JP2002293431A - 長尺物を重置するためのスペーサー載置装置および載置方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重置する長尺物の各段間に挿入するスペーサ
ーを効率よくかつ安全に長尺物上に載置するスペーサー
載置装置、およびその装置を使用して長尺物上へスペー
サーを搬出し重置するために適正な間隔で載置するスペ
ーサーの載置方法を提供する。 【解決手段】 一端に搬入された複数のスペーサー
（２）を載置する搬入架台（１１）を設け、他端にその
スペーサー（２）を搬出し長尺物（１）上に載置する搬
出架台（１２）を設け、前記搬入架台（１１）と搬出架
台（１２）との間には移送架台（１３）を設け、その移
送架台（１３）はローラーコンベヤー（１６）と上下方
向および前後方向に変位可能な移送手段（１４）とで構
成し、コンベヤー（１６）上のスペーサー（２）をその
移送手段（１４）によって搬入架台（１１）から搬出架
台（１２）へ移送するように構成し、前記搬出架台（１
２）は側方に傾斜させ移送されたスペーサー（２）を側
方にスライドさせて搬出し長尺物（１）上に載置するよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、平行に並べた鋼材
など複数本の長尺重量物を複数段積み重ねて置く際に、
各段間に長尺物に対して直角方向に挿入するスペーサー
の載置装置およびその載置方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、複数本の長尺重量物（例えば鋼材
等）を鋼材置き場などの床上に置く場合に、その長尺物
に対し直交して柱状のスペーサー（枕木）を複数本並置
し、それらのスペーサーを跨って長尺物を複数本平行に
載置する。そして、それらの長尺物の上に直交してさら
にスペーサーを置き、長尺物を複数本ずつ次々積み重ね
て行く。

【０００３】従来、図５で示すように、長尺重量物、例
えば長尺の鋼材（Ｈ鋼）１を複数本づつ束ね、数本の角
材のスペーサー２をその上に直交して（鋼材の曲がり・
歪みを防止する）適正な間隔で置き、さらに鋼材１の束
を運搬手段で搬送してその上に載置している。このスペ
ーサー２には、その上に置く鋼材のサイズにもよるが、
通常、１０〜１５ｃｍ角で長さ２ｍ程度の木材（約２０
ｋｇ）が用いられており、これを扱うには一人の作業者
ではきつく、作業効率あるいは災害防止のために改善が
望まれていた。特に、スペーサー置場から３〜４本のス
ペーサーを鋼材上に人力で持ってきておく作業におい
て、災害が起きる可能性が高い。また、複数段積み上げ
られた鋼材上にスペーサーを人力で適正な間隔に載せる
のは、重労働であり且つ災害が起こる可能性が高い作業
であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に対処するべく提案されたもので、重置する長尺物の各
段間に挿入するスペーサーを効率よくかつ安全に長尺物
上に載置するスペーサー載置装置、およびその装置を使
用して長尺物上へスペーサーを搬出し重置するために適
正な間隔で載置するスペーサーの載置方法を提供するこ
とを目的としている。

【０００５】

【問題を解決するための手段】本発明のスペーサー載置
装置は、平行に並べた複数本の長尺物を複数段積み重ね
る際に各段間に挿入するスペーサーを当該長尺物上に載
置するスペーサーの載置装置であって、該装置の一端に
は搬入された複数のスペーサーを載置する搬入架台を設
け、他端にはそのスペーサーを搬出し当該長尺物上に載
置する搬出架台を設け、前記搬入架台と搬出架台との間
には移送架台を設け、その移送架台はローラーコンベヤ
ーと上下方向および前後方向に変位可能な移送手段とで
構成してコンベヤー上のスペーサーをその移送手段によ
り搬入架台から搬出架台へ移送するように構成し、前記
搬出架台は側方に傾斜させ移送されたスペーサーを側方
にスライドさせて搬出し長尺物上に載置するように構成
されていることを特徴としている。

【０００６】また、本発明のスペーサーの載置方法は、
平行に並べた複数本の長尺物を複数段積み重ねる際に各
段間に挿入するスペーサーの載置方法であって、請求項
１記載のスペーサー載置装置の傍らに複数本の長尺物を
束ねて置き、そのスペーサー載置装置によって当該長尺
物上にその長手方向に対して直角に所要数のスペーサー
を載置し、スペーサーを載置した状態で当該長尺物を既
設置の長尺物の上まで運搬し、既設置の長尺物上に既設
のスペーサーを介して当該長尺物を載置し、そして当該
長尺物上のスペーサーを所定位置に移動させることを特
徴としている。

