JP2017162984A - 金属微細構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】煩雑な処理を必要とすることなく板状部材における金属構造体の微細化を容易に実現すること。【解決手段】本発明の一形態にかかる金属微細構造体の製造方法は、基板Sにおいて金属微細構造体を作製する金属微細構造体の製造方法であって、金属塩を溶解させたポリアミック酸樹脂の層を含む基板Sを形成する形成ステップと、基板Sに所定の照射パターンでパルスレーザ光を照射する照射ステップと、基板Sのポリアミック酸樹脂の層と、基板Sのポリアミック酸樹脂の層中の金属塩から生じた金属イオンとのうちのいずれかを除去する除去ステップと、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、板状部材において金属微細構造体を作製する金属微細構造体の製造方法に関する。
以前から、板状の部材に金属の回路パターンを形成する技術が種々用いられている。例えば、ポリイミド樹脂からなるフィルム上に銀の回路パターンを形成する方法が知られている(下記非特許文献1参照。)。この形成方法においては、まず、ポリイミド製フィルムが水酸化カリウム水溶液に浸けられてフィルムの表面にポリアミック酸の層が形成された後に、そのポリアミック酸の層にイオン交換によって銀イオンが導入される。次に、フォトマスクが配置されたフィルム表面にランプ光源を用いて紫外光が照射されることにより、フィルム表面上に銀の金属膜が形成され、ポリアミック酸に残留する銀イオンが硫酸溶液を用いて除去される。最後に、金属膜が形成されたフィルムを加熱することによってポリアミック酸がイミド化される。
上記の回路パターンの形成方法によれば微細な金属パターンをフィルム上に形成することが可能である。具体的には、500nm幅の線状の金属パターンを形成することができる。
KensukeAkamatsu, Shingo Ikeda, and Hidemi Nawafune, "Site-Selective DirectSilver Metallization on Surface-Modified Polyimide Layers", Langmuir 2003, 19, 10366-10371
しかしながら、上述した従来の形成方法では、金属膜を形成する際にはフィルム上にフォトマスクを配置する必要があるため処理が煩雑である。また、フォトマスクを配置された上でランプ光源を用いて紫外光を照射することによって金属膜を形成しているため、金属膜の微細化には限界がある。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、煩雑な処理を必要とすることなく板状部材における金属構造体の微細化を容易に実現する金属微細構造体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態にかかる金属微細構造体の製造方法は、金属微細構造体を作製する金属微細構造体の製造方法であって、金属塩を溶解させたポリアミック酸を含む板状部材を形成する形成ステップと、板状部材に所定の照射パターンでレーザ光を照射する照射ステップと、板状部材の一部と、金属塩から生じた金属イオンのうちのいずれかを除去する除去ステップと、を備える。
上記形態の金属微細構造体の製造方法によれば、金属塩を溶解させたポリアミック酸を含む板状部材に所定の照射パターンでレーザ光が照射されることによりその照射パターンに対応して金属が析出して、照射パターンに対応した金属微細構造体が形成された後、板状部材の一部、あるいは、板状部材に生じた金属イオンのいずれかが除去される。これにより、フォトマスクの配置等の煩雑な処理を必要とすることなく板状部材に金属微細構造体を形成することができる。それとともに所定の照射パターンで照射されるレーザ光を用いることにより、板状部材における金属微細構造体を容易に微細化することができる。
ここで、除去ステップでは、酸性溶液を用いることにより金属イオンをイオン交換により除去する、こととしてもよい。この場合、板状部材において不要となった金属イオンを容易に除去することができる。
また、金属イオンが除去された板状部材を加熱する加熱ステップをさらに備える、こととしてもよい。この場合には、ポリアミック酸をイミド化することにより金属微細構造体が形成されたポリイミド製の板状部材を容易に得ることができる。
ここで、除去ステップでは、ポリアミック酸をエッチングにより除去する、こととしてもよい。この場合には、板状部材がポリアミック酸を含む多層構造である場合に、板状部材上に十分に微細化された金属微細構造体を形成することができる。
また、エッチングは、アルカリ溶液を用いたウェットエッチングであってもよいし、反応性イオンエッチングであってもよい。いずれの場合も、板状部材上に十分に微細化された金属微細構造体を形成することができる。
