でブロックすることによっても、ポリスル
フィド構造とブロックイソシアネート基とを有する本発
明の硬化性化合物を得ることができる。
【0020】上記のうち、ポリスルフィド構造を有する
化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させる方法
の具体例として、ポリスルフィド構造を有する化合物と
ウレタンプレポリマーとを反応させる方法が挙げられ
る。ポリスルフィド構造を有する化合物は、特に限定さ
れないが、例えば、ヒドロキシ基、酸無水物基、アミノ
基、潜在性アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基等の
イソシアネート基と反応しうる基を、ポリスルフィド構
造の両側に一つずつ有する化合物が好適に挙げられる。
そのような化合物として、例えば、ジチオジエタノー
ル、4,4′−ジチオジアニリン、2,2′−ジチオジ
アニリン、2,2′−ジチオジフェノールが挙げられ
る。中でも、ベンゼン環を有する点で、4,4′−ジチ
オジアニリン、2,2′−ジチオジアニリン、2,2′
−ジチオジフェノールが好ましく、ベンゼン環におい
て、ポリスルフィド構造が結合する位置を基準として、
2位にイソシアネート基と反応しうる基が結合している
点で、2,2′−ジチオジアニリン、2,2′−ジチオ
ジフェノールがより好ましい。
【0021】ウレタンプレポリマーとしては、従来公知
のウレタンプレポリマーを用いることができる。例え
ば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを
反応させて得られるウレタンプレポリマーを用いること
ができる。
【0022】上記反応に用いられるポリオール化合物と
しては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、その他のポリオールおよびこれらの混合ポリオー
ルが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′
−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロ
キシフェニルメタン、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等
の2価アルコール;グリセリン、1,1,1−トリメチ
ロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、ペ
ンタエリスリトール等の多価アルコール;エチレンジア
ミン、芳香族ジアミン等のジアミン類;ソルビトール等
の糖類の1種または2種以上と、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレン
オキサイド等のアルキレンオキサイドの1種または2種
以上とを付加して得られるポリオールが挙げられる。
【0023】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シ
クロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−
トリメチロールプロパン等の低分子ポリオールの1種ま
たは2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸等の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または
2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロ
ラクトン、カプロラクトン等の開環重合体が挙げられ
る。
【0024】その他のポリオールとしては、例えば、ポ
リマーポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ
ブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエン
ポリオール、アクリルポリオール;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げら
れる。
【0025】ポリイソシアネート化合物は、イソシアネ
ート基を2個以上を有する化合物であれば特に限定され
ない。具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシ
アネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソ
シアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−
MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート(TMDI)、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)
