JP2002290012A - 金属回路パターン形成方法 - Google Patents
金属回路パターン形成方法Info
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Abstract
度が高くかつ金属回路の線間絶縁抵抗が高い金属回路パ
ターン形成方法を提供するものである。 【解決手段】 ポリイミド基材1上にポリイミド樹脂前
駆体層2を形成し、その上に感光性樹脂3を塗布し、感
光性樹脂3を露光・現像して金属回路形成部5のポリイ
ミド樹脂前駆体層2が露出された樹脂パターンマスク4
を形成し、次いで、水素供与体7の存在下に紫外線8を
照射し、メッキ下地核を形成した後、無電解メッキ処理
によるメッキ下地金属層形成工程と、メッキ下地金属層
9上に金属回路部5を形成するメッキ処理、樹脂パター
ンマスク4の剥離処理、ポリイミド樹脂前駆体層2をポ
リイミド樹脂層にするイミド化処理、非金属回路部6の
ポリイミド樹脂前駆体層2またはポリイミド樹脂層の除
去処理からなる金属回路形成工程とを有する。
Description
ト基板、CSP(Chip Scale Packag
e)、ハードディスクドライブ用基板およびビルトアッ
プ多層基板などに用いられるポリイミド基材に、金属回
路パターンを形成する方法に関するものである。
属回路パターンを形成する場合は、接着剤を用いて銅箔
をポリイミドフィルム基材に張り付けた銅張りポリイミ
ド基材に、フォトレジストを塗布し、露光・現像処理後
に銅箔をエッチングする方法が用いられている。
厚いために、エッチングに時間がかかり、特に、微細な
配線を形成する場合には、配線の先端部が削られて断線
が起こりやすいため、確実な微細配線の形成が困難であ
るという問題があった。
題を解決するために、銅箔の膜厚が薄いスパッタ方式で
得られた薄膜銅張ポリイミド基材にアディティブ法で金
属配線回路を形成する方法も考案されている。また、芳
香族ポリアミック酸溶液を塗布した基材に加熱処理を施
す特開平2−296392号公報記載の銅ポリイミド多
層基板の製造方法や、紫外線を照射することにより金属
錯体の触媒活性を失活させる特開平6−77626号公
報記載のめっき回路形成方法などが提案されている。
リイミド多層基板の製造方法は、ポリイミド樹脂前駆体
溶液を基板上に塗布した後、乾燥、加熱処理を経てポリ
イミド層を形成し、そのポリイミド層の表面に直接金属
メッキを施す方法である。
ック基板のめっき回路形成方法は、基材の表面に触媒金
属錯イオンを含有する触媒処理液を付着させ、次いで形
成すべき回路パターンを有する樹脂パターンマスクを用
いて基板表面に紫外線を照射して、紫外線照射部分の触
媒活性を失活させ、その後基板を無電解めっき浴中に浸
漬して紫外線の非照射部分にめっき回路を形成する方法
である。
2号公報記載の銅ポリイミド多層基板の製造方法におい
ては、ポリイミド樹脂前駆体溶液を基板上に塗布した
後、乾燥、加熱処理を経てポリイミド層を形成し、その
ポリイミド層の表面に直接金属メッキを施す方法であ
り、この方法ではメッキがポリイミド基材の極く表面に
限定され、金属回路部がポリイミド基材に対してアンカ
ー効果が得られないため基材と金属回路部の密着強度が
極めて低かった。
セラミック基板のめっき回路形成方法は、基材の表面に
触媒金属錯イオンを含有する触媒処理液を付着させ、次
いで形成すべき回路パターンを有する樹脂パターンマス
クを用いて基板表面に紫外線を照射して、紫外線照射部
分の触媒活性を失活させ、その後基板を無電解めっき浴
中に浸漬して紫外線の非照射部分にめっき回路を形成す
る方法であるが、この方法では上記触媒処理液は触媒金
属のイオンを錯化可能なカルボン酸基を含有する錯化剤
溶液が、基材に吸着されているだけであるため、形成さ
