JP2002287034A - 走査型光学顕微鏡 - Google Patents

走査型光学顕微鏡

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JP2002287034A JP2001083703A JP2001083703A JP2002287034A JP 2002287034 A JP2002287034 A JP 2002287034A JP 2001083703 A JP2001083703 A JP 2001083703A JP 2001083703 A JP2001083703 A JP 2001083703A JP 2002287034 A JP2002287034 A JP 2002287034A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】励起波長の種類よりも少ない数の光検出器を用
いて小型化、低価格化を図り、かつ短時間での画像取得
を行なうこと。 【解決手段】励起波長λ、λ、λのレーザ光を遮
断し、かつ多重染色蛍光標本1から発した蛍光波長
λ’、λ’、λ’の蛍光を透過する特性を有する
1つのバリアフィルタ17を透過した蛍光を1つの光検
出器18により検出し、この光検出器18から出力され
る蛍光強度信号に基づいて画像形成装置19により励起
波長λ、λ、λごとの画像を形成し、これら画像
を合成して多重染色蛍光標本1の画像を取得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の波長の励起
光を多重染色蛍光標本に照射して当該標本を露光し、こ
の多重染色蛍光標本から発せられた蛍光を検出して多重
染色観察を行なう走査型光学顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば共焦点レーザ走査型光学顕微鏡を
用いて多重染色蛍光標本を観察する場合には、標本を多
重染色した複数の試薬に対応する複数波長の蛍光が発せ
られるので、これら波長の蛍光をそれぞれ検出するため
に複数の光検出器が備えられている。
【0003】ところが、励起光の波長に対する蛍光の発
光波長帯域が広い試薬に対しては、各蛍光波長毎に別れ
ている複数の光検出器によって同時にその試薬により発
せられる蛍光が検出されてしまい、多重染色してその標
本を観察する意味をなさなくなってしまう。
【0004】このようなことを回避するために、波長帯
域が隣接する各光検出器により上記蛍光の発光波長帯域
が広い試薬の蛍光を検出しないように、一画面の標本に
対する画像取得毎に励起波長を切り換え、当該励起波長
に応じた波長の蛍光を発せさせ、画像を取得するシーケ
ンシャルスキャン方法が行われている。この方法におい
て、各光検出器は、その蛍光波長に応じた特性のチャン
ネルに割当てられており、励起波長の種類と同じ数の光
検出器が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記レ
ーザ走査型光学顕微鏡のようにそれぞれ異なる励起波長
の励起光を順次スキャンし、それぞれの蛍光波長に応じ
たチャンネルに用意された各光検出器によって蛍光を検
出して多重染色蛍光標本の画像を取得する方法では、励
起波長の種類に応じた数だけ光検出器が必要であり、そ
のうえに各チャンネルごとに最適な共焦点開口、分光フ
ィルタ、励起光カットフィルタなどが必要となり、顕微
鏡が大型化すると共に高価になっていた。
【0006】通常、生物標本の蛍光観察においては、励
起光による標本に対する光毒性の影響を少なくするため
に励起光の露光を最小限にすることが要求されている。
ところが、一画面の画像を取得するのに励起露光を励起
波長の種類だけ複数回行なうため、これら励起露光を行
なうだけでも時間がかかっている。
【0007】そこで本発明は、励起波長の種類よりも少
ない数の光検出器を用いて小型化、低価格化を図り、か
つ短時間での画像取得ができる走査型光学顕微鏡を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載による本発
明は、複数の波長の励起光を多重染色蛍光標本に照射し
て当該標本の多重染色観察を行なう走査型光学顕微鏡に
おいて、複数の前記励起波長を遮断し、かつ前記多重染
色蛍光標本から発せられた複数の蛍光波長の光を透過す
るバリアフィルタと、このバリアフィルタを透過した前
記蛍光を受光してその蛍光強度を検出する前記励起波長
の数よりも少ない光検出器と、この光検出器から出力さ
れる蛍光強度信号に基づいて前記励起波長ごとの画像を
形成し、これら画像を合成して前記多重染色蛍光標本の
画像を取得する画像形成手段とを具備したことを特徴と
する走査型光学顕微鏡である。
【0009】請求項2記載による本発明は、請求項1記
載の走査型光学顕微鏡において、複数の波長の前記励起
光を順次切換えて前記多重染色蛍光標本に照射したとき
に、前記多重染色蛍光標本からそれぞれ発せられる複数
波長の前記蛍光を透過する1つの前記バリアフィルタ
と、このバリアフィルタを透過した前記蛍光を受光する
1つの前記光検出器とからなることを特徴とする。
