JP2003324299A - ハロゲンフリーな難燃性電磁波抑制シートおよびその製造方法 - Google Patents

ハロゲンフリーな難燃性電磁波抑制シートおよびその製造方法

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JP2003324299A JP2002129588A JP2002129588A JP2003324299A JP 2003324299 A JP2003324299 A JP 2003324299A JP 2002129588 A JP2002129588 A JP 2002129588A JP 2002129588 A JP2002129588 A JP 2002129588A JP 2003324299 A JP2003324299 A JP 2003324299A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟磁性粉末をゴムのマトリクス中に分散させ
てシート状に成形してなる電磁波抑制シートにおいて、
通常所望されるレベルの電磁波吸収性能を有し、難燃性
は高いレベルに達しているが、ハロゲンフリーであるこ
と、を要求される用途に使用する電磁波抑制シートと、
その製造方法を提供すること。 【解決手段】 ゴム(A)のマトリクス中に軟磁性材料の
粉末(B)を分散させるとともに難燃剤(C)を添加してな
り、塗工法により製造した難燃性電磁波抑制シートにお
いて、難燃剤(C)として、水酸化アルミニウムもしくは
水酸化マグネシウム(C1)、またはメラミンおよびメラ
ミン誘導体の一方もしくは両方(C2)を使用したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンフリーで
あって、焼却処理をしたときにダイオキシンを発生する
おそれがなく、かつ、高度の難燃性を備えている電磁波
抑制シートとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電子機器類において、外部から来
るノイズ電磁波の干渉を防いだり、外部への電磁波の放
射を抑制したりする必要があるため、種々の電磁波シー
ルドが行なわれている。その中で、簡易であり普遍性が
ある手段として好まれているものは、軟磁性金属の粉末
をゴムまたはプラスチックのマトリクスの中に分散させ
た複合材料を、通常はシートの形状に成形してなる電磁
波抑制体を使用することである。軟磁性金属の粉末とし
ては、センダスト、パーマロイ、Fe−Cr合金、Fe
−Cr−Al合金などのアトマイズ粉末、とくにそれを
アトライター処理により扁平化したものが使用され、マ
トリクス材料としては塩素化ポリエチレンゴムが、成形
性のよさと、それ自体がもつある程度の難燃性を買われ
て、好んで用いられている。
【0003】ところが、塩素化ポリエチレンを材料とす
る製品は、廃棄物となったときに焼却処理すると、有害
なダイオキシンを発生する原因となる。環境への影響を
重視すると、この種のハロゲン含有有機物質は、近い将
来、使用が許されされなくなるか、少なくとも使用でき
る局面にかなり制約が加えられると考えられる。
【0004】従って、電磁波吸収体においても、ハロゲ
ンを含有しないマトリクスを使用しなければならない。
ハロゲンを含有しないゴム状材料としては、シリコーン
ゴムがあるものの、金属粉末と混合したときの成形性が
低く、シリコーンゴムに対して多量の粉末を充填するこ
とはできないから、所望の電磁波抑制性能をもったシー
トを得ることが困難である。
【0005】そのほかにハロゲンを含有しないゴムとし
ては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPDM)
やアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などが
あるが、これらは、難燃性をもたせようとしたとき、難
燃化剤としてはハロゲン化合物を使用せざるを得ず、そ
れ以外の難燃化剤で難燃化することは困難である。
【0006】この種の電磁波抑制体に対するもうひとつ
の要求は、耐熱性である。最近の電子回路の高集積化に
伴って、電子装置の発熱量が増大し、温度が上昇する傾
向がある。そのため必然的に、電磁波抑制体もまた、耐
熱性を向上させる努力がなされている。ITSなどの電
磁波利用技術が自動車に適用される見通しであり、電気
自動車の普及をも考え合わせると、電磁波抑制体が使用