等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6 XDI
(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、ノルボル
ナンジイソシアネート(NBDI)等の脂環式ポリイソ
シアネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミ
ド変性ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネート
のイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが挙げられ
る。また、ポリイソシアネート化合物として、立体障害
の大きなイソシアネート基を少なくとも1個有するイソ
シアネート化合物を用いることもできる。具体的には、
三井サイテック社製のTMI(モノイソシアネート化合
物)、TMXDI(ジイソシアネート化合物)、サイセ
ン(トリイソシアネート化合物)等が好適に例示され
る。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】ポリオール化合物とイソシアネート化合物
の組み合わせは、特に限定されず、上記で列挙したポリ
オール化合物のそれぞれと上記で列挙したイソシアネー
ト化合物のそれぞれとを任意の組み合わせで用いること
ができる。中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコール
からなる群から選ばれる少なくとも1種と、TDIおよ
び/またはMDIとから得られるウレタンプレポリマー
が、入手の容易さの点、ならびに、本発明の硬化性組成
物およびそれを含有する本発明の硬化性組成物の硬化後
の物性のバランスが良好である点から好ましい。
【0027】ウレタンプレポリマーの製造においては、
ポリオール化合物のヒドロキシ基に対するポリイソシア
ネート化合物のイソシアネート基の当量比(NCO/O
H)が1.4〜3.0であるのが好ましく、1.7〜
2.5であるのがより好ましい。上記範囲であると、ポ
リイソシアネート化合物の残存による発泡や、分子鎖延
長に起因するウレタンプレポリマーの粘度増加がなく、
かつ、本発明の硬化性組成物およびそれを含有する本発
明の硬化性組成物の硬化後の物性が良好となる。
【0028】ウレタンプレポリマーの製造条件は、特に
限定されず、通常のウレタンプレポリマーの製造条件を
用いることができる。即ち、反応温度を50〜100℃
程度とし、常圧下で反応させることができる。また、有
機スズ化合物、有機ビスマス化合物等のウレタン化触媒
を用いることもできる。
【0029】また、ポリスルフィド構造とブロックイソ
シアネート基とを有する本発明の硬化性化合物は、上述
したポリスルフィド構造を有する化合物とウレタンプレ
ポリマーとを反応させる方法により得られたポリスルフ
ィド構造とイソシアネート基とを有する本発明の硬化性
化合物のイソシアネート基を上述したブロック剤等で保
護して得ることもできる。本発明においては、ブロック
化率は特に限定されず、用途、硬化後の物性等に応じて
イソシアネート基の全部を保護してもよく、またイソシ
アネート基の一部を保護してもよい。ブロック化の反応
条件は特に限定されず、ブロック剤の種類に応じて、種
々の条件を用いることができる。
【0030】本発明の硬化性化合物は、ポリスルフィド
構造と、イソシアネート基および/またはブロックイソ
シアネート基とを、それぞれ分子内に少なくとも一つ有
していれば、その他の構造や分子量を特に限定されない
が、取扱い性等の観点から室温で液状であるのが好まし
い。また、本発明の硬化性化合物は、ポリスルフィド構
造と、イソシアネート基および/またはブロックイソシ
アネート基のほかに、ヒドロキシ基、酸無水物基、アミ
ノ基、潜在性アミノ基、メルカプト基およびカルボキシ
基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を更に分
子内に有していてもよい。これらのようなイソシアネー
ト基および/またはブロックイソシアネート基と反応し
架橋できる基を有すると、架橋密度が向上し、硬化後の
物性が優れたものとなる。
【0031】ここで、「潜在性アミノ基」とは、アミノ
基を保護基でブロックした基であって、水分、熱等によ
り保護基が容易に外れてアミノ基を発生しうる基をい
う。潜在性アミノ基としては、例えば、脂肪族ポリアミ
ンとケトンとの反応物であるケチミン;n−ヘキシルア
ミン、モノエチルアミン、ベンジルアミン、ジエチルア
ミン、ピペリジン、トリエチルアミン、アニリン等のア
ミンと三フッ化ホウ素との化合物である三フッ化ホウ素
−アミン錯体;ジシアンジアミドまたはo−トリルビグ