れた金属回路の精度や密着強度が低いという問題があっ
た。
配線回路形成においてみられるような金属配線部の細線
化や断線がなく、かつ、従来のアディティブ法に比べ金
属とポリイミドとの密着力が高い金属回路パターン形成
方法を提供するものである。
めに、本発明においては、請求項1に記載のようにポリ
イミド基材上にパラジウム化合物を含有するポリイミド
樹脂前駆体溶液を塗布・乾燥させてポリイミド樹脂前駆
体層を形成し、前記ポリイミド樹脂前駆体層上に感光性
樹脂を塗布し、前記感光性樹脂を露光・現像して金属回
路形成部のポリイミド樹脂前駆体層が露出された樹脂パ
ターンマスクを形成し、次いで、水素供与体の存在下に
おいて前記樹脂パターンマスクを介して紫外線を照射し
メッキ下地核を形成した後、無電解メッキ処理によりメ
ッキ下地金属層を形成する下地金属層形成工程と、前記
メッキ下地金属層上に金属回路部を形成するメッキ処
理、前記ポリイミド樹脂前駆体層を加熱イミド化してポ
リイミド樹脂層にするイミド化処理、前記樹脂パターン
マスクを剥離する剥離処理、非金属回路部のポリイミド
樹脂前駆体層またはポリイミド樹脂層を除去する除去処
理からなる金属回路形成工程とを有するようにしてい
る。
イミド基材と同質であるポリイミド樹脂層にアンカー状
に入り込んだ構成になっており、メッキ下地金属層のア
ンカー効果によって金属回路とポリイミド基材の密着強
度が高くなる。
アミック酸、ポリアミック酸の誘導体の少なくともいず
れか一方からなるポリイミド樹脂前駆体ワニスにパラジ
ウム化合物がに分散し、かつ前記パラジウム化合物と前
記ポリイミド樹脂前駆体とが錯体を形成している溶液を
用いる。
アセトン錯体が使用されることが多く、水素供与体とし
ては、水、アルコールまたはアルコール水溶液が使用さ
れる。また、金属回路部以外に存在する錯体を含有する
ポリイミド樹脂前駆体層およびポリイミド樹脂層は、ア
ルカリ金属水酸化物とアミン化合物の水溶液かまたは過
マンガン酸アルカリ金属塩水溶液で除去される。金属回
路部以外のパラジウム化合物を含有するイミド化された
ポリイミド樹脂を取り除くことにより線間の絶縁抵抗に
優れた金属回路パターンを形成することができる。
パターン形成方法の第1の実施形態を示したものであ
る。
含有するポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布・乾燥させて
ポリイミド樹脂前駆体層2を形成し、ポリイミド樹脂前
駆体層2上に感光性樹脂3を塗布し(図1(a))、感
光性樹脂3を露光・現像処理して金属回路形成部5のポ
リイミド樹脂前駆体層2が露出された樹脂パターンマス
ク4を形成する(図1(b))。
水溶液などの水素供与体7の存在下において樹脂パター
ンマスク4を介して紫外線8を照射して、パラジウム化
合物中のパラジウムイオンをパラジウム金属に還元する
ことによりメッキ下地核を形成し(図1(c))、無電
解メッキ処理によりメッキ下地金属層9を形成する(図
1(d))。
9上に所定の膜厚みの金属回路部10を形成する(図1
(e))。
(図1(f))、さらに、非金属回路部6のポリイミド
樹脂前駆体層2を除去し(図1(g))、真空中または
窒素雰囲気中で400℃に加熱してポリイミド樹脂前駆
体層3をポリイミド樹脂層にイミド化する(図1
(h))ことにより、金属回路パターン形成する。
ンマスク4の剥離が困難になるので、樹脂パターンマス
ク4を剥離した後にイミド化を行うことが望ましく、ま
た、非金属回路部6のポリイミド樹脂前駆体層2の除去
をメッキ処理による金属回路部10の形成前に行うと、
ポリイミド樹脂前駆体層2の除去を行う際にメッキ下地
金属層9が剥離する場合があるので、非金属回路部6の
ポリイミド樹脂前駆体層2の除去は、メッキ処理後に行
うのが好ましい。
