JP2002285808A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

ラッシュアジャスタ

Info

Publication number
JP2002285808A
JP2002285808A JP2001092470A JP2001092470A JP2002285808A JP 2002285808 A JP2002285808 A JP 2002285808A JP 2001092470 A JP2001092470 A JP 2001092470A JP 2001092470 A JP2001092470 A JP 2001092470A JP 2002285808 A JP2002285808 A JP 2002285808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
chamber
valve
passage
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001092470A
Other languages
English (en)
Inventor
Ken Yamamoto
山本  憲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2001092470A priority Critical patent/JP2002285808A/ja
Publication of JP2002285808A publication Critical patent/JP2002285808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビテーションの発生による剛性の低下を
抑制し、動弁装置を精度よく作動させることができるラ
ッシュアジャスタを提供することである。 【解決手段】 プランジャボディ20の内部にリザーバ
室24を上部に有する摺動可能なプランジャ21と、プ
ランジャスプリング30とを組込み、プランジャボディ
20とプランジャ21の摺動面間をオイルシール28に
よって密閉する。プランジャ21にその下方の圧力室2
9とリザーバ室24を連通し、チェックバルブ36によ
って密閉される第1通路31と、オリフィスから成る第
2通路32とを形成する。プランジャ21が上限位置ま
で移動した状態での圧力室29とリザーバ室24から成
る作動油室に作動油を充填し、その作動油量を作動油室
の容積の60〜90%としてリザーバ室24の作動油の
油面上に空気溜り24aを形成し、その空気溜り24a
の空気層によって作動油室の圧力変化を吸収し、作動油
の漏洩を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車エンジン
の動弁装置に組込まれるラッシュアジャスタに係り、特
に、電磁駆動式動弁装置への組込みに好適な油圧式のラ
ッシュアジャスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの吸気バルブや排気バル
ブとしてのバルブを開閉させる動弁装置として、電磁石
を用いてバルブを開閉させるようにした電磁駆動式動弁
装置が従来から知られている。
【0003】上記電磁駆動式動弁装置の構成を本願の電
磁駆動式動弁装置を示す図1に基づいて説明すると、シ
リンダヘッド1に設けたステムガイド2にバルブステム
3をスライド自在に挿入し、そのバルブステム3の下端
にバルブ4を設け、このバルブ4がシリンダヘッド1に
設けられたバルブシート5に着座する方向にバルブステ
ム3をバルブスプリング6によって付勢している。
【0004】また、バルブステム3と同軸上にステム押
し下げ用のロッド7を設け、そのロッド7に設けられた
アーマチュア8の上下部に閉弁用電磁石9と開弁用電磁
石10とを設け、上記ロッド7をロッドスプリング11
によってバルブステム3に向けて付勢している。
【0005】上記電磁駆動式動弁装置は、閉弁用電磁石
9がアーマチュア8を吸着する作用により、ロッド7を
上昇させ、バルブスプリング6の弾力によりバルブステ
ム3を上昇させてバルブ4をバルブシート5に着座させ
るようにしている。
【0006】また、閉弁用電磁石9の励磁を解除し、開
弁用電磁石10を励磁し、その開弁用電磁石10がアー
マチュア8を吸着する作用によりロッド7を下降させ、
そのロッド7でバルブステム3を押し下げてバルブ4を
バルブシート5から離反させるようにしている。
【0007】ここで、内燃機関のシリンダヘッド1は燃
焼室での燃焼により高温となり、その熱がバルブ4およ
びバルブステム3に伝達させることでバルブ4およびバ
