JP2012028576A - 難燃性ノイズ抑制シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノイズ抑制効果に優れ、かつ難燃性に優れたノイズ抑制シートを提供すること
【解決手段】 扁平状軟磁性粉末、高分子バインダー、金属水酸化物を混合した複合磁性体からなるノイズ抑制シートであって、前記扁平状軟磁性粉末はアスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が15以上、90以下であり、前記高分子バインダーは熱可塑性高分子バインダーであり、前記金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのいずれか一方を少なくとも含み、前記複合磁性体の配合比は、前記扁平状軟磁性粉末が58mass%以上、68mass%以下、前記高分子バインダーが7mass%以上、17mass%以下、金属水酸化物が15mass%以上、30mass%以下であり、前記複合磁性体をシート状に成形した前記ノイズ抑制シートの充填率(実比重/理論比重)が80%以上、100%以下であることを特徴とする難燃性ノイズ抑制シートとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複合磁性体からなるノイズ抑制シートに関する。
近年、携帯情報端末などのデジタル電子機器をはじめ高周波を利用する電子機器類の普及が進んでいる。これらの機器は、小型化・高性能化が求められ、内部の電子部品は高密度実装がなされている。このため、電磁波を放射するICなどの電磁波放射部品が組み込まれた電子機器においては、電磁波ノイズによる電磁波障害や干渉の抑制が課題となっている。
一方、電子機器は電源部や高周波で駆動する回路において、構成材料については、難燃性が要求されることが増えてきている。
さらに環境への負荷を軽減するために、ハロゲン系の材料を使用せずに難燃性を得る方法として、たとえば、特許文献1には、アクリルゴムのマトリクス中に、軟磁性材料の粉末を分散させてなる電磁波吸収体において、難燃剤ないし難燃助剤として、メラミンおよびメラミン誘導体の一方または両方を含むハロゲン系の材料を含まない難燃性電磁波吸収体が開示されている。また、特許文献2に記載の電磁干渉抑制体では、ハロゲン系の材料を含まない材料で難燃性を得ている。
特開2003−243879号公報 特開2009−88237号公報
特許文献1に記載の電磁波吸収体の実施例として開示されている電磁波吸収シートでは、難燃性についての特定がなされているのみで、ノイズ抑制効果の向上に不可欠な磁性粉末の充填率向上の検討については記載されていない。
また特許文献2に記載の電磁干渉抑制体では、人体への影響や、環境への負荷が懸念されるアンチモン系の材料を用いている。水酸化マグネシウムを使用して、難燃性を得ているものも開示されているが、水酸化マグネシウム単体では難燃性の効果が充分得られていない。
製品として要求される難燃規格を得ている難燃性ノイズ抑制シートとは、自己消火性を具えたものであり、これらの難燃性を得るために、赤リンやリン系のリン酸エステルを併用している。一方、近年では、赤リンは高温高湿の条件下においてイオンマイグレーションによりノイズ抑制シートの絶縁性が低下する恐れがあるなどの問題で、リン系の材料を用いないことが求められている。
従って本発明は、ノイズ抑制効果に優れ、かつ難燃性に優れ、イオンマイグレーションへの対策を行ったノイズ抑制シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、扁平状軟磁性粉末、高分子バインダー、金属水酸化物を混合した複合磁性体からなるノイズ抑制シートであって、前記扁平状軟磁性粉末はアスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が15以上、90以下であり、前記高分子バインダーは熱可塑性高分子バインダーであり、前記金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのいずれか一方を少なくとも含み、前記複合磁性体の配合比は、前記扁平状軟磁性粉末が58mass%以上、68mass%以下、前記高分子バインダーが7mass%以上、17mass%以下、金属水酸化物が15mass%以上、30mass%以下であり、前記複合磁性体をシート状に成形した前記ノイズ抑制シートの充填率(実比重/理論比重)が80%以上、100%以下であることを特徴とする難燃性ノイズ抑制シートである。理論比重とは、ノイズ抑制シートに空隙(ボイド、エアー)が無いとした場合の比重である。すなわち、配合する材料自体の比重を基に、配合比によって計算されたノイズ抑制シートの比重のことである。ここで、粉末の材料自体の比重は、粒子間に隙間の無いタップ密度100%の場合の比重とする。