は、非熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹
脂があり、例えば、ピロメリット酸無水物(PMDA)
とオキシジアニリン(ODA)からなるポリイミド、ビ
フェニルテトラカルボン酸無水物(BTDA)とp−フ
ェニレンジアミン(PDA)からなるポリイミドおよび
これらのモノマーの共重合体、芳香族テトラカルボン酸
無水物と分子中に−O−、−CO−、−Si−等の屈曲
基を持った芳香族ジアミン等からなる熱可塑性ポリイミ
ド、さらには脂環式カルボン酸無水物との共重合体など
の溶剤可溶型熱可塑性ポリイミドなどがあげられ、これ
らのポリイミド基材は電子部品材料分野では主にフィル
ム状基板として使用される。
ドと同じモノマー成分から得られたポリアミック酸ワニ
スおよび又は分子中に感光性基を含有するポリアミック
酸ワニスや、溶剤可溶型ポリイミドワニスを使用するこ
とができ、前記ワニス中にパラジウム化合物が均一に分
散し、かつその一部が表面に露出した構造になっている
ことが重要である。ワニスとしては、例えば、東レ
(株)の“トレニース”ワニスや“フォトニース”ワニ
ス、宇部興産(株)の“U−ワニス”などがあげられ、ポ
リイミド樹脂前駆体ワニスと溶剤可溶型ポリイミドワニ
スを混合使用することもできる。溶剤可溶型ポリイミド
ワニスとしては新日鉄化学製熱可塑性ポリイミドワニス
“SPI−200N”などがある。なお、溶剤可溶型ポ
リイミドワニスを使用する場合は、ポリイミド樹脂前駆
体ワニスと混合して使用するのが好ましい。
有機カルボニル錯体があり、錯体を構成する有機カルボ
ニル化合物としては、アセチルアセトン錯体やジベンゾ
イルメタン錯体などのβ―ジケトン類、アセト酢酸エチ
ルなどのβ―ケトカルボン酸エステル、EDTA錯体、
蓚酸錯体などがある。特に、アセチルアセトン錯体は入
手が容易なことや有機溶媒への溶解性や熱安定性などの
点から好ましい。
前駆体の溶媒であるn−メチル2―ピロリジノン(以下
NMPと略す)やNN’−ジメチルアセトアミド(DM
Ac)に溶解したあと、ポリイミド樹脂前駆体ワニスに
均一に混合・溶解され、例えば、スピンコーターやバー
コーター、更には、スクリーン印刷などを使ってポリイ
ミド基材の上に薄膜層として塗布され、有機カルボニル
錯体の熱分解温度以下、通常は150℃以下の温度で乾
燥される。乾燥後のポリイミド樹脂前駆体層の膜厚は通
常0.1〜10μmであり、また、ポリイミド樹脂前駆
体層中の錯体濃度は0.1〜10重量%程度である。ス
クリーン印刷法はポリイミド基材上にフォトリソなどの
工程を経ずに直接配線や接続バンプなどを形成するのに
好ましい。
ランプや紫外線レーザー発生装置から放射される波長4
50nm以下(2.75ev以上のエネルギー)の光が
有効であり、特に370nm以下の紫外線が有効であ
り、254nm以下の紫外線が特に有効である。紫外線
ランプとしては市販の低圧水銀灯を使用することができ
るが、その他、レーザー発生器などであっても良い。
外線照度計UV−02で測定した場合、500〜150
00mJ/cm2程度のエネルギーが必要であり、特
に、1500〜9000mJ/cm2程度が好ましい。
紫外線照射量が500mJ/cm2以下になるとパラジ
ウム化合物のパラジウムイオンがパラジウム金属に完全
に還元されない場合があり、15000mJ/cm2以
上になるとポリイミド樹脂前駆体層が損傷する場合があ
る。紫外線照射量が1500〜9000mJ/cm2の
場合、パラジウムイオンがパラジウム金属に安定して還
元される。
時間は、紫外線の照射強度によって異なるが、通常の紫
外線ランプの照射時間は1分〜20分間程度、レーザー
発生装置からの紫外線照射の場合は、照射時間は60秒
以内である。
にアルコール水溶液などがあるが、特に、上述の紫外線