また、照射ステップでは、集光部材を用いてレーザ光を集光して板状部材に照射する、こととしてもよい。この場合は、レーザ光を集光して照射することにより、板状部材における金属微細構造体を一層微細化することができる。
さらに、照射ステップでは、パルス状のレーザ光を板状部材に照射する、こととしてもよい。この場合は、レーザ光が照射された板状部材において多光子吸収を効率的に生じさせることができ、小さなエネルギーで金属微細構造体を効率的に形成することができる。
本発明によれば、煩雑な処理を必要とすることなく板状部材における金属構造体の微細化を容易に実現することができる。
実施形態に係る金属ナノ構造体形成装置を示す概略構成図である。 実施形態に係る金属ナノ構造体の第1の製造方法によって金属ナノ構造体が形成された基板の構造の一例を示す側面図である。 実施形態に係る金属ナノ構造体の第2の製造方法によって金属ナノ構造体が形成された基板の構造の一例を示す斜視図である。 照射するパルスレーザ光のパワーを様々設定して基板に形成された金属ナノ構造体の観察系システムによる観察結果を示す図である。 基板にドット状に形成された金属ナノ構造体のSEM像を示す図である。 レーザ照射時間を様々設定した場合のレーザパワーと基板S上に作製されるドット状の金属ナノ構造体の直径との関係を示すグラフである。 照射するパルスレーザ光のパワーを様々設定して基板に形成されたライン状の金属ナノ構造体の観察系システムによる観察結果を示す図である。 基板に周期的に形成されたライン状の金属ナノ構造体のSEM像を示す図である。 レーザ走査速度を様々設定した場合のレーザパワーと基板S上に作製されるライン状の金属ナノ構造体の線幅との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る金属微細構造体の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[金属ナノ構造体形成装置の構成]
まず、図1を参照して、実施形態に係る金属ナノ構造体形成装置1の構成を説明する。金属ナノ構造体形成装置1は、基板において金属微細構造体(金属ナノ構造体)を作製するための装置である。金属ナノ構造体形成装置1の処理対象の基板としては、ガラス、シリコン、PET、ポリイミド等を材料とする平板状の基板が挙げられる。
金属ナノ構造体形成装置1は、レーザ装置3、光シャッタ5、ミラー7、ビームエキスパンダ9、ビームスプリッタ11、対物レンズ13、及びXYZピエゾステージ15を含んで構成されている。レーザ装置3は、様々な波長のパルス状のレーザ光(パルスレーザ光)を様々な繰り返し周波数で照射可能な、例えばチタンサファイアレーザ装置であり、発振可能なレーザ光の波長を例えば赤外領域から近赤外領域の範囲に調整可能とされている。なお、レーザ装置3として近赤外領域から紫外領域までの範囲で発振可能なものが使用されてもよい。本実施形態では、レーザ装置3は、波長800nm、パルス幅100fsec、及び繰り返し周波数80MHzのパルスレーザ光を照射するように設定されている。光シャッタ5は、レーザ装置3からのパルスレーザ光の処理対象の基板Sへの照射をオン/オフするための光デバイスであり、ミラー7は、光シャッタ5を通過してきたパルスレーザ光をビームエキスパンダ9に向けて反射する。ビームエキスパンダ9は、パルスレーザ光のビーム径を拡大し、対物レンズ13は、ビームエキスパンダ9を通過したパルスレーザ光をビームスプリッタ11を経由して受け、受けたパルスレーザ光をXYZピエゾステージ15によって支持された基板Sに集光する集光部材である。XYZピエゾステージ15は、基板を3次元的に移動させるように駆動する駆動装置であり、これによってレーザ光の基板Sにおける3次元的な走査が様々な走査パターンで可能とされる。さらに、金属ナノ構造体形成装置1には、基板Sにおける金属微細構造体の形成状態を観察するための観察系システムも含まれている。すなわち、観察系システムとして、基板Sからの像をビームスプリッタ11及び集光レンズ17を介して撮像するCCDカメラ等の撮像装置19も備えられている。
[金属ナノ構造体の第1の製造方法]
次に、上記の金属ナノ構造体形成装置1を用いた金属ナノ構造体の第1の製造方法について説明する。