また、本発明によれば、前記高分子バインダーは50mass%以上がエチルアクリレートである単量体を重合したアクリルゴムであって、ガラス転移温度が−30℃以上であることを特徴とする難燃性ノイズ抑制シートである。なお、アクリルゴムには側鎖にエポキシ基を有するのがより望ましい。
また、本発明によれば前記複合磁性体の配合比は、前記扁平状磁性粉末が62mass%以上、68mass%以下、前記高分子バインダーが7mass%以上、13mass%以下、前期金属水酸化物が15mass%以上、26mass%以下であり、前記金属水酸化物の割合は前記水酸化マグネシウムが50%以上、100%以下である難燃性ノイズ抑制シートである。
また、本発明によれば前記複合磁性体における前記扁平状軟磁性粉末は、平均粒径が45μm以上、105μm以下であり、前記金属水酸化物の粒径が0.1μm以上、2μm以下である難燃性ノイズ抑制シートである。
本発明によれば、ノイズ抑制効果に優れ、優れた自己消火性を有する難燃性ノイズ抑制シートを提供することができる。
本発明のノイズ抑制シート用の複合磁性体は扁平状軟磁性粉末、高分子バインダー、金属水酸化物からなる。これらの構成物は環境負荷を考慮して、ハロゲン系の材料やアンチモン系の材料、リン系の材料を含有しない。さらにイオンマイグレーションなどの反応性を抑えるために、赤リンも含有せず構成される複合磁性体である。
まず、本発明の構成材料について説明する。
本発明で用いる磁性粉末としては、特に限定されないが、軟磁性材料から構成される軟磁性粉末が好ましい。このような軟磁性材料から構成される軟磁性粉末としては、特に限定されないが、例えば、磁性ステンレス(Fe−Cr−Al−Si系合金)、センダスト(登録商標)等のFe−Si−Al系合金、パーマロイ(Fe−Ni系合金)、ケイ素銅(Fe−Cu−Si系合金)、Fe−Si系合金、Fe−Si−B(−Cu−Nb)系合金、Fe−Ni−Cr−Si系合金、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Si−Al−Ni−Cr系合金、Mo−Ni−Feやアモルファス合金等が挙げられる。このような軟磁性粉末は1種単独でも、または複数種組み合わせて用いても良い。
本発明の扁平状Fe−Si−Al合金粉末の平均粒径は45μmから105μmである。また、Fe−Si−Al合金粉末は粉末の表面に数nm〜数10nm程度の酸化被膜を有している。また、平均粒径/平均厚さで表したアスペクト比が15〜90である。
高分子バインダーは、ゴム、エラストマー、樹脂があるが、リサイクル性のある熱可塑性樹脂がよく、好ましくはEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリルゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリウレタンがよい。特にアクリルゴムは耐熱性が良好であり、扁平状軟磁性粉末と金属水酸化物へ配合することで高い充填性が得られる。さらにガラス転移温度が−30℃以上となる、50mass%以上がエチルアクリレートである単量体を重合したアクリルゴムの場合、より柔軟性にも優れ、成形加工性がよく、扁平状軟磁性粉末と金属水酸化物へ配合することでより高い充填性が得られる。さらに、本アクリルゴム組成物の側鎖にエポキシ基を有することで、極性を有することにより、さらに高い充填性が得られる。
金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムの少なくともいずれかを用いることで難燃性を付与することができる。
金属水酸化物は、水酸化マグネシウムを50mass%以上含有すれば難燃性がより向上する。さらに、金属水酸化物の粒径を0.1μmから2μmとすることで良好な成形性を得ることができる。
