JP2005351703A - 走査型レーザ顕微鏡および検出波長範囲設定方法 - Google Patents

走査型レーザ顕微鏡および検出波長範囲設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 観察対象に対する最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を簡単に設定できる走査型レーザ顕微鏡および検出波長範囲設定方法を提供する。
【解決手段】 制御ユニット29によりスリット27のスペクトル列方向のスリット幅を観察対象の試薬の標準検出波長範囲Aに設定し、フォトマルチプライヤー28によりデータ取りを行ない、次いで、スリット27のスペクトル列方向のスリット幅を標準検出波長範囲Aより十分に小さい所定の波長範囲Xに設定し、回折格子ガルバノミラー25の反射角度を制御し、波長範囲Xを波長幅単位として数ステップずらし走査しながらデータ取りを行なう。そして、このずらし走査により得られたデータを用いて、標準検出波長範囲Aに対する加算、減算を実行し、検出開始波長、取込み波長幅をずらしながら、標準検出波長範囲Aの周辺をまんべんなくデータ補完し、複数の補完データを生成し、これらデータから最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光源からの光を走査して試料に照射し、試料で発生する検出光をスペクトル分散してそのスペクトル列から任意の波長領域の検出光を検出したり、分光データを取得する走査型レーザ顕微鏡および検出波長範囲設定方法に関するものである。
顕微鏡の分野では、有機化合物である蛍光試薬やGFPに代表される蛍光タンパ質のラインナップの増加などに伴ない、さまざまな蛍光を同時に検出することが望まれている。
そこで、従来、例えば、特許文献1に開示されるように、試料から発せられた検出光をスペクトル分解する手段(プリズム)と、予め定められたスペクトル領域を選択する手段およびこの選択手段を介して与えられる光を検出する検出装置とを備え、検出光をスペクトル分解する手段とスペクトル領域を選択する手段を互いに制御することで、任意の波長領域の光を検出装置により検出できるようにしたものが提案されている。
特開2002−122787号公報
ところで、観察対象の試薬の蛍光波長特性は、例えば、図9(a)に示すようなグラフで表わすことができる。従って、このような蛍光波長特性に対して、あらかじめ試薬ごとに用意された推奨の標準検出波長範囲A(開始波長と取り込み波長幅)を設定し、この標準検出波長範囲Aについてデータを取得するようにすれば、最適なコントラストの蛍データを得ることができる。
ところが、実際の試料は、1種類の試薬で染色されているとは限らず、他の試薬で多重染色されていることがあり、また、試料自体に自家蛍光などが発生していることもある。この場合、これら他の試薬や自家蛍光による蛍光波長特性が図9(b)に示すようになり、その波長範囲Bが観察対象の試薬の標準検出波長範囲Aの一部と重なってしまうことがある。この状況では、観察対象の試薬の標準検出波長範囲Aについてデータを取得しても、コントラストの高い蛍光データが得られないという問題が生じる。
そこで、特許文献1のものについても、コントラストの高いデータを得るには、観察対象の試薬について最適な検出波長範囲(開始波長と取り込み波長幅)を設定する必要がある。しかし、このような検出開始波長や波長幅をフレキシブルに選べることは検出の自由度が高い反面、検出開始波長と取込み波長幅の2つのパラメータをどのように変化させれば最適なデータが取得できるかなどを事前に予測するのが極めて難しい。
このため実際は、試料の種類や試薬の染まり具合に合わせて検出開始波長や取込み波長幅を決定したり、他の試薬との重なり具合をチェックしながら、検出開始波長または選択波長幅を少しづつシフトさせて得られたデータのコントラストから最適な状態を判断するなと、試行錯誤を繰り返しながら最良の検出開始波長と取込み波長幅を決定しており、そのために多大な手間と時間がかかるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、観察対象に対する最適な検出波長範囲(開始波長と取り込み波長幅)を簡単に設定できる走査型レーザ顕微鏡および検出波長範囲設定方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、レーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光源のレーザ光が照射される標本からの検出光を結像する共焦点レンズ、該共焦点レンズの焦点位置に配置される共焦点絞りを有する検出光学系と、前記共焦点絞りを通った検出光を取り込みスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、前記スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルのデータを検出する検出手段と、前記スペクトル分散手段とスペクトル領域選択手段を制御し、前記標本の観察対象に予め設定された標準検出波長範囲についてデータを取得するとともに、前記標準検出波長範囲の短波長側と長波長側の少なくとも一方について、所定の波長範囲を波長幅単位として数ステップずらし走査してデータを取得し、これら取得されたデータにより前記標準検出波長範囲で検出したデータに対し加減算を行い、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅の少なくとも一方をずらしながら複数の補完データを生成し、これらデータにより前記標準検出波長範囲に最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定可能とした制御手段とを具備したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、さらに表示手段を有し、前記制御手段により生成された補完データを各別に表示するようにしたことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅の少なくとも一方をずらしながら生成された補完データのダイナミックレンジの差分からコントラストを評価し最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を自動選択可能にしたことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と取込み波長幅の少なくとも一方をずらす際に、前記レーザ光源のレーザ光の波長を含まないように制御することを特徴としている。