まず、第1の工程(形成ステップ)として、金属塩を溶解させたポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を材料として含む平板状の基板Sを形成する。このような基板Sは、ガラス、シリコン、PET、ポリイミド等を材料とする平板状の基板上にポリアミック酸樹脂を塗布した後、ホットプレート等にて所定温度および所定時間(例えば、80°Cで10分間)でプリベークして形成されてもよいし、ポリアミック酸樹脂自体が平板状に形成されたものをプリベークして形成されてもよい。ポリアミック酸樹脂は、公知の方法を用いて、酸無水物とジアミンを有機溶媒に溶解させてから重合反応させることで得ることができる。例えば、酸無水物としてピロメリト酸二無水物、ジアミンとして4,4'-オキシジアニリン、有機溶媒として1-メチル-2-ピロリドンを用いることができるが、これらには限定されない。ポリアミック酸樹脂に金属塩を溶解させる際には、ポリアミック酸樹脂と金属化合物とを含有する塗布液を基板上に塗布してもよいし、ポリアミック酸樹脂を含有する塗布液を基板上に塗布してから金属塩を含む溶液を含浸させてもよい。プリベークによってポリアミック酸樹脂を低温で加熱することにより、金属イオンにポリアミック酸の中で流動性を持たせることができる。基板Sに溶解される金属塩としては、硝酸銀のような硝酸塩のほか、塩酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、あるいはクエン酸塩などが用いられる。また、金属塩を組成する金属としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、錫(Sn)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)等が挙げられる。さらに、基板Sに含まれるポリアミック酸としては、イミド化後のポリイミドが、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂であるものの中から選択されてよい。基板Sに含まれるポリアミック酸は、下記の化学式(1)によって表される。


[式中、nは任意の整数を意味する。]
上記第1の工程によって得られた基板Sにおいては、下記化学式(2)に示すように、ポリアミック酸と金属塩との間のイオン交換による反応によって、ポリアミック酸の中のカルボキシル基に金属イオンが結合して存在する。
−CO → −CO Ag …(2)
上記化学式(2)には、金属塩として硝酸銀を用いた反応の例が示されている。そして、第1の工程中のプリベークによって、ポリアミック酸樹脂の全体にわたってカルボキシル基に結合した金属イオンが分散して生じることとなる。
次に、第2の工程(照射ステップ)として、次のようにして、金属ナノ構造体形成装置1を用いて基板Sにおいて金属を析出させる。すなわち、基板SをXYZピエゾステージ15に搭載した後、レーザ装置3からのパルスレーザ光の照射をオンするとともに、外部の制御装置による制御により、XYZピエゾステージを駆動して所定の走査パターンで基板Sにパルスレーザ光を照射させる。このとき、外部の制御装置による制御により、光シャッタ5をオン/オフさせてパルスレーザ光を間欠的に基板Sに照射させることもできる。これにより、直線パターン、ドットパターン等の様々な走査パターンで基板Sにパルスレーザ光を照射させることができ、この走査パターンを3次元的な様々な形状のパターンに設定することもできる。
上記第2の工程によって、基板Sにおける金属イオンが光還元によって析出し、走査パターンに対応したパターンで金属ナノ構造体が形成される。ここで、パルスレーザ光を用いて金属を析出することによって、2光子吸収による光還元が効果的に生じるので、パルスレーザ光のエネルギーが比較的低くても効率的に高密度な金属ナノ構造体を形成することができる。
その後、第3の工程(除去ステップ)として、基板Sに残留する金属塩から生じた金属イオンを除去する。詳細には、基板Sに酢酸や希硫酸等の酸性溶液を含浸することにより、基板内の未還元の金属イオンを水素イオンと置換し脱離する。また、基板Sに酸性溶液を滴下して金属イオンを脱離してもよい。
最後に、第4の工程(加熱ステップ)として、金属イオンが脱離された基板Sをオーブン内で高温(例えば280°C)で加熱することによりポリアミック酸樹脂をイミド化してポリイミド基板を形成する。ポリアミック酸樹脂を加熱すると、下記反応式(3)に示す反応が生じてポリアミック酸がイミド化される。

図2には、上述した金属ナノ構造体の第1の製造方法によって金属ナノ構造体が形成された基板Sの構造イメージの一例を示している。このように、フレキシブル基板であるポリイミド基板21の内部に3次元的な複数の直線パターンを有する金属ナノ構造体23、及び3次元的に配置されたドットパターンを有する金属ナノ構造体25等を形成することができる。さらに、このポリイミド基板21の表面上に、有機EL素子等の各種素子27及び外部との電気接続のためのバンプ29等を配置することにより、内部に微細な立体金属配線が配されたフレキシブルデバイスを実現することができる。
[金属ナノ構造体の第2の製造方法]
次に、上記の金属ナノ構造体形成装置1を用いた金属ナノ構造体の第2の製造方法について説明する。この製造方法は、ガラス、シリコン、PET、ポリイミド等を材料とする平板状の基板の表面上に金属ナノ構造体を形成するためのものであり、上述した第1の製造方法とは、第3の工程以降が異なっている。