波長域に紫外線吸収があまりなく、ポリイミド樹脂前駆
体層の表面と適度な濡れ性を有するアルコール水溶液が
好んで用いられる。なお、金属イオンを金属に還元する
反応は、酸素があると反応が阻害されるので、照射時は
酸素(空気)を遮断することが好ましい。
イミド基材を浸漬させた状態で行うが、水素供与体が水
の場合は、外部から水分を供給しながら紫外線を照射す
ることや、ポリイミド樹脂前駆体層に水分を十分に吸着
させて紫外線を照射することは可能である。
を促進するために、金属とポリイミドとの密着性などに
殊更の悪影響がない限り、増感剤を添加することは可能
である。
浴としては、特に制限されないが、金属イオンに対する
バリア性とポリイミド樹脂前駆体の耐薬品性(耐アルカ
リ性)から考えて通常は中性から弱酸性の次亜りん酸塩
系やジメチルアミノボラン系のニッケルメッキ浴が好ん
で用いられる。また、電解メッキ浴には通常の電解銅メ
ッキや電解ニッケルメッキ浴などを用いることができ
る。
樹脂層を除去する薬液としては、アルカリ金属水酸化物
とアミン化合物からなるポリイミドエッチング液や過マ
ンガン酸アルカリ金属塩水溶液が使用できる。
は、残存させるポリイミド樹脂前駆体層に与える損傷を
低減させるため、水分の少ない薬液が好ましく、たとえ
ば、アルカリ金属水酸化物とアミン化合物が各25%以
上、特に各30%以上含まれている状態でエッチングを
行うことが好ましい。例えば25%以上のアルカリ金属
水酸化物とアミン化合物が含有されている東レエンジニ
アリング(株)製のエッチング液“TPE3000”が
使用できる。
を用いる場合は、0.05〜0.2モル程度の濃度の水
溶液でPH=8〜12の弱アルカリ水溶液が使用でき、
ポリイミド基材等に付着した過剰の過マンガン酸塩は水
洗後、塩酸ヒドロキシルアンモニウム塩で還元除去す
る。
は、膜厚や除去する部分の寸法によるが、上述の溶剤を
用いる場合では、60〜80℃、1〜6分間程度でポリ
イミド樹脂前駆体層を完全に除去できる。
することによりポリイミド樹脂前駆体層がイミド化され
ポリイミド樹脂層となる。なお、真空中や窒素雰囲気中
など酸素を含まない雰囲気中で加熱することが好まし
い。
性樹脂としては、市販のネガ型およびポジ型感光性樹脂
が使用でき、特に、コストや取り扱いの容易さからアク
リル系の感光性ドライフィルムが好んで用いられ、例え
ば、日合モートン(株)の“NIT”や“ラミナ−A
X”などを使用することができる。
クを使って露光・現像処理が行われ、樹脂パターンマス
クが形成される。前記樹脂パターンマスクは、触媒金属
還元のための紫外線照射時の紫外線に対するマスクや、
メッキに対するマスクとして用いられる。
ーンマスクを膨潤させる中性の水溶性有機溶媒を用いて
剥離することが好ましく、例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノ−ル、ブチルセロソルブなどのアルコー
ル類やアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類や
NMPを使用することができる。
通りである。
(a)に示す。パラジウムアセチルアセトン錯体をNM
Pに溶解した溶液を、東レ(株)社製のポリイミド樹脂
前駆体ワニス“トレニース”#3000に添加し、ワニ
ス溶液当りパラジウムアセチルアセトン錯体の含有量が
1wt/vol%になるように調整する。なお、1wt
/vol%とは、例えば、パラジウム錯体0.01gが
“トレニース”ワニス溶液1mlに溶解した濃度を意味
する。前記溶液にはポリイミド樹脂前駆体当りほぼ5w
t%のパラジウムアセチルアセトン錯体が含有されてい
る。
材“ユーピレックス−S”の試片10×10cm(厚さ
50μm)を1%NaOH水溶液および1%HCl水溶