される環境は、今後いっそう高温になることが避けられ
ない。耐熱性の要求に対して、EPDMやNBRは、応
えることができない。
【0007】発明者は、ハロゲンフリーであり、ある程
度の耐熱性も有する、難燃性の電磁波抑制体を開発し
て、すでに開示した(特開2001−308583)。
そのハロゲンフリー電磁波抑制体は、軟磁性金属の粉末
をゴムのマトリクス中に分散させてなる電磁波抑制体に
おいて、マトリクスとなるゴムとしてアクリルゴムを使
用したことを特徴とするものである。この電磁波抑制体
において難燃性を備えたものは、難燃剤として、水酸化
アルミニウムおよび(または)水酸化マグネシウムを5
0〜500phr添加したことを特徴とするものであ
る。
【0008】水酸化アルミニウムも水酸化マグネシウム
も、その難燃化作用は、火焔に接したときに脱水反応を
起こし、それが吸熱反応であることに基づき温度が低下
する現象を利用するものである。このため、十分な難燃
効果を得ようとすると、難燃剤を多量に添加しなければ
ならず、そのことが加工性の低下を招くという問題があ
る。
【0009】研究を続けた発明者は、難燃剤として、メ
ラミンおよびその誘導体が有効であること、また、これ
らに難燃助剤として、赤リンおよびポリリン酸アンモニ
ウムの一方または両方(D)、ならびにペンタエリスリト
ール、デキストリンおよびポリ酢酸ビニルの1種または
2種以上(E)を添加することが効果的であることを見出
し、これも提案した(特願2002−40926)。
【0010】電磁波抑制体の電磁波吸収性能に対する要
求が高くなるにつれて、その製造技術が再検討された。
性能を決定する要素は電磁波抑制体の透磁率であって、
それは、軟磁性粉末の透磁率、粉末の形状とくに扁平の
度合い、および粉末の充填率により左右される。主とし
てシートの形で使用される電磁波抑制体は、軟磁性粉末
をゴムやプラスチックのマトリクス材料に混練し、ロー
ル圧延により成形されることが多かったが、この方法に
よるときは、製造過程で軟磁性粉末に大きな応力がかか
り、歪みが生じて透磁率が低下してしまうため、その粉
末が本来もっている性能を発揮できないという弱点があ
る。
【0011】そこで、軟磁性粉末に対してほとんど応力
をかけることなくシートの製造ができる手段として、塗
工法が採用されるようになった。塗工法は、マトリクス
材料であるゴムなどを適宜の溶媒に溶解した溶液を用意
し、そこへ軟磁性粉末を添加して分散液とし、これを基
材上に塗布して塗膜を乾燥させ、得られたシートを基材
上から回収する、という技術である。塗工法によるとき
は、軟磁性粉末が本来有する透磁率をほとんど低下させ
ることなく利用できるが、溶剤の気化に伴って製品シー
ト中に気孔が生じ、粉末充填率が高くできないこと、ま
た、性能上好ましい扁平な粉末は、シート中での配向が
十分行なわれないこと、などの弱点もあるから、加熱加
圧して充填率と配向性を改善する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電磁
波抑制体が、通常所望されるレベルの電磁波吸収性能を
有していて、難燃性は高いレベルに達しているが、ハロ
ゲンフリーであること、を要求される用途があることに
かんがみ、そうした用途に使用する電磁波抑制シートを
提供すること、および、その電磁波抑制シートの製造方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の、ハロゲンフリ
ーな難燃性電磁波抑制シートは、ゴム(A)のマトリクス
中に軟磁性材料の粉末(B)を分散させるとともに難燃剤
(C)を添加してなり、前記した塗工法により製造した難
燃性電磁波抑制シートにおいて、難燃剤(C)として、水
酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウム(C1)、
またはメラミンおよびメラミン誘導体の一方もしくは両
方(C2)を使用したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施形態】各構成成分の配合は、ゴム(A)を基
準にして示せばつぎの割合が適切である。 ゴム(A):100重量部 軟磁性粉末(B):500〜1500重量部 難燃剤(C) 水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム(C1):
330〜550重量部 メラミンまたはメラミン誘導体(C2):
220〜550重量部