アニド、α−2,5−ジメチルビグアニド、α,ω−ジ
フェニルビグアニド、5−ヒドロキシナフチル−1−ビ
グアニド等のジシアンジアミドの誘導体;コハク酸ヒド
ラジド、アジピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジ
ド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラ
ジド、フェニルアミノプロピオン酸ヒドラジド等の酸ヒ
ドラジド;ジアミノマレオニトリルまたはその誘導体;
ジアリルメラミン等のメラミンの誘導体;カルボン酸エ
ステルとジメチルヒドラジンとエポキシ化合物により合
成されるアミンイミド類;エチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、ピペリジン等のジアミンと安息香酸、
フタル酸、アジピン酸、セバチン酸等のジカルボン酸と
の塩、2,4,4−トリメチル−2,4,7−トリヒド
ロキシフラバン等のポリアミンとN,N′−ジメチル
1,3−プロパンジアミン等のポリヒドロキシフェノー
ルとの塩、ポリアミンのフェニルホスホン酸塩、ポリア
ミンのフェニルリン酸塩;スルホン酸と第一アルコール
とのエステル化合物、リン酸のモノエステルもしくはジ
エステルまたはその混合物、スルホン酸とエポキシ化合
物との付加反応によるエステル化合物が挙げられる。ま
た、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の
紫外線硬化剤も挙げられる。
【0032】本発明の硬化性化合物は、他の成分を添加
して、本発明の硬化性組成物とすることができる。他の
成分としては、例えば、架橋剤、可塑剤、充填剤、触
媒、溶剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、難燃剤、補強
剤、老化防止剤、酸化防止剤、揺変性付与剤、界面活性
剤(レベリング剤を含む。)、分散剤、脱水剤、防錆
剤、接着付与剤、帯電防止剤が挙げられる。これらの成
分は、ウレタン樹脂組成物に通常用いられるものを通常
の含有量で用いることができる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】また、本発明の硬化性組成物は、本発明の
目的を損なわない範囲で、他の成分として樹脂を含有す
ることができる。樹脂としては、例えば、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アルコキシシラン
化合物等の硬化性樹脂;これらのプレポリマーが挙げら
れる。
【0034】本発明の硬化性組成物の製造方法は、特に
限定されず、例えば、窒素ガスを封入した混練機に、本
発明の硬化性化合物と、その他の成分、必要に応じて、
樹脂を加え、各成分を常圧下で十分に混練し、均一に分
散させて製造する方法が挙げられる。得られた本発明の
硬化性組成物は、そのまま液状で使用することもでき、
また、容器に注入後、冷却密閉して保存した後に使用す
ることもできる。
【0035】本発明の硬化性化合物は、湿気等により、
イソシアネート基および/またはブロックイソシアネー
ト基が反応して尿素結合やウレタン結合を形成すること
によって硬化する。この硬化物は、120〜200℃程
度に加熱すると、ポリスルフィド構造の開裂により、分
解する。即ち、尿素結合やウレタン結合で架橋している
部位は開裂しないが、分子内に有するポリスルフィド構
造が加熱により開裂するため、容易に分解しうるのであ
る。しかも、上記ポリスルフィド構造の開裂は、比較的
低温で起こるため、分解時に青酸ガス等の有毒ガスを発
生させることもない。よって、本発明の硬化性化合物ま
たは該硬化性化合物を含有する本発明の硬化性組成物を
接着剤等に用いれば、一旦接着させた部材同士の解体
や、補強材等の取り外しを容易に行うことができる。更
に、本発明の硬化性化合物は、硬化後においては、ポリ
スルフィド構造の開裂温度未満であれば安定であるた
め、硬化後の物性にも優れる。したがって、本発明の硬
化性化合物は、実用性が極めて高く、例えば、自動車
用、土木建築用等の接着剤、シーラント、防水材、塗
料、発泡体等に極めて好適に用いられる。
【0036】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 1.硬化性化合物の調製 (実施例1)数平均分子量5000のポリプロピレント
リオール100g、数平均分子量3000のポリプロピ
レンジオール100g、および、可塑剤としてジイソノ
ニルアジペート(DINA)56.3gを反応容器に入
れ、110℃で12時間減圧脱水した後、50℃に冷却
し、ここにMDI25.3gをかくはんしながら添加
し、80℃で36時間反応させて、イソシアネート基含
有量が1.2258質量%であるウレタンプレポリマー
(1)を得た。このウレタンプレポリマー(1)32.