ルブステム3も温度上昇する。この場合、シリンダヘッ
ド1とバルブ4およびバルブステム3の熱容量の相違等
により、両部材に熱膨張差が発生する。かかる熱膨張差
の影響で、アーマチュア8が閉弁用電磁石9に吸引され
た状態で、バルブ4がバルブシート5に完全に密着せ
ず、バルブ4とバルブシート5との間に隙間が生じるこ
とがある。このような隙間の発生は、バルブ4およびバ
ルブシート5が摩耗した場合にも生じる。
【0008】かかる不都合の発生を解消するには、アー
マチュア8が閉弁用電磁石9に吸引され、かつ、バルブ
4がバルブシート5に着座した状態で、バルブステム3
の上端とロッド7の下端間に隙間が形成されるようにし
ておくことが有効である。かかる構成によれば、上記の
熱膨張差あるいは摩耗が生じた場合にも、バルブ4はロ
ッド7によって変位が規制されることはなく、バルブシ
ート5に着座するまで変位することができる。
【0009】しかしながら、上記の如く、バルブ4がバ
ルブシート5に着座する状態でバルブステム3とロッド
7の対向端間に隙間が形成されていると、バルブ4を開
放する際、ロッド7の下端がバルブステム3の上端に衝
突して異音が発生し、さらに、アーマチュア8が開弁用
電磁石10に衝突して衝突音が発生する。
【0010】また、バルブ4を閉鎖させる場合に、バル
ブ4がバルブシート5に衝突して衝突音が発生し、さら
に、アーマチュア8が閉弁用電磁石9に衝突して衝突音
が発生する。このように、バルブステム3とロッド7と
の間に隙間を設ける構成では、開弁時および閉弁時にそ
れぞれ2回の衝突音が発生することにより、ドライバに
不快感や不安感を与えることになる。
【0011】そのような問題点を解決するため、電磁駆
動式動弁装置においては、バルブステム3とロッド7の
対向部間に、図1に示すように、ラッシュアジャスタA
を組込んでバルブステム3とロッド7の対向部間にクリ
アランスが発生するのを防止するようにしている。
【0012】電磁駆動式動弁装置に組込まれるラッシュ
アジャスタとして、特開平2000−303807号公
報に記載されたものが知られている。
【0013】上記公報に記載されたラッシュアジャスタ
においては、プランジャボディの内部に、リザーバ室を
有するプランジャと、そのプランジャを外方向に押圧す
るプランジャスプリングとを組込み、そのプランジャに
プランジャボディの底面間に形成された圧力室とリザー
バ室とを連通する通路を形成し、この通路をチェックバ
ルブによって開放させるようにしている。
【0014】上記ラッシュアジャスタにおいては、軸方
向に圧縮力が付与されたとき、圧力室内の作動油をプラ
ンジャボディの内周とプランジャの外周の摺動面間より
リザーバ室内にリークさせてラッシュアジャスタを収縮
させるようにしている。また、軸方向の圧縮力が解除さ
れると、プランジャスプリングの弾力によりプランジャ
を外方向に移動させるようにしている。このとき、チェ
ックバルブによって通路を開放させ、圧力室内の作動油
を通路からリザーバ室内に流入させてプランジャを外方
向に急速に移動させ、そのプランジャの移動によってラ
ッシュアジャスタを伸長させるようにしている。
【0015】ラッシュアジャスタの上記のような伸縮に
よってバルブおよびバルブステムとシリンダヘッドの相
互間における熱膨張差、あるいはバルブおよびバルブシ
ートの摩耗を吸収して、バルブステムとロッドの対向面
間に隙間が発生するのを防止するようにしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ラッシ
ュアジャスタにおいては、圧力室とリザーバ室の両室を
作動油が満たしているため、下記のような不都合があ
る。
【0017】すなわち、エンジンの運転時、ラッシュア
ジャスタはきわめて高速度で伸長と収縮とを繰り返すた
め、圧力室は正圧と負圧を繰り返す。負圧時に生じたキ
ャビテーションを原因として空気を溶存する作動油中に
小さな気泡が発生し、運転を続けると小さな気泡が集積
して大きな気泡に成長する。この気泡は運転を続ける限
り成長するため、作動油を充満させた上記従来のラッシ
ュアジャスタにおいては、圧力室およびリザーバ室に気
泡が滞溜することになり、圧力室に気泡が滞溜すると、
圧力室の容積を縮小する方向にプランジャボディとプラ
ンジャとが相対移動したときその気泡を圧縮し、ラッシ
ュアジャスタの剛性が低下し、ラッシュアジャスタの機
能を充分に発揮させることができなくなる。
【0018】この発明の課題は、キャビテーションの発
生による剛性の低下を抑制し、動弁装置を常に精度よく
作動させることができるようにしたラッシュアジャスタ
を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、底付き筒状のプランジャボ