請求項5記載の発明は、レーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光源のレーザ光が照射される標本からの検出光を結像する共焦点レンズ、該共焦点レンズの焦点位置に配置される共焦点絞りを有する検出光学系と、前記共焦点絞りを通った検出光を取り込みスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、前記スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルのデータを検出する検出手段と、前記スペクトル分散手段とスペクトル領域選択手段を制御し、前記標本の観察対象に予め設定された標準検出波長範囲に対する検出開始波長と取込み波長幅の少なくとも一方をずらしながら前記標準検出波長範囲に関するデータを取得し、これらデータにより前記標準検出波長範囲に最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定可能とした制御手段とを具備したことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、レーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光源のレーザ光が照射される標本からの検出光を波長ごとに分光し複数チャンネルの光路に分割する光路分割手段と、前記複数チャンネルのうち一つのチャンネルに設けられ、前記検出光をスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、該スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルを検出する第1のチャンネル検出手段と、前記複数チャンネルのうち他の一つのチャンネルに設けられ、前記検出光をスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、該スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルを検出する第2のチャンネル検出手段と、前記第1および第2のチャンネル検出手段の前記スペクトル分散手段とスペクトル領域選択手段を制御し、前記標本の観察対象に予め設定された標準検出波長範囲についてデータを取得するとともに、前記標準検出波長範囲の短波長側と長波長側の少なくとも一方について、所定の波長範囲を波長幅単位として数ステップずらし走査してデータを取得し、これら取得されたデータにより前記標準検出波長範囲で検出したデータに対し加減算を行い、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅の少なくとも一方をずらしながら複数の補完データを生成し、これらデータにより前記標準検出波長範囲に最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定可能とした制御手段とを具備したことを特徴としている。
請求項7記載の発明は、レーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光源のレーザ光が照射される標本からの検出光を結像する共焦点レンズ、該共焦点レンズの焦点位置に配置される共焦点絞りを有する検出光学系と、前記共焦点絞りを通った検出光を取り込みスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、前記スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルのデータを検出する検出手段とを具備する走査型レーザ顕微鏡の検出波長範囲設定方法であって、前記スペクトル分散手段とスペクトル領域選択手段を制御し、前記標本の観察対象に予め設定された標準検出波長範囲についてデータを取得するとともに、前記標準検出波長範囲の短波長側と長波長側の少なくとも一方について、所定の波長範囲を波長幅単位として数ステップずらし走査してデータを取得し、これら取得されたデータにより前記標準検出波長範囲で検出したデータに対し加減算を行い、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅の少なくとも一方をずらしながら複数の補完データを生成し、これらデータにより前記標準検出波長範囲に最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定可能としたことを特徴としている。
本発明によれば、観察対象に対する最適な検出波長範囲(開始波長と取り込み波長幅)を簡単に設定できる走査型レーザ顕微鏡および検出波長範囲設定方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡の概略構成を示している。
図において、1は観察用励起レーザ光源として観察用励起レーザ光を発振するレーザ光源ユニットで、このレーザ光源ユニット1は、レーザ光源として488nmの波長のレーザ光を発振するアルゴンレーザ2と、543nmの波長のレーザ光を発振するヘリウムネオンレーザ3を有している。アルゴンレーザ2からのレーザ光の光路上には、反射ミラー4が配置されている。また、ヘリウムネオンレーザ3からのレーザ光の光路上には、反射ミラー4で反射されるレーザ光との交点上にダイクロイックミラー5が配置されている。ダイクロイックミラー5は、これら2つのレーザ光路を合成するもので、ヘリウムネオンレーザ3からのレーザ光を透過し、反射ミラー4で反射されるレーザ光を反射するようになっている。ここでのダイクロイックミラー5は、488nmのレーザ光を反射し、543nmのレーザ光を透過するような特性を有している。