難燃性ノイズ抑制シートを構成する複合磁性体は、高分子バインダーを100重量部としたときに、優れたノイズ抑制効果を得るために、扁平状軟磁性粉末を400重量部、好ましくは500重量部を添加する必要がある。さらに、難燃性を得るためには、これらの配合に加えて、金属水酸化物を150重量部以上、好ましくは200重量部以上を添加する。
従来技術では、高い透磁率特性を得るために、高分子バインダー100重量部に対して、扁平状軟磁性粉末を400重量部から好ましくは500重量部以上添加し、さらに難燃性を確保するために、金属水酸化物を150重量部以上、好ましくは200重量部以上を添加するといった概念はなく、難燃性と高透磁率の両立は実現できていなかった。
本発明の難燃性ノイズ抑制シートは、上述した本発明の難燃性ノイズ抑制シート用複合磁性体をシート状に成形してなるものである。
本発明の難燃性ノイズ抑制シートの製造方法は特に限定されないが、たとえば、以下の方法により製造することができる。すなわち、まず、扁平状軟磁性粉末、高分子バインダー、金属水酸化物、さらに溶剤を配合して低粘度化されたものを、シート状に成形する。
次いで、シート状に成形した難燃性ノイズ抑制シート用複合磁性体を加熱することで溶剤を除去し、シート形状を固定化することにより製造することができる。または、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することもができる。また、加熱工程は、加熱プレス成形によって行ってもよい。
このようにして得られる本発明のノイズ抑制シートは、透磁率が高く、優れたノイズ抑制効果を有するものである。そのため、本発明のノイズ抑制シートは、このような特性を活かし、不要輻射対策、内部干渉対策、RFID通信品質改善、ESD対策、SAR対策などに好適に用いることができる。
以上述べたように、本発明によって、ハロゲン系の材料、アンチモン系の材料、赤リンおよびリン系材料を適用せず、金属水酸化物を用いて難燃性を得た難燃性ノイズ抑制シートが提供できる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。また、試験、評価は下記による。
透磁率は、インピーダンスマテリアルアナライザーを用いて、1ターン法で行った。
比重は、厚さ0.1mmとした難燃性ノイズ抑制シートを用いて、アルキメデス法で測定した。充填率は、実比重/理論比重から算出した。
難燃性は、難燃規格UL94Vの垂直燃焼試験によりシートの自己消火性である難燃特性を評価した。測定方法はUL94Vに準拠した。
(実施例1)
アクリルゴム(A1)100重量部を、トルエン900重量部に溶解することで、アクリルゴムのトルエン溶液を調製した。そして、アクリルゴムのトルエン溶液1000重量部、長径60μmでアスペクト比60のFe−Si−Al系合金であるセンダスト(登録商標)磁性粉末454重量部と水酸化マグネシウム(平均粒径3μm)を108重量部と水酸化アルミニウム(平均粒径3μm)を108重量部を混合して、難燃性ノイズ抑制シート用複合磁性体を調製した。これらは、実施の形態のため重量部で示したが、配合量の比率とした場合は、表1に示したように、アクリルゴム(A1)は13mass%、水酸化マグネシウム(平均粒径3μm)は、14mass%、水酸化アルミニウム(平均粒径3μm)は14mass%、扁平状軟磁性粉末は59mass%である。
そして、上記にて得られた難燃性ノイズ抑制シート用複合磁性体を用いて、基材上に塗布した後に、110℃、10分の条件で乾燥することによりトルエンを除去して、厚さ0.1mmの難燃性ノイズ抑制シートを作製した。そして、得られたノイズ抑制シートについて、上述の方法に従い、難燃性、比重および、透磁率の評価を行った。結果を表1に示す。
難燃性は良好で、1試料当たりの最大燃焼時間は13秒であった。比較例1、比較例2、比較例3も難燃性は良好であるが、難燃性ノイズ抑制シートの充填率が40%と低く、透磁率がμ’=30と低くなっている。これに対して、実施例1では透磁率がμ’=70と高くなって改善できている。
