JP2002293052A - 感熱孔版印刷用原紙及びその製造方法 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に樹脂から
なる多孔性樹脂膜を有し、更にその上に繊維状物質から
なる多孔性繊維膜を積層してなる感熱孔版印刷用原紙に
おいて、一枚目より高品質の画像を得ることができ
る、排版時、版に付着するインキ量を低減できる、
多孔性樹脂膜のみでは達成できなかったマスタのコシを
強くすることができ、その結果搬送性・耐刷性が優れ
る、印刷裏汚れを少なくできる、安定した連続生産
が可能である感熱孔版印刷用原紙及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に、
多孔性樹脂膜を形成する為の塗布液を塗布・乾燥し多孔
性樹脂膜を形成する工程と、二層以上の湿紙を抄き合わ
せた後、乾燥されてなる積層シートの少なくとも一方の
外表面側を前記多孔性樹脂膜面に接合させる工程と、該
積層シートの層間を剥離する工程とを含むことを特徴と
する感熱孔版印刷用原紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はハロゲンランプ、
キセノンランプ、フラッシュバルブなどによる閃光照射
や赤外線照射、レーザー光線等のパルス的照射、あるい
はサーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印
刷用原紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性フィルムにインキ通過性
の支持体として、天然繊維、合成繊維の単独又は混抄し
た多孔性薄葉紙を接着剤で貼り合わせた感熱孔版原紙が
用いられている。しかし、こうした繊維から成る多孔性
薄葉紙を支持体として用いた感熱孔版印刷用原紙は、次
のような問題点がある。 接着剤を用い多孔性薄葉紙とフィルムを貼り合わせる
ことにより、接着剤が多孔性薄葉紙の繊維間に鳥の水掻
きのように集積し、その部分においてサーマルヘットに
よる穿孔が行われにくくなり、インキの通過が妨げられ
印刷ムラが発生しやすくなる。 多孔性薄葉紙の繊維自体がインキの通過を妨げ、印刷
ムラが発生しやすくなる。 多孔性薄葉紙の繊維目によりフィルム面の平滑性が低
下しサーマルヘットとの密着が悪く未穿孔部が出来るた
め印刷ムラが発生する。 多孔性薄葉紙では、インキの制御には限界があり印刷
品質に対し過剰なインキを通過させてしまいその結果、
裏移りが発生する。
【0003】こうした問題を改善するためにいくつかの
提案がなされている。例えば、特開平3−193445
号公報には、多孔性支持体として、繊度1デニール以下
の合成繊維から成る薄葉紙を用いることが提案されてい
るが前記の問題解決には十分とはいえない。また特開昭
62−198459号公報には、熱可塑性フィルムに実
質的に閉じた形状の放射線硬化型樹脂パターンをグラビ
ア、オフセット、フレキソ等の印刷により多孔性支持体
を形成する方法が提案されている。しかし、印刷法では
樹脂パターンの線幅を50μm以下にすることは困難で
あり、印刷部が穿孔できず、印刷ムラとなる。
【0004】更に特開昭54−33117号公報には、
多孔性支持体を用いない実質的に熱可塑性フィルムのみ
から成る感熱孔版印刷用原紙が提案されている。この方
法によると熱収縮率が高く、厚み3μm以下のフィルム
ではサーマルヘットによる穿孔性も良好で印刷品質は優
れているが、腰が弱く印刷機での搬送が出来ない問題が
有る。搬送をよくするため厚いフィルムを使用するとサ
ーマルヘットによる穿孔性が低下し、印刷ムラが発生す
る。
【0005】また、穿孔性を改善するため接着層として
微多孔性樹脂を含む接着層を設けることが提案されてい
る(特開平9−52469)。しかし接着層として微多
孔性層を塗布後直ちに多孔性支持体とウエットラミネー
ト法により貼り合わされる為、微多孔層が出来にくいと
共に印刷時、ベタ画像に多孔性支持体の繊維による白抜
けが発生し易い問題点がある。
【0006】本発明者等は先に熱可塑性フィルムの片面
に多孔性樹脂膜を設けた感熱孔版マスターを提案した
(特開平08−332785号公報、特開平10−24
667号公報)。 しかしながら、樹脂膜のみでコシ
(Stiffness)を強くすることは困難であり、
印刷機上で搬送時にシワが入る等の問題があった。この
問題を解決すべく、本発明者等はその後に特開平10−
147075号公報、特開平10−236011号公報
にて、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂からな
る多孔性樹脂膜を有し、更にその表面に繊維状物質から
なる多孔性繊維膜を積層してなる感熱孔版印刷用原紙を
提案した。この感熱孔版印刷用原紙は、従来の感熱孔版
印刷用原紙のベース部分の機能分離をするという考えか
ら発案されたもので、多孔性樹脂膜でインキ制御を行
い、多孔性繊維膜で搬送性や耐刷性に必要なコシ・強度
を補強するというものである。
【0007】ここでいう「多孔性樹脂膜」とは、溶剤に
溶かした樹脂を析出させる等により形成される気泡形状
のセルの集合体からなる多孔性の膜であって、フィルム
を床に例えると、フィルム上に図9の多数の天井のある
セルの集合体、又は図10の天井のないセルの集合体か
らなる癖状被膜、図11の連泡状セルの集合体からなる
泡状被膜、図12の粒形状あるいは繊維状の樹脂がくっ
つきあってできている集合体状被膜などによって形成さ
れる膜を意味する。また、多孔性繊維膜とは、綿、麻等
の天然繊維、ポリエステル、ビニロン、アクリル等の合
成繊維等の繊維状物質が絡み合っている薄葉紙、紗等に
よって形成されている膜を意味する。
【0008】しかしながら、特開平10−147075
号公報、特開平10−236011号公報にて開示され
ている多孔性繊維膜の製造方法は、ポリエステルフィル
ムの上にポリエステル繊維が分散された液を塗布・乾燥
し、それを剥離して使用するものであり、連続生産を考
慮した場合、多孔性繊維膜とポリエステルフィルムが樹
脂により接着されている為、剥離が困難であり、また接
着を弱くする為に樹脂の付着量を減らすと繊維間強度が
弱くなり剥離時に破れが発生するという問題があり生産
性が極端に悪かった。またポリエステルフィルム上に繊
維が分散された液を塗布する際に、樹脂の水掻きが多く
できてしまい、インキ通過性を阻害してしまうという問
題があった。また、多孔性繊維膜として従来の製造方法
により得られる坪量10.0〜15.0g/m程度の
多孔性繊維膜を上記構成の感熱孔版印刷用原紙のコシ補
強として用いると、コシ補強の目的は充分に達成される
が、印刷ドラムに感熱孔版印刷用原紙を巻き付けてか
ら、画像が現われるまで(いわゆる印刷立上り)に時間
がかかり、印刷用紙が余分に必要となる問題があった。
また、多くのインキが版に付着したままに排版され、イ
ンキを無駄にしてしまうという問題があった。このどち
らの問題も多孔性繊維膜の坪量を従来の製造方法では少
なくできないというところに原因があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な状
況に鑑みてなされたもので、熱可塑性樹脂フィルムの一
方の面に樹脂からなる多孔性樹脂膜を有し、更にその上
に繊維状物質からなる多孔性繊維膜を積層してなる感熱
孔版印刷用原紙において、一枚目より高品質の画像を
得ることができる、排版時、版に付着するインキ量を
低減できる、多孔性樹脂膜のみでは達成できなかった
マスタのコシを強くすることができ、その結果搬送性・
耐刷性が優れる、印刷裏汚れを少なくできる、安定
した連続生産が可能である感熱孔版印刷用原紙及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、次のような手段によれば解決
できることを知り、本発明に至った。すなわち、本発明
によれば、第一に、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上
に、多孔性樹脂膜を形成する為の塗布液を塗布・乾燥し
多孔性樹脂膜を形成する工程と、二層以上の湿紙を抄き
合わせた後、乾燥されてなる積層シートの少なくとも一
方の外表面側を前記多孔性樹脂膜面に接合させる工程
と、該積層シートの層間を剥離する工程とを含むことを
特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方法が提供され
る。
【0011】第二に、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面
上に、多孔性樹脂膜を形成する為の塗布液を塗布・乾燥
し多孔性樹脂膜を形成する工程と、二層以上の湿紙を抄
き合わせた後、乾燥されてなる積層シートを剥離する工
程と、該積層シートを剥離して得られる多孔性繊維膜の
剥離面と前記多孔性樹脂膜を接合させる工程とを含むこ
とを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方法が提供さ
れる。
【0012】第三に、第一又は二記載の感熱孔版印刷用
原紙の製造方法において、前記二層以上の積層シートが
少なくとも多孔性繊維膜と多孔性繊維膜補強用紙層とか
らなることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方法