ダイクロイックミラー5により合成されたレーザ光の光路上には、音響光学可変フィルタ(以下、AOTFとする)6が配置されている。ここでのAOTF6は、488nmと543nmの波長のレーザ光の選択を行うことが可能になっている。
AOTF6の出射端には、シングルモードファイバ7の入射端が接続されている。シングルモードファイバ7の出射端には、スキャナユニット8が接続されている。スキャナユニット8は、シングルモードファイバ7のの出射側に、AOTF6からのレーザ光を平行光にするコリメートレンズ9が配置されている。
コリメートレンズ9の平行光の光路上には、光路分割手段としてビームスプリッタユニット10が配置されている。ビームスプリッタユニット10は、例えば回転ターレットからなるもので、光学素子として特性の異なるビームスプリッタ10a、10b、10cが同心円状に配置されている。また、ビームスプリッタユニット10は、モータ10dによる回転駆動により、ビームスプリッタ10a、10b、10cを選択的に光路上に位置決め可能な構成となっている。すなわち、ビームスプリッタ10aと10bと10cのいずれか一つが光路上に配置され得る。
ここで、ビームスプリッタ10aは、全ての波長域にわたり反射率20%、透過率80%の特性を有し、ビームスプリッタ10bは、488nmの波長を反射し、それ以外の波長を透過するような特性を有し、ビームスプリッタ10cは、4188nmと543nmの波長を反射し、それ以外の波長を透過するような特性を有している。
なお、図示例では、ビームスプリッタ10aが光路上に位置決めされている。
ビームスプリッタユニット10の反射光路には、走査手段としてXYスキャナミラー11が配置されている。このXYスキャナミラー11は、直交する2方向に光を偏向するための2枚のミラー11a、11bを有し、これらのミラー11a、11bにより後述する標本15上の観察用励起レーザ光を2次元方向に走査するようになっている。
XYスキャナミラー11により2次元走査されたレーザ光の光路上には、観察用励起レーザ光の走査光学系を構成する瞳投影レンズ12、結像レンズ13、対物レンズ14が配置されている。この場合、XYスキャナミラー11で2次元走査された観察用励起レーザ光は、瞳投影レンズ12、結像レンズ13、対物レンズ14を介して標本15の焦点位置に結像され、また、標本15から発生された蛍光(検出光)は、観察用励起レーザ光と逆の光路をたどって対物レンズ14、結像レンズ13、瞳投影レンズ12、XYスキャナミラー11を介してビームスプリッタユニット10まで戻るようになっている。
ビームスプリッタユニット10の透過光路上には、反射ミラー16が配置されている。この反射ミラー16の反射光路上には、検出光学系として共焦点レンズ17と共焦点絞り(ピンホール)22が配置されている。この場合、共焦点レンズ17の集光位置に共焦点絞り22が配置されている。共焦点絞り22には、駆動装置22aが設けられている。この駆動装置22aは、共焦点絞り22の共焦点絞り径を、対物レンズ14の瞳径により決まるスポット径に適したものにするためのものである。
共焦点絞り22を通過した光路上には、コリメートレンズ23が配置されている。コリメートレンズ23は、共焦点絞り22を通過して拡散される光を平行光に変換するものである。
コリメートレンズ23からの平行光は、スキャナユニット8内の分光ユニット24に入射される。分光ユニット24は、コリメートレンズ23からの平行光の光路上にスペクトル分散手段としてミラー面が回折格子であるガルバノミラー(以下、回折格子ガルバノミラーと称する)25が配置されている。回折格子ガルバノミラー25は、不図示のステッピンングモータを使用して回折格子面を図示の回転方向25aに回転可能になっていて、回折格子により分散されたスペクトルの反射方向を変えることができるようになっている。
回折格子ガルバノミラー25より反射される光路上には、集光レンズ26が配置されている。集光レンズ26は、回折格子ガルバノミラー25の分散面の回転中心に前側焦点位置がくるように配置されている。集光レンズ26を透過した光路には、検出手段としてスペクトル領域選択手段としてのスリット27とサイドオン型のフォトマルチプライヤー28が配置されている。スリット27は、集光レンズ26の結像位置に配置されている。このスリット27は駆動装置27aによりスリット幅をスペクトルの分散方向に変更できるようになっている。また、フォトマルチプライヤー28は、スリット27の後方に配置されている。この場合、フォトマルチプライヤー28は、蛍光の分散されたスペクトルの列方向と受光面の長手方向が一致するように配置されている。
ビームスプリッタユニット10のモータ10d、焦点絞り22の駆動装置22a、スリット27の駆動装置27aおよび回折格子ガルバノミラー25には、制御ユニット29が接続されている。この制御ユニット29は、ビームスプリッタユニット10のモータ10d、焦点絞り22の駆動装置22a、スリット27の駆動装置27aおよび回折格子ガルバノミラー25に対し各種の制御信号を出力するもので、このうち、駆動装置27aに対しスリット27のスペクトル列方向のスリット幅を指示するとともに、回折格子ガルバノミラー25に対し分散されたスペクトルの反射角度を指示するような制御を行なうようにしている。
制御ユニット29には、フォトマルチプライヤー28、モニタ30が接続されている。このモニタ30は、制御ユニット29の指示によりフォトマルチプライヤー28で取得されたデータを表示するようにしている。
次に、このように構成された実施の形態の作用を説明する。
この場合、制御ユニット29によりビームスプリッタユニット10のビームスプリッタ10aを光路上に切り換え、レーザ光源ユニット1の488nmの波長の光を発振するアルゴンレーザ2と543nmの波長の光を発振するヘリウムネオンレーザ3からのレーザ光により標本15より発生する蛍光の分光データを取得する場合を説明する。
レーザ光源ユニット1のAOTF6により488nmの波長と543nmの波長のレーザ光が選択されると、これら波長のレーザ光は、シングルモードファイバ7を介してスキャナユニット8に導かれる。
