JP2002290092A - 耐熱性電磁波吸収体 - Google Patents

耐熱性電磁波吸収体

Info

Publication number
JP2002290092A
JP2002290092A JP2001093613A JP2001093613A JP2002290092A JP 2002290092 A JP2002290092 A JP 2002290092A JP 2001093613 A JP2001093613 A JP 2001093613A JP 2001093613 A JP2001093613 A JP 2001093613A JP 2002290092 A JP2002290092 A JP 2002290092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic wave
rubber
wave absorber
matrix
acrylic rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001093613A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Endo
博司 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP2001093613A priority Critical patent/JP2002290092A/ja
Publication of JP2002290092A publication Critical patent/JP2002290092A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軟磁性金属の粉末をゴムのマトリクス中に分
散させてなる電磁波吸収体において、アクリルゴムを使
用した場合と同等以上の高い耐熱性を有する電磁波吸収
シートを、加硫を行なわずに実現した製品を提供する。 【解決手段】 マトリクスとなるゴムとして、エチレン
アクリルゴムまたはそれにアクリルゴムを75phr以
下配合した混合物を使用する。この電磁波吸収シートは
製造時に加硫処理を行なわなくても十分な強度を有し、
従ってコストが安いだけでなく、リサイクル可能であ
る。カレンダー加工性が高いから、厚さ精度の高い電磁
波吸収シートが製造でき、吸収ピーク周波数を設計どお
りにすることが容易である。難燃性が要求される場合
は、たとえば臭素系難燃剤を添加することによって、所
望の難燃規格に合格する製品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性が高く、1
20℃における使用に耐え、しかもリサイクル可能性を
有する電磁波吸収体に関する。本発明はまた、耐熱性お
よびリサイクル可能性とともに、高い難燃性をそなえた
電磁波吸収体にも関する。
【0002】
【従来の技術】各種電子機器類において、外部から来る
ノイズ電磁波の干渉を防いだり、外部への電磁波の放射
を抑制する必要があるため、種々の電磁波シールドが行
なわれている。その中で、簡易であり普遍性がある手段
として好まれているものは、軟磁性金属の粉末をゴムま
たはプラスチックのマトリクスの中に分散させた複合材
料を、シートそのほか任意の形状に成形してなる電磁波
吸収体を使用することである。軟磁性金属の粉末として
は、センダスト、パーマロイ、Fe−Cr−Al合金な
どのアトマイズ粉末が使用され、マトリクス材料として
は塩素化ポリエチレンゴムが、成形性のよさと、それ自
体がもつある程度の難燃性を買われて、好んで用いられ
ている。
【0003】ところが、塩素化ポリエチレンを材料とす
る製品は、廃棄物となったときに焼却処理すると、有害
なダイオキシンを発生する原因となる。環境への影響を
考えると、ハロゲンを含有しないマトリクスを使用した
電磁波吸収体が望ましい。ハロゲンを含有しないゴム状
材料としては、シリコーンゴムがあるものの、金属粉末
と混合したときの成形性が低く、シリコーンゴムに対し
て多量の粉末を充填することはできないから、所望の特
性をもった電磁波吸収体を得ることが困難である。
【0004】この種の電磁波吸収体に対する今ひとつの
要求は、耐熱性である。最近の電子回路の高集積化に伴
って、電子装置の発熱量が増大し、温度が上昇する傾向
がある。そのため必然的に、電磁波吸収体もまた、耐熱
性を向上させる努力がなされている。ITSなどの電磁
波利用技術が自動車に適用される見通しであり、電気自
動車の普及をも考え合わせると、電磁波吸収体が使用さ
れる環境は、今後いっそう高温になることが避けられな
い。上記したゴムのほかにも、ハロゲンを含有しないゴ
ムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