【0010】請求項3記載による本発明は、複数の波長
の励起光を多重染色蛍光標本に照射して当該標本の多重
染色観察を行なう走査型光学顕微鏡において、前記多重
染色蛍光標本から発せられた複数波長の前記蛍光を所定
の波長を境として分光する光分光手段と、この光分光手
段による各分光光路上にそれぞれ配置され、少なくとも
不要な前記励起波長を遮断し、かつ前記蛍光波長の光を
透過する複数のバリアフィルタと、これらバリアフィル
タを透過した前記蛍光をそれぞれ受光してその各蛍光強
度を検出する前記励起波長の数よりも少ない光検出器
と、これら光検出器から出力される各蛍光強度信号に基
づいて前記励起波長ごとの各画像を形成し、これら画像
を合成して前記多重染色蛍光標本の画像を取得する画像
形成手段とを具備したことを特徴とする走査型光学顕微
鏡である。
【0011】請求項4記載による本発明は、請求項3記
載の走査型光学顕微鏡において、複数の前記バリアフィ
ルタは、それぞれ前記所定の波長を境として当該境の波
長よりも短い波長帯域の前記蛍光波長を透過する特性を
有する前記バリアフィルタを一方の前記分光光路上に配
置し、前記境の波長よりも長い波長帯域の前記蛍光波長
を透過する特性を有する前記バリアフィルタを他方の前
記分光光路上に配置することを特徴とする。
【0012】請求項5記載による本発明は、請求項3記
載の走査型光学顕微鏡において、複数の波長の前記励起
光を前記多重染色蛍光標本に照射するとき、これら励起
光のうち隣接しない波長帯域となる複数の波長の前記励
起光を同時に前記多重染色蛍光標本に照射することを特
徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】(1)以下、本発明の第1の実施
の形態について図面を参照して説明する。
【0014】図1は共焦点レーザ走査型光学顕微鏡の構
成図である。複数の試薬により染色された多重染色蛍光
標本1の励起に必要なそれぞれ異なる複数の波長のレー
ザ光(励起光)を出力する各レーザ光源2、3、4が備
えられている。これらレーザ光源2、3、4は、3重染
色した多重染色蛍光標本1を観察するためのものであ
る。これらレーザ光源2、3、4は、それぞれ励起波長
λ、λ、λの各レーザ光を出力するもので、これ
ら励起波長λ、λ、λの長さはλ<λ<λ
の関係となっており、これら励起波長λ、λ、λ
の中心波長は具体的にλは488nm、λは543
nm、λは633nmとなっている。
【0015】これらレーザ光源2、3、4の出力光路上
には、それぞれ各シャッタ5、6、7を介して各ダイク
ロイックミラー8、9とミラー10が配置されている。
このうち各シャッタ5、6、7は、シャッタ制御装置1
1により1画面取得毎に順次開閉制御されて各励起波長
λ、λ、λのレーザ光を順次切り替えて顕微鏡本
体12に導入させるものとなっている。
【0016】各ダイクロイックミラー8、9とミラー1
0は、上記の如く各レーザ光源2、3、4の出力光路上
に配置され、かつミラー10の反射光路上に各ダイクロ
イックミラー8、9が配置されている。
【0017】このうちミラー10は励起波長λのレー
ザ光を反射する特性を有し、ダイクロイックミラー9は
励起波長λのレーザ光を透過しかつ励起波長λのレ
ーザ光を励起波長λのレーザ光の透過方向と同一方向
に反射する特性を有し、ダイクロイックミラー8は励起
波長λ及びλのレーザ光を反射しかつ励起波長λ
のレーザ光を励起波長λ及びλのレーザ光の反射方
向と同一方向に透過する特性を有している。
【0018】顕微鏡本体12内には、当該顕微鏡本体1
2内に導入されるレーザ光の光路上にダイクロイックミ
ラー13が配置されている。このダイクロイックミラー
13は、当該顕微鏡本体12内に導入される励起波長λ
、λ、λのレーザ光を反射し、かつ多重染色蛍光
標本1から発した蛍光波長λ’、λ’、λ’の蛍
光を透過する特性を有している。
【0019】このダイクロイックミラー13の反射光路
上には、互いに直交する2つの偏向素子14、15が配
置されている。これら偏向素子14、15は、例えばガ
ルバノミラーが用いられ、励起波長λ、λ、λ
レーザ光をそれぞれ多重染色蛍光標本1の全面に対して
走査(スキャン)照射して当該標本1を励起するもので
ある。
【0020】多重染色蛍光標本1から発せられた蛍光波
長λ’、λ’、λ’の蛍光は、戻り光として偏向
素子15、14を経由し、ダイクロイックミラー13を
透過するものとなる。
【0021】このダイクロイックミラー13の透過光路
上には、共焦点開口部16を介してバリアフィルタ17
が配置されている。このバリアフィルタ17は、励起波
長λ 、λ、λのレーザ光を遮断し、かつ多重染色
蛍光標本1から発せられた蛍光波長λ’、λ’、λ
’の蛍光を透過する波長特性を有している。図2はか
かるバリアフィルタ17の波長特性図である。この波長
特性図は、縦軸に分光透過率T、横軸に波長λを示して
いる。蛍光波長λ’、λ’、λ’の中心波長は、
それぞれ具体的に520nm、590nm、660nm
である。このバリアフィルタ17の波長特性は、各励起
波長λ、λ、λのレーザ光に対して透過率を0.