ディと、上部に中空状のリザーバ室を有し、前記プラン
ジャボディ内への組込みによって、そのプランジャボデ
ィの底面間に圧力室を形成する摺動可能なプランジャ
と、そのプランジャを前記圧力室の容積が拡大する方向
に付勢するプランジャスプリングと、前記プランジャボ
ディの開口端部の内周とプランジャの外周間をシールす
るオイルシールとから成り、前記リザーバ室と圧力室の
相互間に、その両室を連通する第1通路と、微小な流路
から成る第2通路とを設け、前記第1通路に圧力室の圧
力がリザーバ室の圧力より高くなるとその第1通路を閉
じるチェックバルブを設け、前記圧力室とリザーバ室と
から成る作動油室に作動油を充填し、その作動油量をプ
ランジャが上限位置まで移動した状態での作動油室の容
積の60〜90%としてリザーバ室の作動油面上に空気
溜りを形成した構成を採用したのである。
【0020】上記のように、作動油室に充填された作動
油の量をプランジャが上限位置まで移動した状態での作
動油室の容積の60〜90%としてリザーバ室の作動油
面上に空気溜りを形成したことにより、プランジャボデ
ィとプランジャとの相対的な移動に伴う容積変化や温度
変化による作動油の体積変化に起因する作動油室の圧力
変化を空気溜りの空気層によって吸収することができ、
作動油の漏洩を防止することができる。
【0021】また、プランジャボディの開口端部の内周
とプランジャの外周間をオイルシールによって密閉した
ことにより、使用時の温度上昇によって圧力室とリザー
バ室から成る作動油室内の圧力を大気圧以上に保持する
ことができる。このため、正圧と負圧を繰り返す圧力室
が負圧になった場合の負圧のレベルを小さくすることが
でき、キャビテーションの発生を抑制することができ
る。したがって、作動油中からの気泡の析出を防止し、
圧力室内に気泡が滞溜してラッシュアジャスタの剛性を
低下させるという不都合の発生を防止することができ
る。
【0022】この発明に係るラッシュアジャスタにおい
て、圧力室とリザーバ室を連通する第2通路は、プラン
ジャに形成されたものであってもよく、あるいは、プラ
ンジャボディとプランジャの摺動面間に形成された隙間
と、その隙間とリザーバ室とを連通する孔とから成るも
のであってもよい。
【0023】プランジャに第2通路を形成するとプラン
ジャボディの内周面とプランジャの外周面間に形成され
る隙間の寸法を管理する必要がない。このため、上記各
面の加工に精度の高い加工が要求されず、製造コストの
低減を図ることができる。また、プランジャボディとプ
ランジャの摺動面間の隙間を第2通路の一部とすると、
摺動面の摩耗によって圧力室からリザーバ室に作動油が
リークするリークダウン特性が変化し、ラッシュアジャ
スタの機能を低下させるおそれがあるが、摺動面以外の
箇所に第2通路を設けることによってそのような不都合
の発生を防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を示
す。図2は、図1に示す電磁駆動式動弁装置のバルブス
テム3とロッド7の対向部間に組込まれるラッシュアジ
ャスタAの第1の実施形態を示す。
【0025】ラッシュアジャスタAは、プランジャボデ
ィ20を有する。プランジャボディ20は鋼板のプレス
成形品から成り、底を有する小径筒部20aの上部に大
径筒部20bを設けた構成とされている。
【0026】プランジャボディ20の内部にはシリコー
ンオイル等の作動油が充填されている。また、プランジ
ャボディ20の内部にはプランジャ21が摺動自在に組
込まれている。プランジャ21は金属製のプランジャ本
体22と、その上面に重ね合わされたキャップ状のロッ
ドシート23とから成る。ロッドシート23は鋼板のプ
レス成形品とされ、その内部はリザーバ室24とされて
いる。
【0027】プランジャボディ20とプランジャ21の
摺動面間はシール装置25によって密封されている。シ
ール装置25は、プランジャ本体22の外周に環状のシ
ール溝26を設け、そのシール溝26に嵌合した環状の
シール部材27の外周をプランジャボディ20の内周に
弾性接触させている。
【0028】プランジャボディ20の大径筒部20b内
に形成された環状凹部20c内には環状のオイルシール
28が嵌合され、そのオイルシール28の内周はロッド
シート23の外周に弾性接触してその間をシールしてい
る。
【0029】プランジャボディ20の内部には前記プラ
ンジャ21の組込みによって圧力室29が形成されてい
る。圧力室29にはプランジャスプリング30が組込ま
れ、そのプランジャスプリング30によってプランジャ
21は圧力室29の容積が拡大する方向に付勢されてい
る。
【0030】プランジャ21には、圧力室29とリザー