が提供される。
【0013】第四に、第一又は二記載の感熱孔版印刷用
原紙の製造方法において、前記二層以上の積層シートが
いずれも多孔性繊維膜からなることを特徴とする感熱孔
版印刷用原紙の製造方法が提供される。
【0014】第五に、第三又は四記載の感熱孔版印刷用
原紙の製造方法において、前記多孔性繊維膜と多孔性繊
維膜補強用紙層との積層シート、又は多孔性繊維膜同士
の積層シートが、天然繊維からなる紙層と合成繊維から
なる紙層の抄き合わせであることを特徴とする感熱孔版
印刷用原紙の製造方法が提供される。
【0015】第六に、多孔性樹脂膜がW/O型樹脂エマ
ルジョンを塗布乾燥して形成するか、又は親溶媒に樹脂
を溶解し、該親溶媒より沸点の高い貧溶媒を添加し、塗
布乾燥して親溶媒を先に蒸発させて貧溶媒リッチにし樹
脂を析出させて多孔性樹脂膜を形成する事を特徴とする
第一、第二記載の感熱孔版印刷用原紙の製造方法が提供
される。
【0016】第七に、第一、二、三、四、五又は六記載
の感熱孔版印刷用原紙の製造方法において、前記多孔性
繊維膜と多孔性樹脂膜との接合が無溶剤型接着剤による
ことを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方法が提供
される。
【0017】第八に、第七記載の感熱孔版印刷用原紙の
製造方法において、前記多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜と
の接合が、多孔性繊維膜に接着剤を塗布した後、多孔性
樹脂膜と接合することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙
の製造方法が提供される。
【0018】第九に、多孔性樹脂膜の乾燥後の付着量が
0.5〜5.0gsm、多孔性繊維膜の坪量が1〜10
g/mの範囲である事を特徴とする第一、二、三、
四、五、六、七又は八記載の製造方法により得られる感
熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0019】第十に、多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜との
接合が、無溶剤型ポリウレタン接着剤であることを特徴
とする第一、二、三、四、五、六、七又は八記載の製造
方法により得られる感熱孔版印刷用原紙及び第九記載の
感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0020】第十一に、多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜と
の接合が、電離放射線硬化型接着剤でであることを特徴
とする第一、二、三、四、五、六、七又は八記載の製造
方法により得られる感熱孔版印刷用原紙及び第九記載の
感熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
図1、図2及び図3は、本発明の上記第一の感熱孔版印
刷用原紙の製造方法を例示するものである。すなわち、
本発明の上記第一の製造工程は、図1に示す多孔性繊維
膜1A及び多孔性繊維膜補強用紙層1Bの湿紙が抄き合
わされた後、乾燥して得られる積層シートを、図2に示
す紙層1Aの上に、片面に多孔性樹脂膜3が形成された
熱可塑性樹脂フィルム2の多孔性樹脂膜面3を接合させ
る工程と、図3に示すように前記積層シート1の抄き合
わされた層間から感熱孔版印刷用原紙4と紙層1Bを剥
離する工程とからなる。
【0022】二層以上の紙層が抄き合わされた積層シー
ト1を剥離する場合、繊維間結着力が弱い多孔性繊維膜
1Aを使用すると剥離した面の繊維が毛羽立ち、その面
を孔版印刷用原紙4の外側とすると、繊維が脱落して、
穿孔阻害の原因となることがあるが、本発明の上記第二
の手段によればそのような問題は起こさない。
【0023】図1、図4及び図5は、本発明の上記第二
の感熱孔版印刷用原紙の製造方法を例示するものであ
る。すなわち、その製造工程は、図1に示す多孔性繊維
膜1A及び多孔性繊維膜補強用紙層1Bの湿紙が抄き合
わされた後、乾燥して得られる積層シートを、図4に示
す様に該積層シート1を剥離する工程と、図2に示す該
剥離された紙層1Aの剥離面と片面に多孔性樹脂膜3が
形成された熱可塑性樹脂フィルム2の多孔性樹脂膜面を
接合させる工程とからなる。
【0024】本発明に用いられる二層以上の紙層が抄き
合せられた積層シートは、抄紙機で抄紙する際、必要に
応じて分散剤、粘剤、消泡剤、離型剤、帯電防止剤及び
抄紙時の紙力増強剤、サイズ剤等用いても良い。また更
に繊維間の結着力を強める為に、層間を剥離する際支障
の無い範囲で樹脂等を加工しても良い。この場合使用さ
れる塗工物としてはビスコース、ポリ酢酸ビニル樹脂、
アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、SBR,NBR等の合
成ゴム、PVA、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙
げられるが特に限定されない。
【0025】本発明の多孔性樹脂膜3と多孔性繊維膜1
Aとの積層は、多孔性樹脂膜3を接着剤として用いて積
層しても良いが、多孔膜形成前に多孔性繊維膜1Aと重
ね合せると均一な孔が形成されにくい為、熱可塑性樹脂
フィルム2の一方の面上に多孔性樹脂膜3を形成する為
の塗布液を塗布し、少なくとも該多孔性樹脂膜3の最外
表層が乾燥・皮膜化した後に、接着剤を用いて多孔性繊
維膜1Aと貼り合せることが望ましい。その際、用いら
れる接着剤としては、インキ通過性の面より多孔性樹脂
膜3の孔を塞がないよう高粘度の状態のものが良く、常
温での粘度が300cps以上である接着剤が好まし
い。
【0026】本発明が目的とするインキ通過性の優れる
多孔性樹脂膜3を形成する為には、熱可塑性の樹脂が好
ましく用いられる。この場合接着剤として溶剤型接着剤
を使用すると多孔性樹脂膜3が侵され孔を閉塞してしま
う為、少なくとも多孔性樹脂膜3と多孔性繊維膜1Aと
が積層される時点において溶剤は無い方が好ましく、こ
の面より無溶剤型接着剤が用いられる。
【0027】本発明の接着強度を得る為及び上記条件を
満たす為に、ポリウレタン系接着剤が好ましく用いられ
る。ポリウレタン系接着剤としては、低付着量にて所望
の接着強度が得られる無溶剤型ポリウレタン接着剤がよ
り好ましく用いられる。また多孔性繊維膜としては安価
な天然繊維を含むものが好ましく用いられるので、水性
・エマルション型ポリウレタン接着剤では塗工時、多孔
性繊維層の伸縮が発生し、カール等を悪化させるという
面からも無溶剤型ポリウレタン接着剤が用いられる。
【0028】無溶剤型ポリウレタン接着剤としては、両
末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール、ポリエ
ステルポリオール等のポリオール成分とイソシアネート
成分の反応により得られる一液湿気硬化型のウレタンプ
レポリマーや、又はポリオール成分とイソシアネート成
分に分かれた二液硬化型の接着剤が挙げられるが特に限
定されるものではない。
【0029】イソシアネート成分としては、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HMDI)、2,4−ジイソシ
アネート−1−メチルシクロヘキサン、2,6−ジイソ
シアネート−1−メチルシクロヘキサン、ジイソシアネ
ートシクロブタン、テトラメチレンジイソシアネート、
O−、m−、及びp−キシリレンジイソシアネート(X
DI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジ
メチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキ
サヒドロメタキシリデンジイソシアネート(HXD
I)、及びリジンジイソシアネートアルキルエステル
(該アルキルエステルのアルキル部分は1〜6個の炭素
原子を有すことが望ましい)等のような樹脂族又は脂環
式ジイソシアネート:トルイレン−2,4−ジイソシア
ネート(TD1)、トルイレン−2,6−ジイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(MDI)、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、m−及びp−フェニレンジイソシア
ネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネー
ト、ナフタリン1,5−ジイソシアネート、ジフェニル
−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジ
フェニル−4,4’−ジイソシアネート、1,3,5−
トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート
及びジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート:並びにこれらの混合物が用いられる。
【0030】接着剤の塗布方法は、ロールコーティング
方法、ブレードコーティング方法、リバースロールコー