01%以下に設定し、検出すべき蛍光波長λ’、
λ’、λ’の蛍光に対しては透過率80%以上の製
造できうる最大限の透過率に設定されている。このバリ
アフィルタ17は、1枚の基板上に形成してもよいし、
又は複数の基板に形成した波長特性の異なる基板を組み
(重ね)合わせて形成してもよい。
【0022】光検出器18は、バリアフィルタ17を透
過した蛍光波長λ’、λ’、λ ’の蛍光をそれぞ
れ受光して蛍光強度を検出し、その蛍光強度信号を出力
するもので、例えば1つのフォトマルが用いられてい
る。
【0023】画像形成装置19は、光検出器18から出
力された蛍光強度信号を取り込んで蓄積し、この蛍光強
度信号を各偏向素子14、15の駆動信号に同期して内
部に設定された直交座標上に配置して各励起波長λ
λ、λごとの2次元画像を形成し、これら2次元画
像を合成して多重染色蛍光標本1の画像を取得する機能
を有している。
【0024】この画像形成装置19は、取得した多重染
色蛍光標本1の画像を表示装置20に表示したり、図示
しない印刷装置等により印字出力させたりするものとな
っている。
【0025】なお、この画像形成装置19は、コンピュ
ータを備え、画像処理等を実行するプログラムやシャッ
タ制御装置11に指令を発するためのプログラム、各偏
向素子14、15を駆動するためのプログラムを記憶
し、これらプログラムを実行して多重染色蛍光標本1の
画像を取得する一連の動作制御を行なう機能を有してい
る。
【0026】次に、上記の如く構成された顕微鏡の作用
について説明する。
【0027】画像形成装置19は、シャッタ制御装置1
1に対して一画面の画像が作成されるごとに各シャッタ
5、6、7を順次切り替えて開閉する指令を発し、かつ
各偏向素子14、15に対してレーザ光を多重染色蛍光
標本1に対して走査照射させる指令を発する。
【0028】先ず、シャッタ5が開放され、他の各シャ
ッタ6、7が遮蔽されている。レーザ光源2から出力さ
れた励起波長λのレーザ光は、シャッタ5からダイク
ロイックミラー8を透過して顕微鏡本体12内に導入さ
れ、さらに当該顕微鏡本体12内のダイクロイックミラ
ー13で反射し、各偏向素子14、15により多重染色
蛍光標本1の全面に対して走査照射される。これによ
り、多重染色蛍光標本1は、励起される。
【0029】この多重染色蛍光標本1から発せられた蛍
光波長λ’の蛍光は、戻り光として偏向素子15、1
4を経由し、ダイクロイックミラー13を透過し、さら
に共焦点開口部16に集光されてこの共焦点開口部16
を通過し、バリアフィルタ17に入射する。
【0030】このバリアフィルタ17は、上記図2に示
す波長特性図に示すように励起波長λのレーザ光を遮
断し、かつ多重染色蛍光標本1から発せられた蛍光波長
λ’の蛍光を透過する波長特性を有しているので、多
重染色蛍光標本1から発せられた蛍光波長λ’の蛍光
は、バリアフィルタ17を透過し、光検出器18に入射
する。
【0031】この光検出器18は、バリアフィルタ17
を透過した蛍光波長λ’の蛍光を受光して蛍光強度を
検出し、その蛍光強度信号を出力する。
【0032】画像形成装置19は、光検出器18から出
力された蛍光強度信号を取り込んで蓄積し、この蛍光強
度信号を各偏向素子14、15の駆動信号に同期して内
部に設定された直交座標上に配置して励起波長λの2
次元画像を形成する。
【0033】次に、シャッタ6が開放され、他の各シャ
ッタ5、7が遮蔽される。レーザ光源3から出力された
励起波長λのレーザ光は、シャッタ6を通過してダイ
クロイックミラー9で反射され、ダイクロイックミラー
8で反射されて顕微鏡本体12内に導入され、さらに当
該顕微鏡本体12内のダイクロイックミラー13で反射
し、各偏向素子14、15により多重染色蛍光標本1の
全面に対して走査(スキャン)照射される。これによ
り、多重染色蛍光標本1は、励起される。
【0034】この多重染色蛍光標本1から発せられた蛍
光波長λ’の蛍光は、戻り光として偏向素子15、1
4を経由し、ダイクロイックミラー13を透過し、さら
に共焦点開口部16に集光されてこの共焦点開口部16
を通過し、バリアフィルタ17に入射する。
【0035】このバリアフィルタ17は、上記図2に示
す波長特性図に示すように励起波長λのレーザ光を遮
断し、かつ多重染色蛍光標本1から発せられた蛍光波長
λ’の蛍光を透過する波長特性を有しているので、多
重染色蛍光標本1から発せられた蛍光波長λ’の蛍光
は、バリアフィルタ17を透過し、光検出器18に入射
する。
【0036】この光検出器18は、バリアフィルタ17
を透過した蛍光波長λ’の蛍光を受光して蛍光強度を
検出し、その蛍光強度信号を出力する。
【0037】画像形成装置19は、光検出器18から出
力された蛍光強度信号を取り込んで蓄積し、この蛍光強
度信号を各偏向素子14、15の駆動信号に同期して内
部に設定された直交座標上に配置して励起波長λの2
次元画像を形成する。
【0038】次に、シャッタ7が開放され、他の各シャ
ッタ5、6が遮蔽される。レーザ光源3から出力された
励起波長λのレーザ光は、シャッタ7を通過してミラ
ー10で反射された後、ダイクロイックミラー9を通過
してダイクロイックミラー8で反射され、顕微鏡本体1
2内に導入され、ダイクロイックミラー13で反射し、
各偏向素子14、15により多重染色蛍光標本1に対し
て走査(スキャン)照射され、多重染色蛍光標本1を励
起する。
【0039】この多重染色蛍光標本1から発せられた蛍
光波長λ’の蛍光は、各偏向素子15、14を経由
し、ダイクロイックミラー13を透過し、共焦点開口部
16を通過してバリアフィルタ17に入射する。
【0040】このバリアフィルタ17は、上記図2に示
す波長特性図に示すように励起波長λのレーザ光を遮