スキャナユニット8に導かれたレーザ光は、コリメートレンズ9で平行光になって、ビームスプリッタ10aで反射され、XYスキャナミラー11で2次元走査され、瞳投影レンズ12、結像レンズ13、対物レンズ14を介して標本15に結像される。
標本15から発生された蛍光は、レーザ光と逆の経路をたどって対物レンズ14、結像レンズ13、瞳投影レンズ12、XYスキャナミラー11を介してビームスプリッタ10aまで戻る。ビームスプリッタ10aまで戻った蛍光は、このビームスプリッタ10aを透過し、反射ミラー16で反射され、共焦点レンズ17を介して共焦点絞り22上に結像される。共焦点絞り22を通過した蛍光は拡散光となってコリメートレンズ23に入射し、平行光に変換される。平行光となった蛍光は分光ユニット24に導入され、回折格子ガルバノミラー25に入射して回折格子の分散作用により、スペクトル成分へ分解される。
スペクトル分解された蛍光は、集光レンズ26によりスリット27上に結像する。
このとき、制御ユニット29により駆動装置27aが駆動され、スリット27のスペクトル列方向のスリット幅が設定され、フォトマルチプライヤー28で受光されるスペクトル幅、つまり検出波長範囲が決定される。同時に、制御ユニット29により回折格子ガルバノミラー25の反射角度が制御され、スリット27で決定された検出波長範囲がスペクトルがフォトマルチプライヤー28上で走査される。つまり、スリット27のスリット幅の設定と回折格子ガルバノミラー25の走査を行うことで、所望する検出波長範囲の分光データの取得が可能になる。
ところで、このように顕微鏡についても、図9で述べたように他の試薬で多重染色されていたり、試料自体に自家蛍光などが発生しているような場合、観察対象の試薬の標準検出波長範囲では、コントラストのよい観察像が得られないことががある。
このような場合、制御ユニット29は、以下のプログラム化された手順による制御を実行する。
いま、標本15に染色された観察対象の試薬の蛍光波長特性を図2(a)に示すものとし、多重染色された他の試薬や試料自体の自家蛍光などによる蛍光波長特性を同図(b)に示し、その波長域Bが観察対象の試薬の推奨の標準検出波長範囲Aに一部重なっているものとする。
この状態で、最初、スリット27のスペクトル列方向のスリット幅を観察対象の試薬の標準検出波長範囲Aに設定し、この標準検出波長範囲Aについてフォトマルチプライヤー28によりデータ取りを行なう。次に、スリット27のスペクトル列方向のスリット幅を標準検出波長範囲Aより十分に小さい所定の波長範囲Xに設定するとともに、回折格子ガルバノミラー25の反射角度を制御し、波長範囲Xを波長幅単位として数ステップずらし走査しながらデータ取りを行なう。この場合のずらし走査は、例えば図2(c)に示すように標準検出波長範囲Aの短波長側ASを中心として前後の6ステップ(1)〜(6)と、同図(d)に示すように標準検出波長範囲Aの長波長側ALを中心として前後の6ステップ(7)〜(12)としている。
次に、図2と同様な蛍光波長特性(a)(b)を示した図3において、同図(c)のように、先程の波長範囲Xのずらし走査により得られたデータを用いて、標準検出波長範囲Aに対し加算、減算を実行し、検出開始波長をα、取込み波長幅をβだけずらしながら、標準検出波長範囲Aの周辺をまんべんなくデータ補完し、複数の補完データ(1)’〜(15)’を生成する。ここでは、α=β/2=Xとなっている。
この場合、データ(1)’〜(5)’は、図3(c1)に示すように標準検出波長範囲Aに対して波長幅を−βだけ狭めた検出波長範囲としたもので、データ(1)’を得るには、標準検出波長範囲Aで得られたデータに対して図2に示すステップ(3)のデータを加算し、ステップ(7)(8)(9)のデータを減算すればよく、同様に、データ(2)’を得るには、標準検出波長範囲Aで得られたデータに対して図2に示すステップ(8)(9)のデータを減算すればよい。以下、同じ要領で、データ(3)’〜(5)’についても、標準検出波長範囲Aで得られたデータに、図2に示すステップ(1)〜(12)のデータを適宜加減算することにより取得する。
また、データ(6)’〜(10)’は、図3(c2)に示すように標準検出波長範囲Aをそのまま検出波長範囲としたもので、データ(6)’を得るには、標準検出波長範囲Aで得られたデータに対して図2に示すステップ(2)(3)のデータを加算し、ステップ(8)(9)のデータを減算すればよく、同様に、データ(7)’を得るには、標準検出波長範囲Aで得られたデータに対して図2に示すステップ(3)のデータを加算し、ステップ(9)のデータを減算すればよい。以下、同じ要領で、データ(8)’〜(10)’についても、標準検出波長範囲Aで得られたデータに、図2に示すステップ(1)〜(12)のデータを適宜加減算することにより取得する。
さらに、データ(11)’〜(15)’は、図3(c3)に示すように標準検出波長範囲Aに対して波長幅をβだけ広げた検出波長範囲としたもので、データ(11)’を得るには、標準検出波長範囲Aで得られたデータに対して図2に示すステップ(1)(2)(3)のデータを加算し、ステップ(9)のデータを減算すればよく、同様に、データ(12)’を得るには、標準検出波長範囲Aで得られたデータに対して図2に示すステップ(2)(3)のデータを加算すればよい。以下、同じ要領で、データ(13)’〜(15)’についても、標準検出波長範囲Aで得られたデータに、図2に示すステップ(1)〜(12)のデータを適宜加減算することにより取得する。
このようにして得られた補完データは、モニタ30に送られて表示される。この場合、モニタ30は、第4図に示すように複数(図示例では16)の分割画面30a〜30pを有するもので、これらのうち分割画面30b〜30pに上述した要領で補完されたデータ(1)’〜(15)’を各別に表示する。
検鏡者は、モニタ30の分割画面30a〜30pの中から明るさやコントラストが最も良好と思われるものを選択する。この実施の形態では、対象試薬の標準検出波長範囲Aに対し多重染色された他の試薬や試料自体の自家蛍光などによる蛍光波長特性の波長域Bが重ならない波長領域のデータ(2)’または(6)’が表示される分割画面30c、30gに最適なコントラストが得られる。