液で処理し、純水で洗浄し乾燥した後、前記ワニス溶液
をバーコーターで塗布し、室温および120℃で乾燥し
たところ、塗膜の厚さは約5μmであった。ポリイミド
樹脂前駆体層の表面のXPS分析結果は図3において点
線で示すとおりであり、表面にパラジウムイオンの存在
が認められる。
樹脂前駆体層上に日合モートン(株)社製のアクリル系
感光性樹脂ドライフィルム“NIT225”(厚さ25
μm)を130℃でラミネートし、ラインアンドスペー
スのライン部分(回路を形成する部分)が200μm、
スペース部分(回路を形成しない部分)が200μm
(以後、L/S=200/200(μm)と記す)の配
線パターンのポリエステルマスクを通して、高圧水銀ラ
ンプからの紫外線拡散光を85mJ/cm2になるよう
露光処理した。感光性樹脂を専用の現像液(1%Na2
CO3水溶液)で常温で30秒間現像処理し水洗し、金
属回路形成部のポリイミド樹脂前駆体層が露出した樹脂
パターンマスクを有する基材を得た。
下し、石英板の間に挟みエタノール水溶液膜を形成した
状態で、低圧水銀灯からの紫外線を5分間照射した。紫
外線の照射量はオーク製作所製の照度計UV−02で測
定した結果、7500mJ/cm2であった。前記基材
の紫外線照射部の表面のXPS分析結果は図3において
実線で示すとおりであり、パラジウムイオンがパラジウ
ム金属に還元されていることがわかる。
ック(株)製の次亜りん酸ソーダを還元剤とした無電解
ニッケル浴“エンプレートNi―426”(PH=6〜
7)で3分間浸漬させたところ、光照射部(パターンマ
スク開口部)にのみ均一な金属光沢のあるニッケルメッ
キが進行し、ニッケルメッキの回路パターンが形成され
た。
ニッケルメッキ部およびポリイミド樹脂前駆体層部の深
さ方向のオージェスペクトルを測定した結果は図4に示
すとおりであり、ニッケルがメッキ部からポリイミド樹
脂前駆体層部の深部まで検出され、ニッケル金属がポリ
イミド樹脂前駆体層の中まで存在していることが確認さ
れた。
3A/dm2の電流密度で電解メッキを行った後、ブチ
ルセロソルブに60℃、3分間浸漬して樹脂パターンマ
スクを膨潤させて剥離した。
エッチング液“TPE3000”で70℃、2分間エッ
チング処理した後、水洗を行い、非金属回路部にあるポ
リミド樹脂前駆体層を除去し、銅膜厚5μmの金属回路
部にだけポリイミド樹脂前駆体層を有する基材を得た。
で乾燥した後、さらに、400℃まで加熱し、400℃
の状態で15分間保持してポリイミド樹脂前駆体層のイ
ミド化を行った後、窒素雰囲気中で常温(20℃〜25
℃)まで冷却し、L/S=190/210(μm)の金
属回路パターンを有する電子部品用基材を得た。
抵抗をJISC−5016で測定したところ、1.0×
1012Ω・cmと高い絶縁抵抗値を示した。
の密着性に優れており、得られたポリイミド基材の金属
回路はセロハンテープによる引き剥がし試験においても
金属回路がポリイミド基材から剥離することはなかっ
た。
ーンマスクを形成せずに、ポリイミド樹脂前駆体層の全
面に紫外線を照射して無電解ニッケルメッキと電解銅メ
ッキを行って得られた銅張りポリイミド基材の加熱イミ
ド化後のピール強度は12N〜14N/cm(1200
gf〜1400gf/cm)であり、スパッタ蒸着法を
用いる従来法で製造した銅張ポリイミド基材のピール強
度10N/cm(1000gf/cm)以上であった。
(b)に示す。パラジウムアセチルアセトン錯体をNM
Pに溶解した溶液を、東レ(株)社製のポリイミド樹脂
前駆体ワニス“トレニース”#3000に添加し、ワニ
ス溶液当りパラジウムアセチルアセトン錯体の含有量が
1wt/vol%になるように調整する。前記溶液には
ポリイミド樹脂前駆体当りほぼ5wt%のパラジウムア
セチルアセトン錯体が含有されている。
材“ユーピレックス−S”の試片10×10cm(厚さ