バ室24を連通する第1通路31と、オリフィスから成
る第2通路32とが設けられている。第2通路32の形
成に際し、ここでは、プランジャ21に上下に貫通する
段付きの孔33を設け、その孔33内に第2通路32が
形成された段付きのピン状体34を圧入している。ピン
状体34は合成樹脂の成形品から成り、その下面には十
字溝35が形成されている。
【0031】プランジャ21に形成された第1通路31
はチェックバルブ36によって開閉される。チェックバ
ルブ36は第1通路31の下端に設けられたテーパ状シ
ート面37に対して接触離反自在のボールから成る弁体
38と、その弁体38の開閉量を制限する孔あきのリテ
ーナ39とから成る。このチェックバルブ36は、圧力
室29内の作動油の圧力がリザーバ室24内の作動油の
圧力より高くなると第1通路31を閉じるようになって
いる。
【0032】プランジャボディ20の内部に充填された
作動油は圧力室29を満たし、リザーバ室24内の所定
のレベルまで達している。その作動油の油面上に空気溜
り24aが設けられている。
【0033】空気溜り24aに封入された空気層は、プ
ランジャ21の軸方向の移動による圧力室29内の体積
変化や温度変化による作動油の体積変化に起因する作動
油室の圧力変化を吸収するアキュームレータの役目をす
る。なお、作動油室とは圧力室29とリザーバ室24か
ら成る室をいう。
【0034】空気溜り24aに封入された空気の量は、
プランジャ21の軸方向の移動による作動油室の容積変
化と温度変化による作動油の体積変化を吸収することが
できるという条件、およびラッシュアジャスタの組込み
時の姿勢、振動により圧力室29内に空気が侵入しない
という条件により決定される。好ましくは、プランジャ
本体22aが上限位置まで移動した状態での作動油室の
容積の10〜40%程度が適切である。上記範囲より少
ない場合、温度上昇による作動油の体積変化やラッシュ
アジャスタAの収縮による作動油室の容積変化時に空気
溜り24aの圧力が異常に上昇してプランジャ本体22
とロッドシート23の接触部から作動油が漏れるおそれ
がある。また、上記範囲を超えると、プランジャ21が
圧力室29の容積を拡大する方向に移動したとき、圧力
室29内に空気が侵入し、その圧力室29の容積を縮小
する方向にプランジャ21が移動したときその空気を圧
縮するため、ラッシュアジャスタの剛性が低下し、ラッ
シュアジャスタの機能を充分に発揮させることができな
くなる。
【0035】プランジャボディ20の底部外周には筒状
のステムガイド40が圧入されている。ステムガイド4
0は鋼板のプレス成形品から成り、その下部にはバルブ
ステム3の上部が挿入されるステム挿入孔41が設けら
れている。
【0036】一方、プランジャボディ20の上部外周に
は筒状のロッドガイド42が嵌合されている。このロッ
ドガイド42は鋼板のプレス成形品から成り、下端の加
締めによってプランジャボディ20に連結され、上部に
はロッド7の下端部が挿入されるロッド挿入孔43が設
けられている。
【0037】実施の形態で示すラッシュアジャスタAは
上記の構造から成り、そのラッシュアジャスタAを図1
に示す電磁駆動式動弁装置のバルブステム3とロッド7
の対向面に組み込んだ状態では、バルブスプリング6の
弾力とバルブスプリング11の弾力とのつり合いにより
アーマチュア8は、閉弁用電磁石9と開弁用電磁石10
の中間位置に保持される。
【0038】この組込み状態において、閉弁用電磁石9
を励磁してアーマチュア8を吸着すると、ロッド7が上
向きに移動し、バルブスプリング6によって、バルブ4
は閉弁方向に付勢される。
【0039】このとき、アーマチュア8が閉弁用電磁石
9に密着し、その密着状態でバルブ4とバルブシート5
間に隙間があると、バルブスプリング6によって上向き
に押圧されるステム3と停止状態に保持されるロッド7
とによってラッシュアジャスタAに軸方向の圧縮力が付
与される。その圧縮力によって圧力室29の圧力が高く
なり、チェックバルブ36は第1通路31を閉じ、圧力
室29内の作動油は第2通路32からリザーバ室24に
流れる。このとき、第2通路32はオリフィスから成る
ため、圧力室29の作動油はリザーバ室24内に徐々に
流れ、その作動油の流れによりプランジャボディ20が
プランジャ21に対して移動し、ラッシュアジャスタA
の収縮によりバルブ4がバルブシート5に着座して隙間
が零とされる。
【0040】一方、バルブ4がバルブシート5に着座す
る状態で閉弁用電磁石9とアーマチュア8と間の隙間が
あると、プランジャスプリング30の弾力によりプラン
ジャ21が押圧されて上向きに摺動しようとする。
【0041】このとき、圧力室29の圧力はリザーバ室