断し、かつ多重染色蛍光標本1から発した蛍光波長
λ’の蛍光を透過する波長特性を有しているので、多
重染色蛍光標本1で発した蛍光波長λ’の蛍光は、バ
リアフィルタ17を透過し、光検出器18に入射する。
【0041】この光検出器18は、バリアフィルタ17
を透過した蛍光波長λ’の蛍光を受光して蛍光強度を
検出し、その蛍光強度信号を出力する。
【0042】画像形成装置19は、光検出器18から出
力された蛍光強度信号を取り込んで蓄積し、この蛍光強
度信号を各偏向素子14、15の駆動信号に同期して内
部に設定された直交座標上に配置して励起波長λの2
次元画像を形成する。
【0043】そして、画像形成装置19は、各励起波長
λ、λ、λの3枚の2次元画像を合成して多重染
色蛍光標本1の画像を取得し、同画像を表示装置20に
表示したり、図示しない印刷装置等により印字出力させ
たりする。
【0044】このように上記第1の実施の形態において
は、励起波長λ、λ、λのレーザ光を遮断し、か
つ多重染色蛍光標本1から発せられた蛍光波長λ’、
λ’、λ’の蛍光を透過する特性を有する1つのバ
リアフィルタ17を用い、このバリアフィルタ17を透
過した蛍光を1つの光検出器18により検出し、この光
検出器18から出力される蛍光強度信号に基づいて励起
波長λ、λ、λごとの画像を形成し、これら画像
を合成して多重染色蛍光標本1の画像を取得するように
したので、3つの励起波長λ、λ、λの種類より
も少ない1つの光検出器18を用いて多重染色蛍光標本
1の画像を取得して3重染色観察をすることができ、そ
のうえ顕微鏡の小型化、低価格化を図ることができる。
【0045】又、励起波長λ、λ、λのレーザ光
を順次多重染色蛍光標本1に照射して励起し、このとき
発せられた各蛍光波長λ’、λ’、λ’の蛍光を
順次検出してその画像を形成し、これら画像を合成して
多重染色蛍光標本1の画像を取得するので、短時間での
多重染色蛍光標本1の画像を取得できる。
【0046】なお、当該共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
では、多重染色蛍光標本1をこの標本1の厚さ方向に一
定間隔で送りながら画像を取得して、多重染色蛍光標本
1の3次元画像を構築したり、3画面像取得を連続又は
間欠取得して時間経過と共に観察、解析を行なうことも
できる。
【0047】(2)次に、本発明の第2の実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。なお、図1と同一部分
には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0048】図3は共焦点レーザ走査型光学顕微鏡の構
成図である。この共焦点レーザ走査型光学顕微鏡の上記
第1の実施の形態と相違するところは、光検出器30を
設けて2つの光検出器18、30を用いている点であ
る。
【0049】顕微鏡本体12内のダイクロイックミラー
13の透過光路上には、分光ダイクロイックミラー31
が配置されている。この分光ダイクロイックミラー31
は、多重染色蛍光標本1から発せられた各蛍光波長
λ’、λ’、λ’の蛍光を所定の波長λs、例え
ばλ’<λs<λ’でかつλs<λ’の関係であ
る波長λs、例えば波長λs=560nmを境として分
光する光分光手段としての波長特性を有するもので、図
4及び図5に示すように波長λsよりも短い波長の光を
反射し、かつ波長λsよりも長い波長の光を透過するも
のとなっている。
【0050】この分光ダイクロイックミラー31の透過
光路上には、共焦点開口部16を介してバリアフィルタ
32が配置されている。このバリアフィルタ32は、上
記境の波長λsよりも長い波長帯域の蛍光波長を透過す
る特性を有するもので、図4に示すように少なくとも不
要な励起波長λ、λ、λを遮断し、かつ蛍光波長
λ’、λ’の蛍光を透過するものとなっている。す
なわち、バリアフィルタ32は、各励起波長λ
λ、λの近傍において透過率0.01%以下に設定
され、かつ励起波長λ−λの間では特に規定せず、
さらに蛍光波長λ’、λ’の帯域の透過率をできる
だけ高く設定されている。
【0051】一方、分光ダイクロイックミラー31の反
射光路上には、共焦点開口33を介してバリアフィルタ
34が配置されている。このバリアフィルタ34は、上
記境の波長λsよりも短い波長帯域の蛍光波長を透過す
る特性を有するもので、図5に示すように少なくとも不
要な励起波長λ、λを遮断し、かつ蛍光波長λ
の蛍光を透過するものとなっている。すなわち、バリア
フィルタ34は、各励起波長λ、λの近傍において
透過率0.01%以下に設定され、かつ励起波長λ
下は特に規定せず、さらに蛍光波長λ’の帯域の透過
率をできるだけ高く設定されている。
【0052】なお、各バリアフィルタ32、34は、そ
れぞれ1枚の基板上に形成してもよいし、又は複数の基
板に形成した波長特性の異なる基板を組み(重ね)合わ
せて形成してもよい。
【0053】光検出器30は、バリアフィルタ34を透
過した蛍光波長λ’の蛍光を受光して蛍光強度を検出
し、その蛍光強度信号を出力するもので、例えば1つの
フォトマルが用いられている。
【0054】画像形成装置35は、2つの光検出器1
8、30から出力された各蛍光強度信号を取り込んで蓄
積し、これら蛍光強度信号を各偏向素子14、15の駆
動信号に同期して内部に設定された直交座標上に配置し
て各励起波長λ、λ、λごとの2次元画像を形成
し、これら2次元画像を合成して多重染色蛍光標本1の
画像を取得する機能を有している。
【0055】この画像形成装置35は、シャッタ制御装
置11に対して、先ずは2つのシャッタ5と7とを開放
して各励起波長λ、λにより多重染色蛍光標本1を