50μm)を1%NaOH水溶液および1%のHCL水
溶液により表面処理を行い、純水により洗浄して乾燥し
た後、上述のパラジウムアセチルアセトン錯体を含有し
た“トレニース”ワニスをバーコーターで塗布し、室温
および120℃で乾燥したところ、塗膜の厚さは約5μ
mであった。ポリイミド樹脂前駆体層2の表面のXPS
分析結果は実施例1と同様であり、表面にパラジウムイ
オンの存在が認められる。
樹脂前駆体層上に日合モートン(株)社製のアクリル系
感光性樹脂ドライフィルム“NIT225”(厚さ25
μm)を130℃でラミネートし、L/S=200/2
00(μm)の配線パターンのあるポリエステルマスク
を通して、高圧水銀ランプからの紫外線拡散光を85m
J/cm2になるよう露光処理した。感光性樹脂を専用
の現像液(1%Na2CO3水溶液)で常温で30秒間現
像処理し水洗し、金属回路形成部のポリイミド樹脂前駆
体層が露出した樹脂パターンマスクを有する基材を得
た。
み水膜を形成した状態で、低圧水銀灯からの紫外線を5
分間照射した。紫外線の照射量はオーク製作所製の照度
計UV−02で測定した結果、7500mJ/cm2で
あった。前記ポリイミド基材の紫外線照射部の表面のX
PS分析結果は実施例1と同様であり、パラジウムイオ
ンがパラジウム金属に還元されていることがわかる。
ック(株)製の次亜りん酸ソーダを還元剤とした無電解
ニッケル浴“エンプレートNi―426”(PH=6〜
7)で3分間浸漬させたところ、光照射部にのみ均一な
金属光沢のあるニッケルメッキが進行し、ニッケルメッ
キの回路パターンが形成された。このメッキされた基材
についてニッケルメッキ部およびポリイミド樹脂前駆体
層部のオージェスペクトルを測定した結果は実施例1の
場合と同様であり、ニッケルがメッキ部からポリイミド
樹脂前駆体層部の深部まで検出され、ニッケル金属がポ
リイミド樹脂前駆体層の中まで存在していることが確認
された。
分間浸漬して樹脂パターンマスクを膨潤させて剥離した
後、電解銅メッキ浴で3.3A/dm2の電流密度で電
解メッキを行った。
で乾燥した後、さらに400℃まで加熱し、400℃の
状態で15分間保持してポリイミド樹脂前駆体層のイミ
ド化を行った後、真空雰囲気中で常温(20℃〜25
℃)まで冷却した。
エッチング液“TPE3000”で70℃、2分間エッ
チング処理した後、水洗を行い、非金属回路部にあるパ
ラジウム化合物を含有するイミド化されたポリミド樹脂
層を除去し、L/S=190/200(μm)の金属回
路パターンを有する電子部品用基材を得た。
1.0×1012Ω・cmと高く、かつポリイミド基材
との密着性に優れており、得られた電子部品用基材の金
属回路とポリイミド基材のセロハンテープによる引き剥
がし試験においても金属回路が剥離することはなかっ
た。
ド樹脂前駆体層およびポリイミド樹脂層の除去に過マン
ガン酸塩水溶液を用いた。すなわち、非金属回路部のポ
リイミド樹脂前駆体層を70℃に加温された0.1モル
の過マンガン酸カリ水溶液(PH=11)で5分間エッ
チング処理を行い、水洗した後、さらに、40℃に加温
された0.1規定の塩酸ヒドロキシルアンモニウム塩水
溶液に浸漬して過マンガン酸塩を還元除去した。得られ
た基材の非金属回路部のポリイミド樹脂前駆体層は完全
に除去されており、非金属回路部のXPS分析結果には
ニッケルやパラジウム金属は検出されなかった。
回路パターンを有する電子部品用基材を得た。得られた
電子部品用基材の金属回路パターンの線間絶縁抵抗値
は、1.0×1012Ω・cmであり、電子部品用基材の金属
回路とポリイミド基材の密着強度は高く、セロハンテー
プによる引き剥がし試験において金属回路は剥離しなか
った。
ッキにより金属回路部を形成し、樹脂パターンマスクを