24内の圧力より低下するため、チェックバルブ36は
第1通路31を開放し、リザーバ室24内の作動油は第
1通路31から圧力室29内に流入し、プランジャ21
は上向きに摺動する。そのプランジャ21の摺動により
ラッシュアジャスタAは伸長し、その伸長によってアー
マチュア8は閉弁用電磁石9に密着し、アーマチュア8
と閉弁用電磁石9間の隙間が零とされる。
【0042】図1に示すようなラッシュアジャスタAの
組込み状態において、開弁用電磁石10を励磁してアー
マチュア8を吸着すると、ロッド7が下向きに移動し、
そのロッド7によってプランジャ21が押圧される。こ
のとき、圧力室29内の圧力はリザーバ室24内の圧力
より高くなるため、チェックバルブ36は第1通路31
を閉じ、圧力室29内に封入された作動油を介してプラ
ンジャボディ20が押圧され、そのプランジャボディ2
0を介してバルブステム3が押し下げられるため、図1
に示すように、バルブ4が開放する。
【0043】バルブ4の開放状態において、バルブスプ
リング6によって上向きに付勢されているバルブステム
3とロッド7とによってラッシュアジャスタAは軸方向
の圧縮力を受けるため、圧力室29内の圧力はリザーバ
室24内の圧力より高い圧力状態にある。このため、チ
ェックバルブ36は閉鎖状態に保持されると共に、圧力
室29内の作動油は第2通路32からリザーバ室24内
に流れる。第2通路32はオリフィスから成るため、圧
力室29内の作動油はリザーバ室24内に徐々に流れ、
その作動油の流れによってプランジャボディ20はプラ
ンジャ21に対して摺動し、ラッシュアジャスタAは収
縮する。ここで、バルブ4の開放時間はきわめて短いた
め、バルブ4開放時のラッシュアジャスタAの収縮量は
きわめて小さい。
【0044】開弁用電磁石10の励磁が解除され、閉弁
用電磁石9が励磁されてアーマチュア8がその閉弁用電
磁石9に吸着されると、バルブスプリング6の弾力によ
りバルブステム3およびロッド7が上昇してバルブ4が
バルブシート5に密着すると共に、アーマチュア8が閉
弁用電磁石9に密着する。
【0045】バルブステム3の上昇時、ラッシュアジャ
スタAは軸方向の圧縮力が解除されるため、プランジャ
スプリング30の弾力によりプランジャ21が上向きに
移動しようとする。このとき、圧力室29の圧力はリザ
ーバ室24内の圧力より低くなるため、チェックバルブ
36は第1通路31を開放し、リザーバ室24内の作動
油は第1通路31から圧力室29に流れ、プランジャ2
1はプランジャボディ20に対して上向きに移動し、ラ
ッシュアジャスタAは上記収縮分だけ伸長する。
【0046】このように、ラッシュアジャスタAはバル
ブ4の開放時に収縮し、閉鎖時にはその収縮分だけ伸長
するため、バルブステム3とロッド7の対向部間に隙間
が形成されることはない。
【0047】また、ラッシュアジャスタAは軸方向の圧
縮力が付与されると収縮し、また、圧縮力が解除される
と伸長するため、バルブ4およびバルブステム3とシリ
ンダヘッド1の相互間に熱膨張に差が生じ、あるいはバ
ルブ4およびバルブシート5に摩耗が生じると、その熱
膨張差および摩耗はラッシュアジャスタAの伸縮により
吸収される。このため、バルブステム3と対向部間に隙
間が生じるが防止される。
【0048】油圧式のラッシュアジャスタAにおいて
は、上記のように、伸長と収縮とを繰り返し、その伸縮
によって作動油室の容積が変化する。また、エンジンの
運転による温度変化によって作動油室に充填された作動
油の体積が変化する。
【0049】上記作動油室の容積変化や作動油の体積変
化によって作動油室の圧力が変化する。このとき、リザ
ーバ室24の作動油面上には空気溜り24aが形成され
ているため、その空気溜り24aの空気層によって作動
油室の圧力変化は吸収される。このため、作動油室の作
動油の漏洩は防止される。
【0050】プランジャボディ20の開口端部の内周と
プランジャ21の外周部間をシールするオイルシール2
8は、空気が内部に侵入し易く、外部に空気が漏洩し難
い特性を有しているため、使用時の温度上昇により、圧
力室29およびリザーバ室24は大気圧以上の圧力状態
に保持される。このため、チェックバルブ36が開放
し、リザーバ室24から圧力室29に作動油が流入する
とき、圧力室29は負圧になるが、全体の圧力が高いた
め、圧力室29の負圧のレベルが小さく、圧力室29に
おいてキャビテーションが発生するのをほぼ完全に防止
することができる。
【0051】図3は、ラッシュアジャスタAの第2の実
施形態を示す。この実施形態においては、プランジャボ
ディ20内に摺動自在に組込まれたプランジャ21の上
下部に小径部21a、21bを設け、下部小径側部21