比較例1、2、3は高分子バインダー100重量部、センダスト(登録商標)磁性粉末454重量部、水酸化マグネシウム54重量部、赤リン38重量部、窒素系難燃剤69重量部を混合して、難燃性ノイズ抑制シート用複合磁性体を調製した結果である。実施例1と比べて充填率が低く、透磁率も低い。高分子バインダーとして比較例1ではEVA、比較例2では、NBR、比較例3ではアクリルゴムを用い、比較例3では透磁率が改善されているが、それでも難燃性ノイズ抑制シートの充填率が50%であり、透磁率がμ’=35と低い。これは、赤リンの粒径が10μmであることや窒素系難燃剤を均一に分散させることは困難であり、充填性が低下したためと考えられる。
これに対して、比較例4では赤リンや窒素系難燃剤を用いず、水酸化マグネシウムのみを適用した。そうすると難燃性は低下して、自己消火性は無く、厚み0.3mmでの試料は燃焼した。難燃性は厚さ0.025mm〜0.3mm程度製品で特に求められており、厚みが厚くなると難燃規格での自己消火性を満足することが難しくなる。扁平状軟磁性粉末量は73mass%であるにもかかわらず、難燃性ノイズ抑制シートの充填率が60%であり、透磁率は40であった。
一方、本発明では、高分子バインダー100重量部に対して、金属水酸化物を200重量部以上も添加することで、難燃性と高透磁率の両立を実現することができている。このように金属水酸化物を過剰に添加すると、軟磁性粉末を高い充填率で添加することができる。従来技術からは難燃性ノイズ抑制シートに金属水酸化物を過剰に添加すると、高分子バインダーの配合比が低下し成形できない配合と予想されるが、本発明によれば、その予想に反した結果が得られている。
Figure 2012028576
(実施例2)
高分子バインダーの構成として、実施例1よりも多い70mass%がエチルアクリレートである単量体を重合したアクリルゴム(A2)を用いた。
実施例1と同様にアクリルゴム(A2)100重量部を、トルエン900重量部に溶解することで、アクリルゴムのトルエン溶液を調製した。そして、アクリルゴムのトルエン溶液1000重量部、長径60μmでアスペクト比60のFe−Si−Al系合金であるセンダスト(登録商標)磁性粉末454重量部と水酸化マグネシウム(平均粒径3μm)を108重量部と水酸化アルミニウム(平均粒径3μm)を108重量部を混合して、難燃性ノイズ抑制シート用複合磁性体を調製した。
そして、上記にて得られた難燃性ノイズ抑制シート用複合磁性体を用いて、実施例1と同様に基材上に塗布した後に、110℃、10分の条件で乾燥することによりトルエンを除去して、厚さ0.1mmの難燃性ノイズ抑制シートを作製した。そして、得られた難燃性ノイズ抑制シートについて、上述の方法に従い、難燃性、比重および、透磁率の評価を行った。結果を表1に示した。
難燃性は実施例1と同等であるが、さらに充填率が4%向上し、透磁率μ’=75と向上した。
(実施例3)
高分子バインダーの構成として、エチルアクリレートを70mass%で共重合したアクリルゴムに対して、側鎖にエポキシ基を導入したアクリルゴム(A3)を用いた。
実施例1と同様に難燃性ノイズ抑制シートを作製した。結果を表1に示した。難燃性は12秒であり、充填率が85%に向上し、透磁率μ’=78と実施例2よりも向上した。
(実施例4)
表1に示した配合で、実施例1と同様に難燃性ノイズ抑制シートを作製した。結果は、難燃性が9秒と実施例3よりも改善した。これは使用した金属水酸化物の全量に対して、水酸化マグネシウムを67%用いたことによると考えられる。
(実施例5)
表1に示した配合で、実施例1と同様に難燃性ノイズ抑制シートを作製した。結果は、難燃性が8秒と実施例4よりも改善した。これは使用した金属水酸化物の全量に対して、水酸化マグネシウムを100%用いたことによると考えられる。さらに改善できた効果として、充填率が90%となり、透磁率μ’が82に改善した。
(実施例6)
表1に示した配合で、実施例1と同様に難燃性ノイズ抑制シートを作製した。結果は、難燃性が7秒と改善した。これは金属水酸化物の水酸化マグネシウムの平均粒径を1μmのものを使用したことによると考えられる。さらに改善できた効果として、充填率が93%となり、透磁率μ’が86に改善した。
金属水酸化物の平均粒径を0.1μmから7μmとした場合の実施例6A、6B、6C、6D、6E、6F、6Gを表2に示す。いずれも結果は良好である。とりわけ実施例6、実施例6D、実施例6E、実施例6Fの結果が良好であることがわかる。このことは、金属水酸化物の平均粒径の好ましい範囲が、0.1μmから2μmであることを示している。