DM)やアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
などがあるが、これらのゴムは、耐熱性の要求に応える
ことができない。
【0005】発明者は、耐熱性を有し、かつ、廃棄され
焼却処理されたときに、有害なダイオキシンを発生しな
い電磁波吸収体を提供することを意図して研究し、軟磁
性体粉末に対するマトリクス材料としてアクリルゴムを
使用するとよいことを見出して、「ハロゲンフリー電磁
波吸収体」としてすでに提案した(特願2000−11
6884)。ハロゲンフリー電磁波吸収体に対して所望
の難燃性を与えるためには、難燃剤として、水酸化アル
ミニウムおよび(または)水酸化マグネシウムを添加す
る。
【0006】アクリルゴムは、未架橋の状態では強度が
低く、これをマトリクスとする電磁波吸収体は実用性が
低いので、イオウのような加硫剤にステアリン酸塩のよ
うな加硫促進剤を加えてシートに加工する。しかし、架
橋工程はそれに応じたコストを必要とするし、いったん
架橋してしまうと、リサイクル可能性が失われる。も
し、架橋を要しないで十分な強度を出せるマトリクス材
料があれば、コストの低減とリサイクル性の確保が実現
する。
【0007】シート状の電磁波吸収体の製造に関して、
シートの厚さは周波数特性を左右する重要な因子であ
り、とくに高周波領域ではその傾向が強い。それゆえ、
とくにピーク吸収周波数が所望の値に合致した製品を得
るためには、製品シート厚を設計どおりに加工すること
が肝要である。架橋剤を添加しないゴムであれば、カレ
ンダー加工が容易であって、シート厚を精密にコントロ
ールできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の基本的な目的
は、軟磁性金属の粉末をゴムのマトリクス中に分散させ
てなる電磁波吸収体において、架橋工程を行わず、した
がって低減されたコストで、またリサイクル性を確保し
たままで、通常の使用条件からみて十分に高い耐熱性を
有する製品を提供することにある。
【0009】本発明の付随的な、しかし実用上重要な目
的は、上記の耐熱性を有する電磁波吸収体において、必
要に応じた難燃性を達成した製品を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の基本的
な目的を達成する、高い耐熱性を有する電磁波吸収体
は、軟磁性金属の粉末をゴムのマトリクス中に分散させ
てなる電磁波吸収体において、マトリクスとなるゴムと
してエチレンアクリルゴムを使用したことを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施形態】マトリクスとなるゴムとしては、エ
チレンアクリルゴム単独のほか、エチレンアクリルゴム
と未架橋のアクリルゴムとの混合物も使用できる。この
場合、未架橋のアクリルゴムの割合は、最大で75ph
rまで可能である。
【0012】本発明の付随的な目的を達成する、高い耐
熱性とともに所望の程度に応じた難燃性を有する電磁波
吸収体は、上記の、軟磁性金属粉末をエチレンアクリル
ゴム中に、またはエチレンアクリルゴムと未架橋のアク
リルゴムとの混合物中に分散させた電磁波吸収体に、臭
素系難燃剤、代表的にはヘキサブロモベンゼンを、30
〜130phr添加したものである。
【0013】本発明の耐熱性電磁波吸収体は、その意図
するところの高い耐熱性を実現することと、必要に応じ
た難燃性を達成することとに対してマイナスでない限
り、その他の添加剤、たとえば後記する実施例で使用す
る酸化防止剤、滑剤などを、任意に加えることができ
る。そのほか、軟磁性金属の粉末について、材質の選
択、粉末の製造法、粉末の粒度、形状、そしてマトリク
スゴムとの混練およびシート製造などは、この種の電磁
波吸収体の製造に関して既知の技術に従って実施すれば
よい。
【0014】
【実施例】[実施例1および2および比較例1]Fe−
13Cr合金の溶湯を水噴霧し、平均粒径10μmの球
状粉末を得た。これをアトライターで処理し、厚さ1〜
2μm、粒径10〜30μmのフレーク状粉末とした。
この軟磁性金属粉末を、マトリクス材料であるエチレン
アクリルゴム(三井デュポンケミカル製の「ベイマッ
ク」)または、それとアクリルゴム(トウペ製の「トア
アクロン」)との混合物に対し、難燃剤などとともに、
表1に示す処方(重量部)で配合した。カレンダロール
によりシート化して、厚さ1.0mmの電磁波吸収シート
を製造した。加硫は行なわなかった。
【0015】[比較例1および2]比較のため、マトリ
クスとしてアクリルゴムだけを用いた場合(比較例1)
および塩素化ポリエチレン(昭和電工製「エラスレ
ン」)を用いた場合(比較例2)についても、同様な条
件で配合して、電磁波吸収シートに成形した。この場合
も加硫は行なわなかった。配合比を、表1にあわせて示
す。