励起(1回目励起露光)し、次にシャッタ6を開放して
励起波長λにより多重染色蛍光標本1を励起(2回目
励起露光)させる機能を有している。
【0056】次に、上記の如く構成された顕微鏡の作用
について説明する。
【0057】画像形成装置19は、シャッタ制御装置1
1に対して一画面の画像が作成されるごとに各シャッタ
5、6、7を開放する組み合わせを選択的に順次切り替
える指令を発し、かつ各偏向素子14、15に対してレ
ーザ光を多重染色蛍光標本1に対して走査(スキャン)
照射させる指令を発する。
【0058】先ず、シャッタ5と7とが開放され、シャ
ッタ6が遮蔽されている。レーザ光源2から出力された
励起波長λのレーザ光は、シャッタ5からダイクロイ
ックミラー8を透過して顕微鏡本体12内に導入され、
これと共にレーザ光源4から出力された励起波長λ
レーザ光は、シャッタ7を通過してミラー10で反射さ
れた後、ダイクロイックミラー9を透過してダイクロイ
ックミラー8で反射され、顕微鏡本体12内に導入され
る。
【0059】これら励起波長λ、λの各レーザ光
は、顕微鏡本体12内のダイクロイックミラー13で反
射され、各偏向素子14、15により多重染色蛍光標本
1の全面に対して走査(スキャン)照射される。これに
より、多重染色蛍光標本1は、励起波長λ、λの各
レーザ光により励起される。
【0060】この多重染色蛍光標本1から発せられた蛍
光波長λ’、λ’の各蛍光は、戻り光として偏向素
子15、14を経由し、ダイクロイックミラー13を透
過して分光ダイクロイックミラー31に入射する。
【0061】この分光ダイクロイックミラー31は、蛍
光波長λ’、λ’の各蛍光が入射すると、λ’<
λs<λ’の関係から上記図4及び図5に示すように
境とする波長λsよりも長い波長すなわち蛍光波長
λ’の蛍光を透過し、かつ波長λsよりも短い波長す
なわち蛍光波長λ’の蛍光を反射する。
【0062】この分光ダイクロイックミラー31を透過
した蛍光波長λ’の蛍光は、共焦点開口部16に集光
されてこの共焦点開口部16を通過し、バリアフィルタ
32を透過して光検出器18に入射する。この光検出器
18は、バリアフィルタ32を透過した蛍光波長λ
の蛍光を受光して蛍光強度を検出し、その蛍光強度信号
を出力する。
【0063】一方、分光ダイクロイックミラー31で反
射された蛍光波長λ’の蛍光は、共焦点開口部33に
集光されてこの共焦点開口部33を通過し、バリアフィ
ルタ34を透過して光検出器30に入射する。この光検
出器30は、バリアフィルタ34を透過した蛍光波長λ
’の蛍光を受光して蛍光強度を検出し、その蛍光強度
信号を出力する。
【0064】画像形成装置35は、2つの光検出器1
8、30から出力された各蛍光強度信号を取り込んで蓄
積し、これら蛍光強度信号を各偏向素子14、15の駆
動信号に同期して内部に設定された直交座標上に配置し
て各励起波長λ、λごとの2次元画像を形成する。
【0065】次に、シャッタ6が開放され、他の各シャ
ッタ5、7が遮蔽されている。レーザ光源3から出力さ
れた励起波長λのレーザ光は、シャッタ6を通過して
ダイクロイックミラー9で反射された後、ダイクロイッ
クミラー8で反射されて顕微鏡本体12内に導入され、
さらに顕微鏡本体12内のダイクロイックミラー13で
反射し、各偏向素子14、15により多重染色蛍光標本
1の全面に対して走査(スキャン)照射される。これに
より、多重染色蛍光標本1は、励起波長λのレーザ光
により励起される。
【0066】この多重染色蛍光標本1から発せられた蛍
光波長λ’の蛍光は、戻り光として偏向素子15、1
4を経由し、ダイクロイックミラー13を透過して分光
ダイクロイックミラー31に入射する。
【0067】この分光ダイクロイックミラー31は、蛍
光波長λ’の蛍光が入射すると、λs<λ’の関係
から上記図4及び図5に示すように境とする波長λsよ
りも長い波長すなわち蛍光波長λ’の蛍光を透過す
る。
【0068】この分光ダイクロイックミラー31を透過
した蛍光波長λ’の蛍光は、共焦点開口部16に集光
されてこの共焦点開口部16を通過し、バリアフィルタ
32を透過して光検出器18に入射する。この光検出器
18は、バリアフィルタ32を透過した蛍光波長λ
の蛍光を受光して蛍光強度を検出し、その蛍光強度信号
を出力する。
【0069】画像形成装置35は、光検出器18から出
力された蛍光強度信号を取り込んで蓄積し、この蛍光強
度信号を各偏向素子14、15の駆動信号に同期して内
部に設定された直交座標上に配置して励起波長λの2
次元画像を形成する。
【0070】そして、画像形成装置35は、各励起波長
λ、λの2次元画像と励起波長λの2次元画像と
を合成して多重染色蛍光標本1の画像を取得し、同画像
を表示装置20に表示したり、図示しない印刷装置等に
より印字出力させたりする。
【0071】このように上記第2の実施の形態において
は、多重染色蛍光標本1から発せられた各蛍光波長
λ’、λ’、λ’の蛍光を所定の波長λs、例え
ばλ’<λs<λ’でかつλs<λ’の関係であ
る波長λsを境として分光する分光ダイクロイックミラ
ー31を設け、先ずは多重染色蛍光標本1を各励起波長
λ 、λのレーザ光により励起してその2次元画像を
形成し、次に多重染色蛍光標本1を励起波長λのレー
ザ光により励起してその2次元画像を形成し、これら2
次元画像を合成して多重染色蛍光標本1の画像を取得す
るようにしたので、上記第1の実施の形態と同様に、3
つの励起波長λ、λ、λの種類よりも少ない1つ
の光検出器18、30を用いて多重染色蛍光標本1の画
像を取得して3重染色観察ができるうえに顕微鏡の小型
化、低価格化を図ることができ、さらに短時間での多重
染色蛍光標本1の画像を取得できる。