一方で、同じように金属水酸化物の平均粒径を0.1μmから7μmとして、高分子バインダーをEVAに変更した場合の実施例6’、6A’、6B’、6C’、6D’、6E’、6F’を表3に示す。表3の結果から、高分子バインダーとしてエチルアクリレートを70mass%で共重合したアクリルゴムを用いることが本発明においては優れていることを再確認できるが、同時に金属水酸化物の平均粒径が、特に0.1μmから2μmの範囲で優れた特性を示す傾向は高分子バインダーが異なる場合も同様である。
Figure 2012028576
Figure 2012028576
(実施例7)
表1に示した配合で、実施例1と同様に難燃性ノイズ抑制シートを作製した。結果は、難燃性が3秒と大幅に改善した。これは金属水酸化物の水酸化マグネシウムを用い、平均粒径が1μmの水酸化マグネシウムを不飽和脂肪酸で表面を処理して使用したことによると考えられる。さらに改善できた効果として、充填率が95%となり、透磁率μ’が90に改善した。
一方で、金属水酸化物の平均粒径を0.1μmから7μmとした場合の実施例7A、7B、7C、7D、7E、7Fを表4に示す。表4の結果から、金属水酸化物の平均粒径が、特に0.1μmから2μmの範囲で優れた特性を示す傾向が水酸化マグネシウムを不飽和脂肪酸で表面を処理して使用した場合も同様である。
Figure 2012028576
以上に示したように、本発明により高分子バインダー100重量部に対して、扁平状軟磁性粉末を400重量部、好ましくは500重量部以上添加した上に、金属水酸化物を200重量部以上添加して、ノイズ抑制シートを作製することができる。
本発明によって、環境への負荷の少ない難燃剤のみを用い、イオンマイグレーションへの対策を強化した、難燃性と優れたノイズ抑制効果を実現することができる、周波数3MHzで透磁率60以上となる高透磁率かつ難燃性のノイズ抑制シートの提供が可能となる。

Claims (5)

  1. 扁平状軟磁性粉末、高分子バインダー、金属水酸化物を混合した複合磁性体からなるノイズ抑制シートであって、前記扁平状軟磁性粉末はアスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が15以上、90以下であり、前記高分子バインダーは熱可塑性高分子バインダーであり、前記金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのいずれか一方を少なくとも含み、前記複合磁性体の配合比は、前記扁平状軟磁性粉末が58mass%以上、68mass%以下、前記高分子バインダーが7mass%以上、17mass%以下、金属水酸化物が15mass%以上、30mass%以下であり、前記複合磁性体をシート状に成形した前記ノイズ抑制シートの充填率(実比重/理論比重)が80%以上、100%以下であることを特徴とする難燃性ノイズ抑制シート。
  2. 前記高分子バインダーは50mass%以上がエチルアクリレートである単量体を重合したアクリルゴムであって、ガラス転移温度が−30℃以上であることを特徴とする請求項1記載の難燃性ノイズ抑制シート。
  3. 前記高分子バインダーは側鎖にエポキシ基を有するアクリルゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性ノイズ抑制シート。
  4. 前記複合磁性体の配合比は、前記扁平状磁性粉末が62mass%以上、68mass%以下、前記高分子バインダーが7mass%以上、13mass%以下、前期金属水酸化物が15mass%以上、26mass%以下であり、前記金属水酸化物の割合は前記水酸化マグネシウムが50%以上、100%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ノイズ抑制シート。
  5. 前記複合磁性体における前記扁平状軟磁性粉末は、平均粒径が45μm以上、105μm以下であり、前記金属水酸化物の粒径が0.1μm以上、2μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ノイズ抑制シート。
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