ティング方法、グラビアコーティング方法、ナイフコー
ティング方法、スプレーコーティング方法、オフセット
グラビアコーティング方法、キスコーティング方法、バ
ーコーティング方法等いずれの方法でも良く、特に限定
されない。
【0031】接着剤を塗布する面としては、多孔性樹脂
膜3、多孔性繊維膜1Aどちらに塗布しても良いが多孔
性樹脂膜3の開口部を閉塞しない為には多孔性繊維膜1
Aに塗工した方が好ましい。多孔性繊維膜1Aに無溶剤
型ポリウレタン接着剤を塗布する場合、あまり粘度が高
いと繊維が脱落し塗工不良が発生するので、ロールを加
熱することで粘度を下げ3000cps以下で塗工する
のが好ましい。更に好ましくは300〜1500cps
の間で塗工するのが好ましい。粘度が300cps以下
であると多孔性樹脂膜3と貼り合せ後に開口部を閉塞し
インキ通過性を阻害する可能性があり、3000cps
以上であると多孔性繊維層1Aの繊維脱落が起こり易く
なる。
【0032】無溶剤ポリウレタン型接着剤を用いた場
合、ロール状に巻かれた感熱孔版印刷用原紙を反応を促
進させる目的で、キュアを行うことが好ましい。キュア
の温度として好ましくは50℃以下であり、更に好まし
くは40℃以下である。50℃以上では熱可塑性樹脂フ
ィルムの収縮が発生しカールの問題が起こる。キュア時
間は目的とする接着力が得られるまで行われれば良く得
に限定されるものでは無い。
【0033】更に上記したポリウレタン系接着剤のキュ
ア時間を短縮する為に、多孔性樹脂膜3と多孔性繊維膜
1Aの接着剤として電離放射線硬化性接着剤を用いた方
が好ましい。電離放射線硬化性接着剤は主として、その
構造中にラジカル重合性の二重結合を有するポリマー、
例えば比較的低分子量のポリエステル、ポリエーテル、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の(メ
タ)アクリレートとラジカル重合性の単官能モノマーや
多官能モノマー等を含有するものであって、更に必要に
応じて光重合開始剤を含有し電子線や紫外線によって重
合架橋するものであり、これら従来の電離放射線硬化性
接着剤はいずれも本発明で使用することができる。
【0034】本発明の単官能モノマーとしては、ビニル
系モノマー、例えば(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリルアミド、アリル化合物、ビニルエーテル
類、ビニルエステル類、ビニル異節環化合物、N−ビニ
ル化合物、スチレン、(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸等が挙げられる。また多官能モノマーと
しては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス
(β―(メタ)アクリロイロキシエチル)イソシアヌレ
ート等が挙げられる。
【0035】また、光重合開始剤としては、単官能のも
のとしては2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフ
ェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、テチ
ラヒドロフルフリールアクリレート、テトラヒドロフル
フリール誘導体のアクリレートが挙げられる。また多官
能のものとしては、ジシクロペンテニルアクリレート、
ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコール400ジアクリレート、ポリエチレ
ングリコール400ジアクリレート、ヒドロキシビバリ
ン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、
トリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ビ
ス(3’−アクリルオキシエトキシ−2’−ヒドロキシ
プロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、ヒドロキ
シビバリン酸エステルネオペンチルグリコール誘導体の
ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0036】接着剤の塗布方法は、ブレードコーティン
グ方法、リバースロールコーティング方法、グラビアコ
ーティング方法、ナイフコーティング方法、スプレーコ
ーティング方法、オフセットグラビアコーティング方
法、キスコーティング方法、バーコーティング方法等い
ずれの方法でも良く、特に限定されない。
【0037】接着剤を塗布する面としては、多孔性樹脂
膜3、多孔性繊維膜1Aどちらに塗布しても良いが多孔
性樹脂膜3の開口部を閉塞しない為には多孔性繊維膜1
Aに塗工した方が良い。接着剤を塗布する場合、あまり
粘度が高いと繊維が脱落し塗工不良が発生するので、ロ
ールを加熱することで粘度を下げ3000cps以下で
塗工するのが好ましい。更に好ましくは300〜150
0cpsの間で塗工するのが好ましい。粘度が300c
ps以下であると多孔性樹脂膜3と貼り合せ後に開口部
を閉塞しインキ通過性を阻害する可能性があり、300
0cps以上であると多孔性繊維層1Aの繊維脱落が起
こり易くなる。
【0038】ラミネートしながら或いはラミネート後に
熱可塑性樹脂フィルム2側もしくは多孔性繊維膜1A側
から電離放射線を照射して接着層を硬化させることによ
り、本発明の第二の手段による感熱孔版印刷用原紙5が
得られるが、電離放射線を有効に当てる為に多孔性繊維
膜1A側から照射する方が好ましい。使用する電離放射
線としては電子線及び紫外線が好ましく使用されるが、
紫外線を使用する場合には上記した接着剤中に光重合開
始剤を配合することが必要である。
【0039】放射線照射には従来技術がそのまま使用で
き、例えば電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン
型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、
直線型、エレクトロカーテン型、ダイナミトロン型、高
周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜10
00keV、好ましくは100〜300keVのエネル
ギーを有する電子線等が使用される。また紫外線硬化の
場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カー
ボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等
の光源から発する紫外線等が利用され、特に320〜4
50nmの発光波長の間に連続波長を有するメタルハラ
イドランプ又は無電極放電ランプDバルブを用いると硬
化速度を向上できるので好ましい。これら放射線を照射
すると雰囲気温度が上昇し、熱可塑性樹脂フィルム等が
収縮する恐れがあるので、冷却装置を有するものが好ま
しい。
【0040】本発明の接着剤の塗工方法としては、酢酸
エチル等の有機溶剤で希釈された塗工液を多孔性繊維層
に塗布し乾燥した後、多孔性樹脂膜と貼り合せる方法も
あるが、環境面及び残留溶剤の問題より、無溶剤のまま
塗工する方法が好ましい。
【0041】上記した接着剤の付着量としては、従来の
様な構成の感熱孔版印刷用原紙(熱可塑性樹脂フィルム
と多孔性繊維膜との積層品)とは異なり穿孔阻害の影響
を考慮する必要は無く、所望の接着強度が得られていれ
ば特に限定されるものでは無いが、多孔性樹脂膜3及び
多孔性繊維膜1Aの孔を閉塞しない範囲であれば良く、
0.05g/m以上、3.0g/m以下、好ましく
は0.1g/m以上2.0g/m以下、更に好まし
くは0.1〜1.0g/mの範囲である。
【0042】本発明における熱可塑性樹脂フィルム2
は、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン又はその共重合体など従来公知のものが用いられる
が、穿孔感度の点からポリエステルフィルムが特に好ま
しく用いられる。ポリエステルフィルムに用いられるポ
リエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレ
ート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレー
トとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシク
ロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等を
挙げることができる。穿孔感度を向上する為に特に好ま
しくは、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレ
ートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等
を挙げることができる。
【0043】本発明における熱可塑性樹脂フィルム2に
は必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、
ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡
剤等を配合することができる。さらには必要に応じて易
滑性を付与することもできる。易滑性付与方法としては
特に制限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式あるいは
乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸類、スチレン等
を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、内部粒子
による方法、界面活性剤を塗布する方法等がある。
【0044】本発明における熱可塑性樹脂フィルム2の
厚さは、通常好ましくは0.1〜5.0μmであり、更
に好ましくは0.1〜3.0μmである。厚さが5.0
μmを超えると穿孔性を低下する場合があり、0.1μ
mより薄いと製膜安定性が悪化したり、耐刷性が低下す
る場合がある。
【0045】本発明における多孔性樹脂膜3は、膜の内
部及び表面に多数の空隙を持つ構造を有するものであれ
ば良く、該空隙がインキの通過性の点から多孔性膜内に
おいて厚さ方向に連続構造であるものが望ましい。
【0046】本発明において、多孔性樹脂膜3の平均孔
径は一般に2μm以上50μm以下、望ましくは5μm
以上、30μm以下である。平均孔径が2μmに満たな
い場合には、インキ通過性が悪い。そのため、十分なイ
ンキ通過量を得るために低粘度インキを用いれば、画像
にじみや印刷中に印刷ドラムの側部や巻装されているマ
スターの後端から印刷インキがしみ出す現象が発生す
る。また、多孔性樹脂膜3内の空膜率が低くなることが
多く、サーマルヘッドによる穿孔を阻害しやすくなる。
一方、平均孔径が50μmを超える場合には、多孔性樹
脂膜3によるインキの抑制効果が低くなり、印刷時に印
刷ドラムとフィルムの間のインキが過剰に押し出され、
裏汚れやにじみ等の不具合が発生する。即ち、平均孔径
は小さすぎても大きすぎても良好な印刷品質が得られな
い。特に、多孔性樹脂膜3内の空隙の平均孔径が20μ
m以下である場合、多孔性樹脂膜層が厚い程印刷インキ
が通りにくくなるので、この層の厚みによつてインキの
印刷用紙への転写量を制御することができる。そして、
層の厚さが不均一であると印刷むらを生じることがある
ので、厚みは均一であることが望ましい。
【0047】本発明の多孔性樹脂膜層3の厚みは、2μ
m以上、50μm以下、望ましくは5μm以上、30μ
m以下である。5μmに満たない場合は、サーマルヘッ
ドによる穿孔後に穿孔部の背後に多孔性樹脂膜が残りに
くく、インキ転写量が制御されずに印刷物の裏汚れが発
生しやすい。また、多孔性樹脂膜のインキ転写量抑制効
果は膜が厚いほど大きく、印刷時の紙へのインキ転写量
は多孔性樹脂膜の厚みによって調節できる。
【0048】多孔性樹脂膜3の密度は、通常0.01g
/cm以上、1g/cm以下で、望ましくは0.1
g/cm以上、0.7g/cm以下である。密度が
0.01g/cm未満だと膜の強度が不足し、また膜
自体も壊れやすい。
【0049】多孔性樹脂膜3の付着量は0.5〜5.0
g/m、好ましくは1.0〜3.0g/mである。
付着量が5.0g/m以上ではインキの通過を妨げて
印刷立上りを悪くし、0.1g/m以下ではインキ転
写量の制御が困難となる。
【0050】多孔性樹脂膜3を構成する樹脂材料として
は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマ
ー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等のような
ビニル系樹脂、ポリブチレン、ナイロン等のポリアミ
ド、ポリフェニレンオキサイド、(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アセチルセ
ルロース、アセチルブチルセルロース、アセチルプロピ
ルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。各
樹脂は2種以上を混合して用いてもよい。
【0051】なお、多孔性樹脂膜3の形成、強度、孔径
の大きさ等を調節するために、多孔性樹脂膜中に必要に
応じてフィラーなどの添加剤を添加することが望まし
い。ここにおいてフィラーとは顔料、粉体や繊維状物質
も含まれる概念である。その中で特に針状のフィラーが
好ましい。その具体例としては、ケイ酸マグネシウム、
セピオライト、チタン酸カリウム、ウオラストナイト、
ゾノトライト、石膏繊維、等の鉱物系針状フィラー、非
酸化物物系針状ウイスカ、酸化物系ウイスカ、複酸化物
系ウイスカ等の人工鉱物系針状フィラー、マイカ、ガラ
スフレーク、タルク等の板状フィラーがあげられる。
【0052】顔料は無機のみならず有機の顔料、あるい
はポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸メ
チル等の有機ポリマー粒子そして酸化亜鉛、二酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、シリカである。松本油脂製薬株式
会社のマイクロカプセル、マツモトマイクロスフィアー
も有効に利用できる。これら添加剤の添加量としては好
ましくは樹脂に対して5%〜200%である。5%以下
では添加剤を加えることによる曲げ剛度が高くならな
い。逆に200%以上ではフィルムとの接着性が悪くな
る。
【0053】本発明の多孔性樹脂膜3には、本発明の効
果を阻害しない範囲内で帯電防止剤、スティック防止
剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを併用することが
できる。
【0054】次に、本発明の感熱孔版印刷用原紙の多孔
性樹脂膜3の形成方法について説明する。第1の多孔性
樹脂膜3の形成方法は、樹脂を良溶媒と貧溶媒との混合
溶媒中に溶解及び/又は分散して得た塗工液を塗布し乾
燥過程で多孔質膜を形成するものである。この時、良溶
媒は相対的に貧溶媒より低温で蒸発しやすい組み合わせ
が必要である。良溶媒と貧溶媒をそれぞれ一種ずつ用い
る場合には、良溶媒の沸点は相対的に貧溶媒の沸点より
低くなければならない。良溶媒と貧溶媒の選定は任意で
あるが、一般には沸点差が15〜40℃である場合に所
望の特性を持つ多孔性樹脂膜が形成されやすい。沸点差
が10℃未満の場合には、両溶媒の蒸発時間差が小さ
く、形成される膜が多孔性構造になリにくい。貧溶媒の
沸点が高すぎる場合には、乾燥に時間がかかり生産性に
劣るため、貧溶媒の沸点は150℃以下であることが望
ましい。
【0055】塗布液中の樹脂濃度は使用する材料によっ
て異なるが5〜30%である。5%未満では開口径が大
きくなりすぎたり、多孔性樹脂膜の厚みのむらが生じや
すい。逆に、30%を超えると多孔性樹脂膜が形成され
にくく、あるいは形成されても孔径が小さくなり所望の
特性は得られにくい。
【0056】多孔性樹脂膜3の平均孔径の大きさは雰囲
気中の貧溶媒の影響を受け、一般にその良溶媒に対する
割合が高いほど凝結量が多くなり、平均孔径は大きくな
る。貧溶媒の添加比率は樹脂、溶媒により異なるので受
験により適宜決定する必要がある。一般的に、貧溶媒の
添加量が多くなるに従い多孔質樹脂膜の孔径か大きくな
る。貧溶媒の添加量が多すぎると樹脂が析出し塗布液が
不安定になる。
【0057】第2の多孔性樹脂膜3の形成方法として
は、特開平11−235885号公報にて開示されてい
る、W/O型エマルションを主体とする流動体を薄層上
に塗布、乾燥して形成されるものであり、主として水の
部分が乾燥後インクが通過する孔となり、溶剤中の樹脂
(フィラー、乳化剤等の添加物が含まれていてもよい)
が構造体となる方法である。この方法においても多孔膜
の形成、強度、孔径の大きさ、コシ等を調節するため
に、多孔膜中に必要に応じて前記フィラーなどの添加剤
を添加することができる。 その中で特に針状、板状、
もしくは繊維状のフィラーが好ましい。
【0058】W/O型エマルションの形成には比較的親
油性の強い、HLB(Hydrophiric-Lyophiric Balanc
e)が4〜6の界面活性剤が有効であるが、水層にもH
LBが8〜20の界面活性剤を使用するとより安定で均
一なW/Oエマルションが得られる。高分子界面活性剤
の使用も、より安定で均一なエマルションを得る方法の
一つである。また水系にはポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸等の増粘剤の添加がエマルションの安定化に
有効である。本発明の多孔性樹脂膜の形成方法は上記に
例示した方法に限定されるものでわない。
【0059】本発明の多孔性樹脂膜形成用塗布液の熱可
塑性樹脂フィルムへの塗布方式としてはブレード、トラ
ンスフアーロール、ワイヤーバー、リバースロール、グ
ラビア、ダイ等の従来一般的に用いられている塗布方式
が使用でき、特に限定されるものではない。
【0060】本発明により作製される感熱孔版印刷用原
紙には、フィルムのサーマルヘッドに接触すべき片面に
穿孔時の融着を防止するため、シリコーンオイル、シリ
コーン系樹脂、フッソ系樹脂、界面活性剤、帯電防止
剤、耐熱剤、酸化防止剤、有機粒子、無機粒子、顔料、
分散助剤、防腐剤、消泡剤等からなる薄層を設けること
が望ましい。該融着防止の薄層の厚みは好ましくは0.