【0072】又、3つの励起波長λ、λ、λによ
る3重染色観察を1回目励起露光と2回目励起露光とで
取得された各画像を合成して3重染色蛍光標本1の画像
を取得するので、クロストークの無い、3波長励起分の
蛍光画像を得ることができる。
【0073】(3)次に、本発明の第3の実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。なお、図3と同一部分
には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0074】図6は共焦点レーザ走査型光学顕微鏡の構
成図である。この共焦点レーザ走査型光学顕微鏡の上記
第2の実施の形態と相違するところは、励起波長(中心
波長)λ=351nmのレーザ光を出力するレーザ光
源40を加えて4波長とした点である。
【0075】このレーザ光源40から出力されたレーザ
光の光路上には、シャッタ41が配置されている。この
シャッタ41は、上記シャッタ制御装置11により開閉
制御されるもので、他のシャッタ5、6、7との組み合
わせて選択的に開閉、例えば各シャッタ5と7、各シャ
ッタ3と41が同時に開放されるようになっている。
【0076】レーザ光源40から出力されたレーザ光
は、ミラー42で反射し、ダイクロイックミラー43で
反射して、上記励起波長λ、λ、λのレーザ光と
同一の光軸、傾きとなるように導入されるようになって
いる。
【0077】上記分光ダイクロイックミラー31は、多
重染色蛍光標本1から発せられた各蛍光波長λ’、λ
’、λ’、λ’の蛍光を所定の波長λs、例えば
λ’<λ’<λs<λ’<λ’の関係である波
長λsを境として分光する波長特性を有するもので、図
7及び図8に示すように波長λsよりも短い波長の光を
反射し、かつ波長λsよりも長い波長の光を透過するも
のとなっている。
【0078】この分光ダイクロイックミラー31の透過
光路上には、共焦点開口部16を介してバリアフィルタ
44が配置されている。このバリアフィルタ44は、上
記境の波長λsよりも長い波長帯域の蛍光波長を透過す
る特性を有するもので、図7に示すように不要な励起波
長λ、λ、λ、λの近傍では透過率を0.01
%以下にし、かつ励起波長λ以下は透過率5%以下と
し、蛍光波長λ’、λ’帯域の蛍光の透過率をでき
るだけ高く設定したものである。
【0079】一方、分光ダイクロイックミラー31の反
射光路上には、共焦点開口33を介してバリアフィルタ
45が配置されている。このバリアフィルタ45は、上
記境の波長λsよりも短い波長帯域の蛍光波長を透過す
る特性を有するもので、図8に示すように不要な励起波
長λ、λ、λの近傍及び励起波長λ以上では透
過率を0.01%以下にし、かつ励起波長λ以下は特
に規定せず、蛍光波長λ’、λ’帯域の透過率がで
きるだけ高くなるように設定されている。
【0080】なお、これらバリアフィルタ44、45
は、それぞれ1枚の基板上に形成してもよいし、又は複
数の基板に形成した波長特性の異なる基板を重ね合わせ
て形成してもよい。
【0081】画像形成装置46は、2つの光検出器1
8、30から出力された各蛍光強度信号を取り込んで蓄
積し、これら蛍光強度信号を各偏向素子14、15の駆
動信号に同期して内部に設定された直交座標上に配置し
て励起波長λとλ、励起波長λ、λごとの各2
次元画像を形成し、これら2次元画像を合成して多重染
色蛍光標本1の画像を取得する機能を有している。
【0082】この画像形成装置46は、シャッタ制御装
置11に対して、先ずは2つのシャッタ5と7とを開放
して各励起波長λ、λにより多重染色蛍光標本1を
励起(1回目励起露光)し、次にシャッタ6と41を開
放して励起波長λ、λにより多重染色蛍光標本1を
励起(2回目励起露光)させる機能を有している。
【0083】次に、上記の如く構成された顕微鏡の作用
について説明する。
【0084】画像形成装置46は、シャッタ制御装置1
1に対して一画面の画像が作成されるごとに各シャッタ
5、6、7、41を開放する組み合わせを選択的に順次
切り替える指令を発し、かつ各偏向素子14、15に対
してレーザ光を多重染色蛍光標本1に対して走査(スキ
ャン)照射させる指令を発する。
【0085】先ず、シャッタ5と7とが開放され、他の
各シャッタ6、41が遮蔽されている。レーザ光源2か
ら出力された励起波長λのレーザ光は、シャッタ5を
通過してダイクロイックミラー8を透過して顕微鏡本体
12内に導入され、これと共にレーザ光源4から出力さ
れた励起波長λのレーザ光は、シャッタ7を通過して
ミラー10で反射された後、ダイクロイックミラー9を
透過し、ダイクロイックミラー8で反射されて顕微鏡本
体12内に導入される。
【0086】これら励起波長λ、λの各レーザ光
は、顕微鏡本体12内のダイクロイックミラー13で反
射され、各偏向素子14、15により多重染色蛍光標本
1に対して走査照射される。これにより、多重染色蛍光
標本1は、励起波長λ、λの各レーザ光により励起
される。
【0087】この多重染色蛍光標本1で発した蛍光波長
λ’、λ’の各蛍光は、戻り光として偏向素子1
5、14を経由し、ダイクロイックミラー13を透過し
て分光ダイクロイックミラー31に入射する。
【0088】この分光ダイクロイックミラー31は、蛍
光波長λ’、λ’の各蛍光が入射すると、λ’<
λs<λ’の関係から上記図7及び図8に示すように
蛍光波長λ’の蛍光を透過し、かつ蛍光波長λ’の
蛍光の光を反射する。
【0089】この分光ダイクロイックミラー31を透過
した蛍光波長λ’の蛍光は、共焦点開口部16に集光
されてこの共焦点開口部16を通過し、バリアフィルタ
44を透過して光検出器18に入射する。この光検出器
18は、バリアフィルタ44を透過した蛍光波長λ