【０００７】係る構成を具備する本発明によれば、搬入
架台上にスペーサーを搬入すれば、それらのスペーサー
は、移送架台上を移送手段によって搬出架台上へ移送さ
れ、搬出架台を側方へ傾斜させることでこの載置装置に
並置された長尺物上に搬出し載置することができる。そ
して、当該長尺物は、スペーサーを載置した状態で既設
置の長尺物上に運ばれ、既に所定位置に載置されている
スペーサー上に重置することができる。さらに、長尺物
上に置かれて運ばれたスペーサーを所定位置に移動して
やれば、次の長尺物はそのまま上に置くことができる。

【０００８】これらのスペーサーの搬送・載置の作業
は、作業者が直接行うことがなく、スペーサー載置装置
を操作することで可能であり、作業効率および安全性の
向上が図れる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図１において、本発明のスペーサ
ー載置装置１０は、長尺物である鋼材１の生産ライン４
の終端部側方に配設されており、さらにその側方（図の
手前）は、生産ライン４から搬送された鋼材１を一旦降
ろし、スペーサー載置装置１０によってスペーサー２を
載置するための置き場Ｐになっている。符号８はスペー
サー載置装置１０を制御する制御盤を示し、図示しない
搬送装置（クレーン等）上からも遠隔操作も可能であ
る。また、符号５は、鋼材１を搬送するクレーン（磁着
ヘッド部）を示している。ここで、生産ライン４の終端
部横に本発明のスペーサー載置装置を設置し、ライン４
を搬送される鋼材と同期させることにより、（スペーサ
ー載置装置から）スペーサーを直接且つ自動的に、鋼材
上へ供給する様に構成することも可能である。

【００１０】スペーサー載置装置１０は、その一端（図
示右方）が搬入架台１１、他端が搬出架台１２、その間
が移送架台１３の各部で構成されている。

【００１１】搬入架台１１には、図示しない運搬手段で
複数のスペーサー２が束ねられて搬入され、上面のロー
ラーコンベヤー１５上に載置されるようになっている。
なお、ローラーコンベヤー１５は、中央部を空けて左右
に分離されており、スペーサー２を結束しているワイヤ
ロープ等を容易に引き抜ける様になっている。そして、
ローラーコンベヤー１５には緩やかな傾斜が付けられて
おり、該ローラーコンベヤー１５上に載置されたスペー
サー２が移送架台１３に順次送られる様に構成されてい
る。

【００１２】移送架台１３は、長手方向左右の上面に
（緩やかな傾斜をつけた）ローラーコンベヤー１６が設
けられ、その間には、移送手段１４が構成されている。

【００１３】その移送手段１４においては、図２に示す
ように台座２１上に立設された２本の昇降シリンダー２
３、２３によって荷台２２がローラー２４を介して支持
されており、荷台２２はローラー２４によって前後
（Ｘ）方向にはフリーに、そして昇降シリンダー２３に
よって上下（Ｙ）方向に作動可能である。また、荷台２
２から下方に腕２２ａが延び、台座２１上に固設された
前後動シリンダー２５の一端が上下（Ｙ）方向にはフリ
ーに係止されており、荷台２２が前後（Ｘ）方向に作動
するようになっている。

【００１４】したがって、荷台２２の上昇・前進動作
と、荷台上面に付けられた緩やかな傾斜とによって、コ
ンベヤー１６上のスペーサー２は、前方（搬出架台１２
の方向）へ送られ、そして、荷台２２は下降・後進によ
り元の位置に戻される。

【００１５】搬出架台１２には、図４に示すように、前
記移送手段１４とは直交（Ｚ）方向に搬送するローラー
コンベヤー１７を上面に設けた搬送台３２が、側方に傾
斜可能に台座３１上に揺動自在に支持されている。そし
て、搬送台３２の揺動支点Ｐを挟んだ左右の下面から
は、それぞれ先端にガイドローラー３４、３４を設けた
腕３２ａ、３２ｂが突設されており、それらのガイドロ
ーラー３４、３４は台座３１上を摺動するカム（斜面）
３６Ａ、３６Ｂ上にそれぞれ係止され、それらのカム３
６Ａ、３６Ｂは、台座３１に固着された傾斜用シリンダ
ー３５によって駆動される。

【００１６】なお、搬送台３２は、移送されてきたスペ
ーサー２を一方側（図の右側：矢印Ｚ方向）の鋼材１上
に搬出するので、図４で示す形態では一方向にのみ（図
の右側が下がる様に）傾斜させて構成している。これに
関連して、搬送台３２下面の腕は、一方（左方３２ａ）
が長くなる様に構成されている。