そして、このような最適なコントラストの分割画面30c又は30gが選択されると、これら分割画面30c又は30gに対して設定された検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)が読み出され、スリット27のスペクトル列方向のスリット幅と回折格子ガルバノミラー25の反射角度が設定される。この状態でタイムラプスやZスタックなどの取得に移行すれば、所望の分光データを簡単に取得することができる。
なお、モニタ30は、補完データの表示に使用しない分割画面30aに上述した検出開始波長と波長幅のそれぞれのずらし量α、βを表示させてもよい。また、各分割画面30b〜30pに検出波長幅などのリファレンスデータを、おのおのの画像に重ねて表示すれば、検出波長領域と取り込み画像の質の関連をより分かり易くすることができる。
従って、このようにすれば、検鏡者は、プログラム化された負担の少ない作業により、観察対象の試薬の標準検出波長範囲Aに基づいて最適条件の検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定できるので、従来の試料の種類や試薬の染まり具合に合わせて検出開始波長や取込み波長幅を決定したり、他の試薬との重なり具合をチェックするなど試行錯誤を繰り返すものと比べ、短時間のうちに最適な条件を決定することができ、しかも、波長選択のフレキシビリティーさも高次元で活かすことができる。
(変形例)
上述した検出開始波長と波長幅のずらし量α、βのレベルを種々変更することで、例えば、粗モードでおおよその目安をつけて、微モードで微調整するようなことが可能となる。また、上述の実施の形態では、タイムラプスやZスタック取得時の前処理として検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定する場合を説明したが、勿論、直接ある画面の最良条件のデータを取得する際に適用しても効果的である。また、検出開始波長と波長幅のずらしをする際にレーザ光の波長(図2に示す488nmと543nmの部分)にかぶらないようにすれば、よりコントラストの高い蛍光データのみを取り扱うことができ、さらにデータ精度を高めることができる。また、波長範囲Xを波長幅単位として数ステップ実行される、ずらし走査は、標準検出波長範囲の短波長側と長波長側の少なくとも一方について行なうようにしてもよく、また、標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅のずらしについても、検出開始波長と波長幅の少なくとも一方を行なうようにしてもよい。 また、最適条件の評価については、検鏡者がモニタ30の分割画面30a〜30pの中から明るさやコントラストが最も良好と思われるものを選択するようにしたが、標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅をずらしながら生成された補完データのダイナミックレンジの差分を読み取って、コントラストを評価し、この評価結果から最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を自動選択するようにすれば、さらに簡単に最適条件を取得することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡の概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付している。
この場合、上述したビームスプリッタユニット10は、第1のビームスプリッタユニット10とする。
第1のビームスプリッタユニット10による標本15からの検出光の透過光路上には、光路分割手段として第2のビームスプリッタユニット40が配置されている。第2のビームスプリッタユニット40も、例えば回転ターレットからなるもので、光学素子として特性の異なるビームスプリッタ40a、40b、40cが同心円状に配置されている。また、第2のビームスプリッタユニット40は、モータ40dによる回転駆動により、ビームスプリッタ40a、40b、40cを選択的に光路上に位置決め可能な構成となっている。すなわち、ビームスプリッタ40aと40bと40cのいずれか一つが光路上に配置され得る。
ここで、ビームスプリッタ40aは、全ての波長域の光線を全反射する特性を有し、ビームスプリッタ40bは、560nm以下の波長を反射し、それ以上の波長を透過するような特性を有し、ビームスプリッタ40cは、全ての波長域の光線を透過するような特性を有している。
第2のビームスプリッタユニット40の反射光路を1チャンネル目と称する。この1チャンネル目の光路上には、第1のチャンネル検出手段が設けられている。この第1のチャンネル検出手段は、第1の実施の形態で述べた共焦点レンズ17以降の共焦点絞り22、コリメートレンズ23および分光ユニット24と全く同様な構成になっており、したがって、ここでは、同一部分には同符号を付して説明を省略する。
第2のビームスプリッタユニット40の透過光路上には、さらに光路分割手段として第3のビームスプリッタユニット140が配置されている。第3のビームスプリッタユニット140は、例えば回転ターレットからなるもので、光学素子として特性の異なるビームスプリッタ140a、140b、140cが同心円状に配置されている。また、第3のビームスプリッタユニット140は、モータ140dによる回転駆動により、ビームスプリッタ140a、140b、140cを選択的に光路上に位置決め可能な構成となっている。すなわち、ビームスプリッタ140aと140bと140cのいずれか一つが光路上に配置され得る。
ここで、ビームスプリッタ140aは、全ての波長域の光線を全反射ずる特性を有し、ビームスプリッタ140bは、630nm以下の波長を反射し、それ以上の波長を透過するような特性を有し、ビームスプリッタ140cは、全ての波長域の光線を透過するような特性を有している。
第3のビームスプリッタユニット140の反射光路を2チャンネル目と称する。この2チャンネル目の光路上には、第2のチャンネル検出手段が設けられている。この第2のチャンネル検出手段は、第1の実施の形態で述べた共焦点レンズ17以降の共焦点絞り22、コリメートレンズ23および分光ユニット24と全く同様な構成になっており、したがって、ここでは、同一部分には同符号に添え字1を付して説明を省略する。