【0016】 表1 (phr) 成 分 材 質 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 軟磁性金属(Fe-13Cr)粉末 1180 1180 1180 1240 エチレンアクリルゴム 100 35 − − アクリルゴム − 65 100 − 塩素化ポリエチレンゴム − − − 100 難燃剤(ヘキサブロモベンゼン) 70 70 70 100 酸化防止剤「ナウガード445」 2 2 2 − 耐熱安定剤 − − − 5滑 剤(ステアリン酸) 1 1 1 −
【0017】実施例1および2、ならびに比較例1の製
品電磁波吸収シートについて、引張り特性、硬さおよび
難燃性(UL規格94に定める垂直燃焼試験)を試験し
た。その結果を、表2に掲げる。
【0018】表 2特性 実施例1 実施例2 比較例1 引張り特性 強度(kgf/cm) 35.7 18.7 5.9 伸び(%) 25 15 15 硬さ 91 90 79難燃性 V0相当 V0相当 V0相当
【0019】比較例1はマトリクス材料としてアクリル
ゴムを単独で使用したものであるが、加硫を行なってい
ないため強度が不足で、実用性に乏しい。
【0020】耐熱性を調べるため、実施例1,2および
比較例1の製品電磁波吸収シートをギヤオーブンに入
れ、温度125℃または150℃に、75時間または2
50時間にわたって保持することにより促進老化させ
た。比較例2の製品は、90℃に保持した。老化後の伸
びおよび硬さを調べた。
【0021】耐熱性のひとつの尺度として、下の式で定
義される「伸びの残留率」を考え、伸びの残留率=(老
化後の伸び/老化前の伸び)×100(%)時間の経過
に伴う変化を、図1のグラフに示した。耐熱性のもうひ
とつの尺度として、下の式で定義される「硬さの変化」
を考え、 硬さの変化=老化後の硬さ−老化前の硬さ やはり時間の経過に伴う変化を、図2のグラフに示し
た。
【0022】図1および図2のデータから、本発明の実
施例1および2の電磁波吸収シートは、125℃老化後
も、十分実用に耐える耐熱性を有することがわかる。比
較例1すなわちアクリルゴムを用いた場合は、硬くなっ
てしまうこと、また比較例2の塩素化ポリエチレンを用
いたものは、耐熱性がないこともわかる。
【0023】実施例2の製品について、0.1〜10G
Hzの周波数領域において透磁率の周波数特性を測定し
て、図3のグラフを得た。このグラフによれば、数GH
zまでμ'の値が高いから、ノイズ抑制性能の高い電磁
波吸収シートであるということができる。電磁波吸収性
能を直接示すデータとして、同じ製品(厚さ1.0mm)
について反射減衰を、0.1〜20GHzの周波数領域
において測定した。結果は、図4のグラフのとおりであ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明の耐熱性電磁波吸収体は、軟磁性
金属の粉末を分散させるマトリクス材料として、エチレ
ンアクリルゴムまたはエチレンアクリルゴムにアクリル
ゴムを配合したものを使用したことにより、アクリルゴ
ムを単独で使用するときには必要な加硫処理を行なわな
くても、十分な強度が得られ、かつアクリルゴムと同等
以上の耐熱性が実現する。
【0025】加硫を行なわないということは、工程がひ
とつ不要になることであって、製造コストが安くなる
が、それだけでなく、シートの製造に当たってカレンダ
ー加工が容易にでき、厚さの精度が高いシートが得られ
るから、吸収のピークが設計どおりである電磁波吸収シ
ートを、容易に製造できることをも意味する。
【0026】難燃剤を添加した態様に従う電磁波吸収体
は、UL垂直燃焼試験法のV0規格を満たす高い難燃性
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例および比較例で製造した電磁
波吸収シートの老化試験のデータであって、ギヤオーブ
ン中、種々の温度で75時間または250時間保持した
ときの「伸びの残留率」を、時間の経過とともに示した
グラフ。
【図2】 図1に結果を示した老化試験の別のデータで
あって、「硬さの変化」を、時間の経過とともに示した
グラフ。
【図3】 本発明の実施例2の電磁波吸収シートが示す
透磁率を、0.1〜10GHzの周波数領域において測
定したグラフ。
【図4】 本発明の実施例2の電磁波吸収シートが示す
反射減衰を、0.1〜20GHzの周波数領域において
測定したグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性金属の粉末をゴムのマトリクス中
    に分散させてなる電磁波吸収体において、マトリクスと
    なるゴムとしてエチレンアクリルゴムを使用したことを
    特徴とする耐熱性電磁波吸収体。
  2. 【請求項2】 軟磁性金属の粉末をゴムのマトリクス中
    に分散させてなる電磁波吸収体において、マトリクスと