剥離した後、加熱イミド化を行い、非金属回路部のポリ
イミド樹脂層を除去したところ、実施例1と同様の金属
回路パターンを有する電子部品用基材を得ることができ
た。
ーンマスクを剥離し、電解銅メッキにより金属回路部を
形成したの後、加熱イミド化を行い、非金属回路部のポ
リイミド樹脂層を除去したところ、実施例2と同様の金
属回路パターンを有する電子部品用基材を得ることがで
きた。
ーンマスクを剥離した後、加熱イミド化を行い、電解銅
ニッケルメッキにより金属回路部を形成し、非金属回路
部のポリイミド樹脂層を除去したところ、実施例2と同
様の金属回路パターンを有する電子部品用基材を得るこ
とができた。
膜をスパッタ蒸着法によって形成された銅張りポリイミ
ド基材を用いて、フォトレジストを塗布し、露光・現像
処理し銅箔をエッチングする方法により金属回路パター
ンを形成し、得られた電子部品用基材の金属回路とポリ
イミド基材のセロハンテープによる引き剥がし試験をお
こなったところ、得られた電子部品用基材の金属回路に
剥離が見られた。
のポリイミド基材およびポリイミド樹脂前駆体層を使用
し、同様の工程で金属回路部を作製したあと、加熱イミ
ド化を行わずに電子部品用基材を得た。前記電子部品用
基材のセロハンテープによる引き剥がし試験を行ったと
ころ、全ての電子部品用基材において金属回路が容易に
剥離した。
求項1に記載のように、ポリイミド基材上にパラジウム
化合物を含有するポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布・乾
燥させてポリイミド樹脂前駆体層を形成し、前記ポリイ
ミド樹脂前駆体層上に感光性樹脂を塗布し、前記感光性
樹脂を露光・現像して金属回路形成部のポリイミド樹脂
前駆体層が露出された樹脂パターンマスクを形成し、次
いで、水素供与体の存在下において前記樹脂パターンマ
スクを介して紫外線を照射しメッキ下地核を形成した
後、無電解メッキ処理によりメッキ下地金属層を形成す
る下地金属層形成工程と、前記メッキ下地金属層上に金
属回路部を形成するメッキ処理、前記樹脂パターンマス
クを剥離する剥離処理、前記ポリイミド樹脂前駆体層を
加熱イミド化してポリイミド樹脂層にするイミド化処
理、非金属回路部のポリイミド樹脂前駆体層またはポリ
イミド樹脂層を除去する除去処理からなる金属回路形成
工程とを有するため、メッキ下地金属層がポリイミド基
材と同質であるポリイミド樹脂層にアンカー状に入り込
んだ構成になっており、アンカー効果によって金属回路
と樹脂の密着強度が非常に高くかつ微細な線間絶縁性に
優れた金属回路パターンを容易にかつ確実に形成するこ
とができる。
前駆体溶液としてポリアミック酸またはポリアミック酸
誘導体の少なくともいずれか一方からなるポリイミド樹
脂前駆体ワニスにパラジウム化合物が分散し、かつパラ
ジウム化合物とポリイミド樹脂前駆体とが錯体を形成し
ているポリイミド樹脂前駆体溶液を用いると、前記溶液
のポリマー分子とパラジウム化合物中は分子結合的な構
成で均一に分布するため、ポリイミド樹脂前駆体層の表
面にはポリマー分子の一成分としてパラジウム化合物が
分布することになり、紫外線照射により表面にパラジウ
ム金属が生成し、表面近傍のポリイミド樹脂前駆体層に
もパラジウム金属が生成する。そして、無電解メッキを
行うと、例えばニッケル無電解メッキの場合は、パラジ
ウムの触媒効果によりニッケルが前記ポリイミド樹脂前
駆体層の表面から層内部まで進入し、後工程でのポリイ
ミド樹脂前駆体のイミド化により、下地金属としてのニ
ッケルが基材と同質のポリイミド樹脂層の中に包み込ま
れた状態となり、ポリイミド基材に充分なアンカー効果
を持った密着力の高いメッキ下地金属層を形成すること
ができる。
物にパラジウムアセチルアセトン錯体、水素供与体に
水、アルコールまたはアルコール水溶液を用いることに