なお、第3のビームスプリッタユニット140の透過光路は、3チャンネル目の光路となっていて、不図示のオプションの検出装置などが取り付けられ、透過してきた光を検出できるようにしている。
その他は、図1と同様である。
次に、このように構成された実施の形態の作用を説明する。
この場合、標本15は、520nmと580nmでそれぞれ蛍光波長のピークを有するFITCとRhodamine−Phalloidinの色素で2重染色がなされているものとする。
この状態から、制御ユニット29により第1のビームスプリッタユニット10のビームスプリッタ10aを光路上に切り換え、レーザ光源ユニット1の488nmの波長の光を発振するアルゴンレーザ2と543nmの波長の光を発振するヘリウムネオンレーザ3からのレーザ光により標本15より発生する蛍光の分光データを取得する。
この場合、第2のビームスプリッタユニット40ではビームスプリッタ40b、第3のビームスプリッタユニット140では、ビームスプリッタ140bを設定して、1チャンネル目により520nmにピークのあるFITCの蛍光を、2チャンネル目により580nmにピークのあるRhodamine−Phalloidinの蛍光をそれぞれ取得する。
いま、観察対象のFITCとRhodamine−Phalloidinの蛍光波長特性を図6(a)(b)に示し、それぞれの推奨の標準検出波長範囲をA1、A2に示すものとする。
この状態で、1チャンネル目のFITCについて、スリット27のスペクトル列方向のスリット幅を観察対象のFITCの標準検出波長範囲A1に設定し、この標準検出波長範囲A1についてフォトマルチプライヤー28によりデータ取りを行なう。同時に、2チャンネル目のRhodamine−Phalloidinについても、スリット127のスペクトル列方向のスリット幅を観察対象のRhodamine−Phalloidinの標準検出波長範囲A2に設定し、この標準検出波長範囲A2についてフォトマルチプライヤー128によりデータ取りを行う。
次に、1チャンネル目のスリット27のスペクトル列方向のスリット幅を標準検出波長範囲A1より十分に小さい所定の波長範囲Xに設定するとともに、回折格子ガルバノミラー25の反射角度を、波長範囲Xの波長幅単位で数ステップずらし走査しながらデータ取りを行なう。この場合、波長範囲Xのずらし走査は、例えば図6(c)に示すように標準検出波長範囲A1の短波長側AS1を中心として前後の6ステップ(1)〜(6)と、標準検出波長範囲A1の長波長側AL1を中心として前後の6ステップ(7)〜(12)としている。
同様にして、2チャンネル目についても、スリット127のスペクトル列方向のスリット幅を標準検出波長範囲A2より十分に小さい所定の波長範囲Xに設定するとともに、回折格子ガルバノミラー125の反射角度を、波長範囲Xの波長幅単位で数ステップずらし走査しながらデータ取りを行なう。この場合、波長範囲Xのずらし走査は、例えば図6(d)に示すように標準検出波長範囲A2の短波長側AS2を中心として前後の6ステップ(1)〜(6)と、標準検出波長範囲A1の長波長側AL2を中心として前後の6ステップ(7)〜(12)としている。
次に、図6と同様な蛍光波長特性(a)(b)を示した図7において、まず、1チャンネル目について、同図(c)に示すように、先程の波長範囲Xのずらし走査により得られたデータを用いて、対象試薬の標準検出波長範囲A1に対し加算、減算を実行し、検出開始波長をα、波長幅をβだけずらしながら、標準検出波長範囲Aの周辺をまんべんなくデータ補完し、複数のデータ(1)’〜(15)’を生成する。2チャンネル目についても同様で、同図(d)に示すように、先程の波長範囲Xのずらし走査により得られたデータを用いて、対象試薬の標準検出波長範囲A2に対し加算、減算を実行し、検出開始波長をα、波長幅をβだけずらしながら、標準検出波長範囲A2の周辺をまんべんなくデータ補完し、複数のデータ(1)’’〜(15)’’を生成する。
なお、ここでの具体的なデータの生成方法は、第1の実施の形態で述べたのと同様である。
そして、このようにして得られた1チャンネル目と2チャンネル目の補完データは、モニタ30に送られ、分割画面30a〜30pに各別に表示される。この場合、モニタ30の分割画面30a〜30pに1回で表示しきれないときは、複数ページに分けて表示する。
検鏡者は、モニタ30の分割画面30a〜30pの中から明るさやコントラストが最も良好と思われるものを選択する。この実施の形態では、1チャンネル目のFITCについては、輝度ピークを中心値にしているデータ(15)’、2チャンネル目のRhodamine−Phalloidinについては、FITCのかぶりのほとんどない(10)’’が表示される分割画面に最適なコントラストが得られる。
そして、このような最適なコントラストの分割画面が選択されると、これら分割画面に対して設定された検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)が読み出され、この読み出しデータにより1チャンネル目のスリット27のスペクトル列方向のスリット幅と回折格子ガルバノミラー25の反射角度が設定され、同時に、2チャンネル目のスリット127のスペクトル列方向のスリット幅と回折格子ガルバノミラー125の反射角度が設定される。
従って、このようにすれば、多重染色の標本についても、それぞれの対象試薬の標準検出波長範囲に基づいて、最適条件の検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を試行錯誤することなく簡単に取得することができ、波長選択のフレキシビリティーさも高次元で活かすことができる。
なお、第2の実施の形態についても、標準検出波長範囲A1、A2およびα、βの値は1チャンネル目と2チャンネル目で必ずしも同じでなくてはならないというものではなく、試薬に応じて適宜変更することが可能である。
(変形例)
図8は、第2の実施の形態の変形例を説明するもので、ここでは、1つの蛍光色素の検出において2チャンネル検出を用いるようにしている。この例では、観察対象の試薬の蛍光波長特性を図8(a)に示すものとし、多重染色された他の試薬や試料自体の自家蛍光などによる蛍光波長特性を同図(b)に示し、その波長域Bが観察対象の試薬の推奨の標準検出波長範囲A0に一部重なっているものとする。