【0015】上記の配合割合において、軟磁性材料の粉
末(B)の配合量の下限500重量部は、電磁波吸収性能
を得る上で通常必要な最小の粉末量であり、上限150
0重量部は、分散液を基材上に塗布する上で添加可能な
最大の粉末量である。難燃剤の量は、後記する実施例で
行なうUL−94垂直難燃性試験において、V0の難燃
性を達成するために必要な添加量である。
【0016】難燃性電磁波抑制シートのマトリクス材料
とするゴム(A)は、任意のものを選択できるが、耐熱性
を要求される用途に向ける場合は、アクリルゴムと総称
されるグループのゴムが適切である。具体的には、アル
キルアクリレート重合体、エチレン−アルキルアクリレ
ート共重合体およびエチレン−酢酸ビニル−アルキルア
クリレート相互重合体から選んだゴムを使用する。これ
らのゴムは、加硫しても、しなくても使用できる。加硫
する場合は、適宜の加硫剤や、加硫促進剤などの助剤を
加える。前記の配合条件を満たす範囲内であれば、他の
フィラーとして、炭酸カルシウム、タルク、クレー、ホ
ワイトカーボン、カーボンブラックなどを添加してもよ
い。
【0017】軟磁性材料の粉末(B)としては、軟磁性金
属の扁平な粉末が好適であって、それにより、電磁波吸
収体としての性能が高く得られる。扁平な度合いは、下
記の式で定義される「扁平度」にして、10以上あるこ
とが好ましい。 扁平度=平均径/平均厚さ ただし、平均径=(長径+短径)/2 平均厚さ=(最大厚さ+最小厚さ)/2 このような扁平粉は、溶湯アトマイズ法により製造した
金属粉末を、アトライターまたはボールミルで処理し
て、扁平化することにより得られる。
【0018】難燃剤(C)としては、前記のように、水酸
化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウム(C1)、メ
ラミンおよびメラミン誘導体の一方または両方(C2)が
使用できるが、前者はより多量の添加を必要とし、それ
にともなって、ゴム溶液−軟磁性粉末−難燃剤の分散液
の加工性、とくに塗工性が低下するから、後者の使用が
有利である。メラミン誘導体としては、メラム、メレ
ム、メロン、硫酸メラミン、メラミンシアヌレートまた
はポリリン酸メラミンを挙げることができる。
【0019】メラミンおよびメラミン誘導体の一方また
は両方(C2)を難燃剤(C)として使用した場合、前述の
ように、難燃助剤として、赤リンおよびポリリン酸アン
モニウムの一方または両方(C3)、ならびにペンタエリ
スリトール、デキストリンおよびポリ酢酸ビニルの1種
または2種以上(C4)を併用すると有効であることは、
さきに提案した発明のハロゲンフリーな電磁波抑制体と
同じである。つまり、本発明の電磁波抑制シートにおい
ては、難燃剤(C)として、C2の単独使用、C2+C3
用、およびC2+C3+C4併用の諸態様があり得る。
【0020】難燃助剤を使用する場合、その配合割合
は、つぎの範囲から選択するとよい。 メラミンまたはメラミン誘導体(C2):100重量部に
対し、 赤リンまたはポリリン酸アンモニウム(C3):20〜5
0重量部 ペンタエリスリトール、デキストリンまたはポリ酢酸ビ
ニル(C4):10〜50重量部
【0021】本発明で、難燃剤としてメラミンまたはそ
の誘導体を使用する場合、さらに難燃助剤をも使用する
場合、それらが示す難燃効果の機構は、それぞれつぎの
とおりであると考えられる。 メラミンおよびその誘導体:熱により分解して、NO2
などの窒素系ガスを放出する。それが酸素濃度を低くす
ることで燃焼が防止される。 赤リンおよびポリリン酸アンモニウム:ポリマー物質の
表面に緻密な炭化層を形成することにより、表面を不燃
化させる。 ペンタエリスリトール、デキストリンおよびポリ酢酸ビ
ニル:発泡剤の存在下にリン系の物質と反応して発泡炭
化層を生成し、これが断熱作用をして内部温度の上昇を
防ぎ、燃焼の継続を防ぐ。ここでは、メラミンまたはそ
の誘導体が発泡剤の作用をする。
【0022】本発明のハロゲンフリーな難燃性電磁波抑
制シートは、ハロゲンを含有しないことと、所望の難燃
性を実現することに対して不利益でない限り、その他の
添加剤、たとえば後記の実施例で挙げる、耐久性を高め
るための老化防止剤や、加工性を良好にするための滑剤
などを、任意に加えることができる。
【0023】上述の難燃性電磁波抑制シートを製造する
本発明の方法は、ゴム(A)100重量部を溶媒に溶解
し、その溶液に、軟磁性材料の粉末(B)500〜150
0重量部と、難燃剤(C)220〜550重量部とを加え