bにチェックバルブ36のキャップ状のリテーナ39を
嵌合して弁体38の開閉量を制限し、上記リテーナ39
の開口部に設けられたフランジ39aをプランジャスプ
リング30で押圧するようにしている。
【0052】また、プランジャ21の上部に形成された
リザーバ室24の上端開口を栓体44の取付けによって
密閉し、その栓体44の上面に焼付けあるいは接着によ
る手段を介して固着されたオイルシール等のシール45
をプランジャボディ20の内周面に弾性接触して作動油
の外部への漏洩を防止している。
【0053】さらに、プランジャ21の上部の小径部2
1aに複数の半径方向の孔46を形成し、この孔46お
よびプランジャボディ20とプランジャ21の摺動面間
に形成された隙間47を第2通路32としている。
【0054】また、プランジャボディ20の開口部内周
に形成された環状溝48に止め輪49を取付け、その止
め輪49によってプランジャ21を抜け止めすると共
に、止め輪49の内周面によってロッド7を案内するよ
うにしている。
【0055】他の構成において、図2に示すラッシュア
ジャスタと同一のものは同一部品には同一の符号を付し
て説明を省略する。
【0056】第2の実施形態で示すように、プランジャ
ボディ20とプランジャ21の摺動面間に形成された隙
間47およびプランジャ21の上部の小径部21aに設
けられた孔46を第2通路32とすることによって、図
2に示すシール部材26を不要とすることができるの
で、部品点数を少なくすることができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、リ
ザーバ室内の作動油面上に空気溜りを設けたことによっ
て、プランジャボディとプランジャの相対的な移動に伴
う容積変化や温度変化による作動油の体積変化に起因す
る作動油室の圧力変化を空気溜りの空気層によって吸収
することができるので、作動油室の作動油が漏洩するの
を防止することができる。
【0058】また、プランジャボディの開口端部の内周
とプランジャの外周間に設けたオイルシールにより、使
用時の温度上昇によって作動油室内の圧力を大気圧以上
に保持することができるため、圧力室の圧力が負圧にな
った場合の負圧のレベルを小さくすることができ、キャ
ビテーションの発生を抑制することができる。このた
め、圧力室内の作動油中から気泡が析出し、圧力室内に
気泡が滞溜してラッシュアジャスタの剛性を低下させる
という不都合の発生を防止することができ、動弁装置を
常に精度よく作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るラッシュアジャスタを組込んだ
電磁駆動式動弁装置の縦断正面図
【図2】この発明に係るラッシュアジャスタの第1の実
施形態を示す縦断正面図
【図3】この発明に係るラッシュアジャスタの第2の実
施形態を示す縦断正面図
【符号の説明】
20 プランジャボディ 21 プランジャ 24 リザーバ室 24a 空気溜り 28 オイルシール 29 圧力室 30 プランジャスプリング 31 第1通路 32 第2通路 36 チェックバルブ 46 孔 47 隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底付き筒状のプランジャボディと、上部
    に中空状のリザーバ室を有し、前記プランジャボディ内
    への組込みによって、そのプランジャボディの底面間に
    圧力室を形成する摺動可能なプランジャと、そのプラン
    ジャを前記圧力室の容積が拡大する方向に付勢するプラ
    ンジャスプリングと、前記プランジャボディの開口端部
    の内周とプランジャの外周間をシールするオイルシール
    とから成り、前記リザーバ室と圧力室の相互間に、その
    両室を連通する第1通路と、微小な流路から成る第2通
    路とを設け、前記第1通路に圧力室の圧力がリザーバ室
    の圧力より高くなるとその第1通路を閉じるチェックバ
    ルブを設け、前記圧力室とリザーバ室とから成る作動油
    室に作動油を充填し、その作動油量をプランジャが上限
    位置まで移動した状態での作動油室の容積の60〜90
    %としてリザーバ室の作動油面上に空気溜りを形成した
    ラッシュアジャスタ。
  2. 【請求項2】 前記第2通路がオリフィスから成り、そ
    のオリフィスから成る第2通路をプランジャに形成した
    請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  3. 【請求項3】 前記第2通路が、プランジャボディとプ
    ランジャの摺動面間に形成された隙間と、その隙間とリ
    ザーバ室とを連通する孔とから成る請求項1に記載のラ