005〜0.4μm、より好ましくは0.01〜0.4
μmである。
【0061】上記融着防止の薄層を設ける方法は特に限
定されないが、水、溶剤等に希釈した溶液をロールコー
ター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコー
ター等を用いて塗布し、乾燥するのが好ましい。
【0062】2層以上の紙層が抄き合わされた積層シー
ト1を剥離して、所望の低坪量の多孔性繊維膜を得ると
いう方法は、図1に示す低坪量の多孔性繊維膜層1Aと
補強の為のベース層1Bの2層抄き合せによる方法、図
6に示す様に所望の多孔性繊維膜6A、6A’を両側に
設け、中間層に補強の為のベース層6Bを設けた3層の
抄き合せ6による方法、図7に示すように所望の多孔性
繊維膜7A、7A’を両側に設け、中間層として剥離す
る為に繊維間結着力の弱い層を設けた3層抄き合せ7に
よる方法等挙げられるが、所望の低坪量の多孔性繊維層
を設ける為に、多孔性繊維膜補強層、もしくは同じ処方
同士を抄き合せることにより強度を持たせ抄紙できる状
態とし、それを剥離して使用するという方法が取られて
いれば特に方法は限定されない。
【0063】本発明において抄き合わされてなる積層シ
ート1の層間を容易に剥離するためには、層間の剥離強
度を弱くする必要があり、剥離強さは10N/m以下で
あることが好ましく、更に好ましくは6N/m以下であ
る。剥離強さが10N/mから20N/mの間では部分
的な紙層内部破壊を伴う剥離を起こす可能性があり、2
0N/m以上では剥離不能である。なお、界面の剥離強
さが0.5N/m以上であれば、抄き合わせた各層の積
層一体化を剥離工程まで保持するのに充分である。
【0064】そのためには、抄き合わせ境界面で隣り合
う層間の親和性が低い組み合わせであれば境界面の剥離
抵抗が10N/m以下となることが期待され、セルロー
ス繊維層とポリエステル繊維層、ポリエステル繊維層と
ポリオレフィン繊維層、ポリオレフィン繊維層とセルロ
ース繊維層が挙げられるが、最も好ましい組み合わせの
一つはセルロース繊維層とポリエステル繊維層である。
即ち、抄き合わせ面で隣り合う一方の層がセルロース繊
維を主体としてなり、他方の層が合成繊維を主体として
なることが望ましい。セルロース繊維を主体とする層は
繊維間水素結合が主な結合力であり、合成繊維を主体と
する層はバインダー繊維の表面熱融着による繊維間の融
着が主で、各層の内部結合は発現するものの、これらの
層の界面については、互いの親和性の低さから互いの内
部結合力の作用が及び難く、界面の剥離抵抗は低くな
る。
【0065】セルロース繊維を主体としてなる層に用い
られる繊維としては、従来から感熱孔版印刷用原紙に用
いられる多孔性支持体に使用されている繊維以外に、剥
離工程までの担体にすぎない層が含まれても構わないこ
とから木材パルプ繊維のような通常の製紙用繊維も挙げ
られる。しかし、薄葉紙に求められる機能性だけでなく
界面の剥離抵抗も低くできることから、従来から低密度
の薄葉紙に使用されている繊維が好ましく、こうぞ、み
つまた、亜麻、マニラ麻、サイザル麻などの天然繊維が
挙げられ、それらの叩解処理の程度も軽い方が好まし
い。層の内部強度を高くし、界面の剥離強さを相対的に
低くできることから繊維長も長い方が好ましく、入手し
易いマニラ麻パルプ、サイザル麻パルプが好ましく用い
られる。また、レーヨン、リヨセル等の半合成繊維の配
合も好ましい。本発明の目的に反しない限り、セルロー
ス繊維を主体としてなる層に、ビニロン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリエステル繊維等の合成繊維を10質量%
以内で配合することができる。ポリエステル繊維バイン
ダーと同様、表面の熱融着による繊維間結合を生じさせ
る芯鞘構造の複合繊維や表面の熱水溶融によって繊維間
結合を生じさせるポリビニルアルコール系繊維状バイン
ダー等も同様に10質量%以内で配合することができ
る。なお、セルロース繊維を主体としてなる層を形成す
るための抄紙用紙料には、サイズ剤、乾燥及び湿潤紙力
増強剤、分散剤、消泡剤、その他抄紙用薬品を必要に応
じ添加することができる。
【0066】さらに、セルロース繊維を主体としてなる
層に剥離剤が含まれていると、界面の剥離抵抗をより小
さくすることができ、好ましい。剥離剤としては、ポリ
エチレン系ワックス、高級脂肪酸エステル等、通常使用
される剥離剤を、薄葉紙の用途に障害とならない範囲、
例えば感熱孔版印刷用積層シートの場合の熱可塑性樹脂
フィルムとの貼り合わせに障害とならないような範囲
で、セルロース繊維を主体としてなる層の抄紙用紙料に
内添するか、又は界面へのスプレー塗布など塗工による
方法で添加できる。なお、剥離剤としての効果を有する
他の薬剤、例えばアルキルケテンダイマー系サイズ剤等
も同様に用いることができる。
【0067】合成繊維を主体としてなる層に用いられる
繊維としては、薄葉紙に求められる機能に応じて種々選
択できるが、従来から種々の薄葉紙に用いられている合
成繊維として、ビニロン、ポリアクリロニトリル、ポリ
アミド、ポリエステル繊維及び表面の熱融着による繊維
間結合を生じさせる芯鞘構造の複合繊維が挙げられ、ポ
リエステル系の繊維が特に好ましい。感熱孔版印刷用積
層シートの場合、印刷画質を高めるためには繊維径が細
いほど好ましく、0.1〜2.2デシテックスの範囲で
適宜用いられる。繊維長は、繊維の分散性、地合を考慮
すると、15mm程度から使用できるが、10mm以下
が好ましく、5mm以下が更に好ましい。本発明の目的
に反しない限り、合成繊維を主体としてなる層に、レー
ヨン、リヨセル等の半合成繊維、マニラ麻パルプ、サイ
ザル麻パルプ等のセルロース繊維を10質量%以内で配
合することができる。合成繊維を主体としてなる層を形
成するための抄紙用紙料には、紙力増強剤、分散剤、消
泡剤、帯電防止剤、その他抄紙用薬品を必要に応じ添加
することができる。
【0068】用いられる繊維の断面形状も界面の剥離抵
抗を左右する。セルロース繊維、合成繊維、半合成繊維
のいずれも真円性が高いほど、繊維の接触点、接触面積
の減少が図れ、界面の剥離強さが低くなり、好ましい。
【0069】本発明に用いられる多孔性繊維膜1Aの坪
量は1.0〜10.0g/mが好ましく、特に3.0
〜8.0g/mが好ましい。1.0g/m以下では
コシ・強度が得られず、10.0g/m以上では、印
刷が立上がるまでに時間がかかる。特に8.0g/m
以下の場合、従来の抄紙方法では生産が困難であった
が、必要とする多孔性繊維膜1Aと補強層1Bとして坪
量8.0〜10.0g/m程度の紙層と抄き合せるこ
とで容易に得ることができる様になった。
【0070】また、低坪量の多孔性繊維膜とこれを補強
するためのベース層の抄き合わせという方法を上記のよ
うに多孔性繊維膜と多孔性繊維膜補強用紙層とするだけ
でなく、坪量と材料を選択することにより、多孔性繊維
層同士の抄き合わせも可能である。例えば5g/m
度のPET繊維からなる多孔性繊維膜と5g/m程度
のマニラ麻からなる多孔性繊維膜の抄き合わせが可能で
あり、どちらも多孔性繊維膜として使用することができ
る。
【0071】本発明に用いられる積層シートの剥離方法
は、所望とする多孔性繊維膜1Aが安定して剥離剥離さ
れる限り、特に限定されるものではないが、安定して連
続に剥離するには、図8に模式的に示す装置を用いる方
法が好ましい。以下に本発明の一例をとって説明する。
【0072】図−8に示す様に、低圧で均一なニップが
形成される少なくとも上下2本の水平ロール8、9のニ
ップ部に、繰り出し部から繰り出された多孔性繊維膜を
有する積層シート1を通し、実質的にニップ部の出口
で、積層シートの1つの抄き合わせ境界面全幅にわたる
剥離部8を設けさせ、2つに剥離され得られた多孔性繊
維膜1A、1Bは全幅にわたって各ロール表面に接しな
がらロールと等速で搬送された後、各々巻取部で巻き取
られる。なお、上下2本の水平ロールに各々バッキング
ロール10、11が設けられていると搬送時のロール表
面からのシートの浮きが防止でき、剥離部が安定するた
めより好ましい。この場合、剥離強さが10N/m以下
であることからシートのテンションは、10N/mを越
え各薄葉紙の引張強さの弾性限界以下でコントロールさ
れる。
【0073】(特性の測定方法)作製した原紙を(株)
リコー製“プリポートVT6000”(サーマルヘッド
解像度600dpi)に供給してサーマルヘッド式製版
方式により、50mm×50mmの黒べたを有する原稿
を用い製版、印刷を行った。 尚試験は常温環境で実施
した。 (1)画像印刷立上り枚数 標準の印刷速度で印刷を行い、版付けから画像が得られ
たものを○、版付け後1枚目の印刷で画像が得られたも
のを△、版付け後2枚目以降の印刷で画像が得られたも
のを×として評価を行った。 (2)画像性 標準の印刷速度で100枚印刷を行い、100枚目の印
刷物を目視判定により、黒べた部で白抜けの目立つもの
を×、○と×の中間程度で実用上なんとか使用できるレ
ベルのものを△として評価した。また裏移りの無い物を
○、両面印刷に耐えられないレベルの裏移りのものを
×、その中間程度で実使用上なんとか使用できるレベル
のものを△として評価した。 (3)排版インキ量 上記(1)、(2)の印刷試験終了後、排版を行い、版
に付着したインキの付着量を、試験開始前の感熱孔版印
刷用原紙との重量差により求め、A3・1版当りに排版
されるインキの付着量を排版インキ量(g/A3・1
版)として測定した。
【0074】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例中、部はすべて重量
部を表わす。
【0075】実施例1 円網(第1紙層形成)と短網(第2紙層形成)からなる
コンビネーション抄紙機により、第1の紙層(多孔性繊
維膜)としてマニラ麻繊維の坪量が5.0g/mとな
るように、第2の紙層(多孔性繊維膜補強層)として繊
度1.5デニールのバインダーPET繊維の坪量が1
0.0g/mとなるように抄き合わせ積層シートを得
た。 ポリビニルブチラール(積水化学社製、BHS) 2.0部 酢酸エチル 18.6部 ソルビタンモノオレエート(東邦化学社製、ソルボンS80) 0.15部 タルク 0.5部 次に、以上を溶解、分散し、これに水(HEC(ヒドロ
キシエチルセルロース)1%溶液)10.0部を撹袢し
ながらゆっくり添加して白濁したエマルション塗布液を
得た。これを20℃50%RHの雰囲気中で、厚さ2.