すなわち、第1の製造方法と同一の第1〜第2の工程を経て、平板状の基板(基材)上にポリアミック酸樹脂の層が形成された基板Sにおいて、基材の表面近傍のポリアミック酸樹脂の層内に所定のパターンの金属ナノ構造体が形成される。
次に、第3の工程(除去ステップ)として、ウェットエッチングあるいはドライエッチングを用いて、基板Sの一部を構成するポリアミック酸の層全体を除去する。ウェットエッチングは、基板Sに水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液を含浸することによって行ってもよいし、基板Sにアルカリ溶液を滴下することによって行ってもよい。また、ドライエッチングとしては、例えば、反応性イオンエッチング装置を用いた反応性イオンエッチングが用いられる。このような工程により、基材上においてポリアミック酸樹脂が取り除かれ金属ナノ構造体のみが残存した基板Sを作製することができる。
図3には、上述した金属ナノ構造体の第2の製造方法によって金属ナノ構造体が形成された基板Sの構造イメージの一例を示している。このように、基材31の面上に2次元的に周期的に配列された球状の金属ナノ構造体33を有するプラズモニック結晶としての基板Sを製造することができる。さらに、この基板Sの表面上にスペーサを介して蛍光体材料を塗布して発光層35を形成することにより、外部からの入射光L1に応じた蛍光体の発光L2を表面プラズモン共鳴によって増強する発光素子としても応用することができる。
なお、図3に示した基板Sの構造は、金属ナノ構造体の第1の製造方法によっても製造することができる。具体的には、第1の工程において、基材31上にポリアミック酸樹脂の層を形成する際にその層に蛍光体材料を含有させ、その後の第4の工程によってポリアミック酸樹脂をイミド化してポリイミドの層を蛍光体材料を含む層として作製する。これにより、基材31の表面上に金属ナノ構造体33及び発光層35が形成された基板Sを製造することができる。
[金属ナノ構造体の作製例]
以下、実施形態に係る金属ナノ構造体の第2の製造方法によって製造された銀の金属ナノ構造体の観察結果を示す。
図4は、照射するパルスレーザ光のパワーを4mWに設定して基板Sの基材31上に形成された金属ナノ構造体の観察系システムによる観察結果を示している。このとき、パルスレーザ光を基板S内の基材31上の一点に照射時間1secで照射した。この結果から、レーザパワーが4mWのとき、ドット状の金属ナノ構造体の径が200nmとなる。このように、レーザパワーをある程度小さくすることにより金属ナノ構造体を200nm程度にまで微細化が可能であることが判明した。
また、図5の(a)部には、パルスレーザ光のパワー5mWで基板Sの基材31上にドット状に2次元配列されて形成された金属ナノ構造体のSEM像を示し、図5の(b)部には、(a)部に示したSEM像の拡大像を示している。この結果に示されるように、本実施形態によって2次元的な周期構造を有する金属ナノ構造体の形成が可能であり、1つ1つの金属ナノ構造体は、その形成密度が高く連続的に形成されていることが確認された。
図6は、レーザ照射時間を様々設定した場合のレーザパワーと基板S上に作製されるドット状の金属ナノ構造体の直径との関係を示すグラフである。このグラフに示すように、パルスレーザ光の照射時間を長く設定するほど金属ナノ構造体の直径は大きくなり、照射時間を固定させてレーザパワーを変化させた場合は、レーザパワーが大きくなるに従って直径が大きくなることが判明した。
図7は、照射するパルスレーザ光のパワーを様々設定して基板Sの基材31上に形成されたライン状の金属ナノ構造体の観察系システムによる観察結果を示し、(a)はパワーが10mWの場合の観察結果、(b)はパワーが9mWの場合の観察結果、(c)はパワーが8mWの場合の観察結果である。このとき、パルスレーザ光を基板S内の基材31の面に沿って走査速度8.0μm/secで走査した。この結果から、レーザパワーを10mW→9mW→8mWと小さくするにしたがってライン状の金属ナノ構造体の幅が〜250nm→〜150nm→〜100nmと小さくなり、〜100nmの線幅の金属ナノラインの作製が可能であることが分かった。
また、図8において、(a)部には、パルスレーザ光のパワー5mWで基板Sの基材31上にライン状に周期的に形成された金属ナノ構造体のSEM像を示し、(b)部には、(a)部に示したSEM像の拡大像を示している。この結果から、線幅が約360nmの金属ナノラインを周期的に形成することが可能であることが示された。
図9は、レーザ走査速度を様々設定した場合のレーザパワーと基板S上に作製されるライン状の金属ナノ構造体の線幅との関係を示すグラフである。このグラフに示すように、パルスレーザ光の走査速度を遅く設定するほど金属ナノ構造体の線幅は大きくなり、走査速度を固定させてレーザパワーを変化させた場合は、レーザパワーが大きくなるに従って線幅が大きくなることが判明した。