    ッシュアジャスタ。
JP2001092470A 2001-03-28 2001-03-28 ラッシュアジャスタ Pending JP2002285808A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001092470A JP2002285808A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 ラッシュアジャスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001092470A JP2002285808A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 ラッシュアジャスタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002285808A true JP2002285808A (ja) 2002-10-03

Family

ID=18946926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001092470A Pending JP2002285808A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 ラッシュアジャスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002285808A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005054684A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Toyota Motor Corp ラッシュアジャスタ
JP2005351218A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Toyota Motor Corp 電磁駆動弁
JP2007154869A (ja) * 2005-11-08 2007-06-21 Toyota Motor Corp 密封型ラッシュアジャスタ及び密封型ラッシュアジャスタの液体封入量調整方法
JP2008223642A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Toyota Motor Corp 密封型ラッシュアジャスタ及び密封型ラッシュアジャスタの気体封入方法
JP2010059913A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Toyota Motor Corp ラッシュアジャスタ
EP2196636A1 (en) * 2007-10-03 2010-06-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Sealed lash adjuster and seal structure between first and second parts
JP2010209711A (ja) * 2009-03-07 2010-09-24 Toyota Motor Corp 密封型ラッシュアジャスタ
JP2010242719A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Toyota Motor Corp ラッシュアジャスタ
JP2011185150A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Toyota Motor Corp ラッシュアジャスタおよび摺動部のシール構造

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005054684A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Toyota Motor Corp ラッシュアジャスタ
JP2005351218A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Toyota Motor Corp 電磁駆動弁
JP4680155B2 (ja) * 2005-11-08 2011-05-11 トヨタ自動車株式会社 密封型ラッシュアジャスタ及び密封型ラッシュアジャスタの液体封入量調整方法
JP2007154869A (ja) * 2005-11-08 2007-06-21 Toyota Motor Corp 密封型ラッシュアジャスタ及び密封型ラッシュアジャスタの液体封入量調整方法