    なるゴムとして、エチレンアクリルゴムと未架橋のアク
    リルゴムとの混合物であって、未架橋のアクリルゴムの
    割合が混合物の75%以下であるものを使用したことを
    特徴とする耐熱性電磁波吸収体。
  3. 【請求項3】 臭素系難燃剤を30〜130phr添加
    して難燃性を高めた請求項1または2の耐熱性電磁波吸
    収体。
  4. 【請求項4】 臭素系難燃剤としてヘキサブロモベンゼ
    ンを使用した請求項3の耐熱性電磁波吸収体。
JP2001093613A 2001-03-28 2001-03-28 耐熱性電磁波吸収体 Pending JP2002290092A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001093613A JP2002290092A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 耐熱性電磁波吸収体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001093613A JP2002290092A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 耐熱性電磁波吸収体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002290092A true JP2002290092A (ja) 2002-10-04

Family

ID=18947927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001093613A Pending JP2002290092A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 耐熱性電磁波吸収体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002290092A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007037494A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-05 Nitta Corporation シート体、アンテナ装置および電子情報伝達装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007037494A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-05 Nitta Corporation シート体、アンテナ装置および電子情報伝達装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6712989B1 (en) Composite magnetic body and electromagnetic interference suppressing body using the same
JP2000026696A (ja) 難燃性耐摩耗性樹脂組成物
JP2009278137A (ja) 電磁波吸収材料
JP2002290092A (ja) 耐熱性電磁波吸収体
JPH08302202A (ja) 難燃性ポリマー組成物
JP2003324299A (ja) ハロゲンフリーな難燃性電磁波抑制シートおよびその製造方法
JPH08302209A (ja) 難燃性ポリマー組成物
JP2001308583A (ja) ハロゲンフリー電磁波吸収体
JPH0676644A (ja) 薄肉難燃絶縁電線
JP7264617B2 (ja) ゴム組成物
JP3641797B2 (ja) 電磁干渉抑制体
KR101786245B1 (ko) 전자파 차폐 기능을 갖는 차음재 조성물, 및 이를 이용한 전자파 차폐 차음재
JP2003243879A (ja) ハロゲンフリーな難燃性電磁波吸収体
JP6889042B2 (ja) 鉄道車両用緩衝ゴム用ゴム組成物
CN115087824A (zh) 密封垫
JP2628748B2 (ja) ノンハロゲン系難燃性樹脂発泡体
JP2003165908A (ja) 難燃性電波吸収体
JP2004127980A (ja) 非ハロゲン型難燃性電波吸収体
JP2019073662A (ja) 鉄道車両用緩衝ゴム用ゴム組成物
JP4004206B2 (ja) 電磁干渉抑制体の製造方法
JP2002050506A (ja) 電波吸収体
JP2886244B2 (ja) 発泡体用難燃性樹脂組成物
JP2000228304A (ja) 耐熱性を有する可撓性磁性シート
JP2012028576A (ja) 難燃性ノイズ抑制シート
JP2005332914A (ja) 難燃性に優れた電波吸収体