0μmの2軸延伸ポリエステルフィルム上にグラビアロ
ールにて乾燥後付着量が2.0g/mとなるように塗
布・乾燥し多孔性樹脂膜を形成しロール状に巻き取っ
た。 ポリウレタンアクリレート樹脂 (荒川化学工業社製 ビームセット 504H) 70.0部 アクリル酸エステルモノマー (東亜合成社製 アロニックス M−101) 30.0部 続いて、以上を約80℃で溶融混合を行い、80℃で粘
度1300cpsの電離放射線硬化性接着剤を調製し
た。上記の電離放射線硬化性接着剤を80℃に加熱した
ロールコーターを用い付着量が0.3g/mとなるよ
うに、先に作製した積層シートの第1の紙層(多孔性繊
維膜)の外側表面に延転後塗布し、先に作製したロール
の多孔性樹脂膜面とラミネートを行い、5Mradの電
子線を照射した後、前記積層シートの第1の紙層と第2
の紙層を剥離した。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5部 トルエン 100.0部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂膜と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し乾
燥した後巻取り本発明の製造方法による感熱孔版印刷用
原紙を得た。作製した感熱孔版印刷用原紙を前記した評
価方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
【0076】実施例2 円網(第1紙層形成)と短網(第2紙層形成)からなる
コンビネーション抄紙機により、第1の紙層(多孔性繊
維膜)として繊度1.1デニールのバインダーPET繊
維50重量部と繊度0.4デニールのPET繊維50重
量部の坪量が6.5g/mとなるように、第2の紙層
(多孔性繊維膜補強層)としてのマニラ麻繊維の坪量が
10.0g/mとなるように抄き合わせ積層シートを
得た。 ポリビニルブチラール(積水化学社製、BHS) 2.0部 酢酸エチル 18.6部 ソルビタンモノオレエート(東邦化学社製、ソルボンS80) 0.15部 タルク 0.5部 次に、以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶
液)10.0重量部を撹袢しながらゆっくり添加して白
濁したエマルション塗布液を得た。これを20℃50%
RHの雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエス
テルフィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が
2.0g/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂膜
を形成しロール状に巻き取った。続いて先に作製した積
層シートの第1の紙層と第2の紙層を剥離し、剥離した
第1の紙層(多孔性繊維膜)の剥離面に、100℃に加
温したロールコーターを用いて一液型ウレタン接着剤
(武田薬品工業社製 タケネートA260)を塗布量
が0.2g/mとなるように延転後塗布し、先に作製
したロールの多孔性樹脂膜面とラミネートを行った。塗
布時の接着剤の粘度は約1000cpsであった。次い
で実施例1と同様の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルム
の多孔性樹脂膜と反対側の面にバーコーターを用いて塗
布し、乾燥した後巻取り、これを30℃で3日間キュア
し本発明の製造方法による感熱孔版印刷用原紙を得た。
作製した感熱孔版印刷用原紙を前記した評価方法にて評
価を行った。結果を表1に示す。
【0077】実施例3 円網(第1紙層形成)と短網(第2紙層形成)からなる
コンビネーション抄紙機により、第1の紙層(多孔性繊
維膜)として繊度1.1デニールのバインダーPET繊
維50重量部と繊度0.4デニールのPET繊維50重
量部の坪量が4.0g/mとなるように、第2の紙層
(多孔性繊維膜補強層)としてのマニラ麻繊維の坪量が
10.0g/mとなるように抄き合わせ積層シートを
得た。 アセタール樹脂 ( 積水化学社製 KS−1) 2.5部 タルク 1.9部 界面活性剤 ( 日光ケミカル社製 SO15U) 0.1部 界面活性剤 (信越化学社製 KF6012) 0.1部 界面活性剤( ジョンソン社製 J711) 0.1部 酢酸エチル 43.0部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶液)2
0.0重量部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁した
エマルション塗布液を得た。これを20℃50%RHの
雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフ
ィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が3.0g
/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂膜を形成し
ロール状に巻き取った。 ポリウレタンアクリレート樹脂 (荒川化学工業社製ビームセット504H) 70.0部 アクリル酸エステルモノマー (東亜合成社製アロニックスM−101) 30.0部 続いて、以上を約80℃で溶融混合を行い、80℃で粘
度1300cpsの電離放射線硬化性接着剤を調整し
た。上記の電離放射線硬化性接着剤を80℃に加熱した
ロールコーターを用い付着量が0.3g/mとなるよ
うに、先に作製した積層シートの第1の紙層(多孔性繊
維膜)の外側表面に延転後塗布し、先に作製したロール
の多孔性樹脂膜面とラミネートを行い、5Mradの電
子線を照射した後、前記積層シートの第1の紙層と第2
の紙層を剥離した。続いて実施例1同様に融着防止剤を
熱可塑性樹脂フィルムの多孔性樹脂膜と反対側の面にバ
ーコーターを用いて塗布・乾燥し本発明の製造方法によ
る感熱孔版印刷用原紙を得た。作製した感熱孔版印刷用
原紙を前記した評価方法にて評価を行った。結果を表1
に示す。
【0078】実施例4 円網(第1紙層形成)と短網(第2紙層形成)からなる
コンビネーション抄紙機により、第1の紙層(多孔性繊
維膜)としてマニラ麻繊維の坪量が5.0g/m とな
るように、第2の紙層(多孔性繊維膜補強層)として繊
度1.5デニールのバインダーPET繊維の坪量が8.