【００１７】以下、上記スペーサー載置装置１０を使用
したスペーサー２の鋼材１上への載置方法の態様を説明
する。スペーサー２は、複数本を束ねられて運搬手段
（例えばクレーン）で搬送され、搬入架台１１の左右の
ローラーコンベヤー１５に跨って載置される。なお、こ
の際、コンベヤー間に空間があってワイヤーの着脱が容
易である。

【００１８】次に、搬入架台１１上のスペーサー２は、
ローラーコンベヤー１５によって移送架台１３上に送ら
れる。そして、移送架台１３上のスペーサー２は、荷台
２２がシリンダー２３、２５によって上昇・前進動作を
行い、所要数のスペーサー２毎に搬出架台１２上に送ら
れる。

【００１９】一方、生産ライン４からは、複数本の鋼材
１が搬送装置（クレーン）によってスペーサー載置装置
１０に隣接した置き場Ｐに運ばれ、並置されている。搬
出架台１２に移送されたスペーサー２は、シリンダー３
４の作動によって搬送台３２が傾けられ、鋼材１上に、
直交して載置される。

【００２０】なお、これらのスペーサー載置装置１０の
運転は、クレーン上の遠隔作動装置によってクレーンオ
ペレーターによって行われる。もちろん、装置１０の近
くに設けられた制御盤８による操作も可能である。

【００２１】このように、鋼材１上に所要数のスペーサ
ー２が載置されると、それらの鋼材１はクレーンによっ
て所定の鋼材置き場まで搬送される。置き場の既設置の
鋼材上には、既に所定数のスペーサー２が所定位置に置
かれており、その上に搬送された鋼材１を重ねて置く。
そして、搬送された鋼材１上のスペーサー２を、さらに
その上に次の鋼材を重ねるために所定位置に移動させ
る。

【００２２】図示の実施形態はあくまでも例示であり、
本発明の技術的範囲を限縮する趣旨のものではない。例
えば、生産ラインの終端部横に本発明のスペーサー載置
装置を設置し、ラインを搬送される長尺物と同期させる
ことにより、スペーサーを直接且つ自動的に、長尺物上
に供給する様に構成しても良い。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成さ
れ、長尺物の重置作業の自動化できるので、従来、不安
全かつ非効率であった作業が省人化でき、作業効率およ
び安全性の向上が図れてその経済効果も大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の全体構成を示す斜視図。

【図２】移送手段を示す側面図。

【図３】図２の正面図。

【図４】搬出手段を示す正面図。

【図５】鋼材の重置状態を示す正面図。

【符号の説明】 １・・・鋼材 ２・・・スペーサー １０・・・スペーサー載置装置 １１・・・搬入架台 １２・・・搬出架台 １３・・・移送架台 １４・・・移送手段 １５、１６、１７・・・ローラーコンベヤー ２２・・・荷台 ２３・・・昇降シリンダー ２４・・・前後動シリンダー ３２・・・搬送台 ３５・・・傾斜用シリンダー ３８Ａ、３６Ｂ・・・カム（斜面）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3F029 BA06 EA03

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行に並べた複数本の長尺物を複数段積
   み重ねる際に各段間に挿入するスペーサーを当該長尺物
   上に載置するスペーサー載置装置であって、該装置の一
   端には搬入された複数のスペーサーを載置する搬入架台
   を設け、他端にはそのスペーサーを搬出し当該長尺物上
   に載置する搬出架台を設け、前記搬入架台と搬出架台と
   の間には移送架台を設け、その移送架台はローラーコン
   ベヤーと上下方向および前後方向に変位可能な移送手段
   とで構成してコンベヤー上のスペーサーをその移送手段
   により搬入架台から搬出架台へ移送するように構成し、
   前記搬出架台は側方に傾斜させ移送されたスペーサーを
   側方にスライドさせて搬出し長尺物上に載置するように
   構成されていることを特徴とするスペーサー載置装置。
2. 【請求項２】 平行に並べた複数本の長尺物を複数段積
   み重ねる際に各段間に挿入するスペーサーの載置方法で
   あって、請求項１記載のスペーサー載置装置の傍らに複
   数本の長尺物を束ねて置き、そのスペーサー載置装置に
   よって当該長尺物上にその長手方向に対して直角に所要
   数のスペーサーを載置し、スペーサーを載置した状態で
   当該長尺物を既設置の長尺物の上まで運搬し、既設置の
   長尺物上に既設のスペーサーを介して当該長尺物を載置
   し、そして当該長尺物上のスペーサーを所定位置に移動
   させることを特徴とするスペーサーの載置方法。