88g(イソシアネート基含有量:9.595mmo
l)にジチオジエタノール0.296g(1.919m
mol)を添加し、室温で12時間かくはんし、下記式
(1)で表される硬化性化合物(1)を得た。アミンを
用いた逆滴定法により求められた硬化性化合物(1)の
イソシアネート基含有率は、0.718質量%であっ
た。
【0037】(実施例2)実施例1で得られたウレタン
プレポリマー(1)39.21g(イソシアネート基含
有量:11.38mmol)に4,4′−ジチオジアニ
リン0.565g(2.275mmol)を添加し、室
温で12時間かくはんし、下記式(2)で表される硬化
性化合物(2)を得た。アミンを用いた逆滴定法により
求められた硬化性化合物(2)のイソシアネート基含有
率は、0.721質量%であった。
【0038】(実施例3)実施例1で得られたウレタン
プレポリマー(1)35.32g(イソシアネート基含
有量:10.30mmol)に2,2′−ジチオジアニ
リン0.512g(2.06mmol)を添加し、室温
で12時間かくはんし、下記式(3)で表される硬化性
化合物(3)を得た。アミンを用いた逆滴定法により求
められた硬化性化合物(3)のイソシアネート基含有率
は、0.719質量%であった。
【0039】(実施例4)実施例1で得られたウレタン
プレポリマー(1)37.17g(イソシアネート基含
有量:10.848mmol)に2,2′−ジチオジフ
ェノール0.556g(2.22mmol)を添加し、
室温で12時間かくはんし、下記式(4)で表される硬
化性化合物(4)を得た。アミンを用いた逆滴定法によ
り求められた硬化性化合物(4)のイソシアネート基含
有率は、0.710質量%であった。
【0040】
【化2】
【0041】2.硬化性化合物の評価 上記で得られた各硬化性化合物について、以下の各評価
を行った。なお、比較例1として、実施例1で得られた
ウレタンプレポリマー(1)を用いた。 (1)硬化後の表面タック 各硬化性化合物およびウレタンプレポリマー(1)を、
20℃、65%RHの条件で、24時間空気中に放置
し、湿気硬化させた。硬化後の表面タックの有無を指触
により確認した。結果を第1表に示す。
【0042】(2)硬化後の軟化温度および軟化時のガ
スの発生 各硬化性化合物およびウレタンプレポリマー(1)を、
上記と同じ条件で湿気硬化させて得られた硬化物(厚さ
2mmのシート)を、それぞれ複数用意した。各シート
をオーブンを用いて、10℃間隔の異なる温度で、15
分間加熱した。軟化(または液状化)した温度を軟化温
度とした。また、軟化時のガスの発生の有無をガス検知
器で確認した。結果を第1表に示す。
【0043】第1表から明らかなように、本発明の硬化
性化合物(実施例1〜4)は、ポリスルフィド構造を導
入していない場合(比較例1)と同様の硬化物性(表面
タック)を維持しているうえ、軟化温度が主鎖の分解し
ない程度の低温となっており、そのため、軟化時にガス
が発生しない。比較例1においてガスが発生したのは、
主鎖が分解したためと考えられる。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の硬化性化合物は、硬化後に安全
かつ容易に分解することができる。したがって、本発明
の硬化性化合物およびそれを含有する本発明の硬化性組
成物は、自動車用、土木建築用等の接着剤、シーラン
ト、防水材、塗料、発泡体等に極めて好適に用いられ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA08 CA04 CA05 CA15 CB03 CB07 CC03 CC08 CC12 CC61 CC67 CD04 CD08 DA01 DB04 DB07 DF02 DF11 DF12 DF16 DF20 DF22 DG02 DG04 DG05 DG14 DG16 DG22 DP18 DQ01 EA07 GA06 GA23 GA33 HA01 HA06 HB05 HB06 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC26 HC35 HC46 HC52 HC53 HC61 HC63 HC64 HC67 HC71 HC73 HD03 HD04 HD05 HD07 HD12 JA42 QB13 RA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスルフィド構造と、イソシアネート基
    および/またはブロックイソシアネート基とを、それぞ
    れ分子内に少なくとも一つ有する硬化性化合物。
  2. 【請求項2】前記ポリスルフィド構造が、少なくとも一
    つの芳香環と結合している請求項1に記載の硬化性化合
    物。
  3. 【請求項3】前記芳香環がベンゼン環であり、該ベンゼ
    ン環において、前記ポリスルフィド構造が結合している
    炭素原子と、前記イソシアネート基および/またはブロ
    ックイソシアネート基を有する置換基が結合している炭
    素原子とが隣接している請求項2に記載の硬化性化合
    物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性化
    合物を含有する硬化性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021044887A1 (ja) * 2019-09-05 2021-03-11 大日精化工業株式会社 ウレタンプレポリマー、接着剤、積層体、及び合成擬革

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