の蛍光を受光して蛍光強度を検出し、その蛍光強度信号
を出力する。
【0090】一方、分光ダイクロイックミラー31で反
射された蛍光波長λ’の蛍光は、共焦点開口部33に
集光されてこの共焦点開口部33を通過し、バリアフィ
ルタ45を透過して光検出器30に入射する。この光検
出器30は、バリアフィルタ44を透過した蛍光波長λ
’の蛍光を受光して蛍光強度を検出し、その蛍光強度
信号を出力する。
【0091】画像形成装置46は、2つの光検出器1
8、30から出力された各蛍光強度信号を取り込んで蓄
積し、これら蛍光強度信号を各偏向素子14、15の駆
動信号に同期して内部に設定された直交座標上に配置し
て各励起波長λ、λの2次元画像を形成する。
【0092】次に、シャッタ6と41が開放され、他の
各シャッタ5、7が遮蔽されている。レーザ光源3から
出力された励起波長λのレーザ光は、シャッタ6を通
過してダイクロイックミラー9で反射され、さらにダイ
クロイックミラー8で反射されて顕微鏡本体12内に導
入され、これと共にレーザ光源40から出力された励起
波長λのレーザ光は、シャッタ41を通過してミラー
42、ダイクロイックミラー43で反射されて顕微鏡本
体12内に導入される。
【0093】これら励起波長λ、λの各レーザ光
は、顕微鏡本体12内のダイクロイックミラー13で反
射され、各偏向素子14、15により多重染色蛍光標本
1に対して走査(スキャン)照射される。これにより、
多重染色蛍光標本1は、励起波長λ、λの各レーザ
光により励起される。
【0094】この多重染色蛍光標本1で発した蛍光波長
λ’、λ’の蛍光は、戻り光として偏向素子15、
14を経由し、ダイクロイックミラー13を透過して分
光ダイクロイックミラー31に入射する。
【0095】この分光ダイクロイックミラー31は、蛍
光波長λ’、λ’の各蛍光が入射すると、λ’<
λs<λ’の関係から上記図7及び図8に示すように
蛍光波長λ’の蛍光を透過し、かつ蛍光波長λ’の
蛍光の光を反射する。
【0096】この分光ダイクロイックミラー31を透過
した蛍光波長λ’の蛍光は、共焦点開口部16に集光
されてこの共焦点開口部16を通過し、バリアフィルタ
44を透過して光検出器18に入射する。この光検出器
18は、バリアフィルタ44を透過した蛍光波長λ
の蛍光を受光して蛍光強度を検出し、その蛍光強度信号
を出力する。
【0097】一方、分光ダイクロイックミラー31で反
射した蛍光波長λ’の蛍光は、共焦点開口部33に集
光されてこの共焦点開口部33を通過し、バリアフィル
タ45を透過して光検出器30に入射する。この光検出
器30は、バリアフィルタ44を透過した蛍光波長
λ’の蛍光を受光して蛍光強度を検出し、その蛍光強
度信号を出力する。
【0098】画像形成装置46は、光検出器18から出
力された蛍光強度信号を取り込んで蓄積し、この蛍光強
度信号を各偏向素子14、15の駆動信号に同期して内
部に設定された直交座標上に配置して励起波長λ、λ
の2次元画像を形成する。
【0099】そして、画像形成装置35は、各励起波長
λ、λの2次元画像と励起波長λ、λの2次元
画像とを合成して多重染色蛍光標本1の画像を取得し、
同画像を表示装置20に表示したり、図示しない印刷装
置等により印字出力させたりする。
【0100】このように上記第3の実施の形態において
は、先ずは励起波長λ、λにより多重染色蛍光標本
1を励起し、次に励起波長λ、λにより多重染色蛍
光標本1を励起し、これら励起波長λ、λの2次元
画像と励起波長λ、λの2次元画像とを合成して多
重染色蛍光標本1の画像を取得するようにしたので、上
記第2の実施の形態と同様に、4つの励起波長λ、λ
、λ、λの種類よりも少ない2つの光検出器1
8、30を用いて多重染色蛍光標本1の画像を取得して
4重染色観察ができるうえに顕微鏡の小型化、低価格化
を図ることができ、さらに短時間での多重染色蛍光標本
1の画像を取得できる。
【0101】又、4つの励起波長λ、λ、λ、λ
による4重染色観察を1回目励起露光と2回目励起露
光とで取得された各画像を合成して4重染色蛍光標本1
の画像を取得するので、クロストークの無い、4波長励
起分の蛍光画像を得ることができる。
【0102】なお、本発明は、上記第1乃至第3の実施
の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨
を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0103】さらに、上記実施形態には、種々の段階の
発明が含まれており、開示されている複数の構成要件に
おける適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出でき
る。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾
つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとす
る課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で
述べられている効果が得られる場合には、この構成要件
が削除された構成が発明として抽出できる。
【0104】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、励
起波長の種類よりも少ない数の光検出器を用いて小型
化、低価格化を図り、かつ短時間での画像取得ができる
走査型光学顕微鏡を提供できる。
【0105】又、本発明によれば、クロストークのノイ
ズを防止して多重染色蛍光標本の蛍光画像を得ることが