より、紫外線照射によるパラジウム化合物のパラジウム
イオンを効率的かつ安定的にパラジウム金属に還元する
ことができる。
前駆体層およびポリイミド樹脂層の除去にアルカリ金属
水酸化物とアミン化合物の水溶液または、過マンガン酸
アルカリ金属塩水溶液を用いることにより、非金属回路
部のポリイミド樹脂層を選択的に容易に除去でき、基材
と同等の線間絶縁抵抗が得られる。
法を断面的に示す図であり、(a)はポリイミド脂前駆
体溶液を塗布したポリイミド基材に感光性樹脂を塗布し
た状態を示す断面図、(b)は感光性樹脂を露光・現像
処理して金属回路形成部のポリイミド樹脂前駆体層が露
出された樹脂パターンマスクを形成した状態を示す断面
図、(c)は水素供与体の存在下において樹脂パターン
マスク上より紫外線を照射し、ポリイミド樹脂前駆体層
中のパラジウムイオンをパラジウム金属に還元した状態
を示す断面図、(d)は無電解メッキにより下地金属部
を形成した状態を示す断面図、(e)は電解メッキによ
り下地金属部に所定の膜厚みの金属回路部を形成した状
態を示す断面図、(f)は樹脂パターンマスクを剥離し
た状態を示す断面図、(g)は非金属回路部のポリイミ
ド樹脂前駆体層を除去した状態を示す断面図、(h)は
ポリイミド基材を加熱しポリイミド樹脂前駆体層のイミ
ド化を行った状態を示す断面図である。
フローを示す図である。
層のパラジウムの結合エネルギー変化を示すXPS分析
結果を示す図である。
よびポリイミド樹脂前駆体層のオージェ分析チャート図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリイミド基材上にパラジウム化合物を
含有するポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布・乾燥させて
ポリイミド樹脂前駆体層を形成し、前記ポリイミド樹脂
前駆体層上に感光性樹脂を塗布し、前記感光性樹脂を露
光・現像して金属回路形成部のポリイミド樹脂前駆体層
が露出された樹脂パターンマスクを形成し、次いで、水
素供与体の存在下において前記樹脂パターンマスクを介
して紫外線を照射しメッキ下地核を形成した後、無電解
メッキ処理によりメッキ下地金属層を形成する下地金属
層形成工程と、前記メッキ下地金属層上に金属回路部を
形成するメッキ処理、前記樹脂パターンマスクを剥離す
る剥離処理、前記ポリイミド樹脂前駆体層を加熱イミド
化してポリイミド樹脂層にするイミド化処理、非金属回
路部のポリイミド樹脂前駆体層またはポリイミド樹脂層
を除去する除去処理からなる金属回路形成工程と、を有
することを特徴とする金属回路パターン形成方法。 - 【請求項2】 ポリイミド樹脂前駆体溶液として、ポリ
アミック酸、ポリアミック酸の誘導体の少なくともいず
れか一方からなるポリイミド樹脂前駆体ワニスにパラジ
ウム化合物が分散し、かつ前記パラジウム化合物と前記
ポリイミド樹脂前駆体とが錯体を形成していることを特
徴とする請求項1に記載の金属回路パターン形成方法。 - 【請求項3】 パラジウム化合物としてパラジウムアセ
チルアセトン錯体を使用し、水素供与体として水、アル
コールまたはアルコール水溶液を使用することを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の金属回路パターン
形成方法。 - 【請求項4】 ポリイミド樹脂前駆体層およびポリイミ
ド樹脂層の除去に、アルカリ金属水酸化物とアミン化合
物の水溶液を使用するか、または過マンガン酸アルカリ
金属塩水溶液を使用することを特徴とする請求項1から
請求項3のうち一つの請求項に記載の金属回路パターン
形成方法。
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