この状態で、図5に示した第2のビームスプリッタユニット40に、全ての波長域の光線を全反射する反射ミラーの特性を有するビームスプリッタを設定して、1チャンネル目で対象試薬の標準検出波長範囲A0のデータ取りを行う。次に、第2のビームスプリッタユニット40に、標準検出波長範囲A0の短波長側を反射して、長波長側を透過するようなビームスプリッタを設定して、第3のビームスプリッタユニット140に標準検出波長範囲Aの長波長側を反射するミラーまたはビームスプリッタを設定する。
そして、図8(c)に示すように1チャンネル目で標準検出波長範囲A0の短波長側AS0の前後を波長範囲Xの波長幅単位で数ステップずらし走査しながらデータ取りを行ない、同時に、同図(d)に示すように2チャンネル目で標準検出波長範囲A0の長波長側AL0の前後を波長範囲Xの波長幅単位で数ステップずらし走査しながらデータ取りを行なう。
このような方法であれば、第1の実施の形態で述べた標準検出波長範囲Aの短波長側ASのデータ取りを終えた後、長波長側ALのデータ取りを行なうようにするよりも、走査回数が少なくてすむので、標本15に与えるダメージを最小限にすることができるという利点がある。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、標準検出波長範囲の短波長側側と長波長側側を所定の波長幅単位で数ステップずらし走査しながらデータ取りを行なうようにしているが、この方法に限るものではなく、各ステップごとの差を検出できるのであれば、この他の方法でもかまわない。
また、上述した実施の形態では、所定の波長幅単位のずらし走査により得られたデータを用いて標準検出波長範囲に対し加減算を実行し、検出開始波長と波長幅をずらしながら、標準検出波長範囲Aの周辺をまんべんなくデータ補完し、複数のデータを生成するようにしたが、これらのデータは、加減算で求めるのでなく、制御ユニット29により検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定するスリット27のスリット幅と回折格子ガルバノミラー25の反射角度を制御して、標準検出波長範囲Aに対する検出開始波長と取込み波長幅の少なくとも一方をずらしながら、標準検出波長範囲Aに関するデータを取得し、これらデータにより標準検出波長範囲Aに最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を取得するようにしてもよい。このようにすれば、実際にスリット27と回折格子ガルバノミラー25の制御に応じた標準検出波長範囲Aに関するデータが直接を得られるので、より信頼性の高い結果が得られるという利点がある。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
本発明の第1の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡の概略構成を示す図。 第1の実施の形態の補完データの取得方法を説明するための図。 第1の実施の形態の補完データの取得方法を説明するための図。 第1の実施の形態に用いられるモニタの表示例を示す図。 本発明の第2の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡の概略構成を示す図。 第2の実施の形態の補完データの取得方法を説明するための図。 第2の実施の形態の補完データの取得方法を説明するための図。 第2の実施の形態の変形例の補完データの取得方法を説明するための図。 観察対象の試薬の蛍光波長特性を示す図。
符号の説明
1…レーザ光源ユニット、2…アルゴンレーザ
3…ヘリウムネオンレーザ、4…反射ミラー
5…ダイクロイックミラー、6…AOTF
7…シングルモードファイバ、8…スキャナユニット
9…コリメートレンズ、10…ビームスプリッタユニット
10a.10b、10c…ビームスプリッタ、10d…モータ
11…XYスキャナミラー、11a.11b…ミラー
12…瞳投影レンズ、13…結像レンズ
14…対物レンズ、15…標本、16…反射ミラー
17…共焦点レンズ、22…共焦点絞り、22a…駆動装置
23…コリメートレンズ、24…分光ユニット
25…回折格子ガルバノミラー、25a…回転方向
26…集光レンズ、27…スリット、27a…駆動装置
28…フォトマルチプライヤー、29…制御ユニット
30…モニタ、30a〜30p…分割画面、40…第2のビームスプリッタユニット
40a.40b、40c…ビームスプリッタ、40d…モータ
140…第3のビームスプリッタユニット、
140a.140b、14c…ビームスプリッタ、140d…モータ
117…共焦点レンズ、122…共焦点絞り
122a…駆動装置、123…コリメートレンズ
124…分光ユニット、125…回折格子ガルバノミラー
125a…回転方向、126…集光レンズ
127…スリット、127a…駆動装置、128…フォトマルチプライヤー

Claims (7)

  1. レーザ光を発生するレーザ光源と、
    前記レーザ光源のレーザ光が照射される標本からの検出光を結像する共焦点レンズ、該共焦点レンズの焦点位置に配置される共焦点絞りを有する検出光学系と、
    前記共焦点絞りを通った検出光を取り込みスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、
    前記スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルのデータを検出する検出手段と、
    前記スペクトル分散手段とスペクトル領域選択手段を制御し、前記標本の観察対象に予め設定された標準検出波長範囲についてデータを取得するとともに、前記標準検出波長範囲の短波長側と長波長側の少なくとも一方について、所定の波長範囲を波長幅単位として数ステップずらし走査してデータを取得し、これら取得されたデータにより前記標準検出波長範囲で検出したデータに対し加減算を行い、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅の少なくとも一方をずらしながら複数の補完データを生成し、これらデータにより前記標準検出波長範囲に最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定可能とした制御手段と