できる走査型光学顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係わる共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
の第1の実施の形態におけるバリアフィルタの波長特性
図。
【図3】本発明に係わる共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
の第2の実施の形態を示す構成図。
【図4】本発明に係わる共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
の第2の実施の形態における一方のバリアフィルタの波
長特性図。
【図5】本発明に係わる共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
の第2の実施の形態における他方のバリアフィルタの波
長特性図。
【図6】本発明に係わる共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
の第3の実施の形態を示す構成図。
【図7】本発明に係わる共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
の第3の実施の形態における一方のバリアフィルタの波
長特性図。
【図8】本発明に係わる共焦点レーザ走査型光学顕微鏡
の第3の実施の形態における他方のバリアフィルタの波
長特性図。
【符号の説明】
1:多重染色蛍光標本 2,3,4:レーザ光源 5,6,7:シャッタ 8,9:ダイクロイックミラー 10:ミラー 11:シャッタ制御装置 12:顕微鏡本体 13:ダイクロイックミラー 14,15:偏向素子 16:共焦点開口部 17:バリアフィルタ 18:光検出器 19:画像形成装置 20:表示装置 30:光検出器 31:分光ダイクロイックミラー 32:バリアフィルタ 33:共焦点開口部 34:バリアフィルタ 35:画像形成装置 40:レーザ光源 41:シャッタ 42:ミラー 43:ダイクロイックミラー 44:バリアフィルタ 45:バリアフィルタ 46:画像形成装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA03 DA02 EA01 FA01 FA02 FA06 GA02 GB01 GB17 GB18 GB21 HA02 HA09 HA11 JA03 KA09 LA02 2H048 GA13 GA61 2H052 AA07 AA09 AC04 AC15 AC27 AC34 AD34 AF21 AF25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の波長の励起光を多重染色蛍光標本
    に照射して当該標本の多重染色観察を行なう走査型光学
    顕微鏡において、 複数の前記励起波長を遮断し、かつ前記多重染色蛍光標
    本から発せられた複数の蛍光波長の光を透過するバリア
    フィルタと、 このバリアフィルタを透過した前記蛍光を受光してその
    蛍光強度を検出する前記励起波長の数よりも少ない光検
    出器と、 この光検出器から出力される蛍光強度信号に基づいて前
    記励起波長ごとの画像を形成し、これら画像を合成して
    前記多重染色蛍光標本の画像を取得する画像形成手段
    と、を具備したことを特徴とする走査型光学顕微鏡。
  2. 【請求項2】 複数の波長の前記励起光を順次切換えて
    前記多重染色蛍光標本に照射したときに、前記多重染色
    蛍光標本からそれぞれ発せられる複数波長の前記蛍光を
    透過する1つの前記バリアフィルタと、このバリアフィ
    ルタを透過した前記蛍光を受光する1つの前記光検出器
    とからなることを特徴とする請求項1記載の走査型光学
    顕微鏡。
  3. 【請求項3】 複数の波長の励起光を多重染色蛍光標本
    に照射して当該標本の多重染色観察を行なう走査型光学
    顕微鏡において、 前記多重染色蛍光標本から発せられた複数波長の前記蛍
    光を所定の波長を境として分光する光分光手段と、 この光分光手段による各分光光路上にそれぞれ配置さ
    れ、少なくとも不要な前記励起波長を遮断し、かつ前記
    蛍光波長の光を透過する複数のバリアフィルタと、 これらバリアフィルタを透過した前記蛍光をそれぞれ受
    光してその各蛍光強度を検出する前記励起波長の数より
    も少ない光検出器と、 これら光検出器から出力される各蛍光強度信号に基づい
    て前記励起波長ごとの各画像を形成し、これら画像を合
    成して前記多重染色蛍光標本の画像を取得する画像形成
    手段と、を具備したことを特徴とする走査型光学顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】 複数の前記バリアフィルタは、それぞれ
    前記所定の波長を境として当該境の波長よりも短い波長
    帯域の前記蛍光波長を透過する特性を有する前記バリア
    フィルタを一方の前記分光光路上に配置し、前記境の波
    長よりも長い波長帯域の前記蛍光波長を透過する特性を
    有する前記バリアフィルタを他方の前記分光光路上に配
    置することを特徴とする請求項3記載の走査型光学顕微
    鏡。
  5. 【請求項5】 複数の波長の前記励起光を前記多重染色
    蛍光標本に照射するとき、これら励起光のうち隣接しな
    い波長帯域となる複数の波長の前記励起光を同時に前記
    多重染色蛍光標本に照射することを特徴とする請求項3
    記載の走査型光学顕微鏡。
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