JP2008223642A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Toyota Motor Corp 密封型ラッシュアジャスタ及び密封型ラッシュアジャスタの気体封入方法
JP4659778B2 (ja) * 2007-03-13 2011-03-30 トヨタ自動車株式会社 密封型ラッシュアジャスタ及び密封型ラッシュアジャスタの気体封入方法
EP2196636A1 (en) * 2007-10-03 2010-06-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Sealed lash adjuster and seal structure between first and second parts
EP2196636A4 (en) * 2007-10-03 2012-03-07 Toyota Motor Co Ltd WATERPROOF HYDRAULIC GAME RETRACTOR AND SEAL STRUCTURE BETWEEN FIRST AND SECOND PARTS
KR101178198B1 (ko) * 2007-10-03 2012-08-29 니탄 밸브 가부시키가이샤 밀봉형 래시 어저스터 및 제 1 및 제 2 부품 사이의 시일구조
US8261710B2 (en) 2007-10-03 2012-09-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Sealed lash adjuster and seal structure between first and second parts
JP2010059913A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Toyota Motor Corp ラッシュアジャスタ
JP2010209711A (ja) * 2009-03-07 2010-09-24 Toyota Motor Corp 密封型ラッシュアジャスタ
JP2010242719A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Toyota Motor Corp ラッシュアジャスタ
JP2011185150A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Toyota Motor Corp ラッシュアジャスタおよび摺動部のシール構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6739528B2 (en) Compensator assembly having a flexible diaphragm and an internal filling tube for a fuel injector and method
US10982634B2 (en) Pump valve configuration and assembly method
KR970065971A (ko) 유압 래쉬 조절기
JP6200499B2 (ja) 燃焼機関内のガス交換弁の軸方向変位のためのアクチュエータ
JP2002285808A (ja) ラッシュアジャスタ
JP4116548B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2002202022A (ja) バルブ駆動装置および燃料噴射弁
JP2002285807A (ja) ラッシュアジャスタ
JP4453000B2 (ja) 油圧緩衝器
KR20040077904A (ko) 연료분사밸브
KR20010101483A (ko) 연료 분사 밸브
JP2003510511A (ja) 燃料噴射弁
JPS59162311A (ja) 密封式油圧リフタ
JP2003083010A (ja) 油圧式ラッシュアジャスタ
JPH11229833A (ja) 電磁駆動弁
JP4263333B2 (ja) 油圧ラッシュアジャスタ
JP2000249016A (ja) インジェクタ
JP4140184B2 (ja) 燃料噴射装置
JP2005221000A (ja) 密封式油圧ダンパ
JPH057451Y2 (ja)
JP3733776B2 (ja) 電磁駆動弁
JP2000018116A (ja) コモンレール式燃料噴射装置のインジェクタ
JP2000213313A (ja) 電磁駆動弁
JPH03239845A (ja) 油圧式オートテンショナ
JP4120229B2 (ja) 電磁駆動弁