    を具備したことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
  2. さらに表示手段を有し、前記制御手段により生成された補完データを各別に表示するようにしたことを特徴とする請求項1記載の走査型レーザ顕微鏡。
  3. 前記制御手段は、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅の少なくとも一方をずらしながら生成された補完データのダイナミックレンジの差分からコントラストを評価し最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を自動選択可能にしたことを特徴とする請求項1記載の走査型レーザ顕微鏡。
  4. 前記制御手段は、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と取込み波長幅の少なくとも一方をずらす際に、前記レーザ光源のレーザ光の波長を含まないように制御することを特徴とする請求項1記載の走査型レーザ顕微鏡。
  5. レーザ光を発生するレーザ光源と、
    前記レーザ光源のレーザ光が照射される標本からの検出光を結像する共焦点レンズ、該共焦点レンズの焦点位置に配置される共焦点絞りを有する検出光学系と、
    前記共焦点絞りを通った検出光を取り込みスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、
    前記スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルのデータを検出する検出手段と、
    前記スペクトル分散手段とスペクトル領域選択手段を制御し、前記標本の観察対象に予め設定された標準検出波長範囲に対する検出開始波長と取込み波長幅の少なくとも一方をずらしながら前記標準検出波長範囲に関するデータを取得し、これらデータにより前記標準検出波長範囲に最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定可能とした制御手段と
    を具備したことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
  6. レーザ光を発生するレーザ光源と、
    前記レーザ光源のレーザ光が照射される標本からの検出光を波長ごとに分光し複数チャンネルの光路に分割する光路分割手段と、
    前記複数チャンネルのうち一つのチャンネルに設けられ、前記検出光をスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、該スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルを検出する第1のチャンネル検出手段と、
    前記複数チャンネルのうち他の一つのチャンネルに設けられ、前記検出光をスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、該スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルを検出する第2のチャンネル検出手段と
    前記第1および第2のチャンネル検出手段の前記スペクトル分散手段とスペクトル領域選択手段を制御し、前記標本の観察対象に予め設定された標準検出波長範囲についてデータを取得するとともに、前記標準検出波長範囲の短波長側と長波長側の少なくとも一方について、所定の波長範囲を波長幅単位として数ステップずらし走査してデータを取得し、これら取得されたデータにより前記標準検出波長範囲で検出したデータに対し加減算を行い、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅の少なくとも一方をずらしながら複数の補完データを生成し、これらデータにより前記標準検出波長範囲に最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定可能とした制御手段と
    を具備したことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
  7. レーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光源のレーザ光が照射される標本からの検出光を結像する共焦点レンズ、該共焦点レンズの焦点位置に配置される共焦点絞りを有する検出光学系と、前記共焦点絞りを通った検出光を取り込みスペクトル分散させるスペクトル分散手段と、前記スペクトル分散手段で分散されたスペクトルから測定すべきスペクトル領域を選択するスペクトル領域選択手段を有し、該スペクトル領域選択手段で選択されたスペクトルのデータを検出する検出手段とを具備する走査型レーザ顕微鏡の検出波長範囲設定方法であって、
    前記スペクトル分散手段とスペクトル領域選択手段を制御し、前記標本の観察対象に予め設定された標準検出波長範囲についてデータを取得するとともに、前記標準検出波長範囲の短波長側と長波長側の少なくとも一方について、所定の波長範囲を波長幅単位として数ステップずらし走査してデータを取得し、これら取得されたデータにより前記標準検出波長範囲で検出したデータに対し加減算を行い、前記標準検出波長範囲に対する検出開始波長と波長幅の少なくとも一方をずらしながら複数の補完データを生成し、これらデータにより前記標準検出波長範囲に最適な検出波長範囲(開始波長と取込み波長幅)を設定可能としたことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡の検出波長範囲設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103196879A (zh) * 2013-03-20 2013-07-10 上海如海光电科技有限公司 一种激光诱导荧光光谱检测装置
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