て均一に分散させ、その分散液を基材上に塗布し、塗膜
を乾燥させたのち、得られたシートを回収することから
なる。ゴムを溶解する溶媒は、乾燥後のシートには存在
しないから、その量はシートの特性に直接の影響を与え
ない。したがって、分散液の塗布に適した粘度となるよ
うに、その量をえらべばよい。
【0024】この方法で製造した難燃性電磁波抑制シー
トは、前述のように、そのままでは軟磁性粉末の充填率
が低かったり、扁平な軟磁性粉末の配向度が低かったり
するから、これらを改善するために、加熱加圧を行なう
ことが望ましい。すなわち、上記の方法により製造され
た難燃性電磁波抑制シートを、1枚または2枚以上重ね
て、加熱下に、面に対して垂直な方向に加圧すること工
程を付加することである。加熱加圧は、プレス装置また
は圧延ロールを使用して実施できる。温度は、ゴムが劣
化しない限度で高い方が好ましい。アクリルゴムであれ
ば、170℃近辺が適当である。圧力は、30kg/cm2
上あれば効果がある。
【0025】塗工法により製造すると、得られる電磁波
抑制シートの厚さは、100μm程度である。実用され
るシートの厚さは、数十μmから数mmとさまざまであ
り、厚いものが必要な場合は、2枚以上を重ねて接着す
るか、上記の加熱加圧により貼り合わせる。
【0026】
【実施例】下記の材料を用意した。 軟磁性粉末:センダスト(Fe−9.5Si−5Al合
金)の溶湯をガス噴霧し、得られた粉末をアトライター
で扁平化処理したのち、800℃×1時間の焼鈍処理を
したもの。厚さ1〜2μm、粒径15〜30μmの扁平
粉。 ゴム溶液:エチレンアクリルゴム「べーマックG」(三
井デュポンケミカル製のエチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体)100重量部を、トルエン1538重量部
に溶解したもの。 難燃剤:水酸化アルミニウム「ハイジライト」(昭和電
工製)およびメラミン。
【0027】[実施例1〜6および比較例1]表1に示
す割合(重量部)になるように、軟磁性粉末、ゴム溶液
および難燃剤を配合し、得られた分散液を、基材として
用いたポリエステルフィルムの上に塗布した。塗布厚さ
は、ドクターブレードにより0.2mmに調整した。塗膜
を自然乾燥させたのち、基材から引き剥がして回収し
た。得られたシートは、厚さが約0.1mmであった。
【0028】表 1
【0029】これらのシートの一部を15枚重ねてプレ
ス装置に入れ、温度170℃、圧力2トン/cmでプレ
スした。厚さ0.8mmの一体になったシートを得た。
【0030】プレス処理の前後において、難燃性電磁波
抑制シートの難燃性を評価した。評価は、UL94が定
める垂直式試験法に従い、 t1:10秒間の第一接炎後、燃焼した時間(秒) t2:10秒間の第二接炎後、燃焼した時間(秒) を測定し、サンプル各5個うちの最大値をとって合計し
た。その値が10秒に達しない場合は、難燃性V0が達
成できたとした。評価のデータを、表2に示す。表2に
は、軟磁性粉末の配合量を容積%であらわした数値、お
よび難燃剤の配合量をphrであらわした数値を、あわ
せて示した。
【0031】表 2
【0032】実施例4〜6の電磁波抑制シートであっ
て、プレス処理をする前のものについて、周波数100
KHz〜100MHz(0.1〜100MHz)の領域
において、電磁波吸収性能の尺度となる、比透磁率の実
部(μ’)を測定した。その結果を図1のグラフに示
す。さらに、実施例1および実施例4〜6の電磁波抑制
シートであって、プレス処理をした後のものについて、
同じく周波数100KHz〜100MHzの領域におい
て、比透磁率の実部(μ’)を測定した。その結果を図
2のグラフに示す。
【0033】図1(プレス前)のデータによれば、この
電磁波抑制シートは1MHz以下の低周波数領域から数
10MHzの高周波領域に至るまで、μ’にして、20
〜25から約15までの値を維持している。図2(プレ
ス後)のデータは、同じ周波数領域において、μ’の値
が25〜40から20〜25の範囲にあることを示して
いる。両者を対比すると、プレスにより透磁率が増大
し、電磁波抑制シートとしての性能が向上することが認
められる。
【0034】[比較例2および3]軟磁性粉末として実
施例と同じセンダスト扁平粉末を、また、ゴムとして実
施例と同じエチレンアクリルゴム「ベーマックG」を使
用し、難燃剤メラミンとともに、表3に示す配合(重量
部)で、従来の混練−ロール圧延の方法で、厚さが1.