以上説明した金属微細構造体の製造方法によれば、金属塩を溶解させたポリアミック酸樹脂の層を含む基板Sに所定の照射パターンでレーザ光が照射されることによりその照射パターンに対応して金属が析出して、照射パターンに対応した金属ナノ構造体が形成された後、基板Sの一部、あるいは、基板Sにおいて金属塩から生じた金属イオンのいずれかが除去される。これにより、従来のようにフォトマスクの配置等の煩雑な処理を必要とすることなく基板Sに金属ナノ構造体を形成することができる。それとともに所定の照射パターンで照射されるレーザ光を用いることにより、板状部材における金属ナノ構造体を容易に微細化することができる。例えば、基板Sの基材上に形成される金属ナノ構造体を線幅〜100nmまで細線化することができる。特に、上述した金属ナノ構造体の第2の製造方法によれば、基板Sにおけるポリアミック酸樹脂の層がエッチングにより除去される。この場合には、基板Sの表面上に十分に微細化された金属ナノ構造体を形成することができる。
ここで、レーザ装置3からのレーザ光は対物レンズ13によって集光されて基板Sに照射されるので、基板Sにおける金属ナノ構造体を様々な形状パターンで一層微細化することができる。また、本実施形態では、パルスレーザ光を用いて金属ナノ構造体が形成されるので、基板Sの照射箇所において2光子吸収を効率的に生じさせることができ、比較的小さなレーザパワー(エネルギー)で密度の高い金属ナノ構造体を効率的に形成することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形態様を採用することができる。
例えば、基板Sに照射するパルスレーザ光の波長は特定の波長には限定されず、近赤外領域から紫外領域までの範囲から波長が選択されてよい。ナノメートルスケールの微細なパターンの金属ナノ構造体、あるいは3次元パターンの金属ナノ構造体を形成する場合には、多光子吸収過程を励起可能な波長500nm〜2μmの範囲の近赤外パルスレーザを使用することが好適である。また、マイクロメートルスケールの比較的粗い簡易なパターンの金属微細構造体を形成する場合には、青色や紫外の波長200nm〜550nmの範囲の連続的なレーザ光を発するCWレーザ(Continuous wave laser)を使用することが好適である。
また、上述した第2の工程(照射ステップ)においては、XYZピエゾステージを駆動して所定の走査パターンで基板Sにパルスレーザ光を照射させる方法以外の方法を用いてもよい。例えば、レーザ装置3から照射されたパルスレーザ光をガルバノミラー等を用いて基板Sに対して走査させてもよいし、金属ナノ構造体形成装置1自体をモータ等の駆動装置を用いて動かすことによってパルスレーザ光を走査させてもよい。さらには、空間光位相変調器を用いてパルスレーザ光の2次元パターンを一度に基板S上に描くこともできる。
S…基板、1…金属ナノ構造体形成装置、3…レーザ装置、5…光シャッタ、7…ミラー、9…ビームエキスパンダ、11…ビームスプリッタ、13…対物レンズ、15…XYZピエゾステージ、17…集光レンズ、19…撮像装置、21…ポリイミド基板、23,25…金属ナノ構造体、31…基材、33…金属ナノ構造体、35…発光層。

Claims (8)

  1. 金属微細構造体を作製する金属微細構造体の製造方法であって、
    金属塩を溶解させたポリアミック酸を含む板状部材を形成する形成ステップと、
    前記板状部材に所定の照射パターンでレーザ光を照射する照射ステップと、
    前記板状部材の一部と、前記金属塩から生じた金属イオンとのうちのいずれかを除去する除去ステップと、
    を備える金属微細構造体の製造方法。
  2. 前記除去ステップでは、酸性溶液を用いることにより前記金属イオンをイオン交換により除去する、
    請求項1記載の金属微細構造体の製造方法。
  3. 前記金属イオンが除去された前記板状部材を加熱する加熱ステップをさらに備える、
    請求項2記載の金属微細構造体の製造方法。
  4. 前記除去ステップでは、前記ポリアミック酸をエッチングにより除去する、
    請求項1記載の金属微細構造体の製造方法。
  5. 前記エッチングは、アルカリ溶液を用いたウェットエッチングである、
    請求項4記載の金属微細構造体の製造方法。
  6. 前記エッチングは、反応性イオンエッチングである、
    請求項4記載の金属微細構造体の製造方法。
  7. 前記照射ステップでは、集光部材を用いて前記レーザ光を集光して前記板状部材に照射する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属微細構造体の製造方法。
  8. 前記照射ステップでは、パルス状の前記レーザ光を前記板状部材に照射する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属微細構造体の製造方法。
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