2g/mとなるように抄き合わせ、積層シートを得
た。次いで、該積層シートの抄き合わせ界面で剥離を行
い、2種類の多孔性繊維膜を得た。 ポリビニルブチラール(積水化学社製、BHS) 2.0部 酢酸エチル 18.6部 ソルビタンモノオレエート(東邦化学社製、ソルボンS80) 0.15部 タルク 0.5部 次に、以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶
液)10.0部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁し
たエマルション塗布液を得た。これを20℃50%RH
の雰囲気中で、厚さ1.5μmの2軸延伸ポリエステル
フィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が1.8
g/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂膜を形成
しロール状に巻き取った。 ポリウレタンアクリレート樹脂 (荒川化学工業社製 ビームセット 502H) 100部 続いて、以上を約80℃で加熱溶融し粘度1500cp
sの電離放射線硬化性接着剤を調製した。 上記の電離
放射線硬化性接着剤を80℃に加熱したロールコーター
を用い付着量が0.4g/mとなるように、先に作製
した第二の紙層である多孔性繊維膜の剥離を行った面に
延転後塗布し、先に作製したロールの多孔性樹脂膜面と
ラミネートを行い、5Mradの電子線を照射した。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5部 トルエン 100.0部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂膜と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し乾
燥した後巻取り本発明の製造方法による感熱孔版印刷用
原紙を得た。作製した感熱孔版印刷用原紙を前記した評
価方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
【0079】実施例5 円網(第1紙層形成)と短網(第2紙層形成)からなる
コンビネーション抄紙機により、第1の紙層(多孔性繊
維膜)としてマニラ麻繊維の坪量が10.0g/m
なるように、第2の紙層(多孔性繊維膜補強層)として
繊度1.5デニールのバインダーPET繊維40重量%
と繊度0.2デニールの未延伸PET繊維60重量%を
坪量が1.5g/mとなるように抄き合わせ積層シー
トを得た。 ポリビニルブチラール(積水化学社製、BHS) 2.0部 酢酸エチル 18.6部 ソルビタンモノオレエート(東邦化学社製、ソルボンS80) 0.15部 タルク 0.5部 次に、以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶
液)10.0部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁し
たエマルション塗布液を得た。これを20℃50%RH
の雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステル
フィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が3.0
g/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂膜を形成
しロール状に巻き取った。 ポリウレタンアクリレート樹脂 (荒川化学工業社製 ビームセット 502H) 100部 続いて、以上を約80℃で加熱溶融し粘度1500cp
sの電離放射線硬化性接着剤を調製した。 上記の電離
放射線硬化性接着剤を80℃に加熱したロールコーター
を用い付着量が0.1g/mとなるように、先に作製
した積層シートの第2の紙層(多孔性繊維膜)の外側表
面に延転後塗布し、先に作製したロールの多孔性樹脂膜
面とラミネートを行い、5Mradの電子線を照射した
後、前記積層シートの第1の紙層と第2の紙層を剥離し
た。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5部 トルエン 100.0部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂膜と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し乾
燥した後巻取り本発明の製造方法による感熱孔版印刷用
原紙を得た。作製した感熱孔版印刷用原紙を前記した評
価方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
【0080】 実施例6 ポリビニルブチラール(積水化学社製、BHS) 2.0部 酢酸エチル 18.6部 ソルビタンモノオレエート(東邦化学社製、ソルボンS80) 0.15部 タルク 0.5部 以上を溶解、分散し、これに水(HEC1%溶液)1
0.0部を撹袢しながらゆっくり添加して白濁したエマ
ルション塗布液を得た。これを20℃50%RHの雰囲
気中で、厚さ1.5μmの2軸延伸ポリエステルフィル
ム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が4.7g/m
となるように塗布・乾燥し多孔性樹脂膜を形成しロー
ル状に巻き取った。 ポリウレタンアクリレート樹脂 (荒川化学工業社製 ビームセット 502H) 100部 続いて、以上を約80℃で加熱溶融し粘度1500cp
sの電離放射線硬化性接着剤を調製した。 上記の電離
放射線硬化性接着剤を80℃に加熱したロールコーター
を用い付着量が0.1g/mとなるように、実施例4
にて積層シートを剥離して得られた第一の紙層(多孔性
繊維膜)の剥離面と反対側に延転後塗布し、先に作製し
たロールの多孔性樹脂膜面とラミネートを行い、5Mr
adの電子線を照射した。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5部 トルエン 100.0部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂膜と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し乾
燥した後巻取り本発明の製造方法による感熱孔版印刷用
原紙を得た。作製した感熱孔版印刷用原紙を前記した評
価方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
【0081】 実施例7 ポリビニルブチラール(電気化学工業社製、PVB4000−1)4.0部 メタノール 33.6部 チタン酸カリウム系ウイスカ(大塚化学社製、トフィカY) 0.8部 上記混合液をボールミルにて分散混合し、水2.3部を
ゆっくり撹袢しながら添加して白濁した塗布液を得た。
次にこれを20℃50%RHの雰囲気中で、厚さ1.5
μmの2軸延伸ポリエステルフィルム上にグラビアロー
ルにて乾燥後付着量が1.3g/mとなるように塗布
・乾燥し多孔性樹脂膜を形成しロール状に巻き取った。 ポリウレタンアクリレート樹脂 (荒川化学工業社製 ビームセット 502H) 100部 続いて、以上を約80℃で加熱溶融し粘度1500cp
sの電離放射線硬化性接着剤を調製した。 上記の電離
放射線硬化性接着剤を80℃に加熱したロールコーター
を用い付着量が0.2g/mとなるように、実施例2
にて作製した積層シートの第一の紙層(多孔性繊維膜)
の外側表面に延転後塗布し、先に作製したロールの多孔
性樹脂膜面とラミネートを行い、5Mradの電子線を
照射した後、前記積層シートの第一の紙層と第二の紙層
を剥離した。 シリコーンオイル(信越化学工業社製 SF8422) 0.5部 界面活性剤(第一工業製薬社製 プライサーフA208) 0.5部 トルエン 100.0部 次いで以上の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔
性樹脂膜と反対側の面にバーコーターを用いて塗布し乾
燥した後巻取り本発明の製造方法による感熱孔版印刷用
原紙を得た。作製した感熱孔版印刷用原紙を前記した評
価方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
【0082】比較例1 円網抄紙機により、マニラ麻の坪量が11g/mとな
るように抄紙し多孔性支持体を得た。続いて該多孔性支
持体の一方の面に、100℃に加温したロールコーター
を用いて一液型ウレタン接着剤(武田薬品工業社製
タケネートA260)を塗布量が0.2g/mとなる
ように延転後塗布し、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエ
ステルフィルムとラミネートを行った。塗布時の接着剤
の粘度は約1000cpsであった。次いで実施例同様
の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔性樹脂膜と
反対側の面にバーコーターを用いて塗布し、乾燥した後
巻取り、これを30℃で3日間キュアし従来の感熱孔版
印刷用原紙を得た。作製した感熱孔版印刷用原紙を前記
した評価方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
【0083】比較例2 円網抄紙機により、マニラ麻の坪量が11g/mとな
るように抄紙し多孔性支持体を得た。 ポリビニルブチラール(積水化学社製、BHS) 2.0部 酢酸エチル 18.6部 ソルビタンモノオレエート(東邦化学社製、ソルボンS80 ) 0.15部 タルク 0.5部 次に、以上を溶解、分散し、これに 水(HEC1%溶
液)10.0重量部を撹袢しながらゆっくり添加して白
濁したエマルション塗布液を得た。これを20℃50%
RHの雰囲気中で、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエス
テルフィルム上にグラビアロールにて乾燥後付着量が
2.0g/mとなるように塗布・乾燥し多孔性樹脂膜
を形成しロール状に巻き取った。続いて先に作製した多
孔性支持体の一方の面に、100℃に加温したロールコ
ーターを用いて一液型ウレタン接着剤(武田薬品工業社
製 タケネートA260)を塗布量が0.2g/m
なるように延転後塗布し、先に作製したロールの多孔性
樹脂膜面とラミネートを行った。塗布時の接着剤の粘度
は約1000cpsであった。次いで実施例同様の融着
防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの多孔性樹脂膜と反対側
の面にバーコーターを用いて塗布し、乾燥した後巻取
り、これを30℃で3日間キュアし従来の感熱孔版印刷
用原紙を得た。作製した感熱孔版印刷用原紙を前記した
評価方法にて評価を行った。結果を表1に示す。
【0084】比較例3 円網抄紙機により、繊度1.1デニールのバインダーP
ET繊維50重量部と繊度0.4デニールのPET繊維
50重量部の坪量が10.0g/mとなるように抄紙
し多孔性支持体を得た。 ポリウレタンアクリレート樹脂 (荒川化学工業社製 ビームセット 502H) 100部 続いて、以上を約80℃で加熱溶融し粘度1500cp
sの電離放射線硬化性接着剤を調製した。上記の電離放