0mmの電磁波抑制シートに成形した。これらのシートに
ついても実施例と同じ難燃性評価を行なった。その結果
を、表3に併せて示す。比較例2および3についても、
実施例と同じく、比透磁率の実部(μ’)を測定した。
得られたグラフを、図3に示す。
【0035】表 3
【0036】表3および図3によれば、比較例2は、難
燃性においてV0を達成したが、透磁率は低く、電磁波
抑制シートとしての性能は不満足である。比較例3は、
それより透磁率が高いが、難燃性はV1に止まった。比
較例2より3の方が、難燃剤の添加量は多いが、軟磁性
粉末が多量であることを考えると、相対的に難燃剤の濃
度は低いことになるのが、このような成績になった理由
と解される。
【0037】
【発明の効果】本発明のハロゲンフリーな難燃性電磁波
抑制シートは、シートの製造技術として塗工法を採用し
たから、軟磁性粉末が本来持つ高い透磁率を加工工程で
損なうことなく発揮させることができ、したがって、シ
ートに要求される電磁波吸収性能が通常のレベルであれ
ば、相対的に少ない量の軟磁性粉末を存在させることで
も、その要求を満たすことができ、多量の難燃剤を添加
して、高度の難燃性すなわちUL94においてV0規格
を満たす、高い難燃性をシートに与えることができる。
【0038】ハロゲンフリーであるということは、使用
済みとなった電磁波抑制シートを焼却処理しても、ダイ
オキシンが発生する原因とならない。ゴムとして耐熱性
の高いアクリルゴムを使用すれば、広い温度範囲(連続
使用可能な温度が140〜160℃)にわたって使用可
能な電磁波抑制シートが製造できる。このようにして本
発明の電磁波抑制シートは、電子機器の小型化・高密度
化の要請に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のデータであって、実施例4
〜6の電磁波抑制シート(プレス処理前)の、周波数領
域0.1〜100MHzにおける比透磁率の実部
(μ’)の値を実測して得たグラフ。
【図2】 本発明の実施例のデータであって、実施例1
および4〜6の電磁波抑制シート(プレス処理後)の、
周波数領域0.1〜100MHzにおける比透磁率の実
部(μ’)の値を実測して得たグラフ。
【図3】 本発明の比較例のデータであって、比較例2
および3の電磁波抑制シートの、周波数領域0.1〜1
00MHzにおける比透磁率の実部(μ’)の値を実測
して得たグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA15X AA33X AA76 AB12 AB17 AC12 AE07 AE14 AF41 BB02 BC01 4J002 BB061 BG041 DA057 DC006 DE077 DE147 EU187 FD137 FD206 5E321 BB33 BB53 GG11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム(A)のマトリクス中に軟磁性材料の
    粉末(B)を分散させるとともに難燃剤(C)を添加してな
    り、塗工法により製造した難燃性電磁波抑制シートにお
    いて、難燃剤(C)として、水酸化アルミニウムもしくは
    水酸化マグネシウム(C1)、またはメラミンおよびメラ
    ミン誘導体の一方もしくは両方(C2)を使用したことを
    特徴とするハロゲンフリーな難燃性電磁波抑制シート。
  2. 【請求項2】 ゴム(A)が、アルキルアクリレート重合
    体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体およびエ
    チレン−酢酸ビニル−アルキルアクリレート相互重合体
    から選んだものであり、難燃剤(C)が、メラミンおよび
    メラミン誘導体の一方または両方(C2)である請求項1
    の難燃性電磁波抑制シート。
  3. 【請求項3】 難燃剤(C)としてメラミンおよびメラミ
    ン誘導体の一方または両方(C2)を使用し、これに、難
    燃助剤として、赤リンおよびポリリン酸アンモニウムの
    一方または両方(C3)、ならびにペンタエリスリトー
    ル、デキストリンおよびポリ酢酸ビニルの1種または2
    種以上(C4)を、C2単独、C2+C3の併用またはC2
    3+C4の併用の形で添加した請求項1の難燃性電磁波
    抑制シート。
  4. 【請求項4】 軟磁性材料の粉末(B)が、軟磁性金属の
    扁平な粉末である請求項1の難燃性電磁波抑制シート。
  5. 【請求項5】 ゴム(A)100重量部に対し、難燃剤
    (C)を220〜550重量部配合した請求項1の難燃性
    電磁波抑制シート。
  6. 【請求項6】 ゴム(A)100重量部を溶媒に溶解し、
    その溶液に、軟磁性材料の粉末(B)500〜1500重
    量部と、難燃剤(C)220〜550重量部とを加えて均
    一に分散させ、その分散液を基材上に塗布し、塗膜を乾
    燥させたのち、得られたシートを回収することからなる
    難燃性電磁波抑制シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法により製造された
    難燃性電磁波抑制シートを、1枚または2枚以上重ね
    て、加熱下に、面に対して垂直な方向に加圧することに
    より、粉末充填率を高めるとともに扁平な軟磁性粉末の
    配向を改善する工程を付加した難燃性電磁波抑制シート
    の製造方法。
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