射線硬化性接着剤を80℃に加熱したロールコーターを
用い付着量が0.3g/mとなるように延転後塗布
し、厚さ2.0μmの2軸延伸ポリエステルフィルムと
ラミネートを行い、5Mradの電子線を照射した。次
いで実施例同様の融着防止剤を熱可塑性樹脂フィルムの
多孔性樹脂膜と反対側の面にバーコーターを用いて塗布
し従来の感熱孔版印刷用原紙を得た。作製した感熱孔版
印刷用原紙を前記した評価方法にて評価を行った。結果
を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】以上のように、請求項1の感熱孔版印刷
用原紙の製造方法及びその製造方法によれば、目的とし
て掲げた各項目を達成することができる。すなわち、 印刷一枚目より高品質の画像が得られる。 排版時、版に付着するインキ量を低減することができ
る。 多孔性樹脂膜のみでは達成できなかったマスタのコシ
を強くすることができ、その結果搬送性・耐刷性が優れ
る。 印刷裏汚れを少なくできる。 安定して生産を行うことができる。
【0087】請求項2の感熱孔版印刷用原紙の製造方法
によれば、上記請求項1の製造方法と同様の効果が得ら
れるのみならず、積層シートの剥離面側が孔版印刷用原
紙の外側にならないため、積層シートの剥離面の繊維が
脱落して穿孔阻害の原因を引き起こすようなことがな
い。
【0088】請求項3の感熱孔版印刷用原紙の製造方法
によれば、多孔性繊維膜と多孔性繊維膜補強用紙層とを
抄き合わせるため、多孔性繊維膜を安定して製造できる
のみでなく、これを剥離して使用することにより従来得
ることができなかった低坪量の多孔性繊維膜が得られ、
印刷立ち上がりが優れた、また排版時のインキの無駄遣
いがない原紙を得ることができる。
【0089】請求項4の感熱孔版印刷用原紙の製造方法
によれば、坪量を選択するにより比較的低坪量の多孔性
繊維膜同士を抄き合わせることができるため、上述と同
様、印刷立ち上がりが優れ、かつ、排版時のインキの無
駄遣いのない原紙を得ることができる。
【0090】請求項5の感熱孔版印刷用原紙の製造方法
によれば、天然繊維からなる紙層と合成繊維からなる紙
層の抄き合わせであることから、両層の界面の強度は各
紙層内の強度より弱く、層間剥離を容易に行うことがで
きる。
【0091】請求項6の感熱孔版印刷用原紙の製造方法
によれば、インキ通過量の制御に優れた多孔性樹脂膜が
安定して得られる為、ベタ埋りが良く、且つ裏移りの少
ない印刷を行うことができる。
【0092】請求項7の感熱孔版印刷用原紙の製造方法
によれば、多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜との接合が無溶
剤型接着剤によることから、さらにインキ通過性の優れ
た多孔性樹脂膜を形成することができる。
【0093】請求項8の感熱孔版印刷用原紙の製造方法
によれば、多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜との接合が、多
孔性繊維膜に接着剤を塗布した後、多孔性樹脂膜と接合
されることから、接着剤が多孔性樹脂膜の開口部を閉塞
せず、インキ通過性の優れた多孔性樹脂膜を形成するこ
とができる。
【0094】請求項9の感熱孔版印刷用原紙によれば、
多孔性樹脂膜の付着量と多孔性繊維膜の坪量の範囲が限
定されていることで、ベタ埋り、裏移り、印刷立ち上が
りが優れ、また排版時のインキの無駄遣いがない原紙を
得ることができる。
【0095】請求項10の感熱孔版印刷用原紙によれ
ば、多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜との接合が無溶剤型ポ
リウレタン接着剤によることから、インキ通過性の優れ
た多孔性樹脂膜を形成することができるのみでなく、低
付着量で所望の接着強度が得られ、かつまた多孔性繊維
層の伸縮やカール等の発生も抑制することができる。
【0096】請求項11の感熱孔版印刷用原紙によれ
ば、多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜との接合が電離放射線
硬化型接着剤によることから、上記ポリウレタン系接着
剤のキュア時間を短縮することができ、生産性よく感熱
孔版印刷用原紙を製造することができる。
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱孔版印刷用原紙の1製造工程を該
原紙の形成過程で示した断面図である。
【図2】本発明の感熱孔版印刷用原紙の1製造工程を該
原紙の形成過程で示した断面図である。
【図3】本発明の感熱孔版印刷用原紙の1製造工程を該
原紙の形成過程で示した断面図である。
【図4】本発明の別の製造工程の一部を原紙の形成過程
で示した断面図である。
【図5】本発明の別の製造工程の一部を原紙の形成過程
で示した断面図である。
【図6】本発明におけるさらに別の多孔性繊維膜の形成
方法を示す断面図である。
【図7】本発明におけるさらに別の多孔性繊維膜の形成
方法を示す断面図である。
【図8】本発明における多層シートの剥離方法の一例を
示す断面図である。
【図9】本発明の感熱孔版印刷用原紙の一例を示す模式
断面図である。
【図10】本発明の感熱孔版印刷用原紙の他の一例を示
す斜視図である。
【図11】本発明の感熱孔版印刷用原紙の別の一例を示
す模式断面図である。
【図12】本発明の感熱孔版印刷用原紙の更に別の一例
を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 積層シート(2層抄き合わせ) 1A 多孔性繊維膜 1B 多孔性繊維膜補強用紙層 2 熱可塑性樹脂フィルム 3 多孔性樹脂膜 4 感熱孔版印刷用原紙 5 感熱孔版印刷用原紙 6 積層シート(3層抄き合せ) 6A 多孔性繊維膜 6A’ 多孔性繊維膜 6B 多孔性繊維膜補強用紙層 7 積層シート(3層抄き合せ) 7A 多孔性繊維膜 7A’ 多孔性繊維膜 8 水平ロール 9 水平ロール 10 バッキングロール 11 バッキングロール 12 剥離部 13 熱可塑性樹脂フィルム 14 多孔性樹脂膜 14a 多孔性樹脂膜を構成する構成要素中の壁状皮膜 14b 多孔性樹脂膜を構成する構成要 15 接着剤 16 多孔性繊維膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立石 比呂志 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 三村 宜寛 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 −1 東北リコー株式会社内 Fターム(参考) 2H114 AB23 AB24 AB28 BA06 DA43 DA47 DA50 DA52 DA56 DA60 DA61 DA64 DA73 DA76 EA01 EA02 EA03 EA05 EA08 FA14 GA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に、
    多孔性樹脂膜を形成する為の塗布液を塗布・乾燥し多孔
    性樹脂膜を形成する工程と、二層以上の湿紙を抄き合わ
    せた後、乾燥されてなる積層シートの少なくとも一方の
    外表面側を前記多孔性樹脂膜面に接合させる工程と、該
    積層シートの層間を剥離する工程とを含むことを特徴と
    する感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に、
    多孔性樹脂膜を形成する為の塗布液を塗布・乾燥し多孔
    性樹脂膜を形成する工程と、二層以上の湿紙を抄き合わ
    せた後、乾燥されてなる積層シートを剥離する工程と、
    該積層シートを剥離して得られる多孔性繊維膜の剥離面
    と前記多孔性樹脂膜を接合させる工程とを含むことを特
    徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の感熱孔版印刷用原
    紙の製造方法において、前記二層以上の積層シートが少
    なくとも多孔性繊維膜と多孔性繊維膜補強用紙層とから
    なることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の感熱孔版印刷用原
    紙の製造方法において、前記二層以上の積層シートがい
    ずれも多孔性繊維膜からなることを特徴とする感熱孔版
    印刷用原紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の感熱孔版印刷用原
    紙の製造方法において、前記多孔性繊維膜と多孔性繊維
    膜補強用紙層との積層シート、又は多孔性繊維膜同士の
    積層シートが、天然繊維からなる紙層と合成繊維からな
    る紙層の抄き合わせであることを特徴とする感熱孔版印
    刷用原紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 多孔性樹脂膜がW/O型樹脂エマルジョ
    ンを塗布乾燥して形成するか、又は親溶媒に樹脂を溶解
    し、該親溶媒より沸点の高い貧溶媒を添加し、塗布乾燥
    して親溶媒を先に蒸発させて貧溶媒リッチにし樹脂を析
    出させて多孔性樹脂膜を形成する事を特徴とする請求項
    1、請求項2記載の感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    感熱孔版印刷用原紙の製造方法において、前記多孔性繊
    維膜と多孔性樹脂膜との接合が無溶剤型接着剤によるこ
    とを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の感熱孔版印刷用原紙の製
    造方法において、前記多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜との
    接合が、多孔性繊維膜に接着剤を塗布した後、多孔性樹
    脂膜と接合することを特徴とする感熱孔版印刷用原紙の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 多孔性樹脂膜の乾燥後の付着量が0.5
    〜5.0g/m、多孔性繊維膜の坪量が1〜10g/
    の範囲である事を特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7又は8記載の製造方法により得られる感
    熱孔版印刷用原紙。
  10. 【請求項10】 多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜との接合
    が、無溶剤型ポリウレタン接着剤であることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の製造
    方法により得られる感熱孔版印刷用原紙及び請求項9記
    載の感熱孔版印刷用原紙。
  11. 【請求項11】 多孔性繊維膜と多孔性樹脂膜との接合
    が、電離放射線硬化型接着剤であることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の製造方法
    により得られる感熱孔版印刷用原紙及び請求項9記載の
    感熱孔版